説明

人工受精

人工受精装置は、外筒及び外筒の一端を覆い従って内側凹状表面及び外側凸状表面を備えた補強カップを備えたコンドームと、コンドームのカップの外側凸状表面に接触するよう寸法、形状、形状を定められた延長部分を含む送出ハンドルとを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願への引用
本願は、2009年5月18日付けでされた米国仮特許出願第61/179,222号の利益を主張し、この出願はここに引用して援用する。
【0002】
発明の概要
人工受精装置は、コンドーム及び送出ハンドルを含むことができる。コンドームは、外筒と、当該外筒の一端を覆う(或いは外筒の内部に位置してもよい)補強カップとを備えることができる。従って、このカップは、内側の凹状表面と外側の凸状表面とを備える。送出ハンドルは、コンドームカップの外側凸状表面に接触し、相互作用し、かつ/又は接続するよう寸法及び形状を定められた延長部分を含むことができる。
【0003】
このシステムを用いれば、コンドームのカップに射出精液を収集し、外筒をカップまで巻き上げてカップの支持リングを形成し(又は外筒を取り外し)、カップの外側凸状表面を送出ハンドルの延長部分に接触又は接続させ、射出精液が子宮頸に面するようにカップ及び延長部分を子宮頸まで前進させ、カップを子宮頸に残したまま延長部分を引き抜き、遅れてカップを回収することによって人工受精を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図2】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図3】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図4】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図5】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図6】コンドームの例示的な実施形態を示す。
【図7】人工受精システムの例示的な一実施形態を2つの状態で示す。
【図8】人工受精システムの例示的な一実施形態を2つの状態で示す。
【図9】人工受精システムの例示的な一実施形態を2つの状態で示す。
【図10】人工受精システムの別の例示的な実施形態を2つの状態で示す。
【図11】人工受精システムの別の例示的な実施形態を2つの状態で示す。
【図12】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を2つの状態で示す。
【図13】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を2つの状態で示す。
【図14】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を4つの状態で示す。
【図15】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を4つの状態で示す。
【図16】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を4つの状態で示す。
【図17】人工受精システムのさらに別の例示的な実施形態を4つの状態で示す。
【図18】ハンドルとコンドームとが結合されたときに引き紐がハンドルからコンドームへ移されるAIシステムの一実施形態を示す。
【図19】ハンドルとコンドームとが結合されたときに引き紐がハンドルからコンドームへ移されるAIシステムの一実施形態を示す。
【図20】ハンドルとコンドームとが結合されたときに引き紐がハンドルからコンドームへ移されるAIシステムの一実施形態を示す。
【図21】子宮頸に配置されたAIシステムを示す。
【図22】子宮頸に配置されたAIシステムを示す。
【図23】薬品又は他の物質の保管及び送出用のAIシステムの一実施形態を示す。
【図24】薬品又は他の物質の保管及び送出用のAIシステムの一実施形態を示す。
【図25】外装を備えたAIシステムの例示的な実施形態を示す。
【図26】試料又は精液保管システムの一実施形態及びその使用例を示す。
【図27】試料又は精液保管システムの一実施形態及びその使用例を示す。
【図28】(A)乃至(F) 人工受精システムの一実施形態を6つの状態で示す。
【図29】(A)乃至(D) 人工受精システムの一実施形態を4つの状態で示す。
【図30】(A)及び(B) ハンドルの一実施形態を2つの状態で示す。
