説明

二次電池又はキャパシタ用の集電体

【課題】貫通孔からの活物質の脱落を抑制しつつ、活物質との接触面積の確保を可能とする集電体を提供する。
【解決手段】集電体101は、複数の貫通孔10が形成された板状の本体1からなり、貫通孔10は、第一開口部10a1と、本体1における第一開口部10a1を有する側の上面1aと反対側の下面1bに形成され且つ第一開口部10a1より開口面積が小さい第二開口部10a2と、第一開口部10a1に隣接し且つ第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心方向に傾斜した第一孔壁面10b1と、第二開口部10a2に隣接し且つ第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心方向に傾斜した第二孔壁面10b2とを有する。第一孔壁面10b1と貫通孔10の中心軸Lとがなす第一角度αが、第二孔壁面10b2と中心軸Lとがなす第二角度βより小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池又はキャパシタ用の集電体に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池やキャパシタでは、メッシュ状のシートになった集電体に活物質を担持させて形成した電極が使用されるものがある。
例えば、特許文献1には、アルカリ二次電池用の正極集電体にメッシュ状のシートを用いた発明が記載されている。この正極集電体は、金属によって薄板状に形成され、薄板の片面には活物質粒子を収容する多数の孔を突出させるようにして開口させている。孔は、正六角形の断面形状を有し、孔の断面積は、薄板側の開口で最も広くその反対側の孔の奥に行くにしたがって小さくなっている。そして、正極集電体に対して、孔の突出方向と反対側の薄板の表面及び孔の中に正極活物質を担持させることによって、正極(電極)が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−222653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される正極集電体の孔は、薄板から離れるにしたがって先細になるテーパ状の形状を有し、薄板から最も離れた孔の先端での開口面積が最も小さくなっているため、この先端の開口からの活物質の脱落を抑制することができる。しかしながら、例えば特許文献1の正極集電体の孔と同等の深さ及び先端の開口面積を有する直管状の孔を薄板に形成した場合の集電体と比べると、集電体に担持させた活物質と集電体との接触面積は、特許文献1の正極集電体の方が大幅に小さくなっており、そのため、集電体の集電力も大幅に低くなってしまうという問題がある。
【0005】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、孔からの活物質の脱落を抑制しつつ、活物質との接触面積を確保することを可能にする二次電池又はキャパシタ用の集電体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る集電体は、二次電池又はキャパシタ用の集電体において、複数の貫通孔が形成された板状部材であり、貫通孔は、第一開口部と、板状部材における第一開口部を有する側と反対面に形成され且つ第一開口部より開口面積が小さい第二開口部と、第一開口部に隣接し且つ第一開口部から第二開口部に向かって貫通孔の中心方向に傾斜した第一孔壁面と、第二開口部に隣接し且つ第一開口部から第二開口部に向かって貫通孔の中心方向に傾斜した第二孔壁面とを有し、第一孔壁面及び第二孔壁面は、円錐面の一部を形成し、第一孔壁面と貫通孔の軸とがなす第一角度が、第二孔壁面と貫通孔の軸とがなす第二角度より小さい。
【0007】
貫通孔での第一孔壁面の深さが、貫通孔での第二孔壁面の深さの2倍以上4倍以下の範囲であってもよい。
貫通孔の軸に対する第二孔壁面の傾斜角が、貫通孔の軸に対する第一孔壁面の傾斜角より30°以上大きくなってもよい。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る集電体によれば、貫通孔からの活物質の脱落を抑制しつつ、活物質との接触面積を確保することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る集電体及び集電体に電極物質を担持した電極の構成を示す模式断面側面図である。
【図2】図1の電極物質を担持した集電体を斜め下方から見た斜視図である。
【図3】図1の集電体を使用した二次電池の一例を示す模式図である。
