説明

乾燥剤収容器及び接着テープ用リール

【課題】はみ出しを抑えた状態で接着テープ用リールにセットできる乾燥剤収容器を提供する。
【解決手段】乾燥剤収容器1は、接着テープTが巻き付けられる巻芯22と、巻芯22を挟んで設けられた一対の側板23,24とを備え、接着テープTの巻き取り又は繰り出しを行う装置の回転軸を通す軸穴25が設けられた接着テープ用リール21に用いられる乾燥剤収容器1であって、軸穴25内に収まる形状をなし、乾燥剤が収容される中空部を有する胴部2と、胴部2に設けられ、胴部2が軸穴25内に配置されたときに側板の外側面に当接する鍔部3と、を備えことを特徴とする。この構成により、側板23,24間の間隔が狭い接着テープ用リール21にこの乾燥剤収容器1をセットした場合でも、接着テープ用リール21を梱包袋内にすっきりと収容させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥剤収容器及び接着テープ用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の電極を有する被接続部材同士の接続や、リードフレームの固定に用いる接着テープとして、例えば異方導電テープが知られている。異方導電テープでは、例えばプリント配線基板、LCD用ガラス基板、フレキシブルプリント基板等の基板にIC、LSIといった半導体素子等を接続する際、相対する電極同士を導通させる一方で、隣接する電極同士の絶縁状態を保つことができる。かかる接着テープは、例えば熱硬化性樹脂を含有する接着剤成分と、必要に応じて配合される導電粒子とを含む接着剤層を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)等の基材上に形成されてなり、シート状の原反を用途に応じた幅で長尺に切り出すことによって作製される。
【0003】
上述のような接着テープは、例えば巻芯と、巻芯を挟んで設けられた一対の側板とを備えた接着テープ用リールに巻き付けられた状態で保存・運搬・使用がなされる。従来、接着テープ用リールでは、巻芯に巻き付けられた接着テープの巻重体において接着テープの樹脂組成物が外側にはみ出る、いわゆるエッジフュージョン現象を抑えるため、接着テープ用リールを収容する袋に乾燥剤を同封する手法等が採用されていた。例えば特許文献1では、袋状のシートに乾燥剤を収容したものが用いられており、特許文献2では、巻芯に積層体フィルムを巻き取ったロール状物の端部に、除湿シートを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−159814号公報
【特許文献2】特開2002−37379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した接着テープには、数mm程度の細い幅のものもある。このような接着テープを巻き付ける接着テープ用リールでは、側板間の間隔が接着テープの幅に応じて狭くなっている。そのため、従来のような乾燥剤の収容手法を適用しようとすると、乾燥剤が接着テープ用リールから大きくはみ出し、袋内に接着テープ用リールと乾燥剤とをすっきり収容させることが困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、はみ出しを抑えた状態で接着テープ用リールにセットできる乾燥剤収容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決のため、本発明の乾燥剤収容器は、接着テープが巻き付けられる巻芯と、巻芯を挟んで設けられた一対の側板とを備え、接着テープの巻き取り又は繰り出しを行う装置の回転軸を通す軸穴が設けられた接着テープ用リールに用いられる乾燥剤収容器であって、軸穴内に収まる形状をなし、乾燥剤が収容される中空部を有する胴部と、胴部に設けられ、胴部が軸穴内に配置されたときに側板の外側面に当接する鍔部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この乾燥剤収容器では、乾燥剤が収容される胴部が接着テープ用リールの軸穴内に配置されたときに、胴部に設けられた鍔部が接着テープ用リールの側板の外側面に当接するようになっており、鍔部が側板の外側面に引っ掛かることで、胴部を接着テープ用リールの軸穴に収めた状態で保持することができる。このとき、接着テープ用リールの外側には側板の外側面に沿う鍔部のみが位置するので、乾燥剤収容器のはみ出しが抑えられる。したがって、側板間の間隔が狭い接着テープ用リールにこの乾燥剤収容器をセットした場合でも、接着テープ用リールを梱包袋内にすっきりと収容させることが可能となる。
【0009】
また、胴部は断面円形状をなしていることが好ましい。この場合、より簡単に胴部を軸穴に嵌め込むことができる。
【0010】
また、鍔部は、胴部の一端側において、胴部の全周にわたって円環状に設けられていることが好ましい。この場合、鍔部が側板の外側面にしっかりと引っ掛かるので、軸穴内で胴部をより安定して保持できる。
【0011】
また、鍔部は、胴部の一端側において、胴部の一部から張り出していることが好ましい。この場合、鍔部の形状を簡単化できるので、乾燥剤収容器のコストを低減できる。
