人間観察に知覚されにくいテストパターン、およびインクジェットプリンタのテストパターンに対応する画像データの分析方法
【課題】プリントヘッド配向のずれと、プリントヘッドからのインクの射出に影響を与えるプリントヘッド特性と、を識別するため、印刷されるテストパターンを改良、および印刷されるテストパターンに対応する画像データの分析法を提供する。
【解決手段】方法が、人間観察に知覚されにくく、それにもかかわらずプリンタの中の画像装置により検出可能なテストパターンを受像部材上に生成する。プリンタ内で実現される方法が、受像部材の領域の中のプロセス方向に不規則に分布したテストパターン内の長点の画像データを分析し、プリンタ内のプリントヘッドの位置を識別してプリントヘッド内の行方不明のインクジェットを検出する。
【解決手段】方法が、人間観察に知覚されにくく、それにもかかわらずプリンタの中の画像装置により検出可能なテストパターンを受像部材上に生成する。プリンタ内で実現される方法が、受像部材の領域の中のプロセス方向に不規則に分布したテストパターン内の長点の画像データを分析し、プリンタ内のプリントヘッドの位置を識別してプリントヘッド内の行方不明のインクジェットを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、1つ以上のプリントヘッドを有するインクジェットプリンタ内のプリントヘッド位置の識別に関し、さらに詳細には、プリントヘッド内の行方不明のインクジェットを識別する画像データの分析に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なインクジェットプリンタは、受像部材上にインク画像を形成するために1つ以上のプリントヘッドを使用する。各プリントヘッドは、オープンギャップを横切って受像部材にインク滴を射出して画像を形成するための個々のノズルの配列を通常含んでいる。受像部材は記録媒体の連続ウェブ、ひと続きの媒体シートであってもよく、または受像部材は印字ドラムまたはエンドレスベルトのような回転表面であってもよい。回転表面上に印刷された画像は、回転表面およびトランスフィックスローラにより形成されるトランスフィックスニップ内の機械力により記録媒体に後で転写される。インクジェットプリンタは、受像部材上の特定の場所に個々のインク滴のパターンを印刷することにより画像データに基づいて印字図形を形成する。
【0003】
印字図形が画像データに厳密に対応するように、画像表面に関して、およびプリンタ内の他のプリントヘッドと、プリントヘッドの見当を合わせなければならない。プリントヘッドの見当合わせは、既知のパターンでインクを射出するようにプリントヘッドを作動させて、その後、射出されたインクの印字図形を分析して画像表面に関する、およびプリンタ内の他のプリントヘッドに関するプリントヘッドの配向を決定するプロセスである。
【0004】
印字図形の分析は2方向に関して実行される。「プロセス方向」は、射出されたインクを受け取るために画像表面がプリントヘッドを通過するときに、受像部材が動いている方向を示し、「クロスプロセス方向」は受像部材の幅を横切る方向を示している。印字図形を分析するために、テストパターンを生成する必要があり、インクを射出するように作動されたインクジェットが実際にインクを射出したかどうかに関して、および受像部材およびプリンタ内の他のプリントヘッドに関してプリントヘッドが正確に配向されていればインクが付着したであろう場所に射出されたインクが付着したかどうかに関して判断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像データを生成する環境は汚されていない状態ではない。このシナリオではいくつかの雑音源が存在しており、見当合わせプロセスで対処される必要がある。したがって、印刷されるテストパターンの改良、および印刷されるテストパターンに対応する画像データの分析の改良は、プリントヘッド配向のずれと、プリントヘッドからのインクの射出に影響を与えるプリントヘッド特性と、を識別するのに有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
方法が、プリンタ内のプリントヘッドの位置と、プリンタ内のプリントヘッドの間の見当合わせと、を識別するためにプリンタにより受像部材上に生成された、プロセス方向に不規則に分布するテストパターンに対応する画像データを分析する。方法は、受像部材の画像データ内で、テストパターンが印刷された受像部材の領域を識別することを含み、テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、第1の所定個数は第2の所定個数とは異なっており、識別された領域内に印刷されたテストパターンに対するプロセス方向位置を特定することを含み、テストパターンはテストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別することを含み、テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別することを含み、テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別することを含み、少なくとも1つのインクジェットエジェクタがテストパターン内に長点を形成すると予想されて、長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更することを含んでいる。
【0007】
人の目に知覚されにくく、またプリントヘッド位置の識別も可能にするテストパターンを作り出すために、テストパターンを印刷するための方法に基づいてプリンタのプリントヘッドを作動させる。方法は、受像部材上のテストパターン内に少なくとも1つの長点を射出するために、複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド内の少なくとも1つのインクジェットエジェクタを作動させることを含み、長点はテストパターン領域の中にプロセス方向に不規則に位置しており、テストパターン内にプロセス方向に不規則に位置する少なくとも1つの長点を形成するためにインクを射出するように各プリントヘッド内の各インクジェットエジェクタを作動させるまで、複数のプリントヘッド内のインクジェットエジェクタを連続して作動させることを含んでいる。
【0008】
プリンタはプロセス方向に不規則に分布するテストパターンに対応する画像データを分析して、プリンタ内のプリントヘッドの位置と、プリンタ内のプリントヘッドの間の見当合わせと、を識別する。プリンタは、プリンタの中を通ってプロセス方向に媒体を搬送するように構成された媒体搬送を含み、複数の作動装置を含み、複数の色ステーションを含み、各色ステーションは複数の色ステーション内の他の色ステーションにより射出されるインクとは異なる色を有するインクを射出し、各色ステーションは縦横に配置された複数のプリントヘッドを含み、色ステーション内のプリントヘッドから射出されたインクを媒体が受け取った後に、プリンタの中を通ってプロセス方向に搬送中の媒体のクロスプロセス部分に対応する画像データを生成するために媒体搬送の一部に対してもっとも近くに取り付けられた画像装置を含み、画像装置と、複数の作動装置と、プリントヘッドとに動作的に接続されたコントローラを含み、コントローラは、媒体の画像データ内でテストパターンが印刷された媒体の領域を識別する(1)ように構成され、テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、第1の所定個数は第2の所定個数とは異なっており、識別された領域内に印刷されたテストパターンに対するプロセス方向位置を識別する(2)ように構成され、テストパターンはテストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別する(3)ように構成され、テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別する(4)ように構成され、テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別する(5)ように構成され、少なくとも1つのインクジェットエジェクタがテストパターン内に長点を形成すると予想されて、長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更する(6)ように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】テストパターン内のマーキングの位置を識別するための方法のフローチャートである。
【図2】人間観察に知覚されにくく、かつ本明細書に記載の方法とともに使用するのに適しているサンプルテストパターンである。
【図3】テストパターン内の識別の色に対する長点を形成するとともに、テストパターンの画像データ内で依然として検出可能であるために必要なインク滴の個数を識別するためのプロセスのフローチャートである。
【図4】テストパターンが印刷された長点領域の始まりと終わりを識別するためのプロセスのフローチャートである。
【図5】テストパターンの画像データからテストパターンのプロファイルを生成するための方法のフローチャートである。
【図6】図2に示すのと類似のテストパターンのプロファイルの一部である。
【図7】テストパターン内の長点のクロスプロセス位置を見つけるための方法のフローチャートである。
【図8】ステッチ界面を横切る2つのプリントヘッドの間のステッチ変位を計算する方法を示す図である。
【図9】ステッチ界面を横切る2つのプリントヘッドの間のステッチ変位を計算する他の方法を示す図である。
【図10】プロセス方向のプリントヘッドの相対位置を見つけるための方法のフローチャートである。
【図11】テストパターンに対する画像データから測定された射出されたインク滴位置に対するベクトルと、予想されるインク滴位置に対する第2のベクトルと、を示す図である。
【図12】最も低いグレー・スケール・レベルから最も高いグレー・スケール・レベルまで分類されたテストパターンの光学センサデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
