説明

二次元バーコード生成装置、二次元バーコード表示システム、二次元バーコード生成方法およびプログラム

【課題】BML上の描画要素の消費数の削減を図りつつ、十分な情報量のQRコードを生成することができる二次元バーコード生成装置等を提供すること。
【解決手段】放送局側の情報処理装置は連続した複数ピクセルの白黒の全組合せを予め画像ファイルとして用意し、これらの画像ファイルを放送データにより二次元バーコード生成装置に送り、二次元バーコード生成装置は描画要素にそれらの画像ファイルのうちから適切なものを選択して設定し、自装置において生成したBML上の二次元バーコードを表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送のデータ放送で用いられるBML上のQRコードを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送では、映像に加えて、画像や文章を提供するデータ放送が利用できる。データ放送用のコンテンツは、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれるマークアップ言語を用いる。
【0003】
データ放送では、携帯電話機等向けのWebアクセスのURLを二次元バーコードとしてのQRコード等によりテレビ受信機のテレビ画面上に提示するサービスがよく用いられている。このサービスは、放送局側の装置で予めプログラミング・生成したQRコードを1つの画像の画像ファイルとして取り扱い、その画像をテレビ画面に表示し、そのQRコードを携帯電話機等のカメラ機能で撮像・画像データ処理することで実現されている。
【0004】
通常の放送では、QRコードは、放送局側の装置で予めコード生成し、JPEGなどの画像ファイルに描画している。BML上にそのJPEGファイルを貼り付けることで、QRコードをテレビ受信機のテレビ画面上に表示している。すなわち、QRコードの内容は放送時点で決定し、全テレビ受信機で共通となっていた。
【0005】
デジタル放送の受信機には、個人を識別する情報や、居住地域の情報を保持することが可能である。QRコードを生成・描画するプログラム(BML上のECMAスクリプト)を放送し、ユーザの情報をクエリとして加味したURLを、テレビ受信機側で動的に生成・描画することができれば、サービスの自由度/操作性の向上につなげることができる。
【0006】
実際に、テレビ受信機側に設定されている郵便番号などの情報を利用して、地域ごとに異なるQRコードをテレビ受信機側で動的に生成・描画する技術も提案されている。この技術では、QRコード上のピクセル毎に描画要素を割り当てて、白と黒とを表現していた。すなわち、1ピクセルに対して1描画要素を使用する必要があった。なお、描画要素とは、座標を指定できて、かつ、色を指定できるかあるいは画像ファイルを指定できるものと定義する(以下同様)。
【0007】
また、精度良く二次元コードを表示面に形成して読取り精度を向上させると共に、短時間で形成して作業性を向上させる技術がある。その構成は、明暗模様のマトリックスで形成される二次元コードの画像データから、暗模様の1セルを複数個の黒丸ドットが縦横に配置された四角形の単位セルに置換して画像データを変換し、この黒丸ドットをレーザビームにより表示面に焼付けて、黒丸ドットで形成された暗模様の単位セルと、レーザ焼付けしていない明模様の単位セルとを組合せた明暗模様の二次元コードを形成するものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−232369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、デジタル放送のデータ放送で用いられるBMLでは、QRコードとして描画可能な情報量に強い制約があった。
これは、描画要素上の表示画像の編集機能(ドット単位の色変更等の書換え機能)が無いため、QRコードの1ピクセルに1描画要素を割り当てる必要があり、その最大数が4096個と規定されていることが要因である。つまり、4096ビット以上の情報量を持つQRコードは、単純な方式ではBML上に表示できないことになる。
【0010】
また、QRコードは内容の一部を追加するためには全部の内容を生成し直す必要があるという特性を有する。このため、クエリを含まないQRコード画像を放送前に生成し、受信機側でクエリの情報量のみ追記するという手法を取ることはできない。
【0011】
本発明の目的は、デジタル放送のデータ放送で用いられるBML上の描画要素の消費数の削減を図りつつ、十分な情報量のQRコードを生成することができる二次元バーコード生成装置、二次元バーコード表示システム、二次元バーコード生成方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の二次元バーコード生成装置は、放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得し、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置においてBML上の二次元バーコードを生成することを特徴とする。
【0013】
本発明の二次元バーコード表示システムは、放送局側の情報処理装置は連続した複数ピクセルの白黒の全組合せを予め画像ファイルとして用意し、これらの画像ファイルを放送データにより二次元バーコード生成装置に送り、
