説明

付着物除去装置

【課題】付着した水滴を、遠心力を利用し、撮影時に視界を遮る事無く、視界を保持ながら除去する。
【解決手段】水滴除去フィルターと風車を一体化した事を特徴とする。外側の筒体(3)とその中に入る内側の筒体(2)で構成される。二つの筒体の間に風車(4)やベアリング(5)などを配置する。内側の筒体に風車(4)を固定取り付ける。外部コンプレッサーから空気導入口(7)に圧縮空気を流す、圧縮空気は風車に当り風車は高速回転運動に変わる。風車に固定されている内側の筒体(2)にも高速回転運動が伝わり。是により、前部の窓、皿型円盤(フィルター)(1)にも回転が伝わる。窓の表面では遠心力が生まれ、付着した水滴は遠心力により跳ね飛ばされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の視野に位置する窓に付着する水滴などを除去して視界を確保するための付着物除去装置に関し、例えば、船舶などの窓ガラス,カメラ用の撮影レンズ,各種センサーなどに好適な付着物除去装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、降水時の画像撮影ではカメラレンズ或はフィルターに付着した水滴や雪を除去する為に、布やワイパーによって直に水滴を拭き取るような形をとっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来技術において、降水時の水滴除去に対しワイパーを使用するタイプでは、水滴が付着してから除去されるまでのワイパーの往復運動により水滴が除去されるまでに時間的にロスが有り、また、ワイパーの写り込み等で視界を遮る場合があるため、水滴を除去する作業の瞬間が映像に写ってしまう。光学センサー等は、降水時の水滴や雪などが邪魔をして誤作動を起こす可能性がある。
【0004】
本発明は、以上の点に着目したもので、水滴を直に拭き取らずにフィルター自身を回転させ、フィルター表面に遠心力を発生させて素早く水滴や雪やゴミ等を除去する事により、撮影時の視界を鮮明かつ継続的に確保・保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水滴除去対象物側に固定される固定筒体,この固定筒体の内側に、水滴除去対象物を内包するように設けられる可動筒体,前記固定筒体と前記可動筒体との間に形成されており、前記固定筒体に対して前記可動筒体を回転するための回転駆動手段,前記可動筒体の端面に設けられており、前記水滴除去対象物の視野に位置する窓,を備えており、前記固定筒体,前記可動筒体,及び前記回転駆動手段によって風車による回転手段を構成するとともに、この風車の回転手段によって前記窓を回転させることで、窓に付着した水滴を除去することを特徴とする。
【0006】
主要な形態の一つは、前記、風車による回転手段が圧縮空気を利用した風車式もしくは液体を利用した水車式のいずれかであることを特徴とする。他の主要な形態の一つは、前記窓の回転に伴う危険防止、もしくは、周囲に対する付着物の飛散防止の為のフードを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は水滴除去するフィルター部分と風車を一体化した事により、圧縮空気を送り風車に発生した回転力を全て回転軸に当たる筒型部品に伝える事が出来、回転力を無駄なく効率的に使用し、筒型前方に配設した皿型円盤の表面に付着した水滴を遠心力により瞬時に除去する事が出来る。また、風車と一体化なので、余計な動力伝達部品類もなく極めて簡素な為、小型化、軽量化を図ることが出来、カメラレンズの前に直に取り付けが可能になり、カメラと一緒に自由な行動が出来る。また、素早く脱着も可能で、降水時のみカメラに取り付け使用する事が出来る水滴などの除去装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
(1)外側の筒体(3)と、その中に入る内側の筒体(2)との二つの筒で構成される。内側の筒体の前部に、透明な窓を設ける(1)。また、外側の筒体の中にベアリング(5)ベアリング支え(6)を設置して、内側の筒体の支えとする事で、内側の筒体は回転運動が可動な状態になる、この二つの筒体の間に風車(4)を配置して、空気導入口(7)より圧縮空気を流す事により、風車に固定されている内側の筒体が回転運動を始め、風車式手段を構成する。
【0010】
(2)内側の筒体(2)の中間位置に、風車(4)を取り付ける。外部コンプレサーから空気導入口(7)より圧縮空気を流し風車に当てる、風車(4)は固定した内側の筒体(2)と一体なので一緒に回転運動が始まる、これにより、風車による回転手段を構成する。付着物除去装置が出来上がる。
【0011】
(3)これにより、内側の筒体(2)は高速回転運動を始める。さらに直結されている前部の皿型円盤(1)にも、回転運動が伝わる。また、皿型円盤表面では遠心力が生まれ、皿型円盤表面に付着した水滴は瞬時に遠心力により跳ね飛ばされる。この作用を利用して、内側の筒体(2)後部の空洞部分にカメラレンズを差込みセットして覗き込む様な形で、撮影をする。視点手前の皿型円盤(1)表面では遠心力が働き続け水滴を除去している為、視界を遮る水滴も皆無に近く撮影が出来、問題を解決することが出来る。
【0012】
前記風車式としては、例えば液体を使用する水車式にしても原理が一緒なので、同じ効果を得られる上に、圧縮空気が出す振動や騒音を軽減する防振・防音効果を図った付着物除去装置を得ることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明によれば、次のような利用可能性がある。
(1)降水時の野外撮影や野外に設置された監視カメラなどに付着した雨や雪の水滴を除去する事により、視界を鮮明に確保・保持して撮影効果の低下を防ぐ事ができる。
【0014】
(2)撮影時の水滴除去のみならず、光学センサーの光を感受する部分に雨や雪、泥、ゴミ等が付着することによる誤作動対策にも使用することが可能である。
【0015】
(3)降水時の水滴や泥等を瞬時に跳ね飛ばすので、ライト類の前に設置する事で泥や泥水等の付着による光量低減の防止に使用できる。
【0016】
(4)フィルター部分と風車を一体化した水滴除去フィルターであり、その特性を生かし、取り付けの仕方では軟化製のビニール窓や硬質製のガラス窓、また検査用窓等、設置場所や大・小のサイズに拘わらず取り付けが可能であり、車両・船舶・テント・貯蔵タンク等において水滴による視界の遮りを取り除き、視界を鮮明に確保・保持する事等が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明の一実施例の内側・外側の筒と主な部品を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例の正面図である。
【図3】 本発明の一実施例の立体図である。
【図4】 本発明の一実施例の断面図である。
【符号の説明】
【0018】
(1)皿型円盤(フィイルター),(2)内側筒体,(3)外側筒体(ケース),(4)風車,(5)ベアリング,(6)ベアリング支え,(7)空気導入口,(8)フード,(9)止めネジ,(10)カメラ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物側に、着脱自在に固定される固定筒体,
この固定筒体の内側に、対象物を内包するように設けられる可動筒体,
前記固定筒体と前記可動筒体との間に形成されており、前記固定筒体に対して前記可動筒体を回転するための回転駆動手段,
前記可動筒体の端面に設けられており、前記対象物の視野に位置する窓,を備えており、
前記固定筒体,前記可動筒体,及び前記回転駆動手段によって風車による回転手段を構成するとともに、この風車の回転手段によって前記窓を回転させることで、その付着物を除去することを特徴とする付着物除去装置。
【請求項2】
前記、風車の回転手段が、圧縮空気を利用した風車式もしくは液体を利用した水車式のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の付着物除去装置。
【請求項3】
前部窓の回転に伴う危険防止、もしくは、周囲に対する付着物の飛散防止の為のフードを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の付着物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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