説明

人体接触検知装置

【課題】 人体が接触したか否かの検出精度を安定的にしつつ、遊技球の発射を停止できるようにする。
【解決手段】 金属プレート173とプリント結線221が接触した状態であって、遊技者が金属プレート173と同電位となるハンドル本体に接触しつつ、マイクロスイッチ161bをオフにさせるように、マイクロスイッチ161bを検出回路191と金属プイレートの間に設けるようにさせる。本発明は、パチンコ遊技機に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体接触検知装置に関し、特に、人体の接触検知動作を安定的に実現すると共に、人体接触の検出精度の低下を抑制しつつ(ばらつきを抑制しつつ)、静電気による装置の破壊を防止できるようにし、さらに、取り付け操作を容易にできるようにした人体接触検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機には、遊技球の検出、人体(遊技者)の検出、あるいは構造部材の位置検出などの目的で、数多くのスイッチが使用されている。 この中で、パチンコ遊技機の動作を開始させる動作契機スイッチの場合、有接点スイッチを用いると開閉時に独特のチャタリングが発生してしまうことから、有接点スイッチに代えて小型電子スイッチを使用することが主流となっている。このような動作契機スイッチとしては、遊技球の通過を検出する近接スイッチの他、最近では遊技球の発射装置を動作させるハンドルに遊技者が接触することにより変化する静電容量に基づいて、人体の接触を検出する静電容量型人体検出タッチスイッチなどが導入されつつある。
【0003】
人体検出タッチスイッチとは、予め設けられた金属製のプレートに人体が(直接または間接的に)接触した場合、そのプレートの大地間容量の変化に基づいて、人体が接触したか否かを判定し、判定結果を信号として出力するものである。
【0004】
さらに、パチンコ遊技機の発射装置に対しては、遊技者が、ハンドルを握りながら遊技者の意思で遊技球の発射を停止させる機能を設けることが定められており、この機能として有接点式のストップスイッチが用いられている。
【0005】
そこで、ハンドル本体に人体検出タッチスイッチとハンドルを握りながら遊技者の意思で遊技球の発射を停止させる機能としてのストップスイッチを別個に内蔵し、マイクロスイッチの入り切りによって人体検出タッチスイッチの給電状態を切替えることで、人体検出タッチスイッチとストップスイッチの動作の処理を簡素化するものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0006】
また、このような人体検出タッチスイッチがパチンコ遊技機内部に導入される場合、静電気対策を施す必要が生じる。
【0007】
すなわち、タッチスイッチへの静電気放電は、冬場などに静電気が帯電している遊技者(人体)がタッチスイッチに接触する、もしくはタッチスイッチに接近することにより発生する。このときの静電気の放電電圧は、例えば、毛織物等を着用している人体が絨毯上を歩行した場合など、数万ボルトにも達する。一般に、電子スイッチの静電気耐力は、有接点スイッチと比べて著しく低く、上述したような静電気による過電圧がタッチスイッチに放電された場合、内部の電子部品は静電破壊してしまう恐れがある。従って、このような人体検出タッチスイッチ回路は、人体が接触したか否かの検出動作を行う構成に加えて、静電気保護動作を行う構成とを共存させる必要がある。
【0008】
小型電子スイッチの静電気対策に関して、人体の接触を検知する検出電極に人体が接触した場合、同時に帯電していた静電気が回路内部に侵入しても、保護素子を介して回路グランドに直接通じる放電ルートを形成させることで、回路グランドを通じて静電気をタッチスイッチの外部に直ちに放電し、発振回路などの静電気耐力の低い箇所への影響を抑えられるようにするものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
また、回路グランドへの放電ルートに代えて、回路グランドよりも安定した接地部位であるフレームグランドに放電させるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2004−167212号公報
【特許文献2】特開2004−167213号公報
【特許文献3】特開平11−345552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、図1を参照して、上述したストップスイッチを含むタッチスイッチについて説明する。
【0012】
タッチスイッチ1は、パチンコ遊技機の遊技球を発射させるために操作される操作ハンドルのハンドル本体ベースB内に設けられている。タッチスイッチ1の検出回路15は、回路基板16に配置され、遊技球の発射など各種の機能を制御する制御基板5より供給される電力により駆動し、タッチアンテナ11により人体の接触を検知すると、コネクタ13および電気経路4を介して接触検知信号を制御基板5に供給する。より詳細には、コネクタ13の端子13aは、電力供給線、検知結果を送信する信号線、およびグランド線から構成されており、検出回路15は、コネクタ13より供給される電力により駆動し、検出結果を、コネクタ13を介して制御基板5に出力する。
【0013】
制御基板5は、タッチスイッチ1より供給される検知結果に基づいて、人体が接触していることが検知されたことを示す信号が供給されると、モータM6を駆動させて、遊技球を図示せぬパチンコ遊技機において発射させる。
【0014】
検出回路15とコネクタ13の間には、コネクタ14、接続線12a、およびストップスイッチ12が設けられている。ストップスイッチ12は、遊技者が遊技球の発射を停止させたいときオフにされ、それ以外のとき、オンの状態である。ストップスイッチ12は、オンの状態のとき検出経路15からの出力結果を直接コネクタ13に出力するが、オフにされると強制的に接触検知の信号が遮断される構成となっている。結果として、ストップスイッチ12がオフにされた状態のとき、制御基板5には、検出回路15から、タッチアンテナ11に人体が接触しているか否かに関わらず、常に人体接触検知信号が供給されない状態となる。このため、モータM6も駆動されることがないため、遊技球の発射が強制的に停止される。
【0015】
また、タッチアンテナ11は、配線2を介してアレスタ3aが設けられたアレスタ基板3を介して接地されている。
【0016】
図1のように、遊技球の発射を停止させる手段としてストップスイッチ12を検出回路15の電源供給経路に設けることにより、ストップスイッチ12の開閉にて検出回路15への給電状態を切替えることで、パチンコ遊技機の遊技球の発射制御を簡素化している。しかしながら、検出回路15への給電状態を切替える場合、検出回路15に電源供給が行き渡るまでの一定時間、制御基板5上の回路動作が保証されない状態となるため、検出回路15による電源投入時に誤動作パルスが発生したり、正規信号の出力開始タイミングが遅れたりしてしまうという課題があった。
【0017】
また、ストップスイッチ12として有接点スイッチを用いて、給電状態を切替える場合、検出回路15への電源供給や、検出回路15からの出力信号において、チャタリングが発生する恐れがあり、結果として、後段においてチャタリングの対策となる構成を設ける必要があった。
【0018】
さらに、パチンコ遊技機にて使用されている検出回路15としては高周波発振型のタッチスイッチが一般的であり、例えば、直流2線式のタッチスイッチ1(特許文献2参照)の場合、ストップスイッチ12を開状態(オフ状態)にして検出回路15への給電状態を停止させた場合と、タッチスイッチ1が人体接触を検知した場合とで、後段の制御回路5での判別が困難であるという課題があった。
【0019】
すなわち、直流2線式の検出回路15を用いた高周波発振型タッチスイッチ1の場合、検出回路15は、人体がタッチアンテナ11に接触すると静電容量の付加により内部の図示せぬ発振回路からの発振を停止して、結果として動作がオフの状態となる。また、検出回路15は、人体がタッチアンテナ11に接触していないと静電容量の付加がない状態となり、内部の図示せぬ発振回路から所定の周波数の信号を発振し、結果として動作がオンの状態となる。
【0020】
このとき、検出回路15の動作がオフ状態であっても回路を動作させておくために一定の消費電流が流れることになり(一般的に漏れ電流と呼ばれる)、逆に、検出回路15の動作がオン状態であっても回路動作を維持するために一定の内部定電圧が存在する(一般的に残電圧と呼ばれる)。
【0021】
直流2線式の高周波発振型のタッチスイッチ1の漏れ電流、および残電圧は、いずれも最小化する必要があるため、検出回路15がオフ状態(開状態)の場合、消費電流は最小化されることになる。結果として、消費電流の少ない発振停止状態の人体接触検知時においては、検出回路15は、オフ状態に設定されることになる。
【0022】
人体接触検知時に検出回路15をオン状態(閉状態)の場合に、検出回路15の動作を停止させるように構成することは可能であるが、漏れ電流が非常に大きくばらつきが出やすい特性になるため、動作を制御するのが困難であることが予想される。
【0023】
従って、タッチスイッチ1の検出状態が人体接触検知時の検出回路15がオフ状態である場合に、タッチスイッチ1の給電状態が停止状態に切替えられたとしても、検出回路15のオフ状態と、タッチスイッチ1への給電停止による非動作状態となるだけであるため、この差違を判別することは非常に困難であり、結果として、パチンコ遊技機を目的とするストップスイッチ12の機能が現実には、実現できないという課題があった。
