説明

人体局部洗浄装置

【課題】
可動ディスクがノズル洗浄用ポートから洗浄モード用ポートへ移動する動作時間を短くし、洗浄応答性を向上させること。
【解決手段】
洗浄水を供給する洗浄水供給手段50と、洗浄水供給手段50に連通する洗浄水供給流路22を有する回動可能な第一ディスク20と、第一ディスク20に対面するように配置され、洗浄水供給流路22を流動してきた洗浄水を人体局部の洗浄位置および洗浄強度に応じて設けられた少なくとも三つの人体局部洗浄用スリット32,33,34と、少なくとも三つの人体局部洗浄用スリット32,33,34のそれぞれに隣接する複数のノズル洗浄用スリット31a、31bと、を有する第二ディスク30と、を備えた人体局部洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体局部の洗浄を行う衛生洗浄便座等に利用される人体局部洗浄装置であって、特に、洗浄水の流路を切換える流路切換手段を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、洗浄水の流路を切換えるディスクバルブ(固定ディスクと可動ディスクによって流路切り替えをおこなうバルブ)を備え、固定ディスクに「おしりパワフル」「おしりマイルド」「ビデ」の3つの洗浄モード用ポート(第1スリット、第2スリット、第3スリット)および1つのノズル洗浄用ポート(第6スリット)を配置した人体局部洗浄装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−181865
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の人体局部洗浄装置では、3つの洗浄モード用ポートに対して1つのノズル洗浄用ポートしか備えていないためノズル洗浄用ポートからの回転角が最大となる洗浄モード用ポートに可動ディスクが回転動作する場合において、動作時間が長くなり、洗浄応答性が低下する問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、可動ディスクがノズル洗浄用ポートから洗浄モード用ポートへ移動する動作時間を短くし、洗浄応答性を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために講じた第1の解決手段は、洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、前記洗浄水供給手段からの洗浄水の流路を切換える流路切換手段と、前記流路切換手段から供給される洗浄水を人体局部へ噴出するノズルを有する人体局部洗浄手段と、を備えた人体局部洗浄装置であって、前記流路切換手段は、前記洗浄水供給手段に連通する洗浄水供給流路を有する回動可能な第一ディスクと、前記第一ディスクに対面するように配置され、前記洗浄水供給流路を流通してきた洗浄水を人体局部の洗浄位置および洗浄強度に応じて設けられた少なくとも三つの人体局部洗浄用スリットと、前記少なくとも三つの人体局部洗浄用スリットのそれぞれに隣接する複数のノズル洗浄用スリットと、を有する第二ディスクと、を備えたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【0007】
また、第2の解決手段は、前記洗浄水供給流路は、前記ノズル洗浄用スリットのいずれかと連通する位置を始動および停止時の位置とし、前記洗浄水供給流路の位置が、前記人体局部洗浄用スリットのいずれかと連通する位置へ移動し、前記洗浄水供給流路の位置が、連通した前記人体局部洗浄用スリットと隣接する前記ノズル洗浄スリットに連通する位置へ移動し、前記洗浄水供給流路の位置が、連通した前記ノズル洗浄スリットと隣接する前記人体局部洗浄用スリットに連通する位置へ移動する、ことである。
【0008】
また、第3の解決手段は、前記人体局部洗浄装置は、複数の前記ノズル洗浄スリットを連通させる流路を有するパッキンを備える、ことである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第二ディスクは、ノズル洗浄用スリットを人体局部洗浄用スリットに隣接する箇所に備える。このことから、第一ディスクを回転させて洗浄水供給流路の位置をノズル洗浄用スリットの位置から人体局部洗浄用スリットの位置に移動する際、動作時間を短縮でき、洗浄応答性を向上できる。また、第一ディスクの動作量を減らすことが可能となり、対面する第二ディスクとの当接面の磨耗を低減でき、装置の故障の発生を抑制できる。
