説明

仲介装置、仲介プログラム、仲介方法

【課題】空間データの検索・表示方法を改善し、空間データの流通を促進することを目的とする。
【解決手段】仲介装置1は、予め各空間データプロバイダサーバ3が提供する空間データのメタデータを所定の形式に変換して記憶する。そして、仲介装置1は、記憶したメタデータからユーザ端末2が指定した検索条件を満たすメタデータを検索して検索結果をユーザ端末2へ送信する。この際、入力された検索条件を満たすメタデータだけでなく、入力された検索条件に含まれる位置条件のみを満たすメタデータを検索結果として送信する。送信した検索結果に従いユーザ端末2が指定したメタデータに対応する空間データを空間データプロバイダサーバ3へ伝達して、空間データプロバイダサーバ3からその空間データをユーザ端末2へ送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衛星画像や航空写真等の空間データの検索・表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地理情報システム(GIS)の分野では、通信ネットワークを活用した地理的情報の流通機構全体を指すクリアリングハウスという考えがある。クリアリングハウスの仕組みは、電子化された地図等の地理情報を保有している機関や団体が、インターネットにサーバを接続し、空間データの利用に必要な情報(メタデータ)を、サーバを通じて公開する。そして、データ利用者は、ネットワークに接続されているクリアリングハウスのサーバにアクセスすることにより、空間データを得ることができるというものである。この仕組みにより、利用者が必要な情報を入手することが容易になり、データの相互利用が促進され、不必要な重複投資を回避することができる。
【特許文献1】特開2002−117245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、クリアリングハウスでは、各空間データプロバイダは自らが提供するプロダクツのみ提供しているため、各空間データプロバイダが提供するプロダクツを入手するには、各空間データプロバイダのサーバへアクセスして検索を行う必要がある。一方、ユーザには、様々なセンサにより取得された興味エリア(空間データを購入したいエリア)の画像データを入手したいという要求がある。そのため、ユーザは、各プロバイダのサーバにアクセスして個別に検索、注文を行い、各プロバイダから個別に空間データを取得しており、ユーザに負担がかかっている。
特に、空間データの検索・注文方法は、非常に煩雑であり、各プロバイダにおいても検索・注文方法が異なっている。そのため、ユーザは思うようなデータを容易に取得することができず、空間データの流通促進を妨げる要因となっている。
本発明は、空間データの検索・表示方法を改善し、空間データの流通を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る仲介装置は、例えば、空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置であり、
上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータを記憶装置に記憶するメタデータ記憶部と、
上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を通信装置を介して受信する検索情報受信部と、
上記メタデータ記憶部が記憶したメタデータから、上記検索情報受信部が受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを処理装置により検索するデータ検索部と、
上記データ検索部が検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ通信装置を介して送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信部と
を備えることを特徴とする。
【0005】
上記特定情報送信部は、上記特定情報とともに、上記ユーザ端末を識別可能な端末識別情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記空間データを直接送信させる
ことを特徴とする。
【0006】
上記仲介装置は、さらに、
上記特定情報送信部が送信した特定情報により特定される空間データを上記データ提供サーバから通信装置を介して受信するデータ受信部と、
上記データ受信部が受信した空間データを上記ユーザ端末へ通信装置を介して送信するデータ送信部と
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る仲介プログラムは、例えば、空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置の仲介プログラムであり、
上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を通信装置を介して受信する検索情報受信処理と、
記憶装置に記憶した上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータから、上記検索情報受信処理で受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを処理装置により検索するデータ検索処理と、
上記データ検索処理で検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ通信装置を介して送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
上記特定情報送信処理では、上記特定情報とともに、上記ユーザ端末を識別可能な端末識別情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記空間データを直接送信させる
ことを特徴とする。
【0009】
上記仲介プログラムは、さらに、
上記特定情報送信処理で送信した特定情報により特定される空間データを上記データ提供サーバから通信装置を介して受信するデータ受信処理と、
上記データ受信処理で受信した空間データを上記ユーザ端末へ通信装置を介して送信するデータ送信処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る仲介方法は、例えば、空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置の仲介方法であり、
通信装置が、上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を受信する検索情報受信ステップと、
処理装置が、記憶装置に記憶した上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータから、上記検索情報受信ステップで受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを検索するデータ検索ステップと、
