説明

人工サンゴ着床礁

【課題】海底着底前にサンゴ受精卵の多くを海中で人工的に早期に着床させる人工サンゴ着床礁を提供してサンゴ定着率の増加を計り、サンゴの生命維持環境をよくしようとする。
【解決手段】潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に、表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体、フエライト含有の焼成着磁多孔質セラミック体、バーキュライト含有の焼成多孔質セラミック体を配設し、また本体基部を構成する母材にバーキュライト及び又は電光石(トルマリン石)等を混合したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地球温暖化の原因と成る二酸化炭素を固定するサンゴの受精卵を海中浮遊中に着床させて、その定着率を向上させる一時的サンゴ滞留礁であり、成長後にサンゴ礁の種として海底に固定することができる移動可能な人工サンゴ着床礁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膨大な量の水を湛えた海は地球環境を保持するが、今地球を一つの生命体と考えると、海は「体液」であり地球生命体の全身をめぐり地球環境を正常に保持し修正し全身に酸素を運び老廃物を浄化し生命を維持していたが、我々ホモ・サピエンスが作り出した地球温暖化、オゾンホール、砂漠化、酸性雨、森林破壊等により限界に近づきつつある。
【0003】
27億年前海にシアノバクテリアが出現し、〔光合成〕にて高濃度の炭酸ガスを吸収し酸素を放出する事で現在の地球環境を作ったが、わずかここ100年で崩壊しようとしている。二酸化炭素の増大により二酸化炭素を溶解する海水の温度上昇が地球温暖化の最大原因と言え限界に近づいている。
海洋には炭酸カルシウムの殻を持った生物が多く存在しているが、区分としてサンゴ等のアラゴナイトと植物プランクトンを円石藻等のカルサイトの2種類の結晶型に別れる。アラゴナイトの方は大気中の二酸化炭素を固定する力が強い。しかし地球温暖化によりアラゴナイトの中でもサンゴが今白化現象により急激に減少しつつある等海が持つ生命力を衰退させている。我々は、少しでもこの進行を止めるべく努力しなければならない。
【0004】
通常サンゴの増殖は自然体であり一斉産卵のあとで受精した幼生が海の表層を漂い一定の時間(3〜4日後)を経過した後に海底に着底し、親サンゴとして生長するが定着率が1〜2%と非常に低い。
そこで海底着底前にサンゴ受精卵を海中で人工的に早期に着床させる人工サンゴ着床礁を使う事で定着率を増加させて、サンゴの生命維持環境をよくしようとする試みがある。
【非特許文献1】生物の雑学辞典・・日本実業出版社大宮信之 著)
【非特許文献2】サンゴ礁の生き物・・(株)山と渓谷社(奥谷喬司)
【非特許文献3】生命は熱水から始まった・・東京科学同人(大島康郎 著)
【非特許文献4】サンゴとマングローブ・・岩波書房(芽値創 著)
【非特許文献5】珊瑚・・財団法人 法政大学出版局(鈴木克美 著)
【非特許文献6】サンゴ礁・・(株)平凡社(西平宗孝 著)
【非特許文献7】海の環境100の危機・・東京書籍(東京大学海洋研究所DOBIS編集委員会編)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、年に一回のサンゴの放卵、受精後の受精卵を海中で人工サンゴ着床礁に半強制的に着床させることで、サンゴの定着率の向上を図り、かつ海水の温度上昇の際は、表層を避けて最適温度が安定的に維持される深さ位置に人工サンゴ着床礁を浮遊設定して(但し20m以内の上下層)サンゴの白化現象を防ぎかつ、魚(ブダイ等)の食害を防ぎ最大の天敵のオニヒトデより守り、しかもサンゴ体内の褐虫藻による光合成を守る人工サンゴ着床礁を提供するものである。
またサンゴが人工サンゴ着床礁に着床した後、海底においてサンゴ礁として耐えられると判断した時、自由に海底に移動し岩盤等にボルト固定してミニサンゴ礁としたり、比較的波静かなる海に魚礁として10個〜30個を沈めたりして海底界の環境形成に役立てようとするものである。これにより海水中に溶解している二酸化炭素のより多くをサンゴによる炭酸カルシウムとして固定することで減少させることで地球温暖化の大きな手助けをしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの課題を全て満足させる人工サンゴ着床礁を提供するものでありその特徴とする技術条件は、以下の(1)〜(15)に列記する。
(1)、潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
(2)、潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体と、フエライト(FeO4)を2〜5%含有しかつ着磁した焼成磁性多孔質セラミック体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
(3)、潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体と、セラミックス(Al)を主成分としバーキュライトを20%以下、木材鋸クズ又は黒鉛を0.5%〜1%、フエライト(FeO4)を2〜5%含有の焼成多孔質セラミックス体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
(4)、前記ウェーブ型の変流突起は、前上面部に潮流を傾斜上昇流に変流する傾斜面を形成し、この傾斜面に連続して形成され前記傾斜上昇流を急激に下降流に巻込変流する巻込陥没カーブ面を有するものとし、これを基部上部の前部から後方に亘って複数段設置し、サンゴ着床用セグメントは、円筒形にしたことを特徴とする前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(5)、きのこ型の変流突起の巻込カーブ面下に表面を露出するサンゴ着床用セグメントは、円型又は角型ブロックとしたことを特徴とする前記(1)から(3) のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(6)、円筒形にした前記複数の焼成多孔質セラミック体に交互に鉄シャフトとMgシャフトを中空内に挿入配置し鉄シャフトは本体基部の側部に設けた電極鉄体で支持連結しMgシャフトは本体基部の側部に設けたMg合金体で支持連結したことを特徴とする前記(1)から(3) のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(7)、前記複数のきのこ型の変流突起を鉄製とMg製にして交互に配置したことを特徴とする前記(1)から(3)及び(5)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(8)、本体基部の上方面(例えば上・左右・前後の5面)を覆うネットカバーを配設したことを特徴とする前記(1)から(7)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(9)、本体基部の下方に魚網ネットを配設したことを特徴とする前記(1)から(8)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(10)、本体基部にフロートを設けたことを特徴とする前記(1)から(9)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(11)、本体基部のフロートの重りとして溶解亜鉛鍍金中にできる鉄亜鉛を使用したことを特徴とする前記(1)から(10)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(12)、本体基部の側面に潜航体設けたことを特徴とする前記(1)から(11)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(13)、本体基部の底部後方に中央又は両側に潮流に向かって向流配置した方向舵を設けたことを特徴とする前記(1)から(12)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(14)、炭酸カルシウム(CaCO)とルチール(TiO)を入れた鉄粉溶射ワイヤーを用いて本体基部に溶射したことを特徴とする前記(1)から(13)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(15)、本体基部の下部に海底設置用の位置決めアンカーを設けたことを特徴とする前記(1)から(14)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