【0010】
また、洗浄水供給流路の位置は、人体局部洗浄用スリットの位置から回転角が大きいノズル洗浄用スリットの位置へ移動せず、洗浄水供給流路の現行の位置から回転角が小さいノズル洗浄用スリット(人体局部洗浄用スリットの現行の位置に隣接するノズル洗浄用スリット)の位置へ移動する。このことから、第一ディスクを回転させて洗浄水供給流路の位置をノズル洗浄用スリットの位置から人体局部洗浄用スリットの位置に移動するのに要する動作時間を短縮できるため、人体局部洗浄手段の洗浄時間を充分に取れ、ノズル洗浄効果を向上させることができる。
【0011】
また、人体局部洗浄装置は、複数のノズル洗浄スリットを連通させる流路を備えたパッキンを備えるため、複数のノズル洗浄スリットから人体局部洗浄手段に連通する流路を複数要せずに、洗浄水を効率よく供給できる。また、人体局部洗浄手段へ洗浄水を供給する流路をパッキンに備えることにより、第二ディスクに流路を備えた場合よりも加工性が良好で、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例の人体局部洗浄装置の正面図である。
【図2】本実施例のハウジングおよびハウジング内に収容された構成部品を示す側面部分断面図である。
【図3】本実施例の第一ディスクの斜視図である。
【図4】本実施例の第二ディスクの斜視図である。
【図5】本実施例における図2の動作構成を示したA−A断面図である。
【図6】本実施例における図2のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0014】
図1は、本実施例の人体局部洗浄装置10の正面図である。人体局部洗浄装置10は、内部に流路切換手段を備えたハウジング12と、ハウジング12内の流路切換手段を駆動する駆動装置11と、を備えている。また、ハウジング12は、ハウジング12内に洗浄水を供給する洗浄水供給装置50(洗浄水供給手段)と、洗浄水供給装置50から供給される洗浄水を人体局部へ噴出するパワフル洗浄ノズル61、マイルド洗浄ノズル62、ビデ洗浄ノズル63としての機能を持つ複数の人体局部洗浄ノズル60(人体局部洗浄手段)と、人体局部洗浄ノズル60を洗浄するノズル洗浄水吐出部70と、洗浄水供給装置50から洗浄水が排出されるドレイン80と、に接続されている。
【0015】
また、人体局部洗浄装置10は、駆動装置11によりハウジング12内の流路切換手段を駆動することにより、ハウジング12内の流路を切換え、洗浄水供給装置50からの洗浄水を人体局部洗浄ノズル61,62,63およびノズル洗浄水吐出部70の少なくともいずれかに流通させる構成である。
【0016】
図2は、本実施例のハウジング12およびハウジング12内に収容された構成部品を示す側面部分断面図である。ハウジング12内には、駆動装置11により回転する第一ディスク20(流路切換手段)と、人体局部洗浄ノズル60およびノズル洗浄水吐出部70に連通する複数のスリットを設けた第二ディスク30(流路切換手段)と、第二ディスク30に設けられたスリットに対応し、人体局部洗浄ノズル60、ノズル洗浄水吐出部70およびドレイン80、へ洗浄水を流通させるパッキン40と、が収容されている。第二ディスク30は、一方の面が第一ディスク20と対面するよう配置され、かつ、他方の面がパッキン40と対面するように配置されている。
【0017】
また、第一ディスク20は、第二ディスク30と面で当接する当接部21と、駆動装置11側への洗浄水の漏出を防ぎ、当接部21より径が大きいフランジ部23と、を備えている。また、当接部21の一部には、第二ディスク30へ洗浄水を供給する洗浄水供給流路22が形成される。そして、洗浄水供給装置50から供給された洗浄水が、ハウジング12の内壁と第一ディスク20のフランジ部23により画定される空間に流入し、洗浄水供給流路22を通過して、第二ディスク30に設けられたスリットのいずれかへと流通する構成となっている。
【0018】
図3は、本実施例の第一ディスク20の斜視図である。第一ディスク20には、当接部21、洗浄水供給流路22、およびフランジ部23のほかに、当接部21に人体局部洗浄ノズル60からドレイン80へ洗浄水を連通させる洗浄水排出凹部24が設けられている。洗浄水排出凹部24の形状は、対応する第二ディスク30のドレイン用スリット35(図4)および流路32b、33b、34b(図4)の位置に合わせて形成されている。
【0019】
