説明

人、家具、および財産を火災から保護するために使用される耐火ブランケット

本発明は、人、家具および財産を火災から保護するために使用される耐火ブランケットに関する。本発明のブランケットは、使用する原材料が、熱プロセスによって分子が安定化されたOPF、およびPESを含むことを特徴とする。本プロセスは、所望の程度の耐火性能および適当な触感品質を得るために、2種の繊維を混合することにあり、その結果この混合物は任意の用途に使用でき、この不活性な性質によりいずれの種類のアレルギー反応も起こすことなく皮膚に触れることができる。前述の混合物は、機械的に強化されることにより、以下の用途、すなわち、任意の種類の防火衣料およびその用途と、家具、ベッドリネン、マットレス、自動車、列車、および飛行機のシートおよび背もたれ用の耐火性緩衝層と、耐火ブランケットと、壁紙用支持材および耐火カーテンと、カーペット下の防火性詰物と、防火断熱ブランケットと、高、中、低リスクの火を使用する場所での保守および建設作業と、混合物が任意の長さまたは厚みで製造できるので、任意の品目を保護するために使用し得る防火ブランケットに対して同混合物を使用する必要がある、横抵抗特性および縦抵抗特性を有するブランケットが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
人と家具および財産との双方において任意の耐火用途に使用し得るような、熱プロセスにより分子が安定化された酸化ポリアクリロニトリル繊維(OPF)とある程度の耐火品質および適当な触感品質および抗アレルギー性を生じるポリエチレンテレフタレート繊維(PES)との混合物。
【背景技術】
【0002】
特許出願MX91000150、および特許JP9059857、JP2002052307、JP2001279073、JP2003183509、JP2004300601、およびUS6498227B1は、衣料組成物について述べない場合における、消火するための方法、添加剤、または被覆剤について述べていることで知られており、幾つかの場合では、カーボンブラックと赤リンとの双方を利用するが、決して製品の一部として利用するものではない。更に、JP8074141は、難燃剤製品であり、この繊維以外の化合物を利用するものであり、本発明は、難燃剤ではなく耐火物である。
【0003】
出願2203006、PA/a/1996/006745、公開第166068号、および特許JP2003268651などの繊維について記載されている従来の文献があるが、これらは、十分な柔軟性がなく触感の粗い欠点を示すので本発明とは異なっている。
【0004】
特許出願WO2004/031465A1、WO0242534、US6812171B2およびJP2003239163は、非薄織物が2層、すなわち、炭化処理を施して製造される、特徴を有する難燃性アクリル繊維と特徴を有する炭素繊維不織衣料とからなることを明記している。本発明は、繊維混合物の処理であって、その炭化処理ではない。
【0005】
特許出願WO99/37852、MX9606745、および特許JP2004270095には、難燃性を得るための処理について記載されているが、本発明において提案されるものとは異なり、この処理は、繊維に対する処理ではなく、耐火性である最終製品を得るための、繊維複合品に対する処理である。特許出願EP1466940A1および特許出願US2004/0241440A1は、分散物中のカーボンナノファイバーの化合物およびエラストマーについて記載しているが、組成物は、本発明とは異なる構成から得られている。
【0006】
出願JP2002129456は、経時で弾性損失しない難燃性クッションの製造方法についてのものであり、これは、炭素繊維を様々な方向に配置させることにより達成される。本発明は、耐火不織布を形成するために機械的処理に通した2種の繊維の混合物である。
【0007】
これらの文献には、十分な柔軟特性を有する繊維を提示しているものもあり、これらの繊維は、本発明のプロセスが、2種の繊維を、最終用途に従って、第1の比率(%)をOPF繊維、第2の比率(%)をPESとする50/50〜90/10までの範囲内で2種の繊維の比率(%)を変えて、特定の重量で混合することにあるという点で異なるプロセスによって得られる。各成分の投入量を均一にする、装填機/秤量(loaders/weighs)と称する逆棘付きロールからなる装置を通して混合する。次いで、均一性を高めるために2成分を再混合する、微細開綿機と称するエアー式装置にこの混合物を通し、2色混合物とする。このウェブを機械的にプレパンチする組立装置に通すことにより、両端でパンチし、3次元的に各繊維を絡み合わせ、繊維に縦抵抗および横抵抗を付与し、その結果平方メートル当たり重量が所定の不織「布」を有するウェブとする。これを巻き取り、幅方向の縁を切断して、特定の長さで幅の正確なロールを得る。布全長にわたって均一かつ調整された厚みを得るための圧力および温度で、該ロールをカレンダー装置に通し、これを必要な寸法に切断される製品とする。また、一方では、前述の文献の製品は、完全に異なるプロセスである。
