説明

人工呼吸器装着者の気道から分泌物除去するための吸引システム及び方法

患者が人工呼吸を受けている時に患者の気道に又はその近くに溜まった分泌物は吸引により除去する。分泌物の除去の前、中、及び/又は後に、患者(12)への分泌物除去のために使われた吸引のインパクトを緩和するステップを行う。そのため、分泌物除去に用いる吸引のタイミングは影響を受け、又は制御される。吸引中の患者の呼吸は調整される。分泌物除去前の患者(12)の呼吸は、患者(12)の肺を分泌物除去に対し準備させるため調節される。分泌物除去のための吸引後の患者(12)の呼吸は調整される。及び/又は、患者(12)に対する分泌物除去のための吸引のインパクトを低減するその他のテクニックを実施してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人工呼吸器装着者の気道からの分泌物除去に関する。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器を装着した人の気道から分泌物を除去するシステムが知られている。一般的に、かかるシステムは、その人の気道とインタフェースするインタフェース機器に挿入される吸引カテーテルを含む。吸引は、分泌物を除去する吸引カテーテルにより、インタフェース装置と患者の気道とにより形成されるフローパスで行われる。
【0003】
一般的に、かかるシステムは、その人に人工呼吸をしている呼吸システムとは別に動作する。そのため、その人の気道の吸引は、呼吸システム及び/又はその人に提供されている呼吸を参照せずに行われる。同様に、通常、呼吸システムは、分泌物を除去する吸引と協働して、その人の呼吸を変更又は調節しない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成されたシステムに関する。一実施形態では、呼吸システムは、圧力ジェネレータ、センサ、及びプロセッサを有する。圧力ジェネレータは、患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成される。センサは、前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成するように構成される。プロセッサは、吸引タイミングモジュールとして構成され、吸引タイミングモジュールは、前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきか示すトリガー信号を、前記センサにより生成された出力信号に基づいて生成するように構成される。
【0005】
本発明の他の一態様は、患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成する方法に関する。一実施形態において、本方法は、患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成するステップと;前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成するステップと;前記出力信号に基づき、分泌物を除去するために前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを決定するステップと;前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきとの決定に応じて、前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを示すトリガー信号を生成するステップと、を有する。
【0006】
本発明のさらに他の一態様は、患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成されたシステムに関する。一実施形態において、本システムは、患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成する手段と;前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成する手段と;前記出力信号に基づき、分泌物を除去するために前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを決定する手段と;前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきとの決定に応じて、前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを示すトリガー信号を生成する手段と、を有する。
【0007】
本発明の上記の目的、機能、及び特徴と、動作方法と、関連構成要素の機能と、パーツの組み合わせと、生産の経済性とは、本出願の出願書類を構成する、添付した図面を参照して以下の説明と特許請求の範囲を検討すれば明らかになるだろう。図面中、対応するパーツには同じ参照数字を付した。本発明の一実施形態では、ここに例示する構成コンポーネントは比例して描いた。しかし、言うまでもないが、図面は例示と説明のみを目的としたものであり、本発明を限定するものではない。また、言うまでもなく、どの実施形態において図示又は説明する構成的特徴も他の実施形態でも用いることができる。しかし、言うまでもないが、図面は例示と説明を目的としたものであり、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書と特許請求の範囲において、「1つの」、「前記」との記載は別段の記載がなければ、複数の場合も含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による、人の気道に又はその知覚に溜まった分泌物を除去するように構成されたシステムを示す。
