説明

仮想マップ断片生成方法、仮想マップ生成方法、および仮想マップ生成器

【課題】グラフィック画像を積み重ね、仮想マップ断面を継ぎ合わせることにより、任意のサイズの仮想マップを生成する方法を提供する。
【解決手段】地形レイヤグラフィック画像を表す複数の地形グラフィックの基礎データブロックを確立し、該基礎データブロックの少なくとも2つを選ぶよう該仮想マップ生成器を構成し、仮想マップ断片を作る様に、該選択された基礎データブロックの該グラフィック画像を積み重ねる様に該仮想マップ生成器を構成し、複数の上記仮想マップ断片を上記ネットワークを介し上記電子デバイスに送る様に該仮想マップ生成器を構成し、仮想マップを作る様に、該仮想マップ生成器からの該仮想マップ断片を継ぎ合わす様に該電子デバイスを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想マップ生成方法に関する。より具体的には、ウェブゲームに適用される仮想マップ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブゲームは、クライアントのプログラムのインストールが不要なコンピュータゲームであり、ウェブブラウザを用いて実行されるコンピュータゲームである。ウェブゲームは利便性を有しており、プレーヤーの居場所に関わらず何れのコンピュータにおいても実行されるので、多くの企業がウェブゲームの開発および設計に努力を重ねている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ウェブゲームでは、リアルタイムなデータのダウンロードをサポートする必要があり、ダウンロードデータの処理量は同一のハードウェアシステムの下において不可避的に制限されてしまうので、現行のウェブゲームに適用されている仮想マップの大きさは、毎秒24フレームという速さでリアルタイムにダウンロードするためのニーズを満足するように所定のサイズ未満に制限されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それ故、本発明の第一の目的は、単に定数個の地形グラフィック基礎データブロックを確立し、グラフィック画像を積み重ね、仮想マップ断片を継ぎ合わせることにより、任意のサイズの仮想マップを生成するための仮想マップ生成方法を提供することにある。
【0005】
従って、本発明に係る仮想マップ生成方法は、仮想マップ生成器、およびネットワークを介して上記仮想マップ生成器と通信する電子デバイスにより実行される。上記仮想マップ生成方法は、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)ステップ(a)において確立された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択させるように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(c)仮想マップ断片を形成するように、ステップ(b)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(d)そのように形成された複数の上記仮想マップ断片を上記ネットワークを介して上記電子デバイスに送信するように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(e)仮想マップを形成するように、上記仮想マップ生成器から受信された上記仮想マップ断片を継ぎ合わせるように上記電子デバイスを構成するステップと、
を含んでいる。
【0006】
なお、ステップ(c)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記仮想マップ断片を形成するように所定の順に積み重ねられることが好ましい。
【0007】
また、ユーザが仮想人物を制御して仮想マップにおいて移動させる場合、上記仮想マップ生成方法は、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)上記電子デバイスに表示された前仮想マップと、それに引き続き上記電子デバイスに表示される現仮想マップとの間におけるシフトベクトルを決定するように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(c)上記シフトベクトルに従って上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(d)仮想マップ断片を形成するように、ステップ(c)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(e)そのように形成された上記仮想マップ断片の少なくとも1つを上記ネットワークを介して上記電子デバイスに送信するように上記仮想マップ生成器を構成するステップと、
(f)上記現仮想マップを形成するように、上記現仮想マップが上記前仮想マップに重なり合う領域と上記仮想マップ生成器から受信された上記仮想マップ断片の少なくとも1つとを継ぎ合わせるように上記電子デバイスを構成するステップと、
を含んでいる。
【0008】
なお、ステップ(b)において、上記シフトベクトルは、上記ネットワークを介して上記電子デバイスから受信される、上記前仮想マップおよび上記現仮想マップにおける仮想人物の位置情報に従って算出されることが好ましい。
