二剤混合容器
【課題】中栓の取り外し操作において容器の長さに変動がなく、分離ごみが生じることのない簡素化された二剤混合容器を提供する。
【解決手段】上収納部の内容物を下収納部の収納空間に落下させ内容物を混合する容器において、上収納部と下収納部との間に一端が下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体設ける。この中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、上収納部の内容物を該開口を経て下収納部へ落下させる通路rを有しその外壁にねじ部を有する第2の環状体からなるものとする。そして、第2の環状体に、第2の環状体のねじ部に係合し通路rを閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係する。
【解決手段】上収納部の内容物を下収納部の収納空間に落下させ内容物を混合する容器において、上収納部と下収納部との間に一端が下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体設ける。この中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、上収納部の内容物を該開口を経て下収納部へ落下させる通路rを有しその外壁にねじ部を有する第2の環状体からなるものとする。そして、第2の環状体に、第2の環状体のねじ部に係合し通路rを閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二剤混合容器に関するものであり、パーツ数を削減して構造の簡素化を図り、二剤を混合する際の操作でもって容器の長さが変動することのない使い勝手の良い容器を提案しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
上下に形成された収納部に種類の異なる内容物をそれぞれ入れておき、使用時に収納部の一方を回転させることで各収納部を開通させて両内容物を混合する二剤混合容器は、毛染め液などの反応性の液体を入れたものに用いられているが、近年、お茶など飲料分野への用途の拡大が図られており、その需要は今後益々増大する傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2568989号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の二剤混合容器は、部品点数が多く効率的な組立てができないことから製造コストの上昇が避けられない不具合があり、しかも、中栓を取り外す収納部の回転操作に伴って容器の長さ(全高)が変動(長くなったり短くなったりする)するため使い勝手が良いとは言えないのが現状であった。
【0004】
また、この種の容器は、商品の流通段階での不正な開封を目視でもって確認できるように、バージンリングを備えたものが存在する(特許文献2参照)が、容器の開封に際して該バージンリングは容器から完全に切り離された分離ごみとして別途、廃棄処理されており、同一種類の素材を回収して資源の再利用を図る観点からも好ましくない。
【特許文献2】特開2002−326671号公報
【0005】
本発明の課題は、パーツ数の削減によって構造を簡素化するとともに、中栓の取り外しに際して容器の長さに変動がなく、容器の開封に際して分離ごみが生じることのない新規な二剤混合容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との相互間に、一端が該下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の開口を形成する外壁に回転不能に連係保持される中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、この第1の環状体につながり上収納部の内容物を該開口を経て下収納部の収納空間へ落下させる通路を有しその外壁にねじ部を形成した第2の環状体からなり、
前記第2の環状体に、該環状体のねじ部に係合して前記通路を閉塞して上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、
前記中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器である。
【0007】
また、この発明は、内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との間にそれらを相互に回転可能に連結する中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部の開口につながる通路を備える筒体を有し該上収納部の外周壁に回転不能に嵌合保持される上部材と、一端が上部材の下側において回転可能に抜け保持され、他端が下収納部の口部に回転不能に嵌合保持される下部材からなり、