【図31】(A) コンドームの一実施形態を示す。(B)及び(C) コンドームをハンドルと共に示す。
【図32】(A)乃至(D) 図31Aのコンドームをハンドルと共に示す。
【図33】(A)乃至(D) 図31Aのコンドームをハンドルと共に示す。
【図34】(A)及び(B) 分離可能な外筒を備えたコンドームの一実施形態を示す。
【図35】(A)乃至(C) 液だめを備えたコンドームの一実施形態を示す。
【図36】(A)乃至(C) 液だめの圧縮を示す。
【図37】(A)及び(B) 液だめコンドーム及びハンドルを示す。
【図38】(A)乃至(G) 液だめコンドーム及びハンドルを示す。
【図39】(A)乃至(E) 液だめコンドーム及びハンドルを示す。
【図40】(A)乃至(C) 液だめコンドーム及びハンドルを示す。
【図41】(A)及び(B) 液だめコンドーム及びハンドルを示す。
【図42】(A)乃至(D) 精液保管システムを示す。
【図43】(A)及び(B) 精液保管システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書に記載されたシステムは、人工受精を容易に行うために使用される。「代替受精」と呼ばれることもある人工受精(「AI」)は、生きた精子を含んだ精液が性交以外の方法で女性の生殖器系に導入される手順である。これは、典型的には、容器内に射精し、射出精液を注入器(ピペット又は針なし注射器など)内に移し、その射出精液を女性の子宮頸に又はその近くに導入することを含む。(精子は子宮内に付着させてもよいが、下腹痛、疼痛、及び他の副作用を防ぐため、典型的には精液の他の成分を「洗い流し」て含まないようにしなければならない。)本システムは、男性が内部に射精するコンドームであって、その後に、女性の子宮頸まで前進させるため送出ハンドルに直ぐに取り付け可能なコンドームを提供することでAIを向上させる。代替的には、このコンドーム及び射出精液は、保管システム内に一時的に保管してもよい。
【0006】
図1乃至3は、本AIシステムで使用されるコンドーム10の一実施形態を示す。このコンドームは、外筒20及び補強カップ30を含む。この外筒及び/又はカップは、ラテックス、シリコーン、ネオプレン、ゴム、液状シリコーンゴム(LSR)、フルオロシリコーン(FVMQ)、エチレンプロピレンエラストマー、又は他のエラストマー材料製とすればよい。
【0007】
このカップは、補強のため外筒よりも厚い又は硬い材料製としてよい。補強カップは外筒の一端を覆い、そのためカップの内側面は内側凹状表面を形成し、外側面は外側凸状表面を形成する。さらに、内側凹状表面は、射出精液を蓄積できる遠位凹所を備えてもよい。外側凸状表面は、レセプタクル40を含んでもよいし、含まなくてもよい。引き紐50をレセプタクルから延伸させてもよい。この引き紐は、受精後にコンドームを回収するために使用できる。外筒は巻き上げることができる。すなわち、図2は部分的な巻き上げを示し、図3は完全な巻き上げを示す。この巻き上げられた外筒は、カップをさらに補強する支持リング60を形成する。(代替的には、外筒はカップから分離してもよい。)図4は、引き紐を含まない一実施形態を示す。図5は、レセプタクルを含まないコンドームの一実施形態を示す。図6は、引き紐が凸状外側表面に直接取り付けられているコンドームの一実施形態を示す。
【0008】
図7乃至9は、図1乃至3のコンドームを送出ハンドル70とともに示す。このハンドルは、スリーブ80とスリーブ内で摺動可能なプランジャー90とを含む延長部分を備えている。プランジャーは、リング92又はユーザがプランジャーをスリーブに対して前進又は後退させるための握りとなる他の特徴を含むことができる。このコンドームは、送出ハンドルの遠位端に取り付けられる。図示したように、コンドームレセプタクル40は、プランジャーの遠位端におけるコネクタ100を、締まりばめ、スナップ嵌め、又はこれら2つの部材を前進工程時に結合させておくのに十分な強度を備えた他の嵌め分離可能固定機構によって収容する。スリーブはプランジャーに対して引きまれて取り付けのためにコネクタを露出する(図7)。逆に、典型的にはコンドームが女性の子宮頸に配置された段階でなされるように、スリーブを前進させてコンドームレセプタクルをコネクタからから押してはずす。図7及び8は、レセプタクルのプランジャーへの取り付けを示しているが、レセプタクルはスリーブに取り付けることも可能であり、その場合、プランジャーの動作がコンドームをスリーブから取り外すことになる。図示したように、コネクタはペグであり、レセプタクルは穴を画定する。ペグと穴はねじ切りして、ハンドルとコンドームを互いに捻ることで取り付け又は分離可能としてもよい。代替的には、これらは、ルアーロック、差し込み取り付け台などの他の補完的な対を形成してもよい。ハンドルは、こうした実施形態では単一の一体品としてもよい。
