二次電池ケース及びこれを含む二次電池
【課題】二次電池ケースのケース本体及び内部の電極組立体の破損率を最小化する。
【解決手段】本発明に係る二次電池ケースは、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と結合される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備える。
【解決手段】本発明に係る二次電池ケースは、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と結合される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池のケース及びこれを含む二次電池に関し、特に、ケース本体及び内部の電極組立体への外部衝撃の伝達率をより低下させるための二次電池ケース及びこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種モバイル機器の普及が活発になるにつれ、その駆動電源として用いられる二次電池に対する研究が活発になされている。
【0003】
前記二次電池は大きく、ニッケル−カドミウム電池とニッケル−水素電池、ニッケル−亜鉛電池及びリチウム電池に分けられ、基本的に、正極と負極との間に分離膜が位置するゼリー/ロール状の電極組立体が角形や円形の電池ケース内部に封止された構造からなる。
【0004】
このような二次電池のケースの場合、基本的に、内部に電極組立体が収容されたケース本体の上端に電極端子を含むキャップ組立体が設置されている。
【0005】
そして、ケース本体の下端には別途の緩衝機能部材がないケースと別途の緩衝機能部材が設置された構造がそれぞれ知られている。
【0006】
しかしながら、別途の緩衝機能部材が備えられた構造であっても、これは単純に板材状からなる状態でラベルテープなどを通じてケース本体の下端面に付着形態で結合されることが精々である。従って、このような二次電池を地面に落としたとき、ケース本体の底面に加えられる衝撃が下端面全体に伝達されて内部の電極組立体にその影響を及ぼしてしまう。即ち、既存の緩衝機能部材ではケース下端面に加えられる衝撃が全体面積にわたって分散され難く、また、このような衝撃が繰り返して加えられる場合、二次電池自体に深刻な影響を及ぼし得るという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、基本的に緩衝キャップに補助緩衝部を具備させて外部衝撃が加えられたとき、緩衝効率が向上するようにすることによって、ケース本体及び内部の電極組立体の破損を防止できるようにすることにある。
【0008】
具体的には、緩衝キャップに加えられた衝撃が緩衝キャップ全体面積にわたって分散されず、外郭に誘導させることで、ケース本体及び破損を両端部に誘導させることによって、ケース本体及び内部の電極組立体の破損を防止して二次電池の安全性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための本発明は、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備える二次電池ケースを提供する。
【0010】
また、本発明において、前記補助緩衝部は前記緩衝キャップの底部と枠部との間に形成されて一定深さを有する1つ以上の緩衝溝状からなる。
【0011】
更に、本発明において、前記緩衝溝は互いに間隔を置いて複数形成される。
【0012】
また、本発明において、前記緩衝溝は同一面積を有することが好ましく、また、前記底部の中央部を中心に両側に対称に形成されることが好ましい。
【0013】
更に、本発明において、前記緩衝溝は前記ケース本体の両端部側に対向して備えられることができる。
【0014】
また、本発明において、前記各緩衝溝の間には緩衝溝間の連結リーブが形成され、緩衝キャップは枠部と前記各連結リーブがケース本体の底面の下部底面に密着した状態で設置される。
【0015】
更に、本発明において、前記緩衝キャップはポリカーボネートで形成され、前記緩衝溝には緩衝ブロックが埋設され得る。緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体を用いることが好ましい。
【0016】
また、前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上を用いる。
【0017】
更に、前記緩衝溝は前記緩衝キャップ厚さの50%以内で形成されることが好ましく、前記緩衝溝は0.1mm〜0.25mmの厚さを有することができる。
【0018】
また、本発明において、前記緩衝キャップの枠部には前記ケース本体の底面の枠部を覆いながら延びる1つ以上の連結突起を含む。
【0019】
前記連結突起は、前記緩衝キャップの枠部の長辺部にそれぞれ形成されることが好ましい。
【0020】
本発明の他の実施形態においては、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部と前記枠部の長辺部から延びた1つ以上の連結突起からなる緩衝キャップを含み、前記緩衝キャップは上部面に備えられる別途の緩衝ブロックを含む。
【0021】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネート又はポリプロピレンのいずれか1つで形成されることができる。
【0022】
また、前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップの上部面上に積層形態で設置されることができる。
【0023】
更に、前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であって、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上を利用できる。
【0024】
本発明においては、前述したような二次電池ケース内に受容された電極組立体と、前記電極組立体と連結され、前記ケース本体の上端に結合されるキャップ組立体を含んでなる二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0025】
前記のような特徴的構成からなる本発明は、基本的に、緩衝キャップに補助緩衝部が追加で備えられることにより、外部衝撃が加えられたとき、基本的に緩衝効率が向上するという効果を奏する。
【0026】
具体的には、補助緩衝部が緩衝キャップ上に溝状で形成されて緩衝キャップとケース本体間の密着面積が減少するようになると同時に、衝撃が緩衝キャップ及びケース本体の外郭枠部に誘導されることによって、ケース本体に加えられる荷重が更に緩和され得るという長所がある。
【0027】
