説明

二酸化炭素削減方法、及び、シミュレートシステム

【課題】事業者による施設から排出される二酸化炭素の削減を促進する。
【解決手段】販売対象植物2aを栽培する栽培ハウス2に施設1で発生した二酸化炭素を供給し、その二酸化炭素を栽培ハウス2内の販売対象植物2aに吸収させることで施設1から排出される二酸化炭素を削減し且つ販売対象植物2aの育成速度を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素削減方法及びシミュレートシステムに関し、特に、工場やホールや映画館等の施設から排出される二酸化炭素を削減するのに用いられる二酸化炭素削減方法、及び、その二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地球温暖化対策等で二酸化炭素の削減が国際的な大きな流れとなっており、施設を所有する事業者等が施設から排出される二酸化炭素を削減することが求められてきている。
そして、従来、施設から排出される二酸化炭素削減方法として、二酸化炭素を化学的に処理する二酸化炭素処理設備を施設に配備するものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記従来の二酸化炭素の削減方法では、二酸化炭素処理設備の導入等に係る損失のみで新たな収益を生まないことから、事業者が二酸化炭素の削減に取り組むための支障となって、施設から排出される二酸化炭素の削減がうまく進まない問題があった。
【0004】
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、二酸化炭素の削減に伴い新たな収益を生むことによって、事業者による施設から排出される二酸化炭素の削減を促進することのできる二酸化炭素削減方法及びシミュレートシステムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、二酸化炭素削減方法に係り、その特徴は、
販売対象植物を栽培する栽培ハウスに施設で発生した二酸化炭素を供給し、その二酸化炭素を栽培ハウス内の販売対象植物に吸収させることで施設から排出される二酸化炭素を削減し且つ販売対象植物の育成速度を増加させる点にある。
【0006】
上記構成によれば、栽培ハウスや二酸化炭素の供給に係る費用が損失として発生するものの、二酸化炭素の削減と併せて、しかも、削減すべき二酸化炭素を利用して、販売対象物2aの販売による新たな収益を効率的に発生させることができ、これにより、事業者が施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組み易くすることができて、地球規模での二酸化炭素の削減を大きく促進することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に記載の二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額と栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額とを合算した仮想収益と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、植物利用型処理設備に関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額と栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額とを合算した仮想収益と、植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を評価値としてシミュレート手段で演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0009】
つまり、植物利用型処理設備の導入に伴う二酸化炭素取引(所謂、排出権取引)に係る費用の削減分と販売対象植物の販売額とを仮想収益とし、植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用を損失とした現状からの差益を評価値として演算することで、事業者に対して植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果を現状からの差益として分り易く示すことができ、これにより、事業者が施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組むのを後押しすることができる。
なお、前記出力手段が出力する演算結果は、前記評価値に限らずそれを更に演算処理したもの等であってもよい。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記入力手段が、植物を用いずに二酸化炭素を処理する植物非利用型処理設備に関する情報の入力も受け付けるように構成され、
前記シミュレート手段が、前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、前記植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額からなる第2仮想収益と、前記植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する費用との差を第2評価値として演算するように構成されている点にある。
【0011】
上記構成によれば、植物非利用型処理設備に関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額からなる第2仮想収益と、植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を第2評価値としてシミュレート手段で演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0012】