【0012】
また、胴部の他端側の壁部には、中空部と連通する複数の孔部が設けられていることが好ましい。この場合、吸込口と吐出口とが形成され、効果的な乾燥能力を発揮させることが期待できる。
【0013】
また、孔部は、壁部の外側から内側に向かうにつれて狭くなっていることが好ましい。この場合、内側から乾燥剤成分がこぼれ出すことによる製品への汚染防止を期待できる。
【0014】
また、上記の乾燥剤収容器を軸穴にセットしてなる接着テープ用リールとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、はみ出しを抑えた状態で乾燥剤収容器を接着テープ用リールにセットできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る乾燥剤収容器及びこれを適用する接着テープ用リールを示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面を示す図である。
【図3】接着テープ用リールに巻き付けられる接着テープの一例を示す図である。
【図4】図1に示した乾燥剤収容器の拡大斜視図である。
【図5】図4に示した乾燥剤収容器の側面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】乾燥剤収容器をセットした接着テープ用リールの梱包状態を示す図である。
【図8】変形例に係る乾燥剤収容器を示す拡大斜視図である。
【図9】他の変形例に係る乾燥剤収容器を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る乾燥剤収容器の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥剤収容器及びこれを適用する接着テープ用リールを示す斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面を示す図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、乾燥剤収容器1は、接着テープ用リール21に用いられるものである。接着テープ用リール21は、異方導電テープ等の接着テープTが巻き付けられる巻芯22を有する第1の側板23と、巻芯22を挟んで第1の側板23と対向するように配置された第2の側板24と、を備えている。この接着テープ用リール21は、接着テープTを製造・供給・保存する際に用いられる。
【0019】
まず、接着テープTについて説明する。接着テープTは、例えば、相対する電極同士の導通状態を保ち、かつ隣接する電極同士の絶縁を保つように、電気的接続と機械的固着とを行う接続材料として使用される。接着テープTの長さは、通常は50m〜1000m程度であり、本実施形態では300m以上となっている。また、接着テープTの幅は、0.5mm〜10mm、好ましくは0.5mm〜3.0mm、より好ましくは0.5mm〜2.0mmとなっている。接着テープTの厚さは、5μm〜100μm、好ましくは10μm〜40μm、より好ましくは10μm〜20μmとなっている。
【0020】
接着テープTは、例えば図3に示すように、基材91と、基材91上に設けられた接着剤層92とからなる。なお、接着テープTは、接着剤層92の上に更に各種フィルムが設けられていてもよい。接着テープTに用いられる基材91は、強度および接着剤の剥離性の面から、例えば、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム系、液晶ポリマー等からなる各種テープを使用することが可能である。もっとも、基材を構成する材質はこれらに限定されるものではない。また、基材91として、接着剤層との当接面等に離型処理が施されたものを使用してもよい。離型剤としては、オレフイン系離型剤、エチレングリコールモンタン酸エステル、カルナウバロウ、石油系ワックス等の低融点ワックス、低分子量フッ素樹脂、シリコーン系又はフッ素系の界面活性剤、オイル、ワックス、レジン、ポリエステル変性シリコーン樹脂等が用いられ、特にシリコーン樹脂が一般的である。
【0021】
接着テープTに用いられる接着剤層92は、一般に、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合系(混合樹脂)等の樹脂を含む。かかる樹脂の代表的なものには以下のものが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えばスチレン樹脂系、ポリエステル樹脂系が挙げられ、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系が用いられる。
【0022】