【0024】
また、図1においては、外付けで有接点スイッチからなるストップスイッチ12が設けられているが、タッチスイッチ1としての接続部位が増え(コネクタ13,14)、実際にはタッチスイッチ1が大型化してしまい、狭いスペースのハンドル本体内に内蔵することが現実的に困難になってしまうと共に、コネクタ数が増えるに伴って制作にかかる工数やコストが増大してしまうという課題があった。
【0025】
さらに、タッチスイッチ1としての接続が増えてしまう結果、部品点数が削減されないことになるため、主目的であるハンドル本体の簡素化を図る事ができないという課題があった。
【0026】
また、有接点スイッチからなるストップスイッチ12は、電力供給線を直接開閉する位置に挿入すると上述したような様々な不具合が予想されるため、代わりに検出回路15の内部における小信号回路を開閉させる構成が考えられるが、静電容量高周波発振回路からなる検出回路15の内部に有接点スイッチからなるストップスイッチ12を挿入すると、有接点スイッチからなるストップスイッチ12自身の大地間容量、および接続線12aに関係する浮遊容量が発振回路の静電容量検知特性の変動要因になるため(特に接続線12aの引き回し方法、周囲金属の影響、および他の配線との接近度合などは、ハンドル毎に変化する可能性がある)、タッチスイッチ1の動作のばらつきを増大させてしまう恐れがあった。
【0027】
さらに、上述したようなタッチスイッチをパチンコ遊技機に搭載した場合、静電気に関係する新たな問題が発生してしまう。
【0028】
すなわち、図1で示されるようなタッチアンテナ11の構成により、例えば、静電気を帯びた遊技者がハンドル本体ベースBの金属部に触れると、検出回路15が反応し、人体接触有無信号が制御基板5に伝送される機能を持ち、同時に人体に帯電していた静電気もハンドル本体ベースBに放電される。
【0029】
このような場合、例えば、図1のタッチスイッチ1において、タッチアンテナ11から配線2、アレスタ基板3が接続されておらず、また、静電気対策として回路グランドに直接放電させるような構成であった場合、前述の静電気は検出回路15を素通りして、電気経路4を通過し、制御基板5に到達する。この結果、制御基板5の静電破壊の発生など、タッチスイッチ1以外の箇所での不具合を引き起こす恐れがある。すなわち、回路グランドに静電気を放電させるような場合、静電気によるタッチスイッチ1の回路保護は行うことができるものの、パチンコ遊技機のその他の箇所に悪影響を引き起こす恐れがあった。
【0030】
そこで、図1で示されるように、タッチスイッチ1においては、制御基板5の静電気破壊対策として、アレスタ3aでの保護が実施されている。すなわち、ハンドル本体ベースBのタッチアンテナ11の金属部に、アレスタ基板3の一方の端部が接続され、アレスタ基板3の他方の端部がフレームグランドFGに接地されている。アレスタ基板3自身は、ハンドル本体ベースB内、もしくは配線2を通じてパチンコ遊技機側に配置されている。
【0031】
ここでいうフレームグランドFGへの接地とは、フレームグランド(以下、FGとも称する)と称するパチンコ遊技機に備えられた金属筐体への接続を意味し、パチンコ遊技機の外枠、盤面カバー、あるいは本体骨組みの金属部が一括接続されたものであり、漏電、感電等の事故防止のため内部回路とは電気的に絶縁された状態で安定的に電位が保証されたグランドである。
【0032】
すなわち、パチンコ遊技機内部の回路グランド電位は、大地とは絶縁された、所謂宙に浮いた状態であって、決して安定接地電位ではなく、その安定度は回路グランドの持つ大地間容量で決定される。逆に、パチンコ遊技機全体ではフレームグランドFGこそ安定的な接地電位であり、静電気などのサージを放電するには、最終到達点として最適であるともいえる。
【0033】
従って、パチンコ遊技機に搭載されるタッチスイッチ1では、安定性が保証されない回路グランドよりも、フレームグランドFGへの放電ルートを確保することが、より完全な静電気対策につながる。
【0034】
すなわち、図1に示される静電気対策としてアレスタ3a、アレスタ基板3、および配線2がフレームグランドFGに接地された状態でタッチアンテナ11に接続されると、タッチスイッチ1およびパチンコ遊技機を静電気放電から安定的に保護することが可能になる。しかしながら、一方で、配線2の持つ浮遊容量がタッチアンテナ11に付加されることになるため、配線2の配置方法等の違いでタッチスイッチ1による人体接触の検出精度が低下してしまう(ばらつきが生じてしまう)という課題があった。
【0035】
さらに、タッチスイッチ1とストップスイッチ12とをそれぞれ別に配線することにより、製造時の作業工数が増えてしまうため製造に手間が係ると共に、それぞれを別に配線することにより部品点数が増えるため、製品コストを増大させてしまうという課題があった。
【0036】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、人体の接触の検知動作を安定的なものとすると共に、人体接触の検出精度の低下を抑制しつつ(ばらつきを抑制しつつ)、静電気による装置の破壊を防止できるようにし、さらに、製造に係る作業工数および部品点数の増大を抑制するものである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明の人体接触検知装置は、人体が直接または間接的に接触する接触部と、接触部が人体により直接または間接的に接触されるとき、人体の接触部への接触を電気的に検知する検知部と、接触部と検知部との間で、相互の接続を開閉する開閉スイッチとを備え、接触部と検知部との間で、抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチとが直列に接続され、開閉スイッチが閉状態の場合、接触部が人体により直接または間接的に接触されるとき、検知部は、人体の接触部への接触を電気的に検知することを特徴とする。
【0038】
前記開閉スイッチは、有接点スイッチとするようにすることができる。
【0039】
前記接触部と有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、サージ保護回路の他方の端部をフレームグランドに接続させるようにすることができる。
【0040】
前記接触部と有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、サージ保護回路の他方の端部を回路グランドに接続させるようにすることができる。
【0041】
前記接触部と有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、サージ保護回路の他方の端部をフレームグランドに接続させるようにすると共に、サージ保護回路とフレームグランドの間の配線に、サージ保護回路とは異なるその他のサージ保護回路の一方の端部を接続し、その他のサージ保護回路の他方の端部を回路グランドもしくは他の安定電位に接続させるようにすることができる。
【0042】
前記サージ保護回路およびその他のサージ保護回路は、アレスタもしくはマイクロギャップとするようにすることができる。
【0043】
前記抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチは、位置関係が固定された状態で配線されているようにすることができる。
【0044】
前記抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチは、基板上の回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されているようにすることができる。
【0045】
前記抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチに加えて、サージ保護回路およびその他のサージ保護回路は、基板上の回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されているようにすることができる。
【0046】
前記抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチは、基板上の第1の面に、サージ保護回路およびその他のサージ保護回路は、基板上の第2の面に、それぞれ回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されているようにすることができる。
【0047】
本発明のパチンコ遊技機は、請求項1乃至10のいずれかに記載の人体接触検知装置を設けるようにさせることができる。
【0048】
本発明の人体接触検知装置おいては、接触部が人体により直接または間接的に接触され、接触部が人体により直接または間接的に接触されるとき、検知部により人体の接触部への接触が電気的に検知され、開閉スイッチにより接触部と検知部との間で、相互の接続が開閉され、接触部と検知部との間で、抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチとが直列に接続され、開閉スイッチが閉状態の場合、接触部が人体により直接または間接的に接触されるとき、検知部により、人体の接触部への接触が電気的に検知される。このため、安定的に人体の接触を検知することが可能となる。
【0049】
