説明

会計管理補助システム

【課題】専用の会計管理ソフトウェアを用いることなく汎用のコンピュータでも簡易に操作可能である。
【解決手段】特殊キーボード20からキー入力があると、特殊キーボードドライバ部111とOS部120とによって入力管理情報が生成される。特殊キーボード20からのキー入力とそのキー入力に対応する入力管理情報との関連付けを、特殊キーボード設定部131が設定可能である。特定の入力管理情報を特殊キーボード20のキー入力と関連付けておくことにより、1つのキーを押下するだけで商品情報や顧客情報を入力する状態にアプリケーションの実行状態を切り替えることができる。商品情報や顧客情報を入力する状態にアプリケーションの実行状態が切り替わると、バーコードリーダ40を用いて商品コードや顧客コードを読み取り、商品情報や顧客情報を入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会計管理処理を行うための会計管理システムを補助する会計管理補助システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータを用いて会計処理を行うものに、特許文献1がある。特許文献1では、レジスタ用キーボードを用いることで、パーソナルコンピュータによるデータベースの管理等とレジスタによるPOS管理等を同時に処理できるとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−242989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、レジスタ用キーボードを、パーソナルコンピュータにおいて実行される会計管理用のソフトウェアとどのように対応させるのかについての具体的な開示がない。上記のレジスタ用キーボード専用の会計管理ソフトを別途開発することも考えられるが、開発コスト等の観点から好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、専用の会計管理ソフトウェアを用いることなく汎用のコンピュータでも簡易に操作可能な会計管理補助システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の会計管理補助システムは、オペレーティングシステムと、商品情報及び顧客情報に基づく商品管理処理、売上げ管理処理及び顧客管理処理をコンピュータに実行させる会計管理アプリケーションとがコンピュータにインストールされていることを前提とする。この会計管理アプリケーションは、標準配列キーボードから複数のキーによる入力が所定の順序でなされた入力と対応する入力管理情報である特定入力管理情報が生成された場合に、商品情報及び顧客情報の少なくともいずれかを入力する状態である情報入力状態へとアプリケーションの実行状態を切り替えるように前記コンピュータを機能させる。つまり、標準配列のキーボードにおいて複数のキーを決められた順番で入力することで、商品情報又は顧客情報を入力する状態になるようにプログラムされている。
【0007】
一方、本発明において使用されるキーボードは、入力管理情報とキー入力との関連付けを設定可能であるキーボード管理アプリケーションと併用されるものとする。これにより、単独のキーである第1のキーと上記の特定入力管理情報とを関連付けておくことで、第1のキーを押すだけで標準配列のキーボードにおいて複数のキーを決められた順番で入力したのと同じ機能を実現する。したがって、極めて簡単な操作で、会計管理アプリケーションの実行状態を商品情報又は顧客情報を入力する状態に切り替えることができる。
【0008】
このように本発明では、オペレーティングシステム上で実行され標準配列のキーボードが使用されることを前提としてプログラムされた既存の会計管理ソフトウェアに対応させることが容易なキーボードを使用している。したがって、専用の会計管理ソフトウェアを用いることなく汎用のコンピュータで簡易に操作可能なシステムを実現することができる。
【0009】
さらに、本発明では、商品情報及び顧客情報の少なくともいずれかとバーコードリーダが読み取るコードとが、会計管理アプリケーションにおいて関連付けられている。このため、第1のキーを押して商品情報又は顧客情報を入力する状態にした直後に、バーコードリーダで商品情報や顧客情報を読み取ることができる。つまり、(1)商品情報等を入力する状態に切り替え(2)情報を入力するという一連の処理を、標準配列のキーボードなどの標準の入力装置を用いる場合に比べて、極めて速やか且つ円滑に実行することができる。
【0010】
また、本発明においては、前記オペレーティングシステムが、標準配列キーボードからのキー入力とアプリケーションとが関連付けられている場合に、当該関連付けられたキー入力に対応する前記入力管理情報が生成されたときに当該アプリケーションを起動するように前記コンピュータを機能させ、前記会計管理アプリケーションと所定のキー入力である第1の関連キー入力とが、前記オペレーティングシステムにおいて関連付けられており、前記キーボードの単独のキーである第2のキーによる入力と前記第1の関連キー入力に対応した前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることが好ましい。これによると、第2のキーを押すだけで会計管理アプリケーションを起動することができるので、(1)アプリケーションを起動し(2)商品情報等を入力する状態に切り替え(3)情報を入力するという一連の処理を極めて速やか且つ円滑に実行することができる。