【0009】
更に、本発明の第二の目的は、仮想マップ断片生成方法を提供することにある。上記方法に従って生成された仮想マップ断片は、仮想マップを構成するために用いられる。
【0010】
従って、本発明に係る仮想マップ断片生成方法は、仮想マップ生成器により実行される。上記仮想マップ断片生成方法は、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)ステップ(a)において確立された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するステップと、
(c)仮想マップ断片を形成するように、ステップ(b)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるステップと、
を含んでいる。
【0011】
なお、ステップ(c)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、仮想マップ断片を形成するように所定の順に積み重ねられることが好ましい。
【0012】
更に、本発明の第三の目的は、任意のサイズの仮想マップを生成可能な仮想マップ生成器を提供することにある。
【0013】
従って、本発明に係る仮想マップ生成器は、格納部と、制御部と、積み重ね部と、を備えている。
【0014】
上記格納部は、各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを格納するためのものであり、上記制御部は、上記格納部に格納された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するためのものであり、上記積み重ね部は、仮想マップ断片を形成するように、上記制御部により選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるためのものである。
【0015】
なお、上記仮想マップ生成器は、マップコマンドを受信するための受信部を更に備えていることが好ましく、上記制御部は、上記マップコマンドに従って上記地形グラフィック基礎データブロックを選択することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照することにより、以下に詳述された好適な実施形態において明白となる。
【図1】本発明に係る仮想マップ生成器の好適な実施形態を示しているブロック図である。
【図2】好適な実施形態における仮想マップ生成器の構成要素を示しているブロック図である。
【図3】地形レイヤを図示するために草が適用されている地形レイヤの16の構成を示している図である。
【図4】草が下部右隅および下部左隅に配置されている地形レイヤの4つの地形パターンを示している図である。
【図5】仮想人物が現在の領域から標的とする領域に移動している、本発明に係る仮想マップ生成方法の好適な実施形態を示しているフローチャートである。
【図6(a)】対応する地形レイヤの4つのグラフィック画像の積み重ねを示している斜視図である。
【図6(b)】4つのグラフィック画像の積み重ねにより形成される仮想マップ断片を示している概略図である。
【図7】複数の仮想マップ断片を継ぎ合わせることによって形成される仮想マップを示している概略図である。
【図8】仮想人物が仮想マップ中を移動している、本発明に係る仮想マップ生成方法の好適な実施形態を示しているフローチャートである。
【図9】シフト領域とオーバーラップ領域とを継ぎ合わせることにより形成された、仮想人物の動きに対応している現仮想マップを示している概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および図2を参照すると、本発明に係る仮想マップ生成器100の好適な実施形態が図示されている。仮想マップ生成器100は、ゲームサーバ400中に適用されている。ゲームサーバ400は、ユーザがネットワーク300を介してフラッシュ型ウェブゲームをするのに適用可能な電子デバイス200を用いてデータ送信を実行する。仮想マップ生成器100は、フラッシュ型ウェブゲームに適用可能な仮想マップを生成する。
【0018】
仮想マップ生成器100は、格納部1、受信部2、制御部3、積み重ね部4、送信部6、および、算出部7を備えている。
【0019】
格納部1は、対応する地形レイヤのグラフィック画像の各々を表している、複数の地形グラフィック基礎データブロック、および、地形グラフィック基礎データブロックに地形タイプの特性を与えるための地形タイプ符号を格納する。本実施形態において、4つの地形タイプ、すなわち、土、草、砂、水が、地形タイプを説明するために用いられている。しかしながら、地形タイプの数および種類は、本実施形態に開示に限定されるものではない。地形タイプの符号は、対応する地形タイプを示しているデジタル符号であり、例えば、00は土を表し、01は草を表し、10は砂を表し、11は水を表している。
【0020】
本実施形態において、格納部1に格納された地形グラフィック基礎データブロックの各々は、固有デジタル符号である。固有デジタル符号は、8ビットのデジタル符号である。図3を参照すると、固有デジタル符号の符号化ルールが以下に図示されている。
【0021】
【表1】

【0022】
