説明

二段式駐車装置

【課題】入、出庫時のパレットの傾斜角を緩やかで車輌の運転操作が容易な二段式駐車装置の提供。
【解決手段】上下段のパレットを前後の連結材により連結し、上段パレット5の中間部と地下ピット内床部とに連結された伸縮式駆動装置15を伸張させることで、上段パレットの前端側を上昇させると共に下段パレット4の前端側を上昇させる二段式駐車装置で、地下ピット2内の後部に上下方向のガイド溝6を備えた支柱7が横方向に間隔をおいて立設され、下段パレット4の後端部にガイドローラー13が設けられ、ガイドローラー13は支柱のガイド溝に昇降可能に嵌合されて、下段パレット4の後部はガイドローラーと共に昇降可能に設けられ、上段パレット5の後端部は、支柱7の上部又は支柱の上部に渡って設置された支持部材に設けたブラケットに、横軸10により回動可能に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下段の駐車台(パレット)に車両を駐車可能にする二段式駐車装置に関し、特に傾斜角度を調整可能にした二段式駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二段式駐車装置としては、ピット内の後端部の下部に、上下二段式パレットの後端部の下部を横軸により上下回動可能に連結すると共に駐車パレットを屈折可能にした形態の二段式駐車装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、パレットが屈折しない形態の2段式駐車装置として、図8〜図9に示すような形態の二段式駐車装置40が設計されたこともあった。図示の形態では、鉄筋コンクリート製地下ピット41は乗り込み側(前側)を後側より深くし、下段パレット4を前傾斜にして、地下ピット内の車輌23は、前傾斜に格納する形態とされている。そして、地下ピット41内の後端下部に固定の支持部28,29に下部横軸30,31を設け、下段パレット4の後部に設けた短尺アーム32及び上段パレット5の後部に設けた長尺アーム33を、前記下部横軸30,31により連結して、液圧ジャッキ等の伸縮式駆動装置15により、上下段のパレット5,4を、前記横軸30,31を中心として、ワーヤーロープからなる連結材36により連結させて、回動するようにした二段式駐車装置40である。
図8及び図9に示す二段式駐車装置40の場合には、入・出庫時における下段パレット4及び上段パレット5の傾斜角(縦断勾配)θa1,θa2が約10°と大きいものであった。
なお、下段なら下段パレット4の車輌23の所有者、上段なら上段パレット5の車輌の所有者が入、出庫したままの状態を二段式駐車装置の最終状態としている為、上段パレット5、下段パレット4ともパレット両サイドに安全のため手摺34を設ける必要が有り、この手摺34が邪魔をして、横方向の隙間δが大きくとれず、車のドアを大きく開けることが出来ず、車の乗り降りが不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−42392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の二段式駐車装置の場合は、地下ピット41内の車輌23は、前傾斜に格納されており、この地下ピット41内の車輌23を入、出庫させようとする時、下段パレット後端下部の下部横軸30が固定されているため、前記下部横軸30を中心として、下段パレット4の先端部を乗り入れ面35に合わせて回動(スイング)させた場合に、図8中の入、出庫時の下段パレット4又は上段パレット5と水平面とのなす角度である下段パレット傾斜角θa1及び上段パレット傾斜角θa2が約10°と大きくなっていた。このような傾斜角の縦断勾配となる上下段パレットであるため、車輌23の運転手が恐怖感を抱いたり、異常なアクセル操作など運転操作も難しかった。
そのため、前記のような傾斜角の縦断勾配となるパレットよりも、より傾斜角が緩やかになる二段式駐車装置が求められていた。
本発明は、入、出庫時のパレットの傾斜角を緩やかにでき、従来の二段式駐車装置の場合より、入出庫時の車輌の運転操作が容易になる二段式駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の二段式駐車装置においては、地下ピット内に下段パレットを備えていると共にそのパレットに間隔をおいて地上側の上段パレットを前後の連結材により連結し、上段パレットの中間部と地下ピット内床部とに連結された伸縮式駆動装置を伸張させることで、上段パレットを回動してその上段パレットの前端側を上昇させると共に下段パレットの前端側を上昇させるようにした二段式駐車装置であって、ピット内の後部に上下方向のガイド溝を備えた支柱が横方向に間隔をおいて立設され、下段パレットの後端部にガイドローラーが設けられ、そのガイドローラーは前記支柱のガイド溝に昇降可能に嵌合されて、前記下段パレットの後部は前記ガイドローラーと共に昇降可能に設けられ、上段パレットの後端部は、前記支柱の上部又は前記支柱の上部に渡って設置された支持部材に設けたブラケットに、横軸により回動可能に連結されていることを特徴とする。
