説明

人工芝の芝葉引抜装置

【課題】使用済みの人工芝から、樹脂原料としてリサイクル可能な人工芝の芝葉部分だけを分別して効率的に回収することができる人工芝の芝葉引抜装置を提供すること。
【解決手段】引抜刃17を有する引抜ローラ3と、引抜ローラ3を軸方向に回転させる手段と、人工芝2と引抜ローラ3との相対位置を変化させる手段とを備え、引抜刃17が、複数の先鋭な突部が並列されて形成された刃部を有し、複数の引抜刃17が、引抜ローラ3の表面に、引抜ローラ3の外周に沿って、且つ、前記刃部を引抜ローラ3の回転方向に突出させて配置され、引抜ローラ3を回転させた状態で、人工芝2の裏側から人工芝2に当接させ、人工芝2の近傍における引抜刃17の先端部の移動方向と逆の方向に、当接状態を維持したまま人工芝2を移動させる、あるいは、人工芝2の近傍における引抜刃17の前記先端部の移動方向と同じ方向に、当接状態を維持したまま引抜ローラ3を移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリサイクル装置に関し、より詳細には、使用済みの人工芝から芝葉を樹脂原料としてリサイクル可能な状態で回収するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テニスコートやサッカー場等のグラウンドに敷設された人工芝の廃棄方法が問題となっている。通常、人工芝を敷設する場合、芝目に適量の砂を入れる(以下、この状態の人工芝を砂入り人工芝と記す)。また、グラウンドには、通常約55mm〜約75mmの長い毛足の人工芝が敷設され、芝目に砂とゴムチップとを適量に入れる。従来の砂入り人工芝の廃棄方法は、人工芝と砂とを一体として処分する複合処理であり、多くの場合、砂入り人工芝は産業廃棄物として埋め立て処分されてきた。一方、環境問題の高まりにつれて砂入り人工芝の廃棄費用も年々増大してきており、人工芝の張り替え費用における人工芝の廃棄費用の占める割合も年々増大してきている。そのため、使用済みの砂入り人工芝を適切かつ安価に廃棄あるいはリサイクルする方法が望まれている。
【0003】
下記特許文献1には、砂入り人工芝の回収及び再利用方法が開示されている。この砂入り人工芝の回収及び再利用方法によると、敷設面から剥離した人工芝を砂入り状態のままで回収して破砕場に搬送し、回収した人工芝を、砂入り状態のままで破砕機に投入して、所定サイズの砂抜き人工芝と砂とに分別することができる。分別された砂抜き人工芝は、公知の方法により、再生合成樹脂製品の原料として再製品化される。
【0004】
また、下記特許文献2の図1に開示されるように、従来の人工芝は、パイル(芝葉)が基材(基布)に植設され、そのパイルが、接着剤(バッキング材)により基材の裏側から固定される構造を有する。
【特許文献1】特開2007−132116号公報
【特許文献2】特開2002−192120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、従来の人工芝は、芝葉部分と、基布部分と、芝葉を基布に固定する接着剤としての合成ゴム部分とを備えて構成されている。これらの構成のうち、芝葉部分は、樹脂原料としてリサイクル可能なポリプロピレンやポリエチレン等で形成されている。そのため、人工芝の芝葉部分だけを分別して回収することができると、純度の高いリサイクル用の樹脂原料を提供することができる。例えば、油化装置を用いて回収した人工芝から再生原油を生成する場合、人工芝に含まれる樹脂以外の材料(合成ゴム部分)は残渣となるため、人工芝の芝葉部分だけを分別して回収することができないと、再生原油の生成率が低い。また、残渣は産業廃棄物として処分するしかなく、高額の廃棄費用が必要となる。従って、回収した人工芝から芝葉部分だけを分別する装置の実現が求められている。しかし、特許文献1に記載された砂入り人工芝の回収及び再利用方法では、回収した人工芝を所定サイズの砂抜き人工芝と砂とに分別することができるが、人工芝の芝葉部分だけを分別して回収することができない。