説明

乾癬の処置

本発明は、たとえば皮膚用包帯剤の適用による乾癬、特に尋常性乾癬の処置に使用される、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体または動物の体の乾癬、特に尋常性乾癬を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乾癬は、皮膚細胞が著しく速い速度で複製する炎症性皮膚疾患である。新しい皮膚細胞は1カ月ではなく数日間で通常より8倍速く生成されるが、古い細胞が脱落する速度は変わらない。このため、細胞が皮膚の表面に蓄積して紅色の盛り上がった状態の厚いパッチ、すなわちプラーク(病変)を形成し、これが鱗状で銀白色の死んだ皮膚細胞(鱗屑)でおおわれる。
【0003】
乾癬は様々な形をとり、それぞれが異なる特徴を持つと考えられる。通常は1度に1種類の乾癬しか起こらないが、ときに2種以上の乾癬が同時に起こることもあり得る。また、乾癬は、場合によっては、ある種から別の種へ変化することもある。
【0004】
尋常性乾癬(尋常性乾癬(psoriasis vulgaris))はこの疾患の最も多く見られる形態である。乾癬全体の約80パーセントがこの形態である。尋常性乾癬の特徴は、銀白色の鱗屑でおおわれた隆起した紅色の炎症性病変である。通常、肘、膝、頭皮および腰に認められる。
【0005】
滴状乾癬(Guttate psoriasis)は、多くの場合、小児期または青年期に発症する乾癬の形態である。この形態の乾癬は1つ1つが小形の皮膚の紅色斑に似ており、通常体幹および四肢に出現する。これらの斑は通常プラーク病変ほど厚くない。
【0006】
逆乾癬(Inverse psoriasis)は腋窩、鼠径部、乳房下、ならびに性器および臀部周囲の他の皮膚のひだに認められる。この種の乾癬は最初濃紅色の病変として出現し、通常尋常性乾癬に伴う鱗屑は見られない。逆乾癬は滑らかでつややかに見えることがある。
【0007】
膿疱性乾癬(Pustular psoriasis)は主に成人に見られ、発赤した皮膚に囲まれた白色膿疱(無菌性の膿疱)を特徴とする。膿疱性乾癬は体、たとえば、手および足の特定の領域に限局することもあれば、全身に出現し、体の大部分に及ぶこともある。膿疱性乾癬は、最初に皮膚が発赤し、その後膿疱の形成および落屑(scaling)という周期を繰り返す傾向がある。
【0008】
乾癬性紅皮症(Erythrodermic psoriasis)は炎症が著しい乾癬の形態で、多くの場合、体表の大部分が冒される。乾癬性紅皮症は膿疱性乾癬に起因して起こり得る。乾癬性紅皮症の特徴は、周期的で広範な激しい皮膚の発赤である。皮膚の紅斑(発赤)および剥脱(脱落)は重度の掻痒および疼痛を伴うことが多い。
【0009】
最近の研究から、乾癬は重症度の低い乾癬患者の生活の質にも大きな影響を与え得ることが明らかになっている。
【0010】
・世界の人口の2〜3パーセントが乾癬に罹患していると推定される。
・世界乾癬デー(World Psoriasis Day)の連盟(consortium)によれば、世界全体で1億2,500万人が乾癬である。
【0011】
・米国National Institutes of Health(NIH)によれば、米国人の580〜750万人が乾癬であり、有病率は2%を超える。
【0012】
・英国の有病率は1.5%であることが確認されている(Gelfandら、2005)。
【0013】
乾癬は、患者が報告したShort Form(SF−36)健康調査の身体障害スコアが鬱血性心不全に次いで高い。これは、乾癬罹患者が高血圧、心筋梗塞、糖尿病、鬱病、関節炎または癌の人より身体障害度が高いことを意味する。SF−36の精神状態の項目スコアで見ると、乾癬より悪影響が大きいのは鬱病のみである(Leonardi CL,2003)。
【0014】
乾癬の原因は十分に解明されていないが、集積されつつある証拠(evolving evidence)からは、乾癬は複数の遺伝子、免疫系および環境要因の相互作用により引き起こされる複合障害であることが示唆される。
【0015】
乾癬の原因に関与し得る9個の遺伝子突然変異が研究者により発見されている。これらの突然変異の1つが6番染色体にあり、PSORS−1と呼ばれ、乾癬を起こし得る重要な要因であると考えられる。遺伝子の突然変異によりある種の細胞の機能が変化する。乾癬の場合、こうした突然変異は主にヘルパーT細胞に影響するようである。
【0016】
乾癬の免疫系機能障害の特徴は、T細胞とケラチノサイトとの相互作用の異常制御にある。乾癬の免疫における中心的なメディエーターの1つはサイトカインTNF−αである。TNF−αは、皮膚に自然に発生する主要なサイトカインの1つで、いくつかの正常な炎症性免疫応答および異常な炎症性免疫応答に関与しており、乾癬患者の皮膚に高レベルで見出される。TNF−αは乾癬の発症に直接影響を与えており、このことは、TNF−αにより内皮細胞およびケラチノサイトに接着分子の合成が誘導されることから明らかである。その誘導により、このプロセスは皮膚の細胞浸潤に影響を及ぼし、乾癬病変に見られるケラチノサイト(keratinoctye)の異常増殖および成熟に直接作用する。