固有デジタル符号は、適用可能なマップレイヤ位置の少なくとも1つを示しているレイヤ位置符号、および、当該適用可能なマップレイヤ位置の少なくとも1つに適用された対応する地形パターンを示している地形パターン符号を含んでいる。レイヤ位置符号は、固有デジタル符号の4つの最上位ビット(MSB:most significant bit)であり、4つのビットの各々は、地形グラフィック基礎データブロックに対応する地形レイヤの上部左隅、上部右隅、下部左隅、および、下部右隅における適用可能なマップレイヤ位置をそれぞれ示している。草である地形タイプの特性(スクリーンドットを伴う部分)が与えられた図3における地形レイヤが、例として与えられている。地形グラフィック基礎データブロックの固有デジタル符号が1000XXXXである場合、地形グラフィック基礎データブロックに対応する地形レイヤのグラフィック画像の上部左隅が草であり、グラフィック画像の残りの部分は空白(透明)である。地形グラフィック基礎データブロックの固有デジタル符号が0110XXXXである場合、地形グラフィック基礎データブロックに対応する地形レイヤのグラフィック画像の上部右隅および下部左隅が草であり、グラフィック画像の残りの部分は空白(透明)である。つまり、地形グラフィック基礎データブロックに対応する地形レイヤのグラフィック画像は、4つの適用可能なマップレイヤ位置に分類され、4つの適用可能なマップレイヤ位置の各々は、固有デジタル符号の4つの最上位ビットのそれぞれによって示されている。特に、1は対応する適用可能なマップレイヤ位置が地形パターンであることを示しており、0は対応する適用可能なマップレイヤ位置が空白(透明)であることを示している。このようにして、地形レイヤの各々には、(固有デジタル符号0000XXXXに対応する、地形レイヤの全体が空白である構成を含め)16種類の画像スタイルがある。すなわち、レイヤ位置符号のデジタルビット数が多ければ多いほど、基礎地形グラフィックデータブロックに対応する地形レイヤのグラフィック画像は現実味を増す。
【0023】
地形パターン符号は、固有デジタル符号の4つの最下位ビット(LSB:least significant bit)であり、16種類の画像スタイルに適用される16(2)種類の地形パターンスタイルを示している。このようにして、電子デバイス200に表示される仮想マップは、より自然なものとなり、繰り返しの少ないものとなる。図4を参照すると、草である地形タイプの特性が与えられた4つの地形レイヤが、再び例として挙げられており、4つの固有デジタル符号である00110000、00110001、00110010、および00110011が、下部右隅および下部左隅に適用可能なマップレイヤ位置を伴う地形レイヤに適用された地形パターンの4つの構成を示している。同様に、地形パターン符号のデジタルビットの数が多くなればなるほど、地形グラフィック基礎データブロックに対応する地形レイヤがより多様になる。
【0024】
図5を参照すると、仮想マップ生成器100により実行される仮想マップの生成方法が示されている。最初に、ユーザはフラッシュ型ウェブゲームに対するアカウントを設定しているものと仮定し、ユーザはログインした後で仮想人物を制御するものと仮定する。
【0025】
ステップS1では、仮想人物が現在の領域から、風景が現在の領域とは異なる標的とする領域に移動する場合(例えば、仮想人物が市街地から荒野に移動する場合)、受信部2は、標的とする領域(荒野)に対応するマップコマンドを受信し、マップコマンドを制御部3に送信する。本実施形態では、ユーザがゲームにおける(ポータルのような)送信媒体をクリックする場合、マップコマンドが電子デバイス200からネットワーク300を介して仮想マップ生成器100の受信部2に送信される。
【0026】
ステップS2では、制御部3が、マップコマンドに従って、格納部1に格納された地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択し、選択された地形グラフィック基礎データブロックを積み重ね部4に送信する。
【0027】
上述の仮定において、ユーザは仮想人物を制御して、市街地から荒野へと移動させる。荒野が、図6(a)に示されているように、土、草、砂、および水により構成されている場合、制御部3は、土、草、砂、および水である地形タイプの特性がそれぞれ与えられる4つの地形グラフィック基礎データブロック101、102、103、および104を選択する。更に、同一のレイヤ位置符号を有する地形グラフィック基礎データブロックは、それぞれが16種類もの地形パターンスタイル(すなわち、00110000〜00111111)を有しているので、選択された地形グラフィック基礎データブロックのそれぞれに対応する固有デジタル符号のレイヤ位置符号の各々がマップコマンドにより決定された後で、制御部3は、地形パターンスタイルの1つをランダムに選択、すなわち、地形パターン符号をランダムに選択し(例えば、00110101)、選択された地形グラフィック基礎データブロックを積み重ね部4に送信する。選択された地形グラフィック基礎データブロックの数が、マップコマンドに関連して変化するのは明白である。
【0028】
