説明

交差作動型心停止用胸部押圧装置

患者の身長軸に対して非垂直な角度をなす線に沿って分離される2つの分離点に操作力を加える手動心肺蘇生装置。2つの操作力点を分離する線は、患者の胴部を捲回する手動心肺蘇生装置のベルトが形成する平面外に延伸する。これらの幾何学的構成により、患者の側部に沿う1人又は2人以上の操作者が、手動心肺蘇生装置に容易に心肺蘇生力を加えることができる。実行する円周胸部圧縮を複数の量の1つに制限する機能を手動心肺蘇生装置に付与することができる。手動心肺蘇生装置は、圧力の印加に適する時間を示す信号を発生でき、また心電計と細動除去装置を手動心肺蘇生装置に組み込むことができる。圧縮ストローク間の休止期間に患者の胸部の拡張を支援するため、患者の胸部に接触する吸着カップ又はその他の付着部材を手動心肺蘇生装置に設けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差作動型心停止用胸部押圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1998年4月14日発行の米国特許第5,738,637号、2001年5月22日発行の米国特許第6,234,984号、2001年12月4日発行の米国特許第6,325,771号2003年11月11日発行の米国特許第6,645,163号に加えて、2001年3月27日付け提出の米国特許出願番号第9/818,102号及び2003年11月11日付け提出の米国特許出願番号第10/705,487号により、ケー・エー・ケリーらは、心停止状態の患者に心肺蘇生(CPR)を実施する優れた手動装置を提供した。参照することにより、前記米国特許及び特許出願の開示を本明細書の一部とする。ケリーら名義の心肺蘇生装置は、心停止状態の患者に対し迅速、正確、手軽且つ確実に手動の心肺蘇生を実施することができる。
【0003】
心肺蘇生の従来の概念は、2つの異なる考え方に集中した。第1の考え方は、極限状態で両手を患者の胸部に当てて、反覆周期で手を押し当てるように指導された人である。この自力心肺蘇生には、複数の制約がある。それらの制約の中で、一応心肺蘇生の訓練を受けた人々でも、正しく操作を行って非常事態を乗り切って患者の生存の機会を顕著に改善できる人が極めて少ないのが現実である。また、この種の心肺蘇生は、被災者の胸部を下方に押圧力を加える場合にのみしか成功しなかった。この方法は、ある程度望ましい血流を生じるが、胸部を圧迫して血液循環を増加する重大な可能性を完全に無視するものである。尤も、この種の心肺蘇生は、心停止状態にある人の生命を特に救済できることが証明された訳ではない。
【0004】
心肺蘇生法の第2の型は、第1の型とは反対である。締め付けるある種の胴枠により人の胸部を包囲し、胴枠により胸部を圧迫して、前記のように、所望の血流を増加させることができる。空圧装置を有する空圧制御胴枠によりこの種の装置が作動されることが多い。しかしながら、この種の心肺蘇生装置は、手動心肺蘇生について説明したように、胸部を下方に押圧して血液循環を支援することは通常できない。また、この種の装置は、通常相当な財政投資が必要になると共に、患者に正しく確実に装着して、「自動操作」を行うときでも、その後の操作ができるように、十分な訓練を積まなければならない。にもかかわらず、前記列挙の通り、ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願のみならず、アール・ラックその他名義の1988年9月13日発行の米国特許第4,770,164号には、この種の装置を大幅に改善する実施例が開示されている。事実、後者の米国特許は、下方と円周方向との両方向に心肺蘇生力を発生する自動操作装置を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
心停止(心臓停止、心拍停止又は心不全)状態の患者に対して迅速に細動除去を行う方法が重要な焦点となった。細動除去法は、心停止患者の治療に重要な場面で実施されるが、心臓に酸素を供給する補助にはならず、細動を除去する機能を生ずるに過ぎない。
【0006】
ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願に開示される手動心肺蘇生装置は、両方の型の血液循環支援を容易に行うものである。この手動心肺蘇生装置は、患者の胸部に下方押圧力を直接加えて、患者の胸部を直接押下する半径方向力を発生するものである。しかしながら、この手動心肺蘇生装置は、患者の胸部を包囲するベルトを締付けて、ベルトと患者の胸部を圧迫して心筋周辺で重要な血液循環を強力に行うものである。
【0007】
この手動心肺蘇生装置は、財政的負担が最小でよく、事実上訓練を要しない点が重要である。これにより、警察車両のトランク、体育館等多くのかつ種々の場所に手動心肺蘇生装置を配備して、例えば警察官自身、指導員及びその他団体職員等の他人が手動心肺蘇生装置を使用することができる。最も簡便な形態の心肺蘇生装置は、被災者の胸部に捲回されかつ心肺蘇生装置に取り付けられるベルトを利用する。心肺蘇生装置の一部を形成する複数の取手を操作者が押下すると、下方に押圧する操作力の一部が、被災者の身体の内側に向かう径方向力に変換されて、被災者に直接伝達されて、被災者の胸骨から胸部に達する。この心肺蘇生装置は、下方に向く押圧力の一部が接線方向の成分に変換されて、ベルトで円周方向に胸部周辺を緊締する効果を生じ、胸部周辺を圧迫して心臓周辺での血液循環を促進できる点が重要である。