【0009】
図10及び11は、送出ハンドルのコネクタが多数のフィンガーを含み、それらが互いに接続又は分離できるAIシステムの別の実施形態を示す。プランジャーをスリーブに対して移動させると、フィンガーが開閉する。一つの配向において、フィンガーは、外側凸状表面に接触することでコンドーム及び/又はレセプタクル及び/又はカップを受け取りかつ保持するように開いている。すなわち、コンドーム及び/又はレセプタクル及び/又はカップは、フィンガー上で支持リング60によって支持されうる。フィンガーは閉位置(図10)から開位置へ移行可能であり、閉位置では、不使用時、膣道(vaginal
tract)内への挿入時、又は膣道を介した引き抜き時に、安全性を確保しかつ/又はレセプタクル内に精液を保持する助けとなり、取り付け位置(図11)では、コンドームを送出配向において保持かつ支持し、さらに支持リングでなくコンドームのカップをちょうど収容できる程度に開いている。代替的には、取り付け位置は、支持リングも収容できるほど開くようにしてもよい。
【0010】
図12及び13は、この送出装置の遠位端が、コンドームカップを補完する形状(例えば凹部120)を備えているAIシステムの別の実施形態を示す。コンドームは、送出ハンドルの凹部内に保持できる。図10に示すように、この凹部は、コンドームカップを収容できるが支持リングは収容できないように寸法決めすればよい。このリングは凹部のリップに当接し、コンドームを安定させる助けとなる。上述のように、この凹部はリングも収容できるように寸法決めしてもよい。
【0011】
図14乃至17は、送出ハンドルが多数の把持部を含み、コンドームレセプタクルが突起140を含むAIシステムの別の実施形態を示す。これら把持部は閉位置に付勢されており、突起に係合するよう寸法及び形状を定められ、かつ位置決めされている。
【0012】
従って、ハンドル延長部分は、レセプタクルにおいてカップの外側凸状表面に取り付け可能である。
【0013】
送出ハンドルは、コネクタ及びレセプタクルの少なくとも1つに係合してこれらを互いから分離させるように寸法及び形状を定められ、かつ位置決めされた分離器も含むことができる。
【0014】
コンドームが「レセプタクル」を備え、ハンドルが「コネクタ」を含むことが記載されているが、ハンドルがレセプタクルを備え、コンドームがコネクタを備えるようにしてもよい。
【0015】
図18乃至20は、送出ハンドルに最初は取り付けられている引き紐が、ハンドルがコンドームに取り付けられたときにコンドームに移動する実施形態を示す。この引き紐は性交と干渉することがあるので、コンドームをペニスから除去した後で子宮頸に前進させる前にコンドームに取り付けてもよい。引き紐は、その遠位端に機械的固定機構又は接着剤であって、コンドームカップ又はレセプタクル(外側凸状表面又は支持リングの任意箇所)に付着すると強固に取り付けられる固定機構又は接着剤を備えることができる。代替的には、引き紐はスリーブ80又はプランジャー90に取り付けられた状態で提供され、締まりばめ又は他の嵌め合いによってコンドームレセプタクル40に移動されて、引き紐50が、コンドーム10のレセプタクル40又は凸状表面を捕捉し、かつ取り付け状態を維持して子宮頸からのコンドームカップの除去を補助するようにもできる。或いは、引き紐はスリーブ又はプランジャーによって供給され、引き紐の遠位端へのアンカー取り付け部によりコンドームに移動され、コンドーム10のレセプタクル40又は凸状表面に埋め込まれるようにしてもよい。又は、引き紐は、コンドームのレセプタクルに取り付け可能な小片(nub)に取り付けられた状態で提供してもよい。この小片は、軽い締まりばめ又は他の保持機構によって送出ハンドルに最初は取り付けておけばよい。そして、送出ハンドルがコンドームレセプタクルに取り付けられたとき、小片がレセプタクルに接触して、小片をハンドルに保持するより強固にカップに取り付ける干渉若しくは他の機械的保持機構又は接着剤によってレセプタクル内に取り付けることができる。従って、ハンドルを引き離すことにより、小片及び引き紐はコンドームに取り付けられた状態になる。
【0016】