また接着剤層92は、例えば接着剤成分と、必要により含有される導電粒子とを含んでなる接着剤組成物からなる。接着剤成分としては、例えば熱や光により硬化性を示す材料を広く適用できる。接続後の耐熱性や耐湿性に優れていることから、架橋性材料の使用が好ましい。熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を主成分として含有するエポキシ系接着剤は、短時間硬化が可能で接続作業性がよく、分子構造上接着性に優れている等の特徴から好ましい。また、国際公開2009/063827号に記載されるようなラジカル硬化系の接着剤組成物も使用することができる。エポキシ系接着剤は、例えば高分子量エポキシ、固形エポキシ又は液状エポキシ、あるいは、これらをウレタン、ポリエステル、アクリルゴム、ニトリルゴム(NBR)、合成線状ポリアミド等で変性したエポキシを主成分とするものを使用することができる。エポキシ系接着剤は、主成分をなす上記エポキシに硬化剤、触媒、カップリング剤、充填剤等を添加してなるものが一般的である。
【0023】
導電粒子としては、例えばAu、Ag、Pt、Ni、Cu、W、Sb、Sn、はんだ等の金属やカーボンの粒子が挙げられる。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を核とし、この核を上記の金属やカーボンで被覆した被覆粒子を使用してもよい。導電粒子の平均粒径は分散性、導電性の観点から1μm〜18μmであることが好ましい。なお、導電粒子を絶縁層で被覆してなる絶縁被覆粒子を使用してもよく、隣接する電極同士の絶縁性を向上させる観点から導電粒子と絶縁性粒子とを併用してもよい。
【0024】
導電粒子の配合割合は、接着剤層92に含まれる接着剤成分100体積部に対して、0.1〜30体積部であることが好ましく、0.1〜10体積部であることがより好ましい。この配合割合が0.1体積部未満であると対向する電極間の接続抵抗が高くなる傾向にあり、30体積部を超えると隣接する電極間の短絡が生じやすくなる傾向がある。なお、これら接着剤層92に含有される成分、その配合量、配合方法等については国際公開2009/063827号に記載される成分、その配合量、配合方法等を使用することが可能である。
【0025】
続いて、接着テープ用リール21の第1の側板23及び第2の側板24の構成について説明する。図1に示すように、第1の側板23は、例えばプラスチックからなる円板である。第1の側板23の厚さは例えば0.5mm〜5.0mm、好ましくは0.9mm〜3.0mm、より好ましくは1.0mm〜2.0mmとなっている。第1の側板23の外径は、巻き付ける接着テープTの長さ(接着テープTの巻重体の直径)に応じて適宜設定され、例えば100mm〜500mm、より好ましくは125mm〜250mmとなっている。また、第1の側板23の中央部分には、断面円形の開口部40が設けられている。
【0026】
巻芯22は、接着テープTを巻き付ける部分である。巻芯22は、例えばプラスチックからなり、接着テープTの幅と同様の厚みの円環状をなしている。巻芯22の外径は、例えば接着テープTの種類によらず一定となっている。本実施形態では、巻芯22は、第1の側板23の開口部40を囲うように、第1の側板23の内側面23aに固定されている。
【0027】
また、第1の側板23の開口部40には、円筒部材30が嵌め込まれている。円筒部材30は、巻芯22と同様に、例えばプラスチックからなる。この円筒部材30は、第1の側板23の厚みに、第2の側板24の厚みと巻芯22の厚みとを合計した厚みと、略同等の厚み(例えば4.5mm〜11mm)を有している。これにより、第1の側板23の開口部40に嵌め込まれた円筒部材30の一端側は、巻芯22の側面から第2の側板24の厚みと同程度の突出量で突出する突起部となっている。また、接着テープ用リール21の中央部であって、円筒部材30の中央部には、軸穴25が設けられている。軸穴25は、巻付装置又は繰出装置(不図示)の回転軸が挿入される部分である。この軸穴25に巻付装置又は繰出装置の回転軸を差し込んだ状態で回転軸を駆動した場合に、空回りすることなく接着テープ用リール21が回転するようになっている。軸穴25は、図1に示すように、中央に配置された円形の穴部25aと、穴部25aの一部から突出する長穴部25bとによって、全体として鍵穴のような形状をなしている。穴部25aの内径は、例えば15mm〜30mmとなっている。
【0028】
第2の側板24は、第1の側板23と同様に、例えばプラスチックからなる円板である。第2の側板24の厚さは、例えば0.5mm〜5.0mm、好ましくは0.9mm〜3.0mm、より好ましくは1.0mm〜2.0mmとなっている。また、第2の側板24の外径は、巻き付ける接着テープTの長さ(接着テープTの巻重体の直径)に応じて適宜設定され、例えば100mm〜500mm、より好ましくは125mm〜250mmとなっている。本実施形態では、第2の側板24の外径は、第1の側板23の外径と同等となっている。また、第2の側板24の中央部分には、第1の側板23の開口部40と同径の断面円形の開口部が設けられている。
【0029】
図2に示すように、第1の側板23の内側面23aは、第2の側板24の内側面24aと対向している。第1の側板23の外側面23c及び第2の側板24の外側面24cは、平坦面となっている。第2の側板24は、第2の側板24の開口部に円筒部材30の突起部が嵌め込まれることにより、第2の側板24の内側面24aが巻芯22の側面に当接した状態で円筒部材30に固定されている。