前記上部材の筒体の外側壁面にねじ部を設け、このねじ部に前記筒体の通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓をねじ止めし、
前記中栓の外側壁面を、下部材の内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器である。
【0008】
上記の構成になる容器において、前記相対回転を構成する部材の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、かつ、もう一方には前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを形成したバージンリングを一体的に設けることができる。
【発明の効果】
【0009】
中間筒体の第2の環状体にねじ止めされた中栓は、下収納部の口部の内側あるいはこの口部に回転不能に保持された下部材に連係しているため、上収納部あるいは下収納部の何れかを回転させることで該第2の環状体から抜け出しねじによる係合が解除されたところで該中栓は下収納部の収納空間へと落下することとなり、この時、中間筒体は、上収納部、下収納部の周りを回るだけであって、容器の長さが変動することはない。
【0010】
バージンリングは、一体成形された相対回転を構成する部材の何れか一方から破断した後は廻り止め用のリブ又は溝に案内されて上又は下方向へと移動し、もう一方の部材にアンダーカット嵌合等により係留されることとなり、容器を開封しても該バージンリングが分離ごみとなることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を容器の全体について示した図であり、図2は図1の要部拡大図である。
【0012】
図において1は上収納部である。上収納部1は内容物を注出する注出口1aを有し、底部を開口1bとして該開口1bと注出口1aの相互間に内容物の収納空間Mを形成する。
【0013】
2は注出口1aにおいてねじ止めされるキャップ、3は上収納部1の下側に配置される下収納部である。この下収納部3は上収納部1の開口1bにつながる口部3aを有し、底壁3bとの相互間において内容物の収納空間M1を別途に形成する。
【0014】
4は一端が下収納部3の口部3aに回転可能に保持され、他端が上収納部1の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体である。この中間筒体4は上収納部1及び下収納部3に跨ってそれらを取り囲む外側環状体4aと、この外側環状体4aの内側で一体連結して上収納部1の開口1bに嵌合する第1の環状体4bと、この第1の環状体4bの下端につながる第2の環状体4cからなる。第2の環状体4cは上収納部1の内容物を該開口1bを経て下収納部へ落下させる通路rを有するもので、その外壁にはねじ部nが形成されている。
【0015】
この中間筒体4の第1の環状体4bと外側環状体4aとの間には、上向きに開放され上収納部1の開口1bを形作る外壁の突端が入りこむ溝mが形成されおり、第2の環状体4cと外側環状体4aとの間には下向きに開放され下収納部3の口部3aの突端が入りこむ溝m1がインナーリングiを介して形成されており、上収納部1と外側環状体4aとの相互間にはそれらを回転不能に連係保持する縦溝(又は縦リブ)tとこの縦溝tに適合する縦リブ(又は縦溝)t1が設けられている。
【0016】
また、5は第2の環状体4cのねじ部nに係合し通路rを閉塞させて上収納部1の収納空間Mと下収納部3の収納空間M1を遮断する中栓である。この中栓5は第2の環状体4cの内壁面に嵌合する内筒5aと、該第2の環状体4cのねじ部nに係合するねじ部n1を有する外筒5bと、内筒5a及び外筒5bを下端において一体的につなぎ第2の環状体4cの通路rを閉塞させる底板5cからなっている。
【0017】
さらに、6は中栓5の外側壁面に設けられた溝部(又は縦リブ)、7は下収納部3の口部3aの内壁面に設けられ該溝部6に適合する縦リブ(又は溝部)である。図3に下収納部3の口部3aにおけるA−A断面を示すが、この溝部6、縦リブ7は中栓5の外側面を下収納部3の口部内壁面に連係させるもので、これにより該中栓5を下収納部3とともに回転させることができるようになっている。
【0018】
8は中間筒体4の上端部内側に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、9は上収納部1の外壁に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起8、9よって上収納部1と中間筒体4が相互に抜け止め保持される。
【0019】
また、10は下収納部3の口部3aの外側において周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、11は中間筒体4の下端内側に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起10、11によって中間筒体4と下収納部3が相互に抜け止め保持される。
