説明

人体洗浄装置

【課題】
人体の隅々まで洗浄可能であって、シャワー以外の洗浄効果を発揮する。
【解決手段】
開閉及び防水する手段を備えた筐体と、前記筐体内部で立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部の前後に対向する位置をそれぞれ個別に縦方向へ昇降可能な昇降手段を備えた洗浄子取付金具と、前記洗浄子取付金具に前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を部位別にそれぞれ被うことが可能な複数の洗浄子と、前記洗浄子から温水、石鹸水、温風等をシャワーリングする温水・石鹸水・温風シャワーリング手段と、前記各シャワーリング手段を制御する制御手段とを備えた人体洗浄装置において、人体それぞれの部位を温水シャワーリング、石鹸水シャワーリング、マッサージ洗浄、温水シャワーリング及び温風シャワーリング行程を経て、全身を隅々まで洗浄する人体洗浄装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の楽しみの一つである入浴における人体洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2005−224412号公報には、入浴者が座部に着席して座部や背もたれ部から温水や温風を噴出させて人体を洗浄することが、また、特開2005−124923号公報には、人体の背中を筒柱状の洗浄体が往復回転運動しながら人体を洗浄させることが、それぞれ提案されている。しかし、これらは何れも洗浄範囲が人体のごく限られた部位に止まっており、人体全体をくまなく洗浄できるものではない。
【特許文献1】特開2005−224412号公報
【特許文献2】特開2005−124923号公報
【0003】
前記特許文献1では、気体により粒体を噴流化して人体を満遍なく洗浄する方法が、また、前記特許文献2では、小型化した装置で身体の隅々の部位を洗浄することが、それぞれ提案されている。しかし、前者は噴流化した粒体が人体の隅々まで流動して洗浄することは困難であり、粒体の性質上、流れやすい部分のみを流動化してしまうことは否めなかった。また、後者の場合は小型化した装置であるから、第三者の手を借りずに全身の隅々を洗浄することは困難であった。
【0004】
さらに特開2002−10945号公報には、床面設置型の身体洗浄装置が、また、特開2001−70393号公報には、洗液と粒体との協同作業により身体を洗浄する方法が、それぞれ提案されている。しかし、前者の提案は前記特許文献2と同様に身体の洗浄できる部位がきわめて限定的であり、後者の提案は前記特許文献1と同様に粒体性質上の問題を解決されていないところに問題点があった。
【特許文献3】特開2002−10945号公報
【特許文献4】特開2001−70393号公報
【0005】
また特開2000−350767号公報には、横臥状態での身体洗浄装置が提案されている。この装置は、横臥状態の身体をシャワー装置で洗浄する方式をとっており、身体支持手段によっては身体の隅々までシャワー効果をもたらすことは期待できるものの、身体洗浄手段はシャワー装置に限定されており、シャワー効果以外は何も期待できないところに問題点があった。
【特許文献5】特開2000−350767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、従来の身体洗浄装置は、洗浄手段が機械式のものは人体のごく限られた部分しか洗浄できず、流動式のものは粒体の性質上から流動しやすい箇所のみを流動するため洗浄効果に疑問があった。さらに、横臥式のものは人体支持手段によっては人体の隅々までシャワー効果が期待できるものの、洗浄手段がシャワーのみなのでシャワー効果以外の何ものも期待できないところに問題点があった。之に対し、本発明では人体の隅々まで洗浄可能にし、且つ、シャワー以外の洗浄効果を発揮することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、開閉及び防水する手段を備えた筐体2と、前記筐体2内部で立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部の前後に対向する位置をそれぞれ個別に縦方向へ昇降可能な洗浄子昇降手段5a〜5fを備えた洗浄子取付金具6a〜6fと、前記洗浄子取付金具6a〜6fに前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を部位別にそれぞれ被うことが可能な複数の洗浄子7a〜7fと、前記洗浄子7a〜7fから温水、石鹸水、温風等をシャワーリングする温水・石鹸水・温風シャワーリング手段13、14、15と、前記各シャワーリング手段を制御する制御手段22とをそれぞれ備えた人体洗浄装置1において、人体それぞれの部位を温水シャワーリング、石鹸水シャワーリング、マッサージ洗浄、温水シャワーリング及び温風シャワーリング行程を経て、全身を隅々まで自動的に洗浄することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、前記筐体2内部には人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する半円状をした前記各洗浄子7a〜7fは、前記人体の体形に合