説明

乳酸菌含有調味料の製造方法

【課題】Lactobacillus sakei生菌を含有し、食味及び保存安定性に優れた調味料の簡便な製造方法を提供する。
【解決手段】Lactobacillus sakeiを大豆由来原料を含む調味料Aにおいて培養する工程と、培養物を含む前記調味料Aと、大豆由来原料を含む調味料Bとを混合する工程と、を含むことを特徴とする乳酸菌含有調味料の製造方法。
前記製造方法において、前記調味料A及び調味料BのpHがそれぞれ4.5〜7.0、4.0〜7.0であることが好適である。
また、前記製造方法において、前記調味料Aに対する調味料Bの配合比が1:10〜10:1であることが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調味料、特に特定乳酸菌を含有する調味料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌の一種である乳酸菌は、長年健康の維持や増進に有用な菌として知られ、20世紀初頭にメチニコフがヨーグルトによる不老長寿説を唱えて以来、世界的に普及している。特に、腸内に常在する一部の乳酸菌は、腸内環境の維持に作用する他、血圧降下作用、コレステロール抑制作用、抗菌作用等を示すことが報告されており、今や乳酸菌は疾患予防や健康維持に有用な細菌として様々な食品や医薬品等に配合されている。
このように、乳酸菌については近年次々と見出される効果が特に耳目をひいているが、そもそも乳酸菌は、乳酸菌発酵による食品の食味向上は勿論のこと、前記発酵に伴う系の酸性化による腐敗菌等の増殖抑制という食品の安定性向上を目的として適用される面が大きい。ヨーグルト、バター、チーズ等の発酵乳をはじめ、日本におけるしょうゆや味噌、漬物、発酵茶等の古くから製造されている乳酸発酵食品においては、元々食味や保存性を付与が乳酸菌利用の端緒であると考えられ、現在でもこのような観点から様々な食品に乳酸菌が添加されている。
前記のように、乳酸菌の添加による食味及び保存性向上を利用した食品の一つとして、調味料が知られる。特にドレッシングと称される、野菜等にかけるタイプの調味料や、ソースやたれとして調理食品等に添えられるタイプの調味料には、原材料の乳酸発酵によって実現される複合的な食味を得るため、従来乳酸菌が汎用されてきた(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、調味料は一度の使用が少量であるという性格から、食味と共に高い保存安定性も求められるが、多様な原料の混合物である調味料においては、pHや塩分濃度等を乳酸菌の生存に適した条件に長期間維持しておくことが難しい。そのため、配合した乳酸菌の数が経時で急激に減少し、味や安定性が低下してしまうという問題があった。
このような問題に取り組んだ技術として、例えば、乳酸菌を油分中に分散させた水相に配合し、さらに該油分を有機酸等を含む水相へ分散することで乳酸菌を生存に不適な環境から遮断し、生きた乳酸菌を保持したW/O/W型ドレッシング(特許文献2)が開示されている。
【0004】
ところで、近ごろ食品添加が期待されている乳酸菌として、Lactobacillus sakeiが注目されている。この乳酸菌は、キムチ等から分離同定されたホモ型乳酸菌であり、食品中で発泡せず、酸味の生成が弱いことから、キムチや浅漬け等の製造に利用するとまろやかで豊かな風味となることが知られている。
【特許文献1】特開平3−35773号広報
【特許文献2】特表2004−528811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、Lactobacillus sakeiは生存可能なpH域や塩分濃度、糖度等の条件が厳しいため食品中で生菌数を長期間維持することが難しく、漬物以外の食品への配合は未だ成っていない。特に、前記乳酸菌の織りなす優れた食味の観点から、調味料への応用が期待されているものの、特許文献1のような乳酸菌発酵液を原料に添加するのみの方法では、Lactobacillus sakei生菌を維持することは困難であった。すなわち、Lactobacillus sakei生菌を調味料へ配合するに際し、製品の保存安定性の確保には依然問題が残されていた。