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、使用済みの人工芝から、樹脂原料としてリサイクル可能な人工芝の芝葉部分だけを分別して効率的に回収することができる人工芝の芝葉引抜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的の達成のために、本発明に係る人工芝の芝葉引抜装置(1)は、引抜刃を有する引抜ローラと、前記引抜ローラを軸方向に回転させる手段と、人工芝と前記引抜ローラとの相対位置を変化させる手段とを備え、前記引抜刃が、複数の先鋭な突部が並列されて形成された刃部を有し、複数の前記引抜刃が、前記引抜ローラの表面に、前記引抜ローラの外周に沿って、且つ、前記刃部を前記引抜ローラの回転方向に突出させて配置され、前記引抜ローラを回転させた状態で、前記人工芝の裏側から前記人工芝に当接させ、前記人工芝の近傍における前記引抜刃の先端部の移動方向と逆の方向に、当接状態を維持したまま前記人工芝を移動させる、あるいは、前記人工芝の近傍における前記引抜刃の前記先端部の移動方向と同じ方向に、当接状態を維持したまま前記引抜ローラを移動させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る人工芝の芝葉引抜装置(2)は、上記の人工芝の芝葉引抜装置(1)において、前記引抜ローラ付近の前記人工芝を加熱する加熱手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る人工芝の芝葉引抜装置(3)は、上記の人工芝の芝葉引抜装置(1)または(2)において、複数の前記引抜刃が、前記引抜ローラの回転軸の軸方向に互い違いに取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る人工芝の芝葉引抜装置(4)は、上記の人工芝の芝葉引抜装置(1)〜(3)の何れかにおいて、前記引抜刃の前記刃部の形状が、鋸歯状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、使用済みの人工芝から、ほぼ芝葉部分だけを分別して効率的に回収することができる。従って、これら回収した芝葉部分は、残渣の原因となる合成ゴム部分がほとんど含まれない、純度の高いリサイクル用の樹脂原料となり得るため、油化装置を用いて、これら回収した人工芝の芝葉部分から再生原油を生成する際に、残渣の量を低減することができ、再生原油の生成率が高くなる。
【0012】
また、本発明の人工芝の芝葉引抜装置は、例えば軽トラック等の運搬用車両の荷台に積載することが可能な程度の大きさおよび重量に構成され得るため、回収した人工芝を破砕場等に運搬する必要がなく、人工芝を回収する現場において、芝葉の回収作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明及び図面において、同じ符号は同じ又は類似の構成要素を示すこととし、よって、同じ又は類似の構成要素に関する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置の概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図、(d)は(a)のD−D線に沿った断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置1は、人工芝2から芝葉を引き抜く引抜ローラ3と、人工芝2をX方向に移送させる送りローラ4と、送りローラ4が滑ることなく人工芝2を移送させるために人工芝2を押さえつける押さえローラ5と、引抜ローラ3を昇降させて、人工芝2の裏側に引抜ローラ3を当接させる昇降ユニット6と、引抜ローラ3付近の人工芝2に温風を供給する加熱手段7と、ベルト8を介して引抜ローラ3を駆動する引抜ローラ用モータ9と、ベルト10を介して送りローラ4を駆動する送りローラ用モータ11とを備える。
【0016】
加熱手段7は温風を生成し、生成された温風は、温風吹き出し口12から送出される(加熱手段7から温風吹き出し口12への温風ガイドは図示せず)。全ての或いは一部の押さえローラ5には、人工芝2の蛇行を防止するためのスプロケット13が取り付けられている。図1の(a)の例では、人工芝の芝葉引抜装置1には、6つの送りローラ4および6つの押さえローラ5が取り付けられ、昇降ユニット6には、2つの引抜ローラ3が取り付けられている。人工芝の芝葉引抜装置1の外寸は、概略で、例えば奥行き(図1(b)中に示すX方向)170cm×幅120cm×高さ120cmであり、人工芝の芝葉引抜装置1の底部四隅には、移動用の4つのキャスター19が取り付けられている。
【0017】