また、補助緩衝部材を軟質の板材状でも実現することにより、ケース本体への衝撃伝達を根本的に低下させることができるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝キャップの構造及びケース本体との結合構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝キャップがケース本体に結合されている状態の断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に関する図であって、補助緩衝部の緩衝溝の形成構造を示す緩衝キャップの平断面図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が緩衝キャップの上面中央を基準に左右に2つに分割形成された場合を示す平面図である。
【図3C】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が左右2つに分割形成されるものの、緩衝キャップの両端部に形成された場合を示す平面図である。
【図3D】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が1つに統合形成された場合を示す平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図であって、補助緩衝部が緩衝ブロックで実現された場合を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す図であって、緩衝ブロックと緩衝キャップ及びケース本体間の結合状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示す図であって、補助緩衝部が緩衝キャップ上に形成された緩衝溝と別途の板材状の緩衝ブロック形態で実現された場合を示す分解図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図であって、前記図6の結合状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示す図であって、緩衝溝内に緩衝ブロックが挿入された形態の断面図である。
【図9A】本発明の緩衝ブロックが挿入された緩衝キャップの拡大断面図である。
【図9B】本発明の他の形態の緩衝ブロックが挿入された緩衝キャップの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して本発明の各実施形態及びその他に当業者が本発明の内容を容易に理解するために必要な事項について詳細に記載する。ただし、本発明は請求の範囲に記載された範囲内で多様な形態で実現されることができるので、後述する実施形態は表現如何にかかわらず、例示的なものに過ぎない。
【0030】
本実施形態を説明するにおいて、関連する公知となった機能或いは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。そして、図面において同じ構成要素について、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同じ参照番号及び符号で示していることに留意しなければならない。なお、図面において各層の厚さや大きさは説明の便宜性及び明確性のために誇張されることができ、実際の層厚や大きさとは異なり得る。
【0031】
<第1実施形態>
本発明の二次電池ケースは、図1に示すように、大きくケース本体10とキャップ組立体20と緩衝キャップ30及び補助緩衝部40を含んで構成される。
【0032】
まず、前記ケース本体10は、二次電池の核心構造である電極組立体50の全体ケースであり、電極としての役割を果たすものであって、内部には電極組立体50が収容される収容空間12が形成され、上部は電極組立体の挿入のために開放され、底面が閉鎖された函体構造からなる。
【0033】
このようなケース本体10は、電池の種類によって、円筒や角形構造からなることができるが、本発明では角形構造のもので図示する。
【0034】
参考までに、ケース本体10の内部に設置される電極組立体50は二次電池において実質的な電流発生部の役割を果たす部分であり、正極集電体の表面に正極活物質層がコーティングされた正極板と負極集電体の表面に負極活物質層がコーティングされた負極板及び前記正極板及び負極板の間に位置して正極板と負極板を電気的に絶縁させるセパレータがゼリーロール状で巻き取られた構造からなる。
【0035】
前記電極組立体50は、ケース本体10の内部に挿入された状態でケース本体10と後述するキャップ組立体20の正極端子と連結される。
【0036】
本発明における電極組立体50及びキャップ組立体20は、公知となった構成をそのまま適用するので、更に具体的な説明及び図示は省略する。
【0037】
このように、電極組立体50とキャップ組立体20が設置されたケース本体10の下端には緩衝キャップ30が設置される。このような緩衝キャップ30は、ボトムケースと称されるが、本発明ではこれを二次電池ケースと区分するために、緩衝キャップ30と定義して説明する。
【0038】
前記緩衝キャップ30は、二次電池が地面などに落とされたとき、相対的に衝突が多く発生するケース本体10の下端部をカバーする保護部材としての役割を果たすものであって、ケース本体10の下端面の面積とほぼ同じ面積を有する単純な板材状からなり、図2に示すように、緩衝キャップ30の上部面がケース本体10の底面に密着した状態で位置する。
【0039】
このような緩衝キャップ30は、ポリカーボネート(PC、Polycarbonate)又はポリプロピレン(PP、Polypropylene)のような合成樹脂で製作される。もちろん、前記材料以外にも十分の緩衝力を発揮できる材質であれば、いずれも選択適用できる。
【0040】
前記緩衝キャップ30の前後枠部には連結突起32が突設されることによって、緩衝キャップ30がケース本体10に結合されたとき、各連結突起32がケース本体10の下端外部面を覆うようになる。前記連結突起32は、ケース本体10に結合される緩衝キャップ30の底部の下部底面から延びて形成される枠部34の長辺部側に沿って追加で延長して形成されることができる。
【0041】
そして、この状態で別途のラベルテープ(図示せず)でケース本体10の外部面と共に、各連結突起32を覆うことによって、緩衝キャップ30とケース本体10間の固定結合がなされるようになる。
【0042】
本発明においては、このような緩衝キャップ30に加えられる衝撃を外郭枠部に誘導して緩衝効率を向上させるための補助緩衝部40が更に備えられたことを特徴とするが、本実施形態で提案する補助緩衝部40は緩衝キャップ30上に溝状(以下、「緩衝溝42」という)で形成される。
【0043】
より具体的に説明すれば、前記緩衝溝42は緩衝キャップ30の上部面上に一定深さで陥没した形態で形成されるものの、緩衝キャップ30の上部面全体にわたって互いに間隔を置いて複数配置される。本発明においては、緩衝溝42の形成数よりは緩衝溝42の厚さを緩衝キャップ30厚さのどの範囲まで形成するかがより一層重要であると言える。本発明では、緩衝溝42の厚さを緩衝キャップ30厚さの50%以内で形成することが好ましい。仮りに、50%以内を超えて溝の厚さを形成する場合、緩衝キャップ30自体の強度に問題が発生し得る。また、0.1mm〜0.25mmの範囲内で形成することが好ましい。これは0.1mm以内の場合、本発明による衝撃緩和の効果が低減され、0.25mm以上の場合、緩衝キャップ30自体の強度に問題が発生し得るためである。
【0044】