つまり、植物非利用型処理設備の導入に伴う二酸化炭素取引に要する費用の削減分を仮想収益とし、植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する費用を損失とした現状からの差益を第2評価値として演算することで、事業者に対して植物非利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果も示すことができ、これにより、事業者は植物非利用型処理設備と対比させて植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素方法の適用効果を一層分り易く把握することができる。
なお、前記出力手段が出力する演算結果は、前記評価値や第2評価値に限らず、それらを処理したもの(例えば、評価値と第2評価値の差)等であってもよい。
【0013】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成に記載の二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記施設に関する情報と前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記施設で発生する二酸化炭素発生量から前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を差し引いた設備導入後の施設からの二酸化炭素排出量を金銭に換算した二酸化炭素排出額と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを合算した仮想費用と、栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額との差を評価値として演算し、更に、前記施設で発生する二酸化炭素発生量を金銭に換算した二酸化炭素排出額を現在評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、植物利用型処理設備に関する情報と施設の関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物利用型処理設備の導入後の二酸化炭素排出額(つまり、前記施設で発生する二酸化炭素発生量から前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を差し引いた設備導入後の施設からの二酸化炭素排出量を金銭に換算した額)と植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス及び販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを合算した仮想費用と、販売対象植物の販売額との差をシミュレート手段で評価値として演算するとともに、植物利用型処理設備の導入前の二酸化炭素排出額(施設で発生する二酸化炭素発生量を金銭に換算した額)をシミュレート手段で現在評価値として演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0015】
つまり、植物利用型処理設備の導入後の二酸化炭素排出額と植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを仮想の損失とし、販売対象物の販売額を収益とした評価値を演算し、併せて、植物利用型処理設備の導入前の二酸化炭素排出額を現状の損失とした現状評価値を演算することで、事業者に対して植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果を現状との差として分り易く示すことができ、これにより、事業者が施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組むのを後押しすることができる。
【0016】
本発明の第5特徴構成は、前記シミュレート手段は、前記評価値として、販売対象植物としての薔薇をプリザーブドフラワーとして販売したときの評価値と、販売対象植物としての薔薇を生花として販売したときの評価値を算出可能に構成されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、販売対象物としての評価の高い薔薇を、販売単価の高いプリザーブドフラワー(所謂、ブリザーブドフラワー)として販売した場合と、販売単価はプリザーブドフラワーを下回るも育成・収穫・販売に要する費用の少ない生花として販売した場合とを比較する形態で、施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組み易い方法を探索することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】二酸化炭素削減システムの全体構成図
【図2】シミュレートシステムの第1実施形態を示す構成図
【図3】シミュレートシステムの第2実施形態を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
図1は、二酸化炭素削減システムの全体構成を示し、1は二酸化炭素を含む排ガスGを発生する工場等の施設、2は当該施設1の敷地内に設けた栽培ハウス(所謂、ビニールハウス)である。
【0020】
また、3は排ガスGから二酸化炭素ガスg(二酸化炭素の一例)を回収する二酸化炭素回収装置、4は二酸化炭素回収装置3で回収した二酸化炭素ガスgを栽培ハウス2内に供給する二酸化炭素供給路(二酸化炭素供給手段の一例)である。前記栽培ハウス2は、販売対象植物2a(本例では、薔薇)を水耕栽培方式で栽培するように構成されている。
【0021】
つまり、この二酸化炭素削減システムは、二酸化炭素回収装置3で排ガスGから二酸化炭素ガスgを回収し、その回収二酸化炭素ガスgを栽培ハウス2に二酸化炭素供給路4を通じて供給することで、栽培ハウス2内の空気の二酸化炭素濃度を上昇させ、これにより、栽培ハウス2内の薔薇2aの光合成等による二酸化炭素の吸収量を増大させて、薔薇の生育速度の増加と排ガスG中に含まれる二酸化炭素の削減との両方を同時に達成し得るように構成されている。
【0022】
なお、栽培ハウス2、二酸化炭素回収装置3、二酸化炭素供給路4は、植物利用型処理設備5を構成する。
【0023】