以下、人工芝の芝葉引抜装置1の動作を説明する。図2は、図1に示す人工芝の芝葉引抜装置1の動作状態における引抜ローラ3付近の拡大図であり、図3は、図2に示す人工芝2の断面図である。本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置1に投入される人工芝2は、図3に示すように、芝葉14の植設部141が基布15の裏側に貫通し、芝葉14のパイル部142が基布15の表側に突出するように植設され、基布15の裏側に貫通する芝葉14の植設部141が、接着剤としての役割をする合成ゴム16により、基布15の裏側から固定される構造を有する。また、人工芝2は、予め砂が分離された状態で、所定の幅、例えば約60cm〜約120cmの間の幅にカットされているものとする。
【0018】
まず、作業者が、芝葉14の植設部141が引抜ローラ3に対向するように、人工芝2を送りローラ4と押さえローラ5との間に挿入する。送りローラ4および押さえローラ5は、所定の速度で所定方向RおよびRにそれぞれ回転し、人工芝2をX方向に、所定の速度、例えば毎秒100〜150mmの速度で移送する。
【0019】
送りローラ4と引抜ローラ3との間には温風吹き出し口12が設けられており、加熱手段7は、少なくとも常温以上、例えば約100℃以上の温風Hを人工芝2の裏側に供給して、芝葉14と基布15とを固定する合成ゴム16の層を軟化させる。
【0020】
詳細は後述するが、引抜ローラ3は複数の芝葉引抜刃17を備え、芝葉引抜刃17が、引抜ローラ3の表面に、引抜ローラ3の外周に沿って、且つ、鋸歯状の刃部171(図6参照)を引抜ローラ3の回転方向Rに突出させて取り付けられている。引抜ローラ3は、所定の速度で所定方向Rに回転し、芝葉引抜刃17の刃部171が、基布15の裏側に貫通する芝葉14の植設部141を引っ掛けることにより、人工芝2の裏側から、基布15に植設された芝葉14を引き抜く。このとき、合成ゴム16の層が軟化しているので、芝葉14は容易に引き抜かれる。また、この際、芝葉引抜刃17が芝葉14を引き抜くのと同時に、基布15の裏側に貼り付けられている合成ゴム16の一部も削り取られる。従って、基布15および合成ゴム16をできるだけ削り取ることなく、芝葉14を引き抜くことができるように、適切な位置で引抜ローラ3を回転させることが必要である。本実施の形態(図1)では、回転中の引抜ローラ3の位置は、引抜ローラ3が昇降ユニット6により上昇され、ストッパ18によって上昇が停止されることで決定される。よって、回転中の引抜ローラ3の位置が上記したように適切な位置になるように、処理対象となる人工芝に応じて、ストッパ18の位置を予め調節しておくことが望ましい。。
【0021】
図4は、図2に示す引抜ローラ3の断面図である。図4に示すように、芝葉引抜刃17は、例えばボルト等の固定手段により、引抜ローラ3の表面に、引抜ローラ3の外周に沿って、且つ、刃部171を引抜ローラ3の回転方向に突出させて取り付けられている。図4中に示す引抜ローラ3の本体部分の直径φ、芝葉引抜刃17の刃部171が描く円の半径r、芝葉引抜刃17の厚さL、芝葉引抜刃17の長さL、引抜ローラ3の外周から突出する芝葉引抜刃17の高さL、および芝葉引抜刃17の刃部171の角度αは、例えば、φ=100mm、r=47mm、L=3mm、L=28mm、L=4.71mm、およびα=20°である。
【0022】
図5は、図2に示す引抜ローラ3の正面図である。図5に示すように、複数の芝葉引抜刃17は、引抜ローラ3の回転軸の軸方向に互い違いに取り付けられている。言い換えると、複数の芝葉引抜刃17は、引抜ローラ3の表面に、引抜ローラの外周に沿って、複数の列(符号A、Bで示す)毎に互い違いに取り付けられている。図5に示す芝葉引抜刃17の引抜ローラ3の軸方向の長さLは、約235mmである。処理対象の人工芝2の幅(約60cm〜約120cm)よりも芝葉引抜刃17の長さLを短くすることにより、芝葉14を引き抜くことにより摩耗する芝葉引抜刃17を、芝葉引抜刃17単位で交換することができる。
【0023】
このように、図4および図5の例では、引抜ローラ3の表面に、引抜ローラ3の外周に沿って、2列の列Aおよび2列の列Bの合計4列で1列あたり6個の芝葉引抜刃17が、ほぼ等間隔で、列A―列B―列A―列Bのパターンで互い違いに配置され、1つの引抜ローラ3あたり合計24個の芝葉引き抜き刃17が取り付けられている。
【0024】