このように、緩衝溝42が複数配置されることによって、各緩衝溝42の間には補強片形態のリーブ43が自然に形成され、図2に示すように、緩衝キャップ30がケース本体10に設置されたとき、緩衝キャップ30の上部枠部34と各リーブ43のみがケース本体10の下部面と接触する。
【0045】
即ち、緩衝キャップ30の上部面全体がケース本体10に密着する既存の構造に比べて、緩衝キャップ30とケース本体10間の接触面積が減少するようになり、これにより、緩衝キャップ30を通じた衝突荷重の伝達経路も枠部34と各リーブ43に限定される。
【0046】
このような緩衝溝42の形成構造は、図1及び図3Aの構造以外に図3Bのように、緩衝キャップ30の上部面中央を基準に2つが左右分割された形態で形成されることができ、図3Cのように、左右分割して形成させるものの、緩衝キャップ30の左右両端部近くにのみ形成されるようにすることもできる。特に、落下衝撃などにおいて荷重が特に両端部側に多く加えられるため、図3Cのように、緩衝溝42が両端部に形成されることが非常に効果的であり得る。また、前記緩衝溝42の面積は同一面積であり得、また、緩衝キャップ30の中央部を中心に両側が対称に形成されることが衝撃分散の観点から好ましい。
【0047】
もちろん、緩衝溝42を必ずしも複数形成させず、図3Dのように、1つに統合された形態で形成されることができ、これ以外にも緩衝溝の形成を通じて緩衝キャップ30とケース本体10間の接触面積が減少し得る構造であれば、いくらでも多様な形態に変形して実現されることができる。
【0048】
また、緩衝キャップ30はカーボネート(PC、Polycarbonate)又はポリプロピレン(PP、Polypropylene)のような合成樹脂で製作されることができるが、本実施形態のように、緩衝溝42を形成した場合、ポリプロピレンよりはポリカーボネートが強度の観点からより一層優れている。
【0049】
次に、前記構成による本実施形態の作用及びその過程で発生する特有の効果について説明する。
【0050】
図2に示すように、緩衝溝42が形成された構造の緩衝キャップ30がケース本体10に結合されている完成品の状態で失敗などにより落とされたり、外部衝撃がケース本体10の下端部に加えられれば、基本的に緩衝キャップ30で1次的な緩衝がなされるので、加えられた荷重は強度が低下した状態でケース本体10に伝達される。
【0051】
このとき、緩衝キャップ30に緩衝溝42が形成された状態であるため、緩衝キャップ30に最初に加えられた衝撃荷重は緩衝溝42を除いた地点、即ち、各リーブ43と枠部34全体に自然に誘導及び集中する。
【0052】
従って、緩衝キャップ30に最初に加えられた荷重は、各リーブ43と枠部34を通じてのみケース本体10に伝達される。
【0053】
これにより、各リーブ43を通じて伝達された荷重はケース本体10の底面に局部的に作用し、緩衝キャップ30の枠部34に誘導された荷重は、ケース本体10の底面枠部に作用する。
【0054】
このように、緩衝キャップ30に加えられた荷重が各リーブ43を通じてケース本体の底面に局部的に伝達されることによって、緩衝キャップ30とケース本体30の底面全体にわたって荷重が作用していた従来技術に比べて、ケース本体に加えられる衝撃が緩和される。
【0055】
また、電極組立体50がケース本体10に強制嵌合する形態で挿入されず、図2に示すように、電極組立体50の外周面とケース本体10の内面との間に空間が形成された状態で設置されるため、前記のように、緩衝キャップ30の枠部34に荷重が誘導されてケース本体10の底面枠部に伝達されることによって、ケース本体10の枠部に作用した荷重が内部の電極組立体50に直接的に伝達されなくなる。
【0056】
即ち、本実施形態では緩衝キャップ30に溝状の補助緩衝部40を具備させることで、緩衝キャップ30に加えられた荷重が特定地点に誘導及び集中した状態でケース本体に伝達されることによって、既存に比べて、ケース本体10及び電極組立体に加えられる荷重を緩和させることができるようにしたことに特徴がある。
【0057】
<第2実施形態>
図4及び図5は、本発明の第2実施形態を示す図であって、本実施形態では緩衝キャップ上に補助緩衝部を具備させる基本概念は前記第1実施形態と同一であるが、補助緩衝部40を緩衝溝状ではなく、別途の板材状で実現した点で差がある。
【0058】
具体的に説明すれば、本実施形態に適用される補助緩衝部40は、図4に示すように、単純な直六面体の板材(以下、「緩衝ブロック46」という)形状からなるが、従って、緩衝キャップ30は従来の構造のように、上部面が平らな構造で適用される。
【0059】
具体的に、前記緩衝ブロック46は緩衝キャップ30の上部面と同じ面積を有する板材状からなる。前記緩衝ブロック46は、緩衝キャップ30より弾性の良い弾性物質で形成することが好ましい。通常は、ゴムのような軟質材を用いて自らも十分な緩衝能力を有するようにする。
【0060】
このような緩衝ブロック46は、緩衝キャップ30の上部面上に積層形態で位置することによって、図5のように、緩衝キャップ30とケース本体10間の結合時に緩衝キャップ30の上部面とケース本体10の底面との間に位置する。
【0061】
このとき、緩衝ブロック46と緩衝キャップ30は、相互ボンディング接合などを通じて互いに固定結合された状態でケース本体10に結合されるようにすることもできる。
【0062】
また、本実施形態において、緩衝ブロック46は弾性体であって、ゴムのような軟質材が用いられるが、ゴムではない接着剤自体が緩衝ブロックとしての役割を果たすことも可能である。または、ゴムのような軟質材上に接着剤を塗布して二重の緩衝ブロックの形態を備えることも可能である。
【0063】
そして、ケース本体10の下部に外部衝撃が加えられれば、最初に荷重が作用する緩衝キャップ30で1次的に緩衝がなされるようになり、ケース本体10に伝達される前に緩衝ブロック46により2次緩衝がなされるようになる。
【0064】
従って、緩衝キャップ30から伝達される荷重は強度が十分に低下した状態でケース本体10に作用するので、ケース本体10及び内部の電極組立体50の破損率が低下せざるを得ない。
【0065】
参考までに、図示してはいないが、緩衝ブロック46を複数積層させて用いる場合、より高い緩衝効率を得ることができる。
【0066】
このように、補助緩衝部40を別途の緩衝ブロック46の形態で実現する場合、緩衝キャップ30上に直接緩衝溝を形成させなければならない第1実施形態とは異なり、緩衝キャップの設計変更が要求されないので、製作が簡便になり得るという長所がある。
【0067】
参考までに、本実施形態は緩衝ブロック46上に緩衝溝42を形成させることで、荷重が緩衝ブロック46を経る過程で前記第1実施形態のように緩衝溝による荷重分散効果を得るようにすることもできる。
【0068】
このとき、緩衝ブロック46に形成された緩衝溝42は、図示のように、貫通孔の形態で形成されることもできる。
【0069】
<第3実施形態>
図6と図7は、本発明の第3実施形態を示す図であって、本実施形態は前記第1実施形態と第2実施形態の構造を併合した構造を特徴とする。
【0070】
即ち、本実施形態における補助緩衝部40は、緩衝キャップ30の上部面上に形成される緩衝溝42及び緩衝キャップ30の上部面上に積層設置される緩衝ブロック46をいずれも含んで構成される。