【図4】実施の形態に係る集電体の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、この発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
実施の形態
この発明の実施の形態に係る集電体101及び集電体101に電極物質を担持して形成される電極100の構成を説明する。なお、本実施の形態では、集電体101及び電極100は、リチウムイオン二次電池に使用するものについて説明する。
【0011】
図1の状態(1A)を参照すると、集電体101の貫通孔10の中心軸Lを通る断面側面図が示されている。
集電体101は、例えば銅、アルミニウム等の金属からなる箔状又は薄板状の板状部材である本体1によって構成されている。
本体1には、その平坦な上面1aから、上面1aと反対側の反対面である下面1bに向かって、本体1を貫通する貫通孔10が複数形成されており、本体1は、多孔質状の部材を形成している。
貫通孔10は、上面1aの円形をした第一開口部10a1と、下面1bの円形をした第二開口部10a2との両端で開口している(図2参照)。さらに、第一開口部10a1の直径つまり開口面積は、第二開口部10a2より大きくなっている。
【0012】
また、貫通孔10は、その内壁面が、互いに連続し且つ円錐台状をした(つまり円錐面の一部を形成する)第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2によって構成されている。そして、貫通孔10は、第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かう方向に沿って、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2の中心軸を構成する中心軸Lを有している。
第一孔壁面10b1は、第一開口部10a1に隣接し、第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心軸Lに垂直な方向の断面積を減少させるようにして延びている。第二孔壁面10b2は、第一孔壁面10b1及び第二開口部10a2に隣接し、第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心軸Lに垂直な方向の断面積を減少させるようにして延びている。
【0013】
そして、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2はそれぞれ、貫通孔10の中心軸Lに対して、第二開口部10a2から第一開口部10a1に向かって外側に拡がるように傾斜する第一傾斜角α及び第二傾斜角βを形成している。さらに、第一孔壁面10b1の第一傾斜角αは、第二孔壁面10b2の第二傾斜角βより小さくなっている。具体的には、第一傾斜角αは、10°以上45°未満の範囲の値をとり、第二傾斜角βは、45°以上80°以下の範囲の値をとる。さらに、その理由は後述するが、第二傾斜角βは、第一傾斜角αより30°以上大きい角度であることが好ましく、75°前後の値であることがより好ましい。また、第一傾斜角αは、10°近傍であることが好ましい。
ここで、第一傾斜角αは第一角度を構成し、第二傾斜角βは第二角度を構成している。
なお、本実施の形態では、第一傾斜角αを10°とし、第二傾斜角βを75°としている。
【0014】
また、第一孔壁面10b1は、貫通孔10において中心軸Lに沿った深さd1にわたり形成され、第二孔壁面10b2は、貫通孔10において中心軸Lに沿った深さd2にわたり形成されている。第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2の合計面積を大きくするために、深さd1は深さd2より大きくなるように設定され、さらに、その理由は後述するが、深さd1は、深さd2の2倍以上4倍以下であること、つまりd1:d2が2:1以上4:1以下であることが好ましい。なお、本実施の形態では、d1:d2=4:1としている。
そして、上述のようにして構成された集電体101は、斜め下方からみると図2の集電体101に示すようになる。
【0015】
また、図1に戻り、集電体101を製造する場合、エッチング、打ち抜き等の方法を利用して板状の本体1に貫通孔10を形成することによって行うことができる。
エッチングによる製造では、上面1a側より本体1に対してエッチングを行う。まず、貫通孔10の第一孔壁面10b1部分の直径及び傾斜で穿孔するエッチング速度でエッチングを行い、深さd1まで穿孔するとエッチング速度を大幅に低下させ、第二孔壁面10b2部分の直径及び傾斜で穿孔するエッチング速度でエッチングを行い穿孔する。
また、打ち抜きによる製造では、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2からなる孔の形状をした外形をもつ孔開け工具を使用し、パンチング機によって穿孔する。
