説明

仮想ペットの育成ゲーム装置

【課題】 携帯情報端末においてGPS等の位置情報に連動させて仮想ペットの生成、育成を行うことにより、興趣に富む育成ゲームを提供する。
【解決手段】 仮想ペットPを生成、育成する育成ゲーム装置1は、現在位置情報を取得できると共にインターネットを介してメインサーバ20に接続可能な携帯情報端末10を備える。
この装置は、利用者2の現在位置情報を取得する位置情報取得手段14と、位置情報取得手段で得られた位置情報に基づいて仮想ペットを生成、育成する生成、育成処理部22と、生成、育成処理部で生成または育成処理された仮想ペットを表示する表示手段12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS機能をもつ携帯情報端末を用いた仮想ペットの育成ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家庭用ゲーム機、携帯通信端末、あるいはパーソナルコンピュータなどにおいて、各種動物を始め、人間などといった仮想ペットを育成する仮想ペットの育成プログラムが周知である。
【0003】
たとえばパーソナルコンピュータ用のソフトウェアプログラムとして、熱帯魚等の仮想生き物を育てる育成(飼育)シュミレーションゲームや、仮想世界に住んでいる人工知能をもった仮想生き物を育てる育成シュミレーションゲーム等がある(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0004】
また、携帯情報端末などにおいて、犬や猫などの疑似ペットを表示し、その成長過程を楽しめるようにした製品も知られている。さらに、この種の育成シュミレーションゲームプログラムを組み込んだ、たまご大の携帯電子ペットとして、「たまごっち(商標)」も広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2002−239230号公報
【特許文献2】 特開2001−352415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来の仮想ペットの育成ゲームは利用者が場所的に動かない状態でプレイするのが一般的であった。そのため、同じような種類のゲームになっていた。ゲーム性の限界があった。
【0007】
特に、この種の仮想ペットの育成ゲームには、仮想ペットを利用者が興味をもって育成するとともに、面白みをもつものであることが望まれる。
また、利用者は動かない状態でプレイするために、運動不足になり易く、健康面で不適であり、このような点をも配慮することが必要とされている。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、携帯情報端末においてGPS等の位置情報に連動させて仮想ペットの生成、育成を行うことにより、利用者が屋外に出て散歩等を行いながらゲームを楽しむことが可能で、興趣に富む仮想ペットの育成ゲーム装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る仮想ペットの育成ゲーム装置は、現在位置情報を取得できるとともに、インターネットを介してメインサーバに接続可能な携帯情報端末を用い、仮想ペットを生成、育成するための仮想ペットの育成ゲーム装置であって、利用者の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で得られた位置情報に基づいて仮想ペットを生成、育成する生成、育成処理部と、前記生成、育成処理部で生成または育成処理された仮想ペットを表示する表示手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明(請求項2記載の発明)に係る仮想ペットの育成ゲーム装置は、請求項1において、前記メインサーバは、会員である利用者の携帯情報端末と接続可能に構成され、前記位置情報取得手段で得られた位置情報に基づき、利用者が予め定めたロケーションエリアに至ったことを確認することにより、ログインできるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明(請求項3記載の発明)に係る仮想ペットの育成ゲーム装置は、請求項1または請求項2において、前記ロケーションエリアは、予め定められている店舗、施設等であることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項4記載の発明)に係る仮想ペットの育成ゲーム装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記携帯情報端末は、携帯電話機、スマートフォン等のモバイルデバイス、ノートパソコン、PDA等のポータブルコンピュータ、携帯ゲーム機等であることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、利用者は、自己の携帯情報端末において仮想ペットを生成、育成するために、予め定められているロケーションエリアまで散歩に出かける。そして、所定のロケーションエリアに到達すると、インタネットを介してネット上のメインサーバにログイン、接続が可能となる。これにより、利用者は、当該携帯情報端末において、位置情報に見合って生成された仮想ペットを受領するとともに、適宜の状態で育成することができるものである。
【0014】
換言すれば、一般に、ペットにとっては、散歩が重要である。仮想ペット(例えば動物等)の育成ゲームでも同様に散歩をさせるように構成し、その散歩の度合いに応じて育成するように構成するのである。
【0015】
