説明

乳児保温器の装置及び方法

【課題】乳児患者を十分かつ均一に保温するような整列フィーチャを備えた乳児保温の装置及び方法を提供する。
【解決手段】乳児保温器(10)は、固定の領域にわたって輻射エネルギーを全体として均一に分散させるように構成されたヒータ(30)を備えたヒータ天蓋(18)を含む。ヒータ天蓋(18)はさらに、選択的に光を発生させるように構成されたランプ(32)を含むことがある。ヒータ天蓋(18)はさらに、ランプ(32)を基準として位置決めされたステンシル(34)を含み、これにより光の少なくとも一部分が該ステンシル(34)を通過して投影像(56)を生成するようにすることがある。投影像(56)は、該固定領域をハイライトするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示した主題は患者整列フィーチャを備えた乳児保温装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳児を所定の温度に保つように乳児を保温しかつ必要な熱を供給するために保温デバイスを実現させることがある。乳児保温器は一般には、乳児の上方に配置させると共に、これにより赤外線スペクトルにあるエネルギーを放射して乳児の上に当て所定の温度を維持している輻射ヒータを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の乳児保温器に関する問題点の1つは、患者をヒータアセンブリと適正に整列させねばならないことである。ヒータアセンブリに対して患者が整列不良であると、患者の温めが不十分となることや、温めが不均一となることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の短所、欠点及び問題点について本明細書では、明細書の以下を読みかつ理解することにより理解されるようにして対処している。
【0005】
一実施形態における乳児保温器は、固定の領域にわたって輻射エネルギーを全体として均一に分散させるように構成されたヒータを備えたヒータ天蓋を含む。このヒータ天蓋はさらに、選択的に光を発生させるように構成されたランプを含むことがある。このヒータ天蓋はさらに、ランプを基準として位置決めされたステンシルを含むことがあり、これにより光の少なくとも一部分が該ステンシルを通過して投影像が生成される。この投影像は、固定の領域をハイライトするように構成されている。
【0006】
別の実施形態における乳児保温器は、固定の領域にわたって輻射エネルギーを全体として均一に分散させるように構成されたヒータを備えたヒータ天蓋を含む。ヒータ天蓋はさらに、該固定の領域に比例するステンシルパターンを規定しているステンシルを含むことがある。ヒータ天蓋はさらに、該ステンシルを通過して光を選択的に伝達するように構成されたランプを含むことがあり、これによりステンシルパターンに基づいた投影像が生成される。この投影像は、固定の領域を視覚的にハイライトするように構成されている。本乳児保温器はさらに、ヒータ天蓋に接続されたフレームを含むことがある。本乳児保温器はさらに、フレームに接続された基部を含むことがある。
【0007】
別の実施形態における方法は、ヒータを設けるステップと、該ヒータが輻射エネルギーを全体として均一に分散させている固定の領域を特定するステップと、を含む。本方法はさらに、固定の領域に比例するステンシルパターンを規定しているステンシルを設けるステップを含むことがある。本方法はさらに、固定の領域をハイライトしている投影像を生成するようにステンシルを通過して光を伝達するステップを含むことがある。
【0008】
本発明に関する別の様々な特徴、目的及び利点については添付の図面及びその詳細な説明から当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態による乳児保温器を表した等角図である。
【図2】一実施形態によるヒータを表した等角図である。
【図3】一実施形態によるステンシルの上面像である。
【図4】一実施形態による図1の乳児保温器及びベッドを表した等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、実施し得る特定の実施形態の例証により示した説明の一部を形成する添付の図面を参照している。これらの実施形態は当業者による該実施形態の実施を可能とさせるように十分詳細に記述していると共に、別の実施形態も利用し得ること並びに該実施形態の趣旨を逸脱することなく論理的、機械的、電気的及び別の変更を実施し得ることを理解されたい。以下の詳細な説明はしたがって、本発明の範囲の限定ととるべきではない。