【0008】
【特許文献1】MX91000150
【特許文献2】JP9059857
【特許文献3】JP2002052307
【特許文献4】JP2001279073
【特許文献5】JP2003183509
【特許文献6】JP2004300601
【特許文献7】US6498227B1
【特許文献8】JP8074141
【特許文献9】出願2203006
【特許文献10】PA/a/1996/006745
【特許文献11】公開第166068号
【特許文献12】JP2003268651
【特許文献13】WO2004/031465A1
【特許文献14】WO0242534
【特許文献15】US6812171B2
【特許文献16】JP2003239163
【特許文献17】WO99/37852
【特許文献18】MX9606745
【特許文献19】JP2004270095
【特許文献20】EP1466940A1
【特許文献21】US2004/0241440A1
【特許文献22】JP2002129456
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明のブランケットは耐火性であり、その主目的は、火災からの、家具、財産および人の保護であり、かつ/またはその場所、専門職、作業により、潜在的な火の危険を有する決められた環境内で火災を防止することである。本発明の混合物が機械的に強化されることにより、以下の用途、すなわち、任意の種類の防火衣料およびその用途に対して同混合物を使用する必要がある、横抵抗特性および縦抵抗特性を有するブランケットが得られる。家具、ベッドリネン、マットレス、自動車、列車、および飛行機のシートおよび背もたれ用の耐火性緩衝層。火を通り抜ける耐火ブランケットおよび任意の家具、財産または人用の防火物。壁紙用支持材および耐火カーテン。カーペット下の防火性詰物。防火断熱ブランケット。
【課題を解決するための手段】
【0010】
2種の繊維を、最終用途に従って、第1の比率(%)をOPF繊維、第2の比率(%)をPESとする50/50〜90/10までの範囲内で2種の繊維の比率(%)を変えて、特定の重量で混合する。各成分の投入量を均一にする、装填機/秤量と称する逆棘付きロールからなる装置によって混合する。次いで、均一性をより高めるために2成分を再混合する、微細開綿機と称するエアー式装置にこの混合物を通し、2色混合物とする。次いで、前記混合物を、微細繊維を取り扱うために準備された高生産梳綿と称する梳綿機に回して、2種の繊維を精密混合することにより灰色のウェブを形成する。このウェブを、機械的にプレパンチする組立装置を通すことにより、両端でパンチし、3次元的に各繊維を絡み合わせ、繊維に縦抵抗および横抵抗を付与し、その結果平方メートル当たりの重量が所定の不織「布」を有するウェブとする。これを巻き取り、幅方向の縁を切断して、特定の長さで幅の正確なロールを得る。布全長にわたって均一かつ調整された厚みを得るための圧力および温度で、前記ロールをカレンダー装置に通し、これを必要な寸法に切断される製品とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
耐火ブランケットの好ましい実施形態は、これが、どのような種類の物体も燃えるのを防ぐために該物体を覆うことができるような提示としてある。同時に、これは、単に火を覆うことによって小火を消すためにも使用できる。
【0012】
一方では、この耐火ブランケットは、火災中の財産の中にいる人に対して使用でき、人は、このブランケットで自分自身を覆い、自分自身が燃える危険がなく火を通り抜けさえすればよい。
【0013】
他方では、この耐火ブランケットは、オートレースの操縦士またはテスト操縦士などの火の危険にある人のための耐火衣料または耐火ブランケット構築物用に使用できる。
【0014】