【0008】
単純形態の前記心肺蘇生装置は、心停止状態の被災者に有効であることが判明したが、前記米国特許と米国特許出願は、特殊な状況での有効性を増強する多くの別の特徴を開示する。例えば、ベルトを取り付け又はベルトが通過する複数の開口部を有する背板が心肺蘇生装置に設けられる。患者用の呼吸気体装置と(酸素等の)気体を収納して患者の頭部を当てる隆起部分が背板に設けられる。
【0009】
被災者の胸部に印加される圧力を表示する圧力センサを他の特徴としてこの心肺蘇生装置に設けることができる。この圧力指示器により、操作者はより効果的で安全な処置を行うことができる。
【0010】
別の安全機能として、患者の胸部に加えられる円周方向の緊締力の量を制限する装置を心肺蘇生装置に設けることができる。特に、この安全機能により、胸部の周囲に加えられる複数の異なる力を選択できる。
【0011】
複数の押圧ストローク間に被災者の胸部を十分にかつ確実に拡張するため、胸接触面に配置する取付具を心肺蘇生装置に設けて、心肺蘇生装置を胸部に付着することができる。取付具を付着して圧力を除去するとき、患者の胴体を引張して、胸部拡張を助長することができる。この付着式取付具は、吸着カップ又は接着の形態でもよい。
【0012】
また、ケリーらは、心肺蘇生装置の一部を構成する信号発生器を提案する。この信号発生器は、周期的信号を発生する目的を有する。この信号は、心肺蘇生装置を押下する時期を操作者に単に知らせて、最大の効果を生ずる時間間隔で患者に周期的に押圧力を加える操作を補助するものである。
【0013】
また、下記目的に対して患者の胸部の異なる部位に互い離間して接触する2つ又はそれ以上の電極が心肺蘇生装置に設けられる。胸部に取り付けられる心肺蘇生装置の基部に2つの電極が取り付けられる。別法として、基部に一方の電極を取り付け、他方の電極をベルトに接続してもよい。又は、心肺蘇生装置のベルトの長さ方向軸に沿い異なる位置に2つの電極を取り付けてもよい。又は更に、ベルトとベルト周囲の複数位置に電極を取り付けることもできる。
【0014】
電極は、患者の心電図を得る機能がある。別法として又は加えて、電極は、必要に応じて心臓の細動を除去できる。
【0015】
前記の通り、ケリーらの心肺蘇生装置は、緊急治療を要する患者に対して十分に改善された心肺蘇生を提供した。勿論、この心肺蘇生装置の改良は更に続いている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
患者の血流を増加する改良された装置は、患者の胸部の中心領域付近に接触する形状を有する基部と、操作子と、実質的に単一の平面内で患者の胸部に捲回される実質的に弾性のない(非弾性の)ベルト手段とを通常備える。基部に取り付けられる力変換器は、操作子に連結される。実質的に又はほぼ前記単一平面内にあるベルト手段の両端でベルト手段に接続されるベルトコネクタが力変換器に設けられる。ベルト手段が配置される平面に対して非零度の角度を形成する取手線に沿う2つの分離点で胸部方向に操作子に操作力を加えるとき、力変換器は、ベルトコネクタに印加されかつ胸部に対して実質的に接線方向のベルト緊締力に操作力を変換する。
【0017】
ケリーらの心肺蘇生装置は、心肺蘇生時に2つの分離位置で操作者が下方に押圧する取手を備えた。ベルトが形成する平面内に実際にあるベルトの幅線だけ両取手が、分離して配置された。正確に換言すれば、患者の身長軸に対して直角に患者の胸部を横切って両取手が離間して配置される。この構造により、操作者が患者を跨ぎ又は操作者自身が不自然な体位で2つの取手に下方押圧力を加えなければならない。本発明の新規な心肺蘇生装置は、患者の胸部を一周するベルトの平面から取手の分離方向を移動して、従来の心肺蘇生装置の欠陥を解消するものである。これにより、患者の側方に沿う自然な姿勢で操作者が操作することができる。
【0018】
即ち、ベルト手段の平面に対し実質的に垂直に配置される線に沿って取手を分離することができる。換言すれば、患者の胴体の身長軸に対し実質的又はほぼ平行に配置される線上で2つの取手即ち力点を分離することができる。いずれの場合でも、操作者は、取手を容易に把持して救命機能を実行することができる。
【0019】
患者を包囲するベルト手段の平面に集中せずに、ベルト手段の両端を力変換器のベルトコネクタに装着する複数の点に集中して、改善された心肺蘇生装置を説明することができる。前記2点は、通常第1の作用線を形成する。第1の作用線に対し非零度の角度を形成する第2の作用線に沿う2つの分離点上で操作子に胸部に向く操作力が印加されるとき、力変換器は、実質的に胸部の接線方向に向かいベルトコネクタに印加されるベルト緊締力に前記操作力を変換する。前記のように、操作者が操作力を加える第2の作用線の好適な部位は、第1の作用線に対し実質的に垂直な方向にあり、第1の作用線は、ベルト手段の両端を力変換器のベルトコネクタに取付ける複数の点により形成される。換言すれば、操作者が操作力を加える第1の作用線は、患者の胴体の身長軸に対して実質的に平行である。