ステップS3では、積み重ね部4が、図6(b)に示されているような仮想マップ断片110を形成するように、制御部3によって選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像を積み重ね、そして、仮想マップ断片110を格納のための格納部1のレジスタ11に送信する。地形には様々な標高が存在するので、対応する地形タイプの特性が与えられた選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像は、地形タイプの特性に従って予め決定される所定の順に積み重ねられる。このように、積み重ねによって形成された仮想マップ断片110は、より現実味を帯びる。本実施形態では、選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像を積み重ねる所定の順は、上から下に、土、草、砂、水の順(101〜104)である。
【0029】
制御部3が、複数の地形グラフィック基礎データブロックをマップコマンドに従って継続的に選択し、続いて、積み重ね部4が、仮想マップ断片110を形成するように、選択された地形グラフィックデータブロックに対応するグラフィック画像を積み重ねる。ステップS2およびステップS3を繰り返すことによって、複数の仮想マップ断片110がレジスタ11に格納される。
【0030】
ステップS4では、送信部6が、レジスタ11に格納された仮想マップ断片110を電子デバイス200に送信する。
【0031】
ステップS5では、電子デバイス200が、仮想マップを形成するように、マップコマンドに従って仮想マップ断片110を継ぎ合わせ、そして、電子デバイス200の表示器(図示無し)上に仮想マップ、すなわち、図7に示されているような標的とする領域(荒野)を表示する。
【0032】
それ故に、地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像の少なくとも2つを積み重ね、仮想マップを形成するように仮想マップ断片110を継ぎ合わせることによって、フラッシュ型ウェブゲームに必要な仮想マップの大きさは増大される。更に、同一の地形グラフィック基礎データブロックが、同様のまたは異なる仮想マップにおいて繰り返し用いられるので、定数個の地形グラフィック基礎データブロックのみが格納部1に格納されるために必要であり、地形グラフィック基礎データブロックによって形成された異なる仮想マップ断片110のみが、電子デバイス200に送信されるために必要である。従って、電子デバイス200に送信される仮想マップ断片100の数は相対的に減少し、ネットワーク送信効率に悪影響はない。
【0033】
更に、ユーザによって制御される仮想人物が同様の領域を移動する場合、風景の大部分は同一のままである。それ故に、このような状況では、本発明に係る仮想マップ生成器100は、仮想人物が移動した結果として必要な仮想マップ断片110を生成し、新しく生成された仮想マップ断片110を電子デバイス200に送信するのみであり、電子デバイス200は、新しい仮想マップを形成するように、新しく生成された仮想マップ断片110と元々の仮想マップとを継ぎ合わせる。このように、仮想マップの生成効率は十分に促進され、電子デバイス200とゲームサーバ400との間において毎秒24フレームの速さ(24fps)でデータを処理するために必要である仕様を満足する。詳細は、図2および図8のステップS50〜S55を参照しながら以下において説明される。
【0034】
ステップS50では、前仮想マップ50が電子デバイス200に表示されている場合、制御部3が、図9に示されている太線部分のような前仮想マップ50に対応するバックアップマップ10を生成するように、前仮想マップ50の複製を作成するように構成されており、そして、バックアップマップ10を格納部1のレジスタ11に格納するように構成されている。特に、前仮想マップ50は、仮想人物が移動する前の仮想マップである。
【0035】
ステップS51では、仮想人物が同一の領域を移動した場合、仮想マップ生成器100の算出部7が、バックアップマップ10(または前仮想マップ50)と、電子デバイス200に表示されている現仮想マップ20との間のシフトベクトルを決定するように構成されており、制御部3にシフトベクトルを送信する。特に、現仮想マップ20は、仮想人物が移動した後の仮想マップである。
【0036】
図9を参照すると、バックアップマップ10と現仮想マップ20との間のシフトベクトルが、ネットワーク300を介して電子デバイス200から受信された、前仮想マップ50(またはバックアップマップ10)における仮想人物の位置情報である前座標70、および、現仮想マップ20における仮想人物の位置情報である現座標60に従って算出される。すなわち、算出部7が、仮想人物の移動によりもたらされる、前座標70と現座標60との間におけるx軸方向の偏位量およびy軸方向の偏位量を算出し、シフトベクトルを得る。
【0037】
仮想マップ生成器100が、仮想マップを毎秒24フレーム(24fps)の頻度で生成するので、本実施形態に係る算出部7は、仮想マップの更新と同時に仮想人物の位置を更新するように、仮想マップの更新と同様の頻度でシフトベクトルを決定するように構成されている。
【0038】
ステップS52では、制御部3が、格納部1に格納された地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを、受信されたシフトベクトル(すなわち、x軸方向の偏位量およびy軸方向の偏位量)に従って選択するように構成されており、選択された地形グラフィック基礎データブロックを積み重ね部4に送信する。
【0039】