【図2】分泌物除去の時に人の気道の又はその近くの圧力とフローをプロットしたグラフである。
【図3】分泌物除去の時に人の気道の又はその近くの圧力とフローをプロットしたグラフである。
【図4】分泌物除去の時に人の気道の又はその近くの圧力とフローをプロットしたグラフである。
【図5】分泌物除去の時に人の気道の又はその近くの圧力とフローをプロットしたグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、人12が人工呼吸されている時に、その人12の気道に又はその近くに溜まった分泌物を除去するように構成されたシステム10を示す図である。本システムは、人12への分泌物除去のインパクトを低減するように構成されている。そのため、システム10は、分泌物を除去するために用いられる吸引のタイミングに影響を与え又は制御して、分泌物除去に用いる吸引のインパクトを補償し、そのために、吸引時に人12の呼吸と調節して、分泌物除去前に人12の呼吸を調整し、分泌物除去のために人12の肺を準備させて、分泌物除去後に人12の呼吸を調節して、及び/又はその他の人12への分泌物除去のインパクトを低減するための他の方法を用いるこれにより、(例えば、肺活量が維持できて)人12の健康や、人12の快適さが改善され、及び/又はその他の改善がある。一実施形態では、システム10は、圧力ジェネレータ14、吸引カテーテル16、電子ストレージ18、ユーザインタフェース20、センサ22、プロセッサ24、及び/又はその他のコンポーネントを含む。
【0010】
一実施形態では、圧力ジェネレータ14は、人12の気道に送るため、加圧した呼吸可能ガスのフローを生成するように構成されている。圧力ジェネレータ14は、治療やその他の目的のため、加圧した呼吸可能ガスのフローのパラメータ(例えば、フローレート、圧力、容量、湿度、温度、ガス組成、呼吸レート、1回換気量、ピークフロー、吸気タイミング、排気タイミングなど)を制御する。非限定的な例として、圧力ジェネレータ14は、次のパラメータを制御できる:圧力、フローレート、組成、湿度、温度、加速度、速度、呼吸レート、1回換気量、ピークフロー、吸気タイミング、排気タイミング、立ち上がり時間、フロー波形パターン、トリガー感度とサイクリング感度、及び/又は生成する呼吸可能ガスの加圧フローのその他のパラメータを制御するように構成できる。一実施形態では、圧力ジェネレータ14は、呼吸可能ガスの加圧フローを人12の気道に送ることにより、人12が呼吸できるように、呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成されている。例えば、圧力ジェネレータ14は、ベンチレータ、強制吸排気デバイス、及び/又は人12に人工呼吸するように構成されたその他のデバイスを含み得る。
【0011】
呼吸可能ガスの加圧フローは、患者インタフェース26を介して患者12の気道に送られる。患者インタフェース26は、圧力サポートデバイス14により生成された呼吸可能ガスの加圧フローを、患者12の気道に連通するように構成されている。そのため、患者インタフェース26は、導管28とインタフェース装置30とを含む。導管は呼吸可能ガスの加圧フローをインタフェース装置30に運び、インタフェース装置30は呼吸可能ガスの加圧フローを患者12の気道まで送る。インタフェース装置30の例としては、例えば、気管内チューブ、気管切開チューブ、その他のインタフェース装置であってガスフローを患者の気道と連通させて患者に人工呼吸させるように構成されたものが含まれる。本発明はこれらの例には限定されず、任意の患者インタフェースを用いて患者12に呼吸可能ガスの加圧フローを送ることを想定している。
【0012】
圧力ジェネレータ14と患者インタフェース26をシングルリムシステム(single-limb system)として図1に示したが、これは例示用に過ぎない。言うまでもなく、患者12に人工呼吸をするため、患者インタフェース26は、インタフェース装置30からガスの排気を可能にする第2のリム(limb)を含む。かかる実施形態では、圧力ジェネレータ14は、患者インタフェース26の第1のリムに接続された上記の圧力ジェネレータ14の機能を提供する正圧力ジェネレータを含み、一方、患者インタフェース26の第2のリムは患者12の排気を容易にする。
【0013】
患者12の人工呼吸(mechanical ventilation)中に、患者12は一般的に気道からの分泌物を自分でクリアすることはできない。そのため、吸引カテーテル16を患者12の気道内に挿入して、吸引により分泌物を除去する。一実施形態では、吸引カテーテル16は、インタフェース装置30の開口(例えば、気管内チューブに接続されたアダプタ)を通して、インタフェース装置30と患者12の気道とを含むフローパスに挿入されるように構成される。吸引カテーテル16の挿入端により分泌物をフローパスから吸い出す。
【0014】
吸引カテーテル16の挿入端で吸引するため、吸引カテーテル16の反対端は吸引ジェネレータ32と流体連通している。吸引ジェネレータ32は、吸引カテーテル16に負の圧力を制御可能にかけるように構成され、インタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスから吸引した分泌物を受け、排出し、及び/又は処置するように構成されている。一実施形態では、吸引ジェネレータ32と圧力ジェネレータ14とは共通のデバイス又は装置に含まれている。一実施形態では、吸引ジェネレータ32と圧力ジェネレータ14とは別のデバイスである。別々のデバイスは連通して結合され、及び/又は別々に、しかしユーザ(例えば、介護者や研究者など)により協調して動かされてもよい。
