説明

予めパターン化された表面特徴と平坦化された表面とを有する磁気記録ディスク

【課題】予めパターン化された表面特徴と平坦化された表面とを有する磁気記録ディスクを提供する。
【解決手段】ディスクリートトラック媒体(DTM)またはビットパターン媒体(BPM)ディスクなどの、隆起ランドと凹状の溝またはトレンチの予めパターン化された表面特徴を有する磁気記録ディスクが、平坦化された表面を有する。記録層を保護するために多層ディスクオーバーコートが使用され、オーバーコート層の少なくとも1つは、ディスクをほぼ平坦化する化学機械研磨(CMP)処理を終了するための停止層として機能する。多層オーバーコートの層のすべてはランドの上に位置するが、凹部の上にはオーバーコート層のいかなる層も位置しないかあるいはランド上の層の数より少ない数の層が位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、隆起ランドと凹状の溝またはトレンチの予めパターン化された表面特徴を有する磁気記録ディスクに関し、より詳細には、平坦化された表面を有するこのようなディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気記録ハードディスクドライブは、磁気的に記録されたデータビットを規定する磁化領域がハードディスク上の記録層の平面内に向けられた水平記録、あるいは磁化領域が記録層の平面に対し垂直に向けられた垂直記録のいずれかを使用する。従来のディスクは「連続媒体」(CM:continuous−media)ディスクであり、記録層は、書き込みヘッドが磁性材料にデータを書き込むと磁気的に記録されたデータビットを含む同心データトラックが形成される磁性材料の連続層である。記録層はまた、読み取り/書き込み中に所望のデータトラックに読み取り/書き込みヘッドを位置決めしデータトラック上にヘッドを維持するために使用される予め記録されたサーボセクタのパターンを含む。従来のCMディスクは、記録層を覆いほぼ滑らかな平面を提供するダイヤモンド様カーボン(DLC:diamond−like carbon)などの非晶質炭素で通常は形成される保護オーバーコートを有する。読み取り/書き込みヘッドは、ディスクが回転すると、空気の薄膜すなわちエアベアリング(air−bearing)上の、滑らかなディスク表面の上に支持されるエアベアリングスライダ上に位置する。
【0003】
CMディスクの変形は「ディスクリートトラック媒体」(DTM:discrete−track media)ディスクであり、これは連続磁性材料の同心データトラックが、同心の非磁性ガードバンドにより互いに半径方向に分離されることを意味する。例えば特許文献1に記載されるDTMディスクは当該技術領域で公知である。DTMディスクでは、データトラックは通常、磁性材料を含む隆起ランドであり、非磁性ガードバンドは、隆起ランドよりも凹んだ溝またはトレンチである。非磁性ガードバンドは非磁性体で形成されるか、あるいはデータトラックからのリードバック信号に悪影響を与えないように隆起データトラックより下に十分に離れて凹んだ磁性材料を含むかのいずれかである。
【0004】
CMディスクとDTMディスクに加えて、データ密度を増加させるために「ビットパターン媒体」(BPM:bit−patterned media)を有する磁気記録ディスクが提案された。BPMディスクでは、ディスク上の磁化可能材料は、各アイランドすなわち「ビット」内に単一の磁区が存在するように、小さな分離データアイランドにパターン化される。単一の磁区は単一の粒子であってもよいし、あるいは単一の磁気ボリュームとしてまとまって磁化状態を切り替えるいくつかの強結合粒子から構成されてもよい。これは、単一「ビット」が磁壁により分離された複数の磁区を有し得る従来のCMディスクと対照的である。パターン化されたアイランドの必要な磁気絶縁をもたらすためには、アイランド間の空間の磁気モーメントが、これらの空間を実質的に非磁性にするように破壊されるかあるいは実質的に低減されなければならない。1つのタイプのBPMディスクでは、データアイランドは、非磁性の溝または凹部により分離される隆起され離間された柱である。
【0005】
DTMディスクとBPMディスクはまた、ディスクの周りに角度方向に離間されかつ同心データトラックを横切ってほぼ半径方向に広がるサーボセクタを必要とする。サーボセクタは、書き込みヘッドにより上書きできない予め記録されたパターンであって、所望のデータトラックに読み取り/書き込みヘッドを位置決めして読み取り/書き込み中にデータトラック上にヘッドを維持するために使用されるパターンである。DTMディスクとBPMディスクの両方では、サーボセクタは、非磁性の溝または凹部により分離された隆起磁性材料のサーボブロックの予めパターン化された表面特徴であってよい。
【0006】
隆起ランドと凹状の溝の表面特徴を有するディスクを製作するためのいくつかの方法が存在する。DTMとBPMディスクの両方に適用可能な1つの技術では、磁気記録材料の層(または複数の層)を含むすべての必要な層は、通常はスパッタ堆積によりディスク基板上に堆積される。次に、ディスクは、サーボセクタだけでなくデータトラックとガードバンドの所望のパターンにリソグラフィ的にパターン化される。次に、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)などの真空エッチング工程により、露出された磁気記録材料を除去する。これにより、磁性材料のランドとこのランドの上部表面から凹んだ非磁性溝とを生じる。