【0011】
図1を参照すると、一実施形態による乳児保温器10を等角図によって表している。乳児保温器10は、基部12、フレーム14及びヒータ天蓋18を含むことがある。乳児保温器10について一実施形態に従って記載していること、並びに別の構成も想定し得ることを理解されたい。一例として代替的な一実施形態による壁面装着式の乳児保温器は、壁面に対して直接取り付けるように構成された壁面取付装置(図示せず)を備えたヒータ天蓋を含むことがある。
【0012】
基部12は、乳児保温器10の並進を容易にするように適応させた複数の車輪20を含むことがある。フレーム14は基部12に対して確保されると共に、基部12から先に全体として垂直方向に延びている。フレーム14は、乳児保温器10の動作を調節するように構成された制御器22を備える。フレーム14は任意選択では、ベッド28(図4参照)を垂直方向に位置決めするように適応させた下側高さ調整マーク24や上側高さ調整マーク26などの1つまたは複数の高さ調整マークを備えることがある(これについては、以下でより詳細に説明することにする)。
【0013】
ヒータ天蓋18はフレーム14に対して確保されている。ヒータ天蓋18は、ヒータ30と、ランプ32と、テンプレートまたはステンシル34と、を含む。一実施形態ではそのランプ32はハロゲンランプである。ステンシル34は、ランプ32からの光がステンシル34を少なくとも部分的に通過してベッド28(図4参照)上に至るようにしてランプ32を基準として位置決めされている。
【0014】
図2を参照すると、一実施形態によるヒータ30の詳細等角図を表している。本明細書の以下ではヒータ30を、乳児に当たるように赤外線スペクトルにある輻射エネルギーを提供するように構成された輻射ヒータデバイスとして記載することにする。しかし乳児保温器10(図1参照)は、異なった多種多様なヒータタイプや構成を実現するように構成することが可能であることを理解すべきである。図示した実施形態では輻射ヒータ30は、反射体44によって乳児の方向に反射される赤外線を提供する赤外線放出体42を含む。反射体44は、楕円面、放物面、双曲面などのある特定の幾何学構成とすることが好ましい。赤外線エネルギーのうちのそのままでは乳児の方に向かう一部分を戻す方向に偏向させ、さらに反射体44から再反射させるように偏向器46を使用することがある。偏向器44下側には、偏向器44の高い温度にユーザが接近するのを防止するために熱シールド48を装着することがある。
【0015】
図3を参照すると、一実施形態によるステンシル34の上面像を表している。ステンシル34は、所定のステンシルパターン54を規定するように構成された透明部分50及び不透明部分52を備えることがある。透明部分50はランプ32からの光を透過するように構成される一方、不透明なステンシル部分42はランプ32からの光の透過を遮るように構成されている。ステンシル34の透明部分と不透明部分50、52を記載のように構成することは、ランプ32により照らしたときに投影像56(図4参照)が生成される効果を有することになる。投影像56はステンシルパターン54に正比例することを理解されたい。ステンシルは当技術分野でよく知られており、したがってさらに詳細に説明していない。
【0016】
図4を参照すると、一実施形態による乳児保温器10及びベッド28を表した等角図である。乳児患者58を十分かつ均一に温められるよう保証するためには、患者58をヒータ天蓋18を基準として水平と垂直の両方向で適正に位置決めしなければならない。ヒータ天蓋18を基準として患者58を垂直方向に位置決めするために、ベッド28の上表面60は2つの高さ調整マーク24、26の間で垂直方向に位置決めされるべきである。換言すると下側高さ調整マーク24の下側に降ろされたベッド28ではヒータ天蓋18から遠く離れ過ぎで、上向き方向の垂直調整が必要である。同様に、上側高さ調整マーク26の上方に昇ったベッド28ではヒータ天蓋18に接近し過ぎで、向き方向の垂直調整が必要である。
【0017】
ヒータ天蓋18を基準とした患者58の水平方向の位置決めのためには、その内部で患者58が十分かつ均一に温められるような固定の領域にわたって輻射エネルギーを均一に分散させるようにヒータ反射体44(図2参照)を構成させることを理解することが重要である。この固定領域は例えば、ヒータ30の素子の動作性能特性に基づくこと、あるいは温度計やサーミスタなど温度計測に適応させたデバイスの使用によって特定することがある。この固定領域を特定し終わると、固定領域を視覚的にハイライトするために得られる投影像56が固定領域の外周縁と整列するようにしてステンシル34により規定されるステンシルパターン54(図3参照)が選択される。換言するとステンシルパターン54は、固定領域と比例させ、これにより投影像56が固定領域に外接するかさもなければ固定領域をハイライトするように構成される。この方式では乳児患者が投影像56により規定される領域内部に配置されていれば、必然的にヒータ天蓋18を基準として水平方向に整列することになる。