ここで、本実施例では第一ディスク20はフランジ部23を備えることにより、駆動装置11側への洗浄水の漏出を防いでいるが、フランジ部23より駆動装置11側に第一ディスク20と別体のシール部材を設けると共に、洗浄水供給流路22を第一ディスク20の両面を貫通するスリットとして形成させても良い。
【0020】
図4は、本実施例の第二ディスク30の斜視図である。第二ディスク30は、第一ディスク20に備えられた洗浄水供給流路22の位置と合致したときに流路が連通するようになるノズル洗浄用スリット31a、31bと、人体局部洗浄用スリット32,33,34と、を備える。ノズル洗浄用スリット31aは、人体局部洗浄用スリット33と34との間に配設され、ノズル洗浄用スリット31bは、人体局部洗浄用スリット32と33との間に配設される。したがって、第二ディスク30は、少なくとも三つの人体局部洗浄用スリット32,33,34のそれぞれに隣接する複数のノズル洗浄用スリット31a、31bを備える。
【0021】
また、第二ディスク30は、第一ディスク20に備えられた洗浄水排出凹部24から洗浄水を連通させるドレイン用スリット35と、流路32b、33b、34bと、を備える。ドレイン用スリット35は、人体局部洗浄用スリット32と34との間に配設される。流路32b、33b、34bは、それぞれが第一ディスク20の洗浄水排出凹部24を介してドレイン用スリット35と連通し、ドレイン用スリット35に近い位置に洗浄水を導くように形成されている。
【0022】
また、人体局部洗浄用スリット32,33,34は、それぞれが連通する人体局部洗浄ノズル60から噴出される洗浄水の水圧または流量を調整する流路32a、33a、34aを備える。尚、水圧または流量を調整する際の洗浄水供給流路22の位置は、ユーザの設定に対応して所定の水圧または流量となるようにECU(省略)により制御される。
【0023】
図5は、本実施例における図2の動作構成を示すA−A断面図である。第一ディスク20と第二ディスク30の相対回転に対して洗浄水供給流路22と連通するノズル洗浄用スリット31a、31bが、洗浄水供給流路22と連通する人体局部洗浄用スリット32,33,34のそれぞれの位置の間になるように構成されている。
【0024】
(a)は、人体局部洗浄装置10の始動時および停止時であり、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置は、第二ディスク30のノズル洗浄用スリット31aと連通する位置にあり、かつ、洗浄水排出凹部24の位置は、ドレイン用スリット35と流路32b、33b、34bと連通する位置にある。
【0025】
(b)は、第一ディスク20と第二ディスク30の相対回転により、洗浄水供給流路22の位置が、(a)の人体局部洗浄装置10の始動時および停止時の位置22aからの回転角が最大となる人体局部洗浄用スリット32の位置に移動した場合である。このとき、洗浄水供給流路22は、人体局部洗浄用スリット32と連通している。
【0026】
(c)は、第一ディスク20と第二ディスク30の相対回転により、洗浄水供給流路22の位置が、(b)の位置からノズル洗浄用スリット31bの位置に移動した場合である。このとき、洗浄水供給流路22は、ノズル洗浄用スリット31bと連通している。
【0027】
図6は、本実施例における図2のB−B断面図である。ノズル洗浄用スリット31a、31bは、パッキン40に設けられた連通路41により、連通されており、パッキン40の連通路41を通じて流通する洗浄水が二点鎖線で示されるハウジング12のポート71を介してノズル洗浄水吐出部70へ流通する。パッキン40の材質としては、洗浄水の流出防止および加工性を考慮してゴムまたは軟質プラスチックが使用される。ここで、本実施例では、第一ディスク20と第二ディスク30として磨耗を防ぐために硬質材料が使用され、第二ディスク30とは別体にパッキン40が備えられているが、パッキン40の流路を第二ディスク30内またはハウジング12内に形成することも可能である。
【0028】
以下、実施例の動作について説明する。
【0029】
上記の構成において、人体局部洗浄装置10を使用するユーザが選択する洗浄モードに応じて、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、初期状態であるノズル洗浄用スリット31aの位置から第二ディスク30の選択された人体局部洗浄用スリット32、33、34のいずれかの選択位置に移動し、洗浄水が流通することにより、人体局部洗浄ノズル60内の冷水抜きを開始する。