【0007】
特にBPMディスクに適用可能な別の技術では、ディスクは、ナノインプリンティングを介し鋳型から複製により製作される。ナノインプリンティング処理は、データトラック内の分離されたデータアイランドだけでなくサーボセクタ内のサーボブロックも形成する。ナノインプリンティングでは、鋳型または型板はディスク基板上の重合体レジスト塗膜上にトポグラフィパターンの表面特徴を複製する。ディスク基板は窒化ケイ素膜などの誘電体被膜を有してよい。次に、ナノインプリントされたレジストパタンは、フッ素プラズマにより、窒化ケイ素膜にパターンをエッチングするためのマスクとして使用される。窒化ケイ素のエッチング後、レジストは除去される。次に、磁性材料がランドと溝の上にスパッタ堆積される。溝は、読み取りまたは書き込みに悪影響を及ぼさないように読み取り/書き込みヘッドから十分に離れて凹みが付けられてもよいし、あるいは、溝を非磁性にするドーパント材料により「非活性化(poisoned)」されてもよい。
【0008】
DTMディスクとBPMディスクについては、表面トポグラフィは、回転ディスクにより生成されるエアベアリングによりスライダが比較的一定な「飛行高度」に維持されるように平坦化される必要がある。平坦化は、データ領域からサーボ領域にあるいはサーボ領域からデータ領域に遷移することにより誘導されるスライダ励振を低減または除去するために特に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,912,585号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
必要とされるのは、平坦化された表面を有する、隆起ランドと凹状の溝またはトレンチの予めパターン化された表面特徴を有するディスクである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるディスクでは、多層ディスクオーバーコートが使用され、多層オーバーコート層の少なくとも1つは、ディスクをほぼ平坦化する化学機械研磨(CMP)処理を終えるための停止層として機能する。多層オーバーコート層のすべてはランドの上に位置するが、凹部の上にはオーバーコート層のいかなる層も位置しないかあるいはランド上の層の数より少ない数の層が位置する。
【0012】
第1の実施形態では、後続の多層オーバーコートの第1のオーバーコート層が記録層の上に堆積される。第1のオーバーコート層はCMP停止層として機能することになる。次に、ディスクはリソグラフィ的にパターン化およびエッチングされ、記録層材料の隆起ランドと溝または凹部を残す。ランドは、第1のオーバーコート層が堆積された上部表面を有し、凹部はランドの上部表面の下に下部表面を有する。エッチングは、記録層材料のすべてが凹部の領域から除去されるような深さまで、あるいは記録層材料の一部だけが除去されるような深さまで実行されてよい。次に、充填材が、エッチングされたディスクの全表面上に堆積され、次にCMPが実行される。充填材用に選択される材料は、第1のオーバーコート層がCMP停止層として機能するように、第1のオーバーコート層のCMP除去速度より速いCMP除去速度を有する。CMP後、第2のオーバーコート層が、第1のオーバーコート層の上部表面と充填材の上部表面のほぼ平面上に、通常はスパッタ堆積により堆積される。第2のオーバーコート層は第1のオーバーコート層と異なる材料であってもよいしあるいは同じ材料であってもよい。第1の実施形態では、第1のオーバーコート層はランド上にだけ位置し、第2のオーバーコート層はランドと凹部内の充填材の両方の上に位置する。
【0013】
第2の実施形態では、両方のオーバーコート層はランドの上にだけ位置し、凹部内の充填材の上にはいかなるオーバーコート層も位置しなく、したがって第2のオーバーコート層の上部表面は凹部内の充填材の上部表面とほぼ同一平面上にある。
【0014】
第3の実施形態では、ディスクは、第1のオーバーコート層が堆積される前にリソグラフィ的にパターン化およびエッチングされ、記録層材料の隆起ランドと溝または凹部とを残す。次に、後続の多層オーバーコートの第1のオーバーコート層は、エッチングされたディスクの全表面にわたって堆積されてランドの最上面、凹部の下部表面および凹部の側壁を覆う。第1のオーバーコート層はCMP停止層として機能することになる。次に充填材が、ランドの最上面上の第1のオーバーコートを覆いそして凹部を埋めるようにディスクの全表面にわたって堆積される。次に、第1のオーバーコート層をCMP停止層として使用してCMPが実行される。CMP後、第1のオーバーコート層の上部表面と充填材の上部表面とのほぼ同一平面上に、第2のオーバーコート層が堆積される。第3の実施形態では、第1のオーバーコート層はランド上、凹部の底面および凹部の側壁に位置し、第2のオーバーコート層はランドおよび凹部内の充填材の両方の上に位置する。
【0015】