テストパターンの画像データを分析するためのプロセス105を図1に示している。プロセス105は、印刷システムの受像部材の表面上に印刷されたテストパターンの画像データを取得するために画像装置を使用する。一実施形態の画像装置は、受像部材上の画像領域の幅を横切って延びるバーまたは他の縦構造に取り付けられた光学検出器の配列を含んでいる。画像領域のクロスプロセス方向の幅が約20インチであり、プリントヘッドがクロスプロセス方向に600dpiの分解能で印刷する一実施形態では、画像部材を横切って単一走査線を生成するために12,000個を超える光学検出器がバーに沿って一列に配列されている。光学検出器は、受像部材の表面の方へ光を向ける1つ以上の光源内で関連するように構成されている。光学検出器は、光源により生成された光が受像部材から反射された後に光を受信する。受像部材の何も印刷されていないむき出しの表面による光の反射に呼応して光学検出器により生成される電気信号の大きさは、受像部材上のインク滴から反射される光に呼応して生成される信号の大きさよりも大きい。生成される信号の大きさのこの差を使用して、紙シート、媒体ウェブ、または印字ドラムのような受像部材上のインク滴の位置を識別してもよい。
【0011】
プロセス105のような画像分析プロセスとともに使用するのに適しているテストパターン例を図2に示している。この種類のパターンは、紙またはフィルムウェブなどの印刷プロセスの後に通常破棄される受像部材の一部上に印刷されるようになされている。このため、図2に示すようなテストパターンを印刷する領域のことを本書では長点領域と呼んでいる。
【0012】
長点領域内のテストパターンの視認性を減少させるために、テストパターン300が開発された。図2に示す実施形態では、テストパターン300は、青緑色、赤紫色、黄色、および黒色(CMYK)の色ステーションを用いるプリンタとともに使用するように構成されている。また、テストパターン300は、CMYK色を組み合わせて印刷するように配列された色ステーション内のプリントヘッドとともに使用するように構成されている。長点はプロセス方向に不規則に分布している。
【0013】
一実施形態では、長点は、文書間の境界近くに位置する有限領域全体にわたって、または文書間の境界を越えて分布している。この場合、この領域内には画像内容は提供されず、その理由は、これらの長点の検出を画像内容が妨げることになるためである。この実施形態では、短点位置情報を画像分析器に渡す限りは、長点位置は一定の既知のパターンであるか、または本当にさまざまなパターンである可能性がある。第2の実施形態では、長点は文書全体にわたって不規則に分布している。この場合、長点を配設するための画像のない空白の空間であって、対象とする長点位置の周囲に十分な非画像緩衝領域が存在している空間に対して、文書に対する画像データを分析する必要がある。この実施形態では、配設された長点位置情報を画像分析器に渡す。このパラグラフに記載の第1の実施形態のより厳しいグループ分けは、エジェクタ見当合わせ情報に、より良いエジェクタを提供し、他方、第2の実施形態のより分散した長点位置は、より多くの長点を目立たずに提供する。
【0014】
本明細書で使用するように、長点は、受像部材上に単一のインクジェットエジェクタにより形成される、受像部材上の1つ以上のインク滴の配置を示している。テストパターンは、本明細書で使用するように、プリンタの色ステーション内のプリントヘッドに対してプロセス方向位置データおよびクロスプロセス方向位置データを識別できるようにする長点の配置である。図2では、テストパターン300の各カラム内の長点は、インクジェットプリントヘッド内の1つのインクジェットエジェクタが長点を形成し、次のカラム内のその長点は、クロスプロセス軸336の方向に7画素ほどずれている他のプリントヘッド内のインクジェットエジェクタに由来するように7画素に関して配置されている。画素はクロスプロセス方向の隣接するカラム内のインク滴の間の間隔を示している。テストパターン300の隣接するカラム内の長点の間の空間320のような空間は、6画素の幅である。
【0015】
長点302の長さが、長点を形成するのに使用されるインク滴数に対応している。異なる色の長点は異なるインク滴数で生成される。インク滴数は、受像部材がプロセス方向に光学検出器を通過するとき光学検出器で検出可能であるが、一方、人の目で知覚するのは困難な長点を生成するように選択される。光源と光学検出器との色のスペクトルが、異なるインク色に対する光学検出器の相対感度を決定する際の要素である。したがって、この要素は各色の長点を検出可能にするのに必要なインク滴数に影響を与える。光学検出器が画像化する受像部材の距離は、光学検出器を通過する受像部材の速度と、光学検出器のライン速度とに依存している。受像部材上の画像領域の幅を横切って延びる、光学検出器により取得される画像データの単一横列を、本明細書では走査線と呼んでいる。後述の実施形態では、ウェブ速度および光学検出器のライン走査周波数は、1インチあたりの走査線本数270(spi)の走査速度をもたらす。
【0016】
図2に示す実施形態では、青緑色長点304が2つのインク滴で形成され、赤紫色長点308が2つのインク滴で形成され、黄色長点312が5つのインク滴で形成され、黒色長点316が単一のインク滴で形成されている。一実施形態では、プロセス方向332の長点領域の長さが約20走査線であり、クロスプロセス方向に受像部材の全幅を横切って延びており、この全幅はこの実施形態では約19.5インチである。長点は、1から、すべての長点を長点領域内に印刷できるようにする数の範囲の乱数を生成することにより、一実施形態内の長点内に不規則に分布している。長点に対する開始位置を指定するために、不規則に生成した数から印刷予定の長点の長さを差し引く。
【0017】
議論される実施形態では、1,664個の長点が長点領域内の56個のプリントヘッドにより印刷される。印刷領域を通過する受像部材上に画像を形成するのに使用される印刷領域内の各プリントヘッドからインクジェットエジェクタの異なる集合を含むようにするために、異なる長点領域内でクロスプロセス軸に沿って図2のテストパターン300を繰り返してもよい。長点をプロセス方向に不規則に分布させる実施形態について議論しているが、他の実施形態は、異なる色の長点に対して異なるインク滴長さの長点を依然として用いながら、長点領域の切れ目上ですべての長点を開始したり、または終了させたりしてもよい。さらに、議論はプロセス方向のランダム分布を含んでいるが、長点がクロスプロセス方向の直線と交差するのを回避して、かつ周期パターンの導入を回避する任意の分布は、知覚されにくい文書間領域パターンを提供するであろう。
【0018】
図2に示すテストパターンの実施形態は、ドムター・ハスキー・オフセット75gsm(1平方メートルあたりのグラム数)紙のウェブ上にインクを射出するCMYK固体インク・ウェブ・プリンタとともに使用するために開発された。他の種類の受像部材に適した他の長点の長さは、図3に示すプロセスを用いて開発してもよい。プリンタで使用される1つの色に対して選択された長さの複数の長点を受像部材上に印刷して(ブロック350)、長点を画像化する(ブロック354)。画像データ内の各色の長点に対して、詳細に後述するように、長点プロファイルを生成して、極小を識別し、真の極小を補間する(ブロック358)。極小値のヒストグラムを作る(ブロック362)。また、何も印刷されていないむき出しの受像表面の画像データに対するグレースケール応答の同様のヒストグラムを作成して(ブロック366)、2つのヒストグラムを比較する(ブロック370)。両方のヒストグラムは、平均と標準偏差とを有するガウス形を有する可能性が高い。2つのヒストグラムが重ならないとき、選択された長さの長点は、何も印刷されていないむき出しの受像表面と容易に区別される(ブロック374)。長点の長さを短くして(ブロック378)、プロセス(ブロック350〜370)を繰り返す。その色のより短い長点を印刷して、画像化し、ヒストグラムを作るとき、2つのヒストグラムは重なり始める。重複の程度を所定の閾値と比較して(ブロック382)、閾値を超えていないとき、長点を短くして(ブロック394)、プロセスを繰り返す(ブロック350〜370)。このプロセスは2つのヒストグラムの間の重複が所定の閾値を超えるまで継続し、以前に試験された長点に対する長点の長さを、現在試験中の色に対する長点の長さとして選択する(ブロック386)。その特定の色の長点の検出の信頼性を阻害する多くの検出漏れと誤検出とを引き起こすコントラストの欠如を識別するように閾値を選択する。このプロセスを各色に対して実行して(ブロック390)、受像表面上に印刷でき、画像装置により確実に検出できる最短長点を識別する。
【0019】
図1の105のプロセスは、テストパターンの画像データ内でテストパターンのインク滴を取得する走査線範囲を識別することにより始まる(ブロック110)。テストパターンを形成するインク滴の位置に対応する信号を抽出するための1つの方法を図4に示している。信号抽出プロセスは、光学センサにより取得される走査線から光学センサ位置に対する最小グレー・スケール・レベルを識別して(ブロック404)、識別された最小グレー・スケール・レベルをグレースケール閾値と比較する(ブロック408)ことにより始まる。識別された最小グレー・スケール・レベルがグレースケール閾値よりも小さいとき、この最小グレー・スケール・レベルが現れる走査線に対するヒストグラムカウントの値を1だけ増加させる(ブロック412)。このプロセスは、テストパターンを画像化するのに使用された光学センサのすべてに対して継続する(ブロック416)。最大のカウント値を有するヒストグラム内のセルに対応する走査線は、テストパターンが印刷された走査線範囲を規定する。この範囲内の最初の走査線はプロセス方向のテストパターンの立ち上がりエッジとして識別され、この範囲内の最後の走査線はプロセス方向のテストパターンの立ち下がりエッジとして識別される(ブロック420)。ヒストグラムは受像表面内の構造に起因する不規則雑音を除去することを可能にし、その理由は、このような雑音だけを経験するセンサ位置は、テストパターン内の1つまたは複数のインク滴をセンサが画像化したことを示しているヒストグラムカウントを取得できないためである。プロセス方向のテストパターンの両側にいくつかの空白の受像部材ラインを含むことを確保するために、テストパターンに対して識別される走査線範囲を、一方または両方のエッジにおいて所定範囲だけ増加させてもよい。
【0020】