【0030】
次に、本実施形態における乾燥剤収容器1について図4〜図6を用いて詳細に説明する。図4は、図1に示した乾燥剤収容器の拡大斜視図である。図5は、図4に示した乾燥剤収容器の側面図である。図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。
【0031】
乾燥剤収容器1は、上述したように、接着テープ用リール21に用いられるものであり、胴部2と鍔部3とを備えている。胴部2は、乾燥剤Kを収容する本体部分であり、乾燥剤Kが収容される中空部を有している。胴部2は、接着テープ用リール21の軸穴25内に収まる形状や大きさをなしている。本実施形態では、胴部2は断面円形状をなし、全体として円筒形状をなしている。胴部2の外径R1は、接着テープ用リール21の軸穴25の穴部25aの内径と同径となっている。胴部2の外径R1は、例えば15mm〜30mmとなっている。この外径R1は、穴部25aの内径の50%〜100%であることが好ましく、60%〜99%であることがより好ましい。図6に示す胴部2の厚みTは、例えば、0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.1mmとなっている。胴部2が接着テープ用リール21の外側面からはみ出さないようにするために、胴部2の高さ(本実施形態では、胴部2の一端2cから他端までの距離)Hが、第1の側板23の外側面23cと第2の側板24の外側面24cとの間の距離以下となっていることが好ましく、例えば、1mm〜30mm、好ましくは3mm〜11mmとなっている。また、この高さHは上述の円筒部材30の厚み以下となっている。胴部2が、接着テープ用リール21の外側面からはみ出さないようになっていると、乾燥剤収容器1が嵌め込まれた接着テープ用リール21を梱包する際の並べ易さを確保できる。もっとも、胴部2は、梱包時の並べ易さを阻害しない範囲で接着用リール21の外側面からはみ出していてもよい。この場合、胴部2が接着用リール21の外側面からはみ出す量は、胴部2の高さHの30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがより一層好ましい。
【0032】
胴部2の本体2bの一端2c側には、鍔部3が設けられており、胴部2の本体2bの他端側は壁部2aとなっている。この壁部2aには、中空部と連通する複数の孔部7,7が設けられている。本実施形態では、壁部2aに、2つの孔部7,7が設けられている。このような複数の孔部7,7により、吸込口と吐出口とが形成され、効果的な乾燥能力を発揮させることが期待できる。孔部7の径は、例えば0.1mm〜0.5mmとなっている。また、図6に示すように、孔部7は、壁部2aの外側から内側に向かうにつれて狭くなっていることが好ましい。この構成によれば、内側から乾燥剤成分がこぼれ出すことによる製品への汚染防止を期待できる。
【0033】
胴部2には、接着テープ用リール21の素材よりも、柔らかい素材が用いられることが好ましく、このような素材としては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリウレタン、発泡ポリスチレン等が挙げられる。この場合、乾燥剤収容器1を接着テープ用リール21に嵌め込む際に、接着テープ用リール21を傷付けることを防止できる。また、これらの素材は剥がれにくいので、胴部2の素材に起因する接着テープTへの汚染を防ぐことができる。
【0034】
鍔部3は、胴部2の一端2c側において、胴部2の全周にわたって円環状に設けられている。図6に示す例では、鍔部3の厚みTは、胴部2の厚みTと等しく、例えば0.5mm〜2.0mm、好ましくは0.8mm〜1.1mmとなっている。また、鍔部3の外径R2は、穴部25aの内径よりも大きいことが好ましく、例えば20mm〜40mmとなっている。この外径R2は、穴部25aの101〜300%であることが好ましく、105〜200%であることがより好ましく、110〜180%であることが特に好ましい。鍔部3の幅Wは、例えば3mm〜30mmであることが好ましく、4mm〜20mmであることがより好ましく、5mm〜10mmであることが特に好ましい。鍔部3は、胴部2と同様に接着テープ用リール21の素材よりも、柔らかい素材が用いられることが好ましく、このような素材としては、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリウレタン、発泡ポリスチレン、等がある。この場合、乾燥剤収容器1を接着テープ用リール21に嵌め込む際に、接着テープ用リール21を傷付ける恐れはない。また、これらの素材は、剥がれにくいため、鍔部3の素材に起因する接着テープTへの汚染を防ぐことができる。鍔部3は、胴部2が軸穴25内に配置されたときに、側板の外側面(例えば第1の側板23の外側面23c)に当接していることが好ましい。鍔部3の表面は、軸穴25の設けられている円筒部材30の外側面とも当接していることが好ましい。
【0035】