第2発明では、第1発明の二段式駐車装置において、下段パレットの後端部に横方向に間隔をおいてガイドローラーが設けられ、各ガイドローラーは、それぞれ横方向に間隔をおいた支柱の上下方向のガイド溝に昇降可能に嵌合されていることを特徴とする。
第3発明では、第1発明又は第2発明の二段式駐車装置において、前記支柱は横断面H形の鋼材であることを特徴とするの。
第4発明では、第1発明〜第3発明のいずれかの二段式駐車装置において、地下ピットの床部は、出口側の前部側が、後部側より深くなるように傾斜した床部とされていることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第4発明のいずれかの二段式駐車装置において、前記連結材は、鋼製ワイヤーロープ等の条体又は鋼製ロッドからなり、連結材の両端部は、横軸により連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
第1発明によると、地下ピット内に下段パレットを備えていると共にそのパレットに間隔をおいて地上側の上段パレットを前後の連結材により連結し、上段パレットの中間部と地下ピット内床部とに連結された伸縮式駆動装置を伸張させることで、上段パレットを回動してその上段パレットの前端側を上昇させると共に下段パレットの前端側を上昇させるようにした二段式駐車装置であって、地下ピット内の後部に上下方向のガイド溝を備えた支柱が横方向に間隔をおいて立設され、下段パレットの後端部にガイドローラーが設けられ、そのガイドローラーは前記支柱のガイド溝に昇降可能に嵌合されて、前記下段パレットの後部は前記ガイドローラーと共に昇降可能に設けられ、上段パレットの後端部は、前記支柱の上部又は前記支柱の上部に渡って設置された支持部材に設けたブラケットに、横軸により回動可能に連結されているので、従来の場合に比べて、上段パレット及び下段パレットの傾斜角を小さくすることができ、その分、車輌の運転手が恐怖感を抱いたり、異常なアクセル操作など運転操作をする恐れを無くすことができる等の効果が得られる。
また、下段パレットの後部が上昇できるため、その分、地盤を掘削して地下ピットを形成する場合の地盤掘削量を、従来の場合に比べて少なくすることができる等の効果が得られる。
第2発明によると、下段パレットの後端部に横方向に間隔をおいてガイドローラーが設けられ、各ガイドローラーは、それぞれ横方向に間隔をおいた支柱の上下方向のガイド溝に昇降可能に嵌合されているので、簡単な構造で下段パレットの後部側を上昇させて、下段パレットの水平面に対する傾斜角を小さくすることができる等の効果が得られる。
第3発明によると、前記支柱は横断面H形の鋼材であるので、簡単な構造で、ガイドローラーをガイドするガイド溝を有する支柱とすることができ、安価なガイド溝付きの支柱とすることができる等の効果が得られる。
第4発明によると、地下ピットの床部は、出口側の前部側が、後部側より深くなるように傾斜した床部とされているので、地盤掘削量の少ない地下ピット形式の二段式駐車装置とすることができる等の効果が得られる。
第5発明によると、連結材は、鋼製ワイヤーロープ等の条体又は鋼製ロッドからなり、連結材の両端部は、横軸により連結されているので、簡単な構造で下段パレットを連結して吊り上げ可能な構造とすることができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の二段式駐車装置を示すものであって、下段パレットがピット内の底部に収納されて、上段パレット側で入出庫する場合の状態を示す一部縦断側面図である。
【図2】本発明の二段式駐車装置を示すものであって、下段パレットが上昇すると共に回動されて、下段パレット側で入出庫する場合の状態を示す一部縦断側面図である。
【図3】図1のa矢視図である。
【図4】図1のb矢視図である。
【図5】図1のc矢視図である。
【図6】図1のd矢視図である。
【図7】図1のe矢視図である。
【図8】従来の二段式駐車装置を示す縦断側面図である。
【図9】図8に示す従来の二段式駐車装置における隣り合う上段パレット付近を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1〜図7は、本発明の二段式駐車装置1の一実施形態を示すものであって、地盤3が掘削されて、横方向(左右方向)に連続する鉄筋コンクリート製の地下ピット2が設けられ、地下ピット2内に下段パレット4を横方向に間隔をおいて備えていると共に、各下段パレット4の直上において地上部分にそれぞれ上段パレット5を備えている。本発明の二段式駐車装置1では、地盤3の掘削量を減らすため、地下ピット2の後部側のピット深さdを、図8に示す従来の二段式駐車装置40の地下ピット41の後部側のピット深さDより、例えばガイドローラー13が上昇移動する移動量の1/2〜1/3程度浅くされている。
