説明

二酸化ケイ素分散液

熱分解法により製造された疎水性の二酸化ケイ素、アルコール、および分散を促進する少なくとも1の添加剤を含有する分散液。該分散液は、スプレー容器に入れて殺ダニ剤および殺虫剤として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化ケイ素分散液、その製造方法およびその使用に関する。
【0002】
粉末状の疎水性シリカは、吸汁虫を駆除するために使用され、その適用は散粉によって行われる(DE3835592)。
【0003】
欠点は、粉が発生することによって、この害虫制御法は受け入れられがたいことである。
【0004】
水性分散液が同様にDE3835592に記載されており、これは疎水性シリカと水とからなるが、満足のゆく安定性を有していない。
【0005】
US5830512は、親水性物質、たとえばシリカを添加することにより満足のゆく安定性を達成している。しかし、このことにより活性な疎水性成分は親水性物質によって希釈される。さらに、数時間ないし数日という分散液の極めて低い安定性が達成されるにすぎない。
【0006】
EP1250048は、ゲル化添加剤、たとえばキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、または中性のカルボキシビニルポリマーによって疎水性二酸化ケイ素の分散液を安定化することを記載しており、これらの添加剤の混合物も可能である。
【0007】
これらのゲル化添加剤は、疎水性SiO2粒子と導入される空気との相互作用によって、著しい構造粘度を生じ、これは噴霧によって適用する際に現れる。従って、噴霧プロセスの間、分散液に剪断力が作用している場合には分散液の粘度は比較的低い。分散液の液滴は被覆されるべき表面に衝突した後、その粘度はふたたび顕著に高まり、特に垂直な表面からの液ダレや液流れが回避される。
【0008】
EP1250048によれば、分散されるべき疎水性SiO2粒子に加えて、大量の空気が導入される。公知の分散法によればこれは湿潤性界面活性剤および消泡剤を使用しなければ回避することができない。従って例1では、わずか0.6g/mlの比重が特定されているにすぎず、このことは、空気の体積割合が約40%であることを意味している。
【0009】
申し分のない活性を達成するために、噴霧される表面には最小量が適用されなくてはならない。1回の噴霧操作あたり、噴霧装置の体積の約60%しか使用することができないのであれば、このことは効率の著しい低下を示している。
【0010】
この比率では、輸送、包装、および必要とされる包装の廃棄物の処理コストが高いという欠点が存在する。
【0011】
さらに、貯蔵中に約40%大きな貯蔵空間を考慮しなくてはならない。
【0012】
さらに、空気を含有する分散液では、処理されるべき表面の均一で、気泡のない被覆を達成することが不可能である。
【0013】
DE102004021532は、水に加えて、疎水性シリカ0.5〜20質量%、ゲル化添加剤または粘度向上添加剤0.01〜10質量%、保存剤0.1〜1質量%、および界面活性物質0〜1質量%を含有する分散液を記載している。
【0014】
この分散液は、ダニおよびその他の昆虫に対する殺虫剤として使用することができる。
【0015】
これは、広さにゆとりのある動物飼育小屋および広い表面では首尾よく使用され、噴霧のためには相応して大きな口径を有するスプレー(たとえば庭用スプレー)を使用することができる。
【0016】
処理されるべき面積が比較的小さいペットの分野で使用する場合には、たとえば庭用スプレーのような口径の大きいスプレーを使用することはできない。
【0017】
さらに、ポンプ式噴霧ボトルは通常、必要とされる、3バールを上回る噴霧圧力を達成することができないため不適切である。従って、良好な噴霧ミストは達成することができず、従って噴霧もしくは処理されるべきケージ面積の均一な被覆を達成することができない。
【0018】
ペットのケージ面積を、"Decimite Aerosol"の名称で市販されている分散液で噴霧することが知られている。
【0019】
この分散液は、数パーセントの親水性シリカの水性分散液からなる。この分散液は、乾燥するまでに時間がかかりすぎるという欠点を有している。さらに、その粘度は極めて高く、噴霧の形成が著しく劣る。
【0020】
さらに、該分散液の水含有率のため、スプレー容器は内側をラッカー塗装しなくてはならない。
【0021】
従って、殺虫作用を有し、小さな表面上に申し分なく噴霧することができ、かつその作用を迅速に発揮する分散液を製造することが課題であった。
【0022】
本発明の対象は、熱分解法により製造された疎水性の二酸化ケイ素、アルコール、および分散を促進する少なくとも1の添加剤を含有する分散液である。
【0023】
熱分解法により製造された疎水性二酸化ケイ素として、Aerosil(登録商標)R805、Aerosil(登録商標)R974、Aerosil(登録商標)R202、Aerosil(登録商標)R812、Aerosil(登録商標)R812S、およびAerosil(登録商標)R8200を使用することができる。
【0024】
特にAerosil(登録商標)R812Sを使用することができる。
【0025】