このようにすれば、利用者にとっては、適度の運動となり、健康促進に役立つとともに、その運動の度合いや、そのロケーションエリアによって、仮想ペットの育成状態が変わるため、興趣に富む仮想ペットの育成ゲームを得ることができるものである。
【0016】
また、ロケーションエリアとして、適宜の店舗や施設等を設定すれば、そこに会員としての利用者が行くことで、消費者を会員としての店舗、施設への誘導、利用の促進を図ることができるという実利的な効果もある。
【0017】
例えば、利用者が散歩をしないと、仮想ペットは家出をし、消滅することになる。したがって、会員である利用者は、積極的に散歩するようになる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明に係る仮想ペットの育成ゲーム装置によれば、GPS機能を使った位置情報との連動により仮想ペットを生成、育成するようにしているので、育成ゲームを利用者の散歩などにつなげ、利用者の健康管理やその維持増進を図ることができる。
【0019】
特に、従来の育成ゲームでは、家庭内等での動きのないゲームであり、発展性に乏しいものであったが、本発明によれば、育成ゲーム環境を一変させ、楽しさを発展させることができる等の利点がある。さらに、育成ゲームを有効に進め、ゲームの閉塞感を打開できるといった利点もある。
【0020】
また、本発明によれば、利用者のロケーションエリアへの到達によって仮想ペットの育成状態が変わるため、興趣に富む仮想ペットの育成ゲームを得ることができる。
【0021】
さらに、本発明によれば、ロケーションエリアへの利用者の訪問によって、予め設定されている店舗や施設等への誘導、利用の促進を図ることができるという効果もある。
【0022】
また、本発明によれば、位置情報連動型の育成ゲームを利用し、ロケーションへの利用者、すなわち会員の誘導を促進し、その結果消費活動を活発にさせ、また会員同士のスムーズなコミュ二ケーション環境を創成できるといった利点もある。すなわち、チェックインしたロケーション内で、会員が居れば、その会員のペットと出会え、ペット同士の出会いを通して、会員のコミュ二ケーションがフォローできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明に係る仮想ペットの育成ゲーム装置の一実施形態を示す全体の概略構成図である。
【図2】 本発明に係る仮想ペットの育成ゲーム装置の一実施形態を示し、携帯情報端末の例である携帯電話機の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および図2は本発明に係る仮想ペットの育成ゲーム装置の一実施形態を示す。
図1において、全体を符号1で示すものは、仮想ペットPの育成ゲーム装置である。
【0025】
この実施形態では、仮想ペットPの育成ゲーム装置1は、利用者2が携帯する携帯通信端末である携帯電話機10の表示手段12に仮想ペットP(例えば犬、猫等の動物等)の生成、育成状態を表示するように構成した場合を説明する。
【0026】
ここで、利用者が育成ゲームを楽しむための機器としては、携帯電話機10のように、GPS機能等をもち、携帯している利用者2の位置情報を検出できるとともに、インターネット4へのネット接続が可能であることが必要である。
【0027】
このような携帯情報端末としては、従来から種々のものが知られており、上記のような位置情報検出機能とインタネット接続機能とを備え、しかも表示手段12を備えているものであれば、携帯用ゲーム機を始め、種々の携帯情報機器であってもよい。
【0028】
また、上述した位置情報の検出は、周知のGPSのように人工衛星を利用したものであってもよいし、エリア確認を行えばよい場合には、各種携帯電話会社の基地局を利用したエリア確認であってもよい。
【0029】
本発明によれば、上述した構成による仮想ペットの育成ゲーム装置1において、現在位置情報を取得できるとともに、インターネットを介してメインサーバ20に接続可能な携帯情報端末10を用い、仮想ペットPを生成、育成するための仮想ペットの育成ゲーム装置1であって、利用者2の現在位置情報を取得する位置情報取得手段14と、前記位置情報取得手段14で得られた位置情報に基づいて仮想ペットPを生成、育成する生成、育成処理部22と、前記生成、育成処理部14で生成または育成処理された仮想ペットPを表示する表示手段12等によって構成されている。
【0030】
すなわち、携帯電話機10には、表示手段12が装備されるとともに、位置情報取得手段14、インタネット4への接続手段16、記録部18、それ以外の必要な機構部などが装備されている。
【0031】
一方、育成ゲーム装置1をネット上で集中的に管理するためのメインサーバ20には、仮想ペットPの生成、育成処理部22、各会員データやその仮想ペットP等を記録するデータベース24、インタネット4を介して各会員の端末10と接続する接続手段26、各種制御を行う制御部28などが設けられている。
【0032】
このような仮想ペット育成ゲーム装置1のメインサーバ20は、利用者2(会員)が保持している携帯電話機10からの位置情報をインタネット4を介して受け取り、それに応じた仮想ペットPの状況、情報及び各種の特典、その他の情報を配信するようになっている。
【0033】
ここで、上述した仮想ペットPの生成、育成は以下のような条件で行うように設定しておくとよい。
例えば、利用者2が訪れるロケーションエリア5を予め設定しておき、所定のロケーションエリア4に到達したときのポイントとして、仮想ペットPを生成したり、所定の大きさに育成したりするとよい。
【0034】
さらに、このようなロケーションエリア5として、会員が契約した店舗3、各種施設、その他の地域、エリアを適宜設定するとよい。例えば、店舗3や施設をロケーションエリア5として設定すれば、利用者を消費者として店舖3、施設への誘導、利用の促進を図ることができるものである。