次に、光学検出器応答に関して長点プロファイルを識別する(ブロック114、図1)。一実施形態では、図5に示すプロセスを用いて長点プロファイルを識別する。最初に、プロセスは走査線の識別された範囲内の光学検出器に対するグレー・スケール・レベル応答を分類して、最も小さいグレースケール値をカラム内の一番上の位置に位置付け、最も高いグレースケール値をカラム内の一番下の位置に位置付ける(ブロック504)。分類されたカラム内の最初のN値に対する平均グレースケール値を計算する(ブロック508)。各光学検出器に対してこの処理を繰り返す(ブロック512)。カラムのすべてを分類してグレースケール平均を識別した時点で、平均を光学検出器位置全体にわたって写像する(ブロック516)。この写像の例を図6に示している。図6に示す部分では、グレー・スケール・レベル関数内の極小に対応する光学検出器は、クロスプロセス方向のインク滴位置に対応すると識別される。すなわち、それの上にインクをほとんど有していない受像部材の一部を検知する検出器で、グレースケール平均レベルが、より高くなっており、インク滴が存在している場所で、より低い値が生じている。したがって、Nの小さい値は、より高いコントラスト信号を与えるが、その信号は受像表面内の雑音に対して敏感である傾向がある。Nのより高い値は、受像表面内の雑音に対する敏感さを低減させるが、インクのない受像表面に対応する平均計算内に、より多くのグレースケール値を含んでいるとき、インクのない受像表面のグレースケール値に近い平均グレースケール値を生成する。このため、結果として得られる信号はコントラストを喪失する。一実施形態では、受像表面が雑音構造の影響を比較的受けないため、Nは値2に設定された。受像表面が、より多くの雑音構造を有している他の実施形態では、Nのより高い値は、あまりに多くのコントラストを犠牲にすることなく、構造に起因する雑音を減衰させるのに使用される。
【0021】
図6の写像は、黄色のインク滴画像が青緑色のインク滴画像よりも高いグレースケール平均を有し、この青緑色のインク滴画像は赤紫色のインク滴画像よりも大きいグレースケール平均を有し、黒色のインク滴画像はすべてのインク滴画像のうちで最も小さいグレースケール平均を有するデータを用いて分析される。したがって、黄色の長点Y1およびY2が、それぞれ、青緑色、赤紫色、および黒色に、それぞれ対応するより多くのコントラストを提供する他のインクC1、C2、M1、M2、K1、およびK2に対する平均グレーレベルよりも高い平均グレーレベルを有する極小を提示する。図6に示す写像は、分類された光学検出器応答に対する平均グレースケール値に対するプロファイルを示しており、長点プロファイルと呼んでもよい。
【0022】
生成された長点プロファイルは、長点プロファイル内の各長点の中心に対応するクロスプロセス位置を決定するために、さらに分析される(ブロック118、図1)。各長点の中心を見つけるために、図7に示すようなフィルタリングおよび補間プロセスを使用してもよい。図7では、プロセス200は低域フィルタカーネル関数を用いて長点プロファイルデータを畳み込むことにより始まる(ブロック204)。低域フィルタリング畳み込みは、画像データ内の長点にではなく雑音に起因する画像データ値内の突然のスパイクを取り除いて、さらに走査線データを滑らかにする働きをする。フィルタリングされた画像データ内にひと続きの極小を見つける(ブロック208)。図6内の短点により識別される各極小は、光学検出器の分解能でフィルタリングされた画像データ内の長点の中心に対応している。さらに具体的に長点の中心を識別するために、極小は、識別された極小のそれぞれの側に隣接する画素からグレーレベル値に関して補間される(ブロック212)。この補間は、より正確に極小を識別するために、これらの3つのデータ値を曲線に合わせて近似することにより実行してもよい。1つの補間スキームでは、二次曲線を補間に使用する。近似曲線の最小値のクロスプロセス位置を計算して、テストパターン内の長点の中心として保存する(ブロック216)。テスト・パターン・プロファイル内で識別される各極小に対して、ブロック208〜216の処理を実行する。
【0023】
図1のプロセス105は、検出された長点指標を行方不明の長点に対して補正することにより継続する(ブロック122)。テストパターンのいくつかの既知の特性を用いて、行方不明の長点の欠如および識別を達成してもよい。一例として、予想されるよりも大きな距離が、1つまたは複数の行方不明の長点の付近で検出される長点の中心を分離する。十分広い余白により長点間の距離が予想される距離を超えている場合、1つ以上のエジェクタがテストパターンから行方不明であると見なされる。使用してもよい他の特性は、長点プロファイルにより実証されるコントラストである。上述のように、長点中心はインク色により異なる極小値に対応している。したがって、一実施形態では、これらの異なるコントラスト値を使用して、行方不明の長点の色を識別する。行方不明の長点を考慮するために、識別されたインクジェットエジェクタの指標を調節する。例えば、指標4および5で予想される長点が行方不明である7個の予想される長点の配列では、長点3および6の中心が、通常予想される距離の約3倍の距離で分離されている。エジェクタ6をエジェクタ4であると誤って識別する代わりに、プロセス105は行方不明の長点を検出して、エジェクタ6に正しい指標を割り当てる。検出される長点を生成しないインクジェットエジェクタには、使用不可能なインクジェットエジェクタを補ったり、またはプリントヘッドが故障しているという信号を送ったりするために別々に指標を付けてもよい。
【0024】
プロセス105は、受像部材内のドリフトに起因するクロスプロセス変位を測定して修正する(ブロック126、図1)。媒体ドリフトの大きさおよび方向を測定するために、テストパターン内のすべての長点の検出されたクロスプロセス位置の平均を、長点に対する予想される平均位置と比較する。クロスプロセス変位は、測定された平均位置と予想される平均位置の間の差である。プロセス105は、反対方向の長点の検出されたクロスプロセス位置と、検出された片寄りの大きさとを調節することにより、媒体ドリフトの影響を相殺する。
【0025】
プリントヘッドのプロセス方向位置を決定すると、分析プロセス105は印刷領域内の異なるプリントヘッドの直列位置合わせを識別する(ブロック130)。直列位置合わせは、印刷領域内の対応するプリントヘッドで使用される対応するエジェクタのクロスプロセス位置合わせと定義される。
【0026】
テストパターン300はクロスプロセス軸336に沿って位置合わせされた長点を示しているが、後続のテストパターン内の印刷カラム内の対応するインクジェットエジェクタに属する長点は、異なるプリントヘッドのクロスプロセス位置の変化のせいで正しく位置合わせされていない場合がある。テストパターン長点の検出されたクロス・プロセス・プロファイルを用いて、プロセス105は基準プリントヘッドからのクロスプロセス位置と、印刷カラム内の第2のプリントヘッドのクロス・プロセス・プロファイルと、を比較する。印刷カラムは、受像部材のだいたい同じ部分に向かい合っている、プロセス方向に配置されたプリントヘッドに対応している。2つのプリントヘッドの間に位置ずれがあるとき、プリントヘッド・インクジェット・エジェクタの目標位置は移動する。直列位置合わせを決定するために、1つのプリントヘッドを基準プリントヘッドとして選択し、基準ヘッドと、印刷カラム内の他の任意のヘッドとの間で印刷されるノズルの共通集合を識別する。次に、重複領域内の2つのプリントヘッド内のノズルの各対に対して、測定されたノズル間隔と予想されるノズル間隔の間の差を計算する。これらの測定された差を平均して、各印刷カラム内の相対的なヘッドオフセットを与える。印刷カラム内の各ヘッドと、基準ヘッドとの間の相対的なヘッドオフセットを調節して、相対的なヘッドオフセットの平均が合計ゼロになる。印刷カラム内のプリントヘッドのうちの1つ以上の位置を変更することにより、相対的なヘッドオフセットを調節する。他の実施形態では、1つのプリントヘッドを基準プリントヘッドとして指定し、その基準プリントヘッドを除く他のすべてのプリントヘッドを動かして、システムを位置合わせする。
【0027】
プリントヘッドに、またはプリントヘッドを取り付けてある取り付け部材に動作的に連結された電気モータのような作動装置を用いてクロスプロセス方向にプリントヘッドを調節してもよい。これらの作動装置は、プロセス105を実現するように構成されたコントローラにより生成されてもよい制御信号に応答する、通常、電気機械装置である。一実施形態では、独立した作動装置に各プリントヘッドを動作的に連結してもよい。他の実施形態では、通常、単一のプリントヘッドバーに取り付けられた2つ以上のプリントヘッドの群を単一の作動装置に動作的に連結して、単一の作動装置によるプリントヘッド群の移動を可能にしてもよい。プリントヘッドのうちの1つを除くすべてを、独立した二次的な作動装置にさらに機械的に連結して、第1の作動装置だけが独立した作動装置を有していないプリントヘッドを調節する。
【0028】
クロスプロセス方向のプリントヘッド位置合わせの他の形態が、ステッチ位置合わせとして知られている。ステッチ位置合わせは、印刷配列内の隣接するプリントヘッドの間の界面境界で行われる。複数のプリントヘッドを一緒に「縫い合わせ」て、クロスプロセス方向の継ぎ目のない直線を形成する。例えば、プリントヘッドの右端のインクジェットエジェクタが、他のプリントヘッドの左端のインクジェットエジェクタにより射出されたインク滴に隣接するインク滴を射出できる。同じ色の隣接するヘッドのエッジノズルの間にギャップまたは重複部分が存在しているとき、ステッチエラーが起こる。
【0029】
図1のプロセス105では、クロスプロセス方向の長点位置測定の測定値からXステッチ位置合わせを計算する(ブロック134)。この位置合わせを計算する1つの方法を図8に示している。プリントヘッド間の各ステッチ界面に対して、ステッチ界面の左側のプリントヘッドの右端の16個のノズルのクロスプロセス位置を、ノズル指標に対してプロットしている。ノズル指標は、各インクジェットエジェクタを一意的に識別するためにインクジェットエジェクタに割り当てた番号を示している。例えば、880個のインクジェットエジェクタを有するプリントヘッドでは、インクジェットエジェクタに1〜880の範囲の番号を一意的に割り当ててもよい。このプロットでは、ステッチ界面の右側のプリントヘッドの16個のノズルのクロスプロセス位置を、ノズル指標に対してプロットしている。直線は16個のノズルの各群の中を通って適合し、界面まで外挿される。外挿された2本の直線の間の差を、ステッチ変位と定義する。
【0030】
ステッチ変位の他の計算を図9に示している。このプロセスでは、ステッチ界面の左側のプリントヘッドの右端の16個のノズルの平均位置904を計算してもよく、また、ステッチ界面の右側のプリントヘッドの左端の16個のノズルの平均位置908を計算してもよい。平均位置の間の予想される間隔は16個のジェットに対応しなくてはならない。測定された間隔912と予想される間隔の間の差がステッチ変位である。方法にかかわらず、プリンタ内の各ステッチ界面に対してステッチ変位計算を実行する(ブロック138、図1)。
【0031】
見当合わせプロセス105は、プロセス方向のプリントヘッドのそれぞれの相対位置を決定する(ブロック138)。
【0032】
