説明

仮設足場用筋交い

【課題】斜材や水平材の側で足場支柱のくさび受けの選択を可能とする構成を備え、足場支柱のくさび受け選択の自由度を高めた仮設足場用筋交いを提供する。
【解決手段】上側連結部20は、鉤腕部材40と、進退端部30と、上側くさび部材50と、第1ピン部材21と、第2ピン部材22を有し、進退端部30は溝穴部31,32を第1及び第2ピン部材21,22が移動することにより水平材12に対して上側くさび部材50が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられ、鉤腕部材40は第1ピン部材21を回動軸として回動することにより鉤部41が第2ピン部材22と係合して斜材11が上側連結部20に固定される構成であり、下側連結部60は上側くさび部材50の第1位置と第2位置の進退移動に対応して斜材11を第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定する下側固定部70と、下側くさび受け3に係着する下側くさび部材90を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設足場用筋交いに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物等の工事等に際し、建築物の外周に仮設足場が設置される。この場合、まず複数本の支柱が所定間隔で配置される。各支柱間に足場板が架設されて一の階層の足場が形成される。そして、上方に支柱が順次継ぎ足され同様に足場板は架設されて複数階層の足場が形成される。このような仮設足場の架設作業にあっては、上方への足場の継ぎ足し作業の安全対策として、足場板を架設させる前に、斜材、水平材、または垂直材等の足場材を手すりとして先行して配置される。
【0003】
足場材を配置する場合、仮設足場用筋交いが足場支柱のくさび受け(ホルダー)に対して取り外し可能に係着される。一般的な足場支柱の場合、図14に示すように、当該支柱の周囲に90°ずつ4箇所配置される(例えば特許文献1の図面等参照)。具体的には、上側くさび受け2は2a,2b,2c,2dから構成され、下側くさび受け3は3a,3b,3c,3dから構成される。上下のくさび受けは同形状である。図14に開示のくさび受けに斜材、水平材等を係着させる場合、斜材、水平材等は2本の足場支柱間で対向するくさび受け同士(例えば2aと2cの間)に係着される(特許文献1参照)。あるいは、斜材、水平材等は対向位置にあるくさび受けの左右いずれかのくさび受け同士(例えば3bと3bの間)に係着される(例えば、特許文献2、3、4等参照)。
【0004】
足場支柱間に架設される斜材、水平材等においては、足場支柱のくさび受けに対して強固かつ簡便な係着のための改良が進められてきた(同特許文献2、3、4等参照)。しかしながら、斜材、水平材等と、これを受け入れるくさび受けの対応関係は固定化されているのが現実である。このため、仮設足場を施工する建築物の構造、現場における作業性等を勘案して、斜材、水平材等の係着に用いるくさび受けを柔軟に選択したいとの要望がある。また、現状、使用するくさび受けの位置に応じて斜材や水平材等の資材を調達しているため煩雑である。
【0005】
そこで、仮設足場用筋交いに備えられる斜材や水平材の側で足場支柱のくさび受けの取り付け位置の選択を可能とし、建築物の構造や現場作業に柔軟に対応可能な筋交いの構成が望まれるに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−261150号公報
【特許文献2】特開2008−63903号公報
【特許文献3】特開2008−75305号公報
【特許文献4】特開2008−214994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、斜材や水平材の側で足場支柱のくさび受けの選択を可能とする構成を備え、足場支柱のくさび受け選択の自由度を高め、建築物の構造や現場作業に柔軟に対応することができる仮設足場用筋交いを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1の発明は、足場支柱の間にX字状に配設される2本の斜材と、前記足場支柱の間に架設される水平材と、前記水平材の両端に備えられるとともに前記斜材に軸着され前記足場支柱に設けられた上側くさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部と、前記斜材のそれぞれの下端部に備えられるとともに前記足場支柱に設けられた下側くさび受けに対して取り外し可能に係着される下側連結部とを備える仮設足場用筋交いにおいて、前記上側連結部は、前記斜材の上端部に軸着された鉤腕部材と、前記水平材の端部を支持する進退端部と、前記上側くさび受けに係着する上側くさび脚部と該上側くさび脚部に直交し前記足場支柱反対側に延長する上側くさび本体部を備える上側くさび部材と、前記鉤腕部材、前記進退端部、及び前記上側くさび部材を貫通してこれらを軸支する第1ピン部材と、前記進退端部及び前記上側くさび部材を貫通する第2ピン部材を有し、前記進退端部は、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が貫通する水平方向に形成された溝穴部を備え、