前記開閉スイッチは、例えば、図5で示されるような有接点スイッチからなるマイクロスイッチ161bとするようにすることができる。マイクロスイッチ161bは、検出回路191(図11)の前段に設けられることにより、チャタリングなどが発生しても、例えば、図11の検出回路191内の積分回路244により平滑化されることにより、人体が非接触であることを示す所定の周波数の発振信号を安定的に発生させることが可能となる。
【0050】
前記接触部と前記有接点スイッチの間の配線にその一方の端部が接続され、他方の端部がフレームグランドに接続されるサージ保護回路は、例えば、図11のマイクロギャップ222であり、例えば、静電気が帯電している人体が、金属プレート173に接触することにより、所定の電圧以上の高電圧の静電電圧が印加された場合(マイクロギャップ222の絶縁耐圧を越えて通電するような電圧が印加された場合)、抵抗193により検出回路191への放電経路が遮断され、マイクロギャップ222に電圧が印加されることにより、後段の(フレームグランドFGとしての)ガラス扉補強板106(図3)を介して静電気が放電される。結果として、パチンコ遊技機100の全ての回路に対して、高電圧の静電気が通電しないため、静電破壊が抑止される。
【0051】
前記接触部と前記有接点スイッチの間の配線にその一方の端部が接続され、他方の端部が回路グランドに接続されるサージ保護回路は、例えば、図11のマイクロギャップ223であり、例えば、静電気が帯電している人体が、金属プレート173に接触することにより、所定の電圧以上の高電圧の静電電圧が印加された場合(マイクロギャップ223の絶縁耐圧を越えて通電するような電圧が印加された場合)、抵抗193により検出回路191への放電経路が遮断され、マイクロギャップ223に電圧が印加されることにより、後段の回路グランド(電源248のコールド側)を介して静電気が放電される。結果として、タッチスイッチ163の主たる回路である検出回路191に対しては、高電圧の静電気が通電しないため、静電破壊が抑止される。
【0052】
本発明のサージ保護回路は、例えば、図11のマイクロギャップ222であり、その他のサージ保護回路は、例えば、図11のマイクロギャップ223であり、サージ保護回路であるマイクロギャップ222により静電気が放電されるべきガラス扉補強板106から完全に静電気を放電させることができない状態であるとき、その絶縁耐圧を越えると通電し、回路グランドに静電気を放電させることにより、ガラス扉補強板106により吸収し切れなかった静電気を回路グランドに放電させることで、検出回路191への通電を遮断する。結果として、万が一ガラス扉補強板106が十分に静電気を放電させることができないような状態であっても、タッチスイッチ163の主たる回路である検出回路191に対しては、高電圧の静電気が通電しないため、静電破壊が抑止される。
【0053】
本発明の接触部、サージ保護回路、フレームグランド接地部、抵抗、コンデンサ、および開閉スイッチは、例えば、図11で示される金属プレート173、マイクロギャップ222、コネクタ181のフレームグランドFG端子181a、抵抗193、コンデンサ192、およびマイクロスイッチ161bであり、それぞれが銅箔パターンよりなる基板により接続されている。結果として、金属プレート173と、マイクロギャップ222および(フレームグランドFGとしての)ガラス扉補強板106との位置関係が固定されることにより、配線による浮遊容量の変化が抑制され、タッチスイッチ163の人体接触の検出精度の低下(ばらつき)を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、人体の接触検知動作を安定的に実現すると共に、人体接触の検出精度の低下を抑制しつつ(ばらつきを抑制しつつ)、静電気による装置の破壊を防止できるようにすることが可能になると共に、取り付け操作に係る工数や部品点数を抑制しコストを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
図2,図3は、本発明を適用したパチンコ遊技機100の構成を示した図である。
【0056】
図2は、パチンコ遊技機100の本体正面斜視図であり、図3は、パチンコ遊技機100の背面図である。また、図2は、パチンコ遊技機100のガラス扉105が、図中の点線で示される軸を中心に回動して、本体に対して開放された状態を示している。
【0057】
図2で示されているように、パチンコ遊技機100の本体内には発射装置の機構部101が設けられている。この機構部101は、金属製のベース板102を有している。ベース板102はパチンコ遊技機100の前面枠103(または基枠)に固定される一方、ベース板102には発射モータ、発射用カム、打球槌、および、これを付勢するスプリング等が取り付けられている。
【0058】
ハンドルユニット111は、パチンコ遊技機100の本体前面に設けられている。そしてハンドルユニット111に設けられたハンドル本体112の操作つまみ113が、図中パチンコ遊技機100の本体正面からみて時計方向に回転することにより、図示せぬ遊技球の発射制御ユニットが動作する。
【0059】
すなわち、操作つまみ113は、遊技者により操作されていない状態のとき、図示せぬスプリング等により、図中パチンコ遊技機100の本体正面からみて反時計回りに回転可能な限界角度で停止した状態とされる。遊技者が、この操作つまみ113を把持して図中の時計回りに回転させることにより、ハンドルユニット111は、操作つまみ113の回転角度に応じて、対応する信号を図示せぬ発射装置に伝達する。図示せぬ発射装置は、制御回路122により制御され、ハンドルユニット111から供給される操作つまみ113の回転角度に応じた信号に基づいて、発射モータや発射カムを動作させることにより遊技球の打球槌の強度を制御して、遊技球を発射させる。
【0060】
また、ハンドルユニット111のハンドル本体112には、タッチスイッチ163(図4)が内蔵されており、ハンドル本体112を遊技者が把持しているか否かを検知し(遊技者がハンドル本体112に接触しているか否かを検知し)、検知結果を制御部122に供給する。この検知結果により、例えば、遊技者がハンドル本体112を把持していないと判定されたとき、制御部122は、発射装置を制御して、操作つまみ113の回転角度に無関係に遊技球の発射を停止させる。一方、遊技者がハンドル本体112を把持していると判定されたとき、制御部122は、操作つまみ113の回転角度に応じて遊技球を発射させるように制御する。ハンドル本体112は、表面に金属等の導体のメッキが施されており、後述するタッチスイッチ163(図4)の金属プレート173a,173b(図5)と電気的に接続されており、タッチスイッチ163(図4)は、金属プレート173を介してハンドル本体112に人体が接触することにより変化する静電容量に基づいて、人体の接触の有無を検知する。
【0061】
さらに、図3で示されるように、パチンコ遊技機100は、その本体内に電源121が装備されている。電源121は電源端子131を通じて交流電源を取り入れ、これを直流電源に変換する。このとき、電圧は、例えば、複数の段階(例えば、3段階)に調整される。これらの複数の供給電圧は、例えば、それぞれ低・中・高電圧(例えば、5V,12V,34V)などに設定される。
【0062】
電源121には賞球制御基板124が接続されている。この賞球制御基板124は、例えば、図示せぬ遊技領域にて遊技球が入賞口に入ると、これに基づく賞球指令信号を受信して賞球の払出動作を制御する。尚、遊技領域は、パチンコ遊技機100の遊技盤面中に形成されている。
【0063】
制御回路122は、賞球制御基板124に接続されている。制御回路122はパチンコ遊技機100の主制御回路を有しており、ここでは例えば、役物の動作制御、当り判定、確率設定、入賞検出、大当り制御(大入賞口の開閉)、演出指示処理等を行うための各種のプログラムが実行されている。
【0064】
サブ制御回路123は、制御回路122の下に接続されており、遊技の進行に伴う効果音や音声の出力、発光装飾、映像による演出等の各種制御をするプログラムを実行する。
【0065】
図2のベース板102は錠装置104に接続(アースボンド)されており、図2に示される状態からガラス扉105が閉じられると、その内面にあるガラス扉補強板106に錠装置104が係止されることで、ガラス扉補強板106と錠装置104とが電気的に接続(アースボンド)される。さらにガラス扉補強板106はパチンコ遊技機100のフレームグランド(FG)に接続されている。
【0066】
図3に示されているように、パチンコ遊技機の背面には上述した制御回路122やサブ制御回路123、電源121等が装備されており、このうち電源121には電源コード131とともにアース線132が接続されている。このアース線132は、パチンコ遊技機100の各所から集まるフレームグランドFGを1つに取りまとめ、島設備等のアース装置に接続される。結果として、フレームグランドFGは、回路グランド(直流電源のコールド側)とは異なり、安定電位が確保されているグランドである。
【0067】
次に、図4を参照して、ハンドルユニット111の詳細な構成について説明する。図4は、タッチスイッチ163が、ハンドルユニット111に装着された状態を示す分解斜視図である。タッチスイッチ163は、金属メッキが施された樹脂成形部材150の底面部151上に、タッチスイッチ163の金属プレート173(図8)が底面部151と並行になるよう設置されており、さらに、図5,図6で示されるように、金属製ネジ162a,162bにて螺合されている。尚、図5は、タッチスイッチ163をパチンコ遊技機100の正面から見たときの上面図であり、図6は、タッチスイッチ163の側面図である。