充填材は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiN)、SiOx−金属またはSiN−金属、非晶質炭素、Ti合金、あるいはW、Ti、TaおよびCuから選択される金属であってよい。第1および第2のオーバーコート層に使用してよい材料としては、非晶質炭素、炭化ケイ素および炭化ホウ素などの炭化物、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素などの窒化物、TiO、ZrO、Al、Cr、TaおよびZrO−Yなどの金属酸化物が挙げられる。
【0016】
本発明の性質と利点をより十分に理解するためには、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】回転型アクチュエータと、予めパターン化されたサーボセクタを有するディスクリートトラック媒体(DTM)ディスクまたはビットパターン媒体(BPM)ディスクであってよい剛体の磁気記録ディスクと、を有するディスクドライブの概略図である。
【図2A】DTMディスクの平面図の概略図であって、隆起サーボブロックと、凹状ガードバンドにより分離された3つの隆起データトラックの部分と、を有する典型的なサーボセクタを示す。
【図2B】BPMディスクの一部の平面図の概略図であって、それぞれが凹状非磁性領域により分離された個別的に分離されたデータアイランドを含む3つのデータトラックを示す。
【図3A】本発明の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図3B】本発明の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図3C】本発明の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図3D】本発明の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図3E】本発明の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による平坦化されたDTMディスクの断面図である。
【図5A】本発明の第3の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図5B】本発明の第3の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図5C】本発明の第3の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【図5D】本発明の第3の実施形態によるディスクの平坦化方法のある段階における、個別データトラックに対し垂直な面に沿ったDTMディスクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、回転型アクチュエータ2と、表面11上に形成された予めパターン化された表面特徴を有する剛体の磁気記録ディスク10とを有するディスクドライブを示す。表面特徴としては、角度方向に離間されたサーボセクタ18内の少なくとも予めパターン化されたサーボブロックが挙げられる。ディスク10は中心軸100の周りを方向102に回転する。表面11は、内径(ID)14と外径(OD)16により規定される環状のデータバンド12を有する。サーボセクタ18間のデータバンドの部分は、ユーザデータの格納に使用され、円形のデータトラックを含み、各データトラックは物理的なデータセクタに通常は分割される。ディスク10はDTMディスクであってよく、ここでは円形データトラックは、凹状ガードバンドにより分離された個別の半径方向に離間された隆起トラックであり、隆起トラックと凹状ガードバンドが、サーボセクタ18内のサーボブロックに加え表面特徴を形成する。ディスク10はまたBPMディスクであってよく、ここでは円形データトラックは、凹部により分離された個別の隆起データアイランドを含み、隆起アイランドと凹部が、サーボセクタ18内のサーボブロックに加え表面特徴を形成する。
【0019】
回転式アクチュエータ2はピボット4の周りを回転し、その端部において読み取り/書き込みヘッド6を支持する。アクチュエータ2が回転すると、ヘッド6は、ID14とOD16の間のほぼ弓状の経路をたどる。サーボセクタ18は、ID14からOD16までほぼ半径方向に延びる、角度方向に離間された弓状線のパターンを形成する。サーボセクタの弓形状はヘッド6の弓状の経路と一致する。ディスクドライブの動作中、ヘッド6は、環状のデータバンド12のID14とOD16の間に位置する、多数の同心円のデータトラックのうちの選択された1つの上においてデータを読み書きする。選択されたトラック上のデータを正確に読み取るかあるいはその上にデータを書き込むために、ヘッド6は、トラックの中心線の上に維持される必要がある。したがって、サーボセクタ18の1つがヘッド6の下を通過するごとに、ヘッド6は、サーボセクタの位置誤差信号(PES:position error signal)フィールド内の個別の磁化サーボブロックを検出する。PESは、ディスクドライブのヘッド位置制御システムにより生成され、使用されて、ヘッド6をトラック中心線に向かって移動させる。したがって、ディスク10が完全に回転する間、ヘッド6は、連続する角度方向に離間されたサーボセクタ18のサーボブロックからのサーボ情報によりトラック中心線の上に継続的に維持される。