【0020】
上収納部1を中間筒体4とともに回転させるか、下収納部3を回転させると、中栓5は第2の環状体4cの周りで回転する。そうするとねじ部n、n1による係合が緩み、ねじ部による係合が解除されたとき該中栓5は第2の環状体4cから離脱して下収納部3の収納空間M1へと落下する。
【0021】
図4、図5は本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示したものである。中間筒体4の外側環状体4aは、第1の環状体4bと第2の環状体4cを一体的に備える上部材4a1と、この上部材4a1の凹部12に回転可能に抜け止め保持され下収納部3の口部3aに回転不能に嵌合させてその内壁面を中栓5の外側壁面に縦溝(又は縦リブ)6に縦リブ(又は縦溝)7′を介して連係させた下部材4a2にて構成することもできる。この場合、パーツ数は1つ増えることになるが、上掲図1〜3に示した構成になる容器において示したような縦リブ7(又は溝部)(下収納部3の口部3aの内壁面に中栓5の外側壁面に連係させた縦リブ)を設ける必要がなく、下収納部3の形状の簡素化(金型形状の簡素化)が可能となる。
【0022】
また、上記の構成になる容器は、上部材4a1の第2の環状体4c上端につながる部位を水平部4dとし、下部材4a2の形状を該水平部4dに近接させた形状としている。これは、内容物を注出する際には容器を反転して注出することになるので、第2の環状体4cと下部材4a2とで形成される空間の存在が注出不能な内容物を生み出すこととなるが、上部材4a1の第2の環状体4c上端につながる部位を水平部4dとし、下部材4a2の形状を該水平部4dに近接させた形状とすることで当該空間を小さくして、そこに入りこむ内容物の量を減らす。
【0023】
図6〜図9に本発明にしたがう二剤混合容器のさらに他の実施の形態を示す。図における番号13はバージンリングである。このバージンリング13は、破断可能な連結片14を介して中間筒体4(外側環状体4a)に一体成形されており、その先端(下端)内壁には下収納部3の外周壁に設けた縦リブ(あるいは縦溝)3cに適合して廻り止めを形成する縦溝(あるいは縦リブ)13aが設けられている。
【0024】
また、図において15はバージンリング13の上端に設けられた傾斜付き凹部、16は中間筒体4の下端に一体的に設けられ傾斜付き凹部15に適合する形状を有する傾斜付き凸部である。
【0025】
上記の二剤混合容器は、開封前の状態を図8に示す如く、バージンリング13と中間筒体4が連結片14を介して連結し、縦リブ3c及び縦溝13aにより廻り止めされており、容器の開封前においては下収納部3と中間筒体(上収納部1を含む)4の相対的な回転は防止されている。
【0026】
容器内の内容物を混合して使用に供すべく中間筒体4を回転させると、バージンリング13の傾斜付き凹部15が該中間筒体4の傾斜付き凸部16の傾斜面に沿って移動し、このとき、図9に示すように、バージンリング13は中間筒体4から切り離され、前記縦リブ(又は縦溝)3cに案内されて下方へと移動することとなり、その行き止まり端で図10に示すように、縦溝(又は縦リブ)13aの基底面(縦リブの場合は頂面)及び縦リブ(又は縦溝)3cの頂面(溝の場合は基底面)に形成された小突起p、p′によりアンダーカット嵌合して下収納部3に係留され、これによりバージンリング13が分離ごみとなることはない。
【0027】
上記の例では、バージンリング13を中間筒体4に連結片14を介して連結した場合について示したが、該バージンリング13は下収納部3に一体的に形成しておくことも当然可能であり、この場合、上記縦リブ(あるいは縦溝)3cと縦溝(あるいは縦リブ)13aの配置関係が逆転して設けられることとなり、その動きも下方への移動から上方への移動となる。バージンリング13と中間筒体4の連結、あるいはバージンリング13と下収納部3との連結は連結片14によるものに限られず、破断可能であるならば薄肉部として一体成形してもよいのは言うまでもない。
【0028】
縦溝13aを縦リブとして縦リブ3c同士で廻り止めを構成してもよく、この場合、アンダーカット嵌合に係留するための小突起は縦リブの側面に設けることができる。また、縦リブ(あるいいは縦溝)3c及び縦溝13aは少なくとも1つ設けることが可能であり、その設置個数は限定されない。
【0029】
図11、図12は上掲図4、図5に示した容器にバージンリング13を適用した実施の形態を示したものである。この容器は、バージンリング13を、破断可能な連結片14を介して上部材4a1に一体連結するとともに、バージンリング13の先端(下端)内壁に、下部材4a2の外周壁に設けた縦リブ(あるいは縦溝)4eに適合する縦溝(あるいは縦リブ)13aを設けたものである。
【0030】