図2は、二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムSの構成図を示し、このシミュレートシステムSは、シミュレートプログラムを内蔵したコンピュータ及びそれの周辺機器(例えば、マウス、キーボード、ディスプレイ、ハードディスク等)などから構成され、少なくとも入力手段6、シミュレート手段7、出力手段8が備えられている。
【0024】
前記入力手段6は、例えば、キーボードやマウス等の操作によって、植物利用型処理設備5の情報D1の入力、並びに、植物を利用せずに化学反応等で二酸化炭素を処理する市販の植物非利用型処理設備の情報D2の入力を受け付け、シミュレート手段7の記憶部に記憶させる処理を実行するように構成されている。
【0025】
前記植物利用型処理設備5の情報D1は、植物利用型処理設備5の稼働による二酸化炭素処理量(例えば1年当たり)d11、栽培ハウス2内で育成する販売対象物2aの数量(例えば1年当たり)d12と販売仕様d13、植物利用型処理設備5の導入・稼働・メンテナンスに要する設備側費用(例えば1年当たり)d14などから構成されている。
【0026】
また、前記植物非利用型処理設備の情報D2は、植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量(例えば1年当たり)d21、植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する設備側費用(例えば1年当たり)d24などから構成されている。
【0027】
設備側費用d14、d24の各々は、施設1からの二酸化炭素の削減方法の提案や検討に係るコンサルティング料等を含む処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する一切の費用である。
【0028】
前記シミュレート手段7の記憶部には、実行する演算過程で必要な各種の情報が記憶されており、本例では、販売対象植物2aの種別毎及び販売仕様(例えば、プリザーブドフラワーや生花)毎の販売対象物2aの販売単価daや販売対象植物2aの種別毎及び販売仕様毎の販売対象植物2aの育成・収穫・販売に要する植物側費用db(例えば1年当たり、前記の設備側費用は含まない)、二酸化炭素量を金銭に換算する取引単価(所謂、排出権取引に係る単価)dcなどの情報が記憶されている。
【0029】
販売対象植物2aの育成・収穫・販売に要する植物側費用dbは、販売対象物2aの販売のための加工処理をも含む販売対象植物2aの育成・収穫・販売に要する一切の費用である。
【0030】
前記シミュレート手段7は、入力手段6で入力を受け付けた植物利用型処理設備情報D1、植物非利用型処理設備情報D2に基づいて、栽培ハウス2内で育成する販売対象物2aの数量d12にその販売対象物2aの種別や販売仕様に応じた販売単価daを乗じて販売対象物2aの販売額d15を演算し、前記二酸化炭素処理量d11に取引単価dcを乗じて金銭に換算した二酸化炭素削減額d16を演算するとともに、当該二酸化炭素削減額d16と前記販売額d15とを合算した仮想収益d17を演算する処理を実行するように構成されている。
【0031】
さらに、シミュレート手段7は、前記植物利用型処理設備5に関する設備側費用d13と販売対象物2aの種別や販売仕様に応じた植物側費用dbとを合算して合算費用d18を演算するとともに、第1評価値h1として、仮想収益d17と合算費用d18との差を演算する処理を実行するように構成されている。
【0032】
また、シミュレート手段7は、入力手段6で入力を受け付けた植物利用型処理設備情報D1、植物非利用型処理設備情報D2に基づいて、第2仮想収益d27として、植物非利用型処理設備に関する二酸化炭素処理量d21に取引単価dcを乗じて金銭に換算した二酸化炭素削減額を演算するとともに、第2評価値h2として、第2仮想収益d27と植物非利用型処理設備に関する設備側費用d24との差を演算する処理を実行するように構成されている。
【0033】
そしてまた、第1評価値h1と第2評価値h2との差を差異評価値hs1として演算するように構成されている。
【0034】
出力手段8は、シミュレート手段7で演算された各評価値h1、h2、hs1をディスプレイ上などに表示する出力処理を実行するように構成されている。
【0035】
つまり、このシミュレートシステムSは、処理設備情報D1、D2の入力を入力手段6で受け付け、各評価値h1、h2、hs1をシミュレート手段7で演算し、その各評価値h1、h2、hs1を出力手段8で出力する。
【0036】
なお、このシミュレートシステムSは、植物利用型処理設備5の情報D1のうち、販売対象植物の販売仕様d13の入力がない場合には、前記第1評価値h1として、販売対象植物2aをプリザーブドフラワーとして販売したときの評価値と、販売対象植物2aを生花として販売したときの評価値の両方を演算するように構成されている。
【0037】
[第2実施形態]
本第2実施形態では、図3に示すように、二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムSの入力手段6が、前記植物利用型処理設備5の情報D1の入力、並びに、前記施設1の情報D9の入力を受け付ける処理を実行するように構成されている。
【0038】
前記施設情報D9は、施設1内で発生する二酸化炭素発生量(例えば1年当たり)d91などから構成されている。
【0039】
また、シミュレート手段7が、入力手段6で入力を受け付けた植物利用型処理設備情報D1、施設情報D9に基づき、施設から発生す二酸化炭素発生量d91から植物利用型処理設備5に関する二酸化炭素処理量d11を差し引いた設備導入後の施設1からの二酸化炭素排出量に取引単価dcを乗じて金銭に換算した二酸化炭素排出額d31と、植物利用型処理設備5に関する設備側費用d14と植物側費用dbとを合算した仮想費用d32を演算する処理を実行するように構成されている。
【0040】
さらに、シミュレート手段7が、第3評価値h3として、仮想費用d32と前記販売額d15との差を演算するとともに、現在評価値h9として、施設二酸化炭素発生量d91に取引単価dcを乗じて金銭に換算した二酸化炭素排出額を演算する処理を実行するように構成されている。
【0041】
また、シミュレート手段7は、差異評価値hs2として、第3評価値h3と現在評価値h9の差を演算するように構成されている。
【0042】