【0020】
図2AはディスクがDTMディスクであるディスク10の拡大平面図であり、典型的なサーボセクタ18と3つのDTMデータトラック20、22、24の部分を示す。個別の3つの隆起データトラック20、22、24と2つの凹状ガードバンド21、23が示されている。サーボセクタ18のすべての影付き部分は、同じ方向で磁化された個別の隆起サーボブロックを表す。それらはすべて、ディスクドライブが長手方向または水平磁気記録用に設計されている場合は、同じ方向で水平に、すなわち図2Aにおいて紙面に平行な面で磁化されてよく、あるいは、ディスクドライブが垂直磁気記録用である場合は、垂直に、すなわち紙面を出入りする方向に磁化されてよい。サーボセクタ18内の影を付けていない領域70とガードバンド21、23は、隆起サーボブロックと隆起データトラック20、22、24から凹んだ非磁性領域を表す。用語「非磁性」は、サーボブロック間の領域70とデータトラック20、22、24間のガードバンド21、23とが、誘電体などの非強磁性材料、あるいは印加磁界のない状態で実質的な残留モーメントを有しない材料、あるいは読み取りまたは書き込みに悪影響を及ぼさないように隆起サーボブロックより下に十分に離れて凹んだ強磁性体を含む凹部または溝であることを意味する。非磁性領域70とガードバンド21、23はまた、強磁性体を含まない磁気記録層またはディスク基板内の凹状の溝またはトレンチであってもよい。
【0021】
図2に示すように、サーボセクタ18を構築するサーボブロックは、フィールド30、40、50、60の形で配置される。サーボフィールド30は、信号の振幅を測定し、後で読み取られるサーボブロックの利得を調整するのに使用される、ブロック31〜35の自動利得制御(AGC)フィールドである。サーボフィールド40は、タイミングマークを提供して、後に続くサーボブロックの開始/停止タイミング窓を確立する、サーボタイミングマーク(STM)フィールドとも呼ばれるセクタ識別(SID)フィールドである。サーボフィールド50は、トラックの「シリンダ」からの複数積み重ねられたトラックを有するディスクドライブ内の、すべてのディスク表面からのトラックという理由で、シリンダ(CYL)フィールドとも呼ばれるトラック識別(TID:track identification)フィールドである。TIDフィールド50は、一般的にはグレイコード化されたトラック番号を含み、半径方向位置の整数部を判断する。サーボフィールド60は、位置誤差信号(PES)フィールドであり、この例では、周知の「カッドバースト(quad−burst)」PESパターンの一部として、サーボブロックのA、B、C、Dのサブフィールドを含み、半径方向位置の小数部を判断するのに使用される。
【0022】
図2Bは、ディスクがBPMディスクである場合のディスク10の一部の平面図の略図である。3つのデータトラック20、22、24はそれぞれ、個別の分離されたデータアイランド164を含んでおり、同心のデータトラック20、22、24を横切ってほぼ半径方向に広がる2つの連続的なサーボセクタ18と共に示される。アイランド164は四角形状を有して示されるが、アイランドは円形、ほぼ楕円、またはほぼ矩形などの異なる形でパターン化されてもよい。サーボセクタ18(図2A)のサーボブロックと同様に、各データトラック20、22、24は、磁性材料のアイランド164である個別の隆起され離間されたランドを含む。個別のアイランドは凹状非磁性領域70により他のアイランドから分離される。したがって、図2Bに示すBPMディスクは、サーボセクタ18内だけでなくデータトラック20、22、24内に隆起ランドと凹状の溝の表面特徴を含む。
【0023】
本発明による隆起ランドと凹状の溝の表面特徴を有する平坦化されたディスクおよびディスクの平坦化方法について、本方法の様々な段階の個別のデータトラックに対し垂直な平面に沿ったDTMディスクの断面図を示す図3A−3Eを用いて説明する。しかしながら、本方法と本方法により生成された平坦化ディスクは、BPMディスクに対しても十分に適用可能である。本発明では、多層ディスクオーバーコートが使用され、オーバーコート層の少なくとも1つは、ディスクをほぼ平坦化する化学機械研磨(CMP)の処理を終了するための停止層として機能する。多層オーバーコートの層のすべてはランドの上に位置するが、凹部の上にはオーバーコート層のいかなる層も位置しないかあるいはランド上の層の数より少ない数の層が位置する。
【0024】
図3Aは、DTMディスクを形成するためのリソグラフィパターニングおよびエッチング前のディスク200を示す断面図である。ディスク200は、代表的な層が通常はスパッタリングにより堆積されるほぼ平坦な表面202を有する基板201である。ディスク200は、垂直(すなわち、基板表面202に対しほぼ垂直)磁気異方性を有する記録層(RL:recording layer)とRLの下の随意の軟磁性下地層(SUL:soft magnetic underlayer)とを有する垂直磁気記録ディスクとして示される。随意のSULは、ディスクドライブ書き込みヘッドからの書き込み磁場の磁束戻り経路として機能する。
