説明

予約システム

【課題】レストランやホテル等の施設への予約を携帯端末やパーソナルコンピュータ(PC)からのテキスト入力で行い、予約受付者は電話と受付係だけで予約処理を完結する予約システムに関する。
【解決手段】レストラン4やホテル5の予約処理を、携帯端末装置2や端末装置3を使用して予約者がテキスト入力し、予約装置1によって音声情報としてレストラン4やホテル5に自動的に電話を行い、予約受付者は電話を音声で聞くだけで予約作業を完了することができる。したがって、高価な受付装置を必要とすることなく、深夜や早朝でも予約者による予約操作を行うこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストランやホテル等の施設への予約を携帯端末やパーソナルコンピュータ(PC)等からのテキスト入力で行い、予約受付者は電話と受付係だけで予約処理を完結する予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストランやホテル等の施設に予約を行う場合、例えば予約者と予約受付者が直接電話で会話する方法が行われていた。また、予約者がインターネット等を通じてパーソナルコンピュータ(PC)から予約に必要な情報を入力し、予約受付者はウェブ画面等で予約情報を受信し、これを予約システムに登録する方法も行われていた。
【0003】
例えば、特許文献1はインターネットによってホテルの予約を行う発明であり、利用者の希望宿泊条件を入力し、ホテルの宿泊料金を段階的に変更し、残室待ちを行っている利用者に通知し、より安い料金でホテルの予約を行うシステムである。
【0004】
【特許文献1】特開2003−256703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、予約者と予約受付者が直接電話で会話する方法では、予約受付者が業務に従事している時間帯でなければ予約処理を行うことができず、予約者が例えば深夜に予約を希望する場合でも、業務を開始する朝まで待たなければならない。
【0006】
また、上記特許文献1を含むネットワークを使用する場合、予約時間帯に制約はないが予約受付部署に高価な受付装置を設置する必要がある。
【0007】
そこで本発明は、上記課題を解決するため、レストランやホテル等の予約受付部署に何らの新しい設備の設置を必要とすることなく、かつ受付係りが不在であるような深夜でも、早朝でも予約操作を行うことが可能な予約システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は本発明の記録装置によれば、予約装置と端末装置がネットワークによって接続され、前記予約装置と予約施設の端末機器が電話回線で接続された予約システムであって、前記予約装置は、前記端末装置から供給される予約テキスト情報を入力する入力手段と、該入力手段を介して入力した予約テキスト情報を音声情報に合成する音声合成手段と、該音声合成手段によって音声合成された予約音声情報を前記予約施設の端末機器に電話回線によって送信し、該予約結果を電話回線を介して受信する電話通信手段と、前記予約結果を予約者に通知する通知手段とを有する予約システムを提供することによって達成できる。
【0009】
このように構成することにより、レストランやホテル等の予約受付受けは、通常の電話回線を有するだけで予約受付業務を行うことができ、特に高価な予約受付装置を設置する必要がない。
【0010】
また、前記入力手段から入力する予約テキスト情報は、例えば前記端末装置に予め予約装置から送信した予約画面の操作に従って予約者が入力した情報である。このように構成することにより、予約者は予約画面を見ながら容易に予約条件を入力することができる。
【0011】
また、予約施設の端末機器からDTMF信号によって前記予約結果を受信する構成であり、予約施設の端末機器から簡単に予約結果を入力することができる。
【0012】
また、前記予約者に通知する通知手段は、例えば電子メールで行われ、既存の受信手段で正確な予約結果の通知を受けることができる。
【0013】
さらに、予約施設の端末機器の受付時間外であった場合には、一旦記憶手段に予約テキスト情報を記憶し、例えば受付時刻テーブルを参照して、当該施設が受付け可能時刻に達すると音声情報に変換して予約要求のあったレストランやホテルの端末機器に送信されるので、深夜や早朝に関係なく予約操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば高価な予約受付装置等の設備を設けることなく、レストランやホテル等の予約を行うことができる。