プロセス方向の各プリントヘッドの相対位置を決定するためのプロセス例600を図10に示している。プロセス600は、図2からのテストパターン300のようなテストパターン内の単一プリントヘッドから射出されたインクを検出した各光学センサに対するグレースケールデータの分類されていない各カラムを識別することにより始まる(ブロック604)。一実施形態では、グレースケール平均と、長点の中心に対して識別されたクロスプロセス位置と、長点を印刷するためのプリントヘッド内のインクジェットエジェクタを作動させるのに使用されるテストパターンデータと、を用いて、テストパターンデータ内の単一プリントヘッドから射出されたインク滴の中心を検出した光学センサから、画像データのカラムを識別する。画像データのこれらの識別されたカラムのうちの1つを選択して、極小を識別し、極小を通じてプロファイルの真の最小を補間する(ブロック608)。真の極小を求めるための極小の識別およびプロファイルの補間は、図7に関して上述したような方法で実現してもよい。このプロセスは、プリントヘッドに対する画像データのカラムのすべてを処理するまで継続する。真の極小は、プリントヘッドにより形成される長点の中心の走査線位置である。これらの真の極小を、長点を生成したインクジェットエジェクタに対する指標に写像することにより形成されるベクトルはランダムラインであり、その理由は、長点をプロセス方向に不規則に分布させたためである(ブロック612)。指標は、プリントヘッド内のインクジェットエジェクタを識別するのに使用される番号である。一実施形態では、指標は、左端のインクジェットエジェクタに対して1番で始まり、プリントヘッドを横切って右端のエジェクタまで各インクジェットエジェクタに対して徐々に増加しながら継続する。他のベクトルは、予想される真の極小を、プリントヘッドから長点を形成するように作動されるインクジェットに対する指標に写像することにより形成され、各インクジェット指標におけるこれらの2つのベクトルの間の差を平均して、プロセス方向のプリントヘッドの変位を識別する(ブロック614)。このステップに続いて、2つのベクトルの間の差から、長点の長さの半分を差し引く。例えば、1滴を含む黒色長点と、5滴を含む黄色長点とを比較していると仮定する。長点の中心は、黒色長点に対する第1の、かつただ1つの滴の中心にある。長点の中心は、黄色長点に対する第3の滴の中心にある。したがって、各長点から射出される第1の滴を位置合わせするために、プロセス方向のインクの(5−1)/2=2滴の長さを、すべての黄色長点から差し引かなければならない(ブロック616)。差を計算するのに使用されるこれらの2つのベクトルの一部の例を図11に示している。さらなるプリントヘッドのプロセス方向変位を計算する必要がある場合(ブロック618)、このプロセスが継続する(ブロック604)。さらなるプリントヘッドのプロセス方向変位を計算する必要がない場合、図1の画像分析プロセスが継続する(ブロック622)。
【0033】
知覚されにくいテストパターンからプリントヘッドのプロセス方向位置を決定すると、分析プロセス105は行方不明のインクジェットエジェクタを識別する(ブロック142、図1)。図12に示すように、テストパターン内のインク滴に対応するグレースケール値は、規則的間隔のカラムの一番上、または一番上付近に位置している。この分類されたデータの分析は、より濃いインク滴グレースケール応答が予想されるにもかかわらず、何も印刷されていないむき出しの受像部材を示すグレースケール値が代わりに見つかる位置におけるグレースケール値に応じて、行方不明の、または機能が劣化しているインクジェットを識別できる。上述のように、より明るい色インクに対するグレースケール値は何も印刷されていないむき出しの受像表面のグレースケール値に非常に近い可能性があり、その結果、インクジェットを誤って行方不明と識別する可能性がある。
【0034】
一実施形態では、同じエジェクタを含む少なくとも2つのテストパターンを印刷して分析した後に、行方不明のインクジェットと識別されたインクジェットを調べる。2つ以上のテストパターンの分析でインクジェットが行方不明と識別された場合、誤検出が不規則に分布する可能性が高く、同じインクジェットに対して誤検出を繰り返す可能性が低いとき、インクジェットは行方不明か、または機能が劣化している確率が、より高い。他の実施形態では、行方不明であると識別された任意のインクジェットを文書印刷時には停止させ、テストパターンの後続の集合を印刷するためには使用する。テストパターンの後続の集合の分析が、あらかじめ停止させた任意のインクジェットを行方不明であると識別しないことを示している場合には、停止させた任意のインクジェットを文書印刷動作に復帰させる。
【0035】
いくつかの印刷ジョブでは、文書領域が非常に短いために、長点領域内に次のテストパターンを印刷する前に、プロセス105により実行される分析が完了していない可能性がある。例えば、4インチはがきを含む印刷ジョブでは、文書領域が印刷のための所定位置に来る前に、測定されたプリントヘッド位置と、実際のプリントヘッド位置との比較(上述の図11)がまだ実行されていない可能性がある。一実施形態では、長点領域内のテストパターンを非同期的に処理する。プロセス方向のプリントヘッド位置を識別できるまで、プロセス105内のすべての処理は同じ状態のままである。プロセス方向のプリントヘッド位置を識別した後に、その時までに処理されたすべてのテストパターンに対する2つのベクトルの間の差の標準偏差を識別する。最も小さい標準偏差は、処理され分析されたテストパターンを識別する。その後、行方不明のインクジェットに対して、これらのテストパターンに対するグレースケール値を上述のように評価する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、1つ以上のプリントヘッドを有するインクジェットプリンタ内のプリントヘッド位置の識別に関し、さらに詳細には、プリントヘッド内の行方不明のインクジェットを識別する画像データの分析に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なインクジェットプリンタは、受像部材上にインク画像を形成するために1つ以上のプリントヘッドを使用する。各プリントヘッドは、オープンギャップを横切って受像部材にインク滴を射出して画像を形成するための個々のノズルの配列を通常含んでいる。受像部材は記録媒体の連続ウェブ、ひと続きの媒体シートであってもよく、または受像部材は印字ドラムまたはエンドレスベルトのような回転表面であってもよい。回転表面上に印刷された画像は、回転表面およびトランスフィックスローラにより形成されるトランスフィックスニップ内の機械力により記録媒体に後で転写される。インクジェットプリンタは、受像部材上の特定の場所に個々のインク滴のパターンを印刷することにより画像データに基づいて印字図形を形成する。
【0003】
印字図形が画像データに厳密に対応するように、画像表面に関して、およびプリンタ内の他のプリントヘッドと、プリントヘッドの見当を合わせなければならない。プリントヘッドの見当合わせは、既知のパターンでインクを射出するようにプリントヘッドを作動させて、その後、射出されたインクの印字図形を分析して画像表面に関する、およびプリンタ内の他のプリントヘッドに関するプリントヘッドの配向を決定するプロセスである。
【0004】
印字図形の分析は2方向に関して実行される。「プロセス方向」は、射出されたインクを受け取るために画像表面がプリントヘッドを通過するときに、受像部材が動いている方向を示し、「クロスプロセス方向」は受像部材の幅を横切る方向を示している。印字図形を分析するために、テストパターンを生成する必要があり、インクを射出するように作動されたインクジェットが実際にインクを射出したかどうかに関して、および受像部材およびプリンタ内の他のプリントヘッドに関してプリントヘッドが正確に配向されていればインクが付着したであろう場所に射出されたインクが付着したかどうかに関して判断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像データを生成する環境は汚されていない状態ではない。このシナリオではいくつかの雑音源が存在しており、見当合わせプロセスで対処される必要がある。したがって、印刷されるテストパターンの改良、および印刷されるテストパターンに対応する画像データの分析の改良は、プリントヘッド配向のずれと、プリントヘッドからのインクの射出に影響を与えるプリントヘッド特性と、を識別するのに有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
方法が、プリンタ内のプリントヘッドの位置と、プリンタ内のプリントヘッドの間の見当合わせと、を識別するためにプリンタにより受像部材上に生成された、プロセス方向に不規則に分布するテストパターンに対応する画像データを分析する。方法は、受像部材の画像データ内で、テストパターンが印刷された受像部材の領域を識別することを含み、テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、第1の所定個数は第2の所定個数とは異なっており、識別された領域内に印刷されたテストパターンに対するプロセス方向位置を特定することを含み、テストパターンはテストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別することを含み、テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別することを含み、テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別することを含み、少なくとも1つのインクジェットエジェクタがテストパターン内に長点を形成すると予想されて、長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更することを含んでいる。
【0007】
人の目に知覚されにくく、またプリントヘッド位置の識別も可能にするテストパターンを作り出すために、テストパターンを印刷するための方法に基づいてプリンタのプリントヘッドを作動させる。方法は、受像部材上のテストパターン内に少なくとも1つの長点を射出するために、複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド内の少なくとも1つのインクジェットエジェクタを作動させることを含み、長点はテストパターン領域の中にプロセス方向に不規則に位置しており、テストパターン内にプロセス方向に不規則に位置する少なくとも1つの長点を形成するためにインクを射出するように各プリントヘッド内の各インクジェットエジェクタを作動させるまで、複数のプリントヘッド内のインクジェットエジェクタを連続して作動させることを含んでいる。
【0008】