(16)、前記本体基部を構成する母材にバーキュライト及び又は電光石(トルマリン石)等を混合したことを特徴とする前記(1)から(15)のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【発明の効果】
【0007】
すなわち本発明の人工サンゴ着床礁は、海水中の二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定するサンゴを着床し増殖し守ることで地球環境改善に寄与するものであり、後に海底設置により魚礁としても利用できるミニサンゴ礁の元にすることができるもので、上記構成による作用効果は次の通りである。
<発明者の基本コンセプト>
次第に悪化する地球環境は我々ホモサピエンスの利益迫究の代償である。ここ100年間で平均気温が0.6℃上昇している。人間の活動によって大気中の二酸化炭素が増大し温室効果による地球全体の温度上昇は止められない所に来ている。地球温暖化は、降雨の変化、台風の強大化、潮流の変化、北極南極の氷の溶解による「海面の上昇」の起因となっている。この状態で人類が生活すると2100年には海面は86cm上昇する。食料生産の農地が消える。人類の繁栄も止まるだろうが、今から残された人類にその後始末が回る事は許されない。COによる温室効果を防ぐ為の海水中CO低減用の人工サンゴ着床礁はその一里塚であるが、未来に引き継ぐ事業として地球温暖化にブレーキをしたい。
本発明の人工サンゴ着床礁は、サンゴ受精卵を半強制的に着床させたらサンゴが充分に育つ迄に海面下5m〜20mの温度安定域に自由に沈降浮遊させることによって、夏場のエルニーニョ現象による海水表層の温暖化によるサンゴの白化現象を喰い止め、成長中のサンゴを守り又人工サンゴ着床礁の5面体ネットでブダイ等の食害、オニヒトデ等の食害からも守るものである。この人工サンゴ着床礁がミニサンゴ礁として根付いたらネットを除去し10〜30個と組合すことで海底岩盤にアンカーをボルトで固定して漁礁ともなる海底サンゴ礁にすることができる。
サンゴ着床の根元となる焼成多孔質セラミックス体は、円筒形あるいは角型ブロックにしその表面の20〜30%に0.5m/m〜1m/mの穴を多数形成して表面積を増加させた多孔質であり、サンゴ受精卵の着床率を向上させるものである。又、セラミックス材料にフエライト(Fe)を含め焼成後に着磁をした焼成磁性多孔質セラミック体を配置することにより30〜50ガウスの弱磁場体を形成し、これが地磁に添ってN→Sの極性を発生させて、この磁場に添って海水中の溶解した鉄イオン、フタロシアニン鉄(C3216Fe)、フタロシアニン亜鉛(C32168Zn)などの各種金属イオンを引き付けミネラルとして析出させて植物プランクトンの富栄養ミネラルとし、この植物プランクトンが着床サンゴのポリプが食べる動物プランクトンを育てるなどの効果を生ましめるものである。
海水中に100%サンゴが育つ環境は、全地球の淡水の0.4%の降雨が流れ込む陸地付近である。降雨が森や林に積もった落葉中を通過する際、フタロシアニン鉄(C3216Fe)、フタロシアニン亜鉛(C32168Zn)と成って海水中に流れ込み、植物プランクトンの栄養と成っている為である。太平洋等の熱帯の海はその為栄養不足である。だがサンゴ礁はある。これはサンゴ礁には炭酸ガスを固定するシアノバクテリヤが固着するからである。サンゴ礁全体がこの微生物パワーをもらって生きている。畑の豆科植物が窒素固定の根粒菌と共存共生する方式と同じである。
サンゴ着床率を向上させる為には全地球の淡水の0.4%の降雨に我々全人類は助けられていると言う事である。
「森林破壊」はこの大切な植物プランクトンの元も切ろうとしている。残った地面の「砂漠化」とサンゴ礁は次第に消える運命にある。全地球の淡水の0.4%の降雨さえ汚している人類に未来はあるのだろうか、我々は未来に人類を残す為にも海を守る義務がある。
かって27億年前の地球にシアノバクテリヤが大繁栄しCO2ガスを固定し酸素を放出する事で地球は守れ発展し現在に至るが、これ等バクテリアが作り出した石油を人類が放漫に使う事で地球温暖化を作り出している。もう地球を救うのはバクテリヤではない。我々一人一人の人類の心掛けと知恵である。人工サンゴ着床礁は小さい一歩であるが自然環境の回復力の一つと考えたい。
火星等の惑星は海が消失し死界になったが、45億年の地球環境の歴史を見ると海が存在し続け生物が発生したからこそ地球を救い守り現存させている。
海は今から40億年前に作られて、27億年前に突然シアノバクテリヤが大発生し、大気中の酸素を作った。この酸素がオゾン層を作り、次に生まれ出る生物を紫外線から守り、海水中では植物プランクトンの「光合成」を助け、大気中にあまるほどあるCO2ガスと光エネルギーで有機物とし老廃物の酸素を大気中に排出した。生命体はこの酸素を呼吸して生命維持活動が可能となった。あまった酸素は各種の鉱物を酸化させて、今の大気中の安定した酸素配合比と成った。地球自体は我々人類が環境を改悪変化させなければ後20億年は持つものであるが、ここ100年で急激に悪化している。
人工サンゴ着床礁は、一里塚であるが地球を守りたい発想より生まれたものである。
造礁サンゴはポリプと呼ばれるイソグンチャクのような、集合体であり、これ等が群体して枝状、テーブル状、球状、ドーム上と様々の集合体を形成したものである。
サンゴ群体の骨格は炭酸カルシウム(CaCO3)で成長すると常にポリプの下側は鉱物と成った炭酸カルシウムの積層で海面に向けて成長する。サンゴの細胞はなくなっても鉱物と成った骨格は残る。大気中のCO2ガスをこのように安定して固形化する。サンゴの縞を数えればサンゴの年齢を推測する事が可能であり、サンゴ群体にもよるが何十歳〜何百歳と言うサンゴ礁もある。環境が守れると長寿命であると言う事の証明でもある。
白化現象にて失われたサンゴ礁に代わるサンゴ礁を人工的に造り守る本発明の人工サンゴ着床礁は、海中を移動が可能で、かつ沈降が自由に出来る。更に黒潮に添って人工礁の種として、日本の最南端の沖ノ島から北は千葉県迄にサンゴ礁を作る事は可能である。日本は周囲が海の為実行可能となれば京都議定書で決まったCO2削減案として人工サンゴ着床礁は有利に活用できる。
今世界のサンゴ礁が危機にさらされている。海水のエルニーニョ等による高水温によるサンゴ礁の白化現象、オニヒトデの大繁殖、レジャーダイビング等の際のボート等のアンカー損傷、過剰漁業、生活排水による富栄養塩温暖化による海水上昇、農地より流れ出る赤土地等によりサンゴは破壊的ダメージを受けつつある。