【0015】
一実施形態では、電子的ストレージ18は情報を電子的に記憶する電子的ストレージメディアを有する。電子的ストレージ18の電子的ストレージメディアは、システム10に組み込まれた(すなわち、実質的に取り外しできない)システムストレージと、ポート(例えば、USBポート、ファイヤワイヤポート)やドライブ(例えば、ディスクドライブ)を介してシステム10と取り外し自在に接続されたリムーバブルストレージとのうち一方又は両方を含む。電子的ストレージ18は、光学的読み取り可能ストレージメディア(例えば、光ディスク)、磁気的読み取り可能ストレージメディア(例えば、磁気テープ、磁気ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ)、電荷ベースストレージメディア(例えば、EEPROM、RAM)、固体ストレージメディア(例えば、フラッシュドライブ)、及び/又はその他の電子的読み取り可能ストレージメディアのうち1つ以上を含む。電子的ストレージ18は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ24が決めた情報、ユーザインタフェース20を介して受け取った情報、及び/又はシステム10を適切に動作させるその他の情報を記憶できる。電子的ストレージ18は、(全体又は一部が)システム10中の別途のコンポーネントでもよいし、全体又は一部がシステム10の他のコンポーネント(例えば、圧力ジェネレータ14、吸引ジェネレータ32、ユーザインタフェース20、プロセッサ24)と一体となっていてもよい。
【0016】
ユーザインタフェース20は、システム10とユーザ(例えば、患者12、介護者、研究者など)との間のインタフェースを提供するように構成されており、ユーザは、これによりシステム10に情報を提供したり、システム10から情報を受け取ったりできる。これにより、データ、結果、及び/又は命令その他のコミュニケーション可能事項(集合的に「情報」と呼ぶ)を、ユーザと、圧力ジェネレータ14、電子的ストレージ18、及び/又はプロセッサ24との間でコミュニケーションできる。ユーザインタフェース20に含めるのに適したインタフェースデバイスの例には、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ画面、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロホン、インジケータライト、可聴アラーム、プリンタ、その他のインタフェースデバイスがある。一実施形態では、ユーザインタフェース20は、圧力ジェネレータ14と一体で設けられた少なくとも1つのインタフェースを含む。一実施形態では、ユーザインタフェース20は、複数のインタフェースを含む。例えば、ユーザインタフェース20は、圧力ジェネレータ14と一体に設けられた少なくとも1つのインタフェースと、吸引ジェネレータ32に設けられた少なくとも1つのインタフェースとを含む。
【0017】
言うまでもなく、本発明では、ユーザインタフェース20として、有線でも無線でも、その他のコミュニケーションテクニックも想定している。例えば、本発明は、ユーザインタフェース20を電子的ストレージ18により提供されるリムーバブルストレージインタフェースに組み込むことも想定している。この例では、情報をリムーバブルストレージ(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブルディスクなど)からシステム10にロードしてもよい。これによりユーザはシステム10の実装をカスタマイズできる。システム10でユーザインタフェース20として使えるように構成されたその他の入力デバイスやテクニックには、限定ではないが、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル、その他)がある。要するに、本発明では、ユーザインタフェース20として、システム10と情報をコミュニケーションできるテクニックならどんなものでもよい。
【0018】
1つ以上のセンサ22は、呼吸できるガスの加圧フローのパラメータに関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成されている。1つ以上のパラメータは、例えば、フローレート、容量、圧力、組成(例えば、成分の濃度)、湿度、温度、加速度、速度、音響特性、呼吸を示すパラメータの変化、その他のガスパラメータが含まれる。センサ22は、かかるパラメータを直接的に(例えば、圧力ジェネレータ14又は患者インタフェース26における呼吸可能ガスの加圧フローと流体連結して)測定する1つ以上のセンサを含み得る。センサ22は、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上のパラメータに関する出力信号を間接的に生成する1つ以上のセンサを含んでもよい。例えば、センサ22は、圧力ジェネレータ14の動作パラメータ(例えば、バルブ駆動電流、電圧、回転速度、その他の動作パラメータ)に基づき、及び/又は他のセンサに基づき、出力を生成する。センサ22は圧力ジェネレータ14における、又はそれに隣接する1つの位置に示したが、これは限定をいとしたものではない。センサ22は、複数の位置に、例えば圧力ジェネレータ14内に、導管28内に(又はそれと連結されて)、インタフェース装置30内に(又はそれに連結されて)、及び/又はその他の位置に配置された複数のセンサを含んでもよい。