プリンタはプロセス方向に不規則に分布するテストパターンに対応する画像データを分析して、プリンタ内のプリントヘッドの位置と、プリンタ内のプリントヘッドの間の見当合わせと、を識別する。プリンタは、プリンタの中を通ってプロセス方向に媒体を搬送するように構成された媒体搬送を含み、複数の作動装置を含み、複数の色ステーションを含み、各色ステーションは複数の色ステーション内の他の色ステーションにより射出されるインクとは異なる色を有するインクを射出し、各色ステーションは縦横に配置された複数のプリントヘッドを含み、色ステーション内のプリントヘッドから射出されたインクを媒体が受け取った後に、プリンタの中を通ってプロセス方向に搬送中の媒体のクロスプロセス部分に対応する画像データを生成するために媒体搬送の一部に対してもっとも近くに取り付けられた画像装置を含み、画像装置と、複数の作動装置と、プリントヘッドとに動作的に接続されたコントローラを含み、コントローラは、媒体の画像データ内でテストパターンが印刷された媒体の領域を識別する(1)ように構成され、テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、第1の所定個数は第2の所定個数とは異なっており、識別された領域内に印刷されたテストパターンに対するプロセス方向位置を識別する(2)ように構成され、テストパターンはテストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別する(3)ように構成され、テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別する(4)ように構成され、テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別する(5)ように構成され、少なくとも1つのインクジェットエジェクタがテストパターン内に長点を形成すると予想されて、長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更する(6)ように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】テストパターン内のマーキングの位置を識別するための方法のフローチャートである。
【図2】人間観察に知覚されにくく、かつ本明細書に記載の方法とともに使用するのに適しているサンプルテストパターンである。
【図3】テストパターン内の識別の色に対する長点を形成するとともに、テストパターンの画像データ内で依然として検出可能であるために必要なインク滴の個数を識別するためのプロセスのフローチャートである。
【図4】テストパターンが印刷された長点領域の始まりと終わりを識別するためのプロセスのフローチャートである。
【図5】テストパターンの画像データからテストパターンのプロファイルを生成するための方法のフローチャートである。
【図6】図2に示すのと類似のテストパターンのプロファイルの一部である。
【図7】テストパターン内の長点のクロスプロセス位置を見つけるための方法のフローチャートである。
【図8】ステッチ界面を横切る2つのプリントヘッドの間のステッチ変位を計算する方法を示す図である。
【図9】ステッチ界面を横切る2つのプリントヘッドの間のステッチ変位を計算する他の方法を示す図である。
【図10】プロセス方向のプリントヘッドの相対位置を見つけるための方法のフローチャートである。
【図11】テストパターンに対する画像データから測定された射出されたインク滴位置に対するベクトルと、予想されるインク滴位置に対する第2のベクトルと、を示す図である。
【図12】最も低いグレー・スケール・レベルから最も高いグレー・スケール・レベルまで分類されたテストパターンの光学センサデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
テストパターンの画像データを分析するためのプロセス105を図1に示している。プロセス105は、印刷システムの受像部材の表面上に印刷されたテストパターンの画像データを取得するために画像装置を使用する。一実施形態の画像装置は、受像部材上の画像領域の幅を横切って延びるバーまたは他の縦構造に取り付けられた光学検出器の配列を含んでいる。画像領域のクロスプロセス方向の幅が約20インチであり、プリントヘッドがクロスプロセス方向に600dpiの分解能で印刷する一実施形態では、画像部材を横切って単一走査線を生成するために12,000個を超える光学検出器がバーに沿って一列に配列されている。光学検出器は、受像部材の表面の方へ光を向ける1つ以上の光源内で関連するように構成されている。光学検出器は、光源により生成された光が受像部材から反射された後に光を受信する。受像部材の何も印刷されていないむき出しの表面による光の反射に呼応して光学検出器により生成される電気信号の大きさは、受像部材上のインク滴から反射される光に呼応して生成される信号の大きさよりも大きい。生成される信号の大きさのこの差を使用して、紙シート、媒体ウェブ、または印字ドラムのような受像部材上のインク滴の位置を識別してもよい。
【0011】
プロセス105のような画像分析プロセスとともに使用するのに適しているテストパターン例を図2に示している。この種類のパターンは、紙またはフィルムウェブなどの印刷プロセスの後に通常破棄される受像部材の一部上に印刷されるようになされている。このため、図2に示すようなテストパターンを印刷する領域のことを本書では長点領域と呼んでいる。
【0012】
長点領域内のテストパターンの視認性を減少させるために、テストパターン300が開発された。図2に示す実施形態では、テストパターン300は、青緑色、赤紫色、黄色、および黒色(CMYK)の色ステーションを用いるプリンタとともに使用するように構成されている。また、テストパターン300は、CMYK色を組み合わせて印刷するように配列された色ステーション内のプリントヘッドとともに使用するように構成されている。長点はプロセス方向に不規則に分布している。
【0013】
一実施形態では、長点は、文書間の境界近くに位置する有限領域全体にわたって、または文書間の境界を越えて分布している。この場合、この領域内には画像内容は提供されず、その理由は、これらの長点の検出を画像内容が妨げることになるためである。この実施形態では、短点位置情報を画像分析器に渡す限りは、長点位置は一定の既知のパターンであるか、または本当にさまざまなパターンである可能性がある。第2の実施形態では、長点は文書全体にわたって不規則に分布している。この場合、長点を配設するための画像のない空白の空間であって、対象とする長点位置の周囲に十分な非画像緩衝領域が存在している空間に対して、文書に対する画像データを分析する必要がある。この実施形態では、配設された長点位置情報を画像分析器に渡す。このパラグラフに記載の第1の実施形態のより厳しいグループ分けは、エジェクタ見当合わせ情報に、より良いエジェクタを提供し、他方、第2の実施形態のより分散した長点位置は、より多くの長点を目立たずに提供する。
【0014】
本明細書で使用するように、長点は、受像部材上に単一のインクジェットエジェクタにより形成される、受像部材上の1つ以上のインク滴の配置を示している。テストパターンは、本明細書で使用するように、プリンタの色ステーション内のプリントヘッドに対してプロセス方向位置データおよびクロスプロセス方向位置データを識別できるようにする長点の配置である。図2では、テストパターン300の各カラム内の長点は、インクジェットプリントヘッド内の1つのインクジェットエジェクタが長点を形成し、次のカラム内のその長点は、クロスプロセス軸336の方向に7画素ほどずれている他のプリントヘッド内のインクジェットエジェクタに由来するように7画素に関して配置されている。画素はクロスプロセス方向の隣接するカラム内のインク滴の間の間隔を示している。テストパターン300の隣接するカラム内の長点の間の空間320のような空間は、6画素の幅である。
【0015】
長点302の長さが、長点を形成するのに使用されるインク滴数に対応している。異なる色の長点は異なるインク滴数で生成される。インク滴数は、受像部材がプロセス方向に光学検出器を通過するとき光学検出器で検出可能であるが、一方、人の目で知覚するのは困難な長点を生成するように選択される。光源と光学検出器との色のスペクトルが、異なるインク色に対する光学検出器の相対感度を決定する際の要素である。したがって、この要素は各色の長点を検出可能にするのに必要なインク滴数に影響を与える。光学検出器が画像化する受像部材の距離は、光学検出器を通過する受像部材の速度と、光学検出器のライン速度とに依存している。受像部材上の画像領域の幅を横切って延びる、光学検出器により取得される画像データの単一横列を、本明細書では走査線と呼んでいる。後述の実施形態では、ウェブ速度および光学検出器のライン走査周波数は、1インチあたりの走査線本数270(spi)の走査速度をもたらす。
【0016】
図2に示す実施形態では、青緑色長点304が2つのインク滴で形成され、赤紫色長点308が2つのインク滴で形成され、黄色長点312が5つのインク滴で形成され、黒色長点316が単一のインク滴で形成されている。一実施形態では、プロセス方向332の長点領域の長さが約20走査線であり、クロスプロセス方向に受像部材の全幅を横切って延びており、この全幅はこの実施形態では約19.5インチである。長点は、1から、すべての長点を長点領域内に印刷できるようにする数の範囲の乱数を生成することにより、一実施形態内の長点内に不規則に分布している。長点に対する開始位置を指定するために、不規則に生成した数から印刷予定の長点の長さを差し引く。
【0017】
議論される実施形態では、1,664個の長点が長点領域内の56個のプリントヘッドにより印刷される。印刷領域を通過する受像部材上に画像を形成するのに使用される印刷領域内の各プリントヘッドからインクジェットエジェクタの異なる集合を含むようにするために、異なる長点領域内でクロスプロセス軸に沿って図2のテストパターン300を繰り返してもよい。長点をプロセス方向に不規則に分布させる実施形態について議論しているが、他の実施形態は、異なる色の長点に対して異なるインク滴長さの長点を依然として用いながら、長点領域の切れ目上ですべての長点を開始したり、または終了させたりしてもよい。さらに、議論はプロセス方向のランダム分布を含んでいるが、長点がクロスプロセス方向の直線と交差するのを回避して、かつ周期パターンの導入を回避する任意の分布は、知覚されにくい文書間領域パターンを提供するであろう。
【0018】