図6は、図5に示す芝葉引抜刃17の部分拡大図である。図6に示すように、芝葉引抜刃17は、芝葉引抜刃17の一辺の全体にわたって刃部171を有し、その形状は鋸歯状である。図6中に示す刃部171の長さL、隣り合う刃部171の先端の間隔L、および刃部171の先端部の角度βは、例えば、L=3〜5mm、L=5.8mm、およびβ=60°である。芝葉引抜刃17の刃部171の形状を鋸歯状とすることにより、基布15の裏側に貫通する芝葉14の植設部141を効率よく引っ掛けて抜き取ることができる。
【0025】
引抜ローラ3によって引き抜かれた芝葉14Aと、芝葉14と共に削り取られた合成ゴム16とは、例えば送風器(図示せず)等の送風手段により吹き飛ばされ、引抜ローラ3の下方に設置された芝葉受け箱(図示せず)に集積される。芝葉受け箱に集積された、引き抜かれた芝葉14Aは、その後、公知の方法により削り取られた合成ゴム16と分別されて回収される。
【0026】
このようにして、本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置1は、人工芝2の基布15の裏側から、芝葉14だけを引き抜いて分別回収することができる。本実施の形態に示される人工芝の芝葉引抜装置1は、芝葉14の引き抜き漏れを低減するために、図1の(a)に示されるように、2つの引抜ローラ3を用いて芝葉14を引き抜く。これにより、処理する人工芝2の面積の約90%以上において、芝葉14を引き抜くことができる。また、本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置1を用いて、芝葉14だけを引き抜いて分別回収した後に、例えば、運搬用車両にて持ち運び可能な大きさの、公知の圧縮固化機または溶融固化機を用いて、回収した芝葉を減容してもよい。回収した芝葉を減容することで、回収した芝葉をより効率的に運搬することができる。
【0027】
以上、本発明を実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
上記実施の形態では、人工芝2を移送する速度、引抜ローラ3の数、および芝葉引抜刃17の数を一例として示したが、これに限定されず、処理対象となる人工芝2に応じて適宜変更することができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、引抜ローラ3、芝葉引抜刃17、および刃部171の大きさ、即ち、引抜ローラ3の本体部分の直径φ、芝葉引抜刃17の刃部171が描く円の半径r、芝葉引抜刃17の厚さL、芝葉引抜刃17の長さL、引抜ローラ3の外周から突出する芝葉引抜刃17の高さL、芝葉引抜刃17の刃部171の角度α、芝葉引抜刃17の引抜ローラ3の軸方向の長さL、刃部171の長さL、隣り合う刃部171の先端の間隔L、および刃部171の先端部の角度βの大きさを一例として示したが、これに限定されず、処理対象となる人工芝2に応じて適宜変更することができる。
【0030】
また、上記実施の形態では、芝葉引抜刃17の刃部171の形状は鋸歯状であるが、刃部171の形状は、基布15の裏側に貫通する芝葉14の植設部141を引っ掛けることができるように、先鋭な突出部(例えば楔)が複数並列された形状であればよい。
【0031】
また、上記実施の形態では、人工芝2を水平方向に移送しているが、人工芝2の移送方向はこれに限定されない。図7は、本発明の他の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置1が行う人工芝2の他の移送態様を説明するための引抜ローラ3付近の拡大図であり、(a)は人工芝2を鉛直に移送する場合の模式図、(b)は図2に示す配置の上下が逆転した状態で人工芝2を水平方向に移送する場合の模式図、(c)は人工芝2をS字型に屈曲させて水平方向に移送する場合の模式図、(d)は人工芝2をL字型に屈曲させて水平方向から鉛直方向に移送する場合の模式図である。即ち、図7の(a)〜(d)の例に示すように、人工芝2と引抜ローラ3とが、芝葉14の植設部141が引抜ローラ3に対向する位置関係を満たすように、人工芝2を移送すればよい。
【0032】
また、上記実施の形態では、引抜ローラ3を人工芝2に当接させ、引抜ローラ3を回転させた状態で人工芝2を移送しているが、これに限定されず、引抜ローラ3を人工芝2に当接させ、引抜ローラ3を回転させた状態で、人工芝2と引抜ローラ3との位置関係を変化させればよい。例えば、所定の距離だけ人工芝2を移送した後、人工芝2を停止させた状態で、引抜ローラ3を人工芝2に当接させ、引抜ローラ3を回転させた状態で引抜ローラ3を移動させてもよい。