また、前記特許文献2に開示された製造方法によれば、生菌入りのW/O/W型のドレッシングを得ることはできるが、近年多用される油分を含まないドレッシング等への適用は難しく、製造方法もエマルションの構造上煩雑なものであった。
【0006】
本発明は上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、Lactobacillus sakei生菌を含有し、食味及び保存安定性に優れた調味料の簡便な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明者が鋭意検討を行った結果、Lactobacillus sakeiを大豆由来原料を含む調味料中で培養しておき、これを同じく大豆由来原料を含む別の調味料と混合することにより、長期保存下においてもLactobacillus sakei生菌が維持され、且つ該乳酸菌の働きにより食味に優れた乳酸菌含有調味料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明にかかる乳酸菌含有調味料の製造方法は、Lactobacillus sakeiを大豆由来原料を含む調味料Aにおいて培養する工程と、培養物を含む前記調味料Aと、大豆由来原料を含む調味料Bとを混合する工程と、を含むことを特徴とする。
前記製造方法において、前記調味料A及び調味料BのpHがそれぞれ4.5〜7.0、4.0〜7.0であることが好適である。
また、前記製造方法において、前記調味料Aに対する調味料Bの配合比が1:10〜10:1であることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によれば、Lactobacillus sakeiが生菌のまま多量に維持された調味料を簡便に得ることができる。また、本発明の製造方法による乳酸菌含有調味料は、該調味料中にLactobacillus sakeiが維持されていることにより食味に優れる。さらに、前記乳酸菌が腐敗菌等の増殖を抑制するため、高い保存安定性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明にかかる製造方法による乳酸菌含有調味料は、従来生菌として調味料への配合が難しかった乳酸菌Lactobacillus sakeiを長期間安定的に保持したものである。
Lactbacillus sakeiはキュウリ浅漬けの変敗菌として発見された、キムチ等の野菜漬物に一般的に存在する乳酸菌の一種であり、漬物製造のスターターとして有用であることが知られている。
本発明におけるLactbacillus sakeiとしては、同乳酸菌に分類されるものであれば、野菜漬物等から常法により分離したものや市販のもの等、どのようなものも用いることができる。また、特定株由来の菌として、独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センターに寄託されるLactobacillus sakei HS1(寄託番号:FERM P−17617)株由来のものを得てもよい。
【0011】
Lactbacillus sakeiは、腸内で生存することのできる生存力の強い菌であることが知られている一方、下記の性質を有するため調味料等の一般的な食品への配合は難しいとされる。
(1)pH4.0の環境では増殖できず、pH3.9以下においては長期の生存はできない。
(2)塩分濃度8%の環境では増殖が劣り、塩分濃度10%以上においては長期の生存はできない。
(3)糖度(Bx)30の環境では増殖できず、Bx50以上においては長期の生存はできない。
【0012】
油分、酢、塩、野菜抽出物等の混合物である一般的な調味料は、上記生存条件を満たさないことが多く、また、調味料の使用状況や経時的な問題により製品の系が変化することを考慮すれば、上記の生存条件を長期間維持し得る調味料を製造することは実際上困難であると考えられる。
そこで本発明者らがLactbacillus sakeiの性質をさらに検討したところ、前記菌を大豆由来原料を含む調味料A中で培養したのち、大豆由来原料を含む別の調味料Bと混合すれば、培養した生菌数が調味料中に長期間維持されることを見出した。
以下、本発明にかかる乳酸菌含有調味料の製造方法について詳しく説明する。
【0013】