【0020】
前記のように、患者を治療する心肺蘇生法では、患者の胸部の中央域付近の胸部上に血流増加装置の基部をまず装着しなければならない。基部を装着する際に、第1の端部と第2の端部を有するベルト手段を実質的に一平面内に配置しながら、ベルト手段が患者の胸部に捲回される。血流増加装置に固定されないベルト手段の何れかの端部を血流増加装置に固定すると、ベルト手段は、実質的に一平面を形成する。この時点で、ベルト手段が形成する平面に対して非零度の角度を形成する作用線に沿う2つの分離点に操作力が加えられ、操作力は、胸部に向かって力変換器に連結される操作子に伝達される。力変換器は、無論、基部とベルト手段に連結される。最後に、操作力は、実質的に胸部の接線方向に向く複数のベルト緊締力に変換される。
【0021】
ベルト手段が形成する平面に対し実質的に垂直に配置される作用線に沿って操作力を加えることが望ましい。即ち、作用線は、患者の胴部の身長軸に実質的に平行である。
【0022】
換言すれば、血流増加装置に取り付けるとき、実質的に第1の作用線に沿うベルト手段の第1の端部と第2の端部は、互いに分離される。第1の作用線に対して非零度の角度を形成する第2の作用線に沿う2つの分離点で胸部に向く操作力が加えられ、操作力は、基部とベルト手段とに連結される力変換器に連結される操作子に伝達される。最後に、操作力は、実質的に胸部の接線方向に向く複数のベルト緊締力に変換される。このように、第2の作用線に対し実質的に直角に第1の作用線を配置し又は患者の胴体の身長軸に対し実質的に平行に第1の作用線を配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図7は、心肺蘇生治療を受ける患者32にベルト31で取り付けられる心肺蘇生装置30を示す。特に図1〜図3及び図7に示すように、患者32を包囲するベルト31は、全体として一平面を形成する。心肺蘇生装置30の取手(ハンドル)33,34は、取手線35に沿って配置(かつ互いに分離される)される。換言すると、取手線35は、ベルト31が形成する平面に対して実質的に直角である。また、取手線35は、患者32の身長軸36に対して実質的に平行である。
【0024】
身長軸36に対して平行に取手33,34を配置するので、操作者40は、患者32の側部又は脇腹に沿って跪き又はしゃがんで取手33,34にそれぞれ両手41,42を掛けて心肺蘇生を実施することができる。操作者40は、患者32を跨ぐ必要がなく、他の不便な姿勢又は効率の悪い姿勢をとる必要がない。
【0025】
心肺蘇生を実施するため、操作者40は、患者32の胸部上に配置する心肺蘇生装置30と患者の背中にベルト31を捲回する。次に、操作者は、ベルト31の端部45,46を肺蘇生装置30に取り付ける。即ち、ベルト31の端部45,46をシャフト(ロッド)47,48の周りに巻き付け、フックと輪等の標準的な連結具を使用して、端部45,46をシャフト47,48に取付けるが、連結具は、ケリーらの米国特許及び米国特許出願に開示されるあらゆる接続具又は図13について後述する簡易脱着取付具等を使用することができる。図1、図2及び図4にこの手順を明示する。
【0026】
その後、操作者は、取手33,34を下方に押す。これにより、2つの操作を達成できる。第1に、患者32の胸骨上に直接下方を装置30により伝達して、直接胸部を加圧することができる。これは、心肺蘇生の第1の作用である。
【0027】
第2に、取手33,34を押下して、軸受55,56と共に、コネクタ53を強制的に下降させると、コネクタ53は、基部62に固着されるU字部材61の両側部59,60に形成される開口部57,58に沿って下方に移動する。軸受65,66に支持されるコネクタ53は、図5に明示する三角側板69,70の貫通孔67,68内に各々延伸する。このように、取手33,34を押し下げることにより、コネクタ53を介して三角側板69,70も強制的に同時に下方に移動することができる。
【0028】
三角側板69,70を上下に移動することにより、回転軸81〜84の周りに回動レバー75〜78を強制的に回転することができる。このとき、ボルト85は、回動レバー75,77(側板75,77)の回転軸81,83を基部62の貫通孔89に各々軸支し、同時に、同様に、ボルト86は、回転軸82,84を基部62に回転可能に接続する。また、三角側板69の貫通溝93内に配置されるボルト91は、回動レバー75の上部アーム95を軸支する。特に図2及び図4に示すように、コネクタ53が上昇位置にあるとき、ボルト85(91)は、三角側板69の貫通溝93の内側に配置される。取手33,34の下方押圧に伴い、三角側板69も同様に下方に向かって強制的に移動され、ボルト91の強制的下方移動と同時に、ボルト91は、貫通溝93に沿って外側に移動する。これにより、図4と図5に示すように、回動レバー75は、強制的に反時計方向に回転され、回動レバー75の上部アーム95も下方へ移動されて、回動レバー75の下部アーム97は、回転軸81の周りに上方に回転して図3、図6、図7に示す位置に移動する。