【0017】
低度から中等度の乾癬には様々な局所薬が推奨されている。
乾癬の処置に最も多く使われている局所剤は局所コルチコステロイドであり、低度から中等度の乾癬病変の制御だけでなく、迅速な作用発現に極めて有効である場合がある。局所コルチコステロイドは皮膚細胞の増殖を遅延させ、炎症を軽減する。ステロイドの中には作用は強いが、頻繁に使用しすぎると皮膚損傷を引き起こすものもある。ステロイドは、粉末、噴霧、ゲル、クリーム、さらに頭皮に使用される泡状のビヒクルなど広範囲のビヒクルで利用できる。しかしながら、局所コルチコステロイドの最も厄介な特徴の1つは、患者がタキフィラキシー、すなわち当初は非常に有効であった医薬品が、長期的な使用に伴い有効性を失う現象を起こすことである。
【0018】
2番目に多く使われている局所剤はビタミンD3アナログで、皮膚細胞の増殖速度を遅延させ、乾癬病変部を平坦化し、鱗屑を除去する。ビタミンD3アナログはさらに頭皮および爪の乾癬に使用してもよい。有効性は作用の強いコルチコステロイドと同程度で、不随するリスクもないが、作用発現が遅く、通常皮膚刺激がある(使用者の約20%〜25%)ため、2つの問題をどちらも抑制するコルチコステロイドとの併用療法が有用である(SmithおよびBarker,2006)。
【0019】
中等度および重度の乾癬の場合、光線療法が推奨される。
UVB処置は、医療機関で医師の指導の下、あるいは医師の指示により購入した家庭用機器を使用して、皮膚に人工UVB光源(315〜280nm)を定期的に一定時間当てる。紫外線B(UVB)(315〜280nm)は表皮に吸収され、乾癬に有益な作用を発揮する。ナローバンドUVB(311〜312nm)は、乾癬に最も有用であるUVBスペクトルの一部である。
【0020】
紫外線処置は、併用すると相乗作用があるため、局所処置(コールタール、ビタミンD3アナログ)または全身処置(レチノイド)と組み合わされることが多い。Ingram法では、UVBとアントラリンのペースト剤の適用とが行われる。Goeckerman法では、コールタールの軟膏剤とUVBとが組み合わされる。
【0021】
ソラレン紫外線A療法(PUVA)は、ソラレンの経口または局所投与と紫外線A(UVA)光の照射とを組み合わせたものである。PUVAがどのように作用するかは正確には明らかにされていない。作用機序はおそらくUVA光によりソラレンが活性化され、異常に速い乾癬皮膚細胞の生成が阻害されるものと考えられる。PUVAに関連する作用機序は、皮膚免疫系に対する作用など複数ある。
【0022】
FDAにより乾癬用に承認されているエキシマレーザー(商品名Xtrac UltraおよびXtrac Velocityとして知られる)は、乾癬に冒された皮膚の特定の領域を標的にして強度の強い紫外線を照射できる。このレーザーは主に低度から中等度の尋常性乾癬の人に使用される。
【0023】
エキシマレーザーと同様に、慢性限局性プラーク病変の処置用に承認されているものにパルス色素レーザーがある。パルス色素レーザーは、乾癬病変の形成に関与しこれを支持する小血管を破壊する。パルス色素レーザーは、望ましくない血管およびポートワイン母斑などの母斑の除去に約15年間にわたり使用されている。乾癬がパルス色素レーザーで除去できることは1990年に初めて研究者により報告された。
【0024】
パルス色素レーザーによる処置は、ゴムバンドで繰り返し打たれているようであると報告されている。処置は、3週間ごとに15〜30分のセッションで構成される。反応がある患者の場合、標的病変の除去には通常4〜6セッションが必要とされる。パルス色素レーザー処置の副作用として、少ないながら瘢痕化のリスクがある。最も多い副作用は挫傷で処置後1週間から10日残る。
【0025】
最も重度の乾癬の場合、全身処置が推奨される。
従来型の3つの主要な全身処置剤としてメトトレキサート、シクロスポリンおよびレチノイドがある。メトトレキサートおよびシクロスポリンは免疫抑制剤であり、レチノイドはビタミンAの合成形態である。特に乾癬用に承認されているわけではないが、これら以外の薬剤が有効であることも明らかになっている。そうした薬剤として、代謝拮抗剤チオグアニン、細胞傷害性薬物ヒドロキシ尿素、スルファサラジン、免疫抑制薬ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリンおよび経口タクロリムスが挙げられる。これらの薬剤はすべて、他の処置剤が効果を発揮しない場合、乾癬の効果的な処置に使用されている。さらにドイツでは重度の乾癬の処置にフマル酸エステルが20年以上使用されているが、他の多くの国々では承認されていない。
【0026】