通信装置が、上記データ検索ステップで検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信ステップと
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る仲介装置、仲介プログラム及び仲介方法は、データ提供サーバが提供する空間データのメタデータから検索条件を満たすメタデータを検索するとともに、検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報をデータ提供サーバへ送信して、データ提供サーバから空間データをユーザ端末へ送信させる。そのため、本発明に係る仲介装置は、空間データを記憶装置に記憶することなく、複数のデータ提供サーバが提供する空間データを検索することが可能である。よって、本発明に係る仲介装置は、複数のデータ提供サーバが提供する空間データの検索を可能としつつ、空間データを記憶しない分、記憶装置の記憶容量を削減することができ、また仲介装置から空間データが漏洩する危険性がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
この実施の形態では、ユーザと空間データプロバイダとの仲介を行う仲介装置1(空間データ表示装置、空間データ変換装置)について説明する。
【0013】
図1は、仲介装置1を介さない場合の空間データ取得処理の流れを示す図である。
ユーザは、空間データを取得する場合、ユーザ端末2はインターネットブラウザ等から、空間データプロバイダのサーバである空間データプロバイダサーバ3(データ提供サーバの一例)へアクセスして、所望の空間データを検索して、取得する。ここで、空間データを提供する空間データプロバイダは複数存在する。つまり、空間データプロバイダのサーバである空間データプロバイダサーバ3は複数存在する。図1では、空間データプロバイダサーバ3は、空間データプロバイダサーバ3aから空間データプロバイダサーバ3nまで存在する。
【0014】
ユーザ端末2と空間データプロバイダサーバ3aとの間の処理を一例として説明する。
(1)ユーザ端末2は、空間データプロバイダサーバ3aにユーザ登録する。つまり、ユーザ端末2は所定の情報を空間データプロバイダサーバ3aに入力して、空間データプロバイダサーバ3aはユーザ端末2に対してユーザID等を発行する。
(2)空間データプロバイダサーバ3aは、ユーザ端末2へ空間データのカタログ情報を送信する。カタログ情報とは、検索可能な空間データのメタデータの項目情報である。つまり、カタログ情報とは、ユーザ端末2が検索条件として指定可能な項目である。なお、空間データのメタデータとは、空間データを取得した場合に使用されたプラットフォームや、空間データの観測日時等の情報である。カタログ情報とメタデータとについては後述する。
(3)ユーザ端末2は、購入したいエリア(興味エリア)の空間データの検索指示を出す。例えば、ユーザ端末2は、興味エリアを示す情報を他の検索条件とともに空間データプロバイダサーバ3aへ送信する。この際、ユーザ端末2は、(2)で取得したカタログ情報に基づき、検索条件を指定する。つまり、ユーザ端末2は、例えば、カタログ情報から位置を示す項目を探して、位置を示す項目の形式にあった形式で興味エリアを示す条件を指定して、検索条件を空間データプロバイダサーバ3aへ送信する。
(4)空間データプロバイダサーバ3aは、検索条件に該当する空間データのメタデータの一部を検索結果としてユーザ端末2へ送信する。例えば、空間データプロバイダサーバ3aは、検索条件に該当する空間データの識別情報と空間データのサムネール画像と位置情報とをユーザ端末2へ送信する。
(5)ユーザ端末2は、空間データプロバイダサーバ3aから受信した空間データのメタデータ(ここでは、サムネール画像と位置情報)に基づき、空間データをダウンロードするか否かを決定する。空間データをダウンロードする場合には、ユーザ端末2は、空間データの識別情報を含む注文情報を空間データプロバイダサーバ3aへ送信する。
(6)ユーザ端末2は、代金の支払が必要な場合には、注文情報と併せて代金の支払をする。例えば、ユーザ端末2は、電子マネーによる支払を行い、その決済情報が空間データプロバイダサーバ3aへ送られるとしてもよい。
(7)空間データプロバイダサーバ3aは、送信された注文情報の確認情報と、空間データをダウンロードさせるために必要な情報(例えば、ダウンロード画面へのリンク情報と、ダウンロード画面への遷移許可情報)とをユーザ端末2へ送信する。
(8)空間データプロバイダサーバ3aは、空間データをユーザ端末2へ送信する(ユーザ端末2は、空間データをダウンロードする)。
【0015】
ユーザ端末2は、空間データプロバイダサーバ3aとの間で行った処理を、他の空間データプロバイダサーバ3との間でも行い、必要な空間データを取得する。つまり、ユーザ端末2は、興味エリアの衛星画像を空間データプロバイダサーバ3aから取得するとともに、上記興味エリアの航空写真を空間データプロバイダサーバ3bから取得する。
ここで、(2)でユーザ端末2が取得したカタログ情報は、空間データプロバイダサーバ3毎に異なっており、また専門的な情報である。そのため、一般に、ユーザがユーザ端末2から(3)に示した検索を行うことは困難である。この困難な処理を空間データプロバイダサーバ3毎に行うことは、ユーザにとって非常に大きな負担となる。また、空間データの適切な検索が行えないことから、ユーザは所望の空間データを得ることができない場合もある。
【0016】
図2は、仲介装置1を介す場合の空間データ取得処理の流れを示す図である。
ユーザは、空間データを取得する場合、ユーザ端末2から、仲介装置1へアクセスして所望の空間データを検索して、取得する。ここでも図1に基づき説明したように、空間データプロバイダサーバ3は複数存在する。なお、図2には、空間情報提供サーバ4についての記載があるが、空間情報提供サーバ4については後述する。つまり、まず、仲介装置1とユーザ端末2と空間データプロバイダサーバ3との間の処理についてのみ説明する。
【0017】
(1’)予め各空間データプロバイダサーバ3は、仲介装置1に空間データのメタデータを登録する。ここで、仲介装置1は、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整え、データベースに登録する。つまり、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータは、各空間データプロバイダサーバ3のカタログ情報の形式となっているため、これを統一した形式のカタログ情報を生成してデータベースに登録する。
(2’)ユーザ端末2は、仲介装置1にユーザ登録する。つまり、ユーザ端末2は所定の情報を仲介装置1に入力して、仲介装置1はユーザ端末2に対してユーザID等を発行する。
(3’)仲介装置1は、ユーザ端末2へ空間データのカタログ情報を送信する。