【0016】
また、製造された集電体101は、リチウムイオン二次電池の電極として使用するために、リチウムイオンを含むことができる活物質としての電極物質が担持される。
具体的には、図1の状態(1B)を参照すると、スラリー状の電極物質20が、集電体101の本体1の上面1a全体に貫通孔10も含め塗布される。さらに、アプリケータ30が、塗布された電極物質20の物質上面20aの上から、電極物質20を本体1に向かって押し付けるように圧力を付与しつつ移動する。これによって、電極物質20が貫通孔10内に流入させられて内部を充填し、さらに、押し付けられることで電極物質20の密度が増大すると共に本体1との密着度が高まる。そして、アプリケータ30による処理後、電極物質20を乾燥・固化させることによって電極100が形成され、電極100は斜め下方からみると図2に示すようになる。つまり、集電体101の片面の上面1aに電極物質20の層が形成され、集電体101の反対側の面の下面1bには、複数の第二開口部10a2が開口し、第二開口部10a2には充填された電極物質20が見えるようになっている。
【0017】
このとき、図1に戻ると、第一孔壁面10b1が中心軸Lに対して傾斜しているため、第一開口部10a1の周辺に生じやすい電極物質20の塗り残しによる空隙の発生が抑えられ、第一孔壁面10b1全体に電極物質20が塗布されている。
また、第二孔壁面10b2が中心軸Lに対して傾斜しているため、第二開口部10a2の周辺に生じやすい電極物質20の塗り残しによる空隙の発生が抑えられ、第二孔壁面10b2全体に電極物質20が塗布されている。なお、第二孔壁面10b2の第二傾斜角βが45°以上80°以下の範囲にある場合、電極物質20は塗り残しが効果的に抑えられて第二孔壁面10b2全体にわたって塗布されることが、実験により明らかになっている。
【0018】
また、第二傾斜角βが45°以上80°以下(本実施の形態では75°)という大きな角度で傾斜した第二孔壁面10b2は、アプリケータ30によって付与される圧力を支持することができるため、電極物質20は、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2に押し付けられて密着することができ、それにより第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2での塗り残しの発生を抑えることが可能になる。さらに、貫通孔10の中心軸Lに垂直な方向の断面積が第二開口部10a2の近傍で急激に減少しているため、第二開口部10a2からの電極物質20の脱落・液だれも抑制されている。
【0019】
また、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2は、第二孔壁面10b2の傾斜が第一孔壁面10b1より急となっているため、全体では下面1bへの斜め下方に向かってその途中で屈折するような断面形状を形成し、さらに第一孔壁面10b1と第二孔壁面10b2との接続部は鈍角をなす断面形状を形成している。このため、第一孔壁面10b1と第二孔壁面10b2との接続部での電極物質20の塗り残しによる空隙の発生が抑えられる。
【0020】
ここで、第二開口部10a2から上面1aに向かって一定の傾斜角βの孔壁面を有する一定傾斜貫通孔10vと、貫通孔10とを比較する。一定傾斜貫通孔10vは、第二孔壁面10b2と同じ傾斜角βで第二孔壁面10b2から上面1aに向かって延びる第三孔壁面10v1と、第二孔壁面10b2とから、孔壁面が構成されている。また、上面1a及び第三孔壁面10v1の交差部10v2と第一開口部10a1との間の上面領域を接触上面10b3とする。
【0021】
このとき、本実施の形態の集電体101では、交差部10v2から第二開口部10a2までの間で、接触上面10b3、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2で電極物質20と接触している。一方、一定傾斜貫通孔10vを有する場合、集電体は、交差部10v2から第二開口部10a2までの間で、第三孔壁面10v1及び第二孔壁面10b2で電極物質20と接触する。このとき、本実施の形態の集電体101の方が電極物質20との接触面積が大幅に大きくなっていることがわかる。
よって、単一の一定傾斜角度で孔壁面が形成された貫通孔の場合と比較すると、傾斜角度を途中で変化させて孔壁面を形成した貫通孔10の場合の方が、集電体と電極物質20との接触面積を増大させることができる。
【0022】