本実施形態では、鍔部3は胴部2と一体形成されており、乾燥剤収容器1は、胴部2及び鍔部3からなるいわゆる帽子のような形状をなしている。更に、乾燥剤収容器1は封止部5を備えている。封止部5は、例えば薄膜フィルム等の密閉部材である。封止部5は、胴部2の乾燥剤Kを収容する中空部を封止するとともに、鍔部3の底面に接着されている。封止部5の平面形状は円形であり、封止部5の外径は、鍔部3の外径R2と同径となっている。封止部5の厚みは、例えば、0.1mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましく、0.1mm〜0.5mmであることが特に好ましい。図6に示す例では、封止部5の表面は、胴部2の壁部2a及び鍔部3の表面と平行となっている。封止部5には、例えばPETフィルムや、ポリエチレン、ポリスチレン、OPPフィルム等のプラスチックフィルム、耐湿性のある紙類といった接着層付きシートが用いられる。
【0036】
より具体的には、封止部5には、例えばJIS Z−0208で規定されている透湿度が30g/m/24hr以下の材料を適宜組み合わせて、透湿度を10g/m/24hr以下に調整したものが用いられる。透湿度が30g/m/24hr以下の材料は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、二軸延伸ポリエステル、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アルミ箔等である。更に、封止部5には、ポリエステルにアルミニウムを蒸着したような各種蒸着シートを用いることができる。
【0037】
乾燥剤収容器1に収容される乾燥剤Kは、除湿を行うためのものであり、例えば、無機質材、吸水性ポリマー、或いは無機質材と吸水性ポリマーとを組み合わせたもの等である。無機質材は、例えば、石灰(酸化カルシウム、水酸化カルシウム)、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライト、塩化リチウム等である。吸水性ポリマーは、例えば、架橋ポリアクリル酸ソーダ、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、酢酸ビニル−マレイン酸メチル共重合体ケン化物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋物、澱粉−アクリルニトリルグラフト共重合体ケン化物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体、多糖類−アクリル酸グラフト重合体、ポバールの架橋物、及びポリエチレンオキサイドの架橋物等の一種又は二種以上の組み合わせである。乾燥剤Kは例えばブロック状の円柱形状をなしており、乾燥剤Kの径は、例えば数mm〜数十mm程度となっている。
【0038】
以上説明したように、本実施形態における乾燥剤収容器1では、乾燥剤Kが収容される胴部2が接着テープ用リール21の軸穴25(の穴部25a)内に配置されたときに、胴部2に設けられた鍔部3が接着テープ用リール21の側板の外側面(例えば第1の側板23の外側面23c)に当接するようになっており、鍔部3が当該側板の外側面に引っ掛かることで、胴部3を接着テープ用リール21の軸穴25(の穴部25a)に収めた状態で保持することができる。このとき、接着テープ用リール21の外側には側板の外側面に沿う鍔部3のみが位置するので、乾燥剤収容器1のはみ出しが抑えられる。したがって、側板23,24間の間隔が狭い接着テープ用リール21にこの乾燥剤収容器1をセットした場合に、接着テープ用リール21を、例えば図7に示すような厚みの薄い挿入口81を有する梱包袋80内に、すっきりと収容させることが可能となる。また、乾燥剤Kが軸穴25内にセットされることにより、軸穴25周辺の除湿を効果的に行うことができ、接着テープ用リール21の巻芯22に巻き付けられる接着テープTの接着力の低下を抑制できる。
【0039】
また、上述したように、胴部2の外径R1が、接着テープ用リール21の軸穴25の穴部25aの内径と同径となっていることが好ましく、この場合、胴部2を軸穴25の穴部25aに隙間無く嵌め込むことができる。よって、乾燥剤収容器1の胴部2を穴部25aに嵌め込んだ状態で、接着テープ用リール21の運搬をする場合においても、胴部2を軸穴25にしっかりと保持し、乾燥剤収容器1が移動することを抑制できる。
【0040】
また、胴部2は断面円形状をなしていることが好ましく、この場合、より簡単に胴部2を軸穴25(の穴部25a)に嵌め込むことができる。また、鍔部3は、胴部2の一端2c側において、胴部2の全周にわたって円環状に設けられていることが好ましく、この場合、鍔部3が側板の外側面(例えば第1の側板23の外側面23c)にしっかりと引っ掛かるので、軸穴25内で胴部3をより安定して保持できる。
【0041】
なお、一般に、接着テープ用リール21を使用する環境はクリーンルームと呼ばれる室内の温度、湿度、クリーン度が一定レベルで管理されている部屋であり、生産現場より出荷される際には直接外気にさらされ、塵や湿気による品質低下を招かないように、接着テープ用リール21を梱包袋80に入れて梱包する。この際、上述のように接着テープ用リール21の軸穴25内に固定された乾燥剤Kによって、梱包袋80中に残る湿気や外部からの進入による湿気を好適に吸湿できるので、接着テープ用リール21の巻芯22に巻付けられている接着テープTの接着剤層の接着力低下を抑制できる。