この二剤混合容器は、容器の開封前は縦リブ4eとこれに適合する縦溝13aが廻り止めとなって上部材4a1(上収納部1を含む)と下部材4a2(下収納部3を含む)の相対的な回転を防止することが可能となっている(図8参照)。
【0031】
容器内の内容物を混合して使用に供すべく上部材4a1又は下部材4a2を回転させると、バージンリング13の傾斜付き凹部15が該上部材4a1の傾斜付き凸部16の傾斜面に沿って移動し、このとき、バージンリング13は上部材4a1から切り離され、前記縦リブ(又は縦溝)4eに案内されて下方へと移動する(図9参照)こととなり、その行き止まり端で縦溝(又は縦リブ)13aの基底面(縦リブの場合は頂面)及び縦リブ(又は縦溝)4eの頂面(溝の場合は基底面)に形成された小突起によりアンダーカット嵌合して下部材4a2に係留され(図10参照)、これによりバージンリング13が分離ごみとなることはない。
【0032】
上記の例では、バージンリング13を中間筒体4の上部材4a1に連結片14を介して連結した場合について示したが、該バージンリング13は下部材4a2に一体的に形成しておくことも当然可能であり、この場合、上記縦リブ(あるいは縦溝)4eと縦溝(あるいは縦リブ)13aの配置関係が逆転して設けられることとなり、その動きも下方への移動から上方への移動となる。バージンリング13と中間筒体4(上部材4a1、下部材4a2)との連結は連結片14によるものに限られず、破断可能であるならば薄肉部として一体成形してもよいのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
中栓を取り外すべく回転操作を施しても容器の長さは常に一定に保たれ、容器から切り離される分離ごみが生じることのない構造の簡素化された二剤混合容器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を示した図である。
【図2】図1に示した容器の要部拡大図である。
【図3】図1に示した容器のA−A断面を示した図である。
【図4】本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示した図である。
【図5】図4に示した容器の要部の断面図である。
【図6】本発明にしたがう二剤混合容器の第3の実施の形態を示した図である。
【図7】図6に示した容器の要部の断面図である。
【図8】図6に示した容器の開封前のバージンリングの状態を示した図である。
【図9】図6に示した容器の開封後におけるバージンリングの係留状態を示した図である。
【図10】図9の要部断面を示した図である。
【図11】本発明にしたがう第4の実施の形態を示した図である。
【図12】図11に示した容器の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 上収納部
1a 注出口
1b 開口
1c 縦リブ
2 キャップ
3 下収納部
3a 口部
3b 底壁
4 中間筒体
4a 外側環状体
4a1 上部材
4a2 下部材
4b 第1の環状体
4c 第2の環状体
4d 水平部
4e 縦リブ
5 中栓
5a 内筒
5b 外筒
5c 底板
6 溝部
7 縦リブ
7′縦リブ
8 突起
9 突起
10 突起
11 突起
12 凹部
13 バージンリング
13a 縦リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、二剤混合容器に関するものであり、パーツ数を削減して構造の簡素化を図り、二剤を混合する際の操作でもって容器の長さが変動することのない使い勝手の良い容器を提案しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
上下に形成された収納部に種類の異なる内容物をそれぞれ入れておき、使用時に収納部の一方を回転させることで各収納部を開通させて両内容物を混合する二剤混合容器は、毛染め液などの反応性の液体を入れたものに用いられているが、近年、お茶など飲料分野への用途の拡大が図られており、その需要は今後益々増大する傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2568989号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の二剤混合容器は、部品点数が多く効率的な組立てができないことから製造コストの上昇が避けられない不具合があり、しかも、中栓を取り外す収納部の回転操作に伴って容器の長さ(全高)が変動(長くなったり短くなったりする)するため使い勝手が良いとは言えないのが現状であった。
【0004】
また、この種の容器は、商品の流通段階での不正な開封を目視でもって確認できるように、バージンリングを備えたものが存在する(特許文献2参照)が、容器の開封に際して該バージンリングは容器から完全に切り離された分離ごみとして別途、廃棄処理されており、同一種類の素材を回収して資源の再利用を図る観点からも好ましくない。