図2に示すテストパターンの実施形態は、ドムター・ハスキー・オフセット75gsm(1平方メートルあたりのグラム数)紙のウェブ上にインクを射出するCMYK固体インク・ウェブ・プリンタとともに使用するために開発された。他の種類の受像部材に適した他の長点の長さは、図3に示すプロセスを用いて開発してもよい。プリンタで使用される1つの色に対して選択された長さの複数の長点を受像部材上に印刷して(ブロック350)、長点を画像化する(ブロック354)。画像データ内の各色の長点に対して、詳細に後述するように、長点プロファイルを生成して、極小を識別し、真の極小を補間する(ブロック358)。極小値のヒストグラムを作る(ブロック362)。また、何も印刷されていないむき出しの受像表面の画像データに対するグレースケール応答の同様のヒストグラムを作成して(ブロック366)、2つのヒストグラムを比較する(ブロック370)。両方のヒストグラムは、平均と標準偏差とを有するガウス形を有する可能性が高い。2つのヒストグラムが重ならないとき、選択された長さの長点は、何も印刷されていないむき出しの受像表面と容易に区別される(ブロック374)。長点の長さを短くして(ブロック378)、プロセス(ブロック350〜370)を繰り返す。その色のより短い長点を印刷して、画像化し、ヒストグラムを作るとき、2つのヒストグラムは重なり始める。重複の程度を所定の閾値と比較して(ブロック382)、閾値を超えていないとき、長点を短くして(ブロック394)、プロセスを繰り返す(ブロック350〜370)。このプロセスは2つのヒストグラムの間の重複が所定の閾値を超えるまで継続し、以前に試験された長点に対する長点の長さを、現在試験中の色に対する長点の長さとして選択する(ブロック386)。その特定の色の長点の検出の信頼性を阻害する多くの検出漏れと誤検出とを引き起こすコントラストの欠如を識別するように閾値を選択する。このプロセスを各色に対して実行して(ブロック390)、受像表面上に印刷でき、画像装置により確実に検出できる最短長点を識別する。
【0019】
図1の105のプロセスは、テストパターンの画像データ内でテストパターンのインク滴を取得する走査線範囲を識別することにより始まる(ブロック110)。テストパターンを形成するインク滴の位置に対応する信号を抽出するための1つの方法を図4に示している。信号抽出プロセスは、光学センサにより取得される走査線から光学センサ位置に対する最小グレー・スケール・レベルを識別して(ブロック404)、識別された最小グレー・スケール・レベルをグレースケール閾値と比較する(ブロック408)ことにより始まる。識別された最小グレー・スケール・レベルがグレースケール閾値よりも小さいとき、この最小グレー・スケール・レベルが現れる走査線に対するヒストグラムカウントの値を1だけ増加させる(ブロック412)。このプロセスは、テストパターンを画像化するのに使用された光学センサのすべてに対して継続する(ブロック416)。最大のカウント値を有するヒストグラム内のセルに対応する走査線は、テストパターンが印刷された走査線範囲を規定する。この範囲内の最初の走査線はプロセス方向のテストパターンの立ち上がりエッジとして識別され、この範囲内の最後の走査線はプロセス方向のテストパターンの立ち下がりエッジとして識別される(ブロック420)。ヒストグラムは受像表面内の構造に起因する不規則雑音を除去することを可能にし、その理由は、このような雑音だけを経験するセンサ位置は、テストパターン内の1つまたは複数のインク滴をセンサが画像化したことを示しているヒストグラムカウントを取得できないためである。プロセス方向のテストパターンの両側にいくつかの空白の受像部材ラインを含むことを確保するために、テストパターンに対して識別される走査線範囲を、一方または両方のエッジにおいて所定範囲だけ増加させてもよい。
【0020】
次に、光学検出器応答に関して長点プロファイルを識別する(ブロック114、図1)。一実施形態では、図5に示すプロセスを用いて長点プロファイルを識別する。最初に、プロセスは走査線の識別された範囲内の光学検出器に対するグレー・スケール・レベル応答を分類して、最も小さいグレースケール値をカラム内の一番上の位置に位置付け、最も高いグレースケール値をカラム内の一番下の位置に位置付ける(ブロック504)。分類されたカラム内の最初のN値に対する平均グレースケール値を計算する(ブロック508)。各光学検出器に対してこの処理を繰り返す(ブロック512)。カラムのすべてを分類してグレースケール平均を識別した時点で、平均を光学検出器位置全体にわたって写像する(ブロック516)。この写像の例を図6に示している。図6に示す部分では、グレー・スケール・レベル関数内の極小に対応する光学検出器は、クロスプロセス方向のインク滴位置に対応すると識別される。すなわち、それの上にインクをほとんど有していない受像部材の一部を検知する検出器で、グレースケール平均レベルが、より高くなっており、インク滴が存在している場所で、より低い値が生じている。したがって、Nの小さい値は、より高いコントラスト信号を与えるが、その信号は受像表面内の雑音に対して敏感である傾向がある。Nのより高い値は、受像表面内の雑音に対する敏感さを低減させるが、インクのない受像表面に対応する平均計算内に、より多くのグレースケール値を含んでいるとき、インクのない受像表面のグレースケール値に近い平均グレースケール値を生成する。このため、結果として得られる信号はコントラストを喪失する。一実施形態では、受像表面が雑音構造の影響を比較的受けないため、Nは値2に設定された。受像表面が、より多くの雑音構造を有している他の実施形態では、Nのより高い値は、あまりに多くのコントラストを犠牲にすることなく、構造に起因する雑音を減衰させるのに使用される。
【0021】
図6の写像は、黄色のインク滴画像が青緑色のインク滴画像よりも高いグレースケール平均を有し、この青緑色のインク滴画像は赤紫色のインク滴画像よりも大きいグレースケール平均を有し、黒色のインク滴画像はすべてのインク滴画像のうちで最も小さいグレースケール平均を有するデータを用いて分析される。したがって、黄色の長点Y1およびY2が、それぞれ、青緑色、赤紫色、および黒色に、それぞれ対応するより多くのコントラストを提供する他のインクC1、C2、M1、M2、K1、およびK2に対する平均グレーレベルよりも高い平均グレーレベルを有する極小を提示する。図6に示す写像は、分類された光学検出器応答に対する平均グレースケール値に対するプロファイルを示しており、長点プロファイルと呼んでもよい。
【0022】
生成された長点プロファイルは、長点プロファイル内の各長点の中心に対応するクロスプロセス位置を決定するために、さらに分析される(ブロック118、図1)。各長点の中心を見つけるために、図7に示すようなフィルタリングおよび補間プロセスを使用してもよい。図7では、プロセス200は低域フィルタカーネル関数を用いて長点プロファイルデータを畳み込むことにより始まる(ブロック204)。低域フィルタリング畳み込みは、画像データ内の長点にではなく雑音に起因する画像データ値内の突然のスパイクを取り除いて、さらに走査線データを滑らかにする働きをする。フィルタリングされた画像データ内にひと続きの極小を見つける(ブロック208)。図6内の短点により識別される各極小は、光学検出器の分解能でフィルタリングされた画像データ内の長点の中心に対応している。さらに具体的に長点の中心を識別するために、極小は、識別された極小のそれぞれの側に隣接する画素からグレーレベル値に関して補間される(ブロック212)。この補間は、より正確に極小を識別するために、これらの3つのデータ値を曲線に合わせて近似することにより実行してもよい。1つの補間スキームでは、二次曲線を補間に使用する。近似曲線の最小値のクロスプロセス位置を計算して、テストパターン内の長点の中心として保存する(ブロック216)。テスト・パターン・プロファイル内で識別される各極小に対して、ブロック208〜216の処理を実行する。
【0023】
図1のプロセス105は、検出された長点指標を行方不明の長点に対して補正することにより継続する(ブロック122)。テストパターンのいくつかの既知の特性を用いて、行方不明の長点の欠如および識別を達成してもよい。一例として、予想されるよりも大きな距離が、1つまたは複数の行方不明の長点の付近で検出される長点の中心を分離する。十分広い余白により長点間の距離が予想される距離を超えている場合、1つ以上のエジェクタがテストパターンから行方不明であると見なされる。使用してもよい他の特性は、長点プロファイルにより実証されるコントラストである。上述のように、長点中心はインク色により異なる極小値に対応している。したがって、一実施形態では、これらの異なるコントラスト値を使用して、行方不明の長点の色を識別する。行方不明の長点を考慮するために、識別されたインクジェットエジェクタの指標を調節する。例えば、指標4および5で予想される長点が行方不明である7個の予想される長点の配列では、長点3および6の中心が、通常予想される距離の約3倍の距離で分離されている。エジェクタ6をエジェクタ4であると誤って識別する代わりに、プロセス105は行方不明の長点を検出して、エジェクタ6に正しい指標を割り当てる。検出される長点を生成しないインクジェットエジェクタには、使用不可能なインクジェットエジェクタを補ったり、またはプリントヘッドが故障しているという信号を送ったりするために別々に指標を付けてもよい。
【0024】
プロセス105は、受像部材内のドリフトに起因するクロスプロセス変位を測定して修正する(ブロック126、図1)。媒体ドリフトの大きさおよび方向を測定するために、テストパターン内のすべての長点の検出されたクロスプロセス位置の平均を、長点に対する予想される平均位置と比較する。クロスプロセス変位は、測定された平均位置と予想される平均位置の間の差である。プロセス105は、反対方向の長点の検出されたクロスプロセス位置と、検出された片寄りの大きさとを調節することにより、媒体ドリフトの影響を相殺する。
【0025】
プリントヘッドのプロセス方向位置を決定すると、分析プロセス105は印刷領域内の異なるプリントヘッドの直列位置合わせを識別する(ブロック130)。直列位置合わせは、印刷領域内の対応するプリントヘッドで使用される対応するエジェクタのクロスプロセス位置合わせと定義される。
【0026】
テストパターン300はクロスプロセス軸336に沿って位置合わせされた長点を示しているが、後続のテストパターン内の印刷カラム内の対応するインクジェットエジェクタに属する長点は、異なるプリントヘッドのクロスプロセス位置の変化のせいで正しく位置合わせされていない場合がある。テストパターン長点の検出されたクロス・プロセス・プロファイルを用いて、プロセス105は基準プリントヘッドからのクロスプロセス位置と、印刷カラム内の第2のプリントヘッドのクロス・プロセス・プロファイルと、を比較する。印刷カラムは、受像部材のだいたい同じ部分に向かい合っている、プロセス方向に配置されたプリントヘッドに対応している。2つのプリントヘッドの間に位置ずれがあるとき、プリントヘッド・インクジェット・エジェクタの目標位置は移動する。直列位置合わせを決定するために、1つのプリントヘッドを基準プリントヘッドとして選択し、基準ヘッドと、印刷カラム内の他の任意のヘッドとの間で印刷されるノズルの共通集合を識別する。次に、重複領域内の2つのプリントヘッド内のノズルの各対に対して、測定されたノズル間隔と予想されるノズル間隔の間の差を計算する。これらの測定された差を平均して、各印刷カラム内の相対的なヘッドオフセットを与える。印刷カラム内の各ヘッドと、基準ヘッドとの間の相対的なヘッドオフセットを調節して、相対的なヘッドオフセットの平均が合計ゼロになる。印刷カラム内のプリントヘッドのうちの1つ以上の位置を変更することにより、相対的なヘッドオフセットを調節する。他の実施形態では、1つのプリントヘッドを基準プリントヘッドとして指定し、その基準プリントヘッドを除く他のすべてのプリントヘッドを動かして、システムを位置合わせする。