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が前記溝穴部を移動することにより前記水平材に対して前記上側くさび部材が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられており、前記鉤腕部材は鉤部を備え、前記鉤腕部材が前記第1ピン部材を回動軸として回動することにより前記鉤部が前記第2ピン部材と係合して前記鉤腕部材を介し前記斜材が上側連結部に固定される構成であり、前記下側連結部は、前記上側くさび部材の第1位置と第2位置の進退移動に対応して前記斜材を第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定する下側固定部を有するとともに、前記下側くさび受けに係着する下側くさび部材を備えることを特徴とする仮設足場用筋交いに係る。
【0009】
請求項2の発明は、前記進退端部がブラケット部を介して前記水平材を支持する請求項1に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0010】
請求項3の発明は、前記水平材の先端部分に前記足場支柱のための当て板部を有する請求項2に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0011】
請求項4の発明は、前記進退端部が、前記上側くさび本体部を上下から挟持するくさび部材上保持部及びくさび部材下保持部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0012】
請求項5の発明は、前記鉤腕部材の前記鉤部の開口部が上方に開口して形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0013】
請求項6の発明は、前記下側固定部が、固定棒部材と、前記固定棒部材が挿通する前記下側連結部に設けられた固定穴部と、前記斜材の下端部に設けられた斜材穴部とを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0014】
請求項7の発明は、前記斜材穴部が第1斜材穴部と該第1斜材穴部より大径の第2斜材穴部からなり、前記下側連結部において前記斜材が第1位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第1固定穴部と該第1固定穴部より大径の第2固定穴部を備え、かつ、前記下側連結部において前記斜材が第2位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第3固定穴部と該第3固定穴部より大径の第4固定穴部を備える請求項6に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0015】
請求項8の発明は、前記固定棒部材が、第1斜材穴部と第1固定穴部もしくは第3固定穴部との固定に用いる第1固定棒部材と、第2斜材穴部と第2固定穴部もしくは第4固定穴部との固定に用いる第2固定棒部材とからなる請求項7に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【0016】
請求項9の発明は、前記下側連結部の下側固定部に支持ピン部が設けられ、前記斜材の下端部には、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第1位置で固定する第1係着部と、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第2位置で固定する第2係着部と、前記支持ピン部が摺動可能なように前記第1係着部と前記第2係着部とを連接する下溝部とが形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交いに係る。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明に係る仮設足場用筋交いによると、足場支柱の間にX字状に配設される2本の斜材と、前記足場支柱の間に架設される水平材と、前記水平材の両端に備えられるとともに前記斜材に軸着され前記足場支柱に設けられた上側くさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部と、前記斜材のそれぞれの下端部に備えられるとともに前記足場支柱に設けられた下側くさび受けに対して取り外し可能に係着される下側連結部とを備える仮設足場用筋交いにおいて、前記上側連結部は、前記斜材の上端部に軸着された鉤腕部材と、前記水平材の端部を支持する進退端部と、前記上側くさび受けに係着する上側くさび脚部と該上側くさび脚部に直交し前記足場支柱反対側に延長する上側くさび本体部を備える上側くさび部材と、前記鉤腕部材、前記進退端部、及び前記上側くさび部材を貫通してこれらを軸支する第1ピン部材と、前記進退端部及び前記上側くさび部材を貫通する第2ピン部材を有し、前記進退端部は、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が貫通する水平方向に形成された溝穴部を備え、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が前記溝穴部を移動することにより前記水平材に対して前記上側くさび部材が