【特許文献2】特開2002−326671号公報
【0005】
本発明の課題は、パーツ数の削減によって構造を簡素化するとともに、中栓の取り外しに際して容器の長さに変動がなく、容器の開封に際して分離ごみが生じることのない新規な二剤混合容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との相互間に、一端が該下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の開口を形成する外壁に回転不能に連係保持される中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、この第1の環状体につながり上収納部の内容物を該開口を経て下収納部の収納空間へ落下させる通路を有しその外壁にねじ部を形成した第2の環状体からなり、
前記第2の環状体に、該環状体のねじ部に係合して前記通路を閉塞して上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、
前記中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器である。
【0007】
また、この発明は、内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との間にそれらを相互に回転可能に連結する中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部の開口につながる通路を備える筒体を有し該上収納部の外周壁に回転不能に嵌合保持される上部材と、一端が上部材の下側において回転可能に抜け保持され、他端が下収納部の口部に回転不能に嵌合保持される下部材からなり、
前記上部材の筒体の外側壁面にねじ部を設け、このねじ部に前記筒体の通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓をねじ止めし、
前記中栓の外側壁面を、下部材の内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器である。
【0008】
上記の構成になる容器において、前記相対回転を構成する部材の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、かつ、もう一方には前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを形成したバージンリングを一体的に設けることができる。
【発明の効果】
【0009】
中間筒体の第2の環状体にねじ止めされた中栓は、下収納部の口部の内側あるいはこの口部に回転不能に保持された下部材に連係しているため、上収納部あるいは下収納部の何れかを回転させることで該第2の環状体から抜け出しねじによる係合が解除されたところで該中栓は下収納部の収納空間へと落下することとなり、この時、中間筒体は、上収納部、下収納部の周りを回るだけであって、容器の長さが変動することはない。
【0010】
バージンリングは、一体成形された相対回転を構成する部材の何れか一方から破断した後は廻り止め用のリブ又は溝に案内されて上又は下方向へと移動し、もう一方の部材にアンダーカット嵌合等により係留されることとなり、容器を開封しても該バージンリングが分離ごみとなることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を容器の全体について示した図であり、図2は図1の要部拡大図である。
【0012】
図において1は上収納部である。上収納部1は内容物を注出する注出口1aを有し、底部を開口1bとして該開口1bと注出口1aの相互間に内容物の収納空間Mを形成する。
【0013】
2は注出口1aにおいてねじ止めされるキャップ、3は上収納部1の下側に配置される下収納部である。この下収納部3は上収納部1の開口1bにつながる口部3aを有し、底壁3bとの相互間において内容物の収納空間M1を別途に形成する。
【0014】
4は一端が下収納部3の口部3aに回転可能に保持され、他端が上収納部1の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体である。この中間筒体4は上収納部1及び下収納部3に跨ってそれらを取り囲む外側環状体4aと、この外側環状体4aの内側で一体連結して上収納部1の開口1bに嵌合する第1の環状体4bと、この第1の環状体4bの下端につながる第2の環状体4cからなる。第2の環状体4cは上収納部1の内容物を該開口1bを経て下収納部へ落下させる通路rを有するもので、その外壁にはねじ部nが形成されている。
【0015】
