交通費申請システム
【課題】 交通費の二重申請を防止し、勤務時間を考慮して容易で迅速な交通費申請を行うことができ、その承認を正確なものにできる交通費申請システムを提供する。
【解決手段】 交通費申請サーバ1の制御部11が、交通機関で利用できるICカードを読取端末4で読み取って履歴データを取得してユニークな番号を割り付け、最も古い利用日の履歴データを削除し、申請済データと比較して申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成し、申請端末5の申請処理に申請用データを表示し、申請データを選択させて申請処理を行わせ、承認端末6に申請処理に係る申請データを承認用データとして表示して承認処理を行わせる交通費申請システムである。
【解決手段】 交通費申請サーバ1の制御部11が、交通機関で利用できるICカードを読取端末4で読み取って履歴データを取得してユニークな番号を割り付け、最も古い利用日の履歴データを削除し、申請済データと比較して申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成し、申請端末5の申請処理に申請用データを表示し、申請データを選択させて申請処理を行わせ、承認端末6に申請処理に係る申請データを承認用データとして表示して承認処理を行わせる交通費申請システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関で利用されるICカードを用いた交通費申請システムに係り、特に、二重申請を防止し、申請者の勤務時間に適合して申請作業を容易にできる交通費申請システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
現在、交通機関では、非接触型のICカードが広く利用されている。
ICカードとしては、定期用のICカード、チャージ用のICカード、更に両方の機能を有するICカードがある。
電車等の交通機関では、利用に際して、利用日、種別(入)、利用駅(乗車駅)、種別(出)、利用駅(降車駅)、残高の情報をICカード内に記憶するものであり、定期用であれば、利用日が定期の期間内であって乗車駅と降車駅が定期の区間内であるかを判定し、チャージ用であれば、乗車駅と降車駅から算出される料金が残高にチャージされているかを判定し、交通機関の利用を許可している。
【0003】
また、業務における交通費清算の作業は、依然として「交通費領収書」等の伝票を用いて為されている場合が多く、その作業が繁雑であり、処理の迅速化が望まれている。尚、交通費領収書は、倉庫にて10年保存されるケースもある。
【0004】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2007−079911号公報「ICカードを利用した交通費清算方法」(出願人:ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社)があり(特許文献1)、また、特開2006−202202号公報(出願人:日本電気株式会社)がある(特許文献2)。
【0005】
特許文献1には、ICカードに記憶された乗降履歴データをカードリーダーで読み込み、パーソナルコンピュータで動作する表計算ソフトウェアに自動的に展開して交通費清算を容易にすることが示されている。
【0006】
特許文献2には、利用者が申請者端末から通信ネットワークを介して交通事業者システムのサーバにアクセスし、自己の支払履歴情報にアクセスし、交通費の清算を行うことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−079911号公報
【特許文献2】特開2006−202202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の伝票を元にした交通費申請方法では、申請作業が繁雑であり、処理を迅速に行うことができないという問題点があった。
【0009】
更に、伝票の交通費申請方法では、申請者からの交通費を上司(役席)が承認するようになっているが、その内容については裏付けがない状態での承認であり、承認の証跡を確認できないという問題点があった。
【0010】
また、特許文献1では、ICカードの履歴情報を表計算ソフトウェアに展開するというだけであって、二重申請を防止できず、申請者の勤務時間を考慮したものとはなっていないという問題点があった。
【0011】
また、特許文献2では、交通事業システムのサーバにアクセスして自己の支払履歴情報を取得するというものであるため、当該サーバの処理負荷が大きく、個人情報保護の観点から本人認証とセキュリティを強固なものにしなければならいものとなっていた。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、交通費の二重申請を防止し、勤務時間を考慮して容易で迅速な交通費申請を行うことができ、その承認を正確なものにできる交通費申請システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、交通機関の改札で利用される記録媒体から得られた履歴データを用いて社内の交通費の申請処理を行うサーバを備えた交通費申請システムであって、記録媒体には、記録媒体の識別子、履歴データとして利用日、利用区間に関する情報が記憶され、サーバは、制御部と記憶部を備え、記憶部には、社員コードに対応付けて登録した記録媒体の識別子を記憶する登録記録媒体情報記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶するための申請用データ記憶部と、申請対象として選択された申請データを承認用データとして記憶する承認用データ記憶部とを有し、制御部のプログラム動作によって実現する処理手段として、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成する読取データ生成手段と、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成する申請候補データ生成手段と、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する申請用データ生成手段と、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新する申請処理手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、申請用データ生成手段が、申請済又は未申請の情報を含める代わりに、申請済の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、申請用データ生成手段が、勤務時間内外を示す情報を含める代わりに、勤務時間外の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、予め記録媒体のデータフォーマットを記憶しておき、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが記憶部に記憶されたデータフォーマットと一致しない場合には、記録媒体の読取端末にエラーの表示出力を行う記録媒体の登録・確認処理手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、予め複数の記録媒体に対応するデータフォーマットと種別を記憶しておき、記録媒体の登録・確認処理手段が、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが記憶部に記憶されたいずれかのデータフォーマットに一致した場合、当該データフォーマットに対応する記録媒体の種別を特定し、登録記録媒体情報記憶部に記録媒体の識別子に対応付けて記憶し、申請用データ生成手段が、記録媒体の種別の情報を含む申請用データを生成することを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記交通費申請システムにおける処理手段を有するコンピュータプログラムであることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記コンピュータプログラムを記録する記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、読取データ生成手段が、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成し、申請候補データ生成手段が、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成し、申請用データ生成手段が、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶し、申請処理手段が、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新する交通費申請システムとしているので、交通費の二重申請を防止し、交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる効果がある。
【0022】
本発明によれば、記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する上記交通費申請システムとしているので、交通費の二重申請を防止し、社員の勤務時間を考慮して交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る交通費申請システムの構成ブロック図である。
【図2】ICカードデータの概略図である。
【図3】読取データの概略図である。
【図4】申請候補データの概略図である。
【図5】申請済データの概略図である。
【図6】申請用データの概略図である。
【図7】ICカード登録処理のフローチャートである。
【図8】ICカード登録処理の画面遷移図である。
【図9】交通費申請処理のフローチャートである。
【図10】交通費申請処理の表示画面の概略図である。
【図11】交通費承認処理のフローチャートである。