レセプタクルを含まないコンドームを用いるときは、引き紐は、性交の後で人工受精のために挿入の直前に凹状外側表面に取り付けることができる。接着剤を提供して、ユーザが引き紐及び/又はコンドームに塗布してそれら2つを結合できるようにすればよい。代替的には、引き紐及びコンドームは互いを接触させることで接着するように、これら2つの部材は接触接合剤を塗布した状態で提供してよい。接触接合剤が塗布されたコンドームの領域は外郭線で印を付けるか、この接合剤は、コンドームと異なる着色をしてユーザに引き紐を付着すべき場所を示すことができる。
【0017】
使用時は、男性が性交中はコンドームを装着し、手動による解放し、又は他の方法でコンドーム内に射精する。コンドームはペニスから外し、外筒はカップまで巻き上げられる(或いは外される)。カップの外側凸状表面は送出ハンドルに取り付けられ、このハンドルを使って、カップを、凹状側を遠位側として膣道を介して子宮頸まで前進させる。カップは子宮頸近く又は子宮頸に接して配置され(図21及び22)、典型的には30分から7時間又は2乃至5時間にわたってその位置に放置される。その後、カップは除去され廃棄される。送出ハンドルは、カップが子宮頸に配置されている間はコンドームに接した定位置に残しておいてもよいし、除去してもよい。ハンドルが定位置に放置される場合は、コンドームに永久的に取り付け可能としてカップを容易に除去できるようにしてもよい。こうした場合、ハンドルは挿入を補助するのに十分な柱状部強さを備えた柔らかい適合材料から製造できる。送出ハンドルが取り外される場合は、引き紐をカップの凸状外側表面に取り付けるべきである。
【0018】
別の実施形態では、送出ハンドルの一部材(内側にある断面積が小さい部材など)は、比較的柔らかく可撓性があり、ハンドルの外側の硬質部材によって支持される。そして、内側部材がカップに取り付けられると、送出ハンドルの残り部分(硬質部分)が除去可能となる。すると、カップは、可撓性がある内側部材を使って後から除去される。代替的には、硬質部分は、カップが子宮頸に位置決めされるまで確保され(挿入時に支持を与えるため)、その後除去できる(膣道に長時間存在することによる不快感を避けるため)。
【0019】
このカップは生体吸収性(bioresorbable)材料製とすることができ、そうすれば使用後に除去する必要はなくなる。
【0020】
カップは折り畳み及び密封可能としてよく、射精後でユーザによる挿入準備が整うまでカップは閉じて密封できるので、射出精液を一時的に保管する便利な方法を提供する。又、この特徴は、精液が子宮頸に位置決めされるまで、精液のカップからのこぼれ防止の助けとなる方法を提供する。
【0021】
又、このコンドームは、人間工学的な子宮頸キャップにもなる。
【0022】
誘導子も設けて、潤滑剤、中和剤、抗生物質、及び/又は精子エンハンサーを誘導子内に収容し、保管し、かつ/又は膣道に送出させてもよい。図23乃至24は、こうした保管及び送出を容易にする装置の一実施形態を示す。送出ハンドルは、作用物質をコンドーム内の中空チャンネル202を介してコンドームの内側表面まで送出するためのチャンネル203を備えることができる。コンドーム内にあるこの中空チャンネル202は、送出ハンドルが挿入されると破れて物質をコンドームの凹状表面まで到達させる薄膜すなわち弁204をそのチャンネル内部に備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0023】
中空チャンネルを介した作用物質は、コンドームの凹状表面へこの作用物質を送出する注射器又は送出ハンドル内部の弁204(一方向弁、ダックビルなど)を介して送出できる。又、送出する作用物質は、コンドームの凹状表面又は凸状表面にあらかじめ塗布したり、射出精液の収集後にコンドームの凹状表面に加えたりしてもよい。
【0024】
図25は、外装145を含む装置の一実施形態を示す。この外装は、送出ハンドルとコンドームが接続された後で送出ハンドルに装着される。射出精液を守り、膣道内への前進を容易にするため、この外装は組み付けられた送出ハンドルとコンドームを覆うように配置すればよい。この装置が適切に配置されたら、外装は後退させてコンドームを子宮頸に対して最終的に装着する。外装は穿孔、小さな穴、又は外装に設けた脆弱部を備えてもよいし、備えていなくてもよい。この特徴は外装が引っ張られると容易に分離し、それにより外装を容易に引き込んでコンドームを露出させる。外装の使用は、射出精液が失われることを防ぎ、射出精液の膣道との相互作用を最小限に抑えつつ子宮頸に到着することを保証する。
【0025】