【0035】
以上の構成によれば、利用者2は、自己の携帯電話機10において仮想ペットPを生成、育成するために、予め定められているロケーションエリア5まで散歩に出かける。そして、所定のロケーションエリア5に到達すると、インタネット4を介してネット上のメインサーバ20にログインインし、接続が可能となる。これにより、利用者2は、当該携帯電話機10において、位置情報に見合って生成された仮想ペットPを受領したり、適宜の状態での育成状態を得ることができるのである。
【0036】
つまり、通常のペットにとっては散歩が重要であって、それを仮想ペットP(例えば動物等)の育成ゲームでも同様に散歩をさせるように構成し、その散歩の度合いに応じて育成するように構成するのである。
【0037】
このようにすれば、利用者2にとっては、適度の運動となり、健康促進に役立つと共にその運動の度合いや、そのロケーションエリア5によって、仮想ペットPの育成状態が変わるため、興趣に富む仮想ペットの育成ゲームを行えるものである。
【0038】
また、ロケーションエリア5として、適宜の店舗や施設等を設定すれば、そこに会員としての利用者2が行くことで、店舗、施設への消費者の誘導、利用の促進を図れるといった実利面での利点もある。
【0039】
一方、利用者が散歩をしないと、仮想ペットPは家出をしたり、消滅したりすることになる。したがって、会員である利用者2は、積極的に散歩するようになる。
【0040】
また、上述したシステム構成によれば、位置情報連動型の育成ゲームを利用し、ロケーションへの利用者、すなわち会員の誘導を促進し、その結果消費活動を活発にさせ、また会員同士のスムーズなコミュ二ケーション環境を創成できるといった利点もある。すなわち、チェックインしたロケーション内で、会員が居れば、その会員のペットと出会え、ペット同士の出会いを通して、会員のコミュ二ケーションがフォローできる。
【0041】
したがって、この種の会をソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service、SNS)等として運用すれば、会員同士のコミニュケーションの和を広げることができ、その利点は大きい。
【0042】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、仮想ペットPの育成ゲーム装置1を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
【0043】
また、上述した実施形態では、携帯情報端末として携帯電話機10を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の携帯情報端末、例えば携帯電話機を始めとし、スマートフォン等のモバイルデバイス、ノートパソコン、PDA等のポータブルコンピュータ、携帯ゲーム機等といった種々の携帯情報端末機器であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 仮想ペットの育成ゲーム装置
2 利用者(会員)
3 店舗
4 インターネット
6 ロケーションエリア
10 携帯情報端末(携帯通信端末、携帯電話機等)
12 表示手段
14 位置情報取得手段
16 接続手段
18 記録部
20 メインサーバ
22 生成、育成処理部
24 データベース
26 接続手段
28 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置情報を取得できるとともに、インターネットを介してメインサーバに接続可能な携帯情報端末を用い、仮想ペットを生成、育成するための仮想ペットの育成ゲーム装置であって、利用者の現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段で得られた位置情報に基づいて仮想ペットを生成、育成する生成、育成処理部と、
前記生成、育成処理部で生成または育成処理された仮想ペットを表示する表示手段とを備えていることを特徴とする仮想ペットの育成ゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載の仮想ペットの育成ゲーム装置において、
前記メインサーバは、会員である利用者の携帯情報端末と接続可能に構成され、前記位置情報取得手段で得られた位置情報に基づき、利用者が予め定めたロケーションエリアに至ったことを確認することにより、ログインできるように構成されていることを特徴とする仮想ペットの育成ゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の仮想ペットの育成ゲーム装置において、
前記ロケーションエリアは、予め定められている店舖、施設等であることを特徴とする仮想ペットの育成ゲーム装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の仮想ペットの育成ゲーム装置において前記携帯情報端末は、携帯電話機、スマートフォン等のモバイルデバイス、ノートパソコン、PDA等のポータブルコンピュータ、携帯ゲーム機等であることを特徴とする仮想ペットの育成ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−90928(P2012−90928A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252299(P2010−252299)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(510298492)
【出願人】(510298506)
【Fターム(参考)】