【図12】交通費承認処理の表示画面の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る交通費申請システムは、サーバの制御部のプログラム動作によって、読取データ生成手段が、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成し、申請候補データ生成手段が、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成し、申請用データ生成手段が、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶し、申請処理手段が、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新するものであり、交通費の二重申請を防止し、交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる。
【0025】
また、本発明の実施の形態に係る交通費申請システムは、サーバの記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶するものであり、交通費の二重申請を防止し、社員の勤務時間を考慮して交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、上記交通費申請システムにおける処理手段を有するコンピュータプログラムを提供するものであり、更に、そのコンピュータプログラムを記録する記録媒体をも提供するものである。
【0027】
[交通費申請システムの構成:図1]
本発明の実施の形態に係る交通費申請システム(本システム)について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る交通費申請システムの構成ブロック図である。
本システムは、図1に示すように、交通費申請サーバ1と、ホストコンピュータ3と、読取端末4と、申請端末5と、承認端末6とが、イントラネット等のネットワーク2を介して接続されている。
【0028】
尚、図1では、説明を簡単にするために、読取端末4、申請端末5、承認端末6を一台ずつしか描画していないが、実際のシステムでは、複数台の端末がネットワーク2に接続するようになっていてもよい。
また、申請端末5にカードリーダーを接続し、読取端末4の機能を備えるようにしてもよい。
【0029】
[本システムの各部]
本システムの各部について具体的に説明する。
[交通費申請サーバ1]
交通費申請サーバ1は、ICカードの登録処理を行い、読取端末4からのICカードデータを読み取って申請処理を行い、更に承認処理を行う。
交通費申請サーバ1での具体的処理は後述する。
【0030】
交通費申請サーバ1は、制御部11と、主メモリ12と、記憶部13と、インタフェース部14とを基本的に備えている。
制御部11は、記憶部13に記憶された処理プログラムを主メモリ12にロードして各種処理手段を実現する。処理手段としては、読取データ生成手段、申請候補データ生成手段、申請用データ生成手段、申請処理手段、ICカードの登録・確認処理手段、交通費承認処理手段を備えている。各手段については後述する。
【0031】
主メモリ12は、処理プログラムをロードするワークメモリである。
記憶部13は、処理プログラムを記憶し、必要なデータを記憶する。
具体的には、記憶部13は、処理プログラムを記憶するプログラム記憶部と、交通費申請の対象となる社員の社員コードを記憶する社員コード記憶部と、社員コードに対応付けて登録したICカードの識別子を記憶する登録ICカード情報記憶部と、読取データを記憶する読取データ記憶部と、申請候補データを記憶する申請候補データ記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶する申請用データ記憶部と、承認用データを記憶する承認用データ記憶部と、種別(入)と乗車駅、種別(出)と降車駅の情報に基づき交通手段の区分の情報を記憶する交通情報記憶部とを有している。各記憶部におけるデータの記憶状態については後述する。
尚、登録ICカード情報記憶部は、請求項における登録記録媒体情報記憶部に相当するものである。
インタフェース部14は、ネットワーク2、その他外部の装置に接続するためのインタフェースである。
【0032】
[ホストコンピュータ3]
ホストコンピュータ3は、交通費申請サーバ1からの承認データを受信し、入金処理、帳票作成処理を行う。
ここで、入金処理と帳票作成処理は、伝票によって承認されたデータについて従来行われている処理と同様の処理を行うものである。
【0033】
[読取端末4]
読取端末4は、交通費申請サーバ1にアクセスし、ICカードの登録を行い、登録されたICカードから履歴情報を読み取って交通費申請サーバ1に送信する。尚、ICカード登録・確認処理は、交通費申請サーバ1の制御部11が行うようになっている。ICカード登録・確認処理の詳細は後述する。
【0034】
読取端末4は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置、カードリーダーが接続されている。
当該カードリーダーは、交通機関で利用されるICカードの情報を読み取る読取装置である。
また、読取端末を交通費申請サーバ1のシンクライアント端末とし動作させてもよい。
本システムでは、ICカードを用いて説明したが、交通機関の改札を入札・出札できる記録媒体であればよく、当該記録媒体を備えた携帯電話機等も対象になる。
【0035】
[申請端末5]
申請端末5は、交通費申請サーバ1にアクセスし、交通費申請を行うための端末である。尚、交通費申請処理は、交通費申請サーバ1の制御部11で為されるものであり、その詳細は後述する。
申請端末5は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置が接続されている。
【0036】
[承認端末6]
承認端末6は、交通費の承認者の端末であり、交通費申請サーバ1にアクセスして、交通費申請サーバ1に記憶されている承認用データに対して承認を行う。
尚、交通費承認処理は、交通費申請サーバ1の制御部11で為されるものであり、その詳細は後述する。
承認端末6は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置が接続されている。
【0037】
[本システムの概略動作]
次に、本システムの概略動作について説明する。
[登録処理]
本システムの動作の概略は、まず、ICカード登録処理として、ICカードを読取端末4のカードリーダーから読み取って、ICカード識別子(ID)と履歴データを抽出し、当該ICカードIDに対応付けて登録者の社員コード、ICカードの種類を入力して交通費申請サーバ1に登録データとして送信する。
【0038】
交通費申請サーバ1では、受信した登録データの社員コードが、記憶部13の社員コード記憶部に記憶する社員コードと一致するか否かを判定し、一致すれば、当該社員コードに対応してICカードIDを登録ICカード情報記憶部に登録する。
【0039】
[申請処理]
次に、登録されたICカードが読取端末4のカードリーダーで読み取られ、ICカードIDと履歴データが交通費申請サーバ1に送信されると、読取データが生成され、それを元に申請候補データを生成し、申請済データと比較して申請用データを生成する。
【0040】
申請者は、申請端末5で交通費申請サーバ1にアクセスし、申請用データから交通費申請するものを選択して、用件(訪問先等)を入力して、交通費申請サーバ1に申請データとして送信する。
交通費申請サーバ1は、申請データを申請データ記憶部に記憶する。
【0041】
[承認処理]
交通費申請サーバ1は、承認端末6からのアクセスにより申請データ記憶部に記憶した申請データを承認用データとして表示出力する。
交通費申請サーバ1は、承認端末6で承認された承認用データを承認データとしてホストコンピュータ3に送信する。
ホストコンピュータ3では、入金処理、帳票作成処理が行われる。
【0042】
[ICカードデータ:図2]
次に、ICカードに記憶された履歴情報(データ)について図2を参照しながら説明する。図2は、ICカードデータの概略図である。
ICカードデータは、図2に示すように、履歴情報として、利用日、種別(入)、利用駅(乗車駅)、種別(出)、利用駅(降車駅)、残高のデータが記憶されている。
ICカードの履歴情報は、現在のところ、最大で20件分記憶されるが、それを越えると古いデータから順に削除され、新しいデータが追加されるようになっている。
【0043】
尚、ICカードデータは、読取端末4のカードリーダーでICカードからICカードの識別子(ID)と共に読み取られて、交通費申請サーバ1に送信される。
【0044】
[読取データ:図3]
次に、読取端末4から交通費申請サーバ1に送信されたICカードデータが、交通費申請サーバ1で読み取られた場合の読取データについて図3を参照しながら説明する。図3は、読取データの概略図である。
交通費申請サーバ1の制御部11は、読取端末4からのICカードデータを受信すると、読取データ生成手段を動作させ、登録ICカード情報記憶部からICカードIDに対応する社員コードを読み込み、社員コード毎に読取データを生成する。
【0045】
そして、読取データ生成手段が、生成した読取データと読取データ記憶部に記憶されている前回の読取データとを比較し、前回の読取データに比べて新規の履歴データが生成した読取データに含まれていなければ、「前回と同じ履歴は読み取れません」とのメッセージを読取端末4に表示出力する。
新規の履歴データが生成した読取データに含まれていれば、読取データ生成手段が、読取データ記憶部の読取データに新規の履歴データを追加して記憶する。
【0046】
読取データを生成する際に、読取データ生成手段は、履歴情報1件毎にユニークな番号を付与する。ユニークな番号(No.)として、利用日と順位で番号を付与してもよい。例えば、利用日が「2009年1月22日」でその日の1番目の利用であれば、「2009012201」の番号を付与する。
【0047】
尚、ICカードが、利用日時のデータを記憶するのであれば、利用日時で番号を付与してもよい。例えば、利用日時が「2009年1月22日13時25分」であれば、「200901221325」の番号を付与する。
ユニークな番号は、社員コードに対応する番号として重複するものであってはならない。
【0048】
図3に示す読取データは、社員コード毎のデータであり、社員コード毎に、ユニークな番号(No.)、利用日、種別(入)、乗車駅、種別(出)、降車駅、残高の情報で構成される。
読取データ生成手段は、履歴データにおけるチャージ、物販のデータについてもユニークな番号を付与するが、交通費清算には関係がないため、チャージ、物販のデータを申請候補データが生成される際に、申請候補データ生成手段が削除してもよい。