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられており、前記鉤腕部材は鉤部を備え、前記鉤腕部材が前記第1ピン部材を回動軸として回動することにより前記鉤部が前記第2ピン部材と係合して前記鉤腕部材を介し前記斜材が上側連結部に固定される構成であり、前記下側連結部は、前記上側くさび部材の第1位置と第2位置の進退移動に対応して前記斜材を第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定する下側固定部を有するとともに、前記下側くさび受けに係着する下側くさび部材を備えるため、斜材や水平材の側で足場支柱のくさび受けの選択を可能とする構成を備え、足場支柱のくさび受け選択の自由度を高め、建築物の構造や現場作業に柔軟に対応することができる。また、仮設足場用筋交い自体が足場支柱のくさび受けの位置に対応できるため、個々の足場支柱のくさび受けの位置に合わせて資材を用意することなく、資材量の抑制も可能となる。
【0018】
請求項2の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項1において、前記進退端部がブラケット部を介して前記水平材を支持するため、水平材を進退端部より高い位置に設置することができる。
【0019】
請求項3の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項2において、前記水平材の先端部分に前記足場支柱のための当て板部を有するため、仮設足場用筋交いの設置時に足場支柱が内側(水平材側)へ傾倒することを抑制することができる。
【0020】
請求項4の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項1ないし3において、前記進退端部が、前記上側くさび本体部を上下から挟持するくさび部材上保持部及びくさび部材下保持部を備えるため、上側くさび部材は水平方向のみの移動に規制される。このため、上側くさび部材の保持性能は良くなり、上側くさび部材の第1位置と第2位置の移動が円滑となり仮設足場用筋交いの取り扱いの利便性が高まる。
【0021】
請求項5の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項1ないし4において、前記鉤腕部材の前記鉤部の開口部が上方に開口して形成されているため、鉤腕部材を第2ピン部材に効果的に係合させることができる。
【0022】
請求項6の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項1ないし5において、前記下側固定部が、固定棒部材と、前記固定棒部材が挿通する前記下側連結部に設けられた固定穴部と、前記斜材の下端部に設けられた斜材穴部とを有するため、比較的単純な構造により、斜材に生じる位置ずれに容易に対応することができるができる。
【0023】
請求項7の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項6において、前記斜材穴部が第1斜材穴部と該第1斜材穴部より大径の第2斜材穴部からなり、前記下側連結部において前記斜材が第1位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第1固定穴部と該第1固定穴部より大径の第2固定穴部を備え、かつ、前記下側連結部において前記斜材が第2位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第3固定穴部と該第3固定穴部より大径の第4固定穴部を備えるため、斜材が誤った位置で固定されることを防止することができる。
【0024】
請求項8の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項7において、前記固定棒部材が、第1斜材穴部と第1固定穴部もしくは第3固定穴部との固定に用いる第1固定棒部材と、第2斜材穴部と第2固定穴部もしくは第4固定穴部との固定に用いる第2固定棒部材とからなるため、固定棒部材の取り違えを防止して安全かつ確実に固定することができる。
【0025】
請求項9の発明に係る仮設足場用筋交いによると、請求項1ないし5において、前記下側連結部の下側固定部に支持ピン部が設けられ、前記斜材の下端部には、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第1位置で固定する第1係着部と、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第2位置で固定する第2係着部と、前記支持ピン部が摺動可能なように前記第1係着部と前記第2係着部とを連接する下溝部とが形成されているため、比較的単純な構造により、斜材に生じる位置ずれに容易に対応することができるができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例に係る仮設足場用筋交いの正面図である。
【図2】上側連結部付近の主要上面図である。
【図3】上側連結部の主要部分解斜視図である。
【図4】上側連結部の主要部縦断面図である。
【図5】水平材と足場支柱との位置関係を表した概略上面図である。
【図6】上側くさび部材の第1位置を示す上側連結部の正面図である。
【図7】上側くさび部材の第2位置を示す上側連結部の正面図である。