この中間筒体4の第1の環状体4bと外側環状体4aとの間には、上向きに開放され上収納部1の開口1bを形作る外壁の突端が入りこむ溝mが形成されおり、第2の環状体4cと外側環状体4aとの間には下向きに開放され下収納部3の口部3aの突端が入りこむ溝m1がインナーリングiを介して形成されており、上収納部1と外側環状体4aとの相互間にはそれらを回転不能に連係保持する縦溝(又は縦リブ)tとこの縦溝tに適合する縦リブ(又は縦溝)t1が設けられている。
【0016】
また、5は第2の環状体4cのねじ部nに係合し通路rを閉塞させて上収納部1の収納空間Mと下収納部3の収納空間M1を遮断する中栓である。この中栓5は第2の環状体4cの内壁面に嵌合する内筒5aと、該第2の環状体4cのねじ部nに係合するねじ部n1を有する外筒5bと、内筒5a及び外筒5bを下端において一体的につなぎ第2の環状体4cの通路rを閉塞させる底板5cからなっている。
【0017】
さらに、6は中栓5の外側壁面に設けられた溝部(又は縦リブ)、7は下収納部3の口部3aの内壁面に設けられ該溝部6に適合する縦リブ(又は溝部)である。図3に下収納部3の口部3aにおけるA−A断面を示すが、この溝部6、縦リブ7は中栓5の外側面を下収納部3の口部内壁面に連係させるもので、これにより該中栓5を下収納部3とともに回転させることができるようになっている。
【0018】
8は中間筒体4の上端部内側に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、9は上収納部1の外壁に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起8、9よって上収納部1と中間筒体4が相互に抜け止め保持される。
【0019】
また、10は下収納部3の口部3aの外側において周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、11は中間筒体4の下端内側に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起10、11によって中間筒体4と下収納部3が相互に抜け止め保持される。
【0020】
上収納部1を中間筒体4とともに回転させるか、下収納部3を回転させると、中栓5は第2の環状体4cの周りで回転する。そうするとねじ部n、n1による係合が緩み、ねじ部による係合が解除されたとき該中栓5は第2の環状体4cから離脱して下収納部3の収納空間M1へと落下する。
【0021】
図4、図5は本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示したものである。中間筒体4の外側環状体4aは、第1の環状体4bと第2の環状体4cを一体的に備える上部材4a1と、この上部材4a1の凹部12に回転可能に抜け止め保持され下収納部3の口部3aに回転不能に嵌合させてその内壁面を中栓5の外側壁面に縦溝(又は縦リブ)6に縦リブ(又は縦溝)7′を介して連係させた下部材4a2にて構成することもできる。この場合、パーツ数は1つ増えることになるが、上掲図1〜3に示した構成になる容器において示したような縦リブ7(又は溝部)(下収納部3の口部3aの内壁面に中栓5の外側壁面に連係させた縦リブ)を設ける必要がなく、下収納部3の形状の簡素化(金型形状の簡素化)が可能となる。
【0022】
また、上記の構成になる容器は、上部材4a1の第2の環状体4c上端につながる部位を水平部4dとし、下部材4a2の形状を該水平部4dに近接させた形状としている。これは、内容物を注出する際には容器を反転して注出することになるので、第2の環状体4cと下部材4a2とで形成される空間の存在が注出不能な内容物を生み出すこととなるが、上部材4a1の第2の環状体4c上端につながる部位を水平部4dとし、下部材4a2の形状を該水平部4dに近接させた形状とすることで当該空間を小さくして、そこに入りこむ内容物の量を減らす。
【0023】
図6〜図9に本発明にしたがう二剤混合容器のさらに他の実施の形態を示す。図における番号13はバージンリングである。このバージンリング13は、破断可能な連結片14を介して中間筒体4(外側環状体4a)に一体成形されており、その先端(下端)内壁には下収納部3の外周壁に設けた縦リブ(あるいは縦溝)3cに適合して廻り止めを形成する縦溝(あるいは縦リブ)13aが設けられている。
【0024】
また、図において15はバージンリング13の上端に設けられた傾斜付き凹部、16は中間筒体4の下端に一体的に設けられ傾斜付き凹部15に適合する形状を有する傾斜付き凸部である。
【0025】
上記の二剤混合容器は、開封前の状態を図8に示す如く、バージンリング13と中間筒体4が連結片14を介して連結し、縦リブ3c及び縦溝13aにより廻り止めされており、容器の開封前においては下収納部3と中間筒体(上収納部1を含む)4の相対的な回転は防止されている。
【0026】