防火用の家具、床敷物、壁装材、天井張りの建築物用にも使用できる。家具、ベッドリネン、クッション、自動車、列車、および飛行機内のシートおよび背もたれの緩衝用に使用できる。家具が燃えるのを防ぐための家具用のカバー。これは、任意の長さおよび厚みで製造できるので、任意の種類の物品を保護する防火ブランケットとして使用できる。壁紙用支持材および耐火カーテン。カーペット下の防火性詰物。断熱防火ブランケット。ホテル、刑務所、列車、飛行機、宇宙船、列車、船で火を通り抜けるために使用できる防火ブランケット。車両操縦士、飛行機操縦士、列車運転士用の衣料。製鋼所、電気溶接の用途、研削、トーチ切断などの、火を使用して働く人用の衣料もしくはブランケットまたはスパークの消火もしくは発生、温水洗浄機、閃光遮蔽のための保護として。
【実施例】
【0015】
本発明のブランケットは、燃えることも発熱することもなく、1000℃を超える温度で15秒間火に直接曝すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
50%〜90%の酸化ポリアクリロニトリル繊維(OPF)および50%〜10%のポリエチレンテレフタレート繊維(PES)から作製されることを特徴とする、人、家具および財産を火災から保護するための耐火ブランケット。
【請求項2】
使用する原材料が、熱プロセスにより分子が安定化されたOPF、およびPESである、請求項1に記載の耐火ブランケット。
【請求項3】
所望の用途に従って変化する様々な厚みおよび/または長さをとることができる、請求項1および2のいずれか1項に記載の、人、家具および財産を火災から保護するための耐火ブランケット。
【請求項4】
以下の工程:2種の繊維を、最終用途に従って、第1の比率(%)をOPF繊維、第2の比率(%)をPESとする50/50〜90/10までの範囲内で2種の繊維の比率(%)を変えて、特定の重量で混合する工程;各成分の投入量を均一にする、装填機/秤量と称する逆棘付きロールからなる装置によって混合する工程;次いで、均一性を高めるために2成分を再混合する、微細開綿機と称するエアー式装置に前記混合物を通し、2色混合物とする工程;次いで、前記混合物を、微細繊維を取り扱うために準備された高生産梳綿と称する梳綿機に回して、2種の繊維を精密混合することにより灰色のウェブを形成する工程;このウェブを機械的にプレパンチする組立装置に通すことにより、両端でパンチし、3次元的に各繊維を絡み合わせ、繊維に縦抵抗および横抵抗を付与し、その結果平方メートル当たり重量が所定の不織「布」を有するウェブとする工程;これを巻き取り、幅方向の縁を切断して、特定の長さで幅の正確なロールを得る工程;布全長にわたって均一かつ調整された厚みを得るための圧力および温度で、前記ロールをカレンダー装置に通し、これを必要な寸法に切断される製品とする工程からなる、請求項1に記載の耐火ブランケットを得るためのプロセス。
【請求項5】
あらゆる種類の耐火衣料およびその応用物を作製するための、または家具、ベッドリネン、マットレス、自動車、列車、および飛行機のシートおよび背もたれ用の耐火性緩衝層としての、耐火ブランケットとしての、または壁紙用支持材および耐火カーテンとしての、またはカーペット下の防火性詰物もしくは断熱防火ブランケットとしての、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐火ブランケットの使用。
【請求項6】
前記防火ブランケットが、ホテル、刑務所、列車、飛行機、宇宙船、船、自動車で火を通り抜けるための、あるいは車両操縦士、飛行機操縦士、列車運転士用の衣料としての、あるいは製鋼所、電気溶接の用途、研削、トーチ切断などの、火を使用して働く人用の衣料またはカバーとしての、あるいはスパークの消火または発生、温水洗浄機、閃光遮蔽のための保護具としての、あるいは家具が燃えるのを防ぐための家具用または利用可能な建築基準に従って火災からの保護を必要とするパイプもしくはダクト用のカバーとしての、ブランケットが任意の長さおよび厚みで作製できることにより任意の物品、家具、または財産を保護するための耐火用防火ブランケットとしてのブランケットである、請求項5に記載の使用。

【公表番号】特表2008−544093(P2008−544093A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515635(P2008−515635)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【国際出願番号】PCT/MX2005/000045
【国際公開番号】WO2006/132520
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507402978)
【出願人】(507402989)
【Fターム(参考)】