一方、日本のさとうきび畑による赤土地の流失は農民が魚介類を死滅させ漁民を苦しめている。赤土地の流失を農民は抑え田畑の「畦」に流失を防ぐ多根草の植付け等と守る一歩は知ってても、利益につながらない為守られない。全地球号を守る一歩として国が法で規制することが肝要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
1.人工サンゴ着床礁の本体基部の母材
人工サンゴ着床礁の本体基部は、プラスチック、合成樹脂(ウレタンゴム等)、天然樹脂等の石油製品で押し出し成形したものが安価で堅牢で比重が小さく取り扱い上好ましい。またこの母材には例えばバーキュライト及び又は電光石(トルマリン石)を混合して実施例2に詳述の作用効果を得ることが出来る。
【0009】
2.きのこ型又はウェーブ型の変流突起は、潮流を下降流に巻込変流してこの巻込変流をサンゴ着床用セグメントの表面に接触させ、巻込変流中のサンゴ受精卵をサンゴ着床用セグメントに効率よく着床させるものである。
そこできのこ型変流突起は、向流の潮流を前部下面では直接下降流に巻込変流させる。一方、前部上面で一旦斜め上昇流にした後に後部上面で斜め下降流にし、これを後部面下面側に巻込変流させるのである。
またウェーブ型の変流突起は、上面部に潮流を傾斜上昇流に変流する傾斜面を形成し、この傾斜面に連続して形成され前記傾斜上昇流を急激に下降流に巻込変流する巻込陥没カーブ面を有する。このウェーブ型の変流突起は本体基部上部の前部から後方に亘って複数段設置する。
即ち前記ウェーブ型の変流突起は、前記サンゴ着床用セグメントの表面にサンゴ受精卵を着床させるため傾斜面からの傾斜上昇流を急激な下降巻き込み波にし、その押し付ける力がサンゴ着床用セグメントの表面に働くように巻込陥没カーブ面を持っている。(飛行機の羽の揚力の迷のカーブ)
つまりウェーブの傾斜面から巻込陥没カーブ面に添って流れた受精卵は常に安定した押し付け渦巻き流にてサンゴ着床用セグメントの表面におしつけられて受精卵は高確率で着床するのである。
【0010】
3.サンゴ着床用セグメントを焼成多孔質セラミック体で構成する意義。
焼成多孔質セラミックス体は、一般公知のセラミック材料を多孔質に焼成して表面の凹凸部に受精卵を高確率で着床させると共に着床プラヌマ幼生として成長した際も多孔部での海水流通により安定した酸素供給機能を維持するもので、これによりサンゴの酸欠死亡率がなくサンゴの中の掲虫藻の光合成にて出来る6CO2+12H2O+光→C6H1206(ブドウ糖)+6H2O+6O2のブドウ糖等をサンゴに供給する。サンゴは動物プランクトン等も食べるため余剰栄養はサンゴ表面に多糖の液体状で吐き出す。これ等はサンゴ海老、サンゴカニ、スズメタイ類が食べ、食べ物連鎖の元となり、次第に大きなサンゴ礁と成り完全なる魚礁ともなる。
【0011】
4.サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体を用いる他に一般公知のセラミック材料にフエライト(FeO4)を2〜5%含有しかつ着磁した焼成磁性多孔質セラミック体を配設する意義。
多孔質セラミックス中にフエライト(Fe)2〜5%混合し焼成後に着磁する事で、地軸に添ってN→Sの極性と成り30〜50ガウスの自然体の2倍程度の人工磁場体を作る。この人工磁場体のイオン化電位差を利用して、海水中に溶け出した鉄イオン、亜鉛イオン地面より流れ出したフタロシアン鉄等を他の海水中よりリッチにして幼生サンゴが次第に大きくなる約一年間、植物プランクトンを繁茂増殖させ、これが動物プランクトンを繁茂させる食物連鎖を強くしサンゴの成長を早める。
又、着磁フエライト(Fe)による30〜50ガウス微弱磁石は、人工サンゴ着床礁に鉄粉を溶射した場合、この鉄粉から海水中に溶けた鉄イオンを磁力線に添って比較的長期にとどめる為、植物プランクトンの栄養塩と成る。
【0012】
5.セラミックス(Al2O3)を主成分としバーキュライトを20%以下、木材鋸クズ又は黒鉛を0.5%〜1%、フエライト(Fe2O4)を2〜5%含有の焼成多孔質セラミックス体を配設する意義。
この焼成多孔質セラミックス体の主成分は、Al2O3であり、これに次の1例、2例のバーキュライトを20W%以下と、ノコクズ粉又は 0.5W%〜1W%の黒鉛粒を3W%〜5W%と、フエライト(Fe2O4)2〜5W%を含有させたものである。
<1例>
3八面体型バーキュライト:(MgFe+2Al)3(AlSi)4 O10(OH)2・4H2O)
<2例>
(2八面体バーキュライト:(MgFe+2Al)2(AlSi4・O10・4H2O)
焼成多孔質セラミックス体中のバーキュライトは、PH7.0と中性で高温処理の為無菌である。その為海水中の光エネルギーを必要とするシアノバクテリヤの宿とするのである。
【0013】
6.前記サンゴ着床用セグメントの複数の焼成多孔質セラミックス体と焼成磁性多孔質セラミック体を円筒形にしその交互に丸棒等の電極鉄シャフトと電極Mgシャフトを中空内に挿入配置し鉄シャフトは本体基部の側部に設けた電極鉄体で支持連結しMgシャフトは本体基部の側部に設けた電極Mg合金体で支持連結する意義。
すでに発明者らが先に出願した特願2005-267972に紹介したように、海水中の塩分中の塩素と化合させる為には微小であるが電気が必要である。
その為、MgシャフトとFeシャフトの両者の電位差にてイオン電池の原理にて1A〜2.5Aの電流を生み出し、
8HCl+4Fe+O↑→4FeCl・4H2O
塩化第二鉄・四水和物と言う鉄イオンが人工サンゴ着床礁の両端電極より発生する。又人工サンゴ着床礁の側部に配列した電極鉄体と電極Mg合金体よりも電位差により0.5A〜1Aの極微小電力が生まれる。これで多孔質セラミックス体から金属イオン溶解しサンゴに鉄イオンを連続供給することができる。
海水中は電気を引くこと出来ず次第に溶解する電極Mg合金体と電極鉄体Feは金属イオンとして人工サンゴ着床礁より出て行き減肉し、やがてなくなる。その為多孔質セラミックス中にFeのフエライトを磁化させて微小であるが磁力線が発生し微電流が発生する。
人工サンゴ着床礁の周りの鉄イオンが100%なくなるには19mm厚の鉄体を使えば30年近く残る。その間サンゴはサンゴ礁として大きく育ち鉄イオン不足の心配はない。このように2重の安全電流発生装置を持った人工サンゴ着床礁である。
イオン電池による陽極周囲の生物の影響は一種の電気防食でありPhが上昇する。特にMg合金側はアルカリ反応でMg合金は5%以下のCaが入っているので次の作用が起こる。
Mg+2e +2(OH)→Mg(OH)+2e
Ca+2e +(HCO3)− + (OH) →CaCO3+H2O
↑H(イオン電池作用にて発生する)
これでステンレス体の潜航体及び方向舵の電解防食を防止するが、水酸化マグネシウム(Mg(OH))や炭酸カルシウム(CaCO3)や海水中の栄養塩類が防食電流と一緒に濃度が増し、 陽極(+)のMg側 陰極(−)Fe側にはそれぞれ適した植物プランクトンが集まる為、動物プランクトン浮遊し集まる為 人工サンゴ着床礁はサンゴ幼生に必要とする動物プランクトンの自然食物連鎖付きゆり籠と成っている。
【0014】
7.本体基部の上方面と両側左右前後面を覆うネットカバーを配設する意義。
ネットカバーは、人工サンゴ着床礁に着床した受精卵及び幼生からサンゴ柱として成長する間は、サンゴ食漁やオニヒトデから守る。5月〜8月は海藻類や植物性海洋生物の附着が多くなるので、この除去に高瀬貝等をネット内に入れる。また動物性海洋生物も増えるがこれに対してはウマズラハギ2〜3匹を途中よりネット内入れる必要がある。
つまり、この両者が共生してネットに附着するとネット上面より人口サンゴ着礁に一番大切な日光は入り難くなるので、サンゴの成長に合わせて高瀬貝やウマズラハギ、幼魚のイシガキダイをネット内に放流して除去し褐虫藻の光合成に必要な日光をいれる。これでサンゴは、日光を十分に取り入れ、幼生サンゴが育った途中における褐虫藻の作り出す栄養の90%近くを吸収するとともに動物プランクトンを食べる。一方過剰栄養源を粘着性のある物質(タンパク質、多糖類脂質当を含む)として表面に排出して魚類の他に植物性・動物性海洋生物を誘引するが、ネット内に植物性海洋生物を食べる高瀬貝、動物性海洋生物を食べるウマズラハギとを混生させて海洋生物による汚れを防止し且つイットウダイ科アメマッカサ、ハタ科スジアラ等のサンゴ食魚から守る。