そして、前記出力手段8は、シミュレート手段7による演算結果として、各評価値h3、h9、hs2をディスプレイ上等に表示する出力処理を実行するように構成されている。
【0043】
つまり、このシミュレートシステムSは、植物利用型処理設備情報D1、施設情報D9の入力を入力手段6で受け付け、各評価値h3、h9、hs2をシミュレート手段7で演算し、その各評価値h3、h9、hs2を出力手段8で出力する。
【0044】
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるので、同一の構成箇所には同一の番号を付記してその説明は省略する。
【0045】
[その他の実施形態]
(1)前述の各実施形態では、栽培ハウス2を施設1の敷地内に設ける場合を例に示したが、例えば、施設1の屋上やバルコニーや中庭等に設けてもよく、或いは、施設1の敷地外に設けてもよい。
【0046】
(2)前述の各実施形態では、二酸化炭素供給路4を介して栽培ハウス2に二酸化炭素を供給する場合を例に示したが、専用の容器やそれを運搬する自動車等の運搬手段を介して栽培ハウス2に二酸化炭素を供給してもよい。
【0047】
(3)前述の各実施形態では、二酸化炭素ガスgを栽培ハウス2に供給する場合を例に示したが、二酸化炭素を栽培ハウス2用の培養水等に混入して栽培ハウス2に供給してもよい。
【0048】
(4)前述の各実施形態では、施設1として工場を例に示したが、映画館やホールやオフィスビル等であってもよい。
【0049】
(5)前述の各実施形態では、販売対象植物2aとして薔薇を例に示したが、その他の花や観葉植物や野菜や果物等であってもよい。
【0050】
(6)処理設備情報D1、D2、施設情報D9はシミュレート手段7の記憶部に記憶させる情報との関係で種々の変更が可能である。要するに、処理設備情報D1、D2、施設情報D9とシミュレート手段7の記憶情報とから各評価値h1、h2、hs1、h3、h4、hs2を演算し得るように処理設備情報D1、D2、施設情報D9とシミュレート手段7の記憶情報を変更すればよい。その場合、例えば、処理設備情報D1、D2、施設情報D9を設備の仕様の情報から構成し、その設備仕様に対応する各種の詳細情報をシミュレート手段の記憶部に記憶させてもよい。
【0051】
(7)前述の実施形態では、出力手段8がディスプレイ上に出力するように構成されている場合を例に示したが、用紙や端末機等に出力するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 施設
2 栽培ハウス
2a 販売対象植物
5 植物利用型処理設備
6 入力手段
7 シミュレート手段
8 出力手段
D1 植物利用型処理設備に関する情報
D2 植物非利用型処理設備に関する情報
D9 施設の情報
h1、h2、h3 評価値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売対象植物を栽培する栽培ハウスに施設で発生した二酸化炭素を供給し、その二酸化炭素を栽培ハウス内の販売対象植物に吸収させることで施設から排出される二酸化炭素を削減し且つ販売対象植物の育成速度を増加させる二酸化炭素削減方法。
【請求項2】
請求項1記載の二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額と栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額とを合算した仮想収益と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられているシミュレートシステム。
【請求項3】
前記入力手段が、植物を用いずに二酸化炭素を処理する植物非利用型処理設備に関する情報の入力も受け付けるように構成され、
前記シミュレート手段が、前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、前記植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額からなる第2仮想収益と、前記植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する費用との差を第2評価値として演算するように構成されている請求項2記載のシミュレートシステム。
【請求項4】
請求項1記載の二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記施設に関する情報と前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記施設で発生する二酸化炭素発生量から前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を差し引いた設備導入後の施設からの二酸化炭素排出量を金銭に換算した二酸化炭素排出額と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを合算した仮想費用と、栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額との差を評価値として演算し、更に、前記施設で発生する二酸化炭素発生量を金銭に換算した二酸化炭素排出額を現在評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられているシミュレートシステム。
【請求項5】
前記シミュレート手段は、前記評価値として、販売対象植物としての薔薇をプリザーブドフラワーとして販売したときの評価値と、販売対象植物としての薔薇を生花として販売したときの評価値を算出可能に構成されている請求項2〜4のいずれか1項に記載のシミュレートシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−135817(P2011−135817A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297941(P2009−297941)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(508126479)
【Fターム(参考)】