わせて前側及び後側から伸縮自在にフィットする体形フィット手段16a〜16fを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記筐体2内部には立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する半円状をした前記各洗浄子7a〜7fが、横方向に揺動或いは振動しながら身体各部を洗浄する洗浄子揺動・振動手段17a〜17fを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、前記筐体2内部には人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する前記各洗浄子7a〜7fに圧力センサー12a〜12fが設けてあり、前記各洗浄子で人体各部を洗浄するとき、前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部に押し付ける力をそれぞれ個別且つ任意に制御する洗浄子押し付け力制御手段18a〜18fを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、前記筐体2内部には人体の頭部が装置外にでるように昇降可能な昇降手段5g、5hを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、前記筐体2内部には立位姿勢維持が困難な人体を立位状態に維持できるように、脇の下又は股下の何れか一方又は両方に人体を支持する人体支持手段19を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、前記筐体2内部の人体と対向する位置に、人体を温めるための遠赤外線ヒーター等の人体温熱手段20a〜20dを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、前記筐体2上部から人体頭部が出ている部分に、人体洗浄中の人が音楽や映像を楽しめるようオーディオビジュアル装置21を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、体形フィット型の洗浄子による温水シャワーリング、石鹸水シャワーリング、温風シャワーリング手段によって人体の隅々まで洗浄可能となり、且つ、洗浄子の上下動と左右方向の揺動或いは振動との複合動作によるマッサージにより、単なる人体の洗浄のみならずリラクゼーション効果や体脂肪燃焼効果が期待できる。さらに、人体支持手段を有しているので体の不自由な人でも安心してからだの隅々まで洗浄すると共にマッサージ効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について説明すると、図1は本発明の具体的態様を示す立面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図2のB−B断面図、図4は図2のC−C断面図、図5は図1のD−D断面図、図6は洗浄子の拡大平面図、図7は図6のX−X拡大断面図、図8は図1のE−E断面図、図9は図1のF−F断面図、図10は図1のG−G断面図、図11は図1のH−H断面図、図12は本発明の具体的態様を示す配管系統図である。
【0017】
人体洗浄装置1には、開閉及び防水する手段を備えた筐体2と、該筐体2の内部で立位状態の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部の前後に対向する位置をそれぞれ個別に縦方向へ昇降可能な洗浄子昇降手段5a〜5fを備えた洗浄子取付金具6a〜6fと、前記洗浄子取付金具6a〜6fに前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を部位別に、前記人体の体形に合わせて前側及び後側からそれぞれ被うことが可能な複数の略半円状をした洗浄子7a〜7fと、前記洗浄子7a〜7fから温水、石鹸水、温風等をシャワーリングする温水・石鹸水・温風シャワーリング手段13、14、15と、前記各シャワーリング手段を制御する制御手段22とを備えてある。それぞれ前側及び後側から向かい合わせに対をなして配した洗浄子7a、7b、7c、7d、7e、7fと、前記温水・石鹸水・温風シャワーリング手段13、14、15を配管23で連結し、各シャワーリング手段13、14、15と配管3との間にそれぞれバルブ13a、14a、15aを介在させてある。さらに、前記温水・石鹸水・温風シャワーリング手段13、14、15を制御装置22に連結してある。
【0018】
図1〜5において、人体前面に対応する洗浄子の昇降手段5a、5c、5eを説明すると、首・肩部を洗浄する略半円状をした洗浄子7aは、支柱2aに緊結したリニアガイド3a上を走行自在なリニアガイドベアリング4aに緊結した洗浄子取付金具6aに緊結されている。前記洗浄子7aにはボールねじナット11aが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10aが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9aの軸回転自在に緊結されている。該モーターはモーター取付金具8aに緊結され、該モーター取付金具は支柱2aに緊結され、前記モーター9aが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10aを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11aに緊結された洗浄子7aは昇降する。