【0029】
前記と正確に同一の構成が回動レバー76にも設けられ、貫通溝106内に移動可能に配置されるボルト104により三角側板70に滑動可能に取付けられる上部アーム102が回動レバー76に設けられる。前記と正確に同一の作用が行われ、取手33,34の押下により、図4及び図5に示すように、反時計方向に回動レバー76が回転され、上部アーム102が下降され、回動レバー76の下部アーム108が上昇する。要するに、取手33,34を押し下げると、回動レバー75,76の回動アーム75,76の下部アーム97,108は、強制的に上昇される。ところが、ベルト31の端部45を取り付けたシャフト48自身は、下部アーム97,108に接続される。このように、取手33,34を押下すると、ベルト端部45が持ち上がり、ベルト31を緊締することができる。
【0030】
他方のベルトの端部46に対しても、正確に同一の動作が行われる。取手33,34を押下してもまた、ベルト31の端部を上昇して、ベルト31を締め付けることができる。その結果、図3と図7に示すように、取手33,34を下方に押圧すると、患者の胸部を圧迫すると同時に、胸部の周囲でベルト31を締め付ける。
【0031】
後続の図7は、背板121上に横臥する患者32上に配置される心肺蘇生装置30の使用状態を示す。図示のように、ベルト31は、2つの開口部123,124を通過する。背板にベルト31を半永久的に取付けると、必要時に、心肺蘇生装置30を容易に使用することができる。ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願の前記装置に示される特徴の一部又は全部を背板121に設けることができる。
【0032】
また、図4と図5に示すように、取手33,34が上昇位置にあるとき、三角側板69の貫通孔128、回動レバー75,77の貫通孔129,130及びU字部材59の貫通孔131にロックピン127を各々嵌合することができる。この構造により、取手33,34が上昇位置にある図4に示す状態に心肺蘇生装置30を保持して、使用前に迅速にベルト31を緊張状態に維持すると共に、不使用時に身体に有害な作動を極力防止することができる。
【0033】
図示のように、回動レバー75〜78は、(そこで見られるように)水平に対して角度90度曲がる上部アーム95,102を有するT字型の新規な形状に形成される。この形状により、ベルトの端部45,46を保持するシャフト47,48の上昇を妨害せずに、図3、図6及び図7に示す下降位置に上部アーム95,102を移動して、ベルト31を締め付けることができる。図3、図6及び図7に示す締付位置では、上部アーム95,102の角度90度の折曲部の貫通孔内に実際にシャフト47,48が支持される。
【0034】
図8及び図9は、ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願の図13〜図17に示される従来の装置を組み込んだ心肺蘇生装置の全体を符号150で示す。従来の装置の解説を省略するが、心肺蘇生装置150は、回転軸153を中心に回転する2つの回動レバー151,152を有する。回動レバー151,152の各レバーアーム159,160に接続されるシャフト157,158にベルトの端部が取り付けられる。図9の点線で示すように、図右のシャフト157と図左のシャフト158とにベルトの端部が取付けられる。また、レバーアーム159は、回転軸153の周りにシャフト157及びベルトの右端部と共に回転して、ベルトの右端部を初期の位置から移動し、レバーアーム160は、回転軸153の周りにシャフト158及びベルトの左端部と共に回転して、ベルトの左端部を初期の位置から移動する。
【0035】
回転軸153の周囲に回動レバー151,152が回転すると、シャフト157,158は上方にかつ互いに接近する方向に移動する。これにより、シャフト157,158に取付けられるベルトの各端部が同様に上方にかつ互いに接近する方向に移動して、心肺蘇生患者の胴部周囲に捲回されるベルトを締め付けることができる。
【0036】
ストップピン163は、回転軸153の周囲で回動レバー151,152の回転量を制限する。特に、ストップピン163を孔164内に挿入すると、回動レバー151,152の回転量が最小となり、ストップピン163を孔165,166に挿入すると、回動レバー151,152の回転量を増加して、患者の胸部周辺にベルトを更に強く締め付けることができる。ピン163を孔164,165,166から除去すると、回転量が制限されずに回動レバー151,152を必要なだけ回転することができる。
【0037】