まず、Lactbacillus sakeiの培養基質となる、調味料Aを調製する。
調味料Aは、特定乳酸菌の培養基質であると同時に、それ自身が調味料の構成の一部でもあることから、該乳酸菌の増殖に必要な栄養素が含有され、且つ食用の成分で構成されている必要がある。
本発明にかかる製造方法においては、これを満たす成分として調味料Aに大豆由来原料を用いる。すなわち、本発明による乳酸菌含有調味料は、前記大豆由来原料の含有するオリゴ糖、ペプチド、アミノ酸等を栄養源とし、Lactbacillus sakeiを増殖せしめる。
前記大豆由来原料としては、大豆またはその成分抽出物、加工品等であって通常食用として適用可能なものであれば問題なく使用することができ、例えば、大豆ペプチド、大豆煮汁、豆乳、黄粉等が好適に用い得る。
大豆由来原料の調味料Aにおける配合量は、調味料Aの構成に対して0.1〜50重量%であることが好適である。
【0014】
本発明にかかる製造方法において、Lactbacillus sakeiの培養は、大豆由来原料を含む調味料Aの成分を適宜水等へ混合分散し、これへLactbacillus sakei生菌を添加し、通常の乳酸菌培養条件にて培養することにより達成することができる。Lactbacillus sakeiの培養条件は菌の数や調味料Aの構成成分によって調整すればよいが、通常30〜35℃の下で18〜24時間程度培養することで十分な菌数を得ることができる。調味料Aへの生菌の添加量は、調味料A100重量部に対し、0.01〜0.1重量部程度が好ましい。添加量が多すぎると調味料A中の栄養分が菌数に対して不足することがあり、添加量が少なすぎると培養に時間がかかりすぎるため生産効率上好ましくない。
【0015】
調味料Aには大豆由来原料の他、Lactbacillus sakeiの増殖を促進する成分として、例えば、ブドウ糖や乳糖等の糖類、酵母エキス、塩化マグネシウムや塩化ナトリウム等の無機塩類、グルタミン酸やクエン酸等の有機酸等を配合することができる。
また、調味料AはLactbacillus sakeiの培養基質であるという性質上、該乳酸菌の増殖条件を満たしていることが好ましい。
すなわち、調味料Aの調製において、乳酸菌培養時のpHを4.5〜7.0とすることが好ましく、さらには塩分濃度が5%以下、さらには糖度が30以下となるように調製することが好適である。Lactbacillus sakeiの増殖を損なわない範囲であれば、調味料Aには上記した培養にかかる成分の他に、通常調味料に用いられる成分を配合してもよい。
【0016】
さらに、本発明にかかる乳酸菌含有調味料の製造方法は、上記工程により得た培養Lactbacillus sakeiを含む調味料Aを、大豆由来原料を含む調味料Bと混合する工程を含むものである。
すなわち、本発明にかかる乳酸菌含有調味料において、大豆由来原料を含む調味料Aを基質にして増殖したLactbacillus sakei生菌は、同じく大豆由来原料を含む調味料B中に加えられることにより、生存に必要な栄養分が確保され、生菌数が維持される。
調味料Bに含まれる大豆由来原料は、大豆またはその成分抽出物、加工品等であって通常食用として適用可能なものであれば問題なく使用することができ、例えば、大豆ペプチド、大豆煮汁、豆乳、黄粉等が好適に用い得る。調味料Bにおける大豆由来原料の配合量は、調味料Bの構成に対して0.1〜50重量%であることが好ましい。例えば、前記大豆由来原料として大豆ペプチドを用いる場合は調味料Bに対し0.1重量%、豆乳を用いる場合は10重量%の配合で生菌数の維持が期待できる。大豆由来原料の配合量が50重量%を超えると調味料の食味上好ましくなく、0.1重量%に満たないとLactbacillus sakeiの生存が十分に維持できないことがある。
【0017】
調味料Bには上記成分の他、例えば、植物性または動物性抽出物、油分、アルコール、酢、しょうゆ、糖類、香味料、香料、着色料、安定剤、有機酸、増粘剤等の通常食品に使用される成分を適宜配合することができる。
調味料Bは、常法により製造することができ、例えば、上記成分を水等の適当な溶媒へ混合分散させることにより調製し得る。調味料Bは粉末状、顆粒状等どのような形態もとり得るが、液状の調味料Aとの混合を容易にするため、調味料Bも同様に液状としておくことが好ましいであろう。
【0018】