【0025】
ハードディスク基板201は任意の市販のガラス基板であってよいが、NiP表面被覆を有する従来のアルミ合金であってもよく、あるいはケイ素、カナサイト(canasite)または炭化ケイ素などの別の基板であってもよい。SULの成長のための粘着層または開始層(OL)はAlTi合金であってよく、あるいは約2〜10nmの厚さを有する同様な材料が基板表面202上に堆積される。
【0026】
SULは、CoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeBおよびCoZrNbの合金などの透磁性材料で形成されてよい。SULはまた、AlまたはCoCrの導電性膜などの非磁性膜により分離された複数の軟磁性膜で形成された積層または多層のSULであってよい。SULはまた、Ru、IrまたはCrあるいはそれらの合金などの反強磁性結合を仲介する中間層膜により分離された複数の軟磁性膜で形成された積層または多層のSULであってよい。SULは約5〜50ナノメートルの範囲の厚さを有してよい。
【0027】
交換遮断層(EBL:exchange−break layer)が通常はSULの上に位置する。交換遮断層はSULの透磁性膜とRL間の磁気交換結合を遮断するように作用し、また、RLのエピタキシャル成長を促進にする役目を果たす。EBLは必要ではないかもしれないが、使用する場合、EBLは非磁性チタン(Ti)層;Si、GeおよびSiGe合金などの非導電材料;Cr、Ru、W、Zr、Nb、Mo、VおよびAlなどの金属;非晶質のCrTiおよびNiPなどの合金;CN、CHおよびCなどの非晶質炭素;またはSi、Al、Zr、Ti、Bからなる群から選択される元素の酸化物、窒化物または炭化物であってよい。EBLは約5〜40ナノメートルの範囲の厚さを有してよい。
【0028】
RLは、垂直の磁気異方性を呈する公知の非晶質または結晶材料および構造の任意のものの単層または多層であってよい。したがって、RLは、Si、Ta、Ti、Nb、Cr、VおよびBのうちの1つまたは複数の酸化物などの好適な分離体を有する、CoPtまたはCoPtCr合金などの粒状の多結晶コバルト合金の層であってよい。また、RLは、上述のような好適な分離体を有するまたは有しない、Co/Pt、Co/Pd、Fe/PtおよびFe/Pd多層などの垂直の磁気異方性を有する多層で構成されてもよい。さらに、CoSm、TbFe、TbFeCo、GdFeといった合金などの、希土類元素を含む垂直磁性層はRLに使用可能である。RLはまた、化学的に規則性のあるCoPt、CoPd、FePtまたはFePdで形成されてもよい。これらのバルク状の化学的規則合金は、面心正方(FCT)L1規則相材料(CuAu材料)として知られている。L1相のc軸は磁化容易軸であり基板に対し垂直に向けられている。Co/PtおよびCo/Pd多層体のように、これらの層は非常に強い垂直磁気異方性を呈する。RLの合計厚は通常は約5〜25ナノメートルの範囲にある。
【0029】
後続の多層オーバーコートの第1のオーバーコート層210はRLの上に堆積される。第1のオーバーコート層210はCMP停止層として機能することになり、約1〜3ナノメートルの厚さにスパッタ堆積されるダイヤモンド様カーボン(DLC)のような非晶質炭素の層あるいは主にSiなどの窒化ケイ素(SiN)が好ましい。非晶質炭素CMP停止層は水素または窒素などの元素を含んでもよい。
【0030】
図3Bはリソグラフィパターニングおよびエッチング後のディスク200の断面図である。エッチングは、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)などの真空エッチング処理であってよい。エッチング後、RL材料の隆起ランド220と溝または凹部230が基板表面202の上に形成される。ランド220は、第1のオーバーコート層210が堆積される上部表面221を有する。凹部230は、ランド220の上部表面221の下に下部表面231を有する。図3Bに示す例では、エッチングは、RL材料のすべてとEBL材料の一部が凹部230の領域から除去されるような深さまで実行された。しかしながら、代替案として、エッチングはRL材料の一部だけが除去される深さまで実行されてもよい。この場合、凹部230の下部表面231の下にRL材料の層が存在するであろう。
【0031】
図3Cは充填材240の堆積後のディスク200の断面図である。充填材240は、スパッタ堆積される主にSiOなどの酸化ケイ素(SiOx)が好ましい。充填材240用に使用してよい他の材料としては、主にSiなどの窒化ケイ素(SiN);SiOx−金属またはSiN−金属(金属はTi、Ta、Al、Cr、またはPtであってよい);水素化または窒素化された非晶質のDLCを含む非晶質DLC;Ti合金;ならびにW、Ti、TaおよびCuから選択される金属が挙げられる。充填材は単一の連続層として、あるいはスパッタ堆積が連続スパッタ堆積装置などの複数工程で行われる場合のように多層でスパッタ堆積されてもよい。また、可能ならば、充填材はSiOxの層とSiNの層などの異なる材料の多層で形成されてもよい。他の材料は上記材料の合金または混合物であろう。充填材240用に選択される材料は、第1のオーバーコート層210がCMP停止層として機能するように、第1のオーバーコート層210のCMP除去速度より速いCMP除去速度を有しなければならない。