但し、読取データの1件の履歴データにおける残高の情報に、前回利用の残高と今回利用の残高の情報をセットで記憶させるようにすれば、物販等のデータ(残高の情報を含む)が削除されても、申請候補データ生成手段が、料金の金額を算出可能となる。
【0049】
尚、社員が複数のICカードを利用する場合には、利用日時で番号を付与する場合には問題はないが、利用日と順位で番号を付与する場合には、交通費をまとめて申請する際にユニークな番号が重複するおそれがあるので、ユニークな番号にカードの種類を示す情報を含めるようにすれば、利用日と順位で番号を付与してもよい。
【0050】
[申請候補データ:図4]
次に、読取データから生成される申請候補データについて図4を参照しながら説明する。図4は、申請候補データの概略図である。
読取データ生成手段が読取データを生成し、読取データ記憶部に記憶すると、交通費申請サーバ1の制御部11が申請候補データ生成手段を動作させ、読取データ記憶部から読取データを読み取り、それを元に申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する。
【0051】
申請候補データ生成手段による申請候補データの生成は、読取データから最も古い利用日の利用履歴の情報を削除する処理を行う。
これは、ICカードデータに現在20件の履歴しか記憶できないため、新規の履歴情報をICカード内に記憶しようとすると、まず、古い履歴情報が1件消去し、新規の履歴情報をICカードに設定する。
【0052】
つまり、申請候補データ生成手段が、読取データから最も古い利用日の履歴データを削除して申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する。
例えば、図3の読取データでは、2009年1月22日の履歴情報が2件あるが、利用日が最も古いため、申請候補データでは、その2件とも削除している。
【0053】
最も古い利用日の履歴データを削除する理由は、ICカードデータの最大記憶件数(例えば20件)を超える履歴データが発生すると、最も古い履歴データが消去されて新しい履歴データが記憶される。最も古い利用日の履歴データが複数件記憶されていると、その中で最も古い履歴データが1件消去され、そうなると、最も古い利用日の履歴データに利用日と順位でユニークな番号を付与する場合、以前に付与したユニークな番号と整合しなくなるのを防ぐためである。
【0054】
尚、申請候補データは、図4に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額の情報から構成される。
つまり、申請候補データ生成手段が、区分の情報、金額の情報を取得するようになっている。
区分の情報は、申請候補データ生成手段が、交通情報記憶部を参照し、読取データの種別(入)と乗車駅、種別(出)と降車駅の履歴情報から交通手段の種類(例えば、「電車」等)が特定されるものである。
金額の情報は、申請候補データ生成手段が、読取データの残高の情報を基に算出したものである。つまり、一つ前の残高から今回利用の履歴データの残高を差し引くことで、今回利用の料金(金額)が算出される。
【0055】
[申請済データ:図5]
ここで、申請候補データと比較される申請済データについて図5を参照しながら説明する。図5は、申請済データの概略図である。
申請済データは、図5に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額、用件の情報から構成される。
ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額の情報は、申請候補データから引き継がれたものである。また、用件は、申請者が入力した情報である。
【0056】
[申請用データ:図6]
そして、申請候補データと申請済データを比較して生成される申請用データについて図6を参照しながら説明する。図6は、申請用データの概略図である。
申請用データは、図6に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額、用件、申請フラグの情報から構成される。
【0057】
交通費申請サーバ1の制御部11は、申請候補データが生成されると、申請用データ生成手段を動作させ、申請候補データ記憶部から申請候補データを読み取り、申請済データ記憶部から申請済データを読み取り、申請候補データと申請済データとを比較して、申請候補データにおいて既に申請済のデータがあれば、申請用データにおける申請フラグを済(申請済)に設定し、申請済でなければ、申請フラグを未(未申請)に設定する。
尚、申請フラグを用いず、申請済のデータがあれば、申請用データにエントリーしないように制御して、二重申請を防止することも可能である。
【0058】
交通手段の区分として、電車、バス等があるが、「地下鉄」「○○線」「△△バス」のように具体的な名称を交通情報記憶部に設定しておき、具体的な名称で区分を特定してもよい。
また、用件については、申請済のデータについては、申請済データから用件の情報を読み取り、申請用データの用件の欄に設定する。未申請のデータであれば、用件の欄は空欄となる。
尚、バス等の場合、乗車駅と降車駅の情報がICカードに記憶されないものもあるので、その場合も空欄とする。
このようにして、申請用データ生成手段が、申請用データを生成し、申請用データ記憶部に記憶する。
【0059】
交通費申請サーバ1の制御部11は、申請用データが生成され、申請端末5からのアクセスによって申請処理が開始されると、申請処理手段を動作させ、申請用データを申請端末5に表示させる。
そして、申請端末5で、表示された申請用データから申請者が申請データを選択し、必要事項を入力し、申請を実行すると、申請処理手段が、申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶し、申請データについては申請が完了したものとして申請済データを更新し、申請済データ記憶部に記憶する。
必要事項は、用件(訪問先)、バス等の場合の乗車駅及び降車駅等の情報である。
【0060】
[ICカード登録処理:図7]
次に、交通費申請処理を説明する前に、ICカード登録処理について図7を参照しながら説明する。図7は、ICカード登録処理のフローチャートである。
ICカード登録処理は、図7に示すように、読取端末4において、カードリーダーにICカードが置かれたか否かが判定され(S1)、ICカードが置かれなければ(Noの場合)、処理を終了し、ICカードが置かれた場合(Yesの場合)、ICカードの識別子(ID)を読み込み、既に登録されたICカードか否かを判定する(S2)。
既に登録されたICカードであれば(Yesの場合)、登録処理を終了し、既に登録されたICカードでなければ(Noの場合)、社員コードとカードの種類を入力させる(S3)。
【0061】
読取端末4の入力装置で入力された社員コードが、交通費申請サーバ1の記憶部13における社員コード記憶部を参照して該当する社員コードであるか否かを判定する(S4)。
判定処理S4で、該当する社員コードがあれば(Yesの場合)、確認画面を読取端末4の表示装置に表示し(S5)、内容がOKであるか否かを判定する(S6)。内容OKであれば(Yesの場合)、ICカードIDと社員コード、カードの種類を対応付けて登録する処理を行う(S10)。
【0062】
また、判定処理S6で、内容NGであれば(Noの場合)、再登録を行うか否かを申請者に判断させ(S7)、再登録を行わない場合(Noの場合)は処理を終了し、再登録を行う場合(Yesの場合)、処理S3に戻る。
【0063】
また、処理S4において、該当する社員コードがない場合(Noの場合)、読取端末4の表示装置に該当する社員コードがない旨表示する(S8)。
続いて、再登録を行うか否かを申請者に判断させ(S9)、再登録を行わない場合(Noの場合)は処理を終了し、再登録を行う場合(Yesの場合)、処理S3に戻る。
以上のようにして、ICカードの登録処理が為される。
【0064】
[ICカード登録処理の画面:図8]
そして、ICカード登録処理の画面について図8を参照しながら説明する。図8は、ICカード登録処理の画面遷移図である。
ICカード登録処理の画面は、図8に示すように、ICカードの読取を行うために、「カードリーダーにカードを置いてください」とのメッセージを表示し(a)、ICカードが未登録の場合は、「未登録のカードです カードの登録を行います」のメッセージを表示して未登録カードの登録を開始する(b)。
【0065】
未登録カードの登録が開始されると、社員コードとカードの種類の入力を促す画面を表示する(c)。社員コードは、入力装置のキーボード等で入力され、カードの種類はプルダウンメニューで選択する。
そして、社員コードとカードの種類が入力されて、「確認画面へ」のボタンがクリックされると、当該社員コードが社員コード記憶部に記憶されたものであるか否かが判定され、社員コード記憶部に記憶されたものでなければ、入力情報に誤りがある旨表示し、社員コードの再入力を促す画面を表示する(d)。
【0066】
また、入力された社員コードが社員コード記憶部に記憶されたものであれば、確認画面を表示し(e)、「登録」のボタンがクリックされると、登録完了のメッセージが表示され(f)、登録処理を終了する。
【0067】
ICカードが既登録の場合、乗車履歴の読取が完了した旨のメッセージを表示し(g)、更に、読み取った乗車履歴が前回と同じ履歴であれば、その履歴は読み取れない旨の表示を出力する(h)。
画面(h)を表示するためには、交通費申請サーバ1の制御部11は、ICカードデータを受信して読取データを生成し、読取データ記憶部に記憶されている前回の読取データと比較することで、読み取ったデータが前回と同じ履歴であるか否かが判別できる。
【0068】
尚、ICカードの登録処理は、交通費申請サーバ1の制御部11がICカード登録・確認処理手段を動作させて行うものである。
ICカード登録・確認処理手段は、記憶部13に想定しているICカードのデータフォーマットと種類を複数記憶しており、当該データフォーマット項目の全てを含むデータである場合に限り、該当するICカードの種類が特定される。特定されたICカードの種類は、登録ICカード情報記憶部にICカードID及び社員コードに対応付けて記憶される。
また、申請用データ生成手段が、申請用データを生成する際に、登録ICカード情報記憶部を参照してICカードの種類の情報を含めるようにしてもよい。
【0069】
また、ICカード登録・確認処理手段は、ICカードの登録を行った後でも、ICカードの読み取り時に動作し、ICカードのデータフォーマットを確認している。
