説明

乳幼児保護ケース

【課題】乳幼児を収納した状態で自動車に載置して交通事故等の際に乳幼児を保護し、或いは乳幼児を収納した状態で地震等の災害時に乳幼児を保護することができる乳幼児保護ケースを提供する。
【解決手段】剛性部材により形成されたケース本体1と、該ケース本体に開閉自在に取り付けられた蓋体3とよりなり、該ケース本体内には乳幼児収納凹部11を備えたクッション材13を配設し、該乳幼児収納凹部内には乳幼児9を保持するための乳幼児保持服14を固定し、前記蓋体には通気孔25を備えさせると共に取っ手27を取り付けたことを特徴とする乳幼児保護ケース。前記蓋体をケース本体に閉じ、かつ、ケース本体を乳幼児の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルト29により自動車の座席31に固定するようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳幼児保護ケースに関するものであり、更に詳しくは、乳幼児を収納した状態で自動車内に載置して交通事故等の際に乳幼児を保護し、或いは乳幼児を収納した状態で地震等の災害時に乳幼児を保護するようにした持ち運び可能な乳幼児保護ケースに係るものである。
【背景技術】
【0002】
特開2000−139628号公報は、ベビーキャリーバスケットを開示している。
【0003】
このベビーキャリーバスケットは、表面の布にキルテイングを施したマット布団により立体箱型キャリーボックスを形成し、該キャリーボックス内にシート等を組み込んでなるものである。
【特許文献1】特開2000−139628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のベビーキャリーバスケットは、外出時等に乳幼児を収納して運搬することには適しているものの、乳幼児を収納した状態で自動車に載置して交通事故等の際に乳幼児を保護し、或いは乳幼児を収納した状態で地震等の災害時に乳幼児を保護することはできないものである。
【0005】
本発明は、上記従来のベビーキャリーバスケットにおける上述の如き問題を解決し、乳幼児を収納した状態で自動車に載置して交通事故等の際に乳幼児を保護し、或いは乳幼児を収納した状態で地震等の災害時に乳幼児を保護することができる乳幼児保護ケースを提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は下記の乳幼児保護ケースを提供する。
【0007】
(1)剛性部材により形成されたケース本体と、該ケース本体に開閉自在に取り付けられた蓋体とよりなり、
該ケース本体内には乳幼児収納凹部を備えたクッション材を配設し、該乳幼児収納凹部内には乳幼児を保持するための乳幼児保持服を固定し、
前記蓋体には通気孔を備えさせると共に取っ手を取り付けたことを特徴とする乳幼児保護ケース(請求項1)。
【0008】
(2)前記蓋体をケース本体に閉じ、かつ、ケース本体を乳幼児の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルトにより自動車の座席に固定するようになす(請求項2)。
【0009】
(3)前記蓋体には通気孔として網状部を備えさせる(請求項3)。
【0010】
[発明の作用]
[請求項1の発明]
クッション材の乳幼児収納凹部内に固定された乳幼児保持服を乳幼児に着用させることにより、乳幼児を乳幼児収納凹部内に固定する。
【0011】
乳幼児は、剛性部材により形成されたケース本体内に配設されたクッション材の乳幼児収納凹部内に固定されているため、外部からの衝撃から保護される。
【0012】
蓋体に備えさせた通気孔により、乳幼児収納凹部に対する通気が確保される。
【0013】
乳幼児保護ケースを運搬する際には、蓋体の取っ手を手で把持する。
【0014】
[請求項2の発明]
蓋体をケース本体に閉じ、かつ、ケース本体を乳幼児の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルトにより自動車の座席に固定したときには、乳幼児は交通事故等の衝撃から保護される。
【0015】
[請求項3の発明]
蓋体の通気孔は網状部であるため、該通気孔は通気作用をなすのみならず、該通気孔を介して乳幼児収納凹部内の乳幼児を目視することもできる。
【発明の効果】
【0016】
[請求項1の発明]
乳幼児保護ケースは、乳幼児を収納した状態で自動車に載置したときには交通事故等の衝撃から乳幼児を保護し、乳幼児を収納した状態で避難所等の建物内等に位置させたときには地震等の衝撃から乳幼児を保護する。
【0017】
クッション材の乳幼児収納凹部内に固定された乳幼児保持服を乳幼児に着用させることにより、乳幼児を乳幼児収納凹部内に固定するようにしたため、乳幼児は乳幼児保護服の広い面で身体が固定される。従って、乳幼児保護ケースが外部から衝撃を受けたときでも、乳幼児の身体には局部的に大きなショックが加えられることはない。