【0027】
プリントヘッドに、またはプリントヘッドを取り付けてある取り付け部材に動作的に連結された電気モータのような作動装置を用いてクロスプロセス方向にプリントヘッドを調節してもよい。これらの作動装置は、プロセス105を実現するように構成されたコントローラにより生成されてもよい制御信号に応答する、通常、電気機械装置である。一実施形態では、独立した作動装置に各プリントヘッドを動作的に連結してもよい。他の実施形態では、通常、単一のプリントヘッドバーに取り付けられた2つ以上のプリントヘッドの群を単一の作動装置に動作的に連結して、単一の作動装置によるプリントヘッド群の移動を可能にしてもよい。プリントヘッドのうちの1つを除くすべてを、独立した二次的な作動装置にさらに機械的に連結して、第1の作動装置だけが独立した作動装置を有していないプリントヘッドを調節する。
【0028】
クロスプロセス方向のプリントヘッド位置合わせの他の形態が、ステッチ位置合わせとして知られている。ステッチ位置合わせは、印刷配列内の隣接するプリントヘッドの間の界面境界で行われる。複数のプリントヘッドを一緒に「縫い合わせ」て、クロスプロセス方向の継ぎ目のない直線を形成する。例えば、プリントヘッドの右端のインクジェットエジェクタが、他のプリントヘッドの左端のインクジェットエジェクタにより射出されたインク滴に隣接するインク滴を射出できる。同じ色の隣接するヘッドのエッジノズルの間にギャップまたは重複部分が存在しているとき、ステッチエラーが起こる。
【0029】
図1のプロセス105では、クロスプロセス方向の長点位置測定の測定値からXステッチ位置合わせを計算する(ブロック134)。この位置合わせを計算する1つの方法を図8に示している。プリントヘッド間の各ステッチ界面に対して、ステッチ界面の左側のプリントヘッドの右端の16個のノズルのクロスプロセス位置を、ノズル指標に対してプロットしている。ノズル指標は、各インクジェットエジェクタを一意的に識別するためにインクジェットエジェクタに割り当てた番号を示している。例えば、880個のインクジェットエジェクタを有するプリントヘッドでは、インクジェットエジェクタに1〜880の範囲の番号を一意的に割り当ててもよい。このプロットでは、ステッチ界面の右側のプリントヘッドの16個のノズルのクロスプロセス位置を、ノズル指標に対してプロットしている。直線は16個のノズルの各群の中を通って適合し、界面まで外挿される。外挿された2本の直線の間の差を、ステッチ変位と定義する。
【0030】
ステッチ変位の他の計算を図9に示している。このプロセスでは、ステッチ界面の左側のプリントヘッドの右端の16個のノズルの平均位置904を計算してもよく、また、ステッチ界面の右側のプリントヘッドの左端の16個のノズルの平均位置908を計算してもよい。平均位置の間の予想される間隔は16個のジェットに対応しなくてはならない。測定された間隔912と予想される間隔の間の差がステッチ変位である。方法にかかわらず、プリンタ内の各ステッチ界面に対してステッチ変位計算を実行する(ブロック138、図1)。
【0031】
見当合わせプロセス105は、プロセス方向のプリントヘッドのそれぞれの相対位置を決定する(ブロック138)。
【0032】
プロセス方向の各プリントヘッドの相対位置を決定するためのプロセス例600を図10に示している。プロセス600は、図2からのテストパターン300のようなテストパターン内の単一プリントヘッドから射出されたインクを検出した各光学センサに対するグレースケールデータの分類されていない各カラムを識別することにより始まる(ブロック604)。一実施形態では、グレースケール平均と、長点の中心に対して識別されたクロスプロセス位置と、長点を印刷するためのプリントヘッド内のインクジェットエジェクタを作動させるのに使用されるテストパターンデータと、を用いて、テストパターンデータ内の単一プリントヘッドから射出されたインク滴の中心を検出した光学センサから、画像データのカラムを識別する。画像データのこれらの識別されたカラムのうちの1つを選択して、極小を識別し、極小を通じてプロファイルの真の最小を補間する(ブロック608)。真の極小を求めるための極小の識別およびプロファイルの補間は、図7に関して上述したような方法で実現してもよい。このプロセスは、プリントヘッドに対する画像データのカラムのすべてを処理するまで継続する。真の極小は、プリントヘッドにより形成される長点の中心の走査線位置である。これらの真の極小を、長点を生成したインクジェットエジェクタに対する指標に写像することにより形成されるベクトルはランダムラインであり、その理由は、長点をプロセス方向に不規則に分布させたためである(ブロック612)。指標は、プリントヘッド内のインクジェットエジェクタを識別するのに使用される番号である。一実施形態では、指標は、左端のインクジェットエジェクタに対して1番で始まり、プリントヘッドを横切って右端のエジェクタまで各インクジェットエジェクタに対して徐々に増加しながら継続する。他のベクトルは、予想される真の極小を、プリントヘッドから長点を形成するように作動されるインクジェットに対する指標に写像することにより形成され、各インクジェット指標におけるこれらの2つのベクトルの間の差を平均して、プロセス方向のプリントヘッドの変位を識別する(ブロック614)。このステップに続いて、2つのベクトルの間の差から、長点の長さの半分を差し引く。例えば、1滴を含む黒色長点と、5滴を含む黄色長点とを比較していると仮定する。長点の中心は、黒色長点に対する第1の、かつただ1つの滴の中心にある。長点の中心は、黄色長点に対する第3の滴の中心にある。したがって、各長点から射出される第1の滴を位置合わせするために、プロセス方向のインクの(5−1)/2=2滴の長さを、すべての黄色長点から差し引かなければならない(ブロック616)。差を計算するのに使用されるこれらの2つのベクトルの一部の例を図11に示している。さらなるプリントヘッドのプロセス方向変位を計算する必要がある場合(ブロック618)、このプロセスが継続する(ブロック604)。さらなるプリントヘッドのプロセス方向変位を計算する必要がない場合、図1の画像分析プロセスが継続する(ブロック622)。
【0033】
知覚されにくいテストパターンからプリントヘッドのプロセス方向位置を決定すると、分析プロセス105は行方不明のインクジェットエジェクタを識別する(ブロック142、図1)。図12に示すように、テストパターン内のインク滴に対応するグレースケール値は、規則的間隔のカラムの一番上、または一番上付近に位置している。この分類されたデータの分析は、より濃いインク滴グレースケール応答が予想されるにもかかわらず、何も印刷されていないむき出しの受像部材を示すグレースケール値が代わりに見つかる位置におけるグレースケール値に応じて、行方不明の、または機能が劣化しているインクジェットを識別できる。上述のように、より明るい色インクに対するグレースケール値は何も印刷されていないむき出しの受像表面のグレースケール値に非常に近い可能性があり、その結果、インクジェットを誤って行方不明と識別する可能性がある。
【0034】
一実施形態では、同じエジェクタを含む少なくとも2つのテストパターンを印刷して分析した後に、行方不明のインクジェットと識別されたインクジェットを調べる。2つ以上のテストパターンの分析でインクジェットが行方不明と識別された場合、誤検出が不規則に分布する可能性が高く、同じインクジェットに対して誤検出を繰り返す可能性が低いとき、インクジェットは行方不明か、または機能が劣化している確率が、より高い。他の実施形態では、行方不明であると識別された任意のインクジェットを文書印刷時には停止させ、テストパターンの後続の集合を印刷するためには使用する。テストパターンの後続の集合の分析が、あらかじめ停止させた任意のインクジェットを行方不明であると識別しないことを示している場合には、停止させた任意のインクジェットを文書印刷動作に復帰させる。
【0035】
いくつかの印刷ジョブでは、文書領域が非常に短いために、長点領域内に次のテストパターンを印刷する前に、プロセス105により実行される分析が完了していない可能性がある。例えば、4インチはがきを含む印刷ジョブでは、文書領域が印刷のための所定位置に来る前に、測定されたプリントヘッド位置と、実際のプリントヘッド位置との比較(上述の図11)がまだ実行されていない可能性がある。一実施形態では、長点領域内のテストパターンを非同期的に処理する。プロセス方向のプリントヘッド位置を識別できるまで、プロセス105内のすべての処理は同じ状態のままである。プロセス方向のプリントヘッド位置を識別した後に、その時までに処理されたすべてのテストパターンに対する2つのベクトルの間の差の標準偏差を識別する。最も小さい標準偏差は、処理され分析されたテストパターンを識別する。その後、行方不明のインクジェットに対して、これらのテストパターンに対するグレースケール値を上述のように評価する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受像部材の画像データ内で、テストパターンが印刷された前記受像部材の領域を識別することであって、前記テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、前記第1の所定個数は前記第2の所定個数とは異なっている、識別することと、
前記識別された領域内に印刷された前記テストパターンに対するプロセス方向位置を識別することであって、前記テストパターンは前記テストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成される、識別することと、
クロスプロセス方向の各長点の中心を識別することと、
前記テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別することと、
前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別することと、を含み、
