説明

二連結X型可動式孫の手

【課題】 使用しながら、幅、範囲を自由に調整でき、一度に広範囲、離れた二箇所に安定して満遍なく使用できる二連結X型可動式孫の手を提供するものである。
【解決手段】 孫の手二本の柄3,4を重ね合わせ、一個の組ねじ7を使用し、一箇所で留めることで、X型に可動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、背中や肩などの自分で手が届きにくい部分を掻手部で掻いたり、打具部で叩いたりする時に使用する孫の手を二本重ね合わせ、X型に可動できるようにした二連結X型可動式孫の手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背中や肩などの部位を掻く時に使用する道具として竹製の孫の手がよく使われている。また、掻く用途のみならず、逆側にボールなどの打具部を設けてある孫の手も広く使われている。その従来の孫の手が改良されたものとして、孫の手の先端部分の掻手部の幅が拡張でき、また収納できるもの(例えば、特許文献1参照)や、打具部だけを二本に分けて長さを調整でき、二重肩たたき構造になっているもの(例えば、特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2008−279152
【特許文献2】 実開昭48−70488
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これには、次のような欠点があった。
上記特許文献1に記載されている孫の手は、先端部分が拡張できるが、その拡張範囲以上に離れた場所のもう一箇所を同時に掻くことができない。これでは、一箇所掻くとその一方で他の箇所で痒みが発生したりすることがあるが、このような痒みが効率良く解消されない。
【0005】
また、一方、特許文献2に記載されて孫の手は、打具部だけが二本に分れており、二枚の弾性板で構成されているので、二箇所を叩けるが、叩きながら、自分が叩きたい場所を自由に調整することはできない。また、上下は叩けても、左右対称に叩くことはできない。
【0006】
そして、今までの背景技術の中では、掻手部や打具部が二箇所ありながらも、使用しながら、二箇所の幅を自由に調整できるものはない。
本発明は、以上のことを解決するために考えたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、打具付き孫の手二本の柄を重ね合わせ、一個の組ねじを使い、一箇所で留めることで、X型に可動することを特徴とする二連結X型可動式孫の手である。
【0008】
このような構成をとれば、一本の時より、先端部の掻手部や打具部が二倍の幅になるので、先端部分は広範囲に使用することができるのはもちろん、二本を連結させてX型に可動させることができるので、掻いたり、叩きながら手を止めることなく、柄の幅を自由に調整でき、その先端の掻手部や打具部の一つ一つで、離れた二箇所を、左右対称に同時に使用できるため、より満足した使用感を味わうことができる。
【0009】
ここで、前記の打具部を取れば、打具部のない孫の手を使用することもできる。このような構成をとり、掻く事に主要目的を取る場合は、より、軽量化が図れる上に、柄を閉じた状態は、打具がない分、開閉角度が0度まで閉じることができるので、I型になり、よりコンパクトに収納できる。
【発明の効果】
【0010】
使用しながら、幅、範囲を自由に調整でき、一度に広範囲、離れた二箇所に安定して満遍なく使用できる孫の手を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の形態の柄を開いた時の正面図である。
【図2】本発明の形態の柄を閉じた時の正面図である。
【図3】本発明の側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の柄を開いた時の正面図である。
【図5】本発明の他の実施形態の柄を閉じた時の正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態の側面図である。
【図7】本発明の留め具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1で示すように、打具付き孫の手二本の柄3,4をX型にほぼ同じ長さになるように重ね合わせ、一個の組ねじ7を使い留めることで構成されている。
【0013】
ほぼ、同じ長さで留めるのは、二本の柄3,4の長さを同じにすることで、右手と左手でそれぞれ持った時に、バランスよく握りやすいため、左右均等に力を入れやい。そうすることで、より安定して掻きたい方向や叩きたい方向に使用できる。
【0014】
使用する畤は、柄3,4を持ちながら、使用中に開閉を繰り返すことで、掻手部1,2の幅、上下をひっくり返せば、打具部5,6の幅を自由に調整でき、離れた二箇所を同時に掻いたり、もしくは、叩いたり、左右の肩、左右の足、背中の左右などを左右対称的に掻いたり、叩くことができ満足した使用感が味わえる。
【0015】
二本の柄3,4を留める位置は、中央よりは、2〜3cmボール部に近い所で留めるのがより好ましい。通常、孫の手は、衣服の襟首から挿入するので、広範囲を掻くために、幅を広くし過ぎてしまうと挿入しにくくなるが、二本を組み合わせ状態でも、十分挿入できる幅である。その上、こうすることで、掻手部1,2がある側の柄3,4が打具部5,6の柄より少し長くなり、襟首から深く挿入して背中の下部の方を掻く時、幅を広げた状態で掻いても、X型のため、二本が重なって最も幅がないねじで留めた部分が、少しでも襟首近くになるので、中央で留めた時より、衣服の繊維を広げるのを防ぐことができる。
【0016】
留めるのに、組ねじ7を使うが、組ねじは、図7で示す通り、筒状になっているため、何度開閉しても、スムーズに可動できる。また、ねじの頭形が平らな丸型になっており、突出部分も少ないため、皮膚に触れにくく、皮膚に触れたとしても皮膚を傷つけることはない。
【0017】
また、平板状の孫の手の場合は、薄く握りにくいので、掻手部を使う場合、一本で掻くと、持ち方によっては、予期せず、掻手部が斜めになってしまい、掻手部の先端部分の全面があたらず、一部しか当たらないことがあるため、より掻く範囲が狭まってしまうことがある。しかし、二本を組み合わせることで、二本の掻手部1,2でが、背中を二点で支えることになるため、掻手部の先端部分がより安定して全面当たり、連続的に背中に沿って安定して掻くことができるようになるため、平板状の孫の手の掻手部の不安定さを補うことができ、より満遍なく背中が掻けるようになる。
【0018】
そして、二本を連結させることで、重量は増したが、その分荷重がかかりやすくなり、一本の時よりは、力をいれなくても使用できる。
【0019】
また、柄3,4を持つ時、二本を一本ずつ右手と左手で持ち、腕を上に上げて、両腕で開閉動作を行うと、上腕についた筋肉を使うので、両腕の上腕部の引き締め、肩こりをほぐす効果もある。
【0020】
図4,図5,図6で示す本発明の他の実施の形態について説明する。
【0021】
他の形態は、前記の孫の手の打具部を取った孫の手二本の柄3,4を、掻手部1,2が最も近づく位置で上下に重ね合わせて、一個の組ねじ7で留めることで構成されている。打具部5,6がない形態をとることで、軽量化が図れ、打具部5,6がある場合、図2のように閉じた時でも、打具部5,6があるため、X型になるが、この形態の場合、図5のようにI型になり、一本の時ほぼ同じ幅になるため、より占有スペースを小さくすることができる。また、前記の掻手部のものと機能や効果は同じである。
【符号の説明】
【0022】
1,2 掻手部
3,4 柄
5,6 打具部
7 組ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打具付き孫の手二本の柄3,4を重ね合わせ、一個の組ねじ7を使用し、一箇所で留めることで、X型に可動することを特徴とする二連結X型可動式孫の手。
【請求項2】
前記の打具部を取った孫の手の柄3,4を重ね合わせ、一個の組ねじ7を使用し、一箇所で留めることで、X型に可動することを特徴とする請求項1記載の二連結X型可動式孫の手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−45352(P2012−45352A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206100(P2010−206100)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(510248110)
【Fターム(参考)】