【0068】
図6で示されるように、金属製ネジ162a,162bは、金属プレート173(図8)の穴部173a,173b(図8)および穴部171e,171f(図8)をそれぞれ貫通して、樹脂成形部材150に螺合されて固定されることにより、ハンドル本体112と金属プレート173とが電気的に接続される。さらに、タッチスイッチ163のコネクタ(配線引き出し部)181が、樹脂成形部材150の底面部151上に設けられているコネクタ182と接続される
【0069】
また、タッチスイッチ163は、マイクロスイッチ本体161が一体化した構造となっている。マイクロスイッチ本体161は、ストップボタン153が、軸152方向に押圧されることにより、マイクロスイッチ操作部161aに当接され、さらに、マイクロスイッチ操作部161aが軸152方向に押圧されることで、マイクロスイッチ161bがマイクロスイッチ本体161に押圧されて、この状態でマイクロスイッチ本体の動作はオフにされる。このとき、タッチスイッチ163は、遊技球の発射を停止させる信号を発生する。
【0070】
さらに、操作つまみ113は、金属メッキが施された樹脂成形部材であり、樹脂成形部材150と接触を保ちつつ軸152を中心として回転する。このように、ハンドルユニット111に設けられたハンドル本体112の操作つまみ113が、パチンコ遊技機100の本体正面からみて時計方向に回転することにより、図示せぬ遊技球の発射制御ユニットが動作する。
【0071】
すなわち、操作つまみ113は、遊技者により操作されていない状態のとき、図示せぬスプリング等により、図2のパチンコ遊技機100の本体正面からみて反時計回りに回転可能な限界角度で停止した状態とされる。遊技者が、この操作つまみ113を把持して図2中の時計回りの方向に回転させることにより、ハンドルユニット111は、操作つまみ113の回転角度に応じて、対応する信号を図示せぬ発射装置に伝達する。図示せぬ発射装置は、制御回路122により制御され、ハンドルユニット111から供給される操作つまみ113の回転角度に応じた信号に基づいて、発射モータや発射カムを動作させることにより遊技球の打球槌の強度を制御して、遊技球を発射させる。
【0072】
このとき、適宜ストップボタン153が、図中の矢印方向である軸152方向に押圧されることにより、マイクロスイッチ161bがオフにされ、遊技球の発射が停止させられる。尚、ストップボタン153を矢印方向に押圧することにより、遊技球の発射を停止させる動作については詳細を後述する。
【0073】
以上のような構成により、タッチスイッチ163がハンドル本体112内に設置される場合(パチンコ遊技機の機種によってはハンドル外に設置される場合もある)、ストップボタン153は、回転軸152の方向(図4中の矢印方向)に可動する。従って、マイクロスイッチ操作部161aは、樹脂成形部材150の底面部151に対して平行に操作される配置となる。すなわち、より具体的には、金属プレート173の面、およびマイクロスイッチ操作部161aの操作面は、いずれも底面部151に対して平行となる。さらに、金属製ネジ162a,162bの挿入方向は、底面部151に対して垂直方向に設定される。
【0074】
結果として、遊技者は、ハンドル本体112を把持した状態をほぼ維持したままで、ハンドル本体112を把持している手のいずれかの指の少なくとも1本を使うのみで、容易にストップボタン153を操作させることが可能となるので、遊技者は、自らで設定した遊技球を発射させる操作つまみ113の回転角度(遊技球の発射強度)を保ちつつ、必要に応じて遊技球の発射を停止させることが可能となる。
【0075】
さらに、タッチスイッチ163は、ハンドルユニット111に取り付ける際、樹脂成形部材150に対して、垂直方向に金属製ネジ162a,162bを挿入し、螺合させて固定させるのみで、樹脂成形部材150に対して固定されると同時に、金属プレート173に対しても電気的に接続される。また、ストップボタン153の可動方向とマイクロスイッチ操作部161aの操作方向を一致させることが可能になる。また、金属製ネジ162a,162bが、樹脂成形部材150に対して螺合されるにより、コネクタ181,182が相互に付勢されることになる。このため、コネクタ181,182の接続についても容易で、かつ、確実なものとすることが可能となる。結果として作業工数を低減させることが可能になると共に、マイクロスイッチ本体161とタッチスイッチ163が一体化されているので部品点数を低減させることができコストを低減させることが可能となる。また、部品点数を低減させることにより、装置を小型化および簡素化させることが可能となる。尚、コネクタ182については、底面部151に対して垂直方向に配設されている。
【0076】
次に、図7,図8を参照して、タッチスイッチ163について説明する。尚、図7と図8におけるタッチスイッチ163は、相互の図面において、面の表裏が反転した図である。また、図7は、タッチスイッチ(3線式出力4端子:電源用、回路グランド用、人体接触検知結果の信号出力用の3線と、フレームグランドFG端子付き)163の外観を示す斜視図であり、図8は、タッチスイッチ163の分解図である。
【0077】
検出回路基板201が、樹脂製のケース171aおよびカバー171bの内部に収納され、マイクロスイッチ操作部161aおよび金属プレート173a,173bが外部に露出している。マイクロスイッチ操作部161aが図7中の上部に出ており、金属プレート173a,173bの接触面に対し、マイクロスイッチ本体161のマイクロスイッチ操作部161aの可動方向が平行となる。マイクロスイッチ操作部161aは、図7中の矢印方向に可動し、図7の上面より下方向に押圧されることにより、マイクロスイッチ161bを図7の上面から下方向に押圧する。この操作により、マイクロスイッチ161bは、オフの状態とされ、それ以外の場合、マイクロスイッチ161bは、図示せぬバネにより図中上方向に反発力が働くことにより、オンの状態とされている。
【0078】
図8中の検出回路基板201の上面部にはコネクタ181、および検出回路191などの電子回路が銅箔のパターンにより接続されている。また、マイクロスイッチ本体161は、図8中の下面から挿入され、マイクロスイッチ本体161の凸部端子161e乃至161gが、検出回路基板201を貫通し、上面側に突出した状態で、検出回路基板201の図中の上面部分の銅箔のパターンに電気的に接続されている。ケース171aに金属プレート173を配置の後、検出回路基板201を挿入すると、検出回路基板201の図中の背面部と金属プレート173の一部が、当接することにより検出回路基板201と金属プレート173が電気的に接続された状態となっている。
【0079】
より詳細には、ケース171aの凸部171c,171dが、金属プレート173の穴部173c,173dをそれぞれ貫通し、さらに、マイクロスイッチ本体161の穴部161c,161dを貫通することで、マイクロスイッチ本体161が金属プレート173をケース171aに付勢することにより検出回路基板201がケース171a内に挿入される。結果として、後述する図8の検出回路基板201の背面部のプリント結線221(図10)が金属プレート173と接触することで、検出回路基板201と金属プレート173が電気的に接続される。
【0080】
また、図8で示されるように、カバー171bが、ケース171aの図中におけるそれぞれの対向方向に圧入されることにより、カバー171bの両端部に設けられたツメ171g(カバー171bの端部に設けられている),171hが、ケース171aのツメ171i,171jに対してそれぞれ係合されることにより、ケース171aの開口部に係止され、検出回路基板201を保護している。
【0081】
次に、図9,図10を参照して、検出回路基板201の回路パターンについて説明する。尚、図9は、図8の検出回路基板201の上面図であり、図10は、図8の検出回路基板201の背面図である。尚、図9,図10において、図中に横線または縦線で色付けられた範囲は、銅箔による回路パターンを示している。
【0082】
図9で示されるように、検出回路基板201の上面には、コネクタ181、検出回路191、入力抵抗193、およびコンデンサ192が設けられ、図10で示されるように、裏面には、金属プレート173と接触するプリント結線221、マイクロギャップ222,223が銅箔パターンにて形成されており、マイクロスイッチ本体161が図7中の左部に配設される。
【0083】
コネクタ181のフレームグランドFG端子181aは、スルーホール211aにて図10で示される検出回路基板201の背面部のプリント結線224に接続されている。従って、プリント結線224は、フレームグランドと等電位となる。また、検出回路191は、フレームグランドFG端子181aによりフレームグランドFGに接続されることになる。
【0084】
プリント結線224とプリント結線221との間には、対向するように凹凸状の銅箔でプリントされた電極が設けられており、マイクロギャップ222が構成されている。図10においては、4極の電極(4対の凹凸状の電極)からなるマイクロギャップ222が構成されており、凸部の端部から凹部の底面までの距離(電極間距離)は、およそ0.2mm程度に設定されている。
【0085】
コネクタ181の回路グランド端子181bは、スルーホール211bにて図10で示される検出回路基板201の背面部のプリント結線225に接続されている。従って、プリント結線225は、回路グランドと等電位となる。