【0071】
このとき、緩衝溝42の形成構造及び形成数は、前記第1実施形態で説明した各変形例を通じて適用されることができ、緩衝ブロック46の構造及び材質は、第2実施形態で説明した内容と同一に適用される。
【0072】
補助緩衝部40を前記構造で実現することによって、図7に示すように、緩衝キャップ30に最初に加えられた荷重が各緩衝溝42により各リーブ44と枠部34に誘導及び集中した状態で緩衝ブロック46に伝達され、緩衝ブロック46自体の緩衝構造により再び緩衝された状態でケース本体10に伝達される。
【0073】
即ち、緩衝溝42による緩衝力の向上効果と緩衝ブロック46による緩衝力の向上効果がいずれも作用するので、より高い緩衝効率を得ることができるようになる。
【0074】
<第4実施形態>
図8〜図9Bは、本発明の第4実施形態を示す図であって、本実施形態の基本構成は緩衝溝と緩衝ブロックを同時に適用した前記第3実施形態と同一であるが、緩衝ブロックの設置構造を変形したことを特徴とする。
【0075】
具体的に説明すれば、緩衝キャップ30の上部面上に緩衝溝42が形成され、緩衝ブロック46が緩衝溝42の内部に埋設された状態で設置される。
【0076】
このような構造により緩衝キャップ30に最初に加えられた衝撃は各リーブ43と枠部34に分散される過程で緩衝溝42の内部に位置する各緩衝ブロック46にも伝達されて緩衝ブロック46自体の緩衝力により強度が緩和される。
【0077】
即ち、緩衝キャップ30に加えられた荷重は緩衝ブロック46により強度が緩和された状態で各リーブ43と枠部34に誘導され、この状態でケース本体10に伝達されるため、第3実施形態とほぼ同じ緩衝効果を得ることができるようになる。
【0078】
このように、緩衝ブロック46が緩衝溝42内に埋設された構造で補助緩衝部40を実現することによって、第3実施形態のように、緩衝ブロック46が緩衝キャップ30上に積層されて緩衝ブロック46の厚さにより二次電池の全体大きさが増加するおそれを防止できるという長所がある。
【0079】
図9Aは、緩衝キャップ30上に緩衝溝42が1つ形成され、その緩衝溝42内に弾性体である緩衝ブロック46が安着した形態を示しており、図9Bは、特に緩衝キャップ30の両端部側に緩衝溝42が形成され、その緩衝溝42内にゴム、接着剤又はゴム及び接着体形態の弾性体である緩衝ブロック46が形成されたことを示す。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池のケース及びこれを含む二次電池に関し、特に、ケース本体及び内部の電極組立体への外部衝撃の伝達率をより低下させるための二次電池ケース及びこれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種モバイル機器の普及が活発になるにつれ、その駆動電源として用いられる二次電池に対する研究が活発になされている。
【0003】
前記二次電池は大きく、ニッケル−カドミウム電池とニッケル−水素電池、ニッケル−亜鉛電池及びリチウム電池に分けられ、基本的に、正極と負極との間に分離膜が位置するゼリー/ロール状の電極組立体が角形や円形の電池ケース内部に封止された構造からなる。
【0004】
このような二次電池のケースの場合、基本的に、内部に電極組立体が収容されたケース本体の上端に電極端子を含むキャップ組立体が設置されている。
【0005】
そして、ケース本体の下端には別途の緩衝機能部材がないケースと別途の緩衝機能部材が設置された構造がそれぞれ知られている。
【0006】
しかしながら、別途の緩衝機能部材が備えられた構造であっても、これは単純に板材状からなる状態でラベルテープなどを通じてケース本体の下端面に付着形態で結合されることが精々である。従って、このような二次電池を地面に落としたとき、ケース本体の底面に加えられる衝撃が下端面全体に伝達されて内部の電極組立体にその影響を及ぼしてしまう。即ち、既存の緩衝機能部材ではケース下端面に加えられる衝撃が全体面積にわたって分散され難く、また、このような衝撃が繰り返して加えられる場合、二次電池自体に深刻な影響を及ぼし得るという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、基本的に緩衝キャップに補助緩衝部を具備させて外部衝撃が加えられたとき、緩衝効率が向上するようにすることによって、ケース本体及び内部の電極組立体の破損を防止できるようにすることにある。
【0008】
具体的には、緩衝キャップに加えられた衝撃が緩衝キャップ全体面積にわたって分散されず、外郭に誘導させることで、ケース本体及び破損を両端部に誘導させることによって、ケース本体及び内部の電極組立体の破損を防止して二次電池の安全性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を達成するための本発明は、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備える二次電池ケースを提供する。
【0010】
また、本発明において、前記補助緩衝部は前記緩衝キャップの底部と枠部との間に形成されて一定深さを有する1つ以上の緩衝溝状からなる。
【0011】
更に、本発明において、前記緩衝溝は互いに間隔を置いて複数形成される。
【0012】
また、本発明において、前記緩衝溝は同一面積を有することが好ましく、また、前記底部の中央部を中心に両側に対称に形成されることが好ましい。
【0013】
更に、本発明において、前記緩衝溝は前記ケース本体の両端部側に対向して備えられることができる。
【0014】
また、本発明において、前記各緩衝溝の間には緩衝溝間の連結リーブが形成され、緩衝キャップは枠部と前記各連結リーブがケース本体の底面の下部底面に密着した状態で設置される。
【0015】
更に、本発明において、前記緩衝キャップはポリカーボネートで形成され、前記緩衝溝には緩衝ブロックが埋設され得る。緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体を用いることが好ましい。
【0016】
また、前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上を用いる。
【0017】
更に、前記緩衝溝は前記緩衝キャップ厚さの50%以内で形成されることが好ましく、前記緩衝溝は0.1mm〜0.25mmの厚さを有することができる。
【0018】
また、本発明において、前記緩衝キャップの枠部には前記ケース本体の底面の枠部を覆いながら延びる1つ以上の連結突起を含む。
【0019】
前記連結突起は、前記緩衝キャップの枠部の長辺部にそれぞれ形成されることが好ましい。
【0020】
本発明の他の実施形態においては、内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部と前記枠部の長辺部から延びた1つ以上の連結突起からなる緩衝キャップを含み、前記緩衝キャップは上部面に備えられる別途の緩衝ブロックを含む。
【0021】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネート又はポリプロピレンのいずれか1つで形成されることができる。