エファリズマブ(抗接着抗体)、エタネルセプト(抗TNFα)およびインフリキシマブ(抗TNFα)など近年承認された生物学的処置剤により治療は大きく進歩したが、現在のところ、長期的安全性および有効性ならびにコストに関するデータがないため、こうした処置剤の使用は重度の疾患に限定されている。
【0027】
上記の従来型処置剤以外にも、様々な代替治療が提案されている。生活習慣、鍼治療、ハーブ療法、瞑想および磁石からドクターフィッシュ(屋外の温泉に生息し、乾癬性皮膚を食べる習性がある)の使用に至るまでどれも乾癬の管理に効果があると考えられる。
【0028】
したがって、効果的で副作用が少ない処置剤があれば非常に望ましいと考えることができる。
【0029】
国際公開第2008/048514号パンフレットには、乾癬を含む様々な皮膚状態の処置への一酸化窒素ガスの応用が開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0030】
第1の態様では、本発明は、人体または動物の体の乾癬を処置する方法であって、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物を適用することを含む方法に関する。
【0031】
第2の態様では、本発明は、人体または動物の体の乾癬の処置に使用される、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物に関する。
【0032】
第3の態様では、本発明は、人体または動物の体の乾癬を処置する薬物の製造における、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物の使用に関する。
【0033】
驚くべきことに、本発明者らは、乾癬症状(symptons)、特に尋常性乾癬(plaque psoriasis)が、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物を適用すると、著しい副作用をまったく起こさずに劇的な改善を示すことを発見した。
【0034】
通常の状態では、一酸化窒素(NO)は寿命の短い反応性のガス状物質である。その反応性は窒素の不対電子による。不対電子を持つ分子としての一酸化窒素はフリーラジカルと呼ぶことができる。しかしながら、寿命がほぼミリ秒程度の典型的なフリーラジカル(たとえばヒドロキシルラジカルまたはスーパーオキシド)と比較して、一酸化窒素は比較的安定している。通常、一酸化窒素は生成されてから数秒以内により安定な化学種に変換される。したがって、たとえば、一酸化窒素ガスは空気と接触すると、即座に酸素と反応して以下のとおり二酸化窒素を生成する:
【0035】
【化1】

【0036】
いくつかの条件下では、たとえば純粋な気体状態では、NOをあまり喪失させずに非常に長時間にわたり貯蔵することができる。NOは疎水性が強い化合物であり、したがって水への溶解度は限られている。通常の条件下で得られる水への最大溶解度は約1.7mMであり、この溶解度は酸素と同等である。水溶液においては溶存一酸化窒素が溶存酸素により酸化される。しかしながら、速度定数ならびに溶存NOおよびOが低濃度であることを考慮すると、この反応は、酸素濃度が非常に高い気体状態よりかなり速度が遅くなる。このため水性組成物中のNOを送達することは、極めて先進的で直感に反するものである。
【0037】
一酸化窒素は、亜硝酸を化学的に還元することにより生成することができる。亜硝酸の還元には多種多様な還元剤を使用することができ、そうした還元剤の生理学的に許容される例として、ヨウ化物アニオン、アスコルビン酸、ブチル化キノン、トコフェロールなどが挙げられる。亜硝酸はpKaが3.4の弱酸である。これは、亜硝酸がpH3.4の水溶液において亜硝酸(HNO)とニトリット(NO)との等モル混合物として存在することを意味する。pHが上昇するとニトリットアニオンの方向に平衡が移動し、pHが低下すると亜硝酸の方向に平衡が移動する。一酸化窒素に化学的に還元できるのは亜硝酸のみであるため、ニトリットの一酸化窒素への変換効率はpHが低下すると共に上昇する。このため、変換の速度はpH6では無視できる程度であるが、pH5ではゆっくりと進行し、さらにpH4未満、特にpH3未満では非常に速くなる。
【0038】
したがって、通常一酸化窒素は一酸化窒素生成系により、好ましくはニトリットを酸性環境に導入することによりin situで生成される。
【0039】
好ましい実施形態では、一酸化窒素生成系は、ニトリットと共に酸性環境の還元剤を含む。
【0040】
当然のことながら、ニトリットのpKaは(25℃において)3.4である。したがって、ニトリットは、pHを3〜4の範囲に維持すること可能な緩衝液として働くことができる。このため、追加の緩衝液は特に必要なく、好ましくは水性組成物においてpKaが1〜4の成分はニトリットのみである。よって好ましくは、包帯剤は他にpKaが1〜4の材料をまったく含まない。