【0019】
プロセッサ24は、システム10において情報処理機能を提供するように構成されている。そのため、プロセッサ24は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、ステートマシン、及び/又は電子的に情報を処理するその他のメカニズムのうち1つ以上を含み得る。図1においてプロセッサ24は1つのものとして示したが、これは例示のみを目的としたものである。ある実施形態では、プロセッサ24は複数の処理ユニットを含んでいてもよい。これらの処理ユニットは同じデバイス(例えば、圧力ジェネレータ14)内に物理的に配置されていてもよい。又は、プロセッサ24は、協調動作している複数のデバイス(例えば、圧力ジェネレータ14に組み込まれた少なくとも1つのプロセッサと、吸引ジェネレータ32に組み込まれた少なくとも1つのプロセッサ)の処理機能を表すものでもよい。
【0020】
図1に示したように、プロセッサ24は、1つ以上のコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成されている。1つ以上のコンピュータプログラムモジュールは、1つ以上の分泌物検出モジュール34、フロージェネレータ制御モジュール36、吸引タイミングモジュール38、吸引制御モジュール40、及び/又はその他のモジュールを含み得る。プロセッサ24は、ソフトウェアで、ハードウェアで、ファームウェアで、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの組み合わせで、及び/又はプロセッサ24に処理機能を設定するその他のメカニズムで、モジュール34、36、38、及び/又は40を実行するように構成されている。
【0021】
言うまでもなく、モジュール34,36,38,及び40は図1において1つの処理ユニット中に共に配置されているものとして示したが、プロセッサ24が複数の処理ユニットを含む実施形態では、1つ以上のモジュール34,36,38,及び/又は40は、他のモジュールと離れて配置されてもよい。下記の異なるモジュール34,36,38,及び/又は40により提供される機能の説明は、例示を目的としたものであり、限定を意図したものではなく、モジュール34,36,38,及び/又は40のうちどれかが提供する機能が、説明するものよりも多くても少なくてもよい。例えば、1つ以上のモジュール34,36,38,及び/又は40を無くしてもよいし、その機能の一部又は全部を他のモジュール34,36,38,及び/又は40で提供してもよい。他の一例として、プロセッサ24は、モジュール34,36,38,及び/又は40のうちの1つに属する機能の一部又は全部を実行する1つ以上の追加的モジュールを実行するように構成できる。
【0022】
分泌物検出モジュール34は、インタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されるフローパス中にある分泌物を検出するように構成されている。分泌物検出モジュール34は、センサ22により生成された出力信号に基づき、分泌物を検出する。例えば、一実施形態では、分泌物検出モジュール34は、センサ22により生成された出力信号に基づき、患者12のピーク呼吸圧を決定する。分泌物が患者12の気道に溜まるにつれ、ピーク吸気圧は高くなる傾向がある。分泌物により、インタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されるフローパスのフローエリアが狭くなるからである。分泌物検出モジュール34は、ピーク吸気圧の上昇に基づき、インタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されるフローパス中にある分泌物を検出できる。例えば、ピーク吸気圧が所定閾値より高くなると、分泌物検出モジュール34は、インタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されたフローパス中の分泌物を吸引する必要があると判断できる。
【0023】
インタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されるフローパス中の分泌物を吸引により除去する必要があると検出されると、分泌物検出モジュール34は、分泌物除去ルーチンを開始することを示すトリガー信号を生成する。分泌物除去ルーチンは、吸引前サブルーチン、吸引サブルーチン、及び/又は吸引後サブルーチンを含み得る。分泌物除去ルーチンは、自動的に実行される動作、及び/又は(例えば、介護者により)マニュアルで実行される動作を含み得る。マニュアルで実行される動作は、システムが(例えば、ユーザインタフェース20により)ユーザに対して生成するキュー(cues)に基づいて開始され得る。ここで「キュー」とは、システム10により生成される、ユーザが知覚できる任意の表示(indications)を含む。例えば、キューには、音声キュー、ビジュアルキュー、触覚キュー、及び/又はその他のキューが含まれる。そのため、インタフェース装置30により生成されるトリガー信号は、分泌物除去ルーチンに関連する1つ以上の動作を自動的に開始し、及び/又はシステム10により、分泌物除去ルーチンに関する1つ以上の動作を実行すべきであるとユーザに知らせるキューを生成させる。
【0024】
フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータを調整するように構成されている。典型的な動作では、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータを調整し、患者12に取って快適であり、患者12の肺活量を維持し、及び/又は患者12にその他の利益を提供する人工呼吸(mechanical ventilation)を容易にする。フロージェネレータ制御モジュール36は、異なるタイプの呼吸モードにより、圧力ジェネレータ14を制御できる。非限定的な例として、換気モードには、容量コントロール、圧力コントロール、圧力サポート、同期間欠的強制換気法、及び/又はその他の換気モードがある。人工呼吸器を装着した患者12に実施されるモードは、ユーザインタフェース20を介して(例えば、介護者などの)ユーザが選択してもよいし、患者12の測定呼吸機能により及び/又はその他のパラメータに基づき指示してもよい。
【0025】
一実施形態では、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、分泌物除去ルーチンの時にインタフェース装置30と患者12の気道とにより形成されるフローパスから分泌物の除去を容易にし、及び/又は患者12に対する分泌物除去ルーチンのインパクトを低減する。これには、吸引前サブルーチンにおける圧力ジェネレータ14の制御と、吸引サブルーチンにおける圧力ジェネレータ14の制御と、及び/又は吸引後サブルーチンにおける圧力ジェネレータ14の制御とのうち1つ以上が含まれ得る。
【0026】
吸引前サブルーチンにおいて、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータを調整し、吸引の副作用を緩和し、及び/又は吸引による分泌物の除去を改善する。非限定的な例として、吸引前サブルーチンにおいて、呼吸可能ガスの加圧フローの酸素含有量を大きくしてもよく、呼吸可能ガスの加圧フローの湿度を高くしてもよく、呼吸可能ガスの加圧フローの圧力及び/又はフローを調節して患者12に吹き入れて、呼吸終末陽圧(「PEEP」)を調整してもよいし、他のガスパラメータを調節してもよい。一実施形態では、吸引前サブルーチンにおけるフロージェネレータ制御モジュール36による圧力ジェネレータ14の制御は、分泌物検出モジュール34により生成されたトリガー信号に基づき自動的に開始されてもよい。一実施形態では、分泌物検出モジュール34により生成されたトリガー信号により、分泌物除去ルーチンを開始すべきであることを示すキューをユーザに対して生成する。このキューに応じて、(例えば、ユーザインタフェース20により)ユーザは、フロージェネレータ制御モジュール36に圧力ジェネレータ14を制御して吸引前サブルーチンによる呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータを自動的に調整する1つ以上の制御コマンドを入力できる。
【0027】
一実施形態では、吸引前サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により行われた、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータに対する調整は、(例えば、介護者、管理者、意思決定者などの)ユーザにより設定される。例えば、病院、クリニック、大学、機関その他エンティティが異なれば、分泌物除去を実施するガイドラインも異なる。システム10は、ユーザインタフェース20により、吸引前サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により呼吸可能ガスの加圧フローに対して行う調節を、ユーザが設定し、特定のエンティティのガイドラインに沿って吸引前サブルーチンをカスタマイズするように構成されていてもよい。非限定的な例として、ユーザは、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータに対して行う調整の開始時間、終了時間、調整量、頻度、パルス幅、及び/又はその他の態様のうち1つ以上を設定できる。
【0028】
吸引前サブルーチンが完了すると、システム10は、吸引サブルーチンに進み、インタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスに吸引を行い、分泌物を除去する。システム10は、吸引サブルーチンに自動的に進む。これは、フロージェネレータ制御モジュール36により生成されたトリガー信号に基づいても、吸引前サブルーチンの完了時に行ってもよい。一実施形態では、システム10は、(ユーザインタフェース20により受け取った)ユーザ制御入力に基づき吸引サブルーチンに進む。ユーザは、キューの生成により、ユーザ制御入力を入力するように促される。キューは、フロージェネレータ制御モジュール36により生成されたトリガー信号に基づいて生成されても、吸引前サブルーチンの完了時に生成されてもよい。
【0029】
上記の通り、吸引サブルーチンにおいて、インタフェース装置30及び/又は患者12の気道に挿入された吸引カテーテル16の一端により、インタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスに吸引を行う。インタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスにおける吸引により、患者12の気道内の圧力が低下する傾向がある。この圧力低下により、肺活量が失われ、酸素飽和度の低下、患者12の不快感や痛み、人工呼吸器の故障、及び/又はその他のインパクトがある。吸引サブルーチンにおいて、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータのうち1つ以上のパラメータを調整して、患者12の気道に又はその近くにおける1つ以上のガスパラメータ(例えば、圧力、フロー、容積など)の変動を低減する。