【0022】
また、前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップの上部面上に積層形態で設置されることができる。
【0023】
更に、前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であって、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上を利用できる。
【0024】
本発明においては、前述したような二次電池ケース内に受容された電極組立体と、前記電極組立体と連結され、前記ケース本体の上端に結合されるキャップ組立体を含んでなる二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0025】
前記のような特徴的構成からなる本発明は、基本的に、緩衝キャップに補助緩衝部が追加で備えられることにより、外部衝撃が加えられたとき、基本的に緩衝効率が向上するという効果を奏する。
【0026】
具体的には、補助緩衝部が緩衝キャップ上に溝状で形成されて緩衝キャップとケース本体間の密着面積が減少するようになると同時に、衝撃が緩衝キャップ及びケース本体の外郭枠部に誘導されることによって、ケース本体に加えられる荷重が更に緩和され得るという長所がある。
【0027】
また、補助緩衝部材を軟質の板材状でも実現することにより、ケース本体への衝撃伝達を根本的に低下させることができるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝キャップの構造及びケース本体との結合構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝キャップがケース本体に結合されている状態の断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に関する図であって、補助緩衝部の緩衝溝の形成構造を示す緩衝キャップの平断面図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が緩衝キャップの上面中央を基準に左右に2つに分割形成された場合を示す平面図である。
【図3C】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が左右2つに分割形成されるものの、緩衝キャップの両端部に形成された場合を示す平面図である。
【図3D】本発明の第1実施形態に関する図であって、緩衝溝が1つに統合形成された場合を示す平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図であって、補助緩衝部が緩衝ブロックで実現された場合を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示す図であって、緩衝ブロックと緩衝キャップ及びケース本体間の結合状態を示す断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示す図であって、補助緩衝部が緩衝キャップ上に形成された緩衝溝と別途の板材状の緩衝ブロック形態で実現された場合を示す分解図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図であって、前記図6の結合状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示す図であって、緩衝溝内に緩衝ブロックが挿入された形態の断面図である。
【図9A】本発明の緩衝ブロックが挿入された緩衝キャップの拡大断面図である。
【図9B】本発明の他の形態の緩衝ブロックが挿入された緩衝キャップの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して本発明の各実施形態及びその他に当業者が本発明の内容を容易に理解するために必要な事項について詳細に記載する。ただし、本発明は請求の範囲に記載された範囲内で多様な形態で実現されることができるので、後述する実施形態は表現如何にかかわらず、例示的なものに過ぎない。
【0030】
本実施形態を説明するにおいて、関連する公知となった機能或いは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。そして、図面において同じ構成要素について、たとえ他の図面上に表示されていても、可能な限り同じ参照番号及び符号で示していることに留意しなければならない。なお、図面において各層の厚さや大きさは説明の便宜性及び明確性のために誇張されることができ、実際の層厚や大きさとは異なり得る。
【0031】
<第1実施形態>
本発明の二次電池ケースは、図1に示すように、大きくケース本体10とキャップ組立体20と緩衝キャップ30及び補助緩衝部40を含んで構成される。
【0032】
まず、前記ケース本体10は、二次電池の核心構造である電極組立体50の全体ケースであり、電極としての役割を果たすものであって、内部には電極組立体50が収容される収容空間12が形成され、上部は電極組立体の挿入のために開放され、底面が閉鎖された函体構造からなる。
【0033】
このようなケース本体10は、電池の種類によって、円筒や角形構造からなることができるが、本発明では角形構造のもので図示する。
【0034】
参考までに、ケース本体10の内部に設置される電極組立体50は二次電池において実質的な電流発生部の役割を果たす部分であり、正極集電体の表面に正極活物質層がコーティングされた正極板と負極集電体の表面に負極活物質層がコーティングされた負極板及び前記正極板及び負極板の間に位置して正極板と負極板を電気的に絶縁させるセパレータがゼリーロール状で巻き取られた構造からなる。
【0035】
前記電極組立体50は、ケース本体10の内部に挿入された状態でケース本体10と後述するキャップ組立体20の正極端子と連結される。
【0036】
本発明における電極組立体50及びキャップ組立体20は、公知となった構成をそのまま適用するので、更に具体的な説明及び図示は省略する。
【0037】
このように、電極組立体50とキャップ組立体20が設置されたケース本体10の下端には緩衝キャップ30が設置される。このような緩衝キャップ30は、ボトムケースと称されるが、本発明ではこれを二次電池ケースと区分するために、緩衝キャップ30と定義して説明する。
【0038】
前記緩衝キャップ30は、二次電池が地面などに落とされたとき、相対的に衝突が多く発生するケース本体10の下端部をカバーする保護部材としての役割を果たすものであって、ケース本体10の下端面の面積とほぼ同じ面積を有する単純な板材状からなり、図2に示すように、緩衝キャップ30の上部面がケース本体10の底面に密着した状態で位置する。
【0039】
このような緩衝キャップ30は、ポリカーボネート(PC、Polycarbonate)又はポリプロピレン(PP、Polypropylene)のような合成樹脂で製作される。もちろん、前記材料以外にも十分の緩衝力を発揮できる材質であれば、いずれも選択適用できる。
【0040】
