説明

乗客コンベア装置

【課題】駆動ローラ自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損した場合、踏段反転区間での駆動ローラ及びその破損物が脱落するのを防止することで、踏段の損傷を最小限に抑えることができ、また踏段と櫛部との間に異物が挟まるのを低減することができ、駆動ローラの脱輪等により踏段の走行が頻繁に停止するのを防止することができる乗客コンベア装置を得る。
【解決手段】この発明に係る乗客コンベア装置は、踏段10の往路と復路との間の折り返し区間であって、踏段10の姿勢を反転させる踏段反転区間の両側において、駆動ローラ16の軌道を沿って設けられ、駆動ローラ16の軸線外側方向の移動を規制する半円板形状の移動規制板20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無端状の踏段鎖の移動に伴い踏段が往路と復路とを循環、走行する乗客コンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無端状の踏段鎖の両端部が係止して巻掛けされた、スプロケット軸を有する踏段スプロケットと、前記踏段鎖に踏段軸を介して固定された複数の踏段と、この踏段の進行方向において前方側にある前記踏段軸の両端部に設けられた駆動ローラと、この駆動ローラが転動する、第1の駆動側レール部及び第1の駆動側レール部と平行の第2の駆動側レール部からなる駆動側レールと、各踏段の後方側に回転自在に設けられた一対の追従ローラと、この追従ローラが転動する従動側レールとを備えたエスカレータが知られている。
【0003】
このものの場合、踏段の往路と復路との間の折り返し区間であって、踏段の姿勢を反転させる踏段反転区間においては、駆動ローラは、第1の駆動側レール部の端部で離れた後、踏段スプロケットの接線方向に指向した軌道を描いて反転した後、第2の駆動側レール部の先端部に乗り移る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-265961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このエスカレータは、第1の駆動側レール部及び第2の駆動側レール部は断面Lの字形状であるので、稼働中、駆動ローラが、何らかの事態により、駆動ローラ自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損(脱落)した場合、それらの物が駆動ローラの軸線外側方向に移動し、脱落するのを防止している。
しかしながら、踏段反転区間においては、踏段スプロケットに係止した踏段鎖の反転に連動して踏段及び駆動ローラは、反転し、駆動ローラは、第1の駆動側レール部の端部で離れた後、第2の駆動側レール部の先端部に乗り移り、その間は断面Lの字形状の駆動側レール部に案内されることはない。
従って、その間で例えば脱輪した駆動ローラ等が脱落し、その結果踏段の姿勢が変化し、内部機器との衝突により踏段が破損したり、踏段と乗降口の櫛部との間に間隙が発生し、この間隙に異物が挟まるといった問題点があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、駆動ローラ自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損した場合、踏段反転区間での駆動ローラ及びその破損物が脱落するのを防止することで、踏段の損傷を最小限に抑えることができ、また踏段と櫛部との間に異物が挟まるのを低減することができ、駆動ローラの脱輪等により踏段の走行が頻繁に停止するのを防止することができる乗客コンベア装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る乗客コンベア装置は、無端状の踏段鎖の両端部が係止して巻掛けされた、スプロケット軸を有する踏段スプロケットと、前記踏段鎖に踏段軸を介して固定された複数の踏段と、この踏段の進行方向において前方側にある前記踏段軸の両端部に設けられた駆動ローラと、この駆動ローラが転動する、第1の駆動側レール部及び第1の駆動側レール部と平行の第2の駆動側レール部からなる駆動側レールと、各踏段の後方側に回転自在に設けられた一対の追従ローラと、この追従ローラが転動する従動側レールとを備え、前記踏段鎖の移動に伴い前記踏段が往路と復路との循環移動する乗客コンベア装置であって、