前記二次元バーコード生成装置は描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置において生成したBML上の二次元バーコードを所定の表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の二次元バーコード生成方法は、二次元バーコード生成装置が、放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得するステップと、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置においてBML上の二次元バーコードを生成するステップとを有することを特徴とする。
【0015】
本発明のプログラムは、コンピュータに、放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得する処理と、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自コンピュータにおいてBML上の二次元バーコードを生成する処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、デジタル放送のデータ放送で用いられるBML上の描画要素の消費数の削減を図りつつ、十分な情報量のQRコードを二次元バーコード生成装置側で生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係る複数ピクセルを1つの描画要素で済ますことを示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る画像ファイルの一覧である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る画像ファイルの一覧である。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係る処理動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係る処理動作に関する図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態に係る画像ファイルの一覧である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示す本実施の形態における二次元バーコード表示システムは、放送局側の情報処理装置1と二次元バーコード生成装置としてのテレビ受信機2とが所定のネットワークを介して接続されている。デジタル放送の場合、ここでいう所定のネットワークとは、デジタル放送自体を用いた一方向の通信として実現されることが多い。
【0019】
情報処理装置1は、後述する方法で十分な情報量の二次元バーコードを生成・表示するプログラムを含むBML文書を送信する機能を有する。以下では、二次元バーコードとして特にQRコードを用いて説明する。ただし、QRコードのピクセル列を生成する方法やプログラム機能は既知であるので、詳細な説明は省略する。主に生成されたピクセル列を表示する手段にフォーカスして説明する。なお、QRコードを用いるのは一例であり、直交した座標系を持つ二次元バーコードであれば、以下の表示方式は応用可能である。
【0020】
テレビ受信機2は、デジタル放送の受信機である、デジタル放送のデータ放送で用いられるBML文書を処理し、表示する機能を有する。前記の情報処理装置1から送出されるQRコードの生成・表示機能を持つBML文書を受信すれば、QRコードを生成・表示することが可能である。なお、テレビ画面を表示する表示装置がテレビ受信機2と別個に設けられる構成であってもよい。
テレビ受信機2には、個人を識別する情報や、居住地域の情報を保持することが可能である。情報処理装置1で固定的に設定されたURLに対して、ユーザの情報をクエリとして加味することが可能である。しかる後、テレビ受信機2側で動的にQRコードを生成・表示することが可能である。
以下では、BML文書上でQRコードのピクセル列を生成する機能自体は既知であるので詳細な説明は省略し、ピクセル列の表示方法に絞って説明する。
なお、デジタル受信機2は、制御部やメモリ等のデジタル放送の受信機としての既知の構成を備えるものとする。
【0021】
本実施の形態における二次元バーコード表示システムでは、情報処理装置1は、連続した複数ピクセルの白黒の全組合せを、各画像ファイルとして準備してテレビ受信機2側に放送データで送信する。そして、テレビ受信機2は、QRコードの生成にあたり、描画要素にこれらの画像ファイルを割り当てることで、必要とされる描画要素数を削減するものである。
すなわち、上記のとおり、これまでは、QRコード上のピクセル毎に描画要素を割り当てて、白と黒とを表現していたので、1ピクセルに対して何らかの作業を実施するには1描画要素を使用する必要があり、BMLの描画要素数は4096個が最大であるため、十分な情報量のQRコードを生成することが困難であったことを解決する。
【0022】