操作者は、取手(ハンドル)171を押し下げて、心肺蘇生装置150を作動させる。操作者が手を掛ける正確な位置は、どのように特別な場合でも問題にならない。しかしながら、取手171のほぼ両側に押圧点を置いて力を均衡させることが、いく分望ましいであろう。特に、シャフト157,158にほぼ平行に配置される線に沿って分離される取手171の2つの位置に手を掛けることができる。しかしながら、患者の胸部を包囲するベルトがシャフト157,158に取り付けられるので、患者の身長軸に対してほぼ平行にかつ患者を捲回するベルトが形成する面に対してほぼ直角にシャフト157,158が配置される。2つの柱173,174は、取手171を側板175に強固に取り付け、柱177,178は、取手171を側板179に接続する。このように、操作者が取手171を押し下げると、側板175,179が下降する。また、患者の胸部に下方圧力を与える。
【0038】
側板175,179が下降すると、キャップ部材183が貫通溝185に沿って移動し、上部アーム159に連結されるシャフト181も同様に下降する。同時に、キャップ部材190が貫通溝192に沿って移動し、側板175,179に連結されるシャフト188も同様に上部アーム160と共に下降する。このように、取手171の円周周辺のどこで取手171を押し下げても、回転軸153の周囲で回動レバー151,152を回転させて、シャフト157,158によりベルトの端部を引き締める効果を生じて、患者の胸部に捲回されるベルトを緊締することができる。この運動は、前記のように、患者の胸部に直接作用する下方押圧力に付加される。
【0039】
図10〜図12は、相当な数の重要な追加特徴を含むが、図1〜図7に示す心肺蘇生装置30と実質的に同様に作動する心肺蘇生装置201を示す。まず、操作者が取手202を押し下げて、心肺蘇生装置201の手動操作を行う必要がある。支柱205〜208を介して側板203,204に強固に接続される取手202を側板203,204と共に同時に押し下げる。図1に示す心肺蘇生装置30と同様に、側板203,204の下降動作により、患者の胸部212にまず押圧力が加えられる。これにより、回転軸217の周りに回動レバー215,216を回転させると共に、回転軸221の周りに回動レバー219,220を回転させて、ベルトの端部225,226を上昇させて、図1〜図7の心肺蘇生装置30と正確に同一の方法で胸部212を収縮させることができる。2つの心肺蘇生装置30,201に対する機械的操作法の唯一の相違点は、図10〜図12に示す取手202のほぼ対向するどの部位でも操作者が手を掛けることができるのに対し、図1〜図7の対向する取手33,34を操作者が把持しななければならない点にある。これは、心肺蘇生装置30にはない融通性の付加的1特徴を心肺蘇生装置201に与えるものである。
【0040】
しかしながら、図10〜図12に示す心肺蘇生装置201は、多くの有利な方法で救命機能を実行できる他の多くの特徴を有する。例えば、図10及び図12に示すように、心電計(EKG)と細動除去装置(defib)とおそらく感圧(圧力感応)パッド232との組み合わせ装置が心肺蘇生装置201の基部231に設けられる。同様に、心電計-細動除去装置パッド234〜236がベルト233に組み込まれる。パッド232,234〜236は、用語「心電計」と「細動除去装置」により表わす通常の機能を有する。パッド232,234〜236は、プラグ238を介してアンテナ又は迅速断続装置となる導線237に接続される。ベルト233内にワイヤ237を埋設してもよい。患者を監視する外部コンピュータ又は他の装置にプラグ238を接続することができる。また、他のステーションに信号を送信し又は自身の位置を表示するため、電話若しくは他の装置に接続してもよい。
【0041】
また、患者の生命の救助に役立つ様々な機能を有する電子部品セット243が心肺蘇生装置201に設けられる。最初に、パッド232と234-236に接続される心電計ディスプレイ244が心肺蘇生装置201に設けられる。心電計ディスプレイ244は、患者の状態及び経過を熟練操作者に表示する。取手202を押圧する時点と、取手202の押圧ストロークを完了する時点とを操作者に知らせる視覚的インジケータ245が心電計ディスプレイ244の隣で電子部品パック243に設けられる。心肺蘇生操作ストロークの最適な時点で、インジケータ245が点灯することが最も便利である。
【0042】
また、操作者の下方押圧ストロークにより発生する圧力を表示するディスプレイゲージ251が電子部品パック243に組み込まれる。ディスプレイゲージ251は、有効な心肺蘇生の実施に適する力を操作者が与えているかを操作者に表示する。ディスプレイゲージ251は、心電計-細動除去装置を備える圧力パッドから信号を受信する。
【0043】
拡声器252は、圧縮の発生を表示する可聴信号を生ずることができる。また、拡声器252は、心肺蘇生装置201自体を容易に取付けて使用する言葉音声指示を与えることもできる。電子部品パック243の全作動を制御するオン/オフスイッチ253が拡声器252の隣に設けられる。図11に明示するように、電子部品パック243の他の機能を制御するコンピュータ261も電子部品パック243に設けられる。また、電子部品パック243の操作を行う操作者を識別しかつ制限するパスワード又は生体認証(生物測定)等のセキュリティ機能を電子部品パック243に組み込むこともできる。また、機器の作動に関する情報及び機器から発生する信号をコンピュータ261により記録し記憶することもできる。特に、コンピュータ261により、装置の全作動を監視して、パッド232,234〜236から受信する信号の一部に基づいて患者への加圧、肺の換気又は細動除去に最も有利な時間を決定することができる。また、コンピュータ261は、前記機能を達成する各機器を作動させることができる。電池262は、前記他の機器に電力を供給する。