【0010】
地下ピット2は、乗り込み側(前部側)を後部側より若干深くされている。地下ピット2の後部側には、横方向に間隔をおいて、上下方向のガイド溝6を備えた支柱7が横方向に間隔をおいて立設されている。前記支柱7は、H形鋼等の横断面H形の鋼材が用いられ、その支柱7の下端部に溶接等により固着されたベースプレートを備え、そのベースプレートは地下ピット2の底部にアンカー材(図示を省略した)により固定されている。各支柱7は、一対のフランジとウェブとにより形成された溝が横方向に間隔をおいて対向するように設置されている(図7参照)。
横方向に間隔をおいた各支柱7の上端部には、H形鋼の梁からなる支持部材8が溶接等より各支柱7に固定され、その支持部材8には、地下ピット2の前部側に向かって張り出す1組の上部ブラケット9が、左右方向に間隔をおいて多数設けられ、その各上部ブラケット9には、横ピン等からなる横軸10が設けられている(図1〜3参照)。
【0011】
横方向に間隔をおいた1組の支柱7間に、鋼製の下段パレット4が配置されて、下段パレット4の後部の巾方向両側には、下部ブラケット12が固定され、その各下部ブラケット12にガイドローラー13が設けられ、その各ガイドローラー13は、それぞれ支柱7の上下方向のガイド溝6に沿ってガイドされて上下方向に転動して昇降可能に嵌合されている。
前記ガイドローラー13は、例えば、フランジを備えていないガイドローラーとしてもよいが、フランジ付きガイドローラーとする方が、下段パレット4の横ぶれ防止を図れるから望ましい。
【0012】
前記の横方向に間隔をおいた上部ブラケット9には、下段パレット4に間隔をおいて上位に配置された上段パレット5の巾方向の両側の各後部アーム11がそれぞれ横軸10により連結され、上段パレット5の前部の左右両側と地下ピット2の床上に横方向に間隔をおいて固定された各ベース部材14とは、液圧(油圧)式等の伸縮式駆動装置15が連結されている。伸縮式駆動装置15の上端部は、後記の前部連結材16の上端部の連結部付近で、上段パレット5に連結されている。
また、上段パレット5の前部の左右両側と、下段パレット4の前部の左右両側とは、それぞれ、鋼製ワーヤーロープ等の条体或は鋼製の連結ロッドからなる前部連結材16及び横軸により回動可能に連結されている。
また、上段パレット5の後部の左右両側と、下段パレット4の後部の左右両側とは、それぞれ、鋼製ワーヤーロープ等の条体或は鋼製の連結ロッドからなる後部連結材17及び横軸により回動可能に連結されている。
【0013】
各後部連結材17は、各前部連結材16よりも長くされ、後部連結材17と前部連結材16とは、上部に向かって接近するように傾斜した状態で配置されている。
下段パレット4の後部の両側部と、上段パレット5の後部の両側部とを、適切な位置(伸縮式駆動装置15よりも後部側の位置)において、各後部連結材17にて連結し、上段パレット5の回動に従って下段パレット4の後方のガイドローラ13とガイド溝6に沿って下段パレット4の後部を昇降自在としている。
したがって、前記伸縮式駆動装置15を伸縮させることで、上段パレット5を、上部横軸10を中心として回動上昇又は回動下降させることができる。また、その上段パレット5に連結材16,17により連結されている下段パレット4の後端部は、上段パレット5の上昇に伴って、支柱7のガイド溝6に沿ってガイドされて昇降するガイドローラー13と共に上昇させることができる。また、伸縮式駆動装置15を伸縮することで、連結材16,17により連結されている下段パレット4は、前記ガイドローラー13の横中心軸線を中心として回動上昇又は回動下降可能にされている。
【0014】
前記各連結材16,17は、鋼製ワイヤーロープ等の条体又は鋼製ロッドからなり、連結材の両端部は、横軸により連結されている。各連結材16,17は、引張力により下段パレット4を引き上げるようにしたテンション形式の連結材とされている。また、連結材16,17を連結ロッドとすることで、上段パレット5と下段パレット4との連結が確実になり、また、ワイヤーロープに比べて、ロッドを用いているので、剛性が高く、下段パレット4と上段パレット5と各連結ロッドからなる連結材16,17とによるフレーム構造の剛性が高くなり、ワイヤーロープによる連結材を用いた場合に比べて、上段パレット5の横ぶれが小さい。なお、連結材としては、形鋼等の棒状部材からなる棒状ロッドを用いるようにしてもよい。
【0015】
上段パレット5の後端部が、支柱7の上部又は支柱の上部に設けられた支持部材8に固定の上部ブラケット9の上部横軸10を中心として、回動可能にされていることから、伸縮式駆動装置15を伸縮させて、上段パレット5を上昇回動又は下降回動した場合に、水平面に対する上段パレット5の傾斜角度θb1を、従来の場合よりも小さい傾斜角とすることができ、図8に示す従来の場合の二段式駐車装置40の場合に比べて、緩やかにすることができ、その分、アクセルの踏み込み量が小さくなり等、運転操作が容易になる。