前記緩衝キャップ30の前後枠部には連結突起32が突設されることによって、緩衝キャップ30がケース本体10に結合されたとき、各連結突起32がケース本体10の下端外部面を覆うようになる。前記連結突起32は、ケース本体10に結合される緩衝キャップ30の底部の下部底面から延びて形成される枠部34の長辺部側に沿って追加で延長して形成されることができる。
【0041】
そして、この状態で別途のラベルテープ(図示せず)でケース本体10の外部面と共に、各連結突起32を覆うことによって、緩衝キャップ30とケース本体10間の固定結合がなされるようになる。
【0042】
本発明においては、このような緩衝キャップ30に加えられる衝撃を外郭枠部に誘導して緩衝効率を向上させるための補助緩衝部40が更に備えられたことを特徴とするが、本実施形態で提案する補助緩衝部40は緩衝キャップ30上に溝状(以下、「緩衝溝42」という)で形成される。
【0043】
より具体的に説明すれば、前記緩衝溝42は緩衝キャップ30の上部面上に一定深さで陥没した形態で形成されるものの、緩衝キャップ30の上部面全体にわたって互いに間隔を置いて複数配置される。本発明においては、緩衝溝42の形成数よりは緩衝溝42の厚さを緩衝キャップ30厚さのどの範囲まで形成するかがより一層重要であると言える。本発明では、緩衝溝42の厚さを緩衝キャップ30厚さの50%以内で形成することが好ましい。仮りに、50%以内を超えて溝の厚さを形成する場合、緩衝キャップ30自体の強度に問題が発生し得る。また、0.1mm〜0.25mmの範囲内で形成することが好ましい。これは0.1mm以内の場合、本発明による衝撃緩和の効果が低減され、0.25mm以上の場合、緩衝キャップ30自体の強度に問題が発生し得るためである。
【0044】
このように、緩衝溝42が複数配置されることによって、各緩衝溝42の間には補強片形態のリーブ43が自然に形成され、図2に示すように、緩衝キャップ30がケース本体10に設置されたとき、緩衝キャップ30の上部枠部34と各リーブ43のみがケース本体10の下部面と接触する。
【0045】
即ち、緩衝キャップ30の上部面全体がケース本体10に密着する既存の構造に比べて、緩衝キャップ30とケース本体10間の接触面積が減少するようになり、これにより、緩衝キャップ30を通じた衝突荷重の伝達経路も枠部34と各リーブ43に限定される。
【0046】
このような緩衝溝42の形成構造は、図1及び図3Aの構造以外に図3Bのように、緩衝キャップ30の上部面中央を基準に2つが左右分割された形態で形成されることができ、図3Cのように、左右分割して形成させるものの、緩衝キャップ30の左右両端部近くにのみ形成されるようにすることもできる。特に、落下衝撃などにおいて荷重が特に両端部側に多く加えられるため、図3Cのように、緩衝溝42が両端部に形成されることが非常に効果的であり得る。また、前記緩衝溝42の面積は同一面積であり得、また、緩衝キャップ30の中央部を中心に両側が対称に形成されることが衝撃分散の観点から好ましい。
【0047】
もちろん、緩衝溝42を必ずしも複数形成させず、図3Dのように、1つに統合された形態で形成されることができ、これ以外にも緩衝溝の形成を通じて緩衝キャップ30とケース本体10間の接触面積が減少し得る構造であれば、いくらでも多様な形態に変形して実現されることができる。
【0048】
また、緩衝キャップ30はカーボネート(PC、Polycarbonate)又はポリプロピレン(PP、Polypropylene)のような合成樹脂で製作されることができるが、本実施形態のように、緩衝溝42を形成した場合、ポリプロピレンよりはポリカーボネートが強度の観点からより一層優れている。
【0049】
次に、前記構成による本実施形態の作用及びその過程で発生する特有の効果について説明する。
【0050】
図2に示すように、緩衝溝42が形成された構造の緩衝キャップ30がケース本体10に結合されている完成品の状態で失敗などにより落とされたり、外部衝撃がケース本体10の下端部に加えられれば、基本的に緩衝キャップ30で1次的な緩衝がなされるので、加えられた荷重は強度が低下した状態でケース本体10に伝達される。
【0051】
このとき、緩衝キャップ30に緩衝溝42が形成された状態であるため、緩衝キャップ30に最初に加えられた衝撃荷重は緩衝溝42を除いた地点、即ち、各リーブ43と枠部34全体に自然に誘導及び集中する。
【0052】
従って、緩衝キャップ30に最初に加えられた荷重は、各リーブ43と枠部34を通じてのみケース本体10に伝達される。
【0053】
これにより、各リーブ43を通じて伝達された荷重はケース本体10の底面に局部的に作用し、緩衝キャップ30の枠部34に誘導された荷重は、ケース本体10の底面枠部に作用する。
【0054】
このように、緩衝キャップ30に加えられた荷重が各リーブ43を通じてケース本体の底面に局部的に伝達されることによって、緩衝キャップ30とケース本体30の底面全体にわたって荷重が作用していた従来技術に比べて、ケース本体に加えられる衝撃が緩和される。
【0055】
また、電極組立体50がケース本体10に強制嵌合する形態で挿入されず、図2に示すように、電極組立体50の外周面とケース本体10の内面との間に空間が形成された状態で設置されるため、前記のように、緩衝キャップ30の枠部34に荷重が誘導されてケース本体10の底面枠部に伝達されることによって、ケース本体10の枠部に作用した荷重が内部の電極組立体50に直接的に伝達されなくなる。
【0056】
即ち、本実施形態では緩衝キャップ30に溝状の補助緩衝部40を具備させることで、緩衝キャップ30に加えられた荷重が特定地点に誘導及び集中した状態でケース本体に伝達されることによって、既存に比べて、ケース本体10及び電極組立体に加えられる荷重を緩和させることができるようにしたことに特徴がある。
【0057】
<第2実施形態>
図4及び図5は、本発明の第2実施形態を示す図であって、本実施形態では緩衝キャップ上に補助緩衝部を具備させる基本概念は前記第1実施形態と同一であるが、補助緩衝部40を緩衝溝状ではなく、別途の板材状で実現した点で差がある。
【0058】
具体的に説明すれば、本実施形態に適用される補助緩衝部40は、図4に示すように、単純な直六面体の板材(以下、「緩衝ブロック46」という)形状からなるが、従って、緩衝キャップ30は従来の構造のように、上部面が平らな構造で適用される。
【0059】
具体的に、前記緩衝ブロック46は緩衝キャップ30の上部面と同じ面積を有する板材状からなる。前記緩衝ブロック46は、緩衝キャップ30より弾性の良い弾性物質で形成することが好ましい。通常は、ゴムのような軟質材を用いて自らも十分な緩衝能力を有するようにする。
【0060】
このような緩衝ブロック46は、緩衝キャップ30の上部面上に積層形態で位置することによって、図5のように、緩衝キャップ30とケース本体10間の結合時に緩衝キャップ30の上部面とケース本体10の底面との間に位置する。
【0061】
このとき、緩衝ブロック46と緩衝キャップ30は、相互ボンディング接合などを通じて互いに固定結合された状態でケース本体10に結合されるようにすることもできる。
【0062】
また、本実施形態において、緩衝ブロック46は弾性体であって、ゴムのような軟質材が用いられるが、ゴムではない接着剤自体が緩衝ブロックとしての役割を果たすことも可能である。または、ゴムのような軟質材上に接着剤を塗布して二重の緩衝ブロックの形態を備えることも可能である。