【0015】
<参考>
植物性海洋生物とは、アサオ類、マクサ類、オバクサ、エツキイワノカワ、カサシグサ類、イギス類、ベニモズク、イバラノリ、ミル類等を言う。
動物性海洋生物とは、ダイダイイシカイメン、フサコケムシ、フジツボ、ムラサキ貝、カキ、シロホヤ、ベニヒモイソギンチャク、イソゴカイ、ナガレカンザシ等を言う。
最悪日光が入らなくなるくらい海洋栄養が良い場合はネットを支える主柱を純銅とする事でネットの5面体に銅イオンを流し幼生や海洋の胞子附着を防止する。
この純銅柱による銅イオンはサンゴ幼生に悪い為、100%サンゴとして育った後に施行する。
【0016】
8.本体基部の下方にネットを配設する意義。
ネットを張る事で比較的光を嫌うサンゴ藻の附着を助ける。
【0017】
9.本体基部にフロートを設ける意義。
夏場の海水表層温度上昇は、サンゴの白化現象を進めるが、これを防止するため人工サンゴ着床礁は、フロートを設けて海水表層より深いところに移動浮遊することを可能にする。
フロート用の重りとしてミネラル補給のため亜鉛鍍金釜の底部に発生した亜鉛鉄を使うことが好ましい。人工サンゴ着床礁としては5kg以下がよい。フロートは、例えば発泡スチロールを薄いゴム布で被覆したものでよい。フロート用重りは、例えば人工サンゴ着床礁の4隅等のボルト固定穴を通して取り付ければよい。
人工サンゴ着床礁は受精卵着床後は比較的簡単に移動ができるように、港より5km以内にアンカーフロートに継ぎ育てる。
【0018】
10.本体基部のフロートの重りとしてミネラル補給を兼ねて溶解亜鉛鍍金中にできる鉄亜鉛を使用する意義。
鉄亜鉛は海中にて、前記フタロシアニン鉄(C3216Fe)フタロシアニン亜鉛(C32168Zn)を溶出しサンゴに必要な植物プランクトンに栄養を与える。
【0019】
11.本体基部の側面等に潜航体を設ける意義。
成長したサンゴ礁と成っても100%安定するまでには数年を要する為夏場の前記エルニーニョ現象はサンゴの白化現象の原因と成っている。
黒潮の温暖化による白化現象は表面5m以内のサンゴに集中している為、一時的であるが光合成の出来る5mから20m以内の海面下に人工サンゴ着床礁を沈降し係留浮遊する事で、成長中のサンゴを守る事が必要である。
人工サンゴ着床礁の前方に引き綱を海底のメインアンカーや碇などにつなぐ事で潮の満潮干潮の強さと流れにより先下がりの潜航体は、自然潮流の強さにより海面下5〜20m範囲を上下に揺動して光の強さと潮流温度の変化を人工サンゴ着床礁に与えて強いサンゴに育てる新鮮なる環境を常に与えるのである。
前記上下揺動は潮流中のゴミ等の附着に対する清掃効果も得られる。
【0020】
<参考>
サンゴの白化現象が世界中の海で発生している。最大の原因は海水表層の温度の上昇化であるが、35℃±2℃と成るとサンゴは体内に取り込んでいる褐虫藻をはき出すから、褐虫藻が作る多糖を受け取ることが出来なく自分で取る動物プランクトンだけでは栄養不足に成る為である。
サンゴの体内にいる時は褐虫藻は球体0.01m/m程度の微小な丈で単細胞の藻であるが、これがサンゴの体内1cm につき数百万個共生している、サンゴの体内にいるときは鞭毛藻でありながら球上と成って多量にすんでいる物が対外に出ると鞭毛生して遊泳を始める。その為逃げた褐虫藻はサンゴの体内には入れなく成る。共生藻の時は光を利用して炭酸同化作用により有機物を作った褐虫藻の90%をサンゴが受け取っていた為、急激に体力が低下し白化サンゴと成る。サンゴの老廃物である窒素やリンは褐虫藻が光合成の為に必要とする為褐虫藻もサンゴの体内にいるかぎり衣食住つきである。温度上昇と成るとサンゴが褐虫藻を吐き出す理由は、明解でないが赤潮は鞭毛藻の異状発生によるが、海水の窒素、リンの増加による豊養化、温度上昇により植物プランクトンの異状発生は、溶解ミネラルを異常消化しその不足により動物プランクトンが死滅して窒素、リンが発生し、この窒素、リンを求めてサンゴの中に住んでいる褐虫藻が活発化し体内増加原因でサンゴがはき出すと言われている。
【0021】
12.本体基部の底部後方に中央又は両側に潮流に向かって方向舵を向流配置する意義。
自然界ではサンゴ礁は大潮の際は海中で干潮の時は上部表面が海面より露出している。人工サンゴ着床礁としても自然に近い状態を保持させたい。
そこで人工サンゴ着床礁の中央に一本又は2本の方向舵を着装させる。この方向舵は、潜航体の上下揺動との作用で海中の中層の5m〜15m領域に位置させた人工サンゴ着床礁を常に潮流に対して平行に且つ向流させ前記ウエーブの作用を確保するものである。
いずれも製缶品(SUS304,1mm厚の薄体製缶品)の為 簡易的にボルト止めで取り付け取り外しを簡単にし、サンゴ礁として海底にアンカーボルトで着床固定する場合は、取り外して次の人工サンゴ着床礁に取り付ける事が可能である。
また人工サンゴ着床礁が潮流に添って左右前後とふらついたのでは、数多く連接装着した場合は人工サンゴ着床礁や付属品同士の衝突によりそれらの破壊につながる。前記方向舵はこれらの破壊を確実に防止し長期寿命効果を生ましめる。
人工サンゴ着床礁の底面に他の生物、カキ、ムラサキ貝、藤壺等の幼生は4月〜6月に産卵する。そこで方向舵を純銅版で作る事で銅イオンを出し、裏面へのゾンネ(幼生)付着を防止することが可能である。今後実験が必要であるがサンゴには影響がないと思われる。
【0022】
13.本体基部全体表面や鉄体などに、鉄粉と炭酸カルシウム(CaCO3)とルチール(TiO2)を入れた溶射ワイヤーを溶射する意義。
人工サンゴ着床礁全体を鉄粉をアーク溶射するアーク溶射ワイヤー中に炭酸カルシウム(CaCO3)とアーク安定剤としてルチール(TiO2)を入れる事で 鉄粉+CaCO3+TiO2を強制附着をする。これで自然魚礁中に鉄イオン、炭酸イオンが溶け出す事で植物プランクトンの栄養塩を人工的にサンゴ幼生中に補給する事で成長を早くさせて安定したサンゴを育てるものである。
人工サンゴ着床礁は溶射としてはあえてアーク溶射とした。
+と−のワイヤーを一ヶ所でスパークさせて、後から高圧の空気10kg/cmで、人工サンゴ着床礁に吹き付けることで0.2〜0.5mmと比較的荒い鉄粉および 酸化鉄(Fe2O3)と脱酸剤として入っているCaCO3の粒子とアーク安定剤とに入っているルチール(TiO2)の0.5±0.1m/mの粒子が10kg/cmα圧力で人工サンゴ着床礁のプラスチックに運動エネルギーを持って当てると当たった瞬間熱エネルギーを放出する。これで本体基部の構成材例えば成型プラスチックの中に溶解し喰い込み、サンゴが必要とするCaCO3はカルシウムイオンと植物プランクトンが必要とする鉄イオンも常に人工サンゴ着床礁に存在し、サンゴに成長ミネラルとして補給することができる。
また本体基部に溶射された鉄粉は海中でイオン化電位差で微細電流を発生させると溶出鉄イオンが8HCl+4Fe+O↑→4FeCl2・4H2Oの反応で塩化第二鉄となり植物プランクトンの富養塩として供給する。発生する酸素は人工サンゴ着床礁に住み着いたシアノバクテリヤの炭酸同化作用の排気ガスである。
【0023】
以下に詳述する本発明の各実施例は次の海洋思想に基づいて詳細に説明する。