【0086】
プリント結線225とプリント結線224との間には、対向するように凹凸状の銅箔でプリントされた電極が設けられており、マイクロギャップ223が構成されている。図10においては、4極の電極(4対の凹凸状の電極)からなるマイクロギャップ223が構成されており、凸部の端部から凹部の底面までの距離(電極間距離)は、およそ0.2mm程度に設定されている。
【0087】
コネクタ181の出力端子181cは、検出回路191より出力される人体接触検出結果を制御部122に出力する。コネクタ181の電源端子181dは、電源248(図11)より検出回路191の駆動用の電力供給を受ける。尚、電源248は、電源121により直流電源に調整されたものを出力するものとして示しており、実質的には、電源121である。
【0088】
図9中のプリント結線211c乃至211eは、マイクロスイッチ本体161の凸部端子161e乃至161gが貫通可能な穴部からなり、穴部を貫通した凸部端子161e乃至161gが、はんだによりプリント結線211c乃至211eに接続している。さらに、プリント結線211c乃至211eは、スルーホール加工(検出回路基板201の表裏が電気的に導通する加工)が施されている。
【0089】
マイクロスイッチ161bがオンにされた場合(ストップボタン153が軸152方向に押圧されることにより、マイクロスイッチ操作部161aの自由端部が軸152方向に押圧され、マイクロスイッチ161bがマイクロスイッチ本体161に押し込まれた場合)、マイクロスイッチ本体161は、プリント結線211cおよび211e間が、電気的に接続されていない状態とするように動作する。逆に、マイクロスイッチ161bがオフの状態の場合(マイクロスイッチ161bが、マイクロスイッチ操作部161aの自由端部により軸152方向に押圧されることなく、マイクロスイッチ本体161から押し出されている場合)、プリント結線211cおよび211e間を短絡するように内部で電気的に接続し、背面のプリント結線221と上面部の抵抗193間を接続する。
【0090】
以上の検出回路基板201の薄膜プリントによる配線を回路図にしてまとめると図11で示されるような構成となる。
【0091】
すなわち、金属プレート173とプリント結線221は、相互に対向するように接触された状態で付勢されることにより、電気的に接続された状態となっている。さらに、プリント結線221は、スルーホール211eを介して検出回路基板201の背面部から上面部のマイクロスイッチ本体161(マイクロスイッチ161bが押圧されていない通常状態の場合、スルーホール211e,211c間が導通し、マイクロスイッチ161bが押圧されている状態の場合、スルーホール211e,211c間が導通しない状態とされる)、抵抗193およびコンデンサ192を介して検出回路191に接続されている。一方、プリント結線221は、検出回路基板201の背面部のプリント結線224との間にマイクロギャップ222が設けられている。尚、図11において、フレームグランドFGは、コネクタ181のフレームグランドFG端子181aを、アース配線132を介して接地されているガラス扉補強板106に接続した(アースボンドした)場合について示しているが、それ以外のフレームグランドFGと接続するようにしても良い。
【0092】
検出回路191は、コネクタ181の回路グランド端子181bを介して、電源248の回路グランドに接続され、さらに、検出回路基板201の背面部において、プリント結線224,225間において、マイクロギャップ223が構成されている。
【0093】
検出回路191は、コネクタ181の電源端子181dを介して電源248より供給される直流電源の供給を受けて、コンデンサ192の静電容量に応じた(人体がハンドル本体112を把持することにより、樹脂成形部材150、金属プレート173、プリント結線221、マイクロスイッチ本体161、および抵抗193を介して、変化するコンデンサ192の静電容量に応じた)発振信号を人体接触検知結果として生成し、コネクタ181の出力端子181cを介して、制御回路122に供給する。
【0094】
制御回路122は、電源121(248)より供給される直流電源により駆動し、検出回路191より供給される発振信号に基づいて、ハンドル本体112に人体が接触したか否かを判定し、遊技球の発射装置の動作を制御する。
【0095】
次に、図11を参照して、検出回路191の構成について説明する。
【0096】
電源回路241は、発振回路242、検波回路243、積分回路244、比較回路245、および、出力回路246に対して駆動するための所定の電圧の電力を供給する。
【0097】
発振回路242は、コンデンサ192の充電電圧に基づいた静電容量の変化に基づいて、所定の周波数のサイン波形の発振信号を発生し、検波回路243に出力する。より具体的には、遊技者がハンドル本体112を把持することにより、樹脂成形部材150、金属プレート173、プリント結線221、マイクロスイッチ本体161(マイクロスイッチ本体161はオンであるとき)、および抵抗193を介して、コンデンサ192の静電容量が変化した場合、発振回路242は、発振信号を発振しない。一方、遊技者がハンドルを把持せずコンデンサ192の静電容量が変化しない、または、マイクロスイッチ161本体がオフである場合、コンデンサ192の静電容量は変化しないので、発振回路242は、所定の周波数のサイン波形の発振信号を発振する。
【0098】
検波回路243は、発振回路242により発生される発振信号を検波し、検波結果を積分回路244に供給する。積分回路244は、検波回路243より供給される検波結果を積分することにより平滑化し、比較回路245に供給する。比較回路245は、積分回路244より供給される積分された(平滑化された)検波結果となる信号を所定の閾値と比較し、閾値より大きい場合と小さい場合毎に2種類の信号を発生し、出力回路246に出力する。出力回路246は、比較回路245より供給される2種類の信号のうち第1の信号の場合、出力端子181cより後段に信号を出力し、第2の信号の場合、後段に信号を停止する。結果として、発振回路242により発振信号が発生された場合、発生されたサイン波形に応じた矩形の波形が生成され、出力端子181cより出力されることになる。
【0099】
尚、マイクロギャップ222,223の電極間距離は、その距離に基づいた絶縁破壊電圧を決定することになるので、保護したい回路の耐圧よりも低い絶縁破壊電圧を設定するように、距離を設定する必要がある。
【0100】
次に、図12のフローチャートを参照して、タッチスイッチ163による人体接触検知処理について説明する。尚、図12のフローチャートにおける処理の説明は、各回路における電気的な動作を条件に応じて説明するものであり、各回路が、各ステップの処理を判断したり、各処理を実行するものではない。
【0101】
ステップS1において、金属プレート173の電位が過電圧であるか否かにより動作が決定される。例えば、ステップS1において、ハンドル本体112を遊技者が把持していないか、または、遊技者がハンドル本体112を把持していても、遊技者そのものに過電圧を発生するような静電気が帯電していないような場合、その動作は、ステップS2に進む。
【0102】
ステップS2において、マイクロスイッチ本体161が、オンの状態であるか否かにより動作が決定される。すなわち、マイクロスイッチ本体161が、オンであるとは、ストップボタン153が、遊技者により軸152方向に押圧操作されておらず、このためマイクロスイッチ操作部161aも押圧動作されておらず、従って、マイクロスイッチ161bも押圧されていない状態であって、スルーホール211c,211e間が導通している状態である。このように、マイクロスイッチ本体161がオンの場合、その処理は、ステップS3に進む。
【0103】
ステップS3において、人体が接触したか否かにより動作が決定する。例えば、遊技者がハンドル本体112を把持していないような場合、その動作は、ステップS4に進む。
【0104】
ステップS4において、検出回路191は、一定の周波数の発振信号を発生し、制御部122に供給し、その処理は、ステップS1に戻る。より詳細には、検出回路191の発振回路242は、電源248よりコネクタ181の電源端子181dを介して供給される直流電源に基づいて、電源回路241より供給される電源に基づいて駆動し、コンデンサ192の充電電圧に基づいた静電容量の変化に基づいて、所定の周波数のサイン波形の発振信号を発生し、検波回路243に出力する。検波回路243は、発振回路242により発生されれる信号を検波し、検波結果を積分回路244に供給する。積分回路244は、検波回路243より供給される検波結果を積分することにより平滑化し、比較回路245に供給する。比較回路245は、積分回路244より供給される積分された検波結果となる信号を所定の閾値と比較し、閾値より大きい場合と小さい場合毎に2種類の信号を発生し、出力回路246に出力する。出力回路246は、比較回路245より供給される2種類の信号のうち第1の信号の場合、出力端子181cより後段に信号を出力し、第2の信号の場合、後段に信号を停止する。結果として、発振回路242により発振信号が発生された場合、静電容量に応じて発生されたサイン波形が、矩形の波形として出力端子181cより出力され、制御回路122に出力されることになる。
【0105】
この結果、制御回路122は、所定の周波数の発振信号の供給を受けているので、人体がハンドル本体112を把持していない(接触していない)と判定し、操作つまみ113が回転されているか否かに関わらず遊技球を発射させないように遊技球の発射装置を制御する。