(4’)仲介装置1は、ユーザ端末2へ空間データの検索、注文のガイド情報を送信する。注文のガイド情報とは、例えば、カタログ情報の各項目の説明や処理の流れを説明した情報である。
(5’)ユーザ端末2は、購入したいエリア(興味エリア)の空間データをカタログ情報に基づき検索する。例えば、ユーザ端末2は、興味エリアを示す情報を他の検索条件とともに仲介装置1へ送信する。
(6’)仲介装置1は、検索条件に該当する空間データのメタデータを検索結果としてユーザ端末2へ送信する。
(7’)ユーザ端末2は、仲介装置1から受信した情報(ここでは、空間データのメタデータ)に基づき、空間データをダウンロードするか否かを決定する。空間データをダウンロードする場合には、ユーザ端末2は、注文情報を仲介装置1へ送信する。
(8’)ユーザ端末2は、代金の支払が必要な場合には、注文情報と併せて代金の支払をする。例えば、ユーザ端末2は、電子マネーによる支払を行い、その決済情報がユーザ端末2へ送られるとしてもよい。
(9’)仲介装置1は、送信された注文情報の確認情報と、空間データをダウンロードさせるために必要な情報(例えば、ダウンロード画面へのリンク情報と、ダウンロード画面への遷移許可情報)とをユーザ端末2へ送信する。なお、複数の空間データプロバイダサーバ3から空間データをダウンロードさせる場合、例えば、各空間データプロバイダサーバ3についてのダウンロード画面へのリンク情報と、ダウンロード画面への遷移許可情報とを送信する。
(10’)仲介装置1は、ユーザ端末2から受信した注文情報を、その注文情報から特定される空間データを提供する空間データプロバイダサーバ3(ここでは、空間データプロバイダサーバ3aとする)へ送信する。この際、仲介装置1は、空間データプロバイダサーバ3毎に注文データのフォーマットを変換して送信する。注文情報が複数ある場合には、各空間データプロバイダサーバ3へ注文情報を振り分けして送信する。
(11’)仲介装置1は、代金の支払が必要な場合には、(8’)でユーザ端末2から受信した決済情報を空間データプロバイダサーバ3aへ送信する。(8’)での振込みは直接空間データプロバイダサーバ3aへ入金されるようにしておいてもよいし、仲介装置1へ入金され、(10’)で決済情報として仲介装置1から空間データプロバイダサーバ3aへ送信されてもよい。
(12’)空間データプロバイダサーバ3aは、決済情報の確認後、空間データをユーザ端末2へ送信する(ユーザ端末2は、空間データをダウンロードする)。
(13’)空間データプロバイダサーバ3aは、仲介装置1へ仲介手数料・広告料の振込みを行う。
【0018】
以上のように、仲介装置1は、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整え、データベースに登録しておく。そして、ユーザ端末2が空間データを検索する場合、各空間データプロバイダサーバ3から空間データを統一された方法で検索できるようにする。メタデータを所定の形式に整え、各空間データプロバイダサーバ3から空間データを統一された方法で検索できるようにする方法については後述する。
また、この実施の形態に係る仲介装置1の特徴は、空間データを保持しないことである。つまり、仲介装置1は、空間データのメタデータのみをデータベースに保持しており、空間データ自体(空間データの画像データ)は保持していない。そして、仲介装置1は、ユーザ端末2から注文があった場合に、空間データプロバイダサーバ3へ指示して、空間データプロバイダサーバ3からユーザ端末2へ直接空間データを送信させる。
【0019】
次に、図2に示した空間情報提供サーバ4(データ提供サーバの一例)について説明する。
空間情報提供サーバ4は、空間データに付加情報を加えた情報(ここでは、上述した空間データと区別するため空間情報と呼ぶが、空間データの一種である)を提供する空間情報提供者のサーバである。空間情報は、例えば、地図データに森林病虫害被害情報を加えた森林病虫害被害マップ等である。つまり、どの地域に森林病虫害が出ているかを識別可能にした地図データ等である。
空間情報提供サーバ4も、空間データプロバイダサーバ3と同様に、予め空間情報のメタデータを仲介装置1に登録する。そして、空間データプロバイダサーバ3と同様の流れで、空間情報をユーザ端末2へ提供する。しかし、図2に示す例では、空間情報提供サーバ4は、空間データプロバイダサーバ3とは異なり、ユーザ端末2へ直接空間情報を送信しない。図2に示す例では、空間情報提供サーバ4は、注文があった空間情報を仲介装置1へ送信し、仲介装置1がユーザ端末2へ空間情報を送信する。これは、空間情報提供者は、空間データプロバイダとは異なり、ユーザ端末2へのデータの送信機能を有していない場合があるためである。また、仲介装置1は、空間情報のメタデータだけでなく、空間情報自体も予め記憶しておくとしてもよい。
なお、空間情報提供サーバ4は、空間データプロバイダサーバ3と同様に、直接空間情報をユーザ端末2へ送信するとしてもよいし、空間データプロバイダサーバ3は、空間情報提供サーバ4と同様に、仲介装置1に空間データを送信して、仲介装置1がユーザ端末2へ空間データを送信するとしてもよい。
【0020】
次に、メタデータとカタログ情報とについて説明する。図3は、メタデータの一例を示す図である。
メタデータは、ディレクトリデータ部81、インベントリデータ部82、画像部83を備える。
ディレクトリデータ部81は、プロバイダ名84、センサプラットフォーム名85、データ種別86を備える。プロバイダ名84は、空間データプロバイダの名称であり、空間データプロバイダを一意に識別可能な情報である。センサプラットフォーム名85は、空間データを得るために使用したセンサプラットフォームの名称である。データ種別86は、空間データがどのようなデータであるかを示す種別情報であり、例えば、衛星工学画像、衛星レーダ画像、航空光学写真、航空レーダ画像、3次元標高データ、地図データ等を示す情報である。
インベントリデータ部82は、観測日時87、観測範囲88等を備える。観測日時87は、空間データを観測(取得)した日時を示す日時情報である。観測範囲88は、空間データを観測した範囲を示す範囲情報である。
画像部83は、サムネール画像89を備える。サムネール画像89は、空間データや空間情報の画像データを縮小した画像である。
【0021】
ここで、メタデータとは、図3に示す各項目に入る情報のことである。つまり、メタデータとは、プロバイダ名84に入る「○○会社」や、センサプラットフォーム名85に入る「××レーダ」等の情報である。
また、カタログ情報とは、図3に示す各項目の名称のことである。つまり、カタログ情報とは、プロバイダ名84やセンサプラットフォーム名85等の項目名のことである。
なお、上述したように、空間データプロバイダや空間情報提供者により、メタデータの形式、すなわちカタログ情報は異なる。つまり、空間データプロバイダや空間情報提供者により、図3に示す項目名称とは異なる項目名称が使われ、項目の順序も異なる。また、図3に示した項目以外の情報も含んでいる。
【0022】
次に、仲介装置1を介して空間データ取得処理を行う空間データ仲介システムの構成と機能とについて説明する。