また、前記上段パレット5に各連結材16,17により連結された下段パレット4は、前記のように下段パレット4の後端部はガイドローラー13と共に上昇しながら、回動(スイング)するため、下段パレット4の水平面に対する傾斜角θb2を、図8に示す従来の場合の二段式駐車装置40の場合の傾斜角θa1,θa2に比べて、緩やかにすることができ、その分、アクセルの踏み込み量が小さくなる等、運転操作が容易になる。
なお、地下ピット2内に下段パレット4が、その前部側が上昇するように傾斜した状態で格納された状態において、下段パレット4の前端部(先端部)は、地下ピット2の出口側の乗り込み面のレベルに合わされている(図2参照)。この状態で、地下ピット2内の下段パレット4上の自動車は、出口側に向かって登り傾斜の下段パレット4上を入、出庫するようになる。
また、地上側の上段パレット5が、その前部側が下降するように傾斜した状態で配置された状態において、上段パレット5の前端部(先端部)は、ほぼ出口側の乗り込み面のレベルに着地した状態とされる。この状態で、地上側の上段パレット5上の自動車は、出口側に向かって下り傾斜の上段パレット5上を入、出庫するようになる。
【0016】
地下ピット2内において、下段パレット4の格納された状態の下段パレット4とほぼ同レベルに、下段側固定歩道20が設けられ、その下段側固定歩道20は地下ピット床部19に固定された前後の支柱27,7に固定されている。
また、各上段パレット5の巾方向の両側には、上段固定歩道21が設けられ、左右方向に隣り合う上段パレット5間には、手摺を省略して、スペースSを車輌23間と大きくすることで、隣り合う各車輌のドアーを大きく開くことができるようにしている。また、上段パレット5側において、左右方向の最も外側の両端部のみに手摺22を設けて、二段式駐車装置1の構造を簡素に、従来の二段式駐車装置40の場合より軽量化を図るようにしている。
【0017】
前記のように、上段パレットのヒンジピン位置を、従来のようにピット床面位置から、後部の支柱7の上部に設置することで、上段パレット5と下段パレット4の入出庫時の水平面に対する傾斜角を、図8に示す従来の二段式駐車装置の場合に比べて、小さくすることができる。
【0018】
下段パレット4の車輌23の所有者が入、出庫のとき、上段パレットを上方にはね上げた状態から入、出庫終了時に上方にはね上げた上段パレット5を、地下ピット2を塞ぐよう乗り入れ面まで下ろすよう制御盤24を操作することで、隣接する隣の上段パレット5との間が常に塞がるため、従来のように上段パレット5間の両サイドの手摺34を省略するようにし、二段式駐車装置1における両最外側のみ手摺22を設けるようにして、二段式駐車装置1の構造を簡素にしている。
このように、左右方向に連立する全ての上段パレット5が地下ピット2を塞いだ状態が最終の定常状態のため、パレット間の手摺が不要であり、このため車両への乗り降り時、車輌23のドアを大きく開けることができ乗り降りが楽になり、特に降雨時等の傘の開閉操作時のスペースを大きく取ることができその操作が楽になり、従来の二段式駐車装置のスペースが小さい場合に比べて降雨時の不便を解消できる。また、下段パレット4も隣接間が固定の歩道20で手摺も必要としないため、車輌23のドアは大きく開くことができる。
【0019】
また、地下ピット2内の下段パレットの入、出庫時の通路は隣同士のパレット間はパレット傾斜に合わせた固定の歩道とし、下段パレット間をパレット毎に分割せず一体型とした固定歩道20としている。このため隣り合う下段パレット間の手摺も設置する必要のない形態としている。
【0020】
前記のように、本発明によると、地下ピット2内に下段パレット4を備えていると共にその下段パレット4に間隔をおいて地上側の上段パレット5を連結材16,17により連結し、上段パレット5の中間部と地下ピット内床部とに連結された伸縮式駆動装置15を伸張させることで、上段パレット5を回動してその上段パレット5の前端側を上昇させると共に下段パレット4の前端側を上昇させるようにした二段式駐車装置であって、地下ピット内の後部に上下方向のガイド溝を備えた支柱が横方向に間隔をおいて立設され、下段パレットの後端部にガイドローラーが設けられ、そのガイドローラーは前記支柱のガイド溝に昇降可能に嵌合されて、前記下段パレットの後部は後部連結材17によって前記ガイドローラーと共に昇降可能に設けられ、上段パレットの後端部は、前記支柱の上部又は前記支柱の上部に渡って設置された支持部材に設けたブラケットに、横軸により回動可能に連結されているので、従来の場合に比べて、上段パレット及び下段パレットの傾斜角を小さく(例えば、従来の10°の傾斜角程度から7°〜8°程度の傾斜角に小さく)する位置調整をすることができ、その分、車輌の運転手が恐怖感を抱いたり、異常なアクセル操作など運転操作をする恐れを無くすことができる等の効果が得られる。