【0044】
心肺蘇生装置201の操作を支援し又は心肺蘇生装置201自身を作動する流体作動ピストン又は電動モータ267を付加的又は個別に電子部品パック243に設けることができる。電力ケーブル又は流体ケーブル269に接続される結合装置268を介して必要に応じて電子部品パック243に流体動力又は電力を供給することができる。タンク内の残存圧力量又は電池274内の残存電力量を表示するゲージ273を有する制御組立体270にケーブル269が接続される。ロータリスイッチ275により、モータ267のオンとオフとを切り換えて、心肺蘇生サイクルの適用頻度を選択することができる。また、セレクタスイッチ276により、患者に印加する押圧力を決定できる。また、多チャンネルケーブル269を通る帰還信号によって前記決定を行い、予め選択された値に押圧圧力を維持することができる。
【0045】
別法として、ケーブル269に沿って心肺蘇生装置201に搬送されて、患者に供給される酸素をタンク274内で単に保持してもよい。この場合、オン/オフ動作のマグニチュードロータリスイッチ275、圧力制御装置(セレクタスイッチ)276及びゲージ273がコントローラ270に設けられる。
【0046】
また、図10と図12は、ベルト234(233)のベルト端部225,226に着脱可能に取付けられる着脱ガイド281を示す。着脱ガイド281と各ベルト端部225,226は、互いを連結するフックと輪等の接続器具を備える。患者の下を通り装置201にベルト端部225,226を取付けられるように、ガイド281は、ある程度の剛性を有する。また、必要に応じて患者の胸部212の周囲にベルト233を締め付ける程度の追加長がガイド281に設けられる。
【0047】
また、図10〜図13は、シャフト286上にベルト233を保持するクリップ全体を285で示す。ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願は、ベルト233をシャフト286に保持するフック及びループを提案する。この種の接続装置は、心肺蘇生装置を使用する期待に十分に沿うものである。しかしながら、如何なる状況でもフックーループ取付構造を適用できるとは限らない。例えば、湿気又は汚染時に効果が失われる。また、反復使用後に摩滅することもある。
【0048】
クリップ285により前記制約を回避することができる。接続軸290の周囲で回転可能に回動レバー216,220に軸支される金属製湾曲ラッチ289がクリップ285に設けられる。ベルト233をクリップ285に係止するには、まず図13に示す反時計方向に金属製ラッチ289を回転して持ち上げ、次に金属ラッチ289とシャフト286との間に(ガイド281付きの場合もある)ベルト端部226を挿入する。その後、図13で時計方向にラッチ延伸部291を回転してベルト端部226に押圧すると、ベルト233を所定の位置に固定することができる。これにより、ラッチ突起292がベルト233に対して強制的に押圧されて、シャフト286に対してベルト233を保持することができる。心肺蘇生装置の外側にベルト233を引張する如何なる外力が発生しても、外力が大きい程、ラッチ突起292は、シャフト286に対してベルト233を益々大きい力で押圧するため、一層ベルト233がシャフト286に強固に圧迫され、心肺蘇生装置を所定の位置に保持することができる。金属製ラッチ289からベルト233を解放するとき、ラッチ延伸部(ラッチ端)291を単に指で持ち上げ、反時計方向に回転させればよい。これにより、ラッチ突起292とシャフト286との間に空間が形成され、シャフト286からベルト端部226を安易に除去できる。
【0049】
図14〜図16は、ケリーら名義の米国特許及び米国特許出願の図6に示される原理により設計される心肺蘇生装置301を示す。基部302は患者の胸部に配置され、ベルト303は、常法通り患者の胸部に捲回される。タブ310により側部309に固定されるシャフト308の下にベルト端部307が挿通される。同様に、タブ(図示せず)により側部312に保持されるシャフト(図示せず)の下に他方のベルト端部311が挿過される。患者の胸部に捲回されるベルトのベルト端部307,311をキャップ部材316により所定の位置に確実に保持できる載置台315(図15及び図16)上にベルト端部307,311が配置される。
【0050】
両側に複数の歯323が設けられる2つのラック歯車321,322に載置台315とキャップ部材316とが取り付けられる。ラック歯車321,322、載置台315及びキャップ部材316は、基部302と両側部311,312に対し垂直に自由に移動できる。また、基部302に取り付けられるハウジング326内で垂直に移動できる柱部325に載置台(プラットフォーム)315が取り付けられる。ハウジング326内に柱部325を挿入すると、柱部325がハウジング326に沿って移動できるので、載置台315の垂直運動を行うことができる。載置台315を上方に移動すると、ベルト端部307,311も同一方向に引張される。このように、シャフト(図14に符号308で示す)を通じてベルト端部307,311を引張り、患者の胸部の周囲にベルト303を締め付けて、心肺蘇生を行うことができる。