【0019】
次に、胸・胴・臀部を洗浄する略半円状をした洗浄子7cは、支柱2aに緊結したリニアガイド3a上を走行自在なリニアガイドベアリング4cに緊結した洗浄子取付金具6cに緊結されている。さらに、前記洗浄子7cにはボールねじナット11cが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10cが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9cの軸と回転自在に緊結され、該モーターはモーター取付金具8cに緊結され、該モーター取付金具は支柱2aに緊結され、前記モーター9cが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10cを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11cに緊結された洗浄子7cは昇降する。
【0020】
次に、脚部を洗浄する一対の略半円状を有した洗浄子7eは、支柱2aに緊結したリニアガイド3a上を走行自在なリニアガイドベアリング4eに緊結した洗浄子取付金具6eに緊結される。さらに、前記洗浄子7eにはボールねじナット11eが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10eが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9eの軸と回転自在に緊結され、該モーターはモーター取付金具8eに緊結されている。該モーター取付金具は支柱2aに緊結され、前記モーター9eが正回転・反回転することにより前記ボールねじ10eを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11eに緊結された洗浄子7eは昇降する。
【0021】
次に、人体後面に対応する洗浄子昇降手段5b、5d、5fについて説明すると、まず、首・肩部を洗浄する略半円状をした洗浄子7bは支柱2bに緊結したリニアガイド3b上を走行自在なリニアガイドベアリング4bに緊結した洗浄子取付金具6bに緊結されている。さらに、前記洗浄子7bにはボールねじナット11bが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10bが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9bの軸と回転自在に緊結されている。該モーターはモーター取付金具8bに緊結され、該モーター取付金具は支柱2bに緊結され、前記モーター9bが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10bを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11bに緊結された洗浄子7bは昇降する。前記洗浄子7aとこの洗浄子7bは、図2に示すように、それぞれ人体の首・肩部の前側及び後側から被うように対をなしている。
【0022】
次に、胸・胴・臀部を洗浄する略半円状をした洗浄子7dは、支柱2bに緊結したリニアガイド3b上を走行自在なリニアガイドベアリング4dに緊結した洗浄子取付金具6dに緊結されている。さらに、前記洗浄子7dにはボールねじナット11dが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10dが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9dの軸と回転自在に緊結され、該モーターはモーター取付金具8dに緊結され、該モーター取付金具は支柱2bに緊結されている。前記モーター9dが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10dを正回転・反回転させると前記ボールねじナット11dに緊結された洗浄子7dは昇降する。前記洗浄子7cとこの洗浄子7dは、それぞれ人の胸・胴・臀部の前側及び後側から被うように対をなしている。
【0023】
次に、脚部を洗浄する一対の略半円状をした洗浄子7fは、支柱2bに緊結したリニアガイド3d上を走行自在なリニアガイドベアリング4fに緊結した洗浄子取付金具6fに緊結されている。さらに、前記洗浄子7fにはボールねじナット11fが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10fが回転自在に挿入されている。該ボールねじはモーター9fの軸と回転自在に緊結され、該モーターはモーター取付金具8fに緊結され、該モーター取付金具は支柱2bに緊結され、該モーター9fが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10fを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11fに緊結された洗浄子7fは昇降する。前記洗浄子7eとこの洗浄子7fは、それぞれ人の2本ある脚部の前側及び後側から被って対をなしている。