図4は、空間データ仲介システムの全体図である。図5は、仲介装置1の機能を図4よりも詳細に示した仲介装置1の機能ブロック図である。図6は、仲介装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、空間データ仲介システムは、ユーザが使用する複数のユーザ端末2、空間データプロバイダのサーバである複数の空間データプロバイダサーバ3、空間情報提供者のサーバである複数の空間情報提供サーバ4、ユーザ端末2と、空間データプロバイダサーバ3及び空間情報提供サーバ4との仲介をする仲介業者のサーバである仲介装置1を備える。また、仲介装置1、ユーザ端末2、空間データプロバイダサーバ3、空間情報提供サーバ4は、例えば、インターネット網9等のネットワークを介して接続される。
【0023】
仲介装置1は、空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する装置である。図4に示すように、仲介装置1は、メタデータ記憶部10(空間データ記憶部)、空間情報記憶部11、プロバイダ管理部12、ユーザ管理部13、検索部14、検索結果出力部15、注文受付部16、データ中継部17(データ受信部、データ送信部)、メタデータデータベース18、空間情報データベース19を備える。
また、図5に示すように、図4に示す機能は、それぞれ以下の機能を備える。
メタデータ記憶部10は、メタデータ入力部31、形式判定部32、形式変換部33、メタデータ登録部34、文字列データベース35(文字列記憶部)、対応情報データベース36(対応情報記憶部)を備える。
空間情報記憶部11は、空間情報入力部37、空間情報登録部38を備える。
プロバイダ管理部12は、プロバイダ登録情報入力部39、プロバイダ管理データベース40を備える。
ユーザ管理部13は、ユーザ登録情報入力部41、ユーザ管理データベース42を備える。
検索部14は、検索画面表示部43、検索情報受信部44(検索情報入力部)、検索条件解釈部45、検索条件検索部46(データ検索部)、位置条件検索部47を備える。
検索結果出力部15は、検索結果出力部48、価格算出部49、単価ファイル50、検索結果表示部51を備える。
注文受付部16は、注文情報受付部52、合計価格算出部53、注文内容支払方法確認表示部54、注文情報送信部55(特定情報送信部)を備える。
データ中継部17は、空間情報出力部56、空間情報送信部57、中継処理部58を備える。
【0024】
また、図6に示すように、仲介装置1は、ハードウェアとして、アプリケーションサーバ60と、外部通信装置69(httpサーバ、Webサーバ)(通信装置、入力装置の一例)と、ユーザの認証を行うユーザ認証サーバ70とを備える。
アプリケーションサーバ60は、中央処理装置61(CPU)、記憶装置62(RAM等のメモリ)、表示装置63(ディスプレイ)、入力装置64(キーボード/マウス)、記憶媒体読込・書込装置65(CD/DVD RWドライブ)(記憶媒体読込・書込装置65は入力装置の一例でもある)、外部記憶装置66(ハードディスク)、印刷装置67(プリンタ)、記憶媒体68(CD/DVD)のハードウェアを備え、各ハードウェアはバス71を介して接続される。
【0025】
次に、図2に示した各処理について、図4から図6に示す空間データ仲介システムの構成と機能とに基づき、詳細に説明する。
(1’)メタデータ記憶部10は、空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4から空間データ又は空間情報のメタデータを取得して、所定の形式に整え、メタデータデータベース18に登録する。
まず、メタデータ入力部31は、例えば、記憶媒体68に記憶された空間データ又は空間情報のメタデータを記憶媒体読込・書込装置65により読込して、記憶装置62等に記憶する。あるいは、メタデータ入力部31は、外部通信装置69を介して空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4から空間データ又は空間情報のメタデータを取得して、記憶装置62等に記憶する。また、メタデータ入力部31は、記憶媒体読込・書込装置65により読込したメタデータに含まれていない情報を入力装置64を介して追加入力して、所定の形式に変換して記憶装置62等に記憶する。
次に、形式判定部32、形式変換部33は、文字列データベース35、対応情報データベース36が記憶した情報に基づき、メタデータ入力部31が入力したメタデータを所定の形式に中央処理装置61により変換して記憶装置62等に記憶する。メタデータの形式を変換する処理については後述する。
そして、メタデータ登録部34は、形式判定部32、形式変換部33が所定の形式に変換したメタデータをメタデータデータベース18に記憶する。メタデータデータベース18は、メタデータを記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。
【0026】
また、空間情報記憶部11は、空間情報提供サーバ4から空間情報を取得して空間情報データベース19に記憶する。つまり、仲介装置1が空間情報のメタデータだけでなく、空間情報自体も予め記憶しておく場合に、空間情報記憶部11は空間情報自体を取得して空間情報データベース19に記憶する。
まず、空間情報入力部37は、空間情報を入力装置64又は記憶媒体読込・書込装置65等を介して入力して記憶装置62等に記憶する。あるいは、空間情報入力部37は、外部通信装置69を介して空間情報提供サーバ4から空間情報を取得して、記憶装置62等に記憶する。
次に、空間情報登録部38は、空間情報入力部37が入力した空間情報を空間情報データベース19に登録する。空間情報データベース19は、空間情報を記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。また、空間情報登録部38は、登録前に空間情報入力部37が入力した空間情報の内容を表示装置63等に表示して、仲介業者が確認するようにしてもよい。
【0027】
なお、プロバイダ管理部12のプロバイダ登録情報入力部39は、空間データプロバイダが初めて空間データの登録を行う場合に、空間データプロバイダサーバ3からの空間データプロバイダ登録情報の入力を外部通信装置69等を介して受付して、プロバイダ管理データベース40へ記憶する。また、同様に、プロバイダ登録情報入力部39は、空間情報提供者が初めて空間情報の登録を行う場合に、空間情報提供サーバ4からの空間情報提供者登録情報の入力を外部通信装置69等を介して受付して、プロバイダ管理データベース40へ記憶する。プロバイダ管理データベース40は、空間データプロバイダの登録情報と空間情報提供者の登録情報とを記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。
ここで、空間データプロバイダや、空間情報提供者の登録情報とは、例えば、空間データプロバイダサーバ3や空間情報提供サーバ4のアドレスや、空間データプロバイダ名や空間情報提供者名等である。