【0015】
また、予約者による予約操作も予約画面を見ながら簡単に行うことができ、操作性に優れている。
【0016】
さらに、通常受付係りが不在であるような深夜や早朝であっても、予約操作を行うことができ、極めて利便性に優れた予約システムである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は本発明の予約システムを説明するシステム図である。同図において、本システムは予約装置1と、予約装置1に接続される携帯端末装置2、端末装置3、及びレストラン4やホテル5(等の電話機4a、5a)で構成されている。携帯端末装置2は例えば利用者が所持する携帯電話機であり、端末装置3は例えば利用者が所有するパーソナルコンピュータ(PC)である。また、レストラン4やホテル5等の電話機4a、5aは、例えばフロントに設置された電話機であり、通常レストラン4やホテル5の従業員が応対可能な場所に設置されている。
【0019】
図2は上記予約装置1の具体的な構成を説明するブロック図である。同図において、予約装置1は送受信部7、画面制御部8、会話制御部9、音声合成部10、回線制御部11、及びメール制御部12で構成されている。送受信部7は上記携帯端末装置2や端末装置3との間で情報の授受を行い、画面制御部8は予約画面等の情報を生成し、送受信部7を介して携帯端末装置2や端末装置3に送信する。
【0020】
会話制御部9は上記予約画面に基づいて入力された入力情報に従って、後述する発声1のテキストデータを完成する。また、会話制御部9には図3に示す受付時刻テーブル13、記憶部14、及びリアルタイムクロック(RTC)15が配設されている。受付時刻テーブル13には、本例の予約システムに登録した全てのレストラン4及びホテル5の受付可能時刻が記録されている。
【0021】
例えば、図4は本例の受付時刻テーブルの一部を示す。施設名、受付け可能時刻、及び施設の電話番号の各記憶エリアで構成されている。例えば、施設名“△△レストラン”の場合、受付け可能時間は10:00〜20:00であり、電話番号は03−1234−・・・である。また、施設名“××レストラン”の場合、受付け可能時間は12:00〜23:00であり、電話番号は045−567−・・・である。尚、他の施設についても、同図に示す通りである。
【0022】
音声合成部10は上記会話制御部9から供給されるテキストデータを音声合成し、回線制御部11によって予約希望のあったレストラン4やホテル5に送信する。また、メール制御部12は予約結果のメールを作成し、送受信部7によって予約者に通知する。
【0023】
以上の構成において、以下に本例の予約システムの処理動作を具体的に説明する。
【0024】
先ず、送受信部7は、利用者からの要求に従って画面制御部8から予約処理情報<A>を受け取り、要求のあった携帯端末装置2、又は端末装置3に送信する。この予約処理情報<A>には、予約画面の情報の他に、予約者が入力ボックスに入力したテキスト情報を受信するやり取りのためのプロトコルとそのペイロード情報も含まれる。
【0025】
次に、この予約処理情報<A>を受信した携帯端末装置2、又は端末装置3のディスプレイには、図5に示す予約画面が表示される。本例の表示例はレストラン4(例えば、△△レストラン)の予約を行う場合であり、同図に示すように予約日、予約時刻、人数、予約者氏名、予約者の連絡先を入力するボックスが表示され、予約者は各入力ボックスに希望する条件を入力する。そして、確認ボタン17をクリックすることにより予約処理が完了する。
【0026】
予約装置1には、上記確認ボタン17のクリックによって各入力情報が送受信部7を介して画面制御部8に転送される。画面制御部8は、入力情報に従ってパケット<B>を生成して会話制御部9に転送する。
【0027】
上記パケット<B>は、<TID+予約情報テキスト>で構成される。ここで、<TID>は予約者のIDである。また、<予約情報テキスト>はMM+DD+HH+mm+NUMB+NAME+PHONEで構成されている。尚、MMは月、DDは日、HHは時、mmは分、NUMBは人数、NAMEは予約者氏名、PHONEは電話番号をそれぞれ表すテキスト情報である。
【0028】