【0018】
仮に、交通事故等の際に乳幼児保護ケースが自動車の外部に飛び出したときでも、乳幼児は、剛性部材により形成されたケース本体内に配設されたクッション材の乳幼児収納凹部内に固定されているため、大きな衝撃を受けるおそれはない。
【0019】
[請求項2の発明]
蓋体をケース本体に閉じ、かつ、ケース本体を乳幼児の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルトにより自動車の座席に固定したときには、乳幼児は交通事故等の衝撃から好ましく保護される。
【0020】
[請求項3の発明]
蓋体の通気孔は網状部であるため、該通気孔は通気作用をなすのみならず、該通気孔を介して乳幼児収納凹部内の乳幼児を目視することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
符号1に示すものは、金属、合成樹脂等の剛性部材により形成されたケース本体である。
【0022】
符号3に示すものは、ケース本体1に開閉自在に取り付けられた蓋体である。ケース本体1と蓋体3とよりなる乳幼児保護ケースは、十分な強度を持たせるために、略卵形となすことが望ましい。符号4に示すものは乳幼児保護ケースの支持体である。
【0023】
蓋体3は、一例としてヒンジ5を介して、ケース本体1に取り付けられる。
【0024】
符号7に示すものは、蓋体3をケース本体1にロックするためのロック手段である。
【0025】
ケース本体1内には乳幼児9を収納する乳幼児収納凹部11を備えたクッション材13を配設する。
【0026】
クッション材13は、例えばスポンジ、布団等により形成し、ケース本体1内に固定する。
【0027】
乳幼児収納凹部11内には乳幼児9を保持するための乳幼児保持服14を固定する。
【0028】
乳幼児保持服15は、一例として、左右一対の布辺15a、15bにそれぞれ腕用透孔17を備えさせ、各布辺15a、15bの一縁19を乳幼児収納凹部11の底面に固定し、各布辺15a、15bの他縁21をスライドファスナー23又は面ファスナー等により開閉自在としてなるものとする。
【0029】
蓋体3には通気孔25を備えさせると共に取っ手27を取り付ける。
【0030】
蓋体3の通気孔25は、一例として網状部とする。図1参照。
【0031】
乳幼児保護ケースは、好ましくは、蓋体3をケース本体1に閉じ(ケース本体1を蓋体3により閉じ)、かつ、ケース本体1を乳幼児9の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルト29により自動車の座席31に固定するようになす。
【0032】
図4は、乳児を収納した乳幼児保護ケースを運搬車両33により運搬している状態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による乳幼児保護ケースを自動車の座席に固定した状態を示す断面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】蓋体を開いた状態を示す断面図である。
【図4】乳児を収納した乳幼児保護ケースを運搬車両により運搬している状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ケース本体
3 蓋体
4 支持体
5 ヒンジ
7 ロック手段
9 乳幼児
11 乳幼児収納凹部
13 クッション材
14 乳幼児保持服
15a 布辺
15b 布辺
17 腕用透孔
19 一縁
21 他縁
23 スライドファスナー
25 通気孔
27 取っ手
29 シートベルト
31 座席
33 運搬車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性部材により形成されたケース本体と、該ケース本体に開閉自在に取り付けられた蓋体とよりなり、
該ケース本体内には乳幼児収納凹部を備えたクッション材を配設し、該乳幼児収納凹部内には乳幼児を保持するための乳幼児保持服を固定し、
前記蓋体には通気孔を備えさせると共に取っ手を取り付けたことを特徴とする乳幼児保護ケース。
【請求項2】
前記蓋体をケース本体に閉じ、かつ、ケース本体を乳幼児の身体が自動車の進行方向と直角の水平方向になるように位置させた状態で自動車のシートベルトにより自動車の座席に固定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の乳幼児保護ケース。
【請求項3】
前記蓋体には通気孔として網状部を備えさせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の乳幼児保護ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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