【0028】
(2’)ユーザ端末2は仲介装置1にユーザ登録を行う。
すると、ユーザ管理部13のユーザ登録情報入力部41は、ユーザ端末2からのユーザ登録情報の入力を外部通信装置69等を介して受付して、ユーザ管理データベース42へ記憶する。ユーザ管理データベース42は、ユーザ登録情報を記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。
ここで、ユーザ登録情報とは、例えば、ユーザ端末2のアドレスや、ユーザ名、決済に使用するクレジットカードの番号等である。
【0029】
(3’)(4’)検索部14の検索画面表示部43は、ユーザ端末2から検索情報を入力する指示を外部通信装置69等を介して受け付けると、カタログ情報とガイド情報とをユーザ端末2へ外部通信装置69を介して送信して、検索条件の入力画面をユーザ端末2に表示する。
【0030】
(5’)ユーザ端末2は、空間データを購入したいエリア(興味エリア)の空間データを検索する検索条件をカタログ情報に基づき指定した検索情報を仲介装置1へ送信する。ここでは、ユーザ端末2は、興味エリアを示す情報を他の検索条件とともに検索情報として仲介装置1へ送信する。つまり、ここでは、検索条件には、位置を示す位置条件とその他の条件とを含む。
【0031】
(6’)検索部14は、ユーザ端末2から検索情報を受信して、メタデータデータベース18から検索を行う。
まず、検索情報受信部44は、ユーザ端末2から検索条件を示す検索情報を外部通信装置69を介して受信して記憶装置62等に記憶する。
次に、検索条件解釈部45は、検索情報受信部44が受信した検索情報が示す検索条件を中央処理装置61により解釈し、メタデータデータベース18又は空間情報データベース19からデータを検索可能な検索条件へ中央処理装置61により変換して記憶装置62等に記憶する。
そして、検索条件検索部46は、検索条件解釈部45が変換した検索条件に該当するメタデータを、メタデータデータベース18が記憶したメタデータから中央処理装置61により検索する。また、位置条件検索部47は、検索情報受信部44が入力した検索情報が示す検索条件に含まれる位置条件のみに基づき、メタデータデータベース18からメタデータを中央処理装置61により検索して記憶装置62等に記憶する。ここでは、位置条件検索部47は、位置条件のみに基づき検索するとしたが、位置条件のみではなく、他の条件を加えて検索するとしてもよい。
【0032】
次に、検索結果出力部15は、検索部14が検索した検索した結果をユーザ端末2へ外部通信装置69を介して送信する。
まず、検索結果出力部48は、検索条件検索部46と位置条件検索部47とがメタデータデータベース18から検索したメタデータを記憶装置62等に出力(記憶)する。
次に、価格算出部49は、単価ファイル50を参照して、検索結果出力部48が出力したメタデータに対応する空間データや空間情報の価格を中央処理装置61により算出して記憶装置62に記憶する。なお、単価ファイル50は、空間データや空間情報の単価を記憶する記憶装置(外部記憶装置66等)である。単価とは、例えば、単位面積当りの価格である。
そして、検索結果表示部51は、検索結果出力部48が出力したメタデータを、価格算出部49が算出した価格とともにユーザ端末2へ外部通信装置69を介して送信し、ユーザ端末2に検索結果出力部48が出力したメタデータを表示させる。
【0033】
(7’)(8’)ユーザ端末2は、空間データプロバイダサーバ3aから受信した空間データのメタデータに基づき、空間データをダウンロードするか否かを決定する。空間データをダウンロードする場合には、ユーザ端末2は、注文情報を仲介装置1へ送信する。ユーザ端末2は、代金の支払が必要な場合には、注文情報と併せて代金の支払をする。
【0034】
(9’)(10’)(11’)注文受付部16は、ユーザ端末2から空間データ又は空間情報の注文情報の入力を外部通信装置69を介して受付して、あるいは入力装置64又は記憶媒体読込・書込装置65を介して受付して、空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4へ外部通信装置69を介して転送する。
まず、注文情報受付部52は、ユーザ端末2から空間データ又は空間情報の注文情報の入力を外部通信装置69を介して受付して記憶装置62等に記憶する。
次に、合計価格算出部53は、注文情報受付部52が受付した注文情報が示す空間データ又は空間情報の合計金額を、価格算出部49が算出した価格に基づき、中央処理装置61により算出して記憶装置62に記憶する。
次に、注文内容支払方法確認表示部54は、注文情報受付部52が受付した注文情報が示す注文内容と、合計価格算出部53が算出した合計金額等をユーザ端末2へ外部通信装置69を介して送信する。
次に、注文情報受付部52は、ユーザ端末2から注文確定情報と決済情報とを外部通信装置69を介して受付する。
そして、注文情報送信部55は、注文情報受付部52が受付した注文情報と決済情報とを空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4へ外部通信装置69を介して送信する。ここで、注文情報には、少なくとも空間データ又は空間情報を特定可能な特定情報(空間データ又は空間情報の識別情報)を含む情報である。また、空間データプロバイダサーバ3へ送信される注文情報には、少なくとも注文元のユーザ端末2を識別可能な端末識別情報を含む。なお、(8’)での振込みは直接空間データプロバイダサーバ3aへ入金されるようにしておいてもよいし、仲介装置1へ入金され、(10’)で決済情報として仲介装置1から空間データプロバイダサーバ3aへ送信されてもよい。
【0035】
(12’)空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4は、注文情報に含まれる特定情報から特定される空間データ又は空間情報を、端末識別情報から識別されるユーザ端末2へ送信する。言い替えると、端末識別情報から識別されるユーザ端末2に、特定情報から特定される空間データ又は空間情報のダウンロードを許可する。空間情報提供サーバ4が空間情報をユーザ端末2へ送信する場合、データ中継部17の中継処理部58は、空間情報提供サーバ4から空間情報を外部通信装置69を介して受信して、外部通信装置69を介してユーザ端末2へ送信する。なお、空間情報提供サーバ4から空間情報とともに、送信先のユーザ端末2を特定する情報を受信するとしてもよい。また、予め空間情報データベース19に記憶された空間情報をユーザ端末2へ送信する場合には、空間情報出力部56は、空間情報提供サーバ4から空間情報とユーザ端末2とを特定する情報を受信して、受信した情報に基づき、空間情報データベース19から空間情報を取得して、空間情報送信部57はユーザ端末2へ送信する。
【0036】
(13’)空間データプロバイダサーバ3aは、仲介装置1へ仲介手数料、広告料の振込みを行う。
【0037】