図26及び27は、試料保管システム150の例示的な実施形態を示す。試料がコンドーム内に収容された後、コンドームは、一時的保管、輸送、保存などのために保管システム内に置くことができる。この保管システムは、ベース160及び蓋170を含むことができる。ベースは、支持部180、凹部、フィンガー、把持部などのコンドームの受容器を含むことができる。蓋は、コンドーム又は受容器に係合して試料の液密又は気密封止を形成する封止装置190を含むことができる。従って、試料は紛失及び汚染から保護できる。蓋とベースとは、取り扱いを容易にし、不正変更を防止し、又は不正変更の証拠を知らせるロック、クランプ、又は他の封止装置を用いて互いと係合できる。この保管システムは、氷嚢などの低温源、硝酸アンモニウム吸熱反応パックなどのインスタント冷湿布、又はマイクロ冷蔵装置を含むことができる。保管又は注入時に精子の維持安定状態を最適化するため、この試料保管システム及び/又はコンドームは、射出精液の分解を遅くする又は停止させる予防的添加物又は被膜剤を備えることもできる。
【0026】
図28A乃至Fは、保護機構を含むシステムの一例を示す。ハンドルは、接合面(図12及び13に示した凹部の様な)と、カバーとを含む(図28A)。カバーが開放されて収集装置をハンドル内に収容し(図28B)、閉じられ(図28C及びD)、送出のため位置決めされかつ開放され(図28E)、収集装置が解放される(図28F)。
【0027】
図29A乃至Dは、保護機構を備えた他のシステムを示す。この機構は、ハンドルに通された(図29A)スリーブであって、遠位方向に引っ張られて(図29B)、収集装置がハンドル内に収容された後に収集装置を覆い(図29C)、解放するため装置が位置決めされた後で解放される(図29D)スリーブを含む。
【0028】
図30A及びBは、カラー外筒を備えたハンドルを示し、この外筒は遠位端において穿孔されていて、閉状態(図30A)でハンドルの遠位端を保護し、後退させたときは(図30A)ハンドルの内部を曝す。
【0029】
図31Aはコンドームの概略図を示す。後述するように、このコンドームは、圧縮時にコンドームが優先的に折りたたまれる箇所である弱くした壁部分(薄いウェブ、折目、ひだなど)を含んでいる。このコンドームは、その近位端においてハンドルのレセプタクルに取り付けられるための取り付け機構を備えていてもよい(又はその逆でもよい)。
【0030】
図31B乃至C、32A乃至D、及び33A乃至Dは、図31Aのコンドームがハンドルと相互作用する様を示す。図31B及びCでは、コンドーム(精子を含んでいる)がハンドルに取り付けられる。図32A乃至Dでは、カラーが遠位方向に進められ(図32A及びB)、子宮頸領域まで安全に送出するためコンドームを圧縮し(図32C)、覆う(図32D)。一旦送出されると、外筒は後退させて(図33A及びB)、コンドームの拡張(図33C)及び解放(図33D)を許容する。
【0031】
図34A及びBは、カップから分離可能な外筒を備えたコンドームの一実施形態を示す。一実施形態では、ハンドルカラーを遠位方向に摺動させる動作が、外筒を付勢してカップから分離させる。
【0032】
図35A乃至Cは、液だめを備えたコンドームを示す。図35Cは、このコンドームを断面図で示す。図35Aは、射精前のコンドームを示す。液だめは、最初は未拡張状態でも拡張状態でもよい。射出精液はコンドームの遠位端部まで送出され、液だめに収集される(そして、最初が未拡張状態であれば液だめを拡張させる)(図35B)。液だめを圧縮して精液をカップから押し出すことによって、精液がこのコンドームから容易に送出される。図36Aに示したように、圧縮は、単純に液だめを1つ又は複数の寸法に沿って平らにすることによって実行すればよい。図36B及びCに示したように、液だめは、同じ結果を得るため裏返してもよい。
【0033】
図37A及びB、38A乃至G、39A乃至E、40A乃至C、並びに41A及びBは、液だめコンドームがハンドルと共に使用されている状態を示す。このハンドルは、把持部若しくは保持クリップ(図37A)又はコンドームを保持する他の構造体(図37B)を備えている。上述したように、ハンドルカラーを前進させてコンドームを圧縮かつ保護できる(図38A乃至G)。しかし、コンドームが後に放出されるときは(図39A乃至G)、液だめは放出時に裏返しにされ、これによって精液を装置の凹状表面まで送出して子宮頸に接触させる。図40A乃至Cは、ハンドル内に液だめ反転器が設けられていることを示す。プランジャーを前進させると(図40B)、反転器は液だめに押しつけられ、コンドームがハンドルから押し出される際に、液だめを凸状から凹状へと裏返す。