図2を参照すると、左側から白、黒、黒、白、白、黒、白、黒、白、白、黒、白という連続した12ピクセルの情報量がある場合、これまでは、QRコード上のピクセル毎に描画要素を割り当てて、色を指定することで白と黒とを表現していたので、描画要素は12個必要であった。
しかし、連続した4ピクセル分を合わせた画像の画像ファイル(後に詳述する)を予め準備し、描画要素は各画像の画像ファイルを指定して表すこととすると、必要な描画要素は3個で足りる。
したがって、必要な描画要素は12個から3個に低減されるので、有限な描画要素数(4096個)の消費数が削減される。
【0023】
図3に上記の連続した4ピクセル分を合わせた画像の画像ファイルの一覧を示す。連続した4ピクセルの白黒の全組合せは、3−1〜3−16まで、16通りである。
【0024】
なお、図2、図3では4ピクセル分を例として画像ファイルを提示したが、実際には任意の2個以上のピクセル分を組み合わせた画像ファイルを準備してよい。組み合わせるピクセル数をnとすると、画像ファイルの数は2n(4の場合は24=16)で求められる。
【0025】
以下、本実施の形態の処理動作について図面を参照して詳細に説明する。まず、QRコードの描画処理全体のフローについて図4を参照して説明する。
【0026】
図4を参照すると、テレビ受信機2は、情報処理装置1が準備した連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの各画像ファイルを放送データにより受信する(S401)。
【0027】
次に、テレビ受信機2は、情報処理装置1がBML上でプログラミングにより指示したQRコードの生成に関するデータを放送データで受信し、QRコードの生成を開始する(S402)。
【0028】
まず、テレビ受信機2はQRコードの領域全体を白にする(S403)。
【0029】
次に、テレビ受信機2は所定のメモリ等にN=1を設定する(S404)。NはQRコードの何行目かを示す指標である。
そして、テレビ受信機2はQRコードからN行目のデータ列を取得する(S405)。データ列は、情報処理装置1は、BML上で十分な情報量の二次元バーコードとしてのQRコードをプログラミングにより指示する。
それから、テレビ受信機2はQRコードのN行目の描画パターンを生成する(S406)。なお、このステップS406の詳細な処理については図5を参照して後述する。
【0030】
次に、テレビ受信機2はQRコードの全行について処理が終了したか判定し(S407)、終了していない場合(S407/No)、所定のメモリ等のNの値を1インクリメントすべくN=N+1を設定し(S408)、上記のステップS405へ戻って次の行の処理を進める。
一方、終了している場合(S407/Yes)は処理終了となり、生成したQRコードをテレビ画面に表示する。
【0031】
次に、上記のステップS406の処理フロー(N行目の1行分のQRコードの描画処理のフロー)について図5を参照して説明する。ここでは4ピクセル分を1つの画像とした場合を前提とする。
【0032】
まず、テレビ受信機2は所定のメモリ等にM=1を設定する(S501)。MはN行目のQRコードの何列目かを示す指標である。
【0033】
次に、テレビ受信機2はM+3番目のピクセルがQRコードの領域外であるか判定し(S502)、領域外でない場合(S502/No)、M番目からM+3番目までのピクセル列を取得する(S503)。
一方、領域外である場合(S502/Yes)、M番目からM+3番目までのピクセル列を取得するように動作するが、領域外となる部分は白ピクセルとして補完して4ピクセル分を取得する(S504)。
【0034】
次に、テレビ受信機2は、M番目からM+3番目までの4ピクセル分のピクセル列と合致する画像ファイルを図3の3−1〜3−16のうちから選択し、M番目からの位置(座標)に配置するように描画要素を設定する(S505)。なお、合致する画像ファイルの選択は、ピクセル列の組合せによりファイル名を一意に決定し、ファイル名を介した選択手法を用いることとする。
【0035】
次に、テレビ受信機2は所定のメモリ等のMの値を4インクリメントすべくM=M+4を設定し(S506)、M番目のピクセルがQRコードの領域外であるか判定し(S507)、領域外でない場合(S507/No)、上記のステップS502へ戻って処理を進める。
一方、領域外である場合(S507/Yes)は処理終了となる。すなわち、図4のステップS406を抜けて、図4のステップS407へ進むこととなる。
【0036】
次に、本発明の第二の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態における二次元バーコード表示システムは、基本的には上記の第一の実施の形態と同様の構成であるので重複する説明は省略する。
【0037】
本実施の形態における二次元バーコード表示システムでは、情報処理装置1は、連続した複数ピクセルの白黒の全組合せについて、背景画像を予め白としておくことで、画像ファイルは黒から始まる画像ファイルのみを各画像ファイルとして準備してテレビ受信機2側に放送データで送信する。そして、テレビ受信機2は、QRコードの生成にあたり、描画要素にこれらの画像ファイルを割り当てることで、上記の第一の実施の形態とは異なり、白から始まる画像ファイルを不要とし、一層、必要とされる描画要素数を削減するものである。