これらの、熱分解法により製造された二酸化ケイ素の物理化学的特性は、第1表に記載されている。
【0026】
【表1】

1)DIN 66131による
2)DIN ISO 787/11、JIS K 5101/18(篩い分けせず)による
3)DIN ISO 787/2、ASTM D 280、JIS K 5101/21による
4)DIN 55921、ASTM D 1208、JIS K 5101/23による
5)DIN ISO 787/9、ASTM D 1208、JIS K 5101/24による
7)105℃で2時間乾燥させた物質に基づく
8)1000℃で2時間強熱した物質に基づく
10)水:メタノール=1:1中
11)HCl含有率は、強熱減量の成分
12)製品Vは、正味15kgのバッグで供給された。
【0027】
アルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、および2−メチル−2−プロパノールを使用することができる。
【0028】
特に低沸点アルコール、たとえばエタノールを使用することができる。
【0029】
しかし、できる限り良好に分散させるために、分散を促進する添加剤を添加する必要があり、この添加剤が、分散により生じた表面変性されていない残りの面積、または新たな面積を被覆する。このために、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の添加が極めて有利であることが判明している。
【0030】
HMDSは、この付加的なシラン化によって、事実上完全な表面変性を生じ、これによって著しく低い粘度が達成される。適切である場合には、任意で過剰のHMDSをアルコール分解によってトリメチルエトキシシラン、トリメチルシラノール、またはヘキサメチルジシロキサンとNH3とに変換することができる。
【0031】
さらに、分散を促進する添加剤として、同様にAerosil表面上に依然として存在するSi−OH基と反応することができるその他のシランを使用することができる。
【0032】
原則として、申し分のない疎水性を有する基を有するが、この関連においてシラン化によって付加的なシラノール基を導入しない任意のシランが適切である。これは、表面上のSiOH基と反応することができるシラン分子中に1つの基、つまりROH基またはX基のみを有することによって達成することができる。あるいはシラン分子の疎水性"残基"が強力な立体的遮蔽効果を有していることによって、シラン分子の未反応のSiOH基を利用することができなくてもよい。
【0033】
さらに、使用されるシランは、高い反応速度を有しているべきである。満足のゆく反応速度は、温度を高めることによって達成してもよい。
【0034】
シラザン、およびここでは特にヘキサメチルジシラザンは、シラザン基の塩基性の特性に基づいて、SiOH表面基に対して高い親和性を有している。その後の工程においてのみ、トリメチルシリル基が移動する。SiOH表面基と反応しないトリメチルシリル基は、それ自体二量化によって不活性となっている。
【0035】
以下のシランを付加的なシランとして使用することができる:
a)(RO)3Si(Cn2n+1)および(RO)3Si(Cn2n-1)タイプのオルガノシラン
R=アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはブチル、
n=1〜20、
b)R′x(RO)ySi(Cn2n+1)およびR′x(RO)ySi(Cn2n-1)タイプのオルガノシラン
R=アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはブチル、
R′=アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはブチル、
R′=シクロアルキル、
n=1〜20、
x+y=3、
x=1、2、
y=1、2、
c)X3Si(Cn2n+1)およびX3Si(Cn2n-1)タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
n=1〜20、
d)X2(R′)Si(Cn2n+1)およびX2(R′)Si(Cn2n-1)タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
R′=アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはブチル、
R′=シクロアルキル、
n=1〜20
e)X(R′)2Si(Cn2n+1)およびX(R′)2Si(Cn2n-1)タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
R′=アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはブチル、
R′=シクロアルキル、
n=1〜20
f)(RO)3Si(CH2m−R′タイプのオルガノシラン
R=アルキル、たとえばメチル、エチルまたはプロピル、
m=0、1〜20、
R′=メチル、アリール(たとえば−C65、置換されたフェニル基)、
−C49、OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2−CH=CH2