【図8】斜材の第1位置を示す下側連結部の正面図である。
【図9】図8の下側連結部付近の主要上面図である。
【図10】斜材の第2位置を示す下側連結部の正面図である。
【図11】図10の下側連結部付近の主要上面図である。
【図12】斜材の第1位置を示す他の実施例に係る下側連結部の正面図である。
【図13】斜材の第2位置を示す他の実施例に係る下側連結部の正面図である。
【図14】足場支柱の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜図4に示す本発明の一実施例に係る仮設足場用筋交い10は、2本の斜材11,11と、水平材12と、上側連結部20と、下側連結部60とを備える。実施例において、足場支柱1の上側くさび受け2(2a,2b,2c,2d)及び下側くさび受け3(3a,3b,3c,3d)の配置、構造は、背景技術にて開示した図14の足場支柱1におけるくさび受けの構造と同様である。また、上側くさび受け2と下側くさび受け3は同形状である。本明細書においては説明の便宜上、足場支柱1のくさび受け2,3を上下で区別している。
【0028】
2本の斜材11,11は、足場支柱1,1の間に交差してX字状に配設される。
【0029】
水平材12は、足場支柱1,1の間に架設されるものであり、パイプ状に形成される。
【0030】
上側連結部20は、水平材12の両端に備えられるとともに斜材11,11に軸着され、足場支柱1,1に設けられた上側くさび受け2(2a,2b,2c,2d)に対して取り外し可能に係着されるものであり、図2〜図4に示すように、進退端部30と、鉤腕部材40と、上側くさび部材50とを有する。この上側連結部20では、鉤腕部材40、進退端部30、上側くさび部材50の順に摺動自在に重ね合わせて配置される。図2〜図4において、符号21は鉤腕部材40、進退端部30、及び上側くさび部材50を貫通してこれらを軸支する第1ピン部材、22は進退端部30及び上側くさび部材50を貫通する第2ピン部材、25は第1ピン部材21及び第2ピン部材22により進退端部30と鉤腕部材40と上側くさび部材50とを軸支するための補助板部材、26は補助板部材25に形成された第1ピン部材21のための軸支穴、27は補助板部材25に形成された第2ピン部材22のための軸支穴である。
【0031】
進退端部30は、図1,3に示すように、水平材12の端部を支持する。この進退端部30は、図3に示すように、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が貫通する水平方向に形成された長穴となる溝穴部31,32を備え、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が溝穴部31,32を移動することにより水平材12に対して後述する上側くさび部材50が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられている。また、図4に示すように、上側くさび部材50(後述する上側くさび本体部51)を上下から挟持するくさび部材上保持部33及びくさび部材下保持部34を備える。実施例の進退端部30は、側面視略コ字状をなしている。
【0032】
上記進退端部30は、水平材12の端部を支持することが可能であれば、水平材12の両端に直線状に設ける等適宜の構造とすることができる。実施例の進退端部30は、図1〜3,5,6に示すように、ブラケット部35を介して水平材12を支持するように構成される。ブラケット部35としては、図示のように、進退端部30から直上方向に形成してもよいし、斜め方向に形成してもよい。ブラケット部35を介して水平材12を支持することにより、水平材12を進退端部30より高い位置に設置することができる。また、ブラケット部35と水平材12は溶接することが好ましい。なお、図中の符号36は水平材12を支持するためにブラケット部35上端部に円弧状に形成された水平材支持部である。
【0033】
また、水平材12がブラケット部35を介して支持される場合には、仮設足場用筋交い10の設置時に足場支柱1,1が内側(水平材12側)へ傾倒することを抑制するために、図3,5に示すように、水平材12の先端部分に足場支柱1のための当て板部13を設けることが好ましい。当て板部13は、後述する上側くさび部材50の第1位置または第2位置のいずれの場合でも足場支柱1の内側に近接して足場支柱1が傾倒した際に支持することが可能なように幅広に形成された板面部14を有する。実施例の当て板部13は、上面視略L字状に形成されており、足場支柱1の前側への傾倒も抑制することができる。
【0034】
鉤腕部材40は、図2,3に示すように、斜材11,11の上端部11A,11Aに軸着され、鉤部41を備えており、第1ピン部材21を回動軸として回動することにより鉤部41が第2ピン部材22に係合して斜材11,11を上側連結部20に固定する。この鉤腕部材40では、仮設足場用筋交い10の設置時に斜材11側に斜材11の荷重がかかって斜材11と軸着された固定ピン44を回動軸として上方に回動するため、図2,3に示すように、鉤部41の開口部42を上方に開口して形成して、鉤部41の開口部42が第2ピン部材22の下側に係合するように構成されている。これにより、斜材11の荷重を利用して鉤腕部材40を第2ピン部材22に効果的に係合させることができる。なお、図中の符号43は第1ピン部材21が貫通する軸支穴である。