【0051】
しかしながら、載置台315の垂直運動と、これによるベルト303の緊締運動を結局取手331,332(352)により制御することができる。2つの歯車セグメント337,338にそれぞれ接続される2つのアーム335,336に図面左側の取手331が取付けられる。
【0052】
取手331を押し下げると、ボルト343,344によりそれぞれ側部309,312に取り付けられるシャフト341の周りでアーム335,336と歯車セグメント337,338が反時計方向(図上)に回転する。歯車セグメント337の歯がラック歯車321,322の左側の歯323に係合するので、取手331と歯車セグメント337,338とを反時計方向に回転すると、ラック歯車321,322、載置台315及びキャップ部材316が上方に移動する。これにより、載置台315とベルト端部307,311とを同一方向に移動し、ベルト303により患者の胸部回りを締め付けて、心肺蘇生を行うことができる。
【0053】
同様に、取手352は、2つのアーム353,354に接続される。取手352を押し下げると、取手352が時計方向に回転して、2つの歯車セグメント(図には片方の符号357のみを示す)を同一方向に移動させる。ラック歯車321,322の右側に係合する複数の歯車セグメント357は、ラック歯車321,322、載置台315及びキャップ部材316を上方へ移動させる。これにより、ラック歯車321,322は、載置台315を上昇して、患者の胸部周囲をベルト303で締め付ける動作を支援する。
【0054】
このように、取手331,352の押し下げにより、2つの作業を同時に達成することができる。第1に、取手331,352を押し下げると、基部302から患者の胸部に下方押圧力を直接付与することができる。第2に、取手331,352の押下により、患者の胸部回りをベルト303で締め付けて圧迫することができる。前記両動作は、所望の心肺蘇生が可能となる。
【0055】
シャフト341に捲回されるばね361は、時計方向に取手331を付勢する。心肺蘇生周期後に操作者が取手331を開放すると、ばね361の弾力により、取手331は、図示の直立位置に自動的に戻される。その状態で、次の心肺蘇生周期を待つ。
【0056】
図17は、図14〜図16の装置301と同一の心肺蘇生装置401を示す。しかしながら、患者の胸部上に配置される大きな吸着カップ402が心肺蘇生装置401に設けられる。(図14〜図16で説明した通り)心肺蘇生ストロークの完了時に、操作者は、取手303,304を上方に引張することができる。これにより、吸着カップ402を上方へ移動させて、患者の胸部を同一方向に引張することができる。この胸部拡張により、心臓周辺の血行を支援し、また呼吸する患者が容易に吸気することができる。吸着カップ402の代わりに、心肺蘇生装置410の基部の底部に接着剤を設けて同一の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】改善された装置を使用して、患者の胴部に平行な線に沿う操作者が患者の側方から心肺蘇生力を与える状態を示す斜視図
【図2】図1の操作者を省略した図2-2線に沿う心肺蘇生装置の断面図
【図3】図1と図2に示す心肺蘇生装置の取手に下方押圧力を与えた状態を示す断面図
【図4】図1〜図3に示す心肺蘇生装置の部分斜視図
【図5】図1〜図4に示す心肺蘇生装置の各部を示す分解組立図
【図6】図4に類似するが、図1〜図4に示す心肺蘇生装置の取手を押圧した圧縮状態を示す斜視図
【図7】図3に類似するが、図1〜図6に示す心肺蘇生装置に背板を使用する状態の断面図
【図8】ケリーらの米国特許及び米国特許出願に含まれる図13〜図17に示す装置に幾分類似するが、患者の胴体の周りに対して取手のあらゆる2点でいかなる数の予め選択された心肺蘇生力を印加できる心肺蘇生装置の斜視図
【図9】心肺蘇生装置の圧縮状態を点線で示す図8の9-9線に沿う部分断面図
【図10】図1〜図7に類似する力変換器を利用するが、取手のどの2箇所でも患者の胴部の周囲に心肺蘇生力を与えられる心肺蘇生装置の斜視図
【図11】図10に示す心肺蘇生装置の11-11線に沿う側面図
【図12】心肺蘇生装置の圧縮状態を点線で示す図10の12-12線に沿う部分断面図
【図13】図10に示す心肺蘇生装置にベルト装着装置を取り付けた13-13線に沿う拡大断面図
【図14】患者の胴部に平行な線に沿って心肺蘇生力を発生し、圧縮力を患者に与えるときベルト端部が上昇する心肺蘇生装置の他の実施の形態を示す斜視図
【図15】ベルトと一方の側部を除去して、心肺蘇生装置の機構動作を示す図14と同一の心肺蘇生装置の斜視図
【図16】図14に示す心肺蘇生装置の16-16線に沿う断面図
【図17】図14〜図16と実質的に同一であるが、患者の胸部に接触する吸着カップを使用して、心肺蘇生力を与える周期間に、胸部の拡張を支援する心肺蘇生装置の斜視図