少なくとも1つのインクジェットエジェクタが前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、前記プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更することと、を含む、
プリンタにより生成されたテストパターンの画像データを分析する方法。
【請求項2】
前記プロセス方向識別が、
前記受像部材の前記識別された領域を用いて、前記プロセス方向に不規則に分布する長点に対するプロセス方向位置を識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各長点の前記中心の前記識別が、
前記テストパターンの前記画像データ内の前記長点のプロファイルを生成することと、
クロスプロセス方向の前記生成されたプロファイル内の各長点に対する最小画像データ値と、前記最小画像データ値を生成した光学検出器と、を識別することと、 長点および2つの画像データ値に対する前記識別された最小画像データ値に合わせて曲線を適合させることであって、前記2つの画像データ値は2つの光学検出器の応答に対応し、前記最小画像データ値を生成した前記光学検出器のそれぞれの側に1つの検出器を設置する、適合させることと、
前記適合させた曲線の最小値を、前記最小画像データ値に対応する前記長点の前記中心として識別することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
受像部材上のテストパターン内に少なくとも1つの長点を射出するために、複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド内の少なくとも1つのインクジェットエジェクタを作動させることであって、前記長点はテストパターン領域の中にプロセス方向に不規則に位置する作動させることと、
前記テストパターン内に前記プロセス方向に不規則に位置する少なくとも1つの長点を形成するためにインクを射出するように各プリントヘッド内の各インクジェットエジェクタを作動させるまで、前記複数のプリントヘッド内の前記インクジェットエジェクタを連続して作動させることを含む、
プリンタ内のプリントヘッド位置を識別するために受像部材上にテストパターンを印刷する方法。
【請求項5】
プリンタであって、
前記プリンタの中を通ってプロセス方向に媒体を搬送するように構成された媒体搬送と、
複数の作動装置と、
複数の色ステーションであって、各色ステーションは前記複数の色ステーション内の前記他の色ステーションにより射出されるインクとは異なる色を有するインクを射出し、各色ステーションは縦横に配置された複数のプリントヘッドを含む、複数の色ステーションと
前記色ステーション内の前記プリントヘッドから射出されたインクを前記媒体が受け取った後に、前記プリンタの中を通って前記プロセス方向に搬送中の前記媒体のクロスプロセス部分に対応する画像データを生成するために前記媒体搬送の一部に対してもっとも近くに取り付けられた画像装置と、
前記画像装置と、前記複数の作動装置と、前記プリントヘッドとに動作的に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、前記媒体の画像データ内でテストパターンが印刷された前記媒体の領域を識別する(1)ように構成され、前記テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、前記第1の所定個数は前記第2の所定個数とは異なっており、前記識別された領域内に印刷された前記テストパターンに対するプロセス方向位置を識別する(2)ように構成され、前記テストパターンは前記テストパターン内に少なくとも1つの長点を形成する前記プリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別する(3)ように構成され、前記テストパターン内に各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別する(4)ように構成され、前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別する(5)ように構成され、少なくとも1つのインクジェットエジェクタが前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、前記プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更する(6)ように構成されている、コントローラと、を含む
プリンタ。
【請求項6】
前記コントローラが、前記受像部材の前記識別された領域を用いて、前記プロセス方向に不規則に分布する長点に対するプロセス方向位置を識別するようにさらに構成されている、請求項5に記載のプリンタ。
【請求項1】
受像部材の画像データ内で、テストパターンが印刷された前記受像部材の領域を識別することであって、前記テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、前記第1の所定個数は前記第2の所定個数とは異なっている、識別することと、
前記識別された領域内に印刷された前記テストパターンに対するプロセス方向位置を識別することであって、前記テストパターンは前記テストパターン内に少なくとも1つの長点を形成するプリンタ内の各プリントヘッドにより形成される、識別することと、
クロスプロセス方向の各長点の中心を識別することと、
前記テストパターン内の各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別することと、
前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別することと、を含み、
少なくとも1つのインクジェットエジェクタが前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、前記プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更することと、を含む、
プリンタにより生成されたテストパターンの画像データを分析する方法。
【請求項2】
前記プロセス方向識別が、
前記受像部材の前記識別された領域を用いて、前記プロセス方向に不規則に分布する長点に対するプロセス方向位置を識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各長点の前記中心の前記識別が、
前記テストパターンの前記画像データ内の前記長点のプロファイルを生成することと、
クロスプロセス方向の前記生成されたプロファイル内の各長点に対する最小画像データ値と、前記最小画像データ値を生成した光学検出器と、を識別することと、 長点および2つの画像データ値に対する前記識別された最小画像データ値に合わせて曲線を適合させることであって、前記2つの画像データ値は2つの光学検出器の応答に対応し、前記最小画像データ値を生成した前記光学検出器のそれぞれの側に1つの検出器を設置する、適合させることと、
前記適合させた曲線の最小値を、前記最小画像データ値に対応する前記長点の前記中心として識別することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
受像部材上のテストパターン内に少なくとも1つの長点を射出するために、複数のプリントヘッド内の各プリントヘッド内の少なくとも1つのインクジェットエジェクタを作動させることであって、前記長点はテストパターン領域の中にプロセス方向に不規則に位置する作動させることと、
前記テストパターン内に前記プロセス方向に不規則に位置する少なくとも1つの長点を形成するためにインクを射出するように各プリントヘッド内の各インクジェットエジェクタを作動させるまで、前記複数のプリントヘッド内の前記インクジェットエジェクタを連続して作動させることを含む、
プリンタ内のプリントヘッド位置を識別するために受像部材上にテストパターンを印刷する方法。
【請求項5】
プリンタであって、
前記プリンタの中を通ってプロセス方向に媒体を搬送するように構成された媒体搬送と、
複数の作動装置と、
複数の色ステーションであって、各色ステーションは前記複数の色ステーション内の前記他の色ステーションにより射出されるインクとは異なる色を有するインクを射出し、各色ステーションは縦横に配置された複数のプリントヘッドを含む、複数の色ステーションと
前記色ステーション内の前記プリントヘッドから射出されたインクを前記媒体が受け取った後に、前記プリンタの中を通って前記プロセス方向に搬送中の前記媒体のクロスプロセス部分に対応する画像データを生成するために前記媒体搬送の一部に対してもっとも近くに取り付けられた画像装置と、
前記画像装置と、前記複数の作動装置と、前記プリントヘッドとに動作的に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、前記媒体の画像データ内でテストパターンが印刷された前記媒体の領域を識別する(1)ように構成され、前記テストパターンは第1の色のインク滴の第1の所定個数で形成された長点と、第2の色のインク滴の第2の所定個数で形成された長点と、を有し、前記第1の所定個数は前記第2の所定個数とは異なっており、前記識別された領域内に印刷された前記テストパターンに対するプロセス方向位置を識別する(2)ように構成され、前記テストパターンは前記テストパターン内に少なくとも1つの長点を形成する前記プリンタ内の各プリントヘッドにより形成され、クロスプロセス方向の各長点の中心を識別する(3)ように構成され、前記テストパターン内に各長点を形成したインクジェットエジェクタを識別する(4)ように構成され、前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したインクジェットエジェクタを識別する(5)ように構成され、少なくとも1つのインクジェットエジェクタが前記テストパターン内に長点を形成すると予想されたのに、前記長点を形成するのに失敗したと識別されたことに呼応して、前記プリンタ内のインクジェットエジェクタの動作を変更する(6)ように構成されている、コントローラと、を含む
プリンタ。
【請求項6】
前記コントローラが、前記受像部材の前記識別された領域を用いて、前記プロセス方向に不規則に分布する長点に対するプロセス方向位置を識別するようにさらに構成されている、請求項5に記載のプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−166551(P2012−166551A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25500(P2012−25500)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]