【0030】
一実施形態では、かかる調整は、吸引を行っている時に換気モードにより指示されたトリガーとサイクルの維持を含む。一実施形態では、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により行われる調整は、患者12の気道又はその近くにおける1つ以上のガスパラメータが所定閾値を越えないようにすることが含まれる。例えば、フロージェネレータ制御モジュール36は、呼吸可能ガスの加圧フローを調節して、患者12の気道又はその近くにおける圧力を、圧力閾値より高く維持する。一実施形態では、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により為された調整は、吸引を補正するバイアスフローをかけることを含む。一実施形態では、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により為された調整は、呼吸中に1回換気量を増加することを含む。一実施形態では、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により為された調整は、呼吸モードを調整又は切替することを含む。例えば、吸引サブルーチンにおいて、同期的間欠的強制換気法(「SIMV」)モードを回避してもよい。吸引とともに用いるとSIMVにより過呼吸(hyperinflated breaths)となるからである。
【0031】
一実施形態では、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により行われた、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータに対する調整は、(例えば、介護者、管理者、意思決定者などの)ユーザにより設定される。例えば、病院、クリニック、大学、機関その他エンティティが異なれば、分泌物除去を実施するガイドラインも異なる。システム10は、ユーザインタフェース20により、吸引サブルーチンにおいてフロージェネレータ制御モジュール36により呼吸可能ガスの加圧フローに対して行う調節を、ユーザが設定し、特定のエンティティのガイドラインに沿って吸引サブルーチンをカスタマイズするように構成されていてもよい。非限定的な例として、ユーザは、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上の制御可能ガスパラメータに対して行う調整の開始時間、終了時間、調整量、頻度、パルス幅、呼吸モード、及び/又はその他の態様のうち1つ以上を設定できる。
【0032】
吸引サブルーチンが終わると、システム10は、吸引後サブルーチンに進み、患者12に対する分泌物除去ルーチンのインパクトを緩和するステップを取る。システム10は、吸引サブルーチンが終わると自動的に吸引後サブルーチンに進んでもよい。一実施形態では、システム10は、(ユーザインタフェース20により受け取った)ユーザ制御入力に基づき吸引後サブルーチンに進む。ユーザは、キューの生成により、ユーザ制御入力を入力するように促される。キューは、吸引サブルーチンの完了に基づいて生成される。
【0033】
吸引後サブルーチンにおいて、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、呼吸可能ガスの加圧フローの1つ以上のガスパラメータを調整し、患者12への分泌物除去のインパクトを緩和する。これらの調整には、呼吸可能ガスの加圧フローの酸素含有量の増加、肺機能回復手順、及び/又は患者12に対する分泌物除去ルーチンのインパクトを緩和するその他の調整が含まれる。
【0034】
吸引タイミングモジュール38は、吸引サブルーチンにおける吸引カテーテル16による吸引を行うタイミングを決定するように構成されている。吸引サブルーチンにおいてインタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスに吸引をすると、患者12の気道が負圧になり、肺活量がある程度損なわれるおそれがある。そのため、吸引タイミングモジュール38は、患者12に行う呼吸のタイミングをモニタし、患者12の肺に負圧がかからない(又は少なくとも最低圧力を高くし、及び/又は負圧がかかる時間を短くする)ように、インタフェース装置30と患者12の気道により形成されたフローパスに吸引をできるタイミングを決定するように構成されている。吸引を行うタイミングは、吸引を行う開始時間、吸引を行う終了時間、吸引を行う時間的長さ、及び/又は吸引サブルーチンにおける吸引の実行に関するその他のタイミングを含み得る。吸引タイミングモジュール38は、センサ22により生成された出力信号に基づき、及び/又は圧力ジェネレータ14の動作をモニタするセンサに基づき、吸引カテーテル16による吸引を行うべきタイミングを決定する。
【0035】
吸引を行うべきタイミングを決定すると、吸引タイミングモジュール38は、適当な時間に、吸引を行うべきことを示すトリガー信号を生成する。トリガー信号はシステム10により生成され(例えば、以下に説明するように)、吸引を自動的に開始する。及び/又はシステム10は、トリガー信号に基づき、ユーザに対して、吸引を行う1つ以上のキュー(例えば、吸引を開始する、吸引を終了するなど)を生成する。
【0036】
図2は、人工呼吸を受けている患者の気道の又はその近くの圧力と容積をプロットしたグラフである。時間42の間、患者の気道に吸引を行い、そこから分泌物を除去する。時間42は比較的短く、息を吐いている間に行われる。図2から分かるように、時間42の間の吸引により、患者の気道は大きく負圧になる。