【符号の説明】
【0058】
62,231,302・・基部、 32,212・・胸部、 69,70,203,204・・操作子、 31,233,303・・ベルト手段、 75,76,77,78・・力変換器、 45,46,225,226,307,311・・ベルト手段の両端、 47,48,157,158,286,308・・ベルトコネクタ、 35・・線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)患者の胸部の中心領域付近に配置する形状を有する基部と、
(B)操作子と、
(C)実質的に一平面内で患者の胸部を包囲する実質的に弾性のないベルト手段と、
(D)前記基部に取り付けられて操作子に連結される力変換器とを備え、
実質的に平面内に配置されるベルト手段の両端でベルト手段に連結されるベルトコネクタを力変換器に設け、
ベルト手段を配置する平面に対して非零度角度を形成する線に沿う2つの分離する点で患者の胸部に向かい操作子に操作力を与えるとき、力変換器は、複数のベルトコネクタに印加して、胸部に対して実質的に接線方向に向くベルト緊締力に操作子への操作力を変換することを特徴とする患者血流増加装置。
【請求項2】
ベルト手段を配置する平面に対し線を実質的に垂直に配置した請求項1に記載の患者血流増加装置。
【請求項3】
患者の胴部の身長方向軸に対して実質的に平行に線を配置した請求項1に記載の患者血流増加装置。
【請求項4】
(A)患者の胸部の中心領域付近に配置する形状を有する基部と、
(B)操作子と、
(C)患者の胸部に捲回される実質的に弾性のないベルト手段と、
(D)基部に取り付けられかつ操作子に作動連結される力変換器とを備え、
力変換器は、ベルト手段の両端に連結されるベルトコネクタを有し、
力変換器に連結されるベルト手段の両端は、実質的に第1の作用線を形成し、
第1の作用線に対して非零度角度を形成する第2の作用線に沿う2つの分離する点で操作子に患者の胸部に向かう操作力を与えるとき、
力変換器は、胸部に対して実質的に接線方向に向かいかつ複数のベルトコネクタに印加するベルト緊締力に操作子への操作力を変換することを特徴とする患者血流増加装置。
【請求項5】
第2の作用線に実質的に垂直に第1の作用線を配置した請求項4に記載の患者血流増加装置。
【請求項6】
患者の胴部の身長軸に対して実質的に平行に第1の作用線を配置した請求項4に記載の患者血流増加装置。
【請求項7】
(A)患者の胸部の中心領域付近の胸部上に血流増加装置の基部を配置する過程と、
(B)第1の端部と第2の端部とを有するベルト手段を、実質的に一平面を形成する状態で患者の胸部に捲回する過程と、
(C)患者血流増加装置に固定されずかつ実質的に一平面を形成するベルト手段の両端のいずれかを患者血流増加装置に固定する過程と、
(D)基部とベルト手段に連結される力変換器に連結される操作子に対しかつ患者の胸部に向かう操作力を、平面に対し非零度角度を形成する線に沿う2つの分離点に作用させる過程と、
(E)実質的に胸部の接線方向に向かう複数の緊締力に操作力を変換する過程とを含むことを特徴とする患者への心肺蘇生治療法。
【請求項8】
ベルト手段が形成する平面に対して実質的に垂直に線を配置した請求項7に記載の患者への心肺蘇生治療法。
【請求項9】
患者の胴部の身長軸に対して実質的に平行に線を配置した請求項7に記載の患者への心肺蘇生治療法。
【請求項10】
(A)患者の胸部の中央領域付近で胸部に血流増加装置の基部を配置する過程と、
(B)第1の端部と第2の端部を有するベルト手段の第1の端部と第2の端部を第1の作用線に沿って互いに分離する状態で、ベルト手段を患者の胸部に捲回する過程と、
(C)患者血流増加装置に固定されないベルト手段の両端のいずれかを実質的に第1の作用線に沿って患者血流増加装置に固定する過程と、
(D)第1の作用線に対し非零度角度を形成する第2の作用線に沿う2つの分離点に操作力を患者の胸部に向かって作用させて、基部とベルト手段に連結される力変換器に連結される操作子に操作力を印加する過程と、
(E)実質的に胸部の接線方向に向かう複数のベルト緊締力に操作力を変換する過程とを含むことを特徴とする患者への心肺蘇生治療法。
【請求項11】
第2の作用線に対し第1の作用線を実質的に垂直にする請求項10に記載の患者への心肺蘇生治療法。
【請求項12】
患者の胴部の身長軸に対し第1の作用線を実質的に平行にする請求項10に記載の患者への心肺蘇生治療法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−501569(P2009−501569A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521678(P2008−521678)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/027518
【国際公開番号】WO2007/011798
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508013652)
【Fターム(参考)】