また、上記の第一の実施の形態より必要な画像ファイル数を低減できるので、情報処理装置1からテレビ受信機2へ送信される放送データ量の削減により放送帯域の圧迫も軽減される。
【0038】
図6を参照すると、上段は図3で既に示した連続した4ピクセル分を合わせた画像の画像ファイルの一覧であり、3−1〜3−16まで、16通りある。
しかし、背景画像を予め白としておき、開始座標を調整することで、画像ファイルは黒から始まる3−9〜3−16まで、8通りで足りる。
【0039】
なお、図4では、連続した複数ピクセル分を合わせた画像の画像ファイルの一例として、4ピクセル分としたが、4ピクセル分以外の複数であってもよい。黒から始まる全組合せの数は、2n-1(4の場合は24-1=8)で求められる。
【0040】
以下、本実施の形態の処理動作について図面を参照して詳細に説明する。QRコードの描画処理全体のフローについては、上記の第一の実施の形態の図4と同様であるので重複する説明は省略する。
【0041】
次に、上記のステップS406の処理フロー(N行目の1行分のQRコードの描画処理のフロー)について図7を参照して説明する。ここでは4ピクセル分を1つの画像とした場合を前提とする。
【0042】
まず、テレビ受信機2は所定のメモリ等にM=1を設定する(S701)。MはN行目のQRコードの何列目かを示す指標である。
【0043】
次に、テレビ受信機2はM番目のピクセルが黒であるか判定し(S702)、黒である場合(S702/Yes)、テレビ受信機2はM+3番目のピクセルがQRコードの領域外であるか判定し(S703)、領域外でない場合(S703/No)、M番目からM+3番目までのピクセル列を取得する(S704)。
一方、領域外である場合(S703/Yes)、M番目からM+3番目までのピクセル列を取得するように動作するが、領域外となる部分は白ピクセルとして補完して4ピクセル分を取得する(S705)。
【0044】
次に、テレビ受信機2は、M番目からM+3番目までの4ピクセル分のピクセル列と合致する画像ファイルを図6の3−9〜3−16のうちから選択し、M番目からの位置(座標)に配置するように描画要素を設定する(S706)。なお、合致する画像ファイルの選択は、ピクセル列の組合せによりファイル名を一意に決定し、ファイル名を介した選択手法を用いることとする。
【0045】
次に、テレビ受信機2は所定のメモリ等のMの値を4インクリメントすべくM=M+4を設定し(S707)、M番目のピクセルがQRコードの領域外であるか判定し(S708)、領域外でない場合(S708/No)、上記のステップS702へ戻って処理を進める。
一方、領域外である場合(S708/Yes)は処理終了となる。すなわち、図4のステップS406を抜けて、図4のステップS407へ進むこととなる。
【0046】
また、上記のステップS702で黒でない場合(S702/No)、テレビ受信機2は所定のメモリ等のMの値を1インクリメントすべくM=M+1を設定し(S709)、上記のステップS708へ進む。
【0047】
以下では、図7の処理フローに照らした、具体的な処理を図8に示す12ピクセル分のビット列を用いて説明する。
【0048】
図8を参照すると、(1)では、左側から1番目のピクセルは白であり黒でないと判定される(S701、S702、S709、S708参照)。
【0049】
(2)では、2番目のピクセルは黒であると判定される(S702、S703参照)。
【0050】
(3)では、2番目〜5番目のピクセル列と合致する画像ファイルの設定を行う(S704、S706、S707、S708参照)。
【0051】
(4)では、6番目のピクセルは黒であると判定される(S702、S703参照)。
【0052】
(5)では、6番目〜9番目のピクセル列と合致する画像ファイルの設定を行う(S704、S706、S707、S708参照)。
【0053】
(6)では、10番目のピクセルは白であり黒でないと判定される(S701、S702、S709、S708参照)。
【0054】
(7)では、11番目のピクセルは黒であると判定される(S702、S703参照)。
【0055】
(8)では、13番目及び14番目に相当する領域外となる部分は白ピクセルとして補完して、11番目〜14番目に相当するピクセル列と合致する画像ファイルの設定を行う(S705、S706、S707、S708参照)。
【0056】
次に、本発明の第三の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態における二次元バーコード表示システムは、基本的には上記の第一の実施の形態および第二の実施の形態と同様の構成であるので重複する説明は省略する。
【0057】
本実施の形態における二次元バーコード表示システムでは、情報処理装置1は、連続した複数ピクセルの白黒の全組合せについて、背景画像を予め白としておくことで、画像ファイルは黒から始まる画像ファイルのみを各画像ファイルとして準備してテレビ受信機2側に放送データで送信する。そして、テレビ受信機2は、QRコードの生成にあたり、描画要素にこれらの画像ファイルを割り当てる。さらに、背景画像を予め白としておき、画像ファイルの後方の白は省略することで、省略された白のピクセル分のデータを送ることが不要となるので、上記の第二の実施の形態より、情報処理装置1からテレビ受信機2へ送信される放送データ量の削減による放送帯域の圧迫が一層、軽減される。
【0058】