以上のように、この実施の形態に係る空間データ仲介システムでは、仲介装置1が、ユーザ端末2と、空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4との空間データ又は空間情報の受け渡しの仲介をして、ユーザ端末2へ統一した形式でのデータ検索環境を提供する。そのため、ユーザ端末2は容易に所望の空間データ又は空間情報を取得することができる。
【0038】
また、この実施の形態に係る空間データ仲介システムでは、仲介装置1は、ユーザ端末2へ提供する空間データを保持しておらず、空間データの検索に使用するメタデータのみを保持する。そのため、仲介装置1の記憶装置の記憶容量を削減することができるとともに、仲介装置1から空間データ又は空間情報が漏洩する危険性がない。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態1では、仲介装置1が、ユーザ端末2と、空間データプロバイダサーバ3又は空間情報提供サーバ4との仲介を行うことにより、ユーザ端末2へ統一した形式でのデータ検索環境を提供することを説明した。この実施の形態では、空間データ又は空間情報の検索の際、仲介装置1がユーザ端末2へ提供する検索条件入力画面と検索結果表示画面とについて説明する。
ここで、検索条件入力画面は、実施の形態1の(3’)(4’)で検索画面表示部43によりユーザ端末2へ送信される情報に該当する。また、検索結果表示画面は、実施の形態1の(6’)で検索結果表示部51によりユーザ端末2へ送信される情報に該当する。
【0040】
図7は、仲介装置1がユーザ端末2へ提供する検索条件入力画面の親画面(トップページ)の一例を示す図である。また、図8から図11までは、それぞれ図7に示す親画面から遷移した検索条件入力画面の子画面の一例を示す図である。
まず、図7に示す親画面について説明する。
親画面は、フリーキーワードによる検索欄、空間データや空間情報を検索する各子画面へ遷移する検索欄(「調べる」と表示)、衛星運用情報や他のユーザによる空間データや空間情報に関するレポートを得ることができる情報交換欄(「情報交換」と表示)、空間データや空間情報を購入する場合に使用する購入欄(「買う」と表示)、空間データや空間情報を提供するサイトを紹介する紹介欄(「売る」と表示)を備える。また、親画面は、新着データを表示する新着レポート欄、空間データや空間情報に関する最新ニュースを表示する最新ニュース欄、最近発表された画像(空間データや空間情報)を表示する画像表示欄等を備える。
つまり、親画面では、ユーザが所望の処理を行えるように、ユーザの行う処理毎に表示欄を分けている。
【0041】
次に、図8から図11までに基づき、各子画面について説明する。図8は、簡易カタログから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図である。図9は、空間データ提供プロバイダから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図である。図10は、空間データを取得したセンサから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図である。図11は、詳細検索を行う場合に使用する子画面の一例を示す図である。
図8に示す簡易カタログから検索する場合に使用する子画面は、主に検索に使用されると考えられる条件のみを指定できるようにしている。図8では、一例として、地図を表示させ、地図上の位置を選択することにより、エリアを指定できるようにしている。また、センサプラットフォームとして、地球観測衛星と航空機とのいずれかを指定できるようにしている。また、センサ、空間データ提供プロバイダ、エリア(位置)、空間データの取得年月日とについても、一般的に指定されるもののみを検索条件として指定できるようにしている。
図9に示す空間データ提供プロバイダから検索する場合に使用する子画面では、仲介装置1に登録されている空間データ提供プロバイダを検索条件として指定できるようにしている。
図10に示す空間データを取得したセンサから検索する場合に使用する子画面では、仲介装置1に登録されているセンサを検索条件として指定できるようにしている。
図11に示す詳細検索を行う場合に使用する子画面では、カタログ情報として登録されている項目の全てについて、任意の情報を指定して検索を行えるようにしている。なお、図示していないが、図11に示す各リンクを遷移すると、検索条件をしていできる画面に遷移するものとする。
【0042】
図12は、検索結果表示画面の一例を示す図である。
図12に示す検索結果表示画面には、入力された全ての検索条件に基づき検索した結果を示す全検索結果表示部91と、位置を示す位置条件のみに基づき検索した結果を示す位置検索結果表示部92とを備える。
全検索結果表示部91は、入力された全ての検索条件に該当する空間データと空間情報とのサムネール画像と、その他のメタデータとを表示する。つまり、全検索結果表示部91は、検索条件検索部46が検索したメタデータに含まれる情報を表示する。
位置検索結果表示部92は、位置条件のみを満たす空間データと空間情報とであって、全ての検索条件に該当する空間データと空間情報とを除く空間データと空間情報とのサムネール画像を表示する。つまり、位置検索結果表示部92は、位置条件検索部47が検索したメタデータに含まれる情報を表示する。また、位置検索結果表示部92は、サムネール画像の付近に示す「詳細」ボタン(リンク)を押下することで、そのサムネール画像以外のメタデータを表示する。
つまり、検索結果画面では、入力された検索条件を満たす空間データと空間情報とを表示するだけでなく、入力された検索条件に含まれる位置条件のみを満たす空間データと空間情報とを表示する。
なお、ここでは、位置検索結果表示部92は、入力された検索条件に含まれる位置条件のみを満たす空間データと空間情報とを表示するとしたが、位置条件とともに位置条件以外の所定の条件も満たす空間データと空間情報とを表示するとしてもよい。
【0043】
以上のように、この実施の形態に係る仲介装置1は、検索条件入力画面では、ユーザが所望の空間データや空間情報を容易に検索できるように、様々な検索条件の入力を可能としている。
また、検索結果画面では、入力された検索条件を満たす空間データと空間情報とを表示するだけでなく、入力された検索条件に含まれる位置条件のみを満たす空間データと空間情報とを表示する。一般に、空間データを検索する場合に、取得したい位置は概ね確定されているが、例えば、空間データ提供プロバイダや、センサ等は不確定の場合が多い。そこで、検索条件として、空間データ提供プロバイダや、センサ等を指定した場合であっても、位置条件のみを満たす空間データと空間情報とを表示することにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、この実施の形態に係る仲介装置1によれば、ユーザが空間データの検索を行った場合に、検索した位置を含む空間情報も表示される。そのため、空間データを検索したユーザが、その空間データに付加価値を付けた空間情報を発見することができる。
【0044】
実施の形態3.