【0037】
図3は、人工呼吸を受けている患者の気道の又はその近くの圧力と容積をプロットしたグラフである。時間44の間、患者の気道に吸引を行い、そこから分泌物を除去する。時間44は、図2に示し上で説明した時間42より長く、患者の気道で圧力が下がっており、図2に示した圧力の低下よりも急激であり時間も長い。サイクル機能をトリガーする呼吸も損なわれる。
【0038】
図4は、人工呼吸を受けている患者の気道の又はその近くの圧力と容積をプロットしたグラフである。時間46の間、患者の気道に吸引を行い、そこから分泌物を除去する。図4で分かるように、時間46は、息を吐く比較的早い時であり、比較的時間的に短い。時間46の特性の結果、患者の気道内の圧力の低下は、図2と図3に示した吸引に伴う圧力の低下より低い。上で説明したように、この圧力の低下を小さくすることにより、患者への分泌物除去のインパクトが緩和される。
【0039】
図4に示したグラフから、分泌物除去のインパクトをさらに緩和するため、時間46の直後に吸気48が来ていることが分かる。この吸気は、時間46中の吸引に基づき患者に人工呼吸させているシステムにより実行され、吸引前に行っていた呼吸に対してリズムが狂っている。
【0040】
図5は、人工呼吸を受けている患者の気道の又はその近くの圧力と容積をプロットしたグラフである。時間50の間、患者の気道に吸引を行い、そこから分泌物を除去する。図5から分かるように、時間50は、(図2乃至4の場合のように)吐気中ではなく、吸気の終わりに始まる。この結果、吸気にともなう典型的な圧力の低下の外では、肺圧力の大きな低下はない。これにより、患者への分泌物除去のインパクトが緩和される。
【0041】
図5に示したグラフでは、時間50中の吸引の前に、複数回の呼吸52が積み重なっている。積み重なった呼吸52は、肺の機能回復手順として、及び/又は吸引の前に肺に酸素を送ることにより、分泌物除去のインパクトをさらに緩和する。
【0042】
図1に戻り、フロージェネレータ制御モジュール36と吸引タイミングモジュール38は、協働して、図2乃至5に示した現象を実施し、分泌物除去のインパクトを緩和する。例えば、フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して吸引前サブルーチンにおける呼吸を(例えば、図5に示したように)スタックする。フロージェネレータ制御モジュール36は、圧力ジェネレータ14を制御して、(例えば、図4に示したように)吸引に続いて呼吸又は肺機能回復手順を行う。吸引タイミングモジュール38は、(例えば、図5に示したように)吸気の終わりに吸引を開始してもよい。吸引タイミングモジュール38は、トリガー信号を生成して、気道に吸引を行う時間の長さを管理してもよい。あるいは、フロージェネレータ制御モジュール36及び/又は吸引タイミングモジュール38は、図2乃至5に示された及び/又はここに説明した他の動作を行い、分泌物除去のインパクトを緩和してもよい。
【0043】
吸引制御モジュール40は、吸引ジェネレータ32を制御するように構成されている。一実施形態では、吸引制御モジュール40は、吸引タイミングモジュール38により生成されたトリガー信号により自動的に吸引ジェネレータ32を制御する。
現在のところ最も実際的で好ましい実施形態と思われるものに基づいて本発明を例示を目的として詳細に説明したが、言うまでもなく、かかる詳細は単に例示を目的としたものである。本発明は開示の実施形態に限定されず、逆に添付した請求項の精神と範囲内の修正や等価物を含むものである。言うまでもなく、例えば、本発明では、可能な限り、どの実施形態の特徴を他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成された呼吸システムであって、
患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成された圧力ジェネレータと、
前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成するように構成されたセンサと、
コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成されたプロセッサと、を有し、前記コンピュータプログラムモジュールは、
前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきか示すトリガー信号を、前記センサにより生成された出力信号に基づいて生成するように構成された吸引タイミングモジュールを有する、呼吸システム。
【請求項2】
前記コンピュータプログラムモジュールは、さらに、前記吸引タイミングモジュールにより生成されたトリガー信号に応じて前記吸引カテーテルによる吸引が自動的に開始されるように、前記吸引カテーテルによる吸引を制御するように構成された吸引制御モジュールを有する、請求項1に記載の呼吸システム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムモジュールは、さらに、前記圧力ジェネレータを制御して、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを選択的に調整するジェネレータ制御モジュールを有し、前記ジェネレータ制御モジュールは、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整して、前記吸引カテーテルによる吸引により生じる前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータの変動を小さくするように構成されている、