図9を参照すると、上段は図6で既に示した連続した4ピクセル分を合わせた画像の画像ファイルの一覧であり、3−9〜3−16まで、8通りある。
ここで、本来ならば、4ピクセル分×8通り=32ピクセル分のデータ量を情報処理装置1からテレビ受信機2へ送信する必要がある。
【0059】
しかし、背景画像を予め白としておき、画像ファイルの後方の白は省略するとすれば、画像ファイルの3−9、3−11、3−13、3−15については、5−9、5−11、5−13、5−15として示す画像ファイルとなる。5−9については3ピクセル分、5−11については1ピクセル分、5−13については2ピクセル分、5−15については1ピクセル分、計7ピクセル分のデータ量が削減される。したがって、32ピクセル分−7ピクセル分=25ピクセル分のデータ量を情報処理装置1からテレビ受信機2へ送信すれば足りる。
【0060】
なお、図9では、連続した複数ピクセル分を合わせた画像の画像ファイルの一例として、4ピクセル分としたが、4ピクセル分以外の複数であってもよい。
【0061】
本実施の形態の処理フローは図7の処理フローを適用可能である。
【0062】
さらに背景画像を予め黒とすれば、画像ファイルの白と黒とを反転した態様で同様に実装することができる。
【0063】
本発明の第四の実施の形態として、背景色を単一色でなく、QRコードで固定的に定められるピクセルを画像ファイルとして準備することで、一層、必要とされる描画要素数を削減できる。例えば、QRコードの大きさによって、4隅の4箇所の定形として、3箇所は二重四角で、1箇所小さく二重四角等がある。
【0064】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、情報処理装置1やテレビ受信機2の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。また、各装置の機能が他の装置によりまとめて実現されたり、追加の装置により機能が分散されて実現される形態も本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0065】
1 情報処理装置
2 テレビ受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得し、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置においてBML上の二次元バーコードを生成することを特徴とする二次元バーコード生成装置。
【請求項2】
背景画像を予め白とし、前記画像ファイルは複数ピクセルの白黒の全組合せのうち黒から始まるもののみとしたことを特徴とする請求項1記載の二次元バーコード生成装置。
【請求項3】
前記画像ファイルにおいて複数ピクセルの後方の白は省略し、その省略された白のピクセル分のデータを放送データにより取得しないことを特徴とする請求項2記載の二次元バーコード生成装置。
【請求項4】
前記生成した二次元バーコードを所定の表示部に表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の二次元バーコード生成装置。
【請求項5】
放送局側の情報処理装置は連続した複数ピクセルの白黒の全組合せを予め画像ファイルとして用意し、これらの画像ファイルを放送データにより二次元バーコード生成装置に送り、
前記二次元バーコード生成装置は描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置において生成したBML上の二次元バーコードを所定の表示部に表示することを特徴とする二次元バーコード表示システム。
【請求項6】
背景画像を予め白とし、前記画像ファイルは複数ピクセルの白黒の全組合せのうち黒から始まるもののみとしたことを特徴とする請求項5記載の二次元バーコード表示システム。
【請求項7】
前記画像ファイルにおいて複数ピクセルの後方の白は省略し、その省略された白のピクセル分のデータを放送データにより送らないことを特徴とする請求項6記載の二次元バーコード表示システム。
【請求項8】
二次元バーコード生成装置が、放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得するステップと、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自装置においてBML上の二次元バーコードを生成するステップとを有することを特徴とする二次元バーコード生成方法。
【請求項9】
コンピュータに、放送データにより連続した複数ピクセルの白黒の全組合せの画像ファイルを取得する処理と、
描画要素に前記画像ファイルを設定して自コンピュータにおいてBML上の二次元バーコードを生成する処理とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−37961(P2012−37961A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175329(P2010−175329)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(311012169)NECパーソナルコンピュータ株式会社 (116)
【Fターム(参考)】