また、集電体101の貫通孔10のように、中心軸Lに対する傾斜角が第一孔壁面10b1より第二孔壁面10b2の方が大きい場合、貫通孔10における第一孔壁面10b1の深さd1が、第二孔壁面10b2の深さd2に対して大きくなる方が、集電体101と電極物質20との接触面積を効果的に増大させることができる。そして、深さd1:深さd2が2:1以上4:1以下となるように深さを設定した場合、集電体101と電極物質20との接触面積は、一定傾斜貫通孔10vを有する集電体より大幅に増大しており、集電体101の集電力も大きく向上することが、実験により明らかになっている。
【0023】
さらに、第二孔壁面10b2の第二傾斜角βを第一孔壁面10b1の第一傾斜角αより30°以上大きい角度とすることによっても、集電体101と電極物質20との接触面積を効果的に増大させることができ、集電体101の集電力が大きく向上することが、実験により明らかになっている。
特に、本実施の形態の集電体101の場合、第二開口部10a2で開口する直管状の貫通孔を有する集電体と同等の集電力を得ることができる。
従って、上述のようにして集電体101を形成することによって、貫通孔10の孔壁面全体に電極物質20を塗布することができると共に、十分な集電力を確保することができる。
【0024】
また、集電体101に電極物質20を塗布して形成された電極100は、図3に1つの例として示すように、リチウムイオン二次電池50に使用される。
図3を参照すると、状態(3A)は、リチウムイオン二次電池50の製造工程の途中の段階の状態を示し、電極100を積層して組み付け、リチウムイオンを負極にドープさせる段階のリチウムイオン二次電池50を示している。状態(3B)は、リチウムイオンのドープ後つまり出荷段階のリチウムイオン二次電池50を示している。
【0025】
状態(3A)を参照すると、リチウムイオン二次電池50では、電極100を積層して組立体50aが形成されている。組立体50aでは、負極用の電極物質20nが集電体101の片面に担持された負極電極100bが、積層された電極の両端に配置され、両端の負極電極100bそれぞれの内側には、正極用の電極物質20pが集電体101の片面に担持された正極電極100aが設けられている。さらに、正極電極100a同士の間には、集電体101の両面に負極用の電極物質20nが担持された負極電極100cが設けられている。そして、負極電極100b及び100cと正極電極100aとの間には、内部にセパレータ200aを含む電解質層200が形成されている。なお、セパレータ200aは、正極電極100aと負極電極100b及び100cとが直接接触することを防ぐためのものである。また、両端の負極電極100bの外側の表面には、リチウムを含むスラリーが塗布されてリチウム層300が形成されている。
【0026】
そして、負極電極100b及び100cに直流電源60の正極が接続され、リチウム層300に直流電源60の負極が接続される。直流電源60によって組立体50aに電流が流されると、リチウム層300のリチウム元素がリチウムイオン(Li)となり、負極電極100bの電極物質20nに流入して一部が捕捉される。さらに、捕捉されなかったその他のリチウムイオンは、負極電極100bの集電体101の貫通孔10(図1参照)、電解質層200、正極電極100a、及び電解質層200を順次通過して、負極電極100cの電極物質20nに流入して捕捉される。これによって、負極電極100b及び100cのそれぞれの電極物質20nには、リチウム元素がドープされる。
【0027】
さらに、状態(3B)を参照すると、リチウム元素のドープ後のリチウムイオン二次電池50の組立体50aは、直流電源60が外され、電池外部に電流を取り出すために、正極電極100aの各集電体101に正極タブ50pが接続され、負極電極100b及び100cの各集電体101に負極タブ50nが接続される。そして、リチウムイオン二次電池50は、正極タブ50p及び負極タブ50nを電気機器Eの図示しない端子等に接続させて使用され、リチウムイオンの電極間の移動を利用して、電気機器Eへの電流の供給及び電気機器Eからの電気の蓄電を行う。
【0028】
上述のように、この発明の実施の形態に係る集電体101は、複数の貫通孔10が形成された板状の本体1からなり、貫通孔10は、第一開口部10a1と、本体1における第一開口部10a1を有する側の上面1aと反対側の下面1bに形成され且つ第一開口部10a1より開口面積が小さい第二開口部10a2と、第一開口部10a1に隣接し且つ第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心方向に傾斜した第一孔壁面10b1と、第二開口部10a2に隣接し且つ第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かって貫通孔10の中心方向に傾斜した第二孔壁面10b2とを有する。第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2は、円錐面の一部を形成し、第一孔壁面10b1と貫通孔10の中心軸Lとがなす第一角度αが、第二孔壁面10b2と中心軸Lとがなす第二角度βより小さい。
