説明

仮設ゴンドラ用操作盤

【課題】一人の作業者で簡単に操作でき、かつ仮設ゴンドラを高速で操作できるゴンドラ操作盤を提供する。
【解決手段】仮設ゴンドラを操作するゴンドラ操作盤において、単独に左モータを、単独に右モータを、左右のモータを同時に選択するためのカムスイッチと、上昇スイッチと下降スイッチを有するホイストスイッチを設ける。そして、カムスイッチとホイストスイッチの操作の組み合わせにより、単独に左モータの上昇または下降動作を、単独に右モータの上昇または下降動作を、同時に左右のモータの上昇または下降動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設ゴンドラ用操作盤に関する。
【背景技術】
【0002】
仮設ゴンドラは、例えば、作業員が載り高層ビルの外壁の清掃等の作業のために、高層ビルの外壁に沿って昇降するものである。昇降は、仮設ゴンドラの両側に配置されたロープを駆動するそれぞれのモータの回転方向の向きを変えることによって選択的に行っている。モータの回転方向の向きは、2つのゴンドラ操作盤に設けられたそれぞれの上昇スイッチ、下降スイッチを操作することによって行っている。また、現在使用されているモータは50または60Hzの単相100Vで駆動されるものである。
【0003】
図4は、従来例のゴンドラ操作盤の構成を示す概略図である。図4において、左右のモータ14、16のそれぞれを操作するために、2つのホイストスイッチ12、22が用いられている。例えば、左モータ14を上昇させるには、ホイストスイッチ12の押しボタンスイッチ12aを押し続け、左モータ14を下降させるには、ホイストスイッチ12の押しボタンスイッチ12bを押し続け、一方、右モータ24を上昇させるには、ホイストスイッチ22の押しボタンスイッチ22aを押し続け、右モータ24を下降させるには、ホイストスイッチ22の押しボタンスイッチ22bを押し続ける。なお、図中、16は100V電源コネクタを示し、18は非常停止スイッチを示し、20はパイロットランプを示す。
【0004】
図5は、従来例のモータの駆動回路を示す概略図である。図5では特に本発明と関連のない回路部分の多くは省略されている。図5において、50または60Hzの電源100Vがゴンドラ操作盤の操作により左右のモータに供給されるようになっている。また、作業灯の点灯のためにも100Vが供給される。
【0005】
今、例えば、仮設ゴンドラの左側のロープにより仮設ゴンドラの左側を上昇させようとする場合には、ゴンドラ操作盤12のスイッチ12aを押し続けると、左モータ制御回路28のUPと表示する3つの連動用接点が閉じられたままになり、左モータ14が所定の方向に回転させられ、ロープに沿って仮設ゴンドラの左側が上昇する。
【0006】
仮設ゴンドラの左側のロープにより仮設ゴンドラの左側を下降させようとする場合には、ゴンドラ操作盤12のスイッチ12bを押し続けると、左モータ制御回路28のDOWNと表示する3つの連動用接点が閉じられたままになり、左モータ14が上昇とは反対方向に回転させられ、ロープに沿って仮設ゴンドラの左側が下降する。
【0007】
同様に、仮設ゴンドラの右側の昇降も、ゴンドラ操作盤22の操作により右モータ制御回路26のUPまたはDOWNと表示する接点を選択的に閉じることにより行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
仮設ゴンドラを操作する従来のゴンドラ操作盤によると、ビルに、看板、ひさし等の出っ張りとなる障害物があるので、作業性が良くなく、通常、左右のゴンドラ操作盤は2人の作業者によって操作される。また現状のゴンドラ操作盤で使用されているコンデンサの生産が中止されているので、同一のゴンドラ操作盤の製作には多額の金額が必要となる。モータは50または60Hzの単相100Vで駆動されるものであるので、仮設ゴンドラの昇降は極めて緩慢なものである。
【0009】
したがって、本発明の目的は、一人の作業者で簡単に操作でき、かつ仮設ゴンドラを高速で操作できるゴンドラ操作盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、仮設ゴンドラを操作するゴンドラ操作盤において、単独に左モータを、単独に右モータを、左右のモータを同時に選択するためのカムスイッチと、上昇スイッチと下降スイッチを有するホイストスイッチを有し、前記カムスイッチと前記ホイストスイッチの操作の組み合わせにより、単独に左モータの上昇または下降動作を、単独に右モータの上昇または下降動作を、同時に左右のモータの上昇または下降動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、一人の作業者で簡単に操作でき、かつ仮設ゴンドラを高速で操作できるゴンドラ操作盤が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明では、仮設ゴンドラを操作するゴンドラ操作盤において、単独に左モータを、単独に右モータを、左右のモータを同時に選択するためのカムスイッチと、上昇スイッチと下降スイッチを有するホイストスイッチを有し、前記カムスイッチと前記ホイストスイッチの操作の組み合わせにより、単独に左モータの上昇または下降動作を、単独に右モータの上昇または下降動作を、同時に左右のモータの上昇または下降動作を行う。