前記踏段の前記往路と前記復路との間の折り返し区間であって、踏段の姿勢を反転させる踏段反転区間の両側において、前記駆動ローラの軌道を沿って設けられ、前記駆動ローラの軸線外側方向の移動を規制する移動規制手段が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る乗客コンベア装置によれば、踏段の姿勢を反転させる踏段反転区間の両側において、駆動ローラの軌道を沿って設けられ、駆動ローラの軸線外側方向の移動を規制する移動規制手段が設けられているので、駆動ローラ自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損した場合、踏段反転区間で駆動ローラ及びその破損物が脱落するのを防止できる。
この結果、踏段反転区間で例えば脱輪した駆動ローラ等が脱落し、踏段の姿勢が変化し、内部機器との衝突により踏段が破損したり、踏段と乗降口の櫛部との間に間隙が発生し、この間隙に異物が挟まるといったことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1のエスカレータを示す全体図である。
【図2】図1のII−II線に沿った矢視断面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2の駆動ローラと移動規制板との位置関係を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2の乗客コンベア装置の要部を示す断面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図5の移動規制手段を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1のエスカレータを示す全体図、図1のII−II線に沿った矢視断面図、図3は図2の右側面図である。
乗客コンベア装置であるエスカレータは、上部機械室2と下部機械室7との間に主枠1が架け渡されている。主枠1の両側には、欄干11が立設されている。
上部機械室2の内部には、駆動機3が設けられている。この駆動機3の軸に結合された駆動スプロケット5は、上部踏段スプロケット6に無端状の駆動鎖4を介して接続されている。対向した一対の上部踏段スプロケット6には、無端状の踏段鎖9の一端部が係止して巻掛けされている。踏段鎖9の他端部は、下部機械室7の内部に設けられた、対向した一対の下部踏段スプロケット8に係止して巻掛けされている。一対の踏段鎖9の間には、各踏段10の進行方向に沿って一定間隔で踏段軸15が取付けられている。この踏段軸15には、それぞれ踏段10が固定されている。
【0012】
各踏段10の進行方向において前方側にある踏段軸15の両端部には、駆動ローラ16が固定されている。この駆動ローラ16の外周面部にはゴムが設けられている。各駆動ローラ16は、駆動側レール上を転動する。
この駆動側レールは、一対の第1の駆動側レール部17aと、この第1の駆動側レール部17aと平行な第2の駆動側レール部17bとから構成されており、踏段鎖9のそれぞれの両側に、上部機械室2と下部機械室7との間で踏段鎖9の軌道に沿って設けられている。
断面L字形状の、第1の駆動側レール部17a及び第2の駆動側レール部17bのうち、第1の駆動側レール部17aは、第2の駆動側レール部17bよりも上部機械室2側、下部機械室7側で共にそれぞれ長い。
【0013】
各踏段10の後方側には、一対の追従ローラ18が回転自在に取付けられている。この追従ローラ18の外周面部にはゴムが設けられている。各追従ローラ18は、トラック状の従動側レール19上を転動する。
この従動側レール19は、第1の駆動側レール部17a及び第2の駆動側レール部17bの内側であって、上部機械室2と下部機械室7との間をトラック状に設けられている。
踏段10の往路と復路との間の折り返し区間、つまり踏段10の姿勢を反転させる踏段反転区間では、断面コ字状の反転部26を有しており、上部機械室2側の上部踏段反転区間と下部機械室7側の下部踏段反転区間とに挟まれた区間では、断面L字形状である。
【0014】
上部踏段反転区間、下部踏段反転区間では、それぞれの断面L字形状の第1の駆動側レール部17aのうち、起立部17a1に駆動ローラ16の軸線方向の移動を規制する移動規制手段である移動規制板20がそれぞれ固定されている。この移動規制体20は、図3に示すように、半円板形状であり、踏段10が反転し、駆動ローラ16が第1の駆動側レール部17aから第2の駆動側レール部17bに乗り移る領域の両面を覆っている。