造礁サンゴの「産卵」は満月の後の1週間に集中して起こる種類が多く、一日の内でも日没後の大潮の最大干渉時に、いいかえると海面が最も低く成った時に産卵、放精すればいち早く水面に達する為、無駄な拡散が押さえられ受精率の向上につながり、次の満潮にて受精卵が魚に食べられる事も少なくなる為である。サンゴの卵と精子が放出してから数十分以内でなければ受精卵とならないため、本例人工サンゴ着床礁もこの時海面下1m〜5m以内に多量に設置する事でサンゴの受精卵の着床率を向上させる必要がある。その為プラスチック成形機では最大で1m以内とし、運搬が自由に、取り扱いが自由に出来る大きさとした。
また本例人工サンゴ着床礁は浮力にて海面下1m〜5mので上下保持できるフロートが有り、潮流に乗った受精卵が前記きのこ型又はウェーブ型の変流突起の下降巻込変流作用により反力となる押さ力で、サンゴ着床用セグメントの多孔質セラミックス体の粗い多孔質表面に軽く押さえつけられて着卵する。着卵後はプラヌマ幼生に変化し着床したポリプは分裂し芽を出す。これが幼いサンゴの始まりである。受精卵が着床後の人工サンゴ着床礁は、潜行体にて海面下5m〜20mの海水温度が比較的に安定した海中内に潜行させここで潜行体とフロートにより上下に揺動しながら浮遊保持する。
サンゴ着床用セグメントの多孔質セラミックス体は粗い多孔質表面としているから、海水中の酸素も入りやすくフエライト(Fe2O4)を含有させ着磁させれば地軸の磁力線に添ってなじんで行き、波の流れ(黒潮)に添って人工サンゴ着床礁が所定深さで浮いているので、ここでは海水中の金属イオンが他より濃くなり植物プランクトンが多くなり、それを食べる動物プランクトンが増加し、更にそれを食べるサンゴのポリプが早く成長しやすくなる。
人工サンゴ着床礁の表面に鉄粉を溶射しておけば鉄イオンとして溶け出し、植物プランクトンの基礎生産が活発化して安定した動物プランクトンの確保が可能となり、着床サンゴの安全で衣食住が保障されたゆりかごとなる。
【実施例1】
【0024】
実施例1は、潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するウェーブ型の変流突起を基部上部の前部から後方に亘って複数段設置し、上記複数のウェーブ型の変流突起からの巻込変流部各々に円筒形のサンゴ着床用セグメントを設置した人工サンゴ着床礁の例である。
以下図面と共に本実施例1を説明する。
図1は人工サンゴ着床礁の平面図、図2は図1の矢視A−Aからの側面図、図3は図1の矢視B−Bからの側断面図、図4は図1の矢視C−Cからの側断面図、図5は図1の矢視D−Dからの側断面図である。
又図6は図1の矢視E−Eからの横断面図、図7は図1の矢視F−Fからの横断面図、図8は本例の人工サンゴ着床礁により海水表層でキャッチしたサンゴ幼生を、海中5〜20mの深さで育成するため複数の人工サンゴ着床礁を係留浮遊配置した状態を示す説明図である。図9は、多数の人工サンゴ着床礁を筏式に連結し海上に係留浮遊させた例を示し、図10はその平面説明図である。図11は本例の人工サンゴ着床礁のウェーブ型の変流突起(以下単にウエーブと称する)700部の側断面概略図でウエーブ700部での潮流の流れ変化を模式的に示す説明図である。
【0025】
図1〜図7に示す人工サンゴ着床礁100は、潮流1を向流とする本体基部200と、下部には後に海底に固定するアンカー300と、アンカー300のボルト主柱で支持したサンゴ藻ネット400と、上方面(例えば上・左右・前後の5面)を覆うネットカバー500とを配設してある。
本体基部200は、全体を平面四方形とし、上部に幅方向に延在しかつサンゴ着床用セグメント800を埋設したウエーブ700を前部から後方に亘って複数段を成型配置し、ウエーブ700には下部は補強竪リブ201を碁盤状に設け他は空洞に成型したもので、前方に引き綱202を装着しこれを海底のメインアンカー又は図8に示すように碇600に連結してある。全体の表裏面は、鉄粉と炭酸カルシウム(CaCO)とルチール(TiO)を入れたワイヤーを溶射被覆してある。前記補強竪リブ201間の空洞部には適宜な位置にフロートを嵌め込み配置してもよい。
【0026】
本体基部200には、前後にフロート203を配置し、両側部に潜航体204を配置し、後方下部の両側に方向舵205を一対潮流に向かって向流配置し、アンカー104には溶解亜鉛鍍金中にできる鉄亜鉛製の重錘206を具備してある。
【0027】
ウエーブ700は、図11に概略示すように、前上面部に潮流Tを傾斜上昇流T1に変流する傾斜面701を形成し、この傾斜面701に連続して形成され前記傾斜上昇流T1を急激に下降させ巻込流T2にする巻込陥没カーブ面702を有する。
巻込陥没カーブ面702は、傾斜面701からの受精卵を含む傾斜上昇流T1を
ここで減圧下降させて巻込流T2にし、これをサンゴ着床用セグメント800の表面に押し付けるため巻込流T2に含む受精卵をサンゴ着床用セグメント800の表面に強く押し付け密着着床させる。
【0028】
ウエーブ700の傾斜面には下部に貫通する波の増波力逃がし兼太陽光入れ穴703を設ける。
太陽光入れ穴703は下方に配設したサンゴ藻ネット400へ太陽光を届けサンゴ藻の繁殖を促す。一般の海草が附着してサンゴ柱内の褐中藻の光合成を害する事のないように穴703からの光に絞り暗くする。
【0029】
サンゴ着床用セグメント800は、円筒形の焼成多孔質セラミック体801とフエライト(FeO4)を2〜5%含有しかつ30〜50ガウス着磁した焼成着磁多孔質セラミック体802を交互に配置する。
また、焼成多孔質セラミック体801及び又は焼成着磁多孔質セラミック体802をセラミックス(Al)を主成分としバーキュライトを20%以下、木材鋸クズ又は黒鉛を0.5%〜1%、フエライト(Fe4)を2〜5%含有の焼成多孔質セラミックス体を入れ替えてもよい。
これら焼成多孔質セラミック体801、焼成着磁多孔質セラミック体802により構成するサンゴ着床用セグメント800は中空内に交互に鉄シャフト804とMgシャフト803(直径25〜26mm)を挿入配置し、鉄シャフト804は本体基部200の側部に設けた電極鉄体806(19mm厚×130mm幅×700mm長)で支持連結しMgシャフト803は本体基部200の側部に設けた電極Mg合金体805(Ca5%以下含有した鋳物)(出願2005-267972)サンゴに必要なカルシウムイオン出す)で支持連結してある。
電極Mg合金体805は、溶解の際、酸化マグネシウムと成る事を防ぎ且つサンゴが成長する際にサンゴの体主成分である炭酸カルシウム生成(Ca+CO+光→CaCO+↑0(着床周囲にいるシアノバクテリヤが出す酸素))に必要なCaを海水中に溶出する。これはサンゴ幼生が着床しても簡単に作りだせる。
海水中にはK、Ca、Na、Mgは多く含まれているが電極鉄体806と電極Mg合金体805とにより電流が流れるとサンゴが必要とするCaを常に一定量放出しその成長が早い。
【0030】
807はMgシャフト803と電極Mg合金体805及び鉄シャフト804と電極鉄体806を止める円盤で12mm直径×30mm長のSUS304皿ボルトにて止められている。808はMCナイロンなどの通電防止用の絶縁樹脂である。
【0031】
図7において、電極鉄体806と電極Mg合金体805との間の隙間Xを狭くすると最大5Aの電流が流れるが、1A〜2.5Aの微電流が流れ塩化第二鉄イオンを作る隙間Xに調整する。X部の横断面がイオン化電池の最大の欠点は電極Mg合金体805側に発生する水素が全面に表面張力で張りつくと、まったく発電しない事である。幸いにして海の中は潮流と言う流れがあり、対流の温度差もあるので電極Mg合金体805体の両端は半球形として発生する水素泡が逃げやすいようにする事が大事である。X1=X2としないと一定電流は発生しない為潮流方向に電極鉄体806と電極Mg合金体805を平行に並べることが肝要である。
図1、図3、図5のYは距離間がある為0.01A程度である。Zは焼成着磁多孔質セラミックス体802が永久磁石の為、波が動く事で発電しこの間200±の間で0.005A程度の超微流電流が流れる。
【0032】