ステップS53では、仮想マップ断片110を形成するように、積み重ね部4が、選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像を所定の順に積み重ねるように構成されており、そして、仮想マップ断片110を格納部1のレジスタ11に格納するように構成されている。特に、仮想マップ断片110のデータがバックアップマップ10のデータに重なり合わないように、仮想マップ断片110およびバックアップマップ10は、異なるレジスタ(図示無し)に格納されている。
【0040】
制御部3が、シフトベクトルに従って、複数の地形グラフィック基礎データブロックを継続的に選択し、続いて、積み重ね部4が、仮想マップ断片110を形成するように、選択された地形グラフィックデータブロックに対応するグラフィック画像を積み重ねる。ステップS52およびステップS53を繰り返すことによって、複数の仮想マップ断片110がレジスタ11に格納される。
【0041】
ステップS54では、仮想マップ生成器100の送信部6が、そのように形成された仮想マップ断片の少なくとも1つをネットワーク300を介して電子デバイス200に送信するように構成されている。
【0042】
ステップS55では、現仮想マップ20を形成するように、電子デバイス200が、現仮想マップ20が前仮想マップ50に重なり合うオーバーラップ領域40と、仮想マップ生成器100から受信された仮想マップ断片110の少なくとも1つとを継ぎ合わせるように構成されている。換言すれば、仮想人物のシフトベクトルに従って形成された仮想マップ断片110の少なくとも1つは、シフト領域30を構成する。
【0043】
更に、仮想マップ生成器100の制御部3が、他のバックアップマップ10’を生成するように現仮想マップ20の複製を作成するように構成されており、そして、レジスタ11において元々のバックアップマップ10と置き換えて当該他のバックアップマップ10’を格納するように構成されている。また、仮想マップ生成器100の制御部3は、ステップS51〜ステップS55を繰り返し実行するために格納部4、算出部7、および送信部6と協動するように構成されており、ユーザにより制御される仮想人物の同様の領域における移動の結果として必要な仮想マップを継続的に提供する。
【0044】
要約すると、本発明に係る仮想マップ生成器100は、複数の仮想マップ断片110を形成するように地形グラフィック基礎データブロックに対応するグラフィック画像の少なくとも2つを積み重ねること、および、仮想マップ断片110を仮想マップを形成するように仮想マップ断片110を継ぎ合わせる電子デバイス200に送信することにより、フラッシュ型ウェブゲームにより必要とされる仮想マップを生成する。また、仮想マップ断片110が繰り返し用いられるので、ネットワーク送信効率にほとんど影響を与えることなく任意スケールの巨大仮想マップが電子デバイス200に表示される。更に、仮想人物が同様の領域を移動している場合、本発明に係る仮想マップ生成器100は、単に仮想人物の移動に応じてシフト領域30を生成し、現仮想マップ20が前仮想マップ50と重なり合っているオーバーラップ領域40と継ぎ合わすことにより仮想人物が移動した現仮想マップ20を形成し、仮想マップの生成効率を促進する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想マップ生成器(100)により実行される仮想マップ断片生成方法であって、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)ステップ(a)において確立された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するステップと、
(c)仮想マップ断片(110)を形成するように、ステップ(b)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるステップと、
を含んでいることを特徴とする仮想マップ断片生成方法。
【請求項2】
ステップ(c)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、仮想マップ断片(110)を形成するように所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の仮想マップ断片生成方法。
【請求項3】
ステップ(b)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックの各々は、対応する地形タイプの特性が与えられており、
ステップ(c)において、上記対応する地形タイプの特性が与えられた上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記地形タイプの特性に従って予め決定される上記所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の仮想マップ断片生成方法。
【請求項4】
上記地形グラフィック基礎データブロックは、仮想マップ生成器(100)の格納部(1)に格納される、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の仮想マップ断片生成方法。
【請求項5】
ステップ(b)において、上記地形グラフィック基礎データブロックは、マップコマンドに従って選択される、