会話制御部9は上記パケット<B>を受け取ると、RTC15によって受信時刻を知り、受付時刻テーブル13を参照する。例えば、受信時刻19:00に、「△△レストラン」に対する予約入力があった場合、前述の図4に示す受付時刻テーブル13を参照する。この場合、受付け可能時刻であり、音声合成処理を行う。一方、例えば、受信時刻23:00に、同じ△△レストランの予約入力があった場合、受付時刻テーブル13を参照すると、受け付け可能時刻から外れるため、上記入力情報は記憶部14に一旦記憶される。
【0029】
会話制御部9は、レストラン4やホテル5が受け付け可能時刻であれば、パケット<B>に含まれるMM、DD、HH、mm、NUMB、NAME、PHONEの各情報を使用して図6に示す発声1の予約テキスト情報を完成する。すなわち、同図に示す○○に対応する予約テキスト情報を入力し、発声1のテキストデータを完成する。
【0030】
次に、予約先レストランの電話番号と上記発声1のテキスト全体を組にしてパケット<C>として音声合成部10に転送する。この時、上記予約先レストランの電話番号は、例えば上記受付時刻テーブル13に登録された電話番号を抽出して使用する。例えば、上記「△△レストラン」の場合、“03−1234−・・”が音声合成部10に転送される。
【0031】
音声合成部10はパケット<C>を受け取ると、パケット<C>の中から電話番号の情報を取り出し、パケット<D>として回線制御部11に転送する。回線制御部11は受け取った電話番号に電話をかける。
【0032】
図7は以後の本例の処理を説明するシーケンス図である。上記のように回線制御部11が対応するレストラン4又はホテル5に電話を掛けると(図7に示すa)、例えば予約先レストランでは受付の係りが電話を取る(図7に示すb)。
【0033】
次に、回線制御部11は回線を音声合成部10に接続し、パケット<C>の中の発声1のテキストを音声として合成し、合成音声である発声1を送信する(図7に示すc)。この音声合成処理は、例えば図6に示す発声1の中の対応する○○の位置へ合成音声を埋め込み、発声1の合成音声を生成する。すなわち、同図に示す○○以外のテキストに対応する音声データは予め作成されており、○○(入力情報)に対する部分のみを音声合成し、音声データを作成する。
【0034】
電話を受け取ったレストランの受付係りは、発声1として流れる音声を聞き、予約装置1から予約電話が掛かったことを知る。そして、受付係は予約条件を聞き、現在の予約状況を確認し、予約が可能であるか判断する。そして、ボタン「1」又は「2」を押下する(図7に示すd)。予約可能の場合はボタン「1」を押下し、満席で予約ができない場合にはボタン「2」を押下する。この「1」又は「2」の信号は、DTMF(dual tone multiplexed frequency)信号として予約装置1(回線制御部11)に送信される。
【0035】
回線制御部11は上記結果を検出し、上記「1」又は「2」の指示をパケット<E>として会話制御部9に転送する。会話制御部9はパケット<E>を受け取ると、予約が完了した、または満席で予約ができなかったことを認識し、パケット<F>を音声合成部10に転送する。
【0036】
このパケット<F>は、例えば図7に示す発声2のテキストデータである。この例は、「1」の指示の場合であり、“予約されたことを確認しました。ありがとうございました。”の音声情報を予約した、例えばレストラン4に送信する(図7に示すe)。その後、電話を切る(図7に示すf)。
【0037】
また、パケット<E>として上記「1」又は「2」の指示を受け取った会話制御部9は、パケット<G>をメール制御部12に転送する。パケット<G>は、<B>+<E>で構成され、図8に示すテキスト情報と予約者のID<TID>で構成されている。尚、図8に示すテキスト中の英字変数は前述のパケット<B>の中の変数と同じである。
【0038】
メール制御部12はパケット<G>を受け取ると、パケット<G>に含まれる<TID>からメールの宛先アドレスを割り出す。そして、テキスト情報をメールパケット<H>として送受信部7を経由し、予約者に転送する。予約者は予約が完了した場合、図8(a)に示す内容のメールを受け取り、予約が取れなかった場合、同図(b)に示す内容のメールを受け取り、予約の結果を知る。
【0039】
以上のように、本例によればレストラン4やホテル5の予約処理を、予約者がテキスト入力するだけで行うことができ、予約受付者は電話を音声で聞くだけで予約作業を完了することができる。
【0040】
また、パケット<B>を蓄積する記憶部14は、予約先レストランの開店時間を受付時刻テーブル13で知り、パケット<C>と<F>を発することにより、予約者が深夜や早朝に予約操作を行っても、受付者は通常勤務時間帯に予約受付作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の予約システムを説明するシステム図である。