【0035】
上側くさび部材50は、図3,4に示すように、上側くさび受け2に係着する上側くさび脚部(上短脚部52,上長脚部53)と該上側くさび脚部52,53に直交し足場支柱1反対側に延長する上側くさび本体部51を備える。この上側くさび部材50は、上側くさび本体部51に第1ピン部材21及び第2ピン部材22が貫通する水平方向に形成された軸支穴56,57を備える。図において、符号54は上側くさび脚部52,53の間に形成され上側くさび脚部52,53が上側くさび受け2に差し込まれた際に上側くさび受け2を挟持する上脚間部、55は上長脚部33の先端に形成され上側くさび受け2と上側くさび部材50との固定性(引っかかり具合)を向上させるための鉤部である。
【0036】
図6及び図7の主要部正面図を用い上側連結部20の上側くさび部材50における第1位置と第2位置の関係を説明する。図6に示す上側くさび部材50の第1位置は、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が進退端部30の溝穴部31,32の前側(足場支柱1側)に移動したことに伴って前側(足場支柱1側)に前進された位置であり、水平材12の両端に配された上側くさび部材50,50同士の間隔が所定量伸ばされた状態となる。その際、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が貫通している鉤腕部材40及び補助板部材25も同様に前進される。上側くさび部材50の第1位置では、上側連結部20が足場支柱1,1間で対向する上側くさび受け2のうち側方に配置された上側くさび受け2b,2b(図14参照)に係着され、水平材12が足場支柱1に対して側方に位置する(図5(a)参照)。
【0037】
図7に示す上側くさび部材50の第2位置は、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が進退端部30の溝穴部31,32の後側(水平材12側)に移動したことに伴って後側(水平材12側)に後退された位置であり、水平材12の両端に配された上側くさび部材50,50同士の間隔が前記の第1位置のときよりも所定量縮められた状態となる。その際、第1ピン部材21及び第2ピン部材22が貫通している鉤腕部材40及び補助板部材25も同様に後退される。上側くさび部材50の第2位置では、上側連結部20が足場支柱1,1間で対向する上側くさび受け2のうち相対して配置された上側くさび受け2c,2a(図14参照)に係着され、水平材12が足場支柱1に対して内側に位置する(図5(b)参照)。
【0038】
なお、上側くさび部材50が水平方向に第1位置と第2位置で移動する際には、進退端部30のくさび部材上保持部33及びくさび部材下保持部34により、上下方向や回動方向の移動、がたつき等が抑制され、水平方向のみに双方の移動が規制される。このため、上側くさび部材50の保持性能は良くなり、上側くさび部材50の第1位置と第2位置の移動が円滑となることにより仮設足場用筋交い10の取り扱いの利便性が高まる。
【0039】
下側連結部60は、斜材11,11のそれぞれの下端部11B,11Bに備えられるとともに足場支柱1,1に設けられた下側くさび受け3に対して取り外し可能に係着されるものであり、図8〜図11に示すように、下側固定部70を有するとともに、下側くさび部材90を備える。図において、符号71,72は梁部73(板連結部)により連結された下側連結部60の2枚の本体板部、74は本体板部71,72の中央に同本体板部71,72を貫通するくさび保持部である。
【0040】
下側固定部70は、上側くさび部材50の第1位置と第2位置の進退移動に対応して斜材11を後述する第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定するものであって、斜材11の下端部11Bに設けられた斜材穴部61と、固定棒部材80と、固定棒部材80が挿通する下側連結部60に設けられた固定穴部85とを有する。実施例において、斜材穴部61は、図8,10に示すように、第1斜材穴部62と該第1斜材穴部62より大径の第2斜材穴部63からなる。
【0041】
固定棒部材80は、斜材11を下側固定部70に固定するための棒状部材であって、ネジ,ボルト,ピン等の適宜の部材からなる。この固定棒部材80は、第1斜材穴部62と後述する第1固定穴部86もしくは第3固定穴部88との固定に用いる第1固定棒部材81と、第2斜材穴部63と後述する第2固定穴部87もしくは第4固定穴部89との固定に用いる第2固定棒部材82とからなる。実施例では、第1固定棒部材81が小径の棒状部材であり、第2固定棒部材82が第1固定棒部材81より大径の棒状部材である。
【0042】
固定穴部85は、下側連結部60において斜材11が第1位置となる場合の第1斜材穴部62及び第2斜材穴部63に対応する位置に第1固定穴部86と該第1固定穴部86より大径の第2固定穴部87を備え、かつ、下側連結部60において斜材11が第2位置となる場合の第1斜材穴部62及び第2斜材穴部63に対応する位置に第3固定穴部88と該第3固定穴部88より大径の第4固定穴部89を備える。
【0043】