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の仮想マップ断片生成方法。
【請求項6】
上記マップコマンドは、ネットワーク(300)を介して仮想マップ生成器(100)と通信する電子デバイス(200)から受信される、
ことを更に特徴とする請求項5に記載の仮想マップ断片生成方法。
【請求項7】
仮想マップ生成器(100)およびネットワーク(300)を介して上記仮想マップ生成器(100)と通信する電子デバイス(200)により実行される仮想マップ生成方法であって、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)ステップ(a)において確立された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択させるように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(c)仮想マップ断片(110)を形成するように、ステップ(b)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(d)そのように形成された複数の上記仮想マップ断片(110)を上記ネットワーク(300)を介して上記電子デバイス(200)に送信するように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(e)仮想マップを形成するように、上記仮想マップ生成器(100)から受信された上記仮想マップ断片(110)を継ぎ合わせるように上記電子デバイス(200)を構成するステップと、
を含んでいることを特徴とする仮想マップ生成方法。
【請求項8】
ステップ(c)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記仮想マップ断片(110)を形成するように所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項9】
ステップ(b)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックの各々は、対応する地形タイプの特性が与えられており、
ステップ(c)において、上記対応する地形タイプの特性が与えられた上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記地形タイプの特性に従って予め決定される上記所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項10】
上記地形グラフィック基礎データブロックは、上記仮想マップ生成器(100)に格納される、
ことを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の仮想マップ生成方法。
【請求項11】
ステップ(b)において、上記地形グラフィック基礎データブロックは、マップコマンドに従って選択される、
ことを特徴とする請求項7から10の何れかに記載の仮想マップ生成方法。
【請求項12】
上記マップコマンドは、上記ネットワーク(300)を介して上記電子デバイス(200)から受信される、
ことを特徴とする請求項11に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項13】
仮想マップ生成器(100)およびネットワーク(300)を介して上記仮想マップ生成器(100)と通信する電子デバイス(200)により実行される仮想マップ生成方法であって、
(a)各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを確立するステップと、
(b)上記電子デバイス(200)に表示されている前仮想マップ(50)と上記電子デバイス(200)に表示される現仮想マップ(20)との間におけるシフトベクトルを決定するように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(c)上記シフトベクトルに従って上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(d)仮想マップ断片(110)を形成するように、ステップ(c)において選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(e)そのように形成された上記仮想マップ断片(110)の少なくとも1つを上記ネットワーク(300)を介して上記電子デバイス(200)に送信するように上記仮想マップ生成器(100)を構成するステップと、
(f)上記現仮想マップ(20)を形成するように、上記現仮想マップ(20)が上記前仮想マップ(50)に重なり合う領域と上記仮想マップ生成器(100)から受信された上記仮想マップ断片(110)の少なくとも1つとを継ぎ合わせるように上記電子デバイス(200)を構成するステップと、
を含んでいることを特徴とする仮想マップ生成方法。
【請求項14】
ステップ(b)において、上記シフトベクトルは、上記ネットワーク(300)を介して上記電子デバイス(200)から受信される、上記前仮想マップ(50)および上記現仮想マップ(20)における仮想人物の位置情報に従って算出される、
ことを特徴とする請求項13に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項15】