【0041】
酸性環境でニトリットと反応する還元剤の特殊な分類としてチオールがある。酸性環境でのチオールとニトリットとの反応では亜硝酸の還元は起こらず、他の還元剤の場合と同様に直ちに一酸化窒素が生成される。その代わりチオールは、酸性条件でニトリットから生成されるもう1つの種であるニトロソニウムカチオン(NO)によりニトロシル化されてS−ニトロソチオールを生成する。好ましいチオールとして、チオグリセロール(特にモノチオグリセロール、ジチオグリセロールおよびトリチオグリセロール)、システインおよびチオグルコースがある。モノチオグリセロール(特にα−モノチオグリセロール)が最も好ましい。
【0042】
S−ニトロソチオール(単にニトロソチオールと呼ばれることもある)は一酸化窒素の放出が可能な化合物である。S−ニトロソチオールは、ニトロソ化剤としてN(式2)あるいはニトロソニウムカチオン(式3)のいずれかを用いてチオールをニトロソ化することにより製造することができる:
【0043】
【化2】

【0044】
ニトロソ化種としてNを使用するプロセスはインビボで極めて重要であるのに対し、第2のプロセスはインビトロでのニトロソチオールの生成に有用である。ニトロソニウムカチオンは、酸性pHでニトリットから生成ができる:
【0045】
【化3】

【0046】
このようにS−ニトロソチオールは、酸性溶液中でチオール(たとえばグルタチオンまたはチオグリセロール)をニトリット源(たとえば亜硝酸カリウム)と混合することにより実験室で容易に生成することができる。この反応はpH6未満で進行し、反応速度は溶液の酸性度と共に上昇する:
【0047】
【化4】

【0048】
ニトロソチオールは、下記の自然分解により遊離一酸化窒素を放出することができる:
【0049】
【化5】

【0050】
分解速度は、チオールの側鎖によってかなり異なる。たとえば、S−ニトロソシステインは通常の条件であれば数分以内にすべて分解され得るのに対し、S−ニトロソグルタチオンを100%分解するには数時間/数日を要する。分解は一般に銅または水銀カチオンの存在下で加速される。銅イオン(たとえばCuまたはCu2+)が存在することが好ましい。
【0051】
S−ニトロソチオールは、そのものを得てもよいし、あるいはニトリットおよびチオールを一緒に反応させてin situで生成してもよい。
【0052】
好適なS−ニトロソチオールとして、S−ニトロソグルタチオン(好ましくは、生理的に重要な形態であるS−ニトロソ−L−グルタチオン)、S−ニトロソシステイン、S−ニトロソ−N−アセチルシステイン、S−ニトロソカプトプリル、S−ニトロソメルカプトエチルアミン、S−ニトロソ−3−メルカプトプロパン酸、S−ニトロソ−D−チオグルコースおよびS−ニトロソ−N−アセチル−D、L−ペニシラミンが挙げられる。
【0053】
本発明は特に、ヒトまたは動物の皮膚の乾癬に一酸化窒素を局所適用することによる処置に関する。
【0054】
通常、一酸化窒素を含む水性組成物は皮膚用包帯剤により送達される。「皮膚用包帯剤」という用語は、薬の経皮の送達の際に使用するパッチ、硬膏剤、絆創膏およびガーゼなどの包帯剤を包含する。この用語はさらに、ゲル、クリーム、エマルジョン、噴霧および泡状物質などの非晶質または液状の材料も含む。この用語は、一般に体表、特に頭皮を含む皮膚に適用される包帯剤を包含する。
【0055】
皮膚用包帯剤は任意に、乾癬用の既知の処置剤、特に既知の局所処置剤と望ましいように組み合わせてもよい。
【0056】
こうした皮膚用包帯剤は、一酸化窒素が包帯剤から下にある皮膚に移行するように、乾癬を示す皮膚領域に適用するだけでよい。包帯剤は6〜12時間ごとに交換してもよい。
【0057】
皮膚部位に送達される一酸化窒素の正確な量を測定することは難しいものの、包帯剤は、それが生成する一酸化窒素が最大10mM、最大5mMでも、あるいは最大2mMでも乾癬症状を著しく改善することが明らかになった。
【0058】
包帯剤成分全体またはその各成分は、層状、たとえば任意の一定の形態または形状を持たない非晶質材料から作製でき、ノズルから押し出されるなど変形して三次元形状をとることができるシート状でも、平板状でも、またはフィルム状でもよい。
【0059】
本水性組成物は通常、2種以上の成分を含む。好ましくは少なくとも2つの成分は、処置される皮膚部位で接触すると一酸化窒素生成系の一部として一緒に反応する材料を含む。たとえば第1の成分は酸源を含み、第2の成分はニトリット塩を含む。この実施形態では、第2の成分は、好ましくは酸性ではなく、pHは5〜12、好ましくはpH6〜11、一層好ましくはpH7〜10である。
【0060】
包帯剤成分全体またはその各成分は、典型的にはポリマーマトリックス形態のキャリアまたは支持体を含むと都合がよい。キャリアは、以下で検討するとおり固体でも、または非晶質でもよい。
【0061】