【0106】
一方、ステップS3において、例えば、遊技者がハンドル本体112を把持している場合、ステップS4の処理はスキップされて、その処理は、ステップS1に戻る。より詳細には、このとき、遊技者がハンドル本体112を把持することにより、ハンドル本体112の表面部と同電位となる金属プレート173、プリント結線221、スルーホール233、抵抗193、およびコンデンサ192を介して、人体の大地間容量の変化が発振回路242に伝達されるため、検出回路191は、その変化した静電容量に対応する所定の周波数の発振信号を発生する。ただし、実際には、人体が接触することにより変化する静電容量においては、発振回路242が、発振信号の発生を停止することになる(このため、フローチャートでは、ステップS3の処理がスキップされているように表現されている)。この結果、制御回路122は、所定の周波数の発振信号の供給を受けないことになるので、人体がハンドル本体112を把持している(接触している)と判定し、操作つまみ113の回転角度に応じた信号に基づいて、発射モータや発射カムを動作させて、遊技球を発射させるように遊技球の発射装置を制御する。
【0107】
また、ステップS2において、マイクロスイッチ161bがオフである場合、すなわち、ストップボタン153が、遊技者により軸152方向に押圧操作されて、このためマイクロスイッチ操作部161aも押圧され、従って、マイクロスイッチ161bが押圧されることにより、スルーホール211c,211e間が導通していない状態である。このように、マイクロスイッチ本体161がオフの場合、ステップS3の処理がスキップされて、その処理は、ステップS4に進む。
【0108】
すなわち、通常は、上述したステップS1乃至S4の処理により、遊技者がハンドル本体112を把持した状態で、かつ、ストップボタン153を操作していない状態の場合、操作つまみ113が回転させられることにより遊技球が発射され、逆に、遊技者が、ハンドル本体112を把持していない状態であるか、または、ストップボタン153を操作した状態の場合、操作つまみ113が回転させられても遊技球が発射されないように動作される。
【0109】
このような動作により、例えば、遊技者が、操作つまみ113を不正な方法で所定の回転角度に回転させた状態で固定させるような行為を行っても、遊技球を発射させないようにすることができ、ハンドル本体112を把持せずに、遊技球を発射させるといった不正行為を防止することが可能となっている。さらに、遊技者が、ハンドル本体112を把持して、操作つまみ113を所定の回転角度に回転させた状態を維持しつつ、ストップボタン153を押圧することで遊技球を発射させないようにすることができる。
【0110】
従って、マイクロスイッチ161bが開放されている場合、検出回路191と金属プレート173が分断され、発振回路242としては、遊技者がハンドル本体122を把持していない状態と同様に所定の周波数の発振信号を発生する。このため、マイクロスイッチ161bの開閉による影響を受けることなく、検出回路191への電力供給は一瞬たりとも停止することがない。結果として、検出回路191における電力のオンまたはオフに伴った起動停止が発生しないため、起動時に発生しがちな不安定な信号の発生が抑制されることになるので、制御部122に及ぼす影響を抑制することが可能となる。また、遊技球を発射させる条件として、検出回路191より発振信号が発せられることになるので、人体の接触やストップボタン153(マイクロスイッチ161bのオンオフ)を正確に識別して制御することが可能となる。
【0111】
また、検出回路191には、図15を参照して説明したように、積分回路244のような発振回路の高周波振幅の検波平滑機能が存在する。また、マイクロスイッチ本体161は、発振回路242の前段に設けられる。このため、マイクロスイッチ161bがオンオフ動作の際にチャタリングを発生しても、積分回路244により平滑化されることになるため、いわゆる、波形割れを抑制することができ、有接点スイッチであるマイクロスイッチ161bの動作を安定化させることが可能となる。
【0112】
尚、以上においては、有接点型のマイクロスイッチ161bを使用した場合について説明してきたが、マイクロスイッチ161bの構成としては、上述した理由により当然のことながら無接点型の電子スイッチからなるものとしてもよい。
【0113】
一方、ステップS1において、金属プレート173の電位が過電圧である場合、すなわち、例えば、大きな容量の静電気を帯びた人体(遊技者)が、ハンドル本体112を把持したような場合、その動作は、ステップS5に進む。
【0114】
ステップS5において、人体(遊技者)に帯電していた静電気は、マイクロギャップ222の電極間で放電する。すなわち、人体に帯電していた静電気は、人体により把持されていたハンドル本体112、金属プレート173、およびプリント結線221を通電した後、マイクロギャップ222を構成する電極間の絶縁破壊電圧を越えるため、マイクロギャップ222を構成する電極間で放電し、コネクタ181のフレームグランドFG端子181aに達する。
【0115】
ステップS6において、フレームグランドFGの方が、マイクロギャップ223よりもインピーダンスが低いか否かが判断される。通常、フレームグランドFGは、大地に接地されているため、マイクロギャップ223よりも低インピーダンスであるため、その動作は、ステップS7に進み、過電圧の静電気は、フレームグランドFGを構成するガラス扉補強板106を介して大地に放電する。
【0116】
すなわち、ステップS5におけるマイクロギャップ222の電極間の放電により、抵抗193よりも低インピーダンスの回路が形成されるため、静電気は、スルーホール233を介して抵抗193を通電することなく(抵抗193により堰き止められて)、ほぼ全量がプリント結線221、マイクロギャップ222、プリント結線224、スルーホール231、およびフレームグランドFG端子181aを経由して、フレームグランドFGを形成するガラス扉補強板106に放電する。
【0117】
このため、検出回路191に対しては、静電破壊を生じるような静電気を遮断させることが可能となり、結果として検出回路191を保護することが可能となる。
【0118】
さらに、静電気を回路グランドに放電させていないので、例えば、後段の電源248および制御回路122などに対して、回路グランドから静電気が逆流することによって生じる静電破壊をも抑止することができるので、検出回路191のみならず、パチンコ遊技機100の全体の回路をも保護することが可能となる。
【0119】
また、図9,図10で示されるように、プリント結線221からフレームグランドFGと同電位となるプリント結線224までの位置関係が固定された検出回路基板201で構成されることにより、配線による浮遊容量を最小限に留める(浮遊容量そのものを最小にすると共に、配線の位置などに応じた浮遊容量の変化も最小にする)ことが可能となるため、タッチスイッチとしての検出精度の低下(検出精度のばらつき)を最小限にすることが可能となる。
【0120】
ステップS7において、フレームグランドFGを構成するガラス扉補強板106に全ての静電気が放電されると、その処理は、ステップS1に戻る。また、ステップS5において、フレームグランドFGの方が、マイクロギャップ223よりもインピーダンスが低くない場合、ステップS8の動作に進む。
【0121】
ステップS8において、人体(遊技者)に帯電していた静電気は、マイクロギャップ223を通電し、ステップS9において、回路グランドに放電する。
【0122】
すなわち、フレームグランドFGの方が、マイクロギャップ223よりもインピーダンスが低くない場合、静電気は、マイクロギャップ223を構成する電極間の絶縁破壊電圧を越えるため、マイクロギャップ223を構成する電極間で放電する。この場合、静電気は、プリント結線225、スルーホール221b、および回路グランド端子181bを介して、回路グランドに放電される。
【0123】
例えば、アース線132が正しく接地されていないような場合、ステップS6において、フレームグランドFGの方が、マイクロギャップ223よりもインピーダンスが高いということがある(通常は、アース線132が接地されていなくても、フレームグランドFGを構成するガラス扉補強板106の表面積が大きいため低インピーダンスである)。そこで、フレームグランドFGの方が、マイクロギャップ223よりもインピーダンスが高い場合、静電気は、マイクロギャップ223を介して回路グランドに放電される。結果として、少なくとも検出回路191を保護することが可能となる。
【0124】
尚、マイクロギャップ222,223においては、電極間を静電気が放電する際、火花が飛び散るといった現象が生じるが、タッチスイッチ163を構成するマイクロギャップ222,223以外の回路は、マイクロギャップ222,223が構成された検出回路基板201の反対面に設けられている(マイクロギャップ222,223は、図10で示される検出回路基板201の背面部に配設され、その他の構成は、図9で示される検出回路基板201の上面部に配設されている)ので、マイクロギャップ222,223の電極間で火花が飛び散ることによって生じる他の回路の破損などを抑止することが可能となる。
【0125】
また、マイクロギャップは、特性上、放電が生じる度に、いずれか1個の電極が磨耗することになるため、放電の頻度が高いマイクロギャップについては、電極数を増やすようにして、寿命をのばせるようにしてもよい。