下側くさび部材90は、図8,10に示すように、下側くさび受け3に係着するものであって、下側連結部60のくさび保持部74と梁部73の間に挿入される下長脚部91と、下側くさび受け3に挿入される下短脚部92を備え、下長脚部91と下短脚部92により下側くさび受け3と梁部73とを狭持する。また、下側くさび部材90では、下長脚部91をくさび保持部74と梁部73の間に挿入した際に下長脚部91がくさび保持部74に接触するため、下側連結部20と下側くさび受け3との係着時の下側くさび部材90の不用意な位置ずれ等が抑制され下側くさび部材25の固定性が向上する。図において、符号93は下長脚部91と下短脚部92の間に形成された下脚間部、94は下長脚部91の先端に形成された下側くさび部材90の脱落を防止するための抜け止め部である。
【0044】
図8及び図10の主要部正面図を用い斜材11の第1位置と第2位置の関係を説明する。図8に示す斜材11の第1位置は、上側くさび部材50が第1位置であることに伴って下側連結部60の後側(斜材11側)に後退されて第1斜材穴部62と第1固定穴部86とが重なるとともに第2斜材穴部63と第2固定穴部87とが重なる位置であり、足場支柱1,1間の対角線方向上で所定量伸ばされた状態となる。
【0045】
図10に示す斜材11の第2位置は、上側くさび部材50が第2位置であることに伴って下側連結部60の前側(足場支柱1側)に前進されて第1斜材穴部62と第3固定穴部88とが重なるとともに第2斜材穴部63と第4固定穴部89とが重なる位置であり、足場支柱1,1間の対角線方向上で所定量縮められた状態となる。
【0046】
次に、仮設足場用筋交い10の設置手順について説明する。設置前の仮設足場用筋交い10は、鉤腕部材40の鉤部41と第2ピン部材22の係合が解除され第1ピン部材21を回動軸として鉤腕部材40が斜材11とともに水平材12側へ回動されて、水平材12と2本の斜材11,11が重ね合わさった状態とされる。その際、固定ピン43を回動軸として斜材11に対して鉤腕部材40を回動させて折り畳むことにより、省スペース化を図ることができる。
【0047】
ここで、足場支柱1,1の側方に配置された上側くさび受け2b,2b及び下側くさび受け3b,3bに仮設足場用筋交い10を設置する場合、一方の足場支柱1側において、まず、図6に示すように、第1ピン部材21及び第2ピン部材22を進退端部30の溝穴部31,32の前側(足場支柱1側)に移動させて上側くさび部材50を第1位置に前進させ、上側くさび部材50の上長脚部33を上側くさび受け2bに差し込んで上側くさび脚部52,53によって上側くさび受け2bを狭持させる。
【0048】
続いて、斜材11が軸着された鉤腕部材40の鉤部41を第2ピン部材22に係合させて斜材11を上側連結部20に固定させる。この時、斜材11と鉤腕部材40とが回動可能に軸着されているので、鉤腕部材40を固定ピン43を回動中心として適宜回動させることによって第2ピン部材22に対する鉤腕部材40の鉤部41の着脱作業が容易となる。
【0049】
また、他の足場支柱1側においても、同様に上側くさび部材50を第1位置に前進させて上側くさび受け2bに差し込んだ後、鉤腕部材40の鉤部41を第2ピン部材22に係合させて斜材11を上側連結部20に固定させる。
【0050】
次に、一方の足場支柱1において、図8に示すように、下側くさび受け3bに対して下側連結部60の梁部73を近接させ、下側くさび部材90の下長脚部91をくさび保持部74と梁部73の間に挿入させるとともに、下側くさび部材90の下短脚部92を下側くさび受け3bに挿入させる。これにより、下長脚部91と下短脚部92により下側くさび受け3bと梁部73が狭持されて、下側連結部60が下側くさび受け3bに固定される。
【0051】
そして、斜材11を下側連結部60の後側(斜材11側)の第1位置へ後退させ、斜材11の第1斜材穴部62と第1固定穴部86とを重ねるとともに斜材11の第2斜材穴部63と第2固定穴部87を重ねて、第1斜材穴部62及び第1固定穴部86に第1固定棒部材81を挿入させるとともに、第2斜材穴部63及び第2固定穴部87に固定棒部材72を挿入させて、斜材11を下側連結部60に対して固定させる。
【0052】
また、他の足場支柱1側においても、同様に下側くさび部材90によって下側連結部60を下側くさび受け3bに固定させた後、下側連結部60に対して斜材11を第1位置で固定させる。以上により、仮設足場用筋交い10の上側くさび受け2b,2b及び下側くさび受け3b,3bへの設置が完了する。
【0053】
一方、足場支柱1,1間で相対して配置された上側くさび受け2c,2a及び下側くさび受け3c,3aに仮設足場用筋交い10を設置する場合、一方の足場支柱1側において、図7に示すように、第1ピン部材21及び第2ピン部材22を進退端部30の溝穴部31,32の後側(水平材12側)に移動させて上側くさび部材50を第2位置に後退させ、上側くさび部材50の上長脚部33を上側くさび受け2cに差し込んで上側くさび脚部52,53によって上側くさび受け2cを狭持させる。続いて、鉤腕部材40の鉤部41を第2ピン部材22に係合させて斜材11を上側連結部20に固定させる。
【0054】
また、他の足場支柱1側においても、同様に上側くさび部材50を第2位置に後退させて上側くさび受け2aに差し込んだ後、鉤腕部材40の鉤部41を第2ピン部材22に係合させて斜材11を上側連結部20に固定させる。
【0055】