キャリアまたは支持体は、水和ヒドロゲル(hydrated hydrogel)を含むと都合がよい。水和ヒドロゲルとは、水和物の形の1種または複数種の水性または含水ゲルを意味する。したがって、水和ヒドロゲルは、包帯剤の活性化のための水源を含む。
【0062】
好適な水和ヒドロゲルについては、国際公開第03/090800号パンフレットに開示されている。水和ヒドロゲルは、親水性ポリマー材料を含むと都合がよい。好適な親水性ポリマー材料として、たとえばFirst Water Ltdから提供されているような独自開発のヒドロゲル形態のポリアクリレートおよびメタクリレート、たとえばポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(ポリ−AMPS)および/またはその塩(たとえば国際公開第01/96422号パンフレットに記載されているようなもの)、多糖類、たとえば多糖ガム、特にキサンタンガム(たとえばKeltrolという商標で入手可能)、種々の糖、ポリカルボン酸(たとえばISP EuropeからGantrez AN−169 BFという商標で入手可能)、ポリ(メチルビニルエーテルコ−マレイン酸無水物)(たとえば分子量20,000〜40,000の範囲のGantrez AN 139という商標で入手可能)、ポリビニルピロリドン(たとえばPVP K−30およびPVP K−90として知られる市販グレードの形態)、ポリエチレンオキシド(たとえばPolyox WSR−301という商標で入手可能)、ポリビニルアルコール(たとえばElvanolという商標で入手可能)、架橋ポリアクリルポリマー(たとえばCarbopolという商標で入手可能)、セルロースおよび変性セルロース、たとえばヒドロキシプロピルセルロース(たとえばKlucel EEFという商標で入手可能)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(たとえばCellulose Gum 7LFという商標で入手可能)およびヒドロキシエチルセルロース(たとえばNatrosol 250 LRという商標で入手可能)が挙げられる。
【0063】
ゲル中に親水性ポリマー材料の混合物を使用してもよい。
親水性ポリマー材料の水和ヒドロゲルの場合、親水性ポリマー材料は、ゲルの総重量に対して少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、一層好ましくは少なくとも5%、なお一層好ましくは少なくとも10%、あるいは少なくとも20%、望ましくは少なくとも25%、なお一層望ましくは少なくとも30重量%の濃度で存在することが望ましい。さらに多くの量、ゲルの総重量に対して最大約40重量%を使用してもよい。
【0064】
ゲルの総重量に対して約30重量%の量のポリ−AMPSおよび/またはその塩と、Carbopol(商標)ポリアクリル酸アモルファスゲルとの水和ヒドロゲルを使用すると好結果が得られている。
【0065】
水和ヒドロゲル材料は通常材料の固体層、シートまたはフィルムの形態をとり、架橋され、機械的強度が増した構造を含み得るのが一般的である。層、シートまたはフィルムの大きさおよび形状は、包帯剤の使用目的に合わせて選択すればよい。特に好適なのは、厚さ0.05〜5mm、好ましくは0.5〜3mmの範囲である。
【0066】
あるいは、水和ヒドロゲルは、一定の形態または形状を持たず、ノズルから押し出されるなど変形して三次元形状をとることができるアモルファスゲルの形態であってもよい。アモルファスゲルは通常、架橋されていないか、あるいは架橋結合の程度が低い。剪断減粘性アモルファスゲルを使用してもよい。こうしたゲルは、剪断応力を受けると(たとえばノズルから吐出または押し出すとき)液体になるが、動きのない状態では固体である。このため、ゲルは、たとえばピストンおよびシリンダーを含み、通常ノズルの直径約3mmの圧縮性チューブまたはシリンジのようなディスペンサーからそれぞれ分注できる1種または複数種の吐出可能または押し出し可能な成分の形態であってもよい。こうしたゲルは表面層の形態で適用し、乾癬表面と接触してもよい。
【0067】
典型的なアモルファスゲルの配合例として、15%w/wのAMPS(ナトリウム塩)、0.19%ポリエチレングリコールジアクリレート、0.01%ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを加え、分析グレードのDI水で全量100%にする。この試薬を十分に混合および溶解し、次いで約100mW/cmを放射するUV−Aランプを使用して30〜60秒間重合させ、必要とされるヒドロゲルを形成する。このゲルはプラスチックシリンジに充填することができ、その後アモルファスゲルをシリンジから標的部位に表面層として分注してもよい。
【0068】