【0126】
さらに、通常は、フレームグランドFGを構成するガラス扉補強板106への放電に使用するマイクロギャップ222の方が、マイクロギャップ223の使用頻度よりも高いことが予想される。そこで、本実施例においては、図8で示されるように、マイクロギャップ222の電極数:マイクロギャップ223の電極数=4:4となっているが、それ以外の電極数、例えば、使用頻度の高いマイクロギャップ222の電極数を増やし、使用頻度の低いマイクロギャップ223の電極数を減らすような構成にしても良い。
【0127】
また、以上においては、マイクロギャップ222,223を構成する電極間距離が0.2mmの場合について説明してきたが、保護すべき回路の耐圧に応じて変化させるようにしてもよく、高耐圧の回路に対しては、電極間距離を大きくし、低耐圧の回路に対しては、電極間距離を小さくするようにしても良い。
【0128】
尚、以上においては、図11で示されるように、マイクロスイッチ161bを抵抗193の前段に設ける例について説明してきたが、マイクロスイッチ161bは、制御部191の前段に配置されれば、同様の効果を奏する事が可能であるので、例えば、図13で示されるように、コンデンサ192と検出回路191との間であってもよいし、図14で示されるように、抵抗193とコンデンサ192の間であっても良い。
【0129】
また、図11においては、マイクロギャップ223は、電源248のコールド側の回路グランドとフレームグランドFG間に設けられているが、これに限るものではなく、例えば、電源248のホット側の電力供給がなされているコネクタ181の電源端子181dと、フレームグランドFG間であってもよい。
【0130】
さらに、以上においては、3線式のタッチスイッチ163(3線式の検出回路191)を用いる場合について説明してきたが、2線式(2線式:電源用、回路グランド用の2線であって、電源用の電流の流れを制御することで、人体接触検知結果の信号出力とする方式)であってもよい。
【0131】
ここで、図15を参照して、特に2線式のタッチスイッチ163を用いた場合についての構成について説明する。尚、図11を参照して説明した構成に対応する構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。図15の2線式の検出回路191において、図11の検出回路191と異なるのは、出力回路246に代えて出力回路301が設けられており、さらに、マイクロギャップ223のみならず、マイクロギャップ223a,223bが設けられている点である。
【0132】
出力回路301は、基本的には出力回路246と同様の機能を有するが、比較回路245からの比較結果に基づいて、電源回路241の出力そのものを制御することで、所定周波数の矩形波を発生することにより、検出回路191としての検出結果を出力する。
【0133】
また、図11の直流3線式タッチスイッチと比較して、図15のマイクロギャップ223aの機能は同等であるが、バックアップ用マイクロギャップ223bに関しては挿入方法が異なっている。すなわち、図15の2線式タッチスイッチ163においては、外部の負荷抵抗247の電流変化を出力信号しているため、基本的には2本の接続線(電源用、回路グランド用)のどちらに負荷抵抗247を接続しても機能するが、接続状況次第で接続線部のインピーダンスが変化するため、静電気を放電する経路に差が生じることになる。
【0134】
従って、2線式タッチスイッチ163においては、マイクロギャップ223a,223bを2本の電力供給線のどちらにも挿入しておけば、負荷抵抗247が繋がれていない経路を介して静電気が放電されることになる。尚、図15中のツェナーダイオード251は検出回路191の保護ダイオードで、マイクロギャップ222,223a,223bの静電気対策をさらに強化するものである。
【0135】
また、マイクロスイッチ本体161は、検出回路基板201上の銅箔パターンにより接続されているのみであるので、例えば、図1の接続線12aに相当するような配線が不要となるため、配線による浮遊静電容量を削減することができるので、タッチスイッチ163の検出精度のばらつきを抑えることが可能になると共に、分品点数を削減することができるので、タッチスイッチ163のコストを低減させることが可能となる。
【0136】
以上においては、タッチスイッチ163の形状は、図7で示されるような形状である場合について説明してきたが、タッチスイッチ163が、樹脂成形部材150の底面部151に対して金属プレート173と平行に対向するように当接された状態で、金属プレート173の穴部173a,173bに金属性ネジ162a,162bを底面部151に対向するように貫通させて、底面部151に螺合されるものであれば、その形状は、その他の形状であっても良い。
【0137】
図16乃至図18は、タッチスイッチ163のその他の形状である場合の例を示している。尚、図16は、その他の形状のタッチスイッチ163の分解図であり、図17は、その他の形状のタッチスイッチ163の外観斜視図であり、さらに、図18は、その他の形状のタッチスイッチ163が、底面部151に取り付けられる状態を説明する図である。
【0138】
金属プレート273は、図17のタッチスイッチ163におけるケース271aの図中上面部における長手方向略中央端部に設けられている。マイクロスイッチ本体261は、図17のタッチスイッチの長手方向の端部の側面に配設されており、図中の矢印方向にマイクロスイッチ操作部262aに操作され、マイクロスイッチ操作部262aが、タッチスイッチ163の本体側面部に対して押圧されると、マイクロスイッチ262bが押圧され、マイクロスイッチ本体262がオフの状態(上述したスルーホール211c,211e間が導通していない状態)となり、マイクロスイッチ262bが、それ以外の状態のとき、マイクロスイッチ262はオンの状態(上述したスルーホール211c,211e間が導通している状態)となる。
【0139】
図16で示されるように、樹脂製のケース271aに金属プレート273が、金属プレート273の凸状形状と略同一の鍵状の溝344a,344bに挿入されると、金属プレート273の穴部341とケース271aの穴部342が略同一の位置として固定される。
【0140】
このとき、ケース271aとカバー271bとが、検出回路基板401(図10で示した背面部のパターンとは異なるが同一の回路を構成するパターンが図16における検出回路基板401の上面部であり、図9で示した検出回路基板201の上面部のパターンとは異なるが同一の回路を構成するパターンが図16における検出回路基板401の背面部である)を挟み込むことにより、ケース271aの凸部301a,301bが、マイクロスイッチ本体261の穴部311a,311bに挿入され、マイクロスイッチ本体261のマイクロスイッチ261bが設けられた面と、ケース271aの端部が一致するように固定される。さらに、このとき、ケース271aのツメ321a乃至321dが、図17で示されるように、それぞれカバー271bの穴部331a乃至331dに嵌合することにより、ケース271aとカバー271bが係止されると共に、検出回路基板401が固定される。
【0141】
このようにケース271aとカバー271bが、検出回路基板401を挟み込んだ状態の場合、図16の検出回路基板401における上面部(図10で示したパターンと同様の回路を構成するパターン)のプリント結線221が、金属プレート273に当接する。結果として、図7のタッチスイッチ163と同様に、金属プレート273と検出回路基板401が電気的に接続される。
【0142】
また、コネクタ281は、検出回路基板401の図16中の背面方向から図16中の上方に挿入され、図16における検出回路基板401の上面部に貫通した状態で凸部端子261c乃至261fが固定され、電気的に接続されている。尚、検出回路基板201と凸部端子261c乃至261fの接続については、図8におけるマイクロスイッチ本体161と検出回路基板201との接続手法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0143】
さらに、検出回路基板401は、ケース271aの穴部342と同軸上に、穴部342の径よりも大きな径からなる凹部351が設けられている。さらに、カバー271bにおいても、ケース271aの穴部342と同軸上に、穴部342の径よりも大きな径からなる凹部361が設けられている。
【0144】
このような構成により、図16乃至図18に示されるタッチスイッチ163は、図18で示されるように、図17の上面部と金属メッキが施された樹脂成形部材150の底面部151が当接されて、かつ、マイクロスイッチ操作部262aが、ストップボタン153に対向する方向とした状態で、凹部361および穴部342を図18中の上部より下部方向に金属製ネジ162を貫通させ、底面部151に螺合することで固定される。このように固定されることにより、金属プレート273のうち、ケース271aより露出していた部分が底面部151に当接された状態で固定されるため電気的にハンドル本体112とタッチスイッチ163とが接続された状態となる。
【0145】
このため、ハンドル本体112、樹脂成形部材150への人体接触有無に対応する容量変化がタッチスイッチ163の検出回路191に伝達される。
【0146】