【0030】
人体局部洗浄ノズル60の冷水抜き後、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、第二ディスク30の人体局部洗浄用スリット32、33、34のいずれかの選択位置に隣接するノズル洗浄用スリット31aまたは31bの位置に移動し、洗浄水がパッキン40内の連通路41を介して流通し、ノズル洗浄水吐出部70から洗浄水を流出させて選択された洗浄モードに対応する人体局部洗浄ノズル60の洗浄を行う。このとき、選択された洗浄モードに対応する人体局部洗浄ノズル60が、収納位置(省略)から洗浄位置(省略)へ移動するまでの間洗浄できる。
【0031】
選択された人体局部洗浄ノズル60が洗浄位置へ移動後、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、第二ディスク30のノズル洗浄用スリット31aまたは31bのいずれかの位置から、選択された人体局部洗浄用スリット32,33,34のいずれかの位置に移動し、かつ、水圧設定の強さに応じた流路32a、33a、34aのいずれかの位置に移動し、洗浄水を流通することにより、人体局部洗浄ノズル60から洗浄水が噴出される。
【0032】
例えば、ユーザが「パワフル洗浄」に相当するモードを選択した際、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、第二ディスク30のノズル洗浄用スリット31aの位置から人体局部洗浄用スリット32の位置へ移動し、洗浄水を流通することにより、パワフル洗浄ノズル61内の冷水抜きを開始する(図5(b))。
【0033】
パワフル洗浄ノズル61の冷水抜き後、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、第二ディスク30の人体局部洗浄用スリット32に隣接するノズル洗浄用スリット31bの位置に移動し、洗浄水がパッキン40内の連通路41を介して流通し、ノズル洗浄水吐出部70を介してパワフル洗浄ノズル61の洗浄を行う(図5(c))。
【0034】
パワフル洗浄ノズル61の洗浄後、第一ディスク20の洗浄水供給流路22の位置が、第二ディスク30のノズル洗浄用スリット31bの位置から、人体局部洗浄用スリット32の位置に移動し、洗浄水を流通することにより、パワフル洗浄ノズル61から洗浄水が噴出される。
【0035】
また、人体局部洗浄装置10の始動時および停止時において、第一ディスク20の洗浄水供給流路22は、第二ディスク30のノズル洗浄用スリット31aに連通し、かつ、第一ディスク20の洗浄水排出凹部24は、第二ディスク30のドレイン用スリット35と流路32b、33b、34bとが連通する位置にある。
【0036】
以下、実施例の効果について説明する。
【0037】
上記の動作において、第二ディスク30は、ノズル洗浄用スリット31aまたは31bを人体局部洗浄用スリット32,33,34の少なくとも一つに隣接する箇所に備える。このことから、第一ディスク20を回転させて洗浄水供給流路22の位置をノズル洗浄用スリット31aまたは31bの位置から人体局部洗浄用スリット32,33,34のいずれかの位置に移動する際、動作時間を短縮でき、洗浄応答性を向上できる。
【0038】
特に、従来技術のようにノズル洗浄用スリット31bが無い構成において、「パワフル洗浄」を選択した場合、パワフル洗浄ノズル61の冷水抜き後、ノズル洗浄用スリット31aの位置へ移動し、パワフル洗浄ノズル61の洗浄を行う。パワフル洗浄ノズル61を洗浄後、パワフル洗浄ノズル61用の人体局部洗浄用スリット32の位置に、洗浄水供給流路22がノズル洗浄用スリット31aから移動する。このように、ノズル洗浄用スリット31bが無い構成では、ノズル洗浄用スリット31aの位置から人体局部洗浄用スリット32の位置へ洗浄水供給流路22が移動するまでに1.5秒要していた。
【0039】
一方、本実施例では、ノズル洗浄用スリット31bを設けた場合、パワフル洗浄ノズル61の冷水抜き後、ノズル洗浄31bの位置へ移動し、その後、一連の動作を行う。ノズル洗浄用スリット31bを設けた場合、ノズル洗浄用スリット31bの位置から人体局部洗浄用スリット32の位置へ洗浄水供給流路22が移動するまでに0.6秒要する。すなわち、第一ディスク20の動作時間は0.9秒短縮できた。
【0040】