この実施の形態では、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整え、各空間データプロバイダサーバ3の空間データから統一された方法で検索を行えるようにする方法について説明する。
つまり、この実施の形態では、実施の形態1の(1’)で実行される処理について説明する。
【0045】
まず、図13と図14とに基づき、空間データや空間情報のメタデータの構成について説明する。図13は、一般的な衛星画像のメタデータの一例を示す図である。図14は、XMLを用いて構成したメタデータの一例を示す図である。なお、図13、図14に示すメタデータは、いずれも一般的なメタデータの一部分のみを示している。
図13に示すメタデータは、データ名称、データサイズ、製造日時、センサ名、観測位置、西限界点座標、北限界点座標、東限界点座標、南限界点座標、観測日時、ブラウズ(サムネール画像)等を備える。一方、図14に示すメタデータは、データ作成日、データ種別、センサプラットフォーム名、サムネール画像、座標、プロバイダ名等を備える。つまり、いずれのメタデータにも、センサプラットフォーム名、データ種別、観測位置、観測日時、サムネール画像等の情報は含まれている。しかし、各情報を示す項目名(XMLであれば、タグ名)や、各情報が記載されている順序が異なる。なお、ここでは、簡単のためメタデータの一部分のみを示しており、さらに認識しやすい項目名を付けているため容易に各情報を発見することができるが、実際にはメタデータには他に多くの情報が含まれており、さらに項目名もアルファベット等による略称であるため容易に各情報を発見することはできない。
したがって、図1に示すような処理の流れで、各空間データプロバイダサーバ3からカタログ情報を受信して、各空間データプロバイダサーバ3のカタログ情報に基づき検索を行おうとすると、各空間データプロバイダサーバ3のカタログ情報から検索に使用する項目を見つけることは非常に手間がかかる。特に、検索をかける空間データプロバイダサーバ3が複数であれば、その手間は空間データプロバイダサーバ3の件数分かかることになる。
そこで、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整え、各空間データプロバイダサーバ3の空間データから統一された方法で検索を行えるようにする必要がある。
【0046】
次に、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整える処理(メタデータ変換処理)について説明する。図15は、メタデータ変換処理の流れを示すフローチャートである。
まず、示すメタデータ変換処理で使用される文字列データベース35、対応情報データベース36について説明する。
文字列データベース35は、空間データのメタデータの形式毎に所定の文字列を記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。各メタデータの形式には、そのメタデータの形式を特定可能な文字列が含まれている。文字列データベース35は、このメタデータの形式を特定可能な文字列を、メタデータの形式毎に記憶する。例えば、図13に示すメタデータであれば、センサ名には固定の情報(例えば、「AAAセンサ」という文字列)が入れられ、そのセンサ名(「AAAセンサ」という文字列)がメタデータに含まれていれば、そのメタデータは図13に示す形式であると判断することができる。つまり、図13に示すメタデータであれば、センサ名がメタデータの形式を特定可能な文字列である。また、「○○株式会社」という文字列がメタデータに含まれていれば、そのメタデータは図14に示す形式であると判断することができる。すなわち、文字列データベース35は、空間データのメタデータの形式毎に、ある形式のメタデータには含まれる文字列であって、他の形式のメタデータには含まれない文字列を記憶する。
対応情報データベース36は、各メタデータの形式毎に、メタデータの項目とデータベースの項目との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶装置(例えば、外部記憶装置66)である。つまり、図13に示す衛星画像のメタデータの項目と、メタデータデータベース18の項目との対応(図13の矢印に相当)や、図14に示すXML形式のメタデータのタグと、メタデータデータベース18の項目との対応関係(図14の矢印に相当する情報)を記憶する。
【0047】
次に、図15に示すメタデータ変換処理について説明する。
図15に示す処理の開始前に、文字列データベース35と対応情報データベース36とは、以上に説明した情報を記憶しているものとする。
(S1):メタデータ入力部31がメタデータを入力すると、メタデータ記憶部10の形式判定部32は、メタデータ入力部31が入力したメタデータに含まれる文字列から文字列データベース35が記憶した文字列を中央処理装置61により検索する。そして、形式判定部32は、メタデータに含まれる文字列によりメタデータの形式を中央処理装置61により判定する。つまり、形式判定部32は、例えば、「AAAセンサ」という文字列がメタデータに含まれていれば、そのメタデータは図13に示す形式であると判定する。
(S2):次に、形式変換部33は、形式判定部32が判定したメタデータの形式を、メタデータデータベース18の形式に変換するための対応情報に基づき、メタデータの形式を中央処理装置61により変換する。つまり、形式変換部33は、例えば、メタデータが図13に示す形式であると形式判定部32が判定した場合には、該当する対応情報(図13に示す矢印の情報)を取得して、その対応情報に従い、メタデータの項目の順序を入れ替えするとともに、データ型等をメタデータデータベース18の対応する項目のデータ型に変更する。
(S3):メタデータ登録部34は、形式変換部33が変換したメタデータをメタデータデータベース18に記憶する。
その結果、どの空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータであっても、図6に示すような形式に整えて、メタデータデータベース18に記憶することができる。
【0048】
以上のように、この実施の形態に係る仲介装置1は、各空間データプロバイダサーバ3から取得した空間データのメタデータを所定の形式に整え、各空間データプロバイダサーバ3の空間データから統一された方法で検索を行えるようにする。これにより、ユーザは、空間データプロバイダサーバ3毎に検索条件を作成して、検索を行う必要がなく、効率的に検索を行うことができる。
【0049】
以上の実施の形態に係る空間データ仲介システムによれば、空間データを購入しようとするユーザは、空間データ提供プロバイダを検索することができ、また、各空間データ提供プロバイダが提供する複数のプロダクツを検索し、注文することができる。
その結果、空間データが流通する仕組みが提供され、流通の促進が可能となる。例えば、ユーザとして、建設・土木・測量会社、電力・ガス・水道会社、運輸・流通会社、放送・メディア会社、地図作成・販売会社、観光事業会社、保険会社、GIS(地理情報システム)コンテンツ製作会社等が考えられる。また、利用用途として、気象分野では各種予報サービス、情報付加価値サービス、安全保障分野では偵察、土地分類・主題図4次元マップ、移動体監視、水産・漁業分野では漁場探査、海況情報サービス、赤潮予測、災害・国土管理分野では被災状況把握、復旧・復興計画立案、農林業分野では作況予測、農地・森林管理、海外植林管理、空間情報利用分野では地図作成、各種GIS、資源・エネルギー分野では資源探査、航行安全監視、環境分野では水資源管理、温暖化監視・予測、不法投棄監視、教育分野ではデジタル化教材、エンターテイメント分野ではゲームソフト、広告、各種ナビ、放送メディア分野では報道等での利用が考えられる。つまり、これらのユーザ、分野において、空間データがより活発に利用され、産業が発達することが考えられる。
【0050】
なお、上記説明において、記憶装置62、又は外部記憶装置66には、「〜部」等として説明した機能を実行するプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、中央処理装置により読み出され実行される。
【0051】
また、上記説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、記憶装置62、外部記憶装置66等に記憶される。プログラムは中央処理装置により読み出され、中央処理装置により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【0052】