【0063】
そして、ケース本体10の下部に外部衝撃が加えられれば、最初に荷重が作用する緩衝キャップ30で1次的に緩衝がなされるようになり、ケース本体10に伝達される前に緩衝ブロック46により2次緩衝がなされるようになる。
【0064】
従って、緩衝キャップ30から伝達される荷重は強度が十分に低下した状態でケース本体10に作用するので、ケース本体10及び内部の電極組立体50の破損率が低下せざるを得ない。
【0065】
参考までに、図示してはいないが、緩衝ブロック46を複数積層させて用いる場合、より高い緩衝効率を得ることができる。
【0066】
このように、補助緩衝部40を別途の緩衝ブロック46の形態で実現する場合、緩衝キャップ30上に直接緩衝溝を形成させなければならない第1実施形態とは異なり、緩衝キャップの設計変更が要求されないので、製作が簡便になり得るという長所がある。
【0067】
参考までに、本実施形態は緩衝ブロック46上に緩衝溝42を形成させることで、荷重が緩衝ブロック46を経る過程で前記第1実施形態のように緩衝溝による荷重分散効果を得るようにすることもできる。
【0068】
このとき、緩衝ブロック46に形成された緩衝溝42は、図示のように、貫通孔の形態で形成されることもできる。
【0069】
<第3実施形態>
図6と図7は、本発明の第3実施形態を示す図であって、本実施形態は前記第1実施形態と第2実施形態の構造を併合した構造を特徴とする。
【0070】
即ち、本実施形態における補助緩衝部40は、緩衝キャップ30の上部面上に形成される緩衝溝42及び緩衝キャップ30の上部面上に積層設置される緩衝ブロック46をいずれも含んで構成される。
【0071】
このとき、緩衝溝42の形成構造及び形成数は、前記第1実施形態で説明した各変形例を通じて適用されることができ、緩衝ブロック46の構造及び材質は、第2実施形態で説明した内容と同一に適用される。
【0072】
補助緩衝部40を前記構造で実現することによって、図7に示すように、緩衝キャップ30に最初に加えられた荷重が各緩衝溝42により各リーブ44と枠部34に誘導及び集中した状態で緩衝ブロック46に伝達され、緩衝ブロック46自体の緩衝構造により再び緩衝された状態でケース本体10に伝達される。
【0073】
即ち、緩衝溝42による緩衝力の向上効果と緩衝ブロック46による緩衝力の向上効果がいずれも作用するので、より高い緩衝効率を得ることができるようになる。
【0074】
<第4実施形態>
図8〜図9Bは、本発明の第4実施形態を示す図であって、本実施形態の基本構成は緩衝溝と緩衝ブロックを同時に適用した前記第3実施形態と同一であるが、緩衝ブロックの設置構造を変形したことを特徴とする。
【0075】
具体的に説明すれば、緩衝キャップ30の上部面上に緩衝溝42が形成され、緩衝ブロック46が緩衝溝42の内部に埋設された状態で設置される。
【0076】
このような構造により緩衝キャップ30に最初に加えられた衝撃は各リーブ43と枠部34に分散される過程で緩衝溝42の内部に位置する各緩衝ブロック46にも伝達されて緩衝ブロック46自体の緩衝力により強度が緩和される。
【0077】
即ち、緩衝キャップ30に加えられた荷重は緩衝ブロック46により強度が緩和された状態で各リーブ43と枠部34に誘導され、この状態でケース本体10に伝達されるため、第3実施形態とほぼ同じ緩衝効果を得ることができるようになる。
【0078】
このように、緩衝ブロック46が緩衝溝42内に埋設された構造で補助緩衝部40を実現することによって、第3実施形態のように、緩衝ブロック46が緩衝キャップ30上に積層されて緩衝ブロック46の厚さにより二次電池の全体大きさが増加するおそれを防止できるという長所がある。
【0079】
図9Aは、緩衝キャップ30上に緩衝溝42が1つ形成され、その緩衝溝42内に弾性体である緩衝ブロック46が安着した形態を示しており、図9Bは、特に緩衝キャップ30の両端部側に緩衝溝42が形成され、その緩衝溝42内にゴム、接着剤又はゴム及び接着体形態の弾性体である緩衝ブロック46が形成されたことを示す。
【0080】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能なのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び、
底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、
前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備えることを特徴とする二次電池ケース。
【請求項2】
前記補助緩衝部は、前記緩衝キャップの底部と枠部との間に形成されて一定深さを有する1つ以上の緩衝溝状からなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池ケース。
【請求項3】
前記緩衝溝は、互いに間隔を置いて複数形成されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項4】
前記緩衝溝は、同一面積を有することを特徴とする請求項3に記載の二次電池ケース。
【請求項5】
前記緩衝溝は、前記底部の中央部を中心に両側に対称に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項6】
前記緩衝溝は、前記ケース本体の両端部側に対向して備えられたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項7】
前記各緩衝溝の間には緩衝溝間の連結リーブが形成され、
緩衝キャップは枠部と前記各連結リーブがケース本体の底面の下部底面に密着した状態で設置されることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項8】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネートで形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項9】
前記緩衝溝には緩衝ブロックが埋設されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項10】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であることを特徴とする請求項9に記載の二次電池ケース。
【請求項11】
前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項10に記載の二次電池ケース。
【請求項12】
前記緩衝溝は、前記緩衝キャップ厚さの50%以内で形成されることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項13】
前記緩衝溝は、0.1mm〜0.25mmの厚さを有することを特徴とする請求項12に記載の二次電池ケース。
【請求項14】
前記緩衝キャップの枠部には前記ケース本体の底面の枠部を覆いながら延びる1つ以上の連結突起を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池ケース。