このように、図16乃至図18のタッチスイッチ163は、図5乃至図8のタッチスイッチ163と比べると外観は大きく異なるものの、金属プレート173,273の接触面とマイクロスイッチ161b,262bのそれぞれの操作方向は平行であり、金属製ネジ162a,162b,162の挿入される方向、およびコネクタ182がタッチスイッチ163に挿入される方向が金属プレート173,273の接触面に対して垂直であることは同様である。
【0147】
結果として、遊技者は、ハンドル本体112を把持した状態をほぼ維持したままの状態で、ハンドル本体112を把持している手のいずれかの指の少なくとも1本を使うことで、ストップボタン153を操作させることが可能になるため、容易にストップボタン153を操作させることが可能となる。
【0148】
さらに、タッチスイッチ163は、ハンドルユニット111に取り付ける際、樹脂成形部材150に対して、垂直方向に金属製ネジ162を挿入し、螺合させて固定させるのみで、樹脂成形部材150に対して固定されると同時に、金属プレート173に対しても電気的接続される。また、ストップボタン153の可動方向とマイクロスイッチ本体161aの操作方向を一致させることが可能になる。さらに、金属製ネジ162が、樹脂成形部材150に対して螺合されるにより、コネクタ281と182とが相互に接続されることになる。このため、コネクタ281と182の接続についても容易にできる。また、タッチスイッチ163は、マイクロスイッチ本体161と一体成形されているので、タッチスイッチ163を固定するのみで、マイクロスイッチ本体161をも同時に固定することが可能となる。
【0149】
結果として、タッチスイッチ163をハンドルユニット111に取り付ける作業における作業工数を削減することができ、かつ、確実なものとすることが可能となる。また、部品点数を低減させることにより、装置を小型化および簡素化させることが可能となる。
【0150】
尚、図16乃至図18のタッチスイッチ163については、図5乃至図8を参照して説明したタッチスイッチ163と外形において異なるのみで、同様の動作を実行するので、動作の説明は省略する。
【0151】
また、以上においては、回路保護素子として、マイクロギャップを使用した例について説明してきたが、それ以外の回路保護素子を使用するようにしてもよく、例えば、アレスタ、または、バリスタなどを使用するようにしてもよい。
【0152】
さらに、以上においては、ハンドル本体112、金属プレート173、およびプリント結線221より人体の接触による大地間容量の変化を検出する例について説明してきたが、プリント結線221をコネクタ181の端子として構成するようにしても良い。しかしながら、この場合、ハンドル本体112または金属プレート173からの配線が必要となるため、配線による浮遊容量を考慮する必要がある。さらに、プリント結線221が、そのままハンドル本体112となるような構成でも良い(ハンドル本体112を、プリント結線221を構成する銅箔パターンの一部としてもよい)。
【0153】
尚、本明細書において、処理を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】従来のタッチスイッチの構成を示す図である。
【図2】本発明を適用したパチンコ遊技機の構成を示す図である。
【図3】本発明を適用したパチンコ遊技機の構成を示す図である。
【図4】図2のパチンコ遊技機のハンドルユニットを説明する図である。
【図5】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチの取り付けを説明する図である。
【図6】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチの取り付けを説明する図である。
【図7】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチの外観斜視図である。
【図8】本発明を適用したタッチスイッチの分解図である。
【図9】図8の検出回路基板の上面図である。
【図10】図8の検出回路基板の背面図である。
【図11】図2の検出回路基板の回路図である。
【図12】人体接触検知処理を説明するフローチャートである。
【図13】図2の検出回路基板のその他の回路図である。
【図14】図2の検出回路基板のさらにその他の回路図である。
【図15】図2の検出回路基板のさらにその他の回路図である。
【図16】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチのその他の形態の分解図である。
【図17】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチのその他の形態の外観斜視図である。
【図18】図2のパチンコ遊技機のハンドルに内蔵されるタッチスイッチのその他の形態の取り付けを説明する図である。
【符号の説明】
【0155】
100 パチンコ遊技機
106 ガラス扉補強板
132 アース線
153 ストップボタン
161 マイクロスイッチ本体
161a マイクロスイッチ動作部
161b マイクロスイッチ
162,162a,162b 金属性ネジ
163 タッチスイッチ
173,173a,173b 金属プレート
181 コネクタ
191 検出回路
201 検出回路基板
221 電子スイッチ内部回路
192 コンデンサ
193 抵抗
211a乃至211e スルーホール
221乃至223 プリント結線
222,223 マイクロギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体が直接または間接的に接触する接触部と、
前記接触部が前記人体により直接または間接的に接触されるとき、前記人体の前記接触部への接触を電気的に検知する検知部と、
前記接触部と前記検知部との間で、相互の接続を開閉する開閉スイッチとを備え、
前記接触部と前記検知部との間で、抵抗、コンデンサ、および前記開閉スイッチとが直列に接続され、前記開閉スイッチが閉状態の場合、前記接触部が前記人体により直接または間接的に接触されるとき、前記検知部は、前記人体の前記接触部への接触を電気的に検知する
ことを特徴とする人体接触検知装置。
【請求項2】
前記開閉スイッチは、有接点スイッチである
ことを特徴とする請求項1に記載の人体接触検知装置。
【請求項3】
前記接触部と前記有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、前記サージ保護回路の他方の端部をフレームグランドに接続する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の人体接触検知装置。
【請求項4】
前記接触部と前記有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、前記サージ保護回路の他方の端部を回路グランドに接続する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の人体接触検知装置。
【請求項5】
前記接触部と前記有接点スイッチの間の配線にサージ保護回路の一方の端部を接続し、前記サージ保護回路の他方の端部をフレームグランドに接続すると共に、前記サージ保護回路とフレームグランドの間の配線に、前記サージ保護回路とは異なるその他のサージ保護回路の一方の端部を接続し、前記その他のサージ保護回路の他方の端部を回路グランドもしくは他の安定電位に接続する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の人体接触検知装置。
【請求項6】
前記サージ保護回路および前記その他のサージ保護回路は、アレスタもしくはマイクロギャップである
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の人体接触検知装置。
【請求項7】
前記抵抗、前記コンデンサ、および前記開閉スイッチは、位置関係が固定された状態で配線されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の人体接触検知装置。
【請求項8】
前記抵抗、前記コンデンサ、および前記開閉スイッチは、基板上の回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されている
ことを特徴とする請求項1乃至7に記載の人体接触検知装置。
【請求項9】
前記抵抗、前記コンデンサ、および前記開閉スイッチに加えて、前記サージ保護回路および前記その他のサージ保護回路は、前記基板上の回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されている
ことを特徴とする請求項1乃至8に記載の人体接触検知装置。
【請求項10】
前記抵抗、前記コンデンサ、および前記開閉スイッチは、前記基板上の第1の面に、前記サージ保護回路および前記その他のサージ保護回路は、基板上の第2の面に、それぞれ回路パターンにより位置関係が固定された状態で配線されている
ことを特徴とする請求項1乃至9に記載の人体接触検知装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の人体接触検知装置を備える
ことを特徴とするパチンコ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−43003(P2006−43003A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226098(P2004−226098)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】