ICカードのデータフォーマットは、予告なく変更される可能性がある。そのような場合に備えて、想定しているデータフォーマット以外のICカードが読み取られた場合には、ICカード登録・確認処理手段は、エラーとして判別し、エラーの表示出力を行う。
【0070】
[交通費申請処理:図9]
次に、交通費申請処理について図9を参照しながら説明する。図9は、交通費申請処理のフローチャートである。
交通費申請処理は、図9に示すように、交通費申請サーバ1の制御部11は、ICカードIDに対応付けて読み取られたICカードデータを受信し(S11)、読取データ生成手段が、登録ICカード情報記憶部から対応する社員コードを特定し、当該社員コード毎に、ICカードデータにユニークな番号を付与して読取データを生成して読取データ記憶部に記憶し、更に、申請候補データ生成手段が、読取データから最も古い利用日の履歴データを削除して申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する(S12)。
【0071】
そして、申請用データ生成手段が、申請候補データと申請済データとを比較し、申請用データを生成し、申請用データ記憶部に記憶する(S13)。
次に、申請者が申請端末5から交通費申請サーバ1にアクセスして申請処理を開始すると、申請処理手段が、申請用データを表示し、申請データが選択されて必要事項が記入され、申請が実行される。
【0072】
申請処理手段が、申請実行により申請処理が為されたか否かを判定し(S14)、申請処理が為されなければ(Noの場合)、処理を終了し、申請処理が為されたならば(Yesの場合)、申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶し、申請済データを更新して申請済データ記憶部に記憶する(S15)。
【0073】
[交通費申請処理の表示画面:図10]
そして、交通費申請処理の表示画面について図10を参照しながら説明する。図10は、交通費申請処理の表示画面の概略図である。
交通費申請処理の表示画面は、図10に示すように、申請端末5の表示装置に申請用データを表示したものとなっている。
当該表示画面で、交通費申請するデータ(申請データ)を選択するために、申請のチェックボックスにチェックを入れ、用件(訪問先)を入力し、乗車駅([自]乗車区間)、降車駅([至]乗車区間)の情報がなければそれらを入力し、入力が完了したら、「確認」ボタンをクリックして確認し、内容の確認ができれば「完了」ボタンをクリックして、交通費申請処理を実行する。
尚、請求項における利用区間に関する情報は、図2,3の乗車駅、降車駅の情報、または図10の[自]乗車区間、[至]乗車区間の情報が相当する。
【0074】
[交通費承認処理:図11]
次に、交通費承認処理について図11を参照しながら説明する。図11は、交通費承認処理のフローチャートである。
交通費承認処理は、図11に示すように、承認端末6から交通費申請サーバ1に交通費承認のためのアクセスがあると、制御部11は、承認用データ記憶部から承認用データを承認端末6の表示装置に表示出力する(S21)。
【0075】
交通費申請サーバ1の制御部11は、承認端末6で承認処理が為されたか否かを判定し(S22)、承認処理が為されていなければ(Noの場合)、処理を終了し、承認処理が為された場合(Yesの場合)、承認された承認データをため込んで1日1回まとめてホストコンピュータ3に送信し(S23)、処理を終了する。
【0076】
[交通費承認処理の表示画面:図12]
そして、交通費承認処理の表示画面について図12を参照しながら説明する。図12は、交通費承認処理の表示画面の概略図である。
交通費承認処理の表示画面は、図12に示すように、承認端末6の表示装置に表示されるもので、交通費申請サーバ1の制御部11は、承認用データ記憶部から承認用データを読み取って承認端末6に表示出力する。
承認者は、承認する場合は、表示画面で承認のチェックボックスにチェックし、「確認」ボタンをクリックして確認し、内容の確認ができれば「完了」ボタンをクリックして、交通費承認処理を実行する。
【0077】
[応用例]
本システムにおいて、ICカードが利用日のデータを記憶するようになっているが、ICカードが利用日時までのデータを記憶するようになれば、社員コード記憶部に社員コードに対応付けて社員の勤務時間の情報を設定しておき、読取データ若しくは申請候補データを生成する際に、社員コード記憶部における社員の勤務時間の情報を参照し、勤務時間外であればデータエントリーしないように制御する手段を有することも考えられる。
【0078】
また、申請用データを生成する際に、履歴データ毎に、社員の勤務時間の情報を参照して勤務時間の内外を判定し、申請用データが申請端末5に表示される場合に、勤務時間内又は勤務時間外をフラグ等で表示し、勤務時間外であっても申請者が用件に事情を記入して、交通費申請を実行可能にしてもよい。
【0079】
上記応用例で、勤務時間外のデータを排除し、勤務時間内のデータについてのみ申請可能とすれば、承認処理を省略して、システム構成を簡略化し、処理を更に迅速化できる。
【0080】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、交通機関で利用できるICカードから履歴データを取得してユニークな番号を割り付け、最も古い利用日の履歴データを削除し、申請済データと比較して申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成し、申請端末5の申請処理に申請用データを表示し、申請データを選択させて申請処理を行わせ、承認端末6に申請処理に係る申請データを承認用データとして表示して承認処理を行わせるようにしているので、交通費の申請及び承認が容易にかつ迅速にでき、特に二重申請を防止できる効果がある。
【0081】
また、本システムの応用例では、ICカードの履歴データに利用時刻の情報が含まれる場合、社員の勤務時間の情報と照合して、勤務時間内であれば、申請可能又は承認可能と判定して、社員の勤務時間に応じた申請又は承認を制限して、交通費申請の手続を適正に行うことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、交通費の二重申請を防止し、勤務時間を考慮して容易で迅速な交通費申請を行うことができ、その承認を正確なものにできる交通費申請システムに好適である。
【符号の説明】
【0083】
1…交通費申請サーバ、 2…ネットワーク、 3…ホストコンピュータ、 4…読取端末、 5…申請端末、 6…承認端末、 11…制御部、 12…主メモリ、 13…記憶部、 14…インタフェース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関で利用されるICカードを用いた交通費申請システムに係り、特に、二重申請を防止し、申請者の勤務時間に適合して申請作業を容易にできる交通費申請システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
現在、交通機関では、非接触型のICカードが広く利用されている。
ICカードとしては、定期用のICカード、チャージ用のICカード、更に両方の機能を有するICカードがある。
電車等の交通機関では、利用に際して、利用日、種別(入)、利用駅(乗車駅)、種別(出)、利用駅(降車駅)、残高の情報をICカード内に記憶するものであり、定期用であれば、利用日が定期の期間内であって乗車駅と降車駅が定期の区間内であるかを判定し、チャージ用であれば、乗車駅と降車駅から算出される料金が残高にチャージされているかを判定し、交通機関の利用を許可している。
【0003】
また、業務における交通費清算の作業は、依然として「交通費領収書」等の伝票を用いて為されている場合が多く、その作業が繁雑であり、処理の迅速化が望まれている。尚、交通費領収書は、倉庫にて10年保存されるケースもある。
【0004】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2007−079911号公報「ICカードを利用した交通費清算方法」(出願人:ジェイアール東日本メカトロニクス株式会社)があり(特許文献1)、また、特開2006−202202号公報(出願人:日本電気株式会社)がある(特許文献2)。
【0005】
特許文献1には、ICカードに記憶された乗降履歴データをカードリーダーで読み込み、パーソナルコンピュータで動作する表計算ソフトウェアに自動的に展開して交通費清算を容易にすることが示されている。
【0006】
特許文献2には、利用者が申請者端末から通信ネットワークを介して交通事業者システムのサーバにアクセスし、自己の支払履歴情報にアクセスし、交通費の清算を行うことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−079911号公報
【特許文献2】特開2006−202202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の伝票を元にした交通費申請方法では、申請作業が繁雑であり、処理を迅速に行うことができないという問題点があった。
【0009】
更に、伝票の交通費申請方法では、申請者からの交通費を上司(役席)が承認するようになっているが、その内容については裏付けがない状態での承認であり、承認の証跡を確認できないという問題点があった。
【0010】
また、特許文献1では、ICカードの履歴情報を表計算ソフトウェアに展開するというだけであって、二重申請を防止できず、申請者の勤務時間を考慮したものとはなっていないという問題点があった。
【0011】