【0032】
図3Dは、CMPが停止層(第1のオーバーコート層210)まで充填材240を除去した後のディスク200の断面図である。第1のオーバーコート層210は、CMP工程またはプラズマエッチングなどの後続の処理工程のいずれかにより、もともと堆積されたものより薄くされてよい。このとき充填材240は凹部下部表面231の上の凹部内に残る。図3Dに示すように、凹部内の充填材の上部表面241はCMP後に極わずかに凹むであろう。しかしながら、凹部の上部表面241は第1のオーバーコート層210の上部表面と共にほぼ平坦な表面を形成する。本明細書で使用されるように、用語「ほぼ平坦な」は、凹部内の充填材の上部表面241の凹部が第1のオーバーコート層210の上部表面から約5nm未満であり、かつ第1のオーバーコート層210の上部表面の上に約1nmを超えて突き出ないことを意味する。CMPは半導体製造と薄膜磁気記録ヘッド製造に広く利用される周知の処理である。CMPスラリーは、充填材を柔らかくする液体と、柔らかくなった充填材を除去するためにそれを通り抜けるのを助ける粒子とを含んでよい。様々な化学的特性を有するCMPスラリーが市販されており、除去対象の材料に基づき選択される。また様々なCMP終了点検出システムおよび技術が知られている。例えば、CMP処理がいつ停止層に達したかを判断するために、プラテンおよびキャリアモータ電流の測定と赤外線(IR)センサーによるプラテン温度の測定とを使用することができる。
【0033】
図3Eは、第2のオーバーコート層212と潤滑剤層250の堆積後のディスク200の断面図であり、したがって本発明の一実施形態による完成したディスク構造を示す。第2のオーバーコート層212は、第1のオーバーコート層210の上部表面と充填材240の上部表面241とのほぼ平坦な表面上に通常はスパッタ堆積により堆積される。第2のオーバーコート層212は第1のオーバーコート層210と異なる材料であることが好ましい。第2のオーバーコート層212は水素化または窒素化されていてよいDLCなどの非晶質炭素であることが好ましく、約1〜2nmの厚さまでスパッタ堆積される。第1および第2のオーバーコート層に使用してよい材料としては、DLCなどの非晶質炭素;炭化ケイ素および炭化ホウ素などの炭化物;窒化ケイ素、窒化チタンおよび窒化ホウ素などの窒化物;TiO、ZrO、Al、Cr、TaおよびZrO−Yなどの金属酸化物;およびこれらの材料の混合物が挙げられる。また、2つのオーバーコート層だけが示され説明されるが、多層オーバーコートは3以上の層を有してよい。したがって図3A−3Eの実施形態では、第1のオーバーコート層210はランド220上にだけ位置し、第2のオーバーコート層212はランド220と凹部230内の充填材240の両方の上に位置する。
【0034】
潤滑剤層250は、第2のオーバーコート層212に接着されるか接着されないかのいずれかであるパーフッ素化ポリエーテル(PFPE)ポリマーなどの従来のディスク潤滑剤であってよい。潤滑剤は通常、ディスクを好適な溶媒のPFPEの溶液に浸し、次に溶媒を蒸発させることにより塗布される。
【0035】
図4は、本発明の第2の実施形態によるディスク200’の断面図である。本実施形態では、両方のオーバーコート層210、212は、多層オーバーコートを形成し、凹部内の充填材240の上部表面241とほぼ平坦な第2のオーバーコート層214の上部表面を有するランド220の上にだけ位置する。ディスク200’は、(図3Aにおいて)第2のオーバーコート層212が第1のオーバーコート層210の上にスパッタ堆積されることを除いて図3A−3Eに示すものと同様な処理で作られる。残りの処理工程は図3B−3Dに示すものであり、その後、潤滑剤層が塗布され、図4に示すディスク200’となる。第1および第2のオーバーコート層は異なる材質、好ましくはSiNまたは非晶質炭素であり、充填材は好ましくは酸化ケイ素である。本実施形態では、第2のオーバーコート層212はCMP停止層として機能する。
【0036】
図5A−5Dには、本発明の第3の実施形態による、ディスクの平坦化方法と生成された平坦化ディスクの実施形態を示す。
【0037】
図5Aは、DTMディスクを形成するためのリソグラフィパターニングおよびエッチング前のディスク200”を示す断面図である。ディスク200”は第1のオーバーコート層がない以外は図3Aに示すものと同じであり、したがってディスクの上部表面はRLの上部表面である。
【0038】
図5Bは、リソグラフィパターニングおよびエッチング後のディスク200”の断面図である。エッチングは、イオンミリングまたは反応性イオンエッチング(RIE)などの真空エッチング処理であってよい。エッチング後、RL材料の隆起ランド220と溝または凹部230は基板表面202の上に形成される。ランド220は上部表面221を有する。凹部230はランド220の上部表面221の下に下部表面231を有する。図5Bに示す例では、エッチングは、RL材料のすべてとEBL材料の一部が凹部230の領域から除去されるような深さまで実行された。しかしながら、代替案として、エッチングは、RL材料の一部だけが除去される深さまで実行されてもよい。その場合、凹部230の下部表面231の下にRL材料の層が存在するであろう。また、代替案として、エッチングは、RLのほぼすべてが除去されかつ実質的にEBLが全く除去されないような深さまで実行されてよい。