フロート203は、浮力用発泡スチロール製で、ロープ穴に通したロープで結束固定され、イカリとにより、人工サンゴ着床礁を海水表層より深い海中5m〜20mの水温が安定したところに移動させる。
【0033】
潜航体204は、SUS304製、直径3mm〜4mmの一枚鉄体のボルト取付方式である。この潜航体204は人工サンゴ着床礁全体を海中5m〜20m内で上下揺動させ光の強さと潮流温度の変化を人工サンゴ着床礁に与えて人工サンゴ着床礁で育つサンゴに新鮮なる環境を常に与える。
【0034】
方向舵205は、製缶品(SUS304,1mm厚の薄体製缶品)で簡易的にボルト止めで取り付け取り外しを簡単にしたものであり、人工サンゴ着床礁を常に潮流に対して平行に保持し且つ向流させ前記ウエーブの作用を確保する。
【0035】
ネットカバー500の上部の四隅にはスチール、ゴム、プラスチック、ガラス等の浮き玉501を設けて本体基部200上方の覆い形状を立体形に保形する。この内には海草や藻を食べる高瀬貝が入っている。
【0036】
サンゴ藻ネットは、前記太陽光入れ穴703(直径86×12個)からの少ない太陽光を受け、比較的暗い所を好むサンゴ藻の繁殖場とする。又ウミトサカ、ヤギ、ウミカラマツ類も同時にサンゴ藻ネット上面に張りつくので海中に浮いた状態でありながらミニサンゴ礁である。
【0037】
<図9、図10に多数の人工サンゴ着床礁を筏式に連結した例を示す>
4月〜6月上旬満月の1週間後の大潮の干潮時に、サンゴが放卵する為、受精後の卵は浜辺に集中して漂っている。ここに人工サンゴ着床礁を数多く連結止め方式構造体にして係留して満潮になって拡散する受精卵を数多く着床させる。この際、各人工サンゴ着床礁100にアンカー等を入れないでサンゴ礁の破壊を防止する。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型の変流突起を基部上部の全面に複数個を設置し、上記複数のきのこ型の変流突起からの巻込変流部各々にサンゴ着床用セグメントとして角型ブロックを設置した人工サンゴ着床礁の例である。
以下図面と共に本実施例2を説明する。
図12は、本実施例2の人工サンゴ着床礁1000の平面図であり、図13は図12の矢視G−Gからの縦断面図であり、図14は図13の要部拡大斜視説明図である。図15は、図13に示す人工サンゴ着床礁1000を多数個を筏式に連結し海上に係留浮遊させた例を示す側面説明図である。実施例2の人工サンゴ着床礁1000で実施例1の人工サンゴ着床礁100に示す構成部分と同一構成部分は同一名称と符号を付してその機能等は一部省略して説明する。
図12〜図14に示す人工サンゴ着床礁1000は、前部を潮流1に対して向流とし、全体を平面四方形とし、多数の上端面開放型のボックス1002を有する本体基部1001と、本体基部前後に配置した浮力用発泡スチロール製のフロート203と、本体基部の両側部に配置したSUS304製、直径3mm〜4mmの一枚鉄体のボルト取付方式の潜航体204と、本体基部の下部後方の両側に潮流に向かって一対配置した製缶品(SUS304,1mm厚の薄体製缶品)製の方向舵205とから構成してある。
本体基部1001のボックス1002内には、サンゴ着床用セグメントとして角型ブロック1003、1004を装填し、角型ブロック1003、1004の中心に、きのこ型の変流突起1004を竪設してある。
人工サンゴ着床礁1000の本体基部1001は、母材を合成樹脂(ウレタンゴム)、プラスチック、天然樹脂等にし、これに後述のバーキュライト及び又は電光石(トルマリン石)を混合した多数のボックス1002を成型したものである。
この本体基部1001は、成型後、乾燥すると隙間に空気が入り軽く、水が入ると保水機能が高い為サンゴ受精卵を取るピースとなる。
前記ボックス1002には適宜な位置にフロートを嵌め込み配置してもよい。
また本体基部1001は、全体の表裏面に、鉄粉と炭酸カルシウム(CaCO)とルチール(TiO)を入れたワイヤーを溶射被覆してある。
【0039】
サンゴ着床用セグメントの角型ブロックは、焼成多孔質セラミック製の角型ブロック1003と、フエライト(FeO4)を2〜5%含有しかつ30〜50ガウス着磁した焼成着磁多孔質セラミック製の角型ブロック1004を交互に配置する。
該角型ブロック1003と1004とは、距離間があり、角型ブロック1004が永久磁石の焼成着磁多孔質セラミックス製のため、波が動きで発電しこの間200±の間で0.005A程度の超微流電流が流れて、鉄イオンを溶解し前記したように植物連鎖の最初の植物プランクトンと、それを食べる動物プランクトンと、それを食べるサンゴを養成繁殖させ、まさに揺りかご環境をつくるものである。
また、焼成多孔質セラミック製の角型ブロック1003及び又は焼成着磁多孔質セラミック製の角型ブロック1004をセラミックス(Al)を主成分としバーキュライトを20%以下、木材鋸クズ又は黒鉛を0.5%〜1%、フエライト(Fe4)を2〜5%含有の焼成多孔質セラミックス体に入れ替えてもよい。
角型ブロック1003、1004の中心に竪設したきのこ型の変流突起1005は、適宜な合成樹脂材料や金属材料などで成型して下足部を本体基部1001のボクッス1002の底部に螺合固定する。
きのこ型の変流突起1005の作用は、図14に概略示しように、向流の潮流Tを放物曲面にした前部下面2001では直接下降流2002に巻込変流させる。一方、半球面状にした上面前部2004で一旦斜め上昇流2005にした後に上面後部2006で斜め下降流2007にし、これを放物曲面にした後部面下面2008側に下降流2009として急峻に巻込変流させることにより、これら巻込変流をサンゴ着床用セグメントの表面に接触させ、巻込変流中のサンゴ受精卵を前記焼成多孔質セラミック製の角型ブロック1003及び又は焼成着磁多孔質セラミック製の角型ブロック1004の多孔表面に強く押し付け効率よく密着着床させるものである。
又きのこ型の変流突起1005は、本体基部1001の四隅のものを鋳鉄製とマグネシウム合金製にすることでこの四隅内の1m2当り0.10〜0.15mAの微電流が流れて植物プランクトンの増殖効果が得られる。きのこ型の変流突起の変形例として図15にきのこ型変流突起1005aを示し、図16にサンゴ着床用セグメント収容部を形成する縦壁1052、1053の断面形状をきのこ型1054にして、きのこ型の変流突起を兼ねるものであってもよい。
この図16には、本実施例2に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部と、きのこ型の変流突起の他の例で、上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1051を碁盤目状に配置した本体基部1050の一部を拡大して示す斜視図である。サンゴ着床用セグメント収容部1051を構成する縦壁1052、1053は、断面きのこ型1054にして、前記きのこ型の変流突起を兼ねる。この場合、サンゴ着床用セグメント収容部1051への角型ブロック(サンゴ着床用セグメント)の配置は、きのこ型1054の下部足部1055の略下半部領域となる。
又、きのこ型1054の上部のかさ部1056の中心には鉄シャフト1060とMgシャフト1061を埋設して実施例1に示す鉄シャフト804とMgシャフト803と同様の作用効果つまり微電流が流れて金属イオンによる植物プランクトンの増殖効果が得られる。
【0040】
4月〜6月上旬満月の1週間後の大潮の干潮時に、サンゴが放卵する為、受精後の卵は浜辺に集中して漂っている。ここに図17に示すように、人工サンゴ着床礁1000を多数個を筏式に連結し、表面下5〜20mの幅広い海中域に係留浮遊させることにより、満潮になって拡散する受精卵を数多く前記角型ブロック1003、1004の表面に効率よく着床させる。