また、特許文献2では、交通事業システムのサーバにアクセスして自己の支払履歴情報を取得するというものであるため、当該サーバの処理負荷が大きく、個人情報保護の観点から本人認証とセキュリティを強固なものにしなければならいものとなっていた。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、交通費の二重申請を防止し、勤務時間を考慮して容易で迅速な交通費申請を行うことができ、その承認を正確なものにできる交通費申請システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、交通機関の改札で利用される記録媒体から得られた履歴データを用いて社内の交通費の申請処理を行うサーバを備えた交通費申請システムであって、記録媒体には、記録媒体の識別子、履歴データとして利用日、利用区間に関する情報が記憶され、サーバは、制御部と記憶部を備え、記憶部には、社員コードに対応付けて登録した記録媒体の識別子を記憶する登録記録媒体情報記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶するための申請用データ記憶部と、申請対象として選択された申請データを承認用データとして記憶する承認用データ記憶部とを有し、制御部のプログラム動作によって実現する処理手段として、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成する読取データ生成手段と、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成する申請候補データ生成手段と、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する申請用データ生成手段と、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新する申請処理手段とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、申請用データ生成手段が、申請済又は未申請の情報を含める代わりに、申請済の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、申請用データ生成手段が、勤務時間内外を示す情報を含める代わりに、勤務時間外の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、予め記録媒体のデータフォーマットを記憶しておき、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが記憶部に記憶されたデータフォーマットと一致しない場合には、記録媒体の読取端末にエラーの表示出力を行う記録媒体の登録・確認処理手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記交通費申請システムにおいて、記憶部には、予め複数の記録媒体に対応するデータフォーマットと種別を記憶しておき、記録媒体の登録・確認処理手段が、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが記憶部に記憶されたいずれかのデータフォーマットに一致した場合、当該データフォーマットに対応する記録媒体の種別を特定し、登録記録媒体情報記憶部に記録媒体の識別子に対応付けて記憶し、申請用データ生成手段が、記録媒体の種別の情報を含む申請用データを生成することを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記交通費申請システムにおける処理手段を有するコンピュータプログラムであることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記コンピュータプログラムを記録する記録媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、読取データ生成手段が、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成し、申請候補データ生成手段が、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成し、申請用データ生成手段が、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶し、申請処理手段が、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新する交通費申請システムとしているので、交通費の二重申請を防止し、交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる効果がある。
【0022】
本発明によれば、記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する上記交通費申請システムとしているので、交通費の二重申請を防止し、社員の勤務時間を考慮して交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る交通費申請システムの構成ブロック図である。
【図2】ICカードデータの概略図である。
【図3】読取データの概略図である。
【図4】申請候補データの概略図である。
【図5】申請済データの概略図である。
【図6】申請用データの概略図である。
【図7】ICカード登録処理のフローチャートである。
【図8】ICカード登録処理の画面遷移図である。
【図9】交通費申請処理のフローチャートである。
【図10】交通費申請処理の表示画面の概略図である。
【図11】交通費承認処理のフローチャートである。
【図12】交通費承認処理の表示画面の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る交通費申請システムは、サーバの制御部のプログラム動作によって、読取データ生成手段が、記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成し、申請候補データ生成手段が、当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成し、申請用データ生成手段が、申請済データ記憶部から申請済データを取得し、申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶し、申請処理手段が、申請者の申請端末に申請用データを表示出力し、申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、申請済データ記憶部の申請済データを更新するものであり、交通費の二重申請を防止し、交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる。
【0025】
また、本発明の実施の形態に係る交通費申請システムは、サーバの記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶するものであり、交通費の二重申請を防止し、社員の勤務時間を考慮して交通費申請を容易で迅速に行うことができ、その承認を正確なものにできる。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、上記交通費申請システムにおける処理手段を有するコンピュータプログラムを提供するものであり、更に、そのコンピュータプログラムを記録する記録媒体をも提供するものである。
【0027】
[交通費申請システムの構成:図1]
本発明の実施の形態に係る交通費申請システム(本システム)について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る交通費申請システムの構成ブロック図である。
本システムは、図1に示すように、交通費申請サーバ1と、ホストコンピュータ3と、読取端末4と、申請端末5と、承認端末6とが、イントラネット等のネットワーク2を介して接続されている。
【0028】
尚、図1では、説明を簡単にするために、読取端末4、申請端末5、承認端末6を一台ずつしか描画していないが、実際のシステムでは、複数台の端末がネットワーク2に接続するようになっていてもよい。
また、申請端末5にカードリーダーを接続し、読取端末4の機能を備えるようにしてもよい。
【0029】
[本システムの各部]
本システムの各部について具体的に説明する。
[交通費申請サーバ1]
交通費申請サーバ1は、ICカードの登録処理を行い、読取端末4からのICカードデータを読み取って申請処理を行い、更に承認処理を行う。
交通費申請サーバ1での具体的処理は後述する。
【0030】
交通費申請サーバ1は、制御部11と、主メモリ12と、記憶部13と、インタフェース部14とを基本的に備えている。
制御部11は、記憶部13に記憶された処理プログラムを主メモリ12にロードして各種処理手段を実現する。処理手段としては、読取データ生成手段、申請候補データ生成手段、申請用データ生成手段、申請処理手段、ICカードの登録・確認処理手段、交通費承認処理手段を備えている。各手段については後述する。
【0031】
主メモリ12は、処理プログラムをロードするワークメモリである。
記憶部13は、処理プログラムを記憶し、必要なデータを記憶する。
具体的には、記憶部13は、処理プログラムを記憶するプログラム記憶部と、交通費申請の対象となる社員の社員コードを記憶する社員コード記憶部と、社員コードに対応付けて登録したICカードの識別子を記憶する登録ICカード情報記憶部と、読取データを記憶する読取データ記憶部と、申請候補データを記憶する申請候補データ記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶する申請用データ記憶部と、承認用データを記憶する承認用データ記憶部と、種別(入)と乗車駅、種別(出)と降車駅の情報に基づき交通手段の区分の情報を記憶する交通情報記憶部とを有している。各記憶部におけるデータの記憶状態については後述する。
尚、登録ICカード情報記憶部は、請求項における登録記録媒体情報記憶部に相当するものである。
インタフェース部14は、ネットワーク2、その他外部の装置に接続するためのインタフェースである。
【0032】
[ホストコンピュータ3]
ホストコンピュータ3は、交通費申請サーバ1からの承認データを受信し、入金処理、帳票作成処理を行う。
ここで、入金処理と帳票作成処理は、伝票によって承認されたデータについて従来行われている処理と同様の処理を行うものである。
【0033】
[読取端末4]
読取端末4は、交通費申請サーバ1にアクセスし、ICカードの登録を行い、登録されたICカードから履歴情報を読み取って交通費申請サーバ1に送信する。尚、ICカード登録・確認処理は、交通費申請サーバ1の制御部11が行うようになっている。ICカード登録・確認処理の詳細は後述する。
【0034】
読取端末4は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置、カードリーダーが接続されている。
当該カードリーダーは、交通機関で利用されるICカードの情報を読み取る読取装置である。
また、読取端末を交通費申請サーバ1のシンクライアント端末とし動作させてもよい。
本システムでは、ICカードを用いて説明したが、交通機関の改札を入札・出札できる記録媒体であればよく、当該記録媒体を備えた携帯電話機等も対象になる。
【0035】
[申請端末5]