また、混合する調味料A中のLactbacillus sakeiを長期生存させるため、調味料BのpHは4.0〜7.0となるように調製することが好ましい。通常pH4.0付近はLactbacillus sakeiの長期の生存に適さないが、調味料Bを調味料Aと混合すると、これにより得られる乳酸菌含有調味料はLactbacillus sakeiの生存に適したpH条件に調整されたものとなる。
【0019】
本発明にかかる製造方法において、培養したLactbacillus sakeiを含む調味料Aと、前記調味料Bを常法により混合攪拌することで特定乳酸菌含有調味料を得ることができる。本発明にかかる製造方法は、調味料Aにおいて生菌を増殖し、これを調味料Bと混合することにより増殖した生菌を長期間維持させるものである。したがって、調味料A及びBはそれぞれ、生菌の増殖または維持に適した構成となっている。そのため、調味料A及びBを混合した後に生菌を添加しても、本発明のように生菌数を増加ないし維持することはできない。
調味料A及びBの混合比率は、調味料A:調味料Bが重量比で1:10〜10:1であることが好適である。前記混合比率外であるとLactbacillus sakeiの生菌数が十分に維持できないことがある。
【0020】
このようにして得られる乳酸菌含有調味料の剤型に制限はなく、例えば、液状やペースト状の他、調味料Bの成分によってゼリー状とすることもできる。すなわち、調味料Bにゼラチン、寒天、ペクチン、カラギーナン、カードラン、ジェランガム等のゲル化剤を添加し、前記ゲル化剤がゲル化しない温度で調味料Aと混合した後冷却することにより、ゼリー状の乳酸菌含有調味料が得られる。
また、ドレッシング、ソース、たれ、ルー、風味調味料等、本発明による乳酸菌含有調味料の使用形態も特に制限されない。
【0021】
以上説明した本発明にかかる乳酸菌含有調味料によれば、調味料AにおいてLactbacillus sakeiを十分に増殖しておくことにより、該乳酸菌の増殖に適さない一般的な調味料Bと混合しても生菌数を長期間維持することができる。したがって、本製造方法による乳酸菌含有調味料は、Lactbacillus sakei生菌の乳酸発酵による豊かな食味を有し、また、該乳酸菌が他菌の増殖を抑制するため保存安定性に優れたものとなる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0022】
下記製造例1に示す成分および製造方法によって乳酸菌含有調味料(和風ソース)を製造し、保存性試験を行った。
<製造例1 和風ソース>
調味料A (pH6.0、塩分濃度0.5%、Bx10.7)
豆乳 10.0重量%
酵母エキス 5.0
塩化マグネシウム 0.1
食塩 0.5
ぶどう糖 5.0
水 残余
【0023】
調味料B (pH4.5、塩分濃度5.0%、Bx29.5)
しょうゆ 15.0重量%
砂糖 20.0
塩 2.7
かつおエキス 1.0
酒 5.0
酢 5.0
豆乳 10.0
水 残余
【0024】
(製造方法)
(1)混合した調味料Aに対し、Lactbacillus sakei菌種(乳酸菌HS−1、1×10個/g)を0.01%加え、30℃において24時間培養した。培養後のpHは4.5、菌数は2×10個であった。
(2)前記培養菌を含む調味料Aと、予め混合調製した調味料BとをA:B=1:9となるように混合し、乳酸菌入り和風ソースを得た。
【0025】
<保存性試験1>
上記製造例1により得た和風ソースについて、冷蔵保存(10℃)1カ月、2カ月、4カ月後のLactbacillus sakeiの菌数をBC加プレートカウント培地法により測定した(試験例)。比較例として、製造例1の調味料Bの豆乳を無配合としたものについて、同様の条件で菌数の変移を試験した。結果を下記表1に示す。
(表1)
HS−1生菌数(個/g)
保存期間 試験例 比較例
試験開始時 2×10 2×10
1カ月 2×10 1×10
2カ月 1×10 300個以下
4カ月 1×10 300個以下
【0026】
上記表1の結果によれば、調味料Bに豆乳を配合した試験例のサンプルは、4カ月に亘る冷蔵保存を経ても、菌数の減少はゆるやかであった。一方、豆乳を配合していない比較例においては、経時的に菌数が大幅に減少し、4カ月後には菌がほぼ死滅した。