2成分のアモルファスゲルの配合の例として、水性Carbopol 974P NF(4.5%w/w)と26mMの塩化カルシウムおよび100mMのモノチオグリセロール、pH4.2とを含む第1のゲル、および水性Carbopol 974P NF(1.5%w/w)と100mMの亜硝酸カリウムおよび10mMの硝酸銅(II)、pH10.0とを含む第2のゲルがある。
【0069】
2成分のエマルジョンの例として、(i)ペトロラタムと、Galenol 1618 DSNと、Drakeol(登録商標)35と、シリコーン油との第1の相と、水性酢酸塩緩衝液(pH4)と、フェノキシエタノールと、モノチオグリセロールとを含む第2の相との混合物から調製されたエマルジョンを含む第1の成分、(ii)ペトロラタムと、Galenol 1618 DSNと、Drakeol(登録商標)35と、シリコーン油との第1の相と、トリス−HCl緩衝液(pH7.2)と、フェノキシエタノールと、ニトリット塩と、硝酸銅(II)とを含む第2の相との混合物から調製されたエマルジョンを含む第2の成分がある。
【0070】
一般にキャリアまたは支持体として水和ヒドロゲルまたはエマルジョンを使用することが好ましいが、代わりにキャリアまたは支持体が乾燥状態の材料を含み、典型的には一酸化窒素生成系が乾燥ポリマーマトリックス中に存在してもよい。
【0071】
たとえば一酸化窒素ドナー組成物、たとえばS−ニトロソチオールは乾燥状態で与えられ、皮膚表面に適用されて湿った状態なったとき初めて一酸化窒素生成系として活性化されてもよい。特に好適な湿潤系は、任意にFe2+、Cu2+および/またはZn2+などの金属イオンを含む酸性水性組成物を添加したものである。
【0072】
乾燥状態とは、材料中に遊離水が存在しないため、通常の温度、圧力および湿度の周囲条件下で蒸発により著しいまたは測定可能な水の喪失が起きないことを意味する。乾燥状態は、特に徹底的に乾燥させた状態の乾燥状態(desiccated condition)を含む。この乾燥状態(desiccated condition)は、水分不透過性バリアに囲まれた環境で保管された状態を意味し、この場合、乾燥剤を添加すれば材料はまったく水を含まない状態が維持される。
【0073】
材料が乾燥状態にあるため、試薬、たとえばS−ニトロソチオール、ニトリットまたはチオールは安定状態で、材料中に保持される。試薬が材料中で安定なままであれば、材料を長期間好適な条件下で貯蔵することができる。
【0074】
固体包帯剤成分の一部を形成するのに好適な材料はポリマー材料である。
好ましいポリマー材料の1つとしてポリビニルアルコール(PVA)がある。PVAには、たとえば無毒であるなど皮膚処置に使用するのに都合がよく許容可能な特徴がある。PVAはさらに取扱いおよび使用が容易で、PVA水溶液が乾燥するとすぐにフィルムを形成し、生じたフィルムも取扱いやすい。PVAはさらに入手しやすいうえ安価である。固体材料の形成、たとえばフィルムの形成の際に架橋結合の必要はないが、任意に架橋結合を利用してもよい。PVAは、材料の物理的性質に影響する分子量および加水分解の程度に応じて広範囲のグレードで入手可能である。個々の使用目的に適した所望の特性を持つポリマー生成物を生成するのに適切なグレードのPVAは、容易に選択することができる。たとえば、皮膚用包帯剤に使用する場合、ほぼ完全に加水分解された(98〜99%加水分解された)分子量が100,000〜200,000の範囲のPVA、たとえばSigma−Aldrich社製の非架橋型コード36,316−2の形態のPVA、さらに分子量が31,000〜50,000(87〜89%加水分解)のPVA、たとえばSigma−Aldrich社製のコード363073の形態のPVAを使用すると好結果が得られている。
【0075】
もう1つの好適なポリマー材料は、ポリビニルピロリドン(PVP)を含む。PVPの特性はPVAと非常に類似しており、PVPも皮膚処置に使用するのに許容可能である。PVPは、一定範囲の様々な分子量で容易に入手できる。適切なグレードのPVPは容易に選択することができる。たとえば、平均分子量が360,000のPVP、たとえばSigma社製の非架橋型コードPVP360の形態のPVPを使用すると好結果が得られている。
【0076】
こうした固体包帯剤成分は、典型的には厚さが0.01〜1.0mmの範囲、好ましくは0.05〜0.5mmの範囲のシート、層またはフィルムの形態であると都合がよい。固体材料は任意に、湿ると固くなる支持体を含んでいてもよい。
【0077】
こうした固体ポリマー材料は、ポリマーの溶液(たとえばPVAおよび/またはPVPの水溶液)と試薬とを混合し、混合物を乾燥させて固体材料を生成することにより製造すると都合がよく、たとえば流延法によりフィルムを形成する。好適な技法は、当業者によく知られている。
【0078】
実際にチオールをポリ−AMPSヒドロゲルに加えると問題が生じるため、その代わりにこの試薬は、上記で論じたような乾燥材料を含むキャリア、たとえば乾燥PVAポリマーマトリックスを用いて得るのが一般的である。
【0079】