容器内の内容物を混合して使用に供すべく中間筒体4を回転させると、バージンリング13の傾斜付き凹部15が該中間筒体4の傾斜付き凸部16の傾斜面に沿って移動し、このとき、図9に示すように、バージンリング13は中間筒体4から切り離され、前記縦リブ(又は縦溝)3cに案内されて下方へと移動することとなり、その行き止まり端で図10に示すように、縦溝(又は縦リブ)13aの基底面(縦リブの場合は頂面)及び縦リブ(又は縦溝)3cの頂面(溝の場合は基底面)に形成された小突起p、p′によりアンダーカット嵌合して下収納部3に係留され、これによりバージンリング13が分離ごみとなることはない。
【0027】
上記の例では、バージンリング13を中間筒体4に連結片14を介して連結した場合について示したが、該バージンリング13は下収納部3に一体的に形成しておくことも当然可能であり、この場合、上記縦リブ(あるいは縦溝)3cと縦溝(あるいは縦リブ)13aの配置関係が逆転して設けられることとなり、その動きも下方への移動から上方への移動となる。バージンリング13と中間筒体4の連結、あるいはバージンリング13と下収納部3との連結は連結片14によるものに限られず、破断可能であるならば薄肉部として一体成形してもよいのは言うまでもない。
【0028】
縦溝13aを縦リブとして縦リブ3c同士で廻り止めを構成してもよく、この場合、アンダーカット嵌合に係留するための小突起は縦リブの側面に設けることができる。また、縦リブ(あるいいは縦溝)3c及び縦溝13aは少なくとも1つ設けることが可能であり、その設置個数は限定されない。
【0029】
図11、図12は上掲図4、図5に示した容器にバージンリング13を適用した実施の形態を示したものである。この容器は、バージンリング13を、破断可能な連結片14を介して上部材4a1に一体連結するとともに、バージンリング13の先端(下端)内壁に、下部材4a2の外周壁に設けた縦リブ(あるいは縦溝)4eに適合する縦溝(あるいは縦リブ)13aを設けたものである。
【0030】
この二剤混合容器は、容器の開封前は縦リブ4eとこれに適合する縦溝13aが廻り止めとなって上部材4a1(上収納部1を含む)と下部材4a2(下収納部3を含む)の相対的な回転を防止することが可能となっている(図8参照)。
【0031】
容器内の内容物を混合して使用に供すべく上部材4a1又は下部材4a2を回転させると、バージンリング13の傾斜付き凹部15が該上部材4a1の傾斜付き凸部16の傾斜面に沿って移動し、このとき、バージンリング13は上部材4a1から切り離され、前記縦リブ(又は縦溝)4eに案内されて下方へと移動する(図9参照)こととなり、その行き止まり端で縦溝(又は縦リブ)13aの基底面(縦リブの場合は頂面)及び縦リブ(又は縦溝)4eの頂面(溝の場合は基底面)に形成された小突起によりアンダーカット嵌合して下部材4a2に係留され(図10参照)、これによりバージンリング13が分離ごみとなることはない。
【0032】
上記の例では、バージンリング13を中間筒体4の上部材4a1に連結片14を介して連結した場合について示したが、該バージンリング13は下部材4a2に一体的に形成しておくことも当然可能であり、この場合、上記縦リブ(あるいは縦溝)4eと縦溝(あるいは縦リブ)13aの配置関係が逆転して設けられることとなり、その動きも下方への移動から上方への移動となる。バージンリング13と中間筒体4(上部材4a1、下部材4a2)との連結は連結片14によるものに限られず、破断可能であるならば薄肉部として一体成形してもよいのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
中栓を取り外すべく回転操作を施しても容器の長さは常に一定に保たれ、容器から切り離される分離ごみが生じることのない構造の簡素化された二剤混合容器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を示した図である。
【図2】図1に示した容器の要部拡大図である。
【図3】図1に示した容器のA−A断面を示した図である。
【図4】本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示した図である。
【図5】図4に示した容器の要部の断面図である。
【図6】本発明にしたがう二剤混合容器の第3の実施の形態を示した図である。
【図7】図6に示した容器の要部の断面図である。
【図8】図6に示した容器の開封前のバージンリングの状態を示した図である。
【図9】図6に示した容器の開封後におけるバージンリングの係留状態を示した図である。
【図10】図9の要部断面を示した図である。
【図11】本発明にしたがう第4の実施の形態を示した図である。
【図12】図11に示した容器の要部の断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 上収納部
1a 注出口
1b 開口
1c 縦リブ
2 キャップ
3 下収納部
3a 口部
3b 底壁
4 中間筒体
4a 外側環状体
4a1 上部材
4a2 下部材
4b 第1の環状体
4c 第2の環状体
4d 水平部
4e 縦リブ
5 中栓
5a 内筒
5b 外筒