移動規制板20と踏段軸15の先端面との間の距離Yは、図4に示すように、駆動ローラ16の軸線方向の厚さXよりも小さい。
【0015】
下部踏段スプロケット8の中心軸には、軸受14で回転自在に支持された下部スプロケット軸13が貫通している。上部踏段スプロケット6も、下部踏段スプロケット8と同様に、軸受(図示せず)で回転自在に支持された上部スプロケット軸(図示せず)が貫通している。
【0016】
上部踏段スプロケット6と同軸に手摺スプロケット30が設けられている。この手摺スプロケット30は、無端状の手摺鎖31を介して、踏段10と同速度で移動手摺32を移動させるための移動手摺駆動装置12に接続されている。
【0017】
次に、上記構成のエスカレータの動作について、踏段10の「上り」走行の例で説明する。
エスカレータは、駆動機3の駆動で駆動する。
駆動機3の駆動力は、駆動鎖4を介して、一方は一対の上部踏段スプロケット6に伝達され、上部踏段スプロケット6に係合した踏段鎖9の移動に伴い、踏段鎖9に固定された踏段10は走行し、他方は手摺鎖31を介して移動手摺駆動装置12に伝達され、移動手摺32は踏段10と同速度で走行する。
踏段10は、下部機械室7側の下部踏段反転区間では、図3において時計方向に走行する。
このときは、踏段10の前位側の駆動ローラ16は、第1の駆動側レール部17aを転動し、踏段10の後位側の追従ローラ18は、従動側レール19を転動する。
駆動ローラ16は、第1の駆動側レール部17aの端部で離れた後、下部踏段スプロケット8の接線方向に指向した軌道を描いて反転した後、第2の駆動側レール部17bの先端部に乗り移る。
一方、追従ローラ18は、従動側レール19の反転部26を転動する。
【0018】
この踏段10は、引き続き前位側の駆動ローラ16が第2の駆動側レール部17bを転動し、踏段10の後位側の追従ローラ18が従動側レール19を転動し、上部機械室2に達する。
上部機械室2内では、踏段10の前位側の駆動ローラ16は、第2の駆動側レール部17bの端部で離れた後、上部踏段スプロケット6の接線方向に指向した軌道を描いて反転した後、第1の駆動側レール部17aの先端部に乗り移る。
一方、追従ローラ18は、従動側レール19の反転部26を転動する。
【0019】
踏段10は、このようにして下部機械室7と上部機械室2との間を循環、走行する。
なお、踏段10の「下り」は、上部踏段スプロケット6及び下部踏段スプロケット8の回転方向が逆であり、また下部機械室7側の下部踏段反転区間、上部機械室2側の上部踏段反転区間での駆動ローラ16、追従ローラ18の動作は、踏段10の「上り」走行の場合と転動方向が逆である。
【0020】
この実施の形態では、踏段10が循環、走行している際に、途中駆動ローラ16自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損し、それらの物が踏段反転区間に達した場合、踏段反転区間の両側では移動規制手段である移動規制板20が設けられているので、踏段反転区間で駆動ローラ16等が落下するのを防止できる。
従って、踏段反転区間で例えば脱輪した駆動ローラ16等が脱落し、踏段10の姿勢が変化し、内部機器との衝突により踏段10が破損したり、踏段10と乗降口の櫛部(図示せず)との間に間隙が発生し、この間隙に異物が挟まるといったことを防止でき、駆動ローラ16の脱輪等によりエスカレータの稼働が頻繁に停止するのを防止することができる。
【0021】
また、移動規制板20は、第1の駆動側レール部17aの起立部17a1に固定されており、駆動ローラ16の軌道を覆った半円板形状である。
従って、移動規制手段である移動規制板20は、簡単な構成であるとともに、既存の設備を改造することなく、簡単に取付けることができる。
【0022】
また、移動規制板20と踏段軸15の先端面との間の間隙寸法Yは、駆動ローラ16の軸線方向の厚さよりも小さい。
従って、駆動ローラ16の軸線外側方向の移動量は、駆動ローラ16の厚さを超えることはなく、駆動ローラ16の脱落の発生を大幅に低減することができる。
【0023】
なお、移動規制板20は、第2の駆動側レール部17bの起立部17b1に固定してもよく、また形状は駆動ローラ16の軌道を沿っておればよく、半円板形状に限定されないのは勿論である。
【0024】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2のエスカレータの要部を示す断面図、図6は図5の右側面図、図7は図5の移動規制手段を示す斜視図である。