人工サンゴ着床礁1000の本体基部1001を構成する母材に混合するバーキュライト及び電光石(トルマリン石)は次の通りである。
1)、バーキュライトについて
母材に含有させるバーキュライトは、[3八面体型バーキュライト(MgFe+2Al)3(AlSi)4O10(OH)2・4H2O]、[2八面型バーキュライト(MgFe+2Al)2(AlSi4O10・4H2O)]などであり、これを 重量比で20%以下含有させる。
このバーキュライトは軽く多孔質の穴の中に海水を吸い込む際、サンゴ受精卵を吸着する。
一般にバーミキュライトとはマグネシア(MgO)の多い輝岩が地圧と地球内部の高温高圧の熱水にてアルカリ分を逸脱した所に水分が加わって雲母の性質と似た一種の雲母である。
主成分のシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)マグネシア(MgO)の物を800℃〜1000℃で焼いた物である。雲母層がはく離膨張する為容積が増える為蛭が伸び縮みするようだと言う事で別名蛭石とも言う。層関の隙間が大きい為乾燥すると空気が入り軽く、水が入ると保水機能が高い為サンゴ受精卵を取るピースとなる。PHは約7と中性で比重が0.1と軽く南アフリカ、オーストラリア、中国が主採産生国である。
2)、電光石(トルマリン石)について
更に、母材に電光石(トルマリン石)を重量比で20%以下含有させて、海中に超微弱な自己電流を発生させる。これにより山中の落葉の中を流れ海洋に流出した、フタロシアニン(C32H16N8)と海中の鉄亜鉛のイオン化した電子と結びつきフタロシアニン鉄(C32H16N8Fe)やフクロシアニン亜鉛(C32H16N8Zu)と成り植物プランクトンのミネラル分として常に保持する為、植物プランクトン→動物プランクトンの食物連鎖にてサンゴ礁を養成構成する。

【0041】
なお実施例1と実施例2の各人工サンゴ着床礁100、1000は要部をその作用効果を狙って、適宜組み替えて構成することは一向に差し支えない。
例えば、図9、図17のように筏式に連結し海上に係留浮遊させる場合は、実施例1の人工サンゴ着床礁100と、実施例2の各人工サンゴ着床礁1000を交互に配列したり、実施例1のサンゴ藻ネット400、ネットカバー500、本体基部を海底に固定するアンカー300等は、実施例2の人工サンゴ着床礁1000に適宜配置することができる。また実施例1のウェーブ間に実施例2のきのこ型の変流突起を配列することもできる。
【0042】
上記各実施例において、人口サンゴ着床礁の本体基部の変形例を図18から図23に紹介する。また潜航体の他の例を図24、図25に紹介する。
即ち、図18は、本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放型のサンゴ着床用セグメント収容部1011を中心から放射状に配置した本体基部1010を示す斜視図である。
図19は、本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1021を碁盤目状に配置した本体基部1020示す斜視図である。
図20は、本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放で六角筒型のサンゴ着床用セグメント収容部1031を網の目状に配置した本体基部1030示す斜視図である。
図21は、本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放で楕円筒型のサンゴ着床用セグメント収容部1041を網の目状に配置した本体基部1040示す斜視図である。
図22は、本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上面開放ボックス型で上の開放部周囲壁に半円状の切り欠き1052を形成したサンゴ着床用セグメント収容部1051を碁盤目状に配置した本体基部1050示す斜視図である。
図23は、図17の本体基部1020の変形例(1)と、その上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1021の拡大斜視図(2)と、該収容部1021を構成する楔状のクロスバー1022、とベアーリングバー1023の楔形断面形状図(3)を併記した説明図である。
図24は、潜航体の他の例を示すものであり、潮流に対向する円弧筒面状の潜航翼1024を例えば図17に示す本体基部1020の先部に配置した状態を示す斜視図である。
図25は、何れの方向から潮流が来ても潜航を可能とする潜航体の例を示すものであり、例えば図19に示す本体基部1020の四周面に、下面開放で円弧筒状の潜航翼1025を配置した状態を示す斜視図である。
このように本発明は、沿岸の地形、潮流の変化、海水温度の変化、気候、設置現場ニーズ等に応じて迅速的確に製作設置することができるなど、多様な人口サンゴ着床礁を提供することができる。しかも着床後は長寿命効果を発揮し、長期間のサンゴ養殖を有利に展開する。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は1年に一回のチャンスの為着床時に海が荒れていると失敗する可能性もあるし、着床したと判明しても育つのに1年以上の経過を必要とする為、国家的プロゼクト開発タイプと成る。
幸いにして着床が順調であれば将来のサンゴ礁が約束される漁業産業の利用として、地球環境保全としてのCO固定化にこれぞ簡単で確実は方法はない。
民間ベースとして育てる為には、非常に無理であり、単なる魚礁的考えとしてしても、漁業権を持つ漁民の助けなしには不可能の事業である。ボロボロに成りつつある地球は全世界で救うものであり、富国強兵に回す金が有ったら戦車一台で何千という人工サンゴ着床礁が作れる。未来に残す負の財産は今切る必要がある。
海はCOを溶解し深海に沈めるから(石灰質植物プランクトン)心配する必要ないと言う学者もいるがここ100年で確実に0.6℃大気は上昇し、海面は上昇中である。サンゴと言う微生物で大気中のCO→CaCOと言う形に変化させて固定することは全く無害である。森林を守り海を守ることで地球は救える。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1の人工サンゴ着床礁の平面図である。
【図2】図1の矢視A−Aからの側面図
【図3】図1の矢視B−Bからの側断面図
【図4】図1の矢視C−Cからの側断面図
【図5】図1の矢視D−Dからの側断面図である。
【図6】図1の矢視E−Eからの横断面図
【図7】図1の矢視F−Fからの横断面図
【図8】実施例1の人工サンゴ着床礁を海中5〜20mの深さに複数個を係留浮遊し、また海底に複数個を固定配置した状態を示す説明図である。
【図9】多数の人工サンゴ着床礁を筏式に連結し海上に係留浮遊させた例を示す説明図である。
【図10】図9の平面説明図である。
【図11】本例の人工サンゴ着床礁のウエーブ700部の側断面概略図でウエーブ700部での潮流の流れ変化を模式的に示す説明図である。
【図12】本実施例2の人工サンゴ着床礁1000の平面図である。
【図13】図12は図12の矢視G−Gからの縦断面図である。
【図14】図13の要部「きのこ型の変流突起」部の作用を示す拡大説明図である。
【図15】実施例2のきのこ型の変流突起の他の変形例を示す縦断面である。
【図16】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1051を碁盤目状に配置した本体基部1050の一部を拡大して示す斜視図である。サンゴ着床用セグメント収容部1051を構成する縦壁1052、1053は、断面きのこ型状にし、その上部のかさ部中心には鉄シャフト1060とMgシャフト1061を埋設して実施例1に示す鉄シャフト804とMgシャフト803と同様の作用効果が得られるようにしてある。