g)(R″)x(RO)ySi(CH2m−R′タイプのオルガノシラン
R″=アルキル、
=シクロアルキル、
x+y=3、
x=1、2、
y=1、2、
m=0、1〜20、
R′=メチル、アリール(たとえば−C65、置換されたフェニル基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2−CH=CH2
h)X3Si(CH2m−R′タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
m=0、1〜20、
R′=メチル、アリール(たとえば−C65、置換されたフェニル基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2−CH=CH2
i)(R)X2Si(CH2m−R′タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br、
R=アルキル、たとえばメチル、エチルまたはプロピル、
m=0、1〜20、
R′=メチル、アリール(たとえば−C65、置換されたフェニル基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2−CH=CH2
j)(R)2XSi(CH2)m−R′タイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、
m=0、1〜20、
R′メチル、アリール(たとえば−C65、置換されたフェニル基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2−CH=CH2
k)
【化1】

タイプのシラザン
R=アルキル、アリール、
R′=アルキル、アリール
l)D3、D4およびD5タイプの環式ポリシロキサン、D3、D4およびD5とは、3、4または5の−O−Si(CH32−タイプの単位を有する環式ポリシロキサンを意味する。
たとえばオクタメチルシクロテトラシロキサン=D4である。
【0036】
【化2】

(m)
【化3】

のタイプのポリシロキサンまたはシリコーン油
R=アルキル、たとえばCn2n+1(n=1〜20)、アリール、たとえばフェニルおよび置換されたフェニル基、H、
R′=アルキル、たとえばCn2n+1(n=1〜20)、アリール、たとえばフェニルおよび置換されたフェニル基、H、
R″=アルキル、たとえばCn2n+1(n=1〜20)、アリール、たとえばフェニルおよび置換されたフェニル基、H、
R″′=アルキル、たとえばCn2n+1(n=1〜20)、アリール、たとえばフェニルおよび置換されたフェニル基、H。
【0037】
熱分解法により製造された疎水性二酸化ケイ素は、アルコールにより濡れるので、アルコール中で極めて良好に分散することができる。
【0038】
さらに、噴霧された表面/ケージ面積の迅速な乾燥は、特に揮発性の高いアルコール、たとえばエタノールまたはイソプロパノールを使用することによって達成される。致死作用もまた、これによりより迅速に開始される。
【0039】
レオロジー変性添加剤は、Aerosilが被覆されるべき表面/ケージ面積に申し分なく付着し、かつ噴霧された分散液が流れ落ちるのを防止するために添加することができる。このような添加剤は、アルコールに可溶な変性セルロースであってよい。
【0040】
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を、特にこのために使用することができる。というのも、これはアルコール中で十分に可溶性であるからである。
【0041】
ヒドロキシプロピルセルロースは、1000000未満の分子量を有していてよい。
【0042】
本発明の有利な実施態様では、ヒドロキシプロピルセルロースは、5000〜500000、特に80000±20000の分子量を有していてよい。
【0043】
実施例から見られるように、使用されるレオロジー変性剤の量もまた、分散液の活性に影響を与える。この使用量は、ヒドロキシプロピルセルロースの平均分子量および質量%での濃度の積である。これは250000未満であってよい。
【0044】
1000000を上回る極めて高い分子量を有するHPCは、高い構造粘度を生じ、このことは、噴霧性能が劣ることにつながるのみでなく、死亡率の低下にも貢献する。
【0045】
本発明による分散液により、アルコールを使用することによって、使用されるヒドロキシプロピルセルロースの保存のための添加剤の添加を省略することが可能である。
【0046】
本発明の特に有利な実施態様では、本発明による分散液は、熱分解法により製造された疎水性二酸化ケイ素、アルコールおよび分散を促進する添加剤からなっていてよい。適切である場合には、有利な分散液はさらに、レオロジー変性添加剤を含有していてよい。
【0047】
本発明による分散液は、殺虫剤として、特にダニを防除するために使用することができる。
【0048】
本発明による分散液は、噴射ガススプレーによって申し分なく噴霧することができる。
【0049】
本発明によるアルコール分散液の付加的な利点は、アルコールがスプレー容器に使用される金属に対する腐食作用を有していないという事実による。従って、容器の内部のラッカー塗装を省略することができる。
【0050】