【図2】予約装置の具体的な構成を説明するブロック図である。
【図3】会話制御部の構成を示す図である。
【図4】受付時刻テーブルの一例を示す図である。
【図5】予約画面の表示例を示す図である。
【図6】発声のテキスト情報の例を示す図である。
【図7】本例の処理を説明するシーケンス図である。
【図8】(a)は予約が取れた場合のメールの内容を示す図であり、 (b)は予約が取れなかった場合のメールの内容を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・予約装置
2・・・携帯端末装置
3・・・端末装置
4・・・レストラン
5・・・ホテル
7・・・送受信部
8・・・画面制御部
9・・・会話制御部
10・・音声合成部
11・・回線制御部
12・・メール制御部
13・・受付時刻テーブル
14・・記憶部
15・・RTC
17・・確認ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約装置と端末装置がネットワークによって接続され、前記予約装置と予約施設の端末機器が電話回線で接続された予約システムであって、
前記予約装置は、
前記端末装置から供給される予約テキスト情報を入力する入力手段と、
該入力手段を介して入力した予約テキスト情報を音声情報に合成する音声合成手段と、
該音声合成手段によって音声合成された予約音声情報を前記予約施設の端末機器に電話回線によって送信し、該予約結果を電話回線を介して受信する電話通信手段と、
前記予約結果を予約者に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする予約システム。
【請求項2】
前記入力手段から入力する予約テキスト情報は、前記端末装置に予め予約装置から送信した予約画面の操作に従って予約者が入力した情報であることを特徴とする請求項1記載の予約システム。
【請求項3】
前記予約画面情報は、予約装置内の画面制御手段によって生成されることを特徴とする請求項2記載の予約システム。
【請求項4】
前記音声合成手段が作成する音声情報は、予め設定されたテキスト情報に前記予約テキスト情報を合成して生成することを特徴とする請求項1、2、又は3記載の予約システム
【請求項5】
前記予約テキスト情報は、予約日時、予約人数、予約者氏名、及び予約者連絡先であり、該各情報をテキストで入力した情報であることを特徴とする請求項4記載の予約システム。
【請求項6】
前記電話通信手段は、予約施設の端末機器からDTMF信号によって前記予約結果を受信することを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載の予約システム。
【請求項7】
前記予約結果に従って、前記予約者に通知する通知手段は電子メールであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、又は6記載の予約システム。
【請求項8】
前記端末装置は、携帯端末装置を含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7記載の予約システム。
【請求項9】
前記予約装置は記憶手段と、前記予約施設の端末機器の受付時刻テーブルを含み、前記予約者から予約テキスト情報を受信した時刻が前記受付時刻テーブルに受付け可能時刻として設定されていない場合、前記記憶手段に前記予約テキスト情報を一旦記憶させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8記載の予約システム。
【請求項10】
前記記憶手段に一旦記憶した予約テキスト情報は、前記予約施設の端末機器の受付時刻に達した時、前記記憶手段から読み出して前記音声合成手段に送信することを特徴とする請求項9記載の予約システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−312254(P2007−312254A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140946(P2006−140946)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(599126800)株式会社エムティーアイ (17)
【Fターム(参考)】