【0042】
なお、梱包袋80は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリスチレンテレフタレートなどからなる。梱包に際し、梱包袋80の挿入口81を閉じる前に梱包袋80内の空気を吸引除去しておくことが好ましい。また、外部からの空気の侵入を防ぐために、梱包袋80の挿入口81を例えばシール機などにより閉じて、密閉することが好ましい。この場合、梱包した初期の段階から梱包袋80内の湿気が少なくなり、かつ外部からの空気の進入を防ぐことが期待できる。また、梱包袋80の内面と接着テープ用リール21が密着することにより、運搬または搬送時の振動で梱包袋80の内面と接着テープ用リール21の表面がこすれあって発生する異物や、接着テープ用リール21の側板23,24の外側面23c,24cへの傷つきを防止できる。なお、梱包袋80は、内部の接着テープ用リール21に貼り付けてある製品名や、ロットナンバー、有効期限等の各種情報が梱包袋80の外からでも確認できるように透明度をもち、かつ熱と圧力により密着する材料を使用し、かつ開封のための切り込みがついていることが好ましい。この場合、梱包袋80の外から接着テープ用リール21の各種情報を確認することができるため、違う製品の混入防止や、仕分け作業が効率よくなることが期待できる。また、開封のための切り込みがついていることにより、使用時の開封作業が容易になる。
【0043】
以上、好適な実施形態を用いて本発明の乾燥剤収容器1を説明したが、本発明の乾燥剤収容器1は上記の形態に限られるものではない。上記実施形態では、胴部2と鍔部3が一体形成されている例を示したが、胴部2と鍔部3を予め別体として形成した後、胴部2と鍔部3を合体させてもよい。また、封止部5が、胴部2及び鍔部3と別体である例を示したが、胴部2、鍔部3、及び封止部5が一体形成されていてよい。この場合、例えば、胴部2に予め設けた切れ目等から乾燥剤Kを収容した後、その切れ目を封止すればよい。また、上記実施形態では、胴部2が、全体として円筒形状である例を示したが、胴部2は、接着テープ用リール21の軸穴25(の穴部25a)に収まる形状や大きさであればよく、例えば、図8(a)に示されるように断面多角形状をなしていてもよい。更に、胴部2は、例えば半球状、立方体形状、または星形状等であってもよい。また、軸穴25がいわゆる鍵穴のような形状である例を示したが、軸穴は、単に円形の穴であってもよい。この場合、胴部2の外径R1は軸穴の内径以下とすればよい。上記では、胴部2の外径R1が、接着テープ用リール21の軸穴25の穴部25aの内径と同径となっている例を示したが、胴部2の外径R1は、接着テープ用リール21の軸穴25の穴部25aの内径以下となっていればよい。
【0044】
また、鍔部3が円環形状をなしている例を示したが、この形状に限定されない。例えば、鍔部3は、図8(b)に示すように多角形状をなしていてもよく、図8(c)に示すように四角形状をなしていてもよく、図8(d)に示すように、鍔部3の外周部分に切り欠きが形成されていてもよい。図8(d)に示す例では、円環形状の鍔部3の外周部分において、略V字状の切り欠きが略等間隔で4箇所に形成されている。
【0045】
更に、図9に示すように、鍔部3を、胴部2の一端2c側において、胴部2の一部から張り出している鍔部3aとしてもよい。図9に示す例では、鍔部3aは、胴部2の一部のみから舌片状に張り出している。この場合、鍔部の形状を簡単化できるので、乾燥剤収容器1のコストを低減できる。またこの場合、封止部5aは、例えば、胴部2の一端2cの形状と、鍔部3aの形状とを足し合わせた形状とすることができる。鍔部3aの形状は舌片形状に限定されず、接着テープ用リール21の側板の外側面に当接させ、乾燥剤収容器1を支持できる程度の大きさや形状であればどのような形状であってもよい。また、鍔部の数は1つに限られず、鍔部が複数からなってもよく、複数の鍔部のそれぞれが胴部2の一端2c側において、胴部2の一端2cの一部から張り出していてもよい。この構成によれば、鍔部を胴部2の一端2cの全周を囲う形状とすることなく、接着テープ用リール21の側板の外側面と当接する部分の面積を確保することができる。
【0046】
また、胴部2の孔部7は、壁部2aの外側から内側に向かうにつれて狭くなっている例を示したが、これに限定されず、必要とされる吸湿スピードや持続性等に応じ適宜変更可能である。例えば、胴部2の孔部7は、壁部2aの外側から内側にかけて略一定の広さとなっていてもよいし、壁部2aの外側から内側に向うにつれて広くなっていてもよい。孔部7の径も適宜変更可能である。
【0047】
また、封止部5に透湿孔を形成し、封止部5を介した吸湿を可能としてもよい。或いは、透湿性を有する材料で封止部5を形成し、封止部5を介した吸湿を可能としてもよい。この場合、胴部2の孔部7を形成しなくてもよい。
【0048】