このため好ましい一実施形態では、本発明は、たとえば亜硝酸カリウムなどのニトリット源を含む水和ヒドロゲル、好ましくはポリ−AMPSおよび/またはその塩の層を含む第1の成分と、たとえばモノチオグリセロールなどのチオールを含む乾燥ポリマーマトリックス、好ましくは乾燥PVAを含む第2の成分とを含む。上記で論じたように水和ヒドロゲルは皮膚との接触に際して有利な特性を持つことから、第1の成分は好ましくは皮膚に接触して使用し、第2の成分は第1の成分の上に配置する。各成分が使用前に分かれた状態を維持しているならば、包帯剤は非活性状態のままである。一方、2成分が接触すると、包帯剤を活性化する作用が示される。
【0080】
好ましい実施形態では、たとえば包帯剤形態の水性組成物が活性化すると、ニトリットが第1の成分(または第1の層)から第2の成分(または第2の層)に拡散し始め、チオールは反対方向に拡散する。酸性溶液中でニトリットとチオールとが混合すると、S−ニトロソチオールが生成される。チオールがL−グルタチオンである場合、反応生成物はS−ニトロソ−L−グルタチオンとなる。S−ニトロソチオールは生成されると包帯剤から周囲環境に、たとえば乾癬性病変の表面に放出され、そこで分解し結果として有益な作用を持つ一酸化窒素を生成する。
【0081】
別の好ましい実施形態では、この材料は、上記の反応が起こる皮膚への適用時に均質に混合し得る2種類のアモルファスゲルである。
【0082】
次に以下の実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0083】
全体的な試験デザイン
本試験は、被験者4例の非盲検内部対照試験(internally controlled study)であった。
【0084】
選択基準:年齢16〜65歳。少なくとも2つの離れた尋常性乾癬の部位(試験用ゲル用が1つと対照ゲル用が1つ)を持つことを被験者の条件とした。除外基準:全身性ニトラート医薬品および/またはSildenafil(商標)の適用を受けている、または循環器疾患に罹患している被験者。
【0085】
処置および薬剤の取扱い
試験用材料は、使用時に皮膚上で混合されて一酸化窒素を生成する2成分水性ゲルとした。
【0086】
2ゲルの試験用材料の構成成分は以下のとおりである:
a.26mMの塩化カルシウムおよび100mMのα−モノチオグリセロール、pH4.2を含む水性carbopol 974P NFポリマー(4.5%w/w)。
【0087】
b.100mMの亜硝酸カリウムおよび10mMの硝酸銅、pH10を含む水性carbopol 974P NFポリマー(1.5%w/w)。
【0088】
対照材料の2ゲルの構成成分は以下のとおりである:
a.26mMの塩化カルシウム、pH4.2を含む水性carbopol 974P NFポリマー(4.5%w/w)。
【0089】
b.20mMの塩化カルシウム、pH10を含む水性carbopol 974P NFポリマー(1.5%w/w)。
【0090】
各2ゲルは、ミキシングヘッドを備えたデュアルチャンバー型のポンプディスペンサーを用い、2ゲルの50:50混合物を分注するように設定して供給した。ディスペンサーは、ポンプを1回押すごとに各ゲルを約0.3ml、すなわち全体で0.6ml送達するように設定した。
【0091】
各患者について尋常性乾癬の2つの部位を選択した。患者自身が対照となり、封をした封筒を選択して2つの部位を試験用適用および対照適用に無作為に割り付けた。一方の部位に試験用ゲルを適用し、他方には対照ゲル(carbopolポリマービヒクル)を適用した。試験用処置剤は左/右側の数を同数とした。被験者は、どちらの部位に試験用ゲルが適用され、どちらの部位に対照ゲルが適用されるかを知らなかった。
【0092】
処置前に各部位の測定、追跡(traced)および撮影を行い、その全体的な状態を評価した。被験者に試験用ゲルおよび対照ゲルを適用した。試験用ゲルおよび対照ゲルの適用部位は無作為に選択した。2つの処置部位には目印を付けた。処置は6週間にわたり1日2回行った。処置の開始から1週間後、3週間後および6週間の終了時に被験者を診察した。各来院時に試験用適用部位および対照適用部位を評価した(測定、追跡(traced)および撮影の実施)。
【0093】
乾癬症状の重症度−スコアリング法:
以下の方法を用いて乾癬性プラークの状態の評価およびスコア化を行った:「乾癬症状の重症度」=[L×W]×[E+T+S]
ここで[L×W]はcm2単位の患部プラークの全体の領域(長さ×幅)を表し、
Eは紅斑の臨床医による評価を表し(0〜5の等級を使用)、
Tはプラーク厚の臨床医による評価を表し(0〜5の等級)、
Sはプラークの剥離(scaling)の臨床医による評価を表す(0〜5の等級)。
【0094】
結果
6週間の試験において:
試験用ゲルで処置したプラークに対する患者1の乾癬症状の重症度スコアは100%から49%に低下したのに対し、対照で処置した部位では最初の値の96%に低下した。
【0095】