5c 底板
6 溝部
7 縦リブ
7′縦リブ
8 突起
9 突起
10 突起
11 突起
12 凹部
13 バージンリング
13a 縦リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との相互間に、一端が該下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、上収納部の内容物を該開口を経て下収納部へ落下させる通路を有しその外壁にねじ部を有する第2の環状体からなり、
前記第2の環状体に、該第2の環状体のねじ部に係合し前記通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、
前記中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器。
【請求項2】
内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との間にそれらを相互に回転可能に連結する中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部の開口につながる通路を備える筒体を有し該上収納部の外周壁に回転不能に嵌合保持される上部材と、一端が上部材の下側において回転可能に抜け保持され、他端が下収納部の口部に回転不能に嵌合保持される下部材からなり、
前記上部材の筒体の外側壁面にねじ部を設け、このねじ部に前記筒体の通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓をねじ止めし、
前記中栓の外側壁面を、下部材の内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器。
【請求項3】
前記相対回転を構成する部材の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、かつ、もう一方には前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを形成したバージンリングを一体的に設ける、請求項1又は2記載の二剤混合容器。
【請求項1】
内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との相互間に、一端が該下収納部の口部に回転可能に保持され、他端が上収納部の外壁に回転不能に連係保持される中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部及び下収納部に跨ってそれらを取り囲む外側環状体と、この外側環状体の内側で一体連結して上収納部の開口に嵌合する第1の環状体と、上収納部の内容物を該開口を経て下収納部へ落下させる通路を有しその外壁にねじ部を有する第2の環状体からなり、
前記第2の環状体に、該第2の環状体のねじ部に係合し前記通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓を設け、
前記中栓の外側壁面を、下収納部の口部内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器。
【請求項2】
内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
前記上収納部と下収納部との間にそれらを相互に回転可能に連結する中間筒体を設け、
前記中間筒体は、上収納部の開口につながる通路を備える筒体を有し該上収納部の外周壁に回転不能に嵌合保持される上部材と、一端が上部材の下側において回転可能に抜け保持され、他端が下収納部の口部に回転不能に嵌合保持される下部材からなり、
前記上部材の筒体の外側壁面にねじ部を設け、このねじ部に前記筒体の通路を閉塞させて上収納部の収納空間と下収納部の収納空間とを遮断する中栓をねじ止めし、
前記中栓の外側壁面を、下部材の内壁面に連係してなることを特徴とする二剤混合容器。
【請求項3】
前記相対回転を構成する部材の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、かつ、もう一方には前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを形成したバージンリングを一体的に設ける、請求項1又は2記載の二剤混合容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−232322(P2006−232322A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−49381(P2005−49381)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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