請求項1に記載の呼吸システム。
【請求項4】
前記ジェネレータ制御モジュールは、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整して、前記タイミングモジュールにより生成されるトリガー信号に応じた前記吸引カテーテルによる吸引により生じる前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータの変動を小さくするように構成されている、請求項3に記載の呼吸システム。
【請求項5】
前記ジェネレータ制御モジュールは、前記吸引カテーテルによる吸引により生じる前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータの変動を小さくする、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータの調整が、前記センサにより生成される出力信号に基づくように構成された、
請求項3に記載の呼吸システム。
【請求項6】
患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成する方法であって、
患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成するステップと;
前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成するステップと;
前記出力信号に基づき、分泌物を除去するために前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを決定するステップと;
前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきとの決定に応じて、前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを示すトリガー信号を生成するステップと、を有する方法。
【請求項7】
前記生成されたトリガー信号に応じて前記吸引カテーテルによる吸引を自動的に開始する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを選択的に調整して、前記吸引カテーテルによる吸引により生じる前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータの変動を限界内に維持するステップを更に有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記タイミングモジュールにより生成されたトリガー信号に応じて、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサにより生成された出力信号に基づき、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整する、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
患者に人工呼吸するため前記患者の気道に送られる呼吸可能ガスの加圧フローを生成するように構成されたシステムであって、
患者の気道に送る、制御可能ガスパラメータを有する呼吸可能ガスの加圧フローを生成する手段と;
前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータに関する情報を担う出力信号を生成する手段と;
前記出力信号に基づき、分泌物を除去するために前記患者の気道に又はその近くに配置された吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを決定する手段と;
前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきとの決定に応じて、前記吸引カテーテルによる吸引を開始すべきことを示すトリガー信号を生成する手段と、を有する、システム。
【請求項12】
前記生成されたトリガー信号に応じて前記吸引カテーテルによる吸引を自動的に開始する手段をさらに有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを選択的に調整して、前記吸引カテーテルによる吸引により生じる前記患者の気道における又はその近くにおけるガスパラメータの変動を小さくする手段を更に有する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記選択的に調整する手段は、前記タイミングモジュールにより生成されたトリガー信号に応じて、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記選択的に調整する手段は、吸引前に、吸引中に、及び吸引後に、前記センサにより生成された出力信号に基づいて、前記呼吸可能ガスの加圧フローの制御可能ガスパラメータを調整する、
請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−508006(P2013−508006A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533727(P2012−533727)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054596
【国際公開番号】WO2011/045735
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】