次に、一方の足場支柱1において、図10に示すように、下側くさび受け3aに対して下側連結部60の梁部73を近接させ、下側くさび部材90の下長脚部91をくさび保持部74と梁部73の間に挿入させるとともに、下側くさび部材90の下短脚部92を下側くさび受け3aに挿入させる。これにより、下長脚部91と下短脚部92により下側くさび受け3aと梁部73が狭持されて、下側連結部60が下側くさび受け3aに固定される。
【0056】
そして、斜材11を下側連結部60の前側(足場支柱1側)の第2位置へ前進させ、斜材11の第1斜材穴部62と第3固定穴部88とを重ねるとともに斜材11の第2斜材穴部63と第4固定穴部89を重ねて、第1斜材穴部62及び第3固定穴部88に第1固定棒部材81を挿入させるとともに、第2斜材穴部63及び第4固定穴部89に固定棒部材72を挿入させて、斜材11を下側連結部60に対して固定させる。
【0057】
また、他の足場支柱1側においても、同様に下側くさび部材90によって下側連結部60を下側くさび受け3cに固定させた後、下側連結部60に対して斜材11を第2位置で固定させる。以上により、仮設足場用筋交い10の上側くさび受け2c,2a及び下側くさび受け3c,3aへの設置が完了する。
【0058】
これまでに図示し説明したように、本発明の仮設足場用筋交いは、水平材に対して上側くさび部材が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられていることにより、係着に用いる上側くさび受けの位置の相違に起因して水平材に生じる位置ずれを容易に解消することができる。加えて、下側連結部では、上側くさび部材の第1位置と第2位置の進退移動に対応して斜材を第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定可能としたことにより、係着に用いる下側くさび受けの位置の相違に起因して斜材に生じる位置ずれに容易に対応することができる。
【0059】
また、下側連結部において、固定棒部材と、固定穴部と、斜材穴部とを採用し、比較的単純な構造とすることにより、斜材に生じる位置ずれに容易に対応することができるができる。とりわけ、斜材が第1位置となる場合の第1斜材穴部及び第2斜材穴部に対応する位置に第1固定穴部と第2固定穴部を備え、かつ、斜材が第2位置となる場合の第1斜材穴部及び第2斜材穴部に対応する位置に第3固定穴部と第4固定穴部を備えることにより、斜材が誤った位置で固定されることを防止することができる。加えて、第1斜材穴部と第1固定穴部もしくは第3固定穴部との固定に第1固定棒部材を用い、第2斜材穴部と第2固定穴部もしくは第4固定穴部との固定に第2固定棒部材を用いることにより、固定棒部材の取り違えを防止して安全かつ確実に固定することができる。
【0060】
さらに、仮設足場用筋交い自体が足場支柱のくさび受けの位置に柔軟に対応できるため、足場支柱のくさび受け選択の自由度を高め、建築物の構造や現場作業に柔軟に対応することができ、さらには、個々の足場支柱のくさび受けの位置に合わせた資材を逐次用意することなくなり、資材量の抑制も可能となる。
【0061】
なお、本発明の仮設足場用筋交いは、前述の実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、実施例では進退端部の溝穴部を水平方向に2つ並設した構成としたが、第1ピン部材及び第2ピン部材が貫通する単一の長穴とする溝穴部としてもよい。
【0062】
また、実施例では、下側連結部を下側くさび受けに固定させた後に下側連結部に対して斜材を第1位置または第2位置へ固定させたが、予め下側連結部に対して斜材を第1位置または第2位置へ固定させた後に下側連結部を下側くさび受けに固定させるようにしても構わない。
【0063】
さらに、下側連結部の他の構造として、図12,13に示す下側連結部60Aのように、下側固定部100に支持ピン部101を設け、斜材11の下端部11Bに、第1係着部111と、第2係着部112と、下溝部113とを形成するように構成してもよい。以下の説明において、前述の実施例と同一の符号は同一の構成を表すものとして、その説明を省略する。
【0064】
第1係着部111は、支持ピン部101が係着されて斜材11を第1位置で固定するものである。また、第2係着部112は、支持ピン部101が係着されて斜材11を第2位置で固定するものである。
【0065】
下溝部113は、支持ピン部101が摺動可能なように第1係着部111と第2係着部112とを連接するものである。実施例では正面視略コ字状に形成され、斜材11下部先端側(足場支柱1側)の端部に第1係着部111、その反対側の端部に第2係着部112がそれぞれ斜材11の軸方向に突出して形成されている。
【0066】
この下側固定部100では、斜材11を第1位置で固定する場合、図12に示すように、支持ピン部101を下溝部113に沿って斜材11下部先端側(足場支柱1側)へ摺動させて第1係着部111に係着させることにより、容易に斜材11を第1位置で固定することができる。また、図13に示すように、支持ピン部101を下溝部113に沿って斜材11下部先端の反対側へ摺動させて第2係着部112に係着させることにより、斜材11を第2位置で固定することができる。従って、下側連結部60Aにおいても、前記下側連結部60と同様に、比較的単純な構造により、斜材に生じる位置ずれに容易に対応することができるができる。
【符号の説明】
【0067】
1 足場支柱
2(2a,2b,2c,2d) 上側くさび受け