【0034】
図38B、39A乃至G、40A乃至C、並びに41A及びBは、引き紐のコンドームへの取り付けを示す。引き紐は、液だめ反転器に取り付けられている。プランジャーが前進し、液だめ反転器が液だめを裏返すと、保持機構(嵌め合いコネクタとレセプタクルとの対で、いずれか一方が反転器に他方がコンドームに設けられている)が、液だめ反転器をコンドームに固定し、それによって引き紐をコンドームに対して固定する(図39E)。保持機構は可逆性でも、不可逆性でもよい。上述したように、引き紐を用いてこの装置を後に回収できる。
【0035】
図42A乃至D並びに43A及びBは、精液保管システムを示す。射精されたばかりの精液が直ちに使用されない場合は、この保管システムに保管すればよい。精液を含んだコンドームは、保管のため保管装置の上で巻き伸ばすことができる(図42A乃至C)。人工受精が行われるときは、この保管装置(精液を含むコンドームを備えたもの)を、新たなコンドームが取り付けられたハンドル上に位置決めする(図42D)。第1プランジャーを押し込むと(図43A)保管コンドームに穴が開けられ、さらに、第2プランジャーを押し込むと(図43B)(或いは第1プランジャーをさらに押し込むと)、押出器が収集された精液を、破裂した保管コンドームから送出コンドーム内に押し出す。ハンドル及び送出コンドームは、明確性のため図43A及びBでは省略されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンドームであって、
外筒と、
前記外筒の一端を覆い、従って内側凹状表面及び外側凸状表面を備えた補強カップとを備えたコンドームと、
前記コンドームカップの前記外側凸状表面に接触するように寸法、形状、形状を定められた延長部分を含む送出ハンドルとを含む、人工受精装置。
【請求項2】
前記送出ハンドルは、前記延長部分の遠位端にコネクタを含み、前記コンドームカップの前記外側凸状表面は、解放可能に前記コネクタに取り付けられるように寸法及び形状を定められたレセプタクルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタと前記レセプタクルとが、締まりばめによって互いに取り付けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記送出ハンドルは分離器であって、前記コネクタ及び前記レセプタクルの少なくとも1つに係合してこれらを互いから分離させるように寸法及び形状を定められ、かつ位置決めされた分離器をさらに含む、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記分離器が、前記延長部分で摺動可能なカラーを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記レセプタクルは突起を含み、前記コネクタは、前記突起に係合するように寸法及び形状を定められ、かつ位置決めされた付勢把持部を含む、請求項2、3、4、又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記コネクタがペグを含み、前記レセプタクルが、前記ペグを締まりばめで収容するように寸法及び形状を定められた穴を含む、請求項3又は請求項3に従属する請求項4乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記コンドームの外側凸状表面に取り付け可能な引き紐をさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記引き紐が、前記コンドームの外側凸状表面に永久的に取り付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記引き紐は、最初は前記延長部分に結合されており、後に前記コンドームに取り付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記延長部分が、前記コンドームカップの前記外側凸状表面に係合するように寸法及び形状を定められた保持器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記送出ハンドルが、前記コンドームカップの前記外側凸状表面に解放可能に接触する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記カップが、当該カップと前記延長部分とが互いに接触する際に、前記延長部分のチャンネルと流体連通するオリフィスを画定する、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