本発明の付加的な対象は、本発明による分散液を含有しているスプレー容器である。
【0051】
このスプレー容器はさらに噴射剤を含有していてよい。
【0052】
噴射剤として、プロパン、ブタン、またはプロパンとブタンとの混合物を、10〜80%の噴射剤の割合で使用することができる。
【0053】
窒素または亜酸化窒素を噴射ガスとして使用することができる。
【0054】
噴霧のために必要な圧力は、ポンプシステムによって発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本願発明による分散液の粘度曲線を示すグラフの図
【図2】本願発明による分散液の粘度曲線を示すグラフの図
【図3】本願発明による分散液の粘度曲線を示すグラフの図
【図4】本願発明によらない分散液の粘度曲線を示すグラフの図
【0056】
実施例
分散液の粘度の決定
製造される分散液の粘度は、Physica Model 300の回転式レオメーターおよび計量カップCC27を使用して25℃で決定した。
【0057】
ダニの成虫に対する活性(死亡率)の決定
完全に飽和されたダニの成虫に対する作用(死亡率)を決定するために、そのつど約100匹のダニを、プラスチック製ペトリ皿中、亜鉛メッキ鋼シート上で、乾燥した活性物質被覆(湿潤膜厚200μm)を堆積させ、細目ウェブ/ガーゼで閉じた後、調温調湿部屋(23℃および可変的な相対空気湿度)中に貯蔵する。たとえば24時間後に、立体顕微鏡下で、生存しているか、損傷を受けているか、または死んだダニの数を数える。この試験は、50%および100%の相対空気湿度で実施する。スプレーを使用する際に均一な膜厚を達成するために、十分な量をガラス容器中に噴霧し、かつ分散液をドクターブレードで適用する(湿潤膜厚200μm)。
【0058】
例1
エタノール798gを導入し、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)2gを添加する。次いでAerosil(登録商標)R812S 200gを実験室用高速攪拌機(ジャケット付き分散液容器、VMA−Getzmann GmbH社のDispermat(登録商標)溶解機、直径70mmの歯付きディスク)を使用して攪拌しながら導入し、引き続き2200rpmで15分間分散させる。引き続きHPC(Sigma−Aldrichからの約80000の分子量Mを有するヒドロキシプロピルセルロース)6.66gを添加する。該混合物を引き続き、エタノール327gの添加により希釈して、Aerosil(登録商標)R812S含有率を15%にする。最後に、該混合物を1000rpmで15分間分散させて、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解する。
【0059】
これは、0.5質量%のHPCを用いた使用の濃度に相応する。80000の分子量の場合、これは40000の%×Mの積になる。
【0060】
この分散液は、図1に記載の粘度曲線を示す。
【0061】
この分散液をスプレーボトルに詰め、プロパンとブタンとの混合物の加圧下におく。良好な噴霧の形成を生じることができる。このことは、表面の均一な被覆が可能であることを意味している。
【0062】
この噴霧容器はこうして、ダニが生息しているケージ面積を噴霧するために使用することができる。
【0063】
使用したAerosil(登録商標)R812Sは、第1表に記載の物理化学的特性を有する熱分解法により製造された二酸化ケイ素である。
【0064】
結果:
相対湿度50%で24時間後、100%の死亡率が達成される。これは優れた活性である。
【0065】
例2
エタノール798gを導入し、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)2gを添加する。次いでAerosil(登録商標)R812S 200gを実験室用高速攪拌機(ジャケット付き分散液容器、VMA−Getzmann GmbH社のDispermat(登録商標)溶解機、直径70mmの歯付きディスク)を使用して攪拌しながら導入し、引き続き2200rpmで15分間分散させる。引き続きHPC(Sigma−Aldrichからの約370000の分子量Mを有するヒドロキシプロピルセルロース)4.00gを添加する。該混合物を引き続き、エタノール329.7gの添加により希釈して、Aerosil(登録商標)R812S含有率を15%にする。最後に、該混合物を1000rpmで15分間分散させて、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解する。
【0066】
これは、0.3質量%のHPCを用いた使用の濃度に相応する。370000の分子量の場合、これは111000の%×Mの積になる。
【0067】
この分散液は、図2に記載の粘度曲線を示す。
【0068】
この分散液をスプレーボトルに詰め、プロパンとブタンとの混合物の加圧下におく。良好な噴霧の形成を生じることができる。このことは、表面の均一な被覆が可能であることを意味している。
【0069】
このスプレーはこうして、ダニが生息しているケージ面積を噴霧するために使用することができる。
【0070】