3(3a,3b,3c,3d) 下側くさび受け
10 仮設足場用筋交い
11 斜材
12 水平材
20 上側連結部
21 第1ピン部材
22 第2ピン部材
30 進退端部
40 鉤腕部材
41 鉤部
50 上側くさび部材
51 上側くさび本体部
52,53 上側くさび脚部
60 下側連結部
70 下側固定部
90 下側くさび部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場支柱の間にX字状に配設される2本の斜材と、前記足場支柱の間に架設される水平材と、前記水平材の両端に備えられるとともに前記斜材に軸着され前記足場支柱に設けられた上側くさび受けに対して取り外し可能に係着される上側連結部と、前記斜材のそれぞれの下端部に備えられるとともに前記足場支柱に設けられた下側くさび受けに対して取り外し可能に係着される下側連結部とを備える仮設足場用筋交いにおいて、
前記上側連結部は、前記斜材の上端部に軸着された鉤腕部材と、前記水平材の端部を支持する進退端部と、前記上側くさび受けに係着する上側くさび脚部と該上側くさび脚部に直交し前記足場支柱反対側に延長する上側くさび本体部を備える上側くさび部材と、前記鉤腕部材、前記進退端部、及び前記上側くさび部材を貫通してこれらを軸支する第1ピン部材と、前記進退端部及び前記上側くさび部材を貫通する第2ピン部材を有し、
前記進退端部は、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が貫通する水平方向に形成された溝穴部を備え、前記第1ピン部材及び前記第2ピン部材が前記溝穴部を移動することにより前記水平材に対して前記上側くさび部材が第1位置と第2位置を進退移動可能に取り付けられており、
前記鉤腕部材は鉤部を備え、前記鉤腕部材が前記第1ピン部材を回動軸として回動することにより前記鉤部が前記第2ピン部材と係合して前記鉤腕部材を介し前記斜材が上側連結部に固定される構成であり、
前記下側連結部は、前記上側くさび部材の第1位置と第2位置の進退移動に対応して前記斜材を第1位置または第2位置のいずれかの位置で固定する下側固定部を有するとともに、前記下側くさび受けに係着する下側くさび部材を備える
ことを特徴とする仮設足場用筋交い。
【請求項2】
前記進退端部がブラケット部を介して前記水平材を支持する請求項1に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項3】
前記水平材の先端部分に前記足場支柱のための当て板部を有する請求項2に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項4】
前記進退端部が、前記上側くさび本体部を上下から挟持するくさび部材上保持部及びくさび部材下保持部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項5】
前記鉤腕部材の前記鉤部の開口部が上方に開口して形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項6】
前記下側固定部が、固定棒部材と、前記固定棒部材が挿通する前記下側連結部に設けられた固定穴部と、前記斜材の下端部に設けられた斜材穴部とを有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項7】
前記斜材穴部が第1斜材穴部と該第1斜材穴部より大径の第2斜材穴部からなり、
前記下側連結部において前記斜材が第1位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第1固定穴部と該第1固定穴部より大径の第2固定穴部を備え、かつ、前記下側連結部において前記斜材が第2位置となる場合の前記第1斜材穴部及び前記第2斜材穴部に対応する位置の前記固定穴部として第3固定穴部と該第3固定穴部より大径の第4固定穴部を備える請求項6に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項8】
前記固定棒部材が、第1斜材穴部と第1固定穴部もしくは第3固定穴部との固定に用いる第1固定棒部材と、第2斜材穴部と第2固定穴部もしくは第4固定穴部との固定に用いる第2固定棒部材とからなる請求項7に記載の仮設足場用筋交い。
【請求項9】
前記下側連結部の下側固定部に支持ピン部が設けられ、
前記斜材の下端部には、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第1位置で固定する第1係着部と、前記支持ピン部が係着されて前記斜材を前記第2位置で固定する第2係着部と、前記支持ピン部が摺動可能なように前記第1係着部と前記第2係着部とを連接する下溝部とが形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の仮設足場用筋交い。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−87595(P2012−87595A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237717(P2010−237717)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(503400053)KRH株式会社 (28)