また、胴部2、鍔部3、及び封止部5等にも吸湿性を付与し、吸湿スピードの向上を図ってもよい。具体的には、胴部2、鍔部3、及び封止部5等の材料に、吸湿性を有する材料を含ませてもよい。吸湿性を有する材料は、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、メトキシプロパンジオール、エトキシプロパンジオール等の多価アルコール類;モノー,ジー,トリ−エタノールアミン、モノー,ジー,トリ−プロパノールアミン等のアミノアルコール類;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸とポリビニルアルコールとの共重合物、ポリエチレングリコール類、ジメチルチオ尿素、シアナミド、メチルイミダゾール等である。
【0049】
また、接着テープ用リール21の構造として、巻芯22が、第1の側板23の開口部40を囲うように、第1の側板23の内側面23aに固定されており、円筒部材30が第1の側板23の開口部40に嵌め込まれている例を示した。しかし、接着テープ用リール21の構造はこれに限定されず、円筒部材30を用いずに、巻芯22が円筒形状をなし、巻芯22の両端が、第1の側板23の開口部40及び第2の側板24の開口部に嵌め込まれている構造であってもよい。この構造において、巻芯22の中央部に設けられた軸穴に乾燥剤収容器1の胴部2を嵌め込むことができる。
【0050】
また、乾燥剤収容器1の胴部2を第1の側板23側から軸穴25の穴部25aに嵌め込む例を示したが、胴部2を第2の側板24側から軸穴25の穴部25aに嵌め込んでもよい。この場合、上述のように円筒部材30を用いない構造においては、鍔部3を例えば第2の側板24の外側面24cと当接させることができる。
【0051】
また、接着テープTは、接着剤層が接着剤成分からなり導電粒子を含有しない非導電テープを用いてもよく、導電粒子を異方導電テープよりも多く配合した異方性を有さない導電テープを用いてもよい。また、ダイボンドフィルム、銀フィルム、半導体ウエハ加工用の接着フィルム等各種の接着フィルムにも適用可能である。
【0052】
また、乾燥剤Kと接着テープTの重量の比率は、0.005:1〜1.5:1であることが好ましく、0.01:1〜0.5:1であることがより好ましい。また、乾燥剤収容器1の鍔部3が円盤形状である場合、鍔部3と接着テープ用リール21の外側面との接触面積は、円盤形状の鍔部3の外径から導出される円板の面積から、胴部2の外径R1から導出される円形状の面積を除いた面積の80%以下であることが好ましく、40%〜80%であることがより好ましく、50%〜70%であることが特に好ましい。この場合、軸穴25に乾燥剤Kをはめ込んだ際、鍔部3が一方の側板の外側面に当接し、乾燥剤Kが軸穴25を貫通したり、がたついたりすることを防止し、乾燥剤Kを安定保持させることができる。
【0053】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(事前準備1)
【0054】
まず、接着テープTに用いられる基材として、両面をシリコーン樹脂で剥離処理した厚み50μmのPETフィルム(UH2:帝人デュポンフィルム(株)製)を用意した。次いで、フィルム形成材として、フェノキシ樹脂(ビフェニル誘導体のグリシジルエーテル化変性物とビスフェノールフルオレン型骨格及びビスフェノールA/ビスフェノールF型骨格)を用いた。反応性樹脂として、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂を用いた。硬化剤として、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、マイクロカプセル化されたアミン系硬化剤)を用いた。導電粒子として、ポリスチレン系核体の表面に厚み0.2μmのNi層を設け、このNi層の外側に厚み0.04μmのAu層を形成した平均粒径3μmの導電粒子を作製して、用いた。固形分重量比でフェノキシ樹脂28.2g、エポキシ樹脂13.9g、マイクロカプセル型潜在性硬化剤16.1g、シランカップリング剤(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.6gとなるように配合し、更に導電粒子を6体積%分散して、フィルム塗工溶液を得た。
【0055】
続いて、得られたフィルム塗工溶液を、上記PETフィルムの片面にロールコータにより塗布した。ついで、このフィルム塗工溶液を70℃、5分間熱風乾燥して、接着剤層の厚みが20μmの異方導電性接着剤フィルムを得た。更に、この接着剤フィルムを幅2mmにスリットして接着テープを得た。
【0056】
一方、中央部に軸穴に対応する開口部が設けられている巻芯を用意した。巻芯の幅は2.5mmとし、内径(軸穴・開口部の径)は40mmとし、巻芯の外径は65mmとした。また、厚さ2mm、内径40mm、外径125mmのプラスチックからなる環状の側板を2枚用意した。そして、2枚の側板の各開口部に巻芯の両端部をそれぞれ嵌め込み、接着テープ用リールを得た。続いて、この接着テープ用リールの巻芯に対して、上記接着テープを接着剤面を内側にして巻回した。以上のようにして、長さ50m及び幅2.0mmの異方導電性の接着テープを巻芯に巻いてなる接着テープ用リールを得た。