【0024】
次に、人体洗浄行程について説明すると、人体洗浄行程は、人体洗浄装置1の制御装置
22により、自動的に温水シャワーリング行程、石鹸水シャワーリング行程、マッサージ洗浄行程、温水シャワーリング行程、温風シャワーリング行程の順に進んで1サイクルを完了させる。
【0025】
ここで、洗浄子7a〜7fについて説明すると、図6は図5に示した洗浄子7a、7bを拡大したもので、略半円状をした洗浄子7a、7bは高さを違えて向かい合わせに配置して内側に人体を位置させるようにして人体の前面及び後面に接触した状態で該洗浄子を上下動させて人体の首・肩部を洗浄することができる。図7に示すように、例えば洗浄子7aの内部には、温水、石鹸水、温風の流路25を有していて柔軟なスポンジ材などからなり弾性に富んでおり、人体表面にフィットして心地よい柔軟な筒状部材で構成されている。
【0026】
図7に示すように、柔軟な筒状部材からなる例えば洗浄子7aは半径方向に複数の噴射口26、26を設けてある。そのため、洗浄子内の流路25内に供給された温水、石鹸水、温風などを、該洗浄子7aの流路25内から放射方向に噴出する多数の噴射口26を任意間隔に設けてある。さらに、該洗浄子7a〜7fの外側面には、柔軟部材からなる洗浄子7a〜7fを人体の表面に密着させる体形フィット手段16a〜16fをそれぞれ装着してある。該体形フィット手段はスプリング材などで弾性に富み、前記洗浄子7a〜7fを比較的強めに人体の表面にフィットすることができるようにしてある。
【0027】
まず、温水シャワーリング行程について説明する。人が人体洗浄装置1に入って筐体2の開閉手段2cにより筐体2の周囲を水密に閉じると、制御装置22がonして自動的に人体洗浄行程が開始する。初めに、温水シャワーリング手段13のバルブ13aが開いて昇降手段5a〜5fにより洗浄子7a〜7fを昇降させながら、該洗浄子から人体に向かって温水を一定時間シャワーリングして人体を満遍なく湿潤させる。
【0028】
次に、石鹸水シャワーリング行程について説明する。上述の温水シャワーリング行程が完了するとバルブ13aが閉じ、次いで石鹸水シャワーリング手段14のバルブ14aが開き、昇降手段5a〜5fにより洗浄子7a〜7fを昇降させながら、前記洗浄子7a〜7fに夫々設けてある噴射口26から人体に向かって石鹸水を一定時間シャワーリングさせて人体に満遍なく石鹸水を塗布する。
【0029】
次に、マッサージ洗浄行程について説明する。上記石鹸水シャワーリング行程が完了するとバルブ14aを閉じ、次いで、洗浄子昇降手段5a〜5fと洗浄子揺動・振動手段17a〜17fとの連携によりマッサージ洗浄行程が開始して一定時間マッサージを行う。前記洗浄子は昇降手段5a〜5fの昇降動作が二歩上昇一歩下降を繰り返せば洗浄子7a〜7fは上昇し、二歩下降一歩上昇を繰り返せば洗浄子7a〜7fは下降する。この時、洗浄子揺動・振動手段17a〜17fを動作させれば心地よく首・肩部・胸・臀部及び脚部を前後から被ってマッサージ効果が得られると共に、洗浄することができる。
【0030】
上述のマッサージ洗浄行程では、制御装置22を任意にセットして行程の途中で温水シャワーリング行程と石鹸水シャワーリング行程とを適宜挿入することができ、それによって人体の隅々まで効率よく洗浄することができる。このようにすると皮膚の泡立ちが途切れることがないので、さらに心地よいマッサージ効果が得られることになる。
【0031】
次に、温水シャワーリング行程について説明する。上述のマッサージ洗浄行程が完了すると、皮膚に付着している石鹸水を洗い落とすために温水シャワーリング手段13のバルブ13aが開き、昇降手段5a〜5fにより洗浄子7a〜7fを昇降させながら、前記各洗浄子の噴出口26から人体に向かって温水を一定時間シャワーリングさせ、人体に付着した石鹸水をきれいに洗い落とすことができる。
【0032】
次に、温風シャワーリング行程について説明する。上述の温水シャワーリング行程が完了すると、皮膚に付着している水分を乾燥させるため温風シャワーリング手段15のバルブ15aが開き、昇降手段5a〜5fにより洗浄子7a〜7fを昇降させながら、該洗浄子から人体目掛けて温風を一定時間シャワーリングし、人体に付着した水分をきれいに乾燥することができる。
【0033】
本発明の他の実施形態について説明すると、人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する洗浄子7a〜7fは、体形に合わせて伸縮自在にフィットする体形フィット手段16a〜16fを備えている。体形フィット手段16a〜16fとは、洗浄子7a〜7fの一部又は全部がリニアガイド3a、3bの軸方向と直交する方向に伸縮し、人体にフィットさせる機能を有した装置をいう。本発明の実施例では、伸縮材として板状スプリングを使用した。
【0034】
また、人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する洗浄子7a〜7fが、横方向に揺動或いは振動しながら身体各部を洗浄する洗浄子揺動・振動手段17a〜17fを備えてある。この洗浄子揺動・振動手段17a〜17fは、リニアガイドベアリング4a〜4fに緊結された洗浄子取付金具6a〜6fと洗浄子7a〜7fとの間に配され、リニアガイド3a、3bと直角方向に揺動或いは振動させることができるようにしてある。