使用したAerosil(登録商標)R812Sは、第1表に記載の物理化学的特性を有する熱分解法により製造された二酸化ケイ素である。
【0071】
結果:
相対湿度50%で24時間後、67%の死亡率が達成される。これは活性が制限されている。
【0072】
例3
エタノール798gを導入し、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)2gを添加する。次いでAerosil(登録商標)R812S 200gを実験室用高速攪拌機(ジャケット付き分散液容器、VMA−Getzmann GmbH社のDispermat(登録商標)溶解機、直径70mmの歯付きディスク)を使用して攪拌しながら導入し、引き続き2200rpmで15分間分散させる。引き続きHPC(Sigma−Aldrichからの約1000000の分子量Mを有するヒドロキシプロピルセルロース)1.66gを添加する。該混合物を引き続き、エタノール332gの添加により希釈して、Aerosil(登録商標)R812S含有率を15%にする。最後に、該混合物を1000rpmで15分間分散させて、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解する。
【0073】
これは、0.125質量%のHPCを用いた使用の濃度に相応する。1000000の分子量の場合、これは125000の%×Mの積になる。
【0074】
この分散液は、図3に記載の粘度曲線を示す。
【0075】
この分散液をスプレーボトルに詰め、プロパンとブタンとの混合物の加圧下におく。良好な噴霧の形成を生じることができる。このことは、表面の均一な被覆が可能であることを意味している。
【0076】
このスプレーはこうして、ダニが生息しているケージ面積を噴霧するために使用することができる。
【0077】
結果:
相対湿度50%で24時間後、93%の死亡率が達成される。これは良好な活性である。
【0078】
比較例
エタノール798gを導入し、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)2gを添加する。次いでAerosil(登録商標)R812S 200gを実験室用高速攪拌機(ジャケット付き分散液容器、VMA−Getzmann GmbH社のDispermat(登録商標)溶解機、直径70mmの歯付きディスク)を使用して攪拌しながら導入し、引き続き2200rpmで15分間分散させる。次いでHPC(Sigma−Aldrichからの約1000000の分子量Mを有するヒドロキシプロピルセルロース)6.66gを添加する。該混合物を引き続き、エタノール327gの添加により希釈して、Aerosil(登録商標)R812S含有率を15%にする。最後に、該混合物を1000rpmで15分間分散させて、HPCを溶解する。
【0079】
これは、0.5質量%のHPCを用いた使用の濃度に相応する。1000000の分子量の場合、これは500000の%×Mの積になる。
【0080】
この分散液は、図4に記載の粘度曲線を有する。
【0081】
この分散液を次いでスプレーボトルに詰め、プロパンとブタンとの混合物の加圧下におく。高い粘度に基づいて、良好な噴霧の形成を達成することができない。このことは、表面の均一な被覆が不可能であることを意味している。
【0082】
結果:
相対湿度50%で24時間後、24%の死亡率が達成される。これは劣った活性である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱分解法により製造された疎水性の二酸化ケイ素、アルコール、および分散を促進する少なくとも1の添加剤を含有する分散液。
【請求項2】
レオロジー促進剤を含有することを特徴とする、請求項1記載の分散液。
【請求項3】
レオロジー促進剤として、ヒドロキシプロピルセルロースを使用することを特徴とする、請求項2記載の分散液。
【請求項4】
殺ダニ剤および殺虫剤としての請求項1記載の分散液の使用。
【請求項5】
請求項1記載の分散液を含有するスプレー容器。
【請求項6】
さらに噴射剤を含有する、請求項5記載のスプレー容器。
【請求項7】
噴射剤、たとえばプロパン、ブタン、またはプロパンとブタンとの混合物を、10〜80%の噴射ガスの割合で使用することを特徴とする、請求項6記載のスプレー容器。
【請求項8】
噴射ガスとして、窒素を使用することを特徴とする、請求項6記載のスプレー容器。
【請求項9】
噴射ガスとして、亜酸化窒素を使用することを特徴とする、請求項6記載のスプレー容器。
【請求項10】
噴霧のために必要な圧力を、ポンプシステムにより発生させることを特徴とする、請求項5記載のスプレー容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−511749(P2011−511749A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544608(P2010−544608)
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/068348
【国際公開番号】WO2009/095142
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】