この実施の形態では、踏段10の姿勢を反転させる踏段反転区間において、駆動ローラ16の軸線外側方向の移動を規制する移動規制手段が設けられている。
この移動規制手段は、下部スプロケット軸13に固定された支持板40と、この支持板40にばね22を介して設けられた、第1のガイド21a及び第2のガイド21bを備えている。
この支持板40は、図6に示すように、半円板形状であり、踏段0が反転し、駆動ローラ16が第1の駆動側レール部17aから第2の駆動側レール部17bに乗り移る領域の両面を覆っている。
【0025】
第1のガイド21a及び前記第2のガイド21bは、円弧状の断面L字形状であって、それぞれ駆動ローラ16が転動する転動面部21a1,21b1と、駆動ローラ16の軸線外側方向の移動を規制する移動規制部21a2,21b2とを有している。
支持板40の下側の第2のガイド21bの転動面部21b1は、支持板40の上側の第1のガイド21aの転動面部21a1よりも、内径側に設けられている。そして、駆動ローラ16は、例えば第2のガイド21bの転動面部21b1を転動した後、引き続き第1のガイド21aの転動面部21a1に乗り移り、転動するようになっている。
【0026】
また、支持板40には、移動規制部21a2,21b2のそれぞれに先端部が当接し、各移動規制部21a2,21b2の軸線外側方向の移動量を検出するスイッチ23が取付けられている。
なお、図5及び図6では、下部機械室7内の踏段反転区間での構成を説明したが、上部機械室2内での踏段反転区間についても、下部機械室7と同様の移動規制手段が設けられている。
他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0027】
上記構成のエスカレータでは、踏段10が「上り」走行の場合、踏段10は、下部機械室7側の下部踏段反転区間では、図6において時計方向に移動する。
このときは、踏段10の前位側の駆動ローラ16は、第2のガイド21bの転動面部21b1上を転動した後、第1のガイド21aの転動面部21a1上を転動する。同時に、踏段10の後位側の追従ローラ18は、従動側レール19の反転部26を転動する。
【0028】
この踏段10は、引き続き前位側の駆動ローラ16が第2の駆動側レール部17bを転動し、踏段10の後位側の追従ローラ18が従動側レール19を転動し、上部機械室2に達する。
上部機械室2内では、踏段10の前位側の駆動ローラ16は、第1のガイド21aの転動面部21a1上を転動した後、第2のガイド21bの転動面部21b1上を転動する。同時に、踏段10の後位側の追従ローラ18は、従動側レール19の反転部26を転動する。
反転した後、第1の駆動側レール部17aの先端部に乗り移る。
一方、追従ローラ18は、従動側レール19の反転部26を転動する。
踏段10は、このようにして下部機械室7と上部機械室2との間を循環、走行する。
【0029】
なお、踏段10の「下り」走行は、上部踏段スプロケット6及び下部踏段スプロケット8の回転方向が逆であり、また下部機械室7側の下部踏段反転区間、上部機械室2側の上部踏段反転区間での駆動ローラ16、追従ローラ18の動作は、踏段10の「上り」走行の場合と転動方向が逆である。
【0030】
この実施の形態では、下部機械室7と上部機械室2との間を踏段10が循環、走行している際に、途中駆動ローラ16自体が脱輪し、また外周の構成材(ゴムなど)が剥離による破損した場合、それらの物は、踏段反転区間に達しても、踏段反転区間では第1のガイド21a、第2のガイド21bが設けられており、移動規制部21a2,21b2が脱輪した駆動ローラ16等が落下するのを防止できる。
従って、踏段反転区間で例えば脱輪した駆動ローラ16等が脱落し、踏段10の姿勢が変化し、内部機器との衝突により踏段10が破損したり、踏段10と乗降口の櫛部との間に間隙が発生し、この間隙に異物が挟まるといったことを防止でき、駆動ローラ16の脱輪等によりエスカレータの稼働が頻繁に停止するのを防止することができる。
【0031】
また、移動規制部21a2,21b2が、ばね22の弾性力に逆らって軸線外側方向に押され、所定量を超えた場合には、スイッチ23が作動し、エスカレータは停止するので、踏段10等の損傷を最小限に抑えることができる。
【0032】
なお、この実施の形態では、支持板40にばね22を介して第1のガイド21a、第2のガイド21bを設けたが、ばね22を削除し、支持板40に第1のガイド21a、第2のガイド21bを直接固定してもよい。