【0035】
また、人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する各洗浄子7a〜7fには圧力センサー12a〜12fがそれぞれ設けてあり、前記洗浄子で人体各部を洗浄するとき、前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を押し付ける力をそれぞれ個別且つ任意に制御する洗浄子押し付け圧力制御手段18a〜18fを備えてある。該洗浄子押し付け圧力制御手段は、リニアガイドベアリング4a〜4fに緊結された洗浄子取付金具6a〜6fと緊結した洗浄子揺動・振動手段17a〜17fと洗浄子7a〜7fとの間に配され、人体に前記洗浄子7a〜7fを押し付ける圧力を任意に制御することができるようにしてある。
【0036】
また、人体洗浄装置1から人体頭部が筐体2の外部にでるように、筐体2内には人体を昇降させる人体昇降手段5g、5hを備えてある。この身長の高低差対応方法について説明すると、身長の高低差を調節する前踏み台7gは支柱2aに緊結したリニアガイド3a上を走行自在なリニアガイドベアリング4gに緊結した踏み台取付金具6gに緊結されている(図10)。
【0037】
図3において、前記前踏み台7gにはボールねじナット11gが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10gが回転自在に挿入され、該ボールねじ10gはモーター9gと回転自在に緊結され、該モーター9gはモーター取付金具8gに緊結され、該モーター取付金具8gは支柱2aに緊結され、該モーター9gが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10gが正回転・反回転されて該ボールねじナット11gに緊結された踏み台7gは昇降する(図3)。
【0038】
身長の高低差を調節する踏み台は、人体後面にも設けてある。この後踏み台7hは支柱2bに緊結したリニアガイド3b上を走行自在なリニアガイドベアリング4hに緊結した踏み台取付金具6hに緊結される。さらに、前記後踏み台7hにはボールねじナット11hが緊結され、該ボールねじナットにボールねじ10hが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター9hの軸と回転自在に緊結され、該モーターはモーター取付金具8hに緊結されている。該モーター取付金具は支柱2bに緊結され、該モーターが正回転・反回転することによって前記ボールねじ10hを正回転・反回転させて前記ボールねじナット11hに緊結された該後踏み台7hは昇降する(図4)。この時、前後の踏み台7g、7hを昇降させるモーター9g、9h同士は同期運転させるので、前記踏み台7g、7hは隙間を生じることなく安全に昇降動することができる。
【0039】
立位の姿勢維持が困難な人体を、立位状態に維持できるように、脇の下又は股下の何れか一方又は両方に人体を支持する人体支持手段19を前記筐体2内に備えてある(図11)。人体支持手段19である略コ字型をした支持具iには、支柱2bに緊結した前記支持具7iに、支柱2bに緊結したリニアガイド3b上を走行自在なリニアガイドベアリング4iに緊結した前記支持具7iを緊結し、ボールねじナット11にボールねじ10iが回転自在に挿入され、該ボールねじはモーター取付金具8iに緊結されている。そして、該モーター取付金具は支柱2bに緊結され、モーター9iが正回転・反回転すると前記ボールねじナット11iに緊結した該支持具7iからなる人体支持手段19は昇降する(図4)。
【0040】
立位の姿勢維持が困難な人は、介助者の手助け等により人体洗浄装置1に入ると、介助者が手動操作により支持具昇降手段5iを昇降させ、前記支持具昇降手段5iに緊結してある前記支持具7iにより人体を支持し、人体の立位姿勢を安定維持することができる。
【0041】
また、人体洗浄装置1内部の人体と対向する位置に、人体を温めるための遠赤外線ヒーター等の人体温熱手段20a〜20dを備えてある。洗浄行程が完了すると、人体の積極的温熱のため人体温熱手段20a〜20dを起動し、人体を温熱することができる。本発明の実施例では、人体温熱手段20a〜20dに遠赤外線ヒーターを使用し、人体の深部まで温熱できるようにした。
【0042】
また、人体洗浄装置1の筐体2上部から人体頭部が出ている部分に、人体洗浄中の人が音楽や映像を楽しめるようオーディオビジュアル装置21を備える。本発明の実施例では、オーディオビジュアル装置に7インチ液晶テレビを設け、人体洗浄中の人がテレビを楽しめるようにした。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、単なる人体の洗浄のみならずリラクゼーション効果や体脂肪燃焼効果が期待でき、一般家庭は言うに及ばず、スパ、スポーツジム、フィットネス倶楽部、ホテル、リゾート施設、病院、老人ホーム、介護施設等々幅広い分野での活用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態を示す立面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−B断面図である。
【図4】図2のC−C断面図である。
【図5】図1のD−D断面図である。
【図6】図5に示した洗浄子の拡大説明図である。