申請端末5は、交通費申請サーバ1にアクセスし、交通費申請を行うための端末である。尚、交通費申請処理は、交通費申請サーバ1の制御部11で為されるものであり、その詳細は後述する。
申請端末5は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置が接続されている。
【0036】
[承認端末6]
承認端末6は、交通費の承認者の端末であり、交通費申請サーバ1にアクセスして、交通費申請サーバ1に記憶されている承認用データに対して承認を行う。
尚、交通費承認処理は、交通費申請サーバ1の制御部11で為されるものであり、その詳細は後述する。
承認端末6は、コンピュータで構成され、ハードウェアとしては交通費申請サーバ1と同様であり、相違する点として、インタフェース部を介して表示装置、入力装置が接続されている。
【0037】
[本システムの概略動作]
次に、本システムの概略動作について説明する。
[登録処理]
本システムの動作の概略は、まず、ICカード登録処理として、ICカードを読取端末4のカードリーダーから読み取って、ICカード識別子(ID)と履歴データを抽出し、当該ICカードIDに対応付けて登録者の社員コード、ICカードの種類を入力して交通費申請サーバ1に登録データとして送信する。
【0038】
交通費申請サーバ1では、受信した登録データの社員コードが、記憶部13の社員コード記憶部に記憶する社員コードと一致するか否かを判定し、一致すれば、当該社員コードに対応してICカードIDを登録ICカード情報記憶部に登録する。
【0039】
[申請処理]
次に、登録されたICカードが読取端末4のカードリーダーで読み取られ、ICカードIDと履歴データが交通費申請サーバ1に送信されると、読取データが生成され、それを元に申請候補データを生成し、申請済データと比較して申請用データを生成する。
【0040】
申請者は、申請端末5で交通費申請サーバ1にアクセスし、申請用データから交通費申請するものを選択して、用件(訪問先等)を入力して、交通費申請サーバ1に申請データとして送信する。
交通費申請サーバ1は、申請データを申請データ記憶部に記憶する。
【0041】
[承認処理]
交通費申請サーバ1は、承認端末6からのアクセスにより申請データ記憶部に記憶した申請データを承認用データとして表示出力する。
交通費申請サーバ1は、承認端末6で承認された承認用データを承認データとしてホストコンピュータ3に送信する。
ホストコンピュータ3では、入金処理、帳票作成処理が行われる。
【0042】
[ICカードデータ:図2]
次に、ICカードに記憶された履歴情報(データ)について図2を参照しながら説明する。図2は、ICカードデータの概略図である。
ICカードデータは、図2に示すように、履歴情報として、利用日、種別(入)、利用駅(乗車駅)、種別(出)、利用駅(降車駅)、残高のデータが記憶されている。
ICカードの履歴情報は、現在のところ、最大で20件分記憶されるが、それを越えると古いデータから順に削除され、新しいデータが追加されるようになっている。
【0043】
尚、ICカードデータは、読取端末4のカードリーダーでICカードからICカードの識別子(ID)と共に読み取られて、交通費申請サーバ1に送信される。
【0044】
[読取データ:図3]
次に、読取端末4から交通費申請サーバ1に送信されたICカードデータが、交通費申請サーバ1で読み取られた場合の読取データについて図3を参照しながら説明する。図3は、読取データの概略図である。
交通費申請サーバ1の制御部11は、読取端末4からのICカードデータを受信すると、読取データ生成手段を動作させ、登録ICカード情報記憶部からICカードIDに対応する社員コードを読み込み、社員コード毎に読取データを生成する。
【0045】
そして、読取データ生成手段が、生成した読取データと読取データ記憶部に記憶されている前回の読取データとを比較し、前回の読取データに比べて新規の履歴データが生成した読取データに含まれていなければ、「前回と同じ履歴は読み取れません」とのメッセージを読取端末4に表示出力する。
新規の履歴データが生成した読取データに含まれていれば、読取データ生成手段が、読取データ記憶部の読取データに新規の履歴データを追加して記憶する。
【0046】
読取データを生成する際に、読取データ生成手段は、履歴情報1件毎にユニークな番号を付与する。ユニークな番号(No.)として、利用日と順位で番号を付与してもよい。例えば、利用日が「2009年1月22日」でその日の1番目の利用であれば、「2009012201」の番号を付与する。
【0047】
尚、ICカードが、利用日時のデータを記憶するのであれば、利用日時で番号を付与してもよい。例えば、利用日時が「2009年1月22日13時25分」であれば、「200901221325」の番号を付与する。
ユニークな番号は、社員コードに対応する番号として重複するものであってはならない。
【0048】
図3に示す読取データは、社員コード毎のデータであり、社員コード毎に、ユニークな番号(No.)、利用日、種別(入)、乗車駅、種別(出)、降車駅、残高の情報で構成される。
読取データ生成手段は、履歴データにおけるチャージ、物販のデータについてもユニークな番号を付与するが、交通費清算には関係がないため、チャージ、物販のデータを申請候補データが生成される際に、申請候補データ生成手段が削除してもよい。
但し、読取データの1件の履歴データにおける残高の情報に、前回利用の残高と今回利用の残高の情報をセットで記憶させるようにすれば、物販等のデータ(残高の情報を含む)が削除されても、申請候補データ生成手段が、料金の金額を算出可能となる。
【0049】
尚、社員が複数のICカードを利用する場合には、利用日時で番号を付与する場合には問題はないが、利用日と順位で番号を付与する場合には、交通費をまとめて申請する際にユニークな番号が重複するおそれがあるので、ユニークな番号にカードの種類を示す情報を含めるようにすれば、利用日と順位で番号を付与してもよい。
【0050】
[申請候補データ:図4]
次に、読取データから生成される申請候補データについて図4を参照しながら説明する。図4は、申請候補データの概略図である。
読取データ生成手段が読取データを生成し、読取データ記憶部に記憶すると、交通費申請サーバ1の制御部11が申請候補データ生成手段を動作させ、読取データ記憶部から読取データを読み取り、それを元に申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する。
【0051】
申請候補データ生成手段による申請候補データの生成は、読取データから最も古い利用日の利用履歴の情報を削除する処理を行う。
これは、ICカードデータに現在20件の履歴しか記憶できないため、新規の履歴情報をICカード内に記憶しようとすると、まず、古い履歴情報が1件消去し、新規の履歴情報をICカードに設定する。
【0052】
つまり、申請候補データ生成手段が、読取データから最も古い利用日の履歴データを削除して申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する。
例えば、図3の読取データでは、2009年1月22日の履歴情報が2件あるが、利用日が最も古いため、申請候補データでは、その2件とも削除している。
【0053】
最も古い利用日の履歴データを削除する理由は、ICカードデータの最大記憶件数(例えば20件)を超える履歴データが発生すると、最も古い履歴データが消去されて新しい履歴データが記憶される。最も古い利用日の履歴データが複数件記憶されていると、その中で最も古い履歴データが1件消去され、そうなると、最も古い利用日の履歴データに利用日と順位でユニークな番号を付与する場合、以前に付与したユニークな番号と整合しなくなるのを防ぐためである。
【0054】
尚、申請候補データは、図4に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額の情報から構成される。
つまり、申請候補データ生成手段が、区分の情報、金額の情報を取得するようになっている。
区分の情報は、申請候補データ生成手段が、交通情報記憶部を参照し、読取データの種別(入)と乗車駅、種別(出)と降車駅の履歴情報から交通手段の種類(例えば、「電車」等)が特定されるものである。
金額の情報は、申請候補データ生成手段が、読取データの残高の情報を基に算出したものである。つまり、一つ前の残高から今回利用の履歴データの残高を差し引くことで、今回利用の料金(金額)が算出される。
【0055】
[申請済データ:図5]
ここで、申請候補データと比較される申請済データについて図5を参照しながら説明する。図5は、申請済データの概略図である。
申請済データは、図5に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額、用件の情報から構成される。
ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額の情報は、申請候補データから引き継がれたものである。また、用件は、申請者が入力した情報である。
【0056】
[申請用データ:図6]
そして、申請候補データと申請済データを比較して生成される申請用データについて図6を参照しながら説明する。図6は、申請用データの概略図である。
申請用データは、図6に示すように、社員コード毎に、ユニークな番号、利用日、区分、乗車駅、降車駅、金額、用件、申請フラグの情報から構成される。
【0057】
交通費申請サーバ1の制御部11は、申請候補データが生成されると、申請用データ生成手段を動作させ、申請候補データ記憶部から申請候補データを読み取り、申請済データ記憶部から申請済データを読み取り、申請候補データと申請済データとを比較して、申請候補データにおいて既に申請済のデータがあれば、申請用データにおける申請フラグを済(申請済)に設定し、申請済でなければ、申請フラグを未(未申請)に設定する。
尚、申請フラグを用いず、申請済のデータがあれば、申請用データにエントリーしないように制御して、二重申請を防止することも可能である。
【0058】
交通手段の区分として、電車、バス等があるが、「地下鉄」「○○線」「△△バス」のように具体的な名称を交通情報記憶部に設定しておき、具体的な名称で区分を特定してもよい。
また、用件については、申請済のデータについては、申請済データから用件の情報を読み取り、申請用データの用件の欄に設定する。未申請のデータであれば、用件の欄は空欄となる。
尚、バス等の場合、乗車駅と降車駅の情報がICカードに記憶されないものもあるので、その場合も空欄とする。