【請求項15】
前記連結突起は、前記緩衝キャップの枠部の長辺部にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項14に記載の二次電池ケース。
【請求項16】
内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び、
底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部と前記枠部の長辺部から延びた1つ以上の連結突起からなる緩衝キャップを含み、
前記緩衝キャップは上部面に備えられる別途の緩衝ブロックを含むことを特徴とする二次電池ケース。
【請求項17】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネート又はポリプロピレンのいずれか1つで形成されることを特徴とする請求項16に記載の二次電池ケース。
【請求項18】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップの上部面上に積層形態で設置されることを特徴とする請求項16に記載の二次電池ケース。
【請求項19】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であることを特徴とする請求項18に記載の二次電池ケース。
【請求項20】
前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の二次電池ケース。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の二次電池ケースと、
前記二次電池ケース内に受容された電極組立体と、
前記電極組立体と連結され、前記ケース本体の上端に結合されるキャップ組立体を含んでなることを特徴とする二次電池。
【請求項1】
内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び、
底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部からなる緩衝キャップを含んでなり、
前記緩衝キャップは底面に加えられる衝撃を分散して伝達する補助緩衝部を備えることを特徴とする二次電池ケース。
【請求項2】
前記補助緩衝部は、前記緩衝キャップの底部と枠部との間に形成されて一定深さを有する1つ以上の緩衝溝状からなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池ケース。
【請求項3】
前記緩衝溝は、互いに間隔を置いて複数形成されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項4】
前記緩衝溝は、同一面積を有することを特徴とする請求項3に記載の二次電池ケース。
【請求項5】
前記緩衝溝は、前記底部の中央部を中心に両側に対称に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項6】
前記緩衝溝は、前記ケース本体の両端部側に対向して備えられたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項7】
前記各緩衝溝の間には緩衝溝間の連結リーブが形成され、
緩衝キャップは枠部と前記各連結リーブがケース本体の底面の下部底面に密着した状態で設置されることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項8】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネートで形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項9】
前記緩衝溝には緩衝ブロックが埋設されたことを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項10】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であることを特徴とする請求項9に記載の二次電池ケース。
【請求項11】
前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項10に記載の二次電池ケース。
【請求項12】
前記緩衝溝は、前記緩衝キャップ厚さの50%以内で形成されることを特徴とする請求項2に記載の二次電池ケース。
【請求項13】
前記緩衝溝は、0.1mm〜0.25mmの厚さを有することを特徴とする請求項12に記載の二次電池ケース。
【請求項14】
前記緩衝キャップの枠部には前記ケース本体の底面の枠部を覆いながら延びる1つ以上の連結突起を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池ケース。
【請求項15】
前記連結突起は、前記緩衝キャップの枠部の長辺部にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項14に記載の二次電池ケース。
【請求項16】
内部に電極組立体を収容する空間部を備えたケース本体及び、
底部と前記底部の枠部から延びて前記ケース本体の底面の下部底面と連結される枠部と前記枠部の長辺部から延びた1つ以上の連結突起からなる緩衝キャップを含み、
前記緩衝キャップは上部面に備えられる別途の緩衝ブロックを含むことを特徴とする二次電池ケース。
【請求項17】
前記緩衝キャップは、ポリカーボネート又はポリプロピレンのいずれか1つで形成されることを特徴とする請求項16に記載の二次電池ケース。
【請求項18】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップの上部面上に積層形態で設置されることを特徴とする請求項16に記載の二次電池ケース。
【請求項19】
前記緩衝ブロックは、前記緩衝キャップより弾性が高い弾性体であることを特徴とする請求項18に記載の二次電池ケース。
【請求項20】
前記弾性体は、ゴム又は接着剤のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項19に記載の二次電池ケース。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の二次電池ケースと、
前記二次電池ケース内に受容された電極組立体と、
前記電極組立体と連結され、前記ケース本体の上端に結合されるキャップ組立体を含んでなることを特徴とする二次電池。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2012−23009(P2012−23009A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249743(P2010−249743)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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