つまり、「仲介装置1」は、仲介装置1の「仲介プログラム」又は「仲介方法」として読み替えることが可能である。そして、「仲介装置1」が備える「〜部」として説明したものは、「仲介プログラム」であれば、「〜処理」と、「仲介方法」であれば、「〜ステップ」と読み替えすることが可能である。すなわち、以上の説明においては、仲介装置1として説明したが、以上の説明は「装置」に関するものに限られるわけではなく、「プログラム」、「方法」に関するものであってもよい。
【0053】
なお、メタデータとは、JISにおける「情報処理用語(データベース)」では、「データ記述を含むデータ要素に関するデータ、並びにデータの所有者、アクセス経路、アクセス権及びデータの変更度に関するデータ」と定義されている。また、メタデータは、地理情報システム(GIS)の分野では、空間データ(地理情報)の所在、内容、品質、利用条件等を記述したデータである。地理情報のユーザがこのメタデータを調べ、その地理情報が利用できるかどうかを判断できるようにするものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】仲介装置1を介さない場合の空間データ取得処理の流れを示す図。
【図2】仲介装置1を介す場合の空間データ取得処理の流れを示す図。
【図3】メタデータの一例を示す図。
【図4】空間データ仲介システムの全体図。
【図5】仲介装置1の機能ブロック図。
【図6】仲介装置1のハードウェア構成の一例を示す図。
【図7】検索条件入力画面の親画面(トップページ)の一例を示す図。
【図8】簡易カタログから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図。
【図9】空間データ提供プロバイダから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図。
【図10】空間データを取得したセンサから検索する場合に使用する子画面の一例を示す図。
【図11】詳細検索を行う場合に使用する子画面の一例を示す図。
【図12】検索結果表示画面の一例を示す図。
【図13】一般的な衛星画像のメタデータの一例を示す図。
【図14】XMLを用いて構成したメタデータの一例を示す図。
【図15】メタデータ変換処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
1 仲介装置、2 ユーザ端末、3 空間データプロバイダサーバ、4 空間情報提供サーバ、10 メタデータ記憶部、11 空間情報記憶部、12 プロバイダ管理部、13 ユーザ管理部、14 検索部、15 検索結果出力部、16 注文受付部、17 データ中継部、18 メタデータデータベース、19 空間情報データベース、31 メタデータ入力部、32 形式判定部、33 形式変換部、34 メタデータ登録部、35 文字列データベース、36 対応情報データベース、37 空間情報入力部、38 空間情報登録部、39 プロバイダ登録情報入力部、40 プロバイダ管理データベース、41 ユーザ登録情報入力部、42 ユーザ管理データベース、43 検索画面表示部、44 検索情報受信部、45 検索条件解釈部、46 検索条件検索部、47 位置条件検索部、48 検索結果出力部、49 価格算出部、50 単価ファイル、51 検索結果表示部、52 注文情報受付部、53 合計価格算出部、54 注文内容支払方法確認表示部、55 注文情報送信部、56 空間情報出力部、57 空間情報送信部、58 中継処理部、60 アプリケーションサーバ、61 中央処理装置、62 記憶装置、63 表示装置、64 入力装置、65 記憶媒体読込・書込装置、66 外部記憶装置、67 印刷装置、68 記憶媒体、69 外部通信装置、70 ユーザ認証サーバ、71 バス、81 ディレクトリデータ部、82 インベントリデータ部、83 画像部、84 プロバイダ名、85 センサプラットフォーム名、86 データ種別、87 観測日時、88 観測範囲、89 サムネール画像、91 全検索結果表示部、92 位置検索結果表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置であり、
上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータを記憶装置に記憶するメタデータ記憶部と、
上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を通信装置を介して受信する検索情報受信部と、
上記メタデータ記憶部が記憶したメタデータから、上記検索情報受信部が受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを処理装置により検索するデータ検索部と、
上記データ検索部が検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ通信装置を介して送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信部と
を備えることを特徴とする仲介装置。
【請求項2】
上記特定情報送信部は、上記特定情報とともに、上記ユーザ端末を識別可能な端末識別情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記空間データを直接送信させる
ことを特徴とする請求項1に記載の仲介装置。
【請求項3】
上記仲介装置は、さらに、
上記特定情報送信部が送信した特定情報により特定される空間データを上記データ提供サーバから通信装置を介して受信するデータ受信部と、
上記データ受信部が受信した空間データを上記ユーザ端末へ通信装置を介して送信するデータ送信部と
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の仲介装置。
【請求項4】
空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置の仲介プログラムであり、
上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を通信装置を介して受信する検索情報受信処理と、
記憶装置に記憶した上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータから、上記検索情報受信処理で受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを処理装置により検索するデータ検索処理と、
上記データ検索処理で検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ通信装置を介して送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする仲介プログラム。
【請求項5】
上記特定情報送信処理では、上記特定情報とともに、上記ユーザ端末を識別可能な端末識別情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記空間データを直接送信させる
ことを特徴とする請求項4に記載の仲介プログラム。
【請求項6】
上記仲介プログラムは、さらに、
上記特定情報送信処理で送信した特定情報により特定される空間データを上記データ提供サーバから通信装置を介して受信するデータ受信処理と、
上記データ受信処理で受信した空間データを上記ユーザ端末へ通信装置を介して送信するデータ送信処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項4又は5に記載の仲介プログラム。
【請求項7】
空間データを記憶するデータ提供サーバからユーザ端末への空間データの送信を仲介する仲介装置の仲介方法であり、
通信装置が、上記ユーザ端末から検索条件を示す検索情報を受信する検索情報受信ステップと、
処理装置が、記憶装置に記憶した上記データ提供サーバが提供する空間データのメタデータから、上記検索情報受信ステップで受信した検索情報が示す検索条件を満たすメタデータを検索するデータ検索ステップと、
通信装置が、上記データ検索ステップで検索したメタデータに対応する空間データを特定可能な特定情報を上記データ提供サーバへ送信して、上記データ提供サーバから上記ユーザ端末へ上記検索条件を満たす空間データを送信させる特定情報送信ステップと
を備えることを特徴とする仲介方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−157850(P2009−157850A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338390(P2007−338390)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】