このようにして、申請用データ生成手段が、申請用データを生成し、申請用データ記憶部に記憶する。
【0059】
交通費申請サーバ1の制御部11は、申請用データが生成され、申請端末5からのアクセスによって申請処理が開始されると、申請処理手段を動作させ、申請用データを申請端末5に表示させる。
そして、申請端末5で、表示された申請用データから申請者が申請データを選択し、必要事項を入力し、申請を実行すると、申請処理手段が、申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶し、申請データについては申請が完了したものとして申請済データを更新し、申請済データ記憶部に記憶する。
必要事項は、用件(訪問先)、バス等の場合の乗車駅及び降車駅等の情報である。
【0060】
[ICカード登録処理:図7]
次に、交通費申請処理を説明する前に、ICカード登録処理について図7を参照しながら説明する。図7は、ICカード登録処理のフローチャートである。
ICカード登録処理は、図7に示すように、読取端末4において、カードリーダーにICカードが置かれたか否かが判定され(S1)、ICカードが置かれなければ(Noの場合)、処理を終了し、ICカードが置かれた場合(Yesの場合)、ICカードの識別子(ID)を読み込み、既に登録されたICカードか否かを判定する(S2)。
既に登録されたICカードであれば(Yesの場合)、登録処理を終了し、既に登録されたICカードでなければ(Noの場合)、社員コードとカードの種類を入力させる(S3)。
【0061】
読取端末4の入力装置で入力された社員コードが、交通費申請サーバ1の記憶部13における社員コード記憶部を参照して該当する社員コードであるか否かを判定する(S4)。
判定処理S4で、該当する社員コードがあれば(Yesの場合)、確認画面を読取端末4の表示装置に表示し(S5)、内容がOKであるか否かを判定する(S6)。内容OKであれば(Yesの場合)、ICカードIDと社員コード、カードの種類を対応付けて登録する処理を行う(S10)。
【0062】
また、判定処理S6で、内容NGであれば(Noの場合)、再登録を行うか否かを申請者に判断させ(S7)、再登録を行わない場合(Noの場合)は処理を終了し、再登録を行う場合(Yesの場合)、処理S3に戻る。
【0063】
また、処理S4において、該当する社員コードがない場合(Noの場合)、読取端末4の表示装置に該当する社員コードがない旨表示する(S8)。
続いて、再登録を行うか否かを申請者に判断させ(S9)、再登録を行わない場合(Noの場合)は処理を終了し、再登録を行う場合(Yesの場合)、処理S3に戻る。
以上のようにして、ICカードの登録処理が為される。
【0064】
[ICカード登録処理の画面:図8]
そして、ICカード登録処理の画面について図8を参照しながら説明する。図8は、ICカード登録処理の画面遷移図である。
ICカード登録処理の画面は、図8に示すように、ICカードの読取を行うために、「カードリーダーにカードを置いてください」とのメッセージを表示し(a)、ICカードが未登録の場合は、「未登録のカードです カードの登録を行います」のメッセージを表示して未登録カードの登録を開始する(b)。
【0065】
未登録カードの登録が開始されると、社員コードとカードの種類の入力を促す画面を表示する(c)。社員コードは、入力装置のキーボード等で入力され、カードの種類はプルダウンメニューで選択する。
そして、社員コードとカードの種類が入力されて、「確認画面へ」のボタンがクリックされると、当該社員コードが社員コード記憶部に記憶されたものであるか否かが判定され、社員コード記憶部に記憶されたものでなければ、入力情報に誤りがある旨表示し、社員コードの再入力を促す画面を表示する(d)。
【0066】
また、入力された社員コードが社員コード記憶部に記憶されたものであれば、確認画面を表示し(e)、「登録」のボタンがクリックされると、登録完了のメッセージが表示され(f)、登録処理を終了する。
【0067】
ICカードが既登録の場合、乗車履歴の読取が完了した旨のメッセージを表示し(g)、更に、読み取った乗車履歴が前回と同じ履歴であれば、その履歴は読み取れない旨の表示を出力する(h)。
画面(h)を表示するためには、交通費申請サーバ1の制御部11は、ICカードデータを受信して読取データを生成し、読取データ記憶部に記憶されている前回の読取データと比較することで、読み取ったデータが前回と同じ履歴であるか否かが判別できる。
【0068】
尚、ICカードの登録処理は、交通費申請サーバ1の制御部11がICカード登録・確認処理手段を動作させて行うものである。
ICカード登録・確認処理手段は、記憶部13に想定しているICカードのデータフォーマットと種類を複数記憶しており、当該データフォーマット項目の全てを含むデータである場合に限り、該当するICカードの種類が特定される。特定されたICカードの種類は、登録ICカード情報記憶部にICカードID及び社員コードに対応付けて記憶される。
また、申請用データ生成手段が、申請用データを生成する際に、登録ICカード情報記憶部を参照してICカードの種類の情報を含めるようにしてもよい。
【0069】
また、ICカード登録・確認処理手段は、ICカードの登録を行った後でも、ICカードの読み取り時に動作し、ICカードのデータフォーマットを確認している。
ICカードのデータフォーマットは、予告なく変更される可能性がある。そのような場合に備えて、想定しているデータフォーマット以外のICカードが読み取られた場合には、ICカード登録・確認処理手段は、エラーとして判別し、エラーの表示出力を行う。
【0070】
[交通費申請処理:図9]
次に、交通費申請処理について図9を参照しながら説明する。図9は、交通費申請処理のフローチャートである。
交通費申請処理は、図9に示すように、交通費申請サーバ1の制御部11は、ICカードIDに対応付けて読み取られたICカードデータを受信し(S11)、読取データ生成手段が、登録ICカード情報記憶部から対応する社員コードを特定し、当該社員コード毎に、ICカードデータにユニークな番号を付与して読取データを生成して読取データ記憶部に記憶し、更に、申請候補データ生成手段が、読取データから最も古い利用日の履歴データを削除して申請候補データを生成し、申請候補データ記憶部に記憶する(S12)。
【0071】
そして、申請用データ生成手段が、申請候補データと申請済データとを比較し、申請用データを生成し、申請用データ記憶部に記憶する(S13)。
次に、申請者が申請端末5から交通費申請サーバ1にアクセスして申請処理を開始すると、申請処理手段が、申請用データを表示し、申請データが選択されて必要事項が記入され、申請が実行される。
【0072】
申請処理手段が、申請実行により申請処理が為されたか否かを判定し(S14)、申請処理が為されなければ(Noの場合)、処理を終了し、申請処理が為されたならば(Yesの場合)、申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶し、申請済データを更新して申請済データ記憶部に記憶する(S15)。
【0073】
[交通費申請処理の表示画面:図10]
そして、交通費申請処理の表示画面について図10を参照しながら説明する。図10は、交通費申請処理の表示画面の概略図である。
交通費申請処理の表示画面は、図10に示すように、申請端末5の表示装置に申請用データを表示したものとなっている。
当該表示画面で、交通費申請するデータ(申請データ)を選択するために、申請のチェックボックスにチェックを入れ、用件(訪問先)を入力し、乗車駅([自]乗車区間)、降車駅([至]乗車区間)の情報がなければそれらを入力し、入力が完了したら、「確認」ボタンをクリックして確認し、内容の確認ができれば「完了」ボタンをクリックして、交通費申請処理を実行する。
尚、請求項における利用区間に関する情報は、図2,3の乗車駅、降車駅の情報、または図10の[自]乗車区間、[至]乗車区間の情報が相当する。
【0074】
[交通費承認処理:図11]
次に、交通費承認処理について図11を参照しながら説明する。図11は、交通費承認処理のフローチャートである。
交通費承認処理は、図11に示すように、承認端末6から交通費申請サーバ1に交通費承認のためのアクセスがあると、制御部11は、承認用データ記憶部から承認用データを承認端末6の表示装置に表示出力する(S21)。
【0075】
交通費申請サーバ1の制御部11は、承認端末6で承認処理が為されたか否かを判定し(S22)、承認処理が為されていなければ(Noの場合)、処理を終了し、承認処理が為された場合(Yesの場合)、承認された承認データをため込んで1日1回まとめてホストコンピュータ3に送信し(S23)、処理を終了する。
【0076】
[交通費承認処理の表示画面:図12]
そして、交通費承認処理の表示画面について図12を参照しながら説明する。図12は、交通費承認処理の表示画面の概略図である。
交通費承認処理の表示画面は、図12に示すように、承認端末6の表示装置に表示されるもので、交通費申請サーバ1の制御部11は、承認用データ記憶部から承認用データを読み取って承認端末6に表示出力する。
承認者は、承認する場合は、表示画面で承認のチェックボックスにチェックし、「確認」ボタンをクリックして確認し、内容の確認ができれば「完了」ボタンをクリックして、交通費承認処理を実行する。
【0077】
[応用例]
本システムにおいて、ICカードが利用日のデータを記憶するようになっているが、ICカードが利用日時までのデータを記憶するようになれば、社員コード記憶部に社員コードに対応付けて社員の勤務時間の情報を設定しておき、読取データ若しくは申請候補データを生成する際に、社員コード記憶部における社員の勤務時間の情報を参照し、勤務時間外であればデータエントリーしないように制御する手段を有することも考えられる。
【0078】
また、申請用データを生成する際に、履歴データ毎に、社員の勤務時間の情報を参照して勤務時間の内外を判定し、申請用データが申請端末5に表示される場合に、勤務時間内又は勤務時間外をフラグ等で表示し、勤務時間外であっても申請者が用件に事情を記入して、交通費申請を実行可能にしてもよい。
【0079】
上記応用例で、勤務時間外のデータを排除し、勤務時間内のデータについてのみ申請可能とすれば、承認処理を省略して、システム構成を簡略化し、処理を更に迅速化できる。