【0039】
図5Cは、第1のオーバーコート層210の堆積後のディスク200”の断面図である。後続の多層オーバーコートの第1のオーバーコート層210は、ランド220の最上面221上におよび凹部230内に堆積される。この結果、第1のオーバーコート層210は凹部の下部表面231上および凹部の側壁上に位置することになる。第1のオーバーコート層210はCMP停止層として機能することになり、約1〜3nmの厚さまでスパッタ堆積される非晶質炭素、DLC、または窒化ケイ素(SiN)の層であることが好ましい。次に図3Cのように充填材が堆積され、次に図3Dのように充填材はCMP処理により停止層(第1のオーバーコート層210)まで除去される。
【0040】
図5Dは、第2のオーバーコート層212と潤滑剤層250の堆積後のディスク200”の断面図であり、したがって本発明の第3の実施形態による完成したディスク構造を示す。したがって図5Dのディスク200”は、第1のオーバーコート層210がまた凹部の下部表面231と凹部の側壁上に位置する以外は図3Eのディスク200と同じである。
【0041】
本発明は好ましい実施形態を参照し特に示され説明されたが、形式と詳細の様々な変更が本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることは当業者により理解されるだろう。したがって、開示された発明は、単に例示的であり、そして添付の特許請求範囲に規定される範囲内においてのみ限定されるものと考えるべきである。
【符号の説明】
【0042】
2 回転型アクチュエータ
4 ピボット
6 読み取り/書き込みヘッド
10 磁気記録ディスク
11 表面
12 データバンド
14 内径
16 外径
18 サーボセクタ
20、22、24 データトラック
21、23 ガードバンド
30、40、50、60 サーボフィールド
31〜35 AGCフィールド
70 非磁性領域
100 中心軸
102 回転方向
164 アイランド
200、200’、200” ディスク
201 基板
202 基板表面
210 第1のオーバーコート層
212 第2のオーバーコート層
220 ランド
221 最上面
230 凹部
231 下部表面
240 充填材
241 上部表面
250 潤滑剤層
EBL 交換遮断層
OL 開始層
RL 記録層
SUL 軟磁性下地層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基板と、
前記基板上に磁気記録材料で形成された複数の隆起ランドであって、上部表面を有する隆起ランドと、
前記隆起ランド間の前記基板上の複数の凹部であって、前記隆起ランドの前記上部表面より低い下部表面を有し、かつ上部表面を有する非磁性充填材を含む凹部と、
前記隆起ランドの前記上部表面上の第1のオーバーコート層であって、前記第1のオーバーコート層の上部表面と前記凹部内の前記非磁性充填材の前記上部表面とはほぼ同一平面上にある、第1のオーバーコート層と、
前記第1のオーバーコート層の前記上部表面上および前記凹部内の前記非磁性充填材の前記上部表面上の潤滑剤の層と、
を含む磁気記録ディスク。
【請求項2】
前記第1のオーバーコート層は前記非磁性充填材の下の前記凹部の前記下部表面上にも形成される、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項3】
前記充填材は、酸化ケイ素(SiOx);SiOx−金属(当該金属はTi、Ta、Al、CrおよびPtから選択される);窒化ケイ素(SiN);SiN−金属(当該金属はTi、Ta、Al、CrおよびPtから選択される);Ti合金;ならびにW、Ti、TaおよびCuから選択される金属からなる群から選択される、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項4】
前記第1のオーバーコート層は、非晶質炭素;炭化ケイ素;炭化ホウ素;窒化ケイ素;窒化チタン;窒化ホウ素;およびTiO、ZrO、Al、Cr、TaおよびZrO−Yから選択される金属酸化物からなる群から選択される材料で形成される、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項5】
前記第1のオーバーコート層の前記上部表面上と前記凹部内の前記非磁性充填材の前記上部表面上の第2のオーバーコート層であって、前記第1のオーバーコート層の材料とは異なる材料で形成された第2のオーバーコート層をさらに含み、前記潤滑剤の層は前記第2のオーバーコート層上にある、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項6】
前記第2のオーバーコート層は、非晶質炭素;炭化ケイ素;炭化ホウ素;窒化ケイ素;窒化チタン;窒化ホウ素;およびTiO、ZrO、Al、Cr、TaおよびZrO−Yから選択される金属酸化物からなる群から選択される材料で形成される、請求項5に記載の磁気記録ディスク。
【請求項7】