【実施例】
【0013】
次に、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の実施例のゴンドラ操作盤を示す図であり、図1aは平面図、図1bは側面図である。
【0014】
図1において、ゴンドラ操作盤30には、ホイストスイッチ32が設けられており、そのうちの32aは上昇用であり、32bは下降用である。また、単独に左側のモータ、同時に左右のモータ、単独に右側のモータを選択するための3つの接点を持つカムスイッチ42が上面に設けられている。なお、図中、36は電源コネクタを示し、38は非常停止ボタンを示し、40はパイロットランプを示し、44は上昇制限用リミットスイッチを示し、46は3Pレセプタを示す。これらは本発明の構成とは無関係であるので、詳細な説明は省略する。
【0015】
図2は本発明の実施例のモータの駆動回路を示す図である。図2において、電源(100V、50/60Hz)からインバータ(2相100Vを3相200Vに変換する)54、56を通して、左右のモータ50、52に3相200Vが供給されるようになっている。作業灯への100Vの給電を利用して、ファン58に給電を行い、インバータ54、56に送風し、60°Cを超えると誤作動を起こす恐れのあるインバータ54.56を冷却している。
【0016】
図3はインバータへのゴンドラ操作盤からの操作を説明するための図である。図3において、今、仮設ゴンドラの左側を上昇させようとするとき、カムスイッチ42を操作して左モータの接点を閉じ、かつホイストスイッチ32の上昇用スイッチ32aを押し続けることにより、UXで表示する接点を閉じたままにする。これにより、左モータが上昇方向に回転する。
【0017】
また、同時に左右のモータにより仮設ゴンドラの両側を同時に上昇させるときには、カムスイッチ42を操作して左モータの接点および右モータの接点を同時に閉じ、かつホイストスイッチ32の上昇用スイッチ32aを押し続けることにより、UXで表示する接点を閉じたままにする。これにより、左右のモータが上昇方向に回転する。
【0018】
同様に、カムスイッチの操作およびホイストスイッチの操作により、単独に、左モータ、または右モータの昇降用の駆動や、左右モータの同時の昇降用駆動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例のゴンドラ操作盤を示す図であり、図1aは平面図、図1bは側面図である。
【図2】本発明の実施例のモータの駆動回路を示す図である。
【図3】インバータへのゴンドラ操作盤からの操作を説明するための図である。
【図4】従来例のゴンドラ操作盤の構成を示す概略図である。
【図5】従来例のモータの駆動回路を示す概略図である。
【符号の説明】
【0020】
30 ゴンドラ操作盤
32 ホイストスイッチ
42 カムスイッチ
50、52 モータ
58 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設ゴンドラを操作するゴンドラ操作盤において、
単独に左モータを、単独に右モータを、左右のモータを同時に選択するためのカムスイッチと、
上昇スイッチと下降スイッチを有するホイストスイッチを有し、
前記カムスイッチと前記ホイストスイッチの操作の組み合わせにより、単独に左モータの上昇または下降動作を、単独に右モータの上昇または下降動作を、同時に左右のモータの上昇または下降動作を行うことを特徴とするゴンドラ操作盤。
【請求項2】
請求項1記載のゴンドラ操作盤において、50/60Hzの100Vの電源を3相200Vに変換するインバータを通してモータに給電することを特徴とするゴンドラ操作盤。
【請求項3】
請求項2記載のゴンドラ操作盤において、インバータを冷却するファンをさらに有することを特徴とするゴンドラ操作盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−62787(P2006−62787A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244741(P2004−244741)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(504323146)
【Fターム(参考)】