試験用ゲルで処置したプラークに対する患者2の乾癬症状の重症度スコアは100%から21%に低下したのに対し、対照で処置した部位では最初の値の81%に低下した。
【0096】
試験用ゲルで処置したプラークに対する患者3の乾癬症状の重症度スコアは100%から22%に低下したのに対し、対照で処置した部位では最初の値の89%に低下した。
【0097】
試験用ゲルで処置したプラークに対する患者4の乾癬症状の重症度スコアは100%から48%に低下したのに対し、対照で処置した部位では最初の値の106%に上昇した。
【0098】
したがって、試験用ゲルの適用を受けた4例の患者全員でプラークの症状の重症度が著しく低下した(試験参加時の100%から49%、21%、22%および48%に変化し、平均で当初の重症度の35%に低下)。したがって、試験用ゲルでは6週間で患者の症状の重症度が平均で65%低下した。
【0099】
対照ゲルを適用したプラークでは、患者の症状の重症度における変化は非常に小さいものとなった(試験参加時の100%から終了時には96%、81%、89%および106%に変化、すなわち平均で重症度の当初レベルの93%に低下した)。したがって、対照ゲルでは6週間で患者の乾癬症状の重症度は平均で7%低下した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾癬の処置に使用される、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物。
【請求項2】
人体または動物の体の乾癬を処置する方法であって、一酸化窒素の送達が可能な水性組成物を適用することを含む、方法。
【請求項3】
人体または動物の体の乾癬を処置する薬物の製造における、一酸化窒素を含む水性組成物の使用。
【請求項4】
前記処置は尋常性乾癬の処置である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項5】
一酸化窒素を含む前記水性組成物は処置される皮膚の上に置かれる皮膚用包帯剤から送達される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項6】
前記一酸化窒素は一酸化窒素生成系によりin situで生成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項7】
前記水性組成物は、処置される皮膚部位で一緒になって一酸化窒素の生成反応を惹起する2つの成分を含む、請求項6に記載の本発明。
【請求項8】
前記一酸化窒素生成系は酸性環境のニトリットを含む、請求項6または7に記載の本発明。
【請求項9】
第1の成分は酸源を含み、第2の成分はニトリット塩を含む、請求項6、7および8のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項10】
前記一酸化窒素生成系は還元剤をさらに含む、請求項8または9に記載の本発明。
【請求項11】
前記還元剤は前記ニトリットと反応してS−ニトロソチオールを生成するチオールである、請求項10に記載の本発明。
【請求項12】
前記チオールはモノチオグリセロールである、請求項11に記載の本発明。
【請求項13】
一方の成分はニトリットを含み、他方の成分は還元剤を含む、請求項7〜12のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項14】
前記ニトリットは前記包帯剤中でpKaが1〜4の唯一の成分である、請求項8〜13のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項15】
前記水性組成物は少なくとも1種のヒドロゲルを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の本発明。
【請求項16】
前記水性組成物は前記水性組成物中に最大10mM、好ましくは最大5mM、一層好ましくは最大2mMの濃度を生成するために一酸化窒素の送達が可能である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の本発明。

【公表番号】特表2012−516315(P2012−516315A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546961(P2011−546961)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050091
【国際公開番号】WO2010/086637
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511183951)インセンス・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】INSENSE LIMITED
【Fターム(参考)】