【図17】図12に示す人工サンゴ着床礁1000を多数個を筏式に連結し海上に係留浮遊させた例を示す側面説明図である。
【図18】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放型のサンゴ着床用セグメント収容部1011を中心から放射状に配置した本体基部1010を示す斜視図である。
【図19】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1021を碁盤目状に配置した本体基部1020示す斜視図である。
【図20】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放で六角筒型のサンゴ着床用セグメント収容部1031を網の目状に配置した本体基部1030示す斜視図である。
【図21】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上下面開放で楕円筒型のサンゴ着床用セグメント収容部1041を網の目状に配置した本体基部1040示す斜視図である。
【図22】本発明の各実施例に記載の人工サンゴ着床礁の本体基部の他の例で上面開放ボックス型で上の開放部周囲壁に半円状の切り欠き1052を形成したサンゴ着床用セグメント収容部1051を碁盤目状に配置した本体基部1050示す斜視図である。
【図23】図17の本体基部1020の変形例(1)と、その上下面開放ボックス型のサンゴ着床用セグメント収容部1021の拡大斜視図(2)と、該収容部1021を構成する楔状のクロスバー1022、とベアーリングバー1023の楔形断面形状図(3)を併記した説明図である。
【図24】潜航体の他の例を示すものであり、潮流に対向する円弧筒面状の潜航翼1024を例えば図17に示す本体基部1020の先部に配置した状態を示す斜視図である。
【図25】何れの方向から潮流が来ても潜航を可能とする潜航体の例を示すものであり、例えば図17に示す本体基部1020の四周面に、下面開放で円弧筒状の潜航翼1025を配置した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
T潮流
T1傾斜上昇流
T2巻込流
100人工サンゴ着床礁
200本体基部
201補強竪リブ
202引き綱
203フロート
204潜航体
205方向舵
206重錘
300本体基部を海底に固定するアンカー
400サンゴ藻ネット
500ネットカバー
600アンカーの碇
700ウエーブ
701傾斜面
702巻込陥没カーブ面
800サンゴ着床用セグメント
801焼成多孔質セラミック体
802焼成着磁多孔質セラミック体
804鉄シャフト
803Mgシャフト
806電極鉄体
805電極Mg合金体
1000人工サンゴ着床礁
1001本体基部
1002ボックス
1003、焼成多孔質セラミック製角型ブロック
1004焼成着磁多孔質セラミックス
1005、1005aきのこ型の変流突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
【請求項2】
潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体と、フエライト(FeO4)を2〜5%含有しかつ着磁した焼成磁性多孔質セラミック体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
【請求項3】
潮流を対向流とする人工サンゴ着床礁であって、その本体基部において、潮流を下降流に巻込変流するきのこ型又はウェーブ型の変流突起を複数個設置し、上記複数の変流突起からの巻込変流部に表面を露出するサンゴ着床用セグメントを設け、サンゴ着床用セグメントとして、焼成多孔質セラミック体と、セラミックス(Al)を主成分としバーキュライトを20%以下、木材鋸クズ又は黒鉛を0.5%〜1%、フエライト(FeO4)を2〜5%含有の焼成多孔質セラミックス体を配設したことを特徴とする人工サンゴ着床礁。
【請求項4】
前記ウェーブ型の変流突起は、前上面部に潮流を傾斜上昇流に変流する傾斜面を形成し、この傾斜面に連続して形成され前記傾斜上昇流を急激に下降流に巻込変流する巻込陥没カーブ面を有するものとし、これを基部上部の前部から後方に亘って複数段設置し、サンゴ着床用セグメントは、円筒形にしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項5】
きのこ型の変流突起の巻込カーブ面下に表面を露出するサンゴ着床用セグメントは、円型又は角型ブロックとしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項6】
円筒形にした前記複数の焼成多孔質セラミック体に交互に鉄シャフトとMgシャフトを中空内に挿入配置し鉄シャフトは本体基部の側部に設けた電極鉄体で支持連結しMgシャフトは本体基部の側部に設けたMg合金体で支持連結したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項7】
前記複数のきのこ型の変流突起を鉄製とMg製にして交互に配置したことを特徴とする請求項1から請求項3及び請求項5のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項8】
本体基部の上方面(例えば上・左右・前後の5面)を覆うネットカバーを配設したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項9】
本体基部の下方に魚網ネットを配設したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項10】
本体基部にフロートを設けたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項11】
本体基部のフロートの重りとして溶解亜鉛鍍金中にできる鉄亜鉛を使用したことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項12】
本体基部の側面に潜航体設けたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項13】
本体基部の底部後方に中央又は両側に潮流に向かって向流配置した方向舵を設けたことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項14】
炭酸カルシウム(CaCO)とルチール(TiO)を入れた鉄粉溶射ワイヤーを用いて本体基部に溶射したことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項15】
本体基部の下部に海底設置用の位置決めアンカーを設けたことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。
【請求項16】
前記本体基部を構成する母材にバーキュライト及び又は電光石(トルマリン石)等を混合したことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の人工サンゴ着床礁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−154471(P2008−154471A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344216(P2006−344216)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(504132962)
【出願人】(000133294)株式会社ダイクレ (65)
【Fターム(参考)】