【0029】
これによって、貫通孔10の第一開口部10a1から第二開口部10a2に向かう方向の中心軸Lに対する傾斜が、第一孔壁面10b1より第二孔壁面10b2の方が大きくなっている。このため、第一開口部10a1から貫通孔10に電極物質20を充填する場合、第二開口部10a2からの脱落・液だれを抑制することができる。また、本体1に電極物質20を塗布する場合に、第一開口部10a1側から電極物質20を塗布し圧力を加える際、中心軸Lに対する傾斜が大きい第二孔壁面10b2が圧力を支持することができるため、第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2全体に対して電極物質20が押し付けられることができ、電極物質20の塗り残しを防ぐと共に電極物質20を第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2に密着させることが可能になる。また、本体1は、単一の一定傾斜で形成された孔壁面からなる貫通孔を有する場合より、傾斜が異なる第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2からなる貫通孔10を有することによって、本体1と電極物質20との接触面積を増大させ集電率を向上させることができる。
【0030】
また、実施の形態に係る集電体101の貫通孔10は、中心軸Lに垂直な方向の断面形状が円形の第一孔壁面10b1及び第二孔壁面10b2を有していたがこれに限定されるものでない。図4の集電体201の貫通孔210のように、矩形状の断面形状をした第一孔壁面210b1及び第二孔壁面210b2を有し、矩形状の第一開口部210a1及び第二開口部210a2で開口していてもよい。又は、貫通孔は、矩形以外の多角形若しくは楕円形状の断面形状を有していてもよい。
また、実施の形態に係る集電体101,201では、貫通孔10,210は傾斜が異なる2つの孔壁面、第一孔壁面10b1,210b1及び第二孔壁面10b2,210b2を有していたがこれに限定されるものでなく、3つ以上の傾斜が異なる孔壁面を有していてもよい。
【0031】
また、実施の形態では、集電体101,201に電極物質20を担持させた電極100は、リチウムイオン二次電池の電極に使用されていたがこれに限定されるものでなく、他の二次電池の電極又はキャパシタ用の電極に使用されてもよい。
また、実施の形態の集電体101,201では、貫通孔10,210は本体1の内部に形成されていたがこれに限定されるものでなく、本体1から突出するように形成されてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 本体(板状部材)、10 貫通孔、10a1 第一開口部、10a2 第二開口部、10b1 第一孔壁面、10b2 第二孔壁面、101,201 集電体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池又はキャパシタ用の集電体において、
前記集電体は、複数の貫通孔が形成された板状部材であり、
前記貫通孔は、
第一開口部と、
前記板状部材における前記第一開口部を有する側と反対面に形成され且つ前記第一開口部より開口面積が小さい第二開口部と、
前記第一開口部に隣接し且つ前記第一開口部から前記第二開口部に向かって前記貫通孔の中心方向に傾斜した第一孔壁面と、
前記第二開口部に隣接し且つ前記第一開口部から前記第二開口部に向かって前記貫通孔の中心方向に傾斜した第二孔壁面とを有し、
前記第一孔壁面及び前記第二孔壁面は、円錐面の一部を形成し、
前記第一孔壁面と前記貫通孔の軸とがなす第一角度が、前記第二孔壁面と前記貫通孔の軸とがなす第二角度より小さい集電体。
【請求項2】
前記貫通孔での前記第一孔壁面の深さが、前記貫通孔での前記第二孔壁面の深さの2倍以上4倍以下の範囲である請求項1に記載の集電体。
【請求項3】
前記貫通孔の軸に対する前記第二孔壁面の傾斜角が、前記貫通孔の軸に対する前記第一孔壁面の傾斜角より30°以上大きい請求項1または2に記載の集電体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−69632(P2013−69632A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209093(P2011−209093)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】