【図7】図6のX−X拡大断面図である。
【図8】図1のE−E断面図である。
【図9】図1のF−F断面図である。
【図10】図1のG−G断面図である。
【図11】図1のH−H断面図である。
【図12】本発明の具体的態様を示す配管系統図である。
【符号の説明】
【0045】
1 人体洗浄装置
2 筐体
2a 支柱
2b 支柱
2c 筐体開閉手段
3a〜3d リニアガイド
4a〜4i リニアガイドベアリング
5a〜5f 洗浄子昇降手段
5g〜5h 踏み台昇降手段
5i 支持具取付手段
6a〜6h 洗浄子取付金具
6i 支持具取付金具
7a〜7f 洗浄子
7g〜7h 踏み台
7i 支持具
8a〜8g モーター取付金具
9a〜9i モーター
10a〜10i ボールねじ
11a〜11i ボールねじナット
12a〜12g 圧力センサー
13 温水シャワーリング手段
13a バルブ
14 石鹸水シャワーリング手段
14a バルブ
15 温水シャワーリング手段
15a バルブ
16a〜16f 体形フィット手段
17a〜17f 洗浄子揺動・振動手段
18a〜18f 洗浄子押し付け圧力制御手段
19 人体支持手段
20a〜20d 人体温熱手段
21 オーデイオビジュアル装置
22 制御装置
23 配管
25 流路
26 噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能で防水手段を備えた筐体(2)と、前記筐体(2)内部で立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部の前後に対向する位置にはそれぞれ個別に縦方向に昇降可能な昇降手段(5a〜5f)を備えた洗浄子取付金具(6a〜6f)と、前記洗浄子取付金具(6a〜6f)に前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を部位別にそれぞれ被うことが可能な複数の洗浄子(7a〜7f)と、前記洗浄子(7a〜7f)から温水、石鹸水、温風等をシャワーリングする温水・石鹸水・温風シャワーリング手段(13)(14)(15)と、前記各シャワーリング手段を制御する制御手段(22)とをそれぞれ備えた人体洗浄装置(1)において、
人体それぞれの部位を温水シャワーリング、石鹸水シャワーリング、マッサージ洗浄、温水シャワーリング及び温風シャワーリング行程を経て、全身を隅々まで洗浄することを特徴とする人体洗浄装置。
【請求項2】
前記筐体(2)内部には立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する半円状をした前記各洗浄子(7a〜7f)は、前記人体の体形に合わせて前側及び後側から伸縮自在にフィットする体形フィット手段(16a〜16f)を備えたことを特徴とする請求項1記載の人体洗浄装置。
【請求項3】
前記筐体(2)内部には立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する半円状をした前記各洗浄子(7a〜7f)が、横方向に揺動或いは振動しながら身体各部を洗浄する洗浄子揺動・振動手段(17a〜17f)を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の人体洗浄装置。
【請求項4】
前記筐体(2)内部には立位の人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部を縦方向に移動しながら洗浄する半円状をした前記各洗浄子(7a〜7f)に圧力センサー(12a〜12f)が設けてあり、前記各洗浄子で人体各部を洗浄するときに前記人体の首・肩部、胸・胴・臀部及び脚部に押し付ける力をそれぞれ個別且つ任意に制御する洗浄子押し付け力制御手段(18a〜18f)を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の人体洗浄装置。
【請求項5】
前記筐体(2)内部に人体の頭部が装置外にでるように昇降可能な踏み台昇降手段(5g)(5h)を備えたことを特徴とする請求項1記載の人体洗浄装置。
【請求項6】
前記筐体(2)内部には立位姿勢維持が困難な人体を立位状態に維持できるように、脇の下又は股下の何れか一方又は両方に人体を支持する人体支持手段(19)を備えたことを特徴とする請求項1記載の人体洗浄装置。
【請求項7】
前記筐体(2)内部の人体と対向する位置に、人体を温めるための遠赤外線ヒーター等の人体温熱手段(20a〜20d)を備えたことを特徴とする請求項1記載の人体洗浄装置。
【請求項8】
人体洗浄装置(1)の筐体(2)上部から人体の頭部が出ている部分に、人体洗浄中の人が音楽や映像を楽しめるようオーディオビジュアル装置(21)を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1記載の人体洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−155008(P2008−155008A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298852(P2007−298852)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(502071757)
【Fターム(参考)】