また、下段パレットの後部が上昇できるため、その分、地盤を掘削して地下ピットを形成する場合の地盤掘削量を、従来の場合に比べて少なくすることができる等の効果が得られる。
また、本発明によると、下段パレットの後端部に横方向に間隔をおいてガイドローラーが設けられ、各ガイドローラーは、それぞれ横方向に間隔をおいた支柱の上下方向のガイド溝に昇降可能に嵌合されているので、簡単な構造で下段パレットの後部側を上昇させて、下段パレットの水平面に対する傾斜角を小さくすることができる等の効果が得られる。
また、本発明によると、前記支柱は横断面H形の鋼材であるので、簡単な構造で、ガイドローラーをガイドするガイド溝を有する支柱とすることができ、安価なガイド溝付きの支柱とすることができる等の効果が得られる。
また、本発明によると、地下ピットの床部は、出口側の前部側が、後部側より深くなるように傾斜した床部とされているので、地盤掘削量の少ない地下ピット形式の二段式駐車装置とすることができる等の効果が得られる。
また、本発明によると、連結材は、鋼製ワイヤーロープ等の条体又は鋼製ロッドからなり、連結材の両端部は、横軸により連結されているので、簡単な構造で下段パレットを連結して吊り上げ可能な構造とすることができる等の効果が得られる。
【0021】
本発明を実施する場合、後部の支柱7の上部に上部ブラケットを設けて、上段パレット5の後端部又は後端部に設けたブラケットを横軸により回動可能に連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 二段式駐車装置(本発明)
2 地下ピット
3 地盤
4 下段パレット
5 上段パレット
6 ガイド溝
7 支柱
8 支持部材
9 上部ブラケット
10 横軸
11 後部アーム
12 下部ブラケット
13 ガイドローラー
14 ベース部材
15 伸縮式駆動装置
16 前部連結材
17 後部連結材
19 地下ピット床部
20 下段側固定歩道
21 上段固定歩道
22 手摺
23 車輌
24 制御盤
27 前部支柱
28 支持部
29 支持部
30 下部横軸
31 下部横軸
32 短尺アーム
33 長尺アーム
34 手摺
35 乗り入れ面
36 連結材
40 二段式駐車装置(従来の場合)
41 地下ピット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下ピット内に下段パレットを備えていると共にそのパレットに間隔をおいて地上側の上段パレットを前後の連結材により連結し、上段パレットの中間部と地下ピット内床部とに連結された伸縮式駆動装置を伸張させることで、上段パレットを回動してその上段パレットの前端側を上昇させると共に下段パレットの前端側を上昇させるようにした二段式駐車装置であって、地下ピット内の後部に上下方向のガイド溝を備えた支柱が横方向に間隔をおいて立設され、下段パレットの後端部にガイドローラーが設けられ、そのガイドローラーは前記支柱のガイド溝に昇降可能に嵌合されて、前記下段パレットの後部は前記ガイドローラーと共に昇降可能に設けられ、上段パレットの後端部は、前記支柱の上部又は前記支柱の上部に渡って設置された支持部材に設けたブラケットに、横軸により回動可能に連結されていることを特徴とする二段式駐車装置。
【請求項2】
下段パレットの後端部に横方向に間隔をおいてガイドローラーが設けられ、各ガイドローラーは、それぞれ横方向に間隔をおいた支柱の上下方向のガイド溝に昇降可能に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の二段式駐車装置。
【請求項3】
前記支柱は横断面H形の鋼材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二段式駐車装置。
【請求項4】
地下ピットの床部は、出口側の前部側が、後部側より深くなるように傾斜した床部とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二段式駐車装置。
【請求項5】
前記連結材は、鋼製ワイヤーロープ等の条体又は鋼製ロッドからなり、連結材の両端部は、横軸により連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二段式駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−144909(P2012−144909A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4226(P2011−4226)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(391051256)株式会社美和テック (29)