ステップ(b)において、上記仮想人物の移動によりもたらされるx軸方向の偏位量およびy軸方向の偏位量が、上記シフトベクトルを得るために算出される、
ことを特徴とする請求項14に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項16】
ステップ(d)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記仮想マップ断片を形成するように所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項13から15の何れかに記載の仮想マップ生成方法。
【請求項17】
ステップ(c)において、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックの各々は、対応する地形タイプの特性が与えられており、
ステップ(d)において、上記対応する地形タイプの特性が与えられた上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像は、上記地形タイプの特性に従って予め決定される上記所定の順に積み重ねられる、
ことを特徴とする請求項16に記載の仮想マップ生成方法。
【請求項18】
上記地形グラフィック基礎データブロックは、上記仮想マップ生成器(100)に格納される、
ことを特徴とする請求項13から17の何れかに記載の仮想マップ生成方法。
【請求項19】
各々が対応する地形レイヤのグラフィック画像を表している複数の地形グラフィック基礎データブロックを格納するための格納部(1)と、
上記格納部(1)に格納された上記地形グラフィック基礎データブロックの少なくとも2つを選択するための制御部(3)と、
仮想マップ断片(110)を形成するように、上記制御部(3)により選択された上記地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を積み重ねるための積み重ね部(4)と、
を備えている、
ことを特徴とする仮想マップ生成器(100)。
【請求項20】
マップコマンドを受信するための受信部(2)
を更に備えており、
上記制御部(3)は、上記マップコマンドに従って上記地形グラフィック基礎データブロックを選択する、
ことを特徴とする請求項19に記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項21】
上記受信部(2)は、ネットワーク(300)を介して上記仮想マップ生成器(100)と通信する電子デバイス(200)から上記マップコマンドを受信するように構成されている、
ことを特徴とする請求項20に記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項22】
上記格納部(1)に格納された上記地形グラフィック基礎データブロックの各々は、固有データ符号に関連している、
ことを特徴とする請求項19から21の何れかに記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項23】
固有デジタル符号が、適用可能なマップレイヤ位置の少なくとも1つを示すためのレイヤ位置符号、および、上記適用可能なマップレイヤ位置の少なくとも1つに適用された対応する地形パターンを示すための地形パターン符号を含んでいる、
ことを特徴とする請求項22に記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項24】
上記積み重ね部(4)は、上記仮想マップ断片(110)を形成するように、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を所定の順に積み重ねる、
ことを特徴とする請求項19から23の何れかに記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項25】
上記制御部(3)は、上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに、対応する地形タイプの特性を与えるように構成されており、
上記積み重ね部(4)は、上記対応する地形タイプの特性が与えられた上記選択された地形グラフィック基礎データブロックに対応する上記グラフィック画像を、上記地形タイプの特性に従って予め決定される上記所定の順に積み重ねるように構成されている、
ことを特徴とする請求項24に記載の仮想マップ生成器(100)。
【請求項26】
ゲームサーバ(400)において実行するために適合される、
ことを特徴とする請求項19から25の何れかに記載の仮想マップ生成器(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−42931(P2013−42931A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182737(P2011−182737)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(511206607)樂陞科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【氏名又は名称原語表記】XPEC ENTERTAINMENT INC.
【Fターム(参考)】