また、第一ディスク20の動作量を減らすことが可能となり、第一ディスク20の当接部21と第二ディスク30との当接面の磨耗を低減でき、装置の故障の発生を抑制できる。
【0041】
また、第一ディスク20の洗浄水供給流路22は、第二ディスク30の人体局部洗浄用スリット32の位置から回転角が大きいノズル洗浄用スリット31aの位置へ移動せず、洗浄水供給流路32の位置から回転角が小さいノズル洗浄用スリット31bの位置へ移動する。このことから、第一ディスク20を回転させて洗浄水供給流路22の位置をノズル洗浄用スリット31aまたは31bの位置から人体局部洗浄用スリット32,33,34の位置に移動する動作時間を短縮できるため、人体局部洗浄ノズル60の洗浄時間が充分に得られ、ノズル洗浄効果を向上できる。
【0042】
特に、「パワフル洗浄」を選択した場合、0.9秒動作時間を短縮できるため、パワフル洗浄ノズル61が収納位置から洗浄位置へ移行するまで最大0.9秒従来技術より長く洗浄時間が得られる。
【0043】
また、人体局部洗浄装置10は、第二ディスク30のノズル洗浄スリット31aおよび31bを連通する流路を有するパッキン40を備えるため、ノズル洗浄スリット31aおよび31bから人体局部洗浄ノズル60に連通する流路を複数要せずに、洗浄水を効率よく供給することができる。また、人体局部洗浄ノズル60、ノズル洗浄水吐出部70、ドレイン80へ洗浄水を供給する流路をゴムまたは軟質プラスチックを使用したパッキン40に備えることにより、硬質材料を使用した第二ディスク30に流路を備えた場合よりも加工性が良好で、コストを低減できる。
【0044】
尚、本実施例では人体局部洗浄装置10の「パワフル洗浄」を選択した場合を主に例として挙げたが、「マイルド洗浄」を選択しても、同様の効果が得られ一連の洗浄動作時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0045】
10・・・人体局部洗浄装置
20・・・第一ディスク(流路切換手段)
22・・・洗浄水供給流路
30・・・第二ディスク(流路切換手段)
31・・・ノズル洗浄用スリット
32,33,34・・・人体局部洗浄用スリット
40・・・パッキン
50・・・洗浄水供給装置(洗浄水供給手段)
60・・・人体局部洗浄ノズル(人体局部洗浄手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
前記洗浄水供給手段からの洗浄水の流路を切換える流路切換手段と、
前記流路切換手段から供給される洗浄水を人体局部へ噴出するノズルを有する人体局部洗浄手段と、
を備えた人体局部洗浄装置であって、
前記流路切換手段は、前記洗浄水供給手段に連通する洗浄水供給流路を有する回動可能な第一ディスクと、
前記第一ディスクに対面するように配置され、前記洗浄水供給流路を流通してきた洗浄水を人体局部の洗浄位置および洗浄強度に応じて設けられた少なくとも三つの人体局部洗浄用スリットと、前記少なくとも三つの人体局部洗浄用スリットのそれぞれに隣接する複数のノズル洗浄用スリットと、を有する第二ディスクと、
を備えたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄水供給流路は、前記ノズル洗浄用スリットのいずれかと連通する位置を始動および停止時の位置とし、
前記洗浄水供給流路の位置が、前記人体局部洗浄用スリットのいずれかと連通する位置へ移動し、
前記洗浄水供給流路の位置が、連通した前記人体局部洗浄用スリットと隣接する前記ノズル洗浄スリットに連通する位置へ移動し、
前記洗浄水供給流路の位置が、連通した前記ノズル洗浄スリットと隣接する前記人体局部洗浄用スリットに連通する位置へ移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項3】
前記人体局部洗浄装置は、複数の前記ノズル洗浄スリットを連通させる流路を備えたパッキンを備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人体局部洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−42981(P2011−42981A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191939(P2009−191939)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】