【0057】
次に、上記接着テープ用リールを入れる梱包袋としてバリア袋を準備し、乾燥剤(商品名:アイディ乾燥剤、(株)アイディ製)を準備し、梱包袋の挿入口を密封するためのシーラー機を用意した。
(実施例1)(乾燥剤があり、梱包袋の挿入口を密封した梱包製品の作製)
【0058】
まず、図4に示したような胴部及び鍔部からなるいわゆる帽子のような形状の乾燥剤収容器を用意した。この際、胴部は軸穴内に収まる形状とした。胴部及び鍔部の材料としては、発砲ポリスチレンを用いた。次いで、事前準備1で準備した乾燥剤を、乾燥剤収容器の胴部に収容した後、封止部で密閉した。封止部の材料としては、PETフィルムを用いた。この乾燥剤収容器の胴部を事前準備1で得た接着テープ用リールの巻芯の中央部に設けられた軸穴に嵌め込んだ。この際、鍔部は一方の側板の外側面に当接させた。このように接着テープ用リールに乾燥剤収容器を固定した構造体を梱包袋に入れた。梱包袋内の空気を吸引して袋内の空気を除去し、その後に梱包袋の挿入口をシーラー機で密封した梱包品を作成した。
(比較例1)(乾燥剤がなく、梱包袋の挿入口を密封しない梱包製品の作製)
【0059】
事前準備1で得た接着テープ用リールの軸穴に乾燥剤を配置せず、接着テープ用リールを梱包袋に入れ、梱包袋の挿入口を密封しない梱包品を作製した。
(比較例2)(乾燥剤がなく、梱包袋の挿入口を密封した梱包製品の作製)
【0060】
事前準備1で得た接着テープ用リールの軸穴に乾燥剤を配置せず、接着テープ用リールを梱包袋にいれ、梱包袋の挿入口を密封した梱包品を作製した。
(接着力試験)
【0061】
実施例1、比較例1、及び比較例2で得た梱包品を25℃/70%RHの環境下200時間静置し、品質の確認を行った。この際、実施例1、比較例1、及び比較例2で得た梱包品から取り出した接着テープ用リールを繰り出し装置へ装着し、接着テープ用リールから巻き出された接着テープの支持フィルム側から加熱加圧ヘッドで70℃、1MPa、2秒の条件でガラス基板に圧着し、支持フィルムを剥してガラス基板に対する接着テープの接着力を試験した。試験数は各々10枚行い、評価はガラス基板から接着テープが剥れないものを○とし、ガラス基板から接着テープが一部のみ剥れるものを△とし、ガラス基板から接着テープが一部以上剥れるものを×とした。また、ガラス基板から接着テープの剥れが0〜1枚であるものをAとし、2枚〜4枚であるものをBとし、5枚以上であるものをCとした。結果を表1にまとめて示す。
【表1】

【0062】
表1に示すように実施例1ではガラス基板から接着テープが剥れず、剥れの枚数も少なく実用に問題がないことがわかった。また、比較例1、2ではガラス基板から接着剤テープの一部剥れや全体の剥れが複数枚でてしまい、実用には耐えうる品質ではないことがわかった。
【0063】
更に、実施例1、比較例1、及び比較例2の梱包品を−5℃〜−10℃に温度管理された冷蔵庫に200時間静置した後に、同様の試験を行った。実施例1については同様の結果が得られた。また、比較例1及び比較例2については表1に示した上記試験の効果よりも特性が良かった。このことは冷蔵庫内が常温の試験時と比べて乾燥していたためだと思われる。しかしながら、実施例1は比較例1及び比較例2と比べて特性が改善されていた。
【符号の説明】
【0064】
1…乾燥剤収容器、2…胴部、2a…(胴部2の)壁部、2b…(胴部2の)本体、2c…(胴部2の)一端、3,3a…鍔部、5,5a…封止部、21…接着テープ用リール、22…巻芯、23…第1の側板、24…第2の側板、23c…(第1の側板の)外側面、24c…(第2の側板の)外側面、25…軸穴、K…乾燥剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着テープが巻き付けられる巻芯と、前記巻芯を挟んで設けられた一対の側板とを備え、前記接着テープの巻き取り又は繰り出しを行う装置の回転軸を通す軸穴が設けられた接着テープ用リールに用いられる乾燥剤収容器であって、
前記軸穴内に収まる形状をなし、乾燥剤が収容される中空部を有する胴部と、
前記胴部に設けられ、前記胴部が前記軸穴内に配置されたときに前記側板の外側面に当接する鍔部と、を備えたことを特徴とする乾燥剤収容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−100183(P2013−100183A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144477(P2012−144477)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2012−517604(P2012−517604)の分割
【原出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(000004455)日立化成株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】