一方向弁が、前記カップから外へでなく前記カップ内への流動を許容する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記延長部分のチャンネルが、前記キャップ内に導入するための物質を含んでいる、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記延長部分が、前記物質を、前記チャンネルから前記延長部分に接触したカップ内に前進させるよう位置決めされたプランジャーをさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記コンドームは、前記カップ内に変形可能な液だめをさらに含む、先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記送出ハンドルは液だめ反転器をさらに含み、前記反転器は、前記コンドームに対して前進する際に前記変形可能な液だめを裏返し、従って前記コンドームカップの中身を放出するように形状を定められている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記液だめ反転器は、当該反転器に取り付けられた引き紐を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記液だめ反転器及び前記コンドームはそれぞれコネクタ及びレセプタクルの一方を含み、前記コネクタ及び前記レセプタクルは互いに取り付けられるように寸法及び形状を定められ、従って前記液だめ反転器を前記コンドームに保持する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
人工受精方法であって、
先行する請求項のいずれかに記載の人工受精装置を入手する段階と、
射出精液が前記コンドームの前記カップ内に収集された後、前記外筒を前記カップまで巻き上げて前記カップの支持リングを形成する段階と、
前記カップの前記外側凸状表面を前記送出ハンドルの前記延長部分に接触させる段階と、
前記射出精液が子宮頸に面するように、前記カップ及び前記延長部分を前記子宮頸まで前進させる段階と、
遅れて前記カップを回収する段階とを含む、方法。
【請求項22】
前記接触段階が、前記送出ハンドルの前記延長部分を前記カップの前記外側凸状表面に接触させる段階を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記接触段階が、前記送出ハンドルの前記延長部分を前記カップの前記外側凸状表面に取り付けられた段階を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記延長部分を、前記遅れ全体にわたって、前記カップの前記外側凸状表面に取り付けたままにする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記カップを前記子宮頸に残したまま前記延長部分を引き抜く段階をさらに含む、請求項21乃至23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
試料保管システムであって、
コンドームを収容するように寸法及び形状を定められた受容器を含むベースと、
前記ベースに係合するように寸法及び形状を定められた蓋であって、前記受容器又は当該受容器内のコンドームに係合して前記試料の気密又は液密封止を形成する封止装置を含む蓋とを含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公表番号】特表2012−527316(P2012−527316A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511967(P2012−511967)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/035293
【国際公開番号】WO2010/135349
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511281785)リノヴァム ウーメンズ ヘルス, インク. (1)
【氏名又は名称原語表記】RINOVUM WOMEN’S HEALTH,INC.
【Fターム(参考)】