以上により、本発明にかかる製造方法によれば、大豆由来原料の配合により、特定乳酸菌Lactbacillus sakeiが調味料中に生きたまま長期間保持されることが認められた。
【0027】
<保存性試験2>
上記製造例1に示す和風ソースについて、調味料Aと調味料Bを混合(A:B=1:9)した後にLactbacillus sakei(乳酸菌HS−1、1×10個/g)を0.01%加え、30℃において24時間培養して得た調味料を比較例として、冷蔵保存(10℃)1週間、1カ月後の菌数を測定した。結果を下記表2に示す。なお、表2における試験例は、上記製造例1に準じて製造したサンプルを示す。
【0028】
(表2)
HS−1生菌数(個/g)
保存期間 試験例 比較例
試験開始時 2×10 2×10
1週間 2×10 1×10
1カ月 2×10 300以下
【0029】
表2に示すとおり、Lactbacillus sakeiを該乳酸菌の増殖に適した調味料Aにおいて予め増殖せしめた試験例では、調味料調製後も生菌の数が維持されていたが、調味料AにpHや塩分濃度が菌の増殖に適さない調味料Bを混合した系の下で培養した比較例のサンプルについては、30℃24時間の培養の際も試験開始時の菌数2×10のまま増殖は認められず、保存後わずか1カ月で菌がほぼ死滅した。
以上より、本発明にかかる製造方法によれば、Lactbacillus sakeiを生菌のまま長期間保存することが可能であることが認められた。
【0030】
上記した保存性試験1及び2の結果から、本発明にかかる製造方法により優れた保存安定性を有するLactbacillus sakei菌含有調味料が得られることが明らかになった。
さらに、上記製造例1の豆乳に代えて、大豆ペプチド、大豆煮汁、豆乳、黄粉等の大豆由来材料を適宜使用した場合においても、同様の効果が認められた。
【0031】
また、本発明の製造方法によれば、ゼリー状の調味料を得ることも可能である。このような調味料の製造例を以下に示す。
<製造例2 ゼリー状調味料>
調味料A (pH6.0、塩分濃度0.5%、Bx10.7)
豆乳 10.0重量%
酵母エキス 5.0
塩化マグネシウム 0.1
食塩 0.5
ぶどう糖 5.0
水 残余
【0032】
調味料B (pH4.5、塩分濃度5.0%、Bx29.5)
しょうゆ 15.0
砂糖 17.0
塩 2.7
かつおエキス 1.0
酒 5.0
酢 5.0
豆乳 10.0
ゼラチン 3.0
水 残余
【0033】
(製造方法)
(1)混合した調味料AにLactbacillus sakei菌種(乳酸菌HS−1、1×10個/g)を0.01%加え、30℃において24時間培養し、pH4.4、菌数2×10個とした。
(2)ゼラチン以外の調味料Bを混合し、加温した後ゼラチンを溶解させた。
(3)2にて調製した調味料Bをゼラチンがゲル化しない温度(20〜30℃)まで冷却し、1にて調製した調味料Aと速やかに混合した。この際の混合比率はA:B=1:9とした。
(4)冷蔵庫にて冷却(10℃)して調味料中のゼラチンをゲル化し、ゼリー状調味料を得た。
【0034】
上記により得たゼリー状調味料は、6カ月に亘ってLactbacillus sakei生菌数が維持され、製品安定性に優れたものであった。
また、上記製造例2のゼラチンに代え、寒天、ペクチン、カラギーナン、カードラン、ジェランガム等を適宜用いたものについても、同様の品質を得ることが可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Lactobacillus sakeiを、大豆由来原料を含む調味料Aにおいて培養する工程と、
前記培養工程後、前記調味料Aと、大豆由来原料を含む調味料Bとを混合する工程と、
を含むことを特徴とする乳酸菌含有調味料の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の乳酸菌含有調味料の製造方法において、前記調味料A及び調味料BのpHがそれぞれ4.5〜7.0、4.0〜7.0であることを特徴とする乳酸菌含有調味料の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の乳酸菌含有調味料の製造方法において、前記調味料Aに対する調味料Bの配合比が1:10〜10:1であることを特徴とする乳酸菌含有調味料の製造方法。