【0033】
また、上記実施の形態では、引抜ローラ3の当接機構に昇降ユニット6を使用し、芝葉引抜刃17の適切な当接位置の調製機構にストッパ18を使用しているが、当接機構および調製機構はこれに限定されず、例えばストッパ18が昇降ユニット6に取り付けられていてもよい。
【0034】
また、上記実施の形態では、加熱手段7が生成する温風を人工芝2の裏側に供給して合成ゴム16の層を軟化させているが、これに限定されず、合成ゴム16の層を軟化させる手段であればよい。例えば、引抜ローラ3に当接される直前の人工芝2の部分を直接ヒータで加熱して、合成ゴム16の層を軟化させてもよい。
【0035】
また、上記実施の形態では、複数の芝葉引抜刃17を互い違いに取り付けているが、引抜ローラ3の回転軸方向の一直線上に間隔を空けずに、複数の芝葉引抜刃17を取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置の概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図、(d)は(a)のD−D線に沿った断面図である。
【図2】図1に示す人工芝の芝葉引抜装置の引抜ローラ付近の拡大図である。
【図3】図2に示す人工芝の断面図である。
【図4】図2に示す引抜ローラの断面図である。
【図5】図2に示す引抜ローラの正面図である。
【図6】図5に示す芝葉引抜刃の部分拡大図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る人工芝の芝葉引抜装置が行い得る人工芝の種々の移送態様を説明するための引抜ローラ付近の拡大図である。
【符号の説明】
【0037】
1 芝葉引抜装置
2 人工芝
3 引抜ローラ
4 送りローラ
5 押さえローラ
6 昇降ユニット
7 加熱手段
8 ベルト
9 引抜ローラ用モータ
10 ベルト
11 送りローラ用モータ
12 温風吹き出し口
13 蛇行防止スプロケット
14 芝葉
141 芝葉の植設部
142 芝葉のパイル部
14A 引き抜かれた芝葉
15 基布
16 合成ゴム
17 芝葉引抜刃
171 刃部
18 ストッパ
19 キャスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引抜刃を有する引抜ローラと、
前記引抜ローラを軸方向に回転させる手段と、
人工芝と前記引抜ローラとの相対位置を変化させる手段とを備え、
前記引抜刃が、複数の先鋭な突部が並列されて形成された刃部を有し、
複数の前記引抜刃が、前記引抜ローラの表面に、前記引抜ローラの外周に沿って、且つ、前記刃部を前記引抜ローラの回転方向に突出させて配置され、
前記引抜ローラを回転させた状態で、前記人工芝の裏側から前記人工芝に当接させ、
前記人工芝の近傍における前記引抜刃の先端部の移動方向と逆の方向に、当接状態を維持したまま前記人工芝を移動させる、あるいは、前記人工芝の近傍における前記引抜刃の前記先端部の移動方向と同じ方向に、当接状態を維持したまま前記引抜ローラを移動させることを特徴とする人工芝の芝葉引抜装置。
【請求項2】
前記引抜ローラ付近の前記人工芝を加熱する加熱手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の人工芝の芝葉引抜装置。
【請求項3】
複数の前記引抜刃が、前記引抜ローラの回転軸の軸方向に互い違いに取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の人工芝の芝葉引抜装置。
【請求項4】
前記引抜刃の前記刃部の形状が、鋸歯状であることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項に記載の人工芝の芝葉引抜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−133138(P2009−133138A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310731(P2007−310731)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(594177151)株式会社大晃 (7)
【Fターム(参考)】