この場合には、移動規制部21a2,21b2と踏段軸15の先端面との間の間隙寸法は、駆動ローラ16の軸線方向の厚さよりも小さくすることで、駆動ローラ16の軸線方向の移動は、駆動ローラ16の厚さを超えることはなく、駆動ローラ16の脱落の発生を大幅に低減することができる。
また、上記実施の形態1,2では、乗客コンベア装置としてエスカレータも用いて説明したが、この発明は、例えば動く歩道にも適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 主枠、2 上部機械室、3 駆動機、4 駆動鎖、5 駆動スプロケット、6
上部踏段スプロケット、7 下部機械室、8 下部踏段スプロケット、9 踏段鎖、10 踏段、11 欄干、12 移動手摺駆動装置、13 下部スプロケット軸、14 軸受、15 踏段軸、16 駆動ローラ、17a 第1の駆動側レール部、17b 第2の駆動側レール部、18 追従ローラ、19 従動側レール、20 移動規制板(移動規制手段)、21a 第1のガイド(移動規制手段)、21b 第2のガイド(移動規制手段)、21a1,21b1 転動面部、21a2,21b2 移動規制部、22 ばね、23 スイッチ、26 反転部、30 手摺スプロケット、31 手摺鎖、32 移動手摺、40 支持板(移動規制手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状の踏段鎖の両端部が係止して巻掛けされた、スプロケット軸を有する踏段スプロケットと、
前記踏段鎖に踏段軸を介して固定された複数の踏段と、
この踏段の進行方向において前方側にある前記踏段軸の両端部に設けられた駆動ローラと、
この駆動ローラが転動する、第1の駆動側レール部及び第1の駆動側レール部と平行の第2の駆動側レール部からなる駆動側レールと、
各踏段の後方側に回転自在に設けられた一対の追従ローラと、
この追従ローラが転動する従動側レールとを備え、
前記踏段鎖の移動に伴い前記踏段が往路と復路との循環移動する乗客コンベア装置であって、
前記踏段の前記往路と前記復路との間の折り返し区間であって、踏段の姿勢を反転させる踏段反転区間の両側において、前記駆動ローラの軌道を沿って設けられ、前記駆動ローラの軸線外側方向の移動を規制する移動規制手段が設けられていることを特徴とする乗客コンベア装置。
【請求項2】
前記移動規制手段は、前記第1の駆動側レール部または前記第2の駆動側レール部に固定された半円板形状の移動規制板であることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア装置。
【請求項3】
前記移動規制板と前記踏段軸の先端面との間の間隙寸法は、前記駆動ローラの軸線方向の厚さよりも小さいこと特徴とする請求項2に記載の乗客コンベア装置。
【請求項4】
前記移動規制手段は、前記スプロケット軸に固定され、前記駆動ローラの軌道に沿って設けられた支持板と、
この支持板に設けられた、断面L字形状であって円弧状の、第1のガイド及び第2のガイドを備え、
前記第1のガイド及び前記第2のガイドは、それぞれ前記駆動ローラが転動する転動面部と、駆動ローラの軸線外側方向の移動を規制する移動規制部とを有しており、
前記駆動ローラは、一方の前記転動面部を転動した後、引き続き他方の前記転動面部を転動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア装置。
【請求項5】
前記移動規制部と前記踏段軸の先端面との間の間隙寸法は、前記駆動ローラの軸線方向の厚さよりも小さいこと特徴とする請求項4に記載の乗客コンベア装置。
【請求項6】
前記支持板と、前記第1のガイド及び前記第2のガイドのそれぞれの前記移動規制部との間には、前記駆動ローラ側に付勢するばねが設けられており、
前記支持板には、先端部が前記移動規制部に当接し移動規制部の前記軸線外側方向の移動量を検出するスイッチが取付けられていることを特徴とする請求項4に記載の乗客コンベア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−62180(P2012−62180A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209360(P2010−209360)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】