【0018】
この記載では、本発明(最適の形態を含む)を開示するため、並びに当業者による任意のデバイスやシステムの製作と使用及び組み込んだ任意の方法の実行を含む本発明の実施を可能にするために例を使用している。本発明の特許性のある範囲は本特許請求の範囲によって規定していると共に、当業者により行われる別の例を含むことができる。こうした別の例は、本特許請求の範囲の文字表記と異ならない構造要素を有する場合や、本特許請求の範囲の文字表記と実質的に差がない等価的な構造要素を有する場合があるが、本特許請求の範囲の域内にあるように意図したものである。
【符号の説明】
【0019】
10 乳児保温器
12 基部
14 フレーム
18 ヒータ天蓋
20 車輪
22 制御器
24 下側高さ調整マーク
26 上側高さ調整マーク
28 ベッド
30 ヒータ
32 ランプ
34 ステンシル
42 赤外線放出体
44 反射体
46 偏向器
48 熱シールド
50 透明部分
52 不透明部分
54 ステンシルパターン
56 投影像
58 患者
60 ベッド上表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータ天蓋(18)を備える乳児保温器(10)であって、該ヒータ天蓋(18)は、
固定の領域にわたって輻射エネルギーを全体として均一に分散させるように構成されたヒータ(30)と、
選択的に光を発生させるように構成されたランプ(32)と、
前記ランプ(32)を基準として位置決めされたステンシル(34)であって、前記光の少なくとも一部分が該ステンシル(34)を通過し、前記固定の領域をハイライトするように構成された投影像(56)を生成しているステンシル(34)と、
を含む、乳児保温器(10)。
【請求項2】
前記ヒータ天蓋(18)は、ヒータ天蓋を壁面に対して確保するように構成された壁面取付装置を含む、請求項1に記載の乳児保温器(10)。
【請求項3】
前記ヒータ天蓋(18)に接続されたフレーム(14)をさらに備える請求項1に記載の乳児保温器(10)。
【請求項4】
前記フレーム(14)は、ヒータ(30)を基準として患者(58)を垂直方向に位置決めするように構成された高さ調整マーク(24、26)を含む、請求項3に記載の乳児保温器(10)。
【請求項5】
前記ステンシル(34)は透明部分(50)及び不透明部分(52)を備える、請求項1に記載の乳児保温器(10)。
【請求項6】
前記ステンシル(34)の不透明部分(52)は、投影像(56)を生成するように構成されたステンシルパターン(54)を規定している、請求項5に記載の乳児保温器(10)。
【請求項7】
ヒータ天蓋(18)であって、
固定の領域にわたって輻射エネルギーを全体として均一に分散させるように構成されたヒータ(30)と、
前記固定領域に比例するステンシルパターン(54)を規定しているステンシル(34)と、
前記ステンシル(34)を通して光を選択的に透過させ、これにより前記ステンシルパターン(54)に基づいて前記固定領域を視覚的にハイライトするように構成された投影像(56)を生成するように構成されたランプ(32)と、
を含むヒータ天蓋(18)と、
前記ヒータ天蓋(18)に接続されたフレーム(14)と、
前記フレーム(14)に接続された基部(12)と、
を備える乳児保温器(10)。
【請求項8】
前記フレーム(14)は、ヒータ(30)を基準として患者(58)を垂直方向に位置決めするように構成された高さ調整マーク(24、26)を含む、請求項7に記載の乳児保温器(10)。
【請求項9】
前記基部(12)は、該乳児保温器(10)の並進を容易にするように適応させた複数の車輪(20)を備える、請求項7に記載の乳児保温器(10)。
【請求項10】
前記ステンシル(34)は透明部分(50)及び不透明部分(52)を備える、請求項7に記載の乳児保温器(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−212439(P2011−212439A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63537(P2011−63537)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】