【0080】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、交通機関で利用できるICカードから履歴データを取得してユニークな番号を割り付け、最も古い利用日の履歴データを削除し、申請済データと比較して申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成し、申請端末5の申請処理に申請用データを表示し、申請データを選択させて申請処理を行わせ、承認端末6に申請処理に係る申請データを承認用データとして表示して承認処理を行わせるようにしているので、交通費の申請及び承認が容易にかつ迅速にでき、特に二重申請を防止できる効果がある。
【0081】
また、本システムの応用例では、ICカードの履歴データに利用時刻の情報が含まれる場合、社員の勤務時間の情報と照合して、勤務時間内であれば、申請可能又は承認可能と判定して、社員の勤務時間に応じた申請又は承認を制限して、交通費申請の手続を適正に行うことができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、交通費の二重申請を防止し、勤務時間を考慮して容易で迅速な交通費申請を行うことができ、その承認を正確なものにできる交通費申請システムに好適である。
【符号の説明】
【0083】
1…交通費申請サーバ、 2…ネットワーク、 3…ホストコンピュータ、 4…読取端末、 5…申請端末、 6…承認端末、 11…制御部、 12…主メモリ、 13…記憶部、 14…インタフェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の改札で利用される記録媒体から得られた履歴データを用いて社内の交通費の申請処理を行うサーバを備えた交通費申請システムであって、
前記記録媒体には、記録媒体の識別子、履歴データとして利用日、利用区間に関する情報が記憶され、
前記サーバは、制御部と記憶部を備え、
前記記憶部には、社員コードに対応付けて登録した記録媒体の識別子を記憶する登録記録媒体情報記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶するための申請用データ記憶部と、申請対象として選択された申請データを承認用データとして記憶する承認用データ記憶部とを有し、
前記制御部のプログラム動作によって実現する処理手段として、前記記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から前記記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成する読取データ生成手段と、
当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成する申請候補データ生成手段と、
前記申請済データ記憶部から申請済データを取得し、前記申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する申請用データ生成手段と、
申請者の申請端末に前記申請用データを表示出力し、前記申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、前記申請済データ記憶部の申請済データを更新する申請処理手段とを有することを特徴とする交通費申請システム。
【請求項2】
記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、
申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、前記利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶することを特徴とする請求項1記載の交通費申請システム。
【請求項3】
申請用データ生成手段が、申請済又は未申請の情報を含める代わりに、申請済の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする請求項1記載の交通費申請システム。
【請求項4】
申請用データ生成手段が、勤務時間内外を示す情報を含める代わりに、勤務時間外の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする請求項2記載の交通費申請システム。
【請求項5】
記憶部には、予め記録媒体のデータフォーマットを記憶しておき、
記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが前記記憶部に記憶されたデータフォーマットと一致しない場合には、記録媒体の読取端末にエラーの表示出力を行う記録媒体の登録・確認処理手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の交通費申請システム。
【請求項6】
記憶部には、予め複数の記録媒体に対応するデータフォーマットと種別を記憶しておき、
記録媒体の登録・確認処理手段が、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが前記記憶部に記憶されたいずれかのデータフォーマットに一致した場合、当該データフォーマットに対応する記録媒体の種別を特定し、登録記録媒体情報記憶部に記録媒体の識別子に対応付けて記憶し、
申請用データ生成手段が、記録媒体の種別の情報を含む申請用データを生成することを特徴とする請求項5記載の交通費申請システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおける処理手段を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7のコンピュータプログラムを記録することを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
交通機関の改札で利用される記録媒体から得られた履歴データを用いて社内の交通費の申請処理を行うサーバを備えた交通費申請システムであって、
前記記録媒体には、記録媒体の識別子、履歴データとして利用日、利用区間に関する情報が記憶され、
前記サーバは、制御部と記憶部を備え、
前記記憶部には、社員コードに対応付けて登録した記録媒体の識別子を記憶する登録記録媒体情報記憶部と、申請済データを記憶する申請済データ記憶部と、申請用データを記憶するための申請用データ記憶部と、申請対象として選択された申請データを承認用データとして記憶する承認用データ記憶部とを有し、
前記制御部のプログラム動作によって実現する処理手段として、前記記録媒体から記録媒体の識別子、履歴データを読み取り、登録記録媒体情報記憶部から前記記録媒体の識別子に対応する社員コードを取得し、当該社員コード毎に履歴データの利用順にユニークな番号を付与して読取データを生成する読取データ生成手段と、
当該読取データにおいて最も古い利用日の履歴データを破棄して申請候補データを生成する申請候補データ生成手段と、
前記申請済データ記憶部から申請済データを取得し、前記申請候補データと比較し、申請済又は未申請の情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶する申請用データ生成手段と、
申請者の申請端末に前記申請用データを表示出力し、前記申請用データ内で交通費申請として選択された申請データを承認用データとして受け付けて承認用データ記憶部に記憶すると共に、前記申請済データ記憶部の申請済データを更新する申請処理手段とを有することを特徴とする交通費申請システム。
【請求項2】
記憶部には、社員コードに対応して社員の勤務時間の情報を記憶する社員コード記憶部を備え、
申請用データ生成手段が、記録媒体に記憶される利用日の情報が利用日時の情報である場合に、社員コード記憶部の勤務時間の情報を参照して、前記利用日時が対応する社員の勤務時間内外を判定し、勤務時間内外を示す情報を含む申請用データを生成して申請用データ記憶部に記憶することを特徴とする請求項1記載の交通費申請システム。
【請求項3】
申請用データ生成手段が、申請済又は未申請の情報を含める代わりに、申請済の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする請求項1記載の交通費申請システム。
【請求項4】
申請用データ生成手段が、勤務時間内外を示す情報を含める代わりに、勤務時間外の履歴データを削除して申請用データを生成することを特徴とする請求項2記載の交通費申請システム。
【請求項5】
記憶部には、予め記録媒体のデータフォーマットを記憶しておき、
記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが前記記憶部に記憶されたデータフォーマットと一致しない場合には、記録媒体の読取端末にエラーの表示出力を行う記録媒体の登録・確認処理手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の交通費申請システム。
【請求項6】
記憶部には、予め複数の記録媒体に対応するデータフォーマットと種別を記憶しておき、
記録媒体の登録・確認処理手段が、記録媒体からデータを読み取る際に、当該記録媒体のデータフォーマットが前記記憶部に記憶されたいずれかのデータフォーマットに一致した場合、当該データフォーマットに対応する記録媒体の種別を特定し、登録記録媒体情報記憶部に記録媒体の識別子に対応付けて記憶し、
申請用データ生成手段が、記録媒体の種別の情報を含む申請用データを生成することを特徴とする請求項5記載の交通費申請システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおける処理手段を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7のコンピュータプログラムを記録することを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−237999(P2010−237999A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85907(P2009−85907)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(399100673)株式会社大和証券グループ本社 (139)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(399100673)株式会社大和証券グループ本社 (139)
【Fターム(参考)】
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