前記隆起ランド内の前記磁気記録層材料は前記基板の表面にほぼ垂直な磁気異方性を有する、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項8】
前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記基板の表面上の軟磁性下地層と、前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記軟磁性下地層上の交換遮断層と、をさらに含む、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項9】
前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記基板の表面上に磁性材料の層をさらに含む、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項10】
前記ディスクはディスクリートトラック媒体ディスクであり、前記隆起ランドは、半径方向に離間された同心トラックであり、前記非磁性充填材を有する前記凹部は、前記同心トラック間の半径方向に離間されたガードバンドである、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項11】
前記ディスクはビットパターン化媒体ディスクであり、前記隆起ランドは分離されたデータアイランドであり、前記非磁性充填材を有する前記凹部は前記データアイランド間の領域である、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項12】
前記隆起ランドは、ほぼ半径方向に延在するサーボブロックであり、前記凹部は前記サーボブロック間の領域である、請求項1に記載の磁気記録ディスク。
【請求項13】
表面を有する基板と、
前記基板上に垂直磁気記録材料で形成された複数の隆起ランドであって、上部表面を有する隆起ランドと、
前記隆起ランド間の前記基板上の複数の凹部であって、前記隆起ランドの前記上部表面より低い下部表面を有し、かつ上部表面を有する非磁性充填材を含む凹部と、
前記隆起ランドの前記上部表面上の多層オーバーコートであって、前記多層オーバーコートの上部表面と前記凹部内の前記非磁性充填材の前記上部表面とはほぼ同一平面上にあり、第1のオーバーコート層と、前記第1のオーバーコート層の材料とは異なる材料で形成された第2のオーバーコート層とを含む多層オーバーコートと、
前記多層オーバーコートの前記上部表面上および前記凹部内の前記非磁性充填材の前記上部表面上の潤滑剤の層と、
を含む磁気記録ディスク。
【請求項14】
前記第1および第2のオーバーコート層のそれぞれは窒化ケイ素および非晶質炭素から選択される材料で形成される、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項15】
前記充填材は、酸化ケイ素(SiOx);SiOx−金属(当該金属はTi、Ta、Al、CrおよびPtから選択される);窒化ケイ素(SiN);SiN−金属(当該金属はTi、Ta、Al、CrおよびPtから選択される);Ti合金;ならびにW、Ti、TaおよびCuから選択される金属からなる群から選択される、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項16】
前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記基板の表面上の軟磁性下地層と、前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記軟磁性下地層上の交換遮断層と、をさらに含む、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項17】
前記隆起ランドおよび前記凹部の下かつ前記基板の表面上に磁性材料の層をさらに含む、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項18】
前記ディスクはディスクリートトラック媒体ディスクであり、前記隆起ランドは、半径方向に離間された同心トラックであり、前記非磁性充填材を有する前記凹部は、前記同心トラック間の半径方向に離間されたガードバンドである、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項19】
前記ディスクはビットパターン化媒体ディスクであり、前記隆起ランドは分離されたデータアイランドであり、前記非磁性充填材を有する前記凹部は前記データアイランド間の領域である、請求項13に記載の磁気記録ディスク。
【請求項20】
前記隆起ランドは、ほぼ半径方向に延在するサーボブロックであり、前記凹部は前記サーボブロック間の領域である、請求項13に記載の磁気記録ディスク。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2011−222110(P2011−222110A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77372(P2011−77372)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】