【0011】
また、本発明においては、前記会計管理アプリケーションが、アプリケーションの実行状態を商品の価格情報を入力する状態にするように前記コンピュータを機能させ、前記キーボード管理アプリケーションが、前記キーボードの単独のキーである第3のキーによる入力と標準配列のキーボードにおいて数字キーの入力に対応する前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることが好ましい。これによると、商品の価格情報を入力する際、キーボードが有する第3のキーで入力できるため、キーボードの利便性が向上する。
【0012】
また、本発明においては、入力装置に関するアプリケーション及び数値計算に関するアプリケーションの少なくともいずれかをさらに備えており、前記オペレーティングシステムが、標準配列キーボードからのキー入力とアプリケーションとが関連付けられている場合に、当該関連付けられたキー入力に対応する前記入力管理情報が生成されたときに当該アプリケーションを起動するように前記コンピュータを機能させ、前記入力装置に関するアプリケーション及び数値計算に関するアプリケーションの前記いずれかと所定のキー入力である第2の関連キー入力とが、前記オペレーティングシステムにおいて関連付けられており、前記キーボードの単独のキーである第4のキーによる入力と前記第2の関連キー入力に対応した前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることが好ましい。これによると、さらに別の入力装置に関するアプリケーションや数値計算用のアプリケーションもこのキーボードで起動できるため、キーボードの利便性がより向上する。
【0013】
また、本発明においては、前記入力装置が、物体の接触を検知する入力面を有する装置であることが好ましい。これによると、指やペンなどの接触により顧客情報等の入力を支援することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る会計管理システムの概略構成図である。
【図2】会計管理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(a)は、会計管理アプリケーションを起動した際に液晶ディスプレイに表示される起動ウィンドウである。図3(b)は、図3(a)の起動ウィンドウにおいて販売管理処理を選択した場合に液晶ディスプレイに表示されるメニューウィンドウを示している。
【図4】メニューウィンドウにおいて売上げメニューから掛売上げを選択した場合に液晶ディスプレイに表示される掛売上げ入力ウィンドウを示している。
【図5】会計管理システムに含まれる特殊キーボードの平面図である。
【図6】電卓アプリケーションを起動した際に液晶ディスプレイに表示される電卓ウィンドウである。
【図7】図7(a)は顧客情報を表から選択する顧客選択ウィンドウである。図7(b)は顧客選択ウィンドウと同時に表示される検索条件入力ウィンドウである。図7(c)は手書き入力ウィンドウである。
【図8】本実施形態に付随して用いられる入力端末の正面図である。
【図9】本実施形態に付随して用いられる値札シートの表面である。
【図10】本実施形態と付随して用いられる特殊キーボードウィンドウを表示した液晶ディスプレイの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る会計管理システム1の概略構成図である。
【0016】
会計管理システム1は、パーソナルコンピュータ(PC)10と、PC10に接続された種々の入力装置及び出力装置等とを有している。これらの各装置は、例えばUSB(Universal Serial Bus)接続によりPC10に接続されている。入力装置には、特殊キーボード20、ペンタブレット30、バーコードリーダ40、標準配列キーボード51及びマウス52が含まれている。特殊キーボード20は標準配列キーボードとは異なるキーボードである。本明細書において標準配列とは、JIS配列やQWERTY配列、OEA配列などの国際的に又は各国で標準で用いられている配列を示す。ペンタブレット30は、入力面31上にタブレットペン32を接触させた際、入力面31上の接触位置をコンピュータに入力する装置である。また、会計管理システム1の出力装置には、液晶ディスプレイ60が含まれている。液晶ディスプレイ60は、画像の表示面であると共にタッチパネルとしても機能する液晶タッチパネル61を有している。
【0017】
さらに、会計管理システム1にはキャッシュドロワ70が含まれている。キャッシュドロワ70はPC10に接続されている。キャッシュドロワ70は、引き出し式の金銭収容トレイ71と金銭収容トレイ71を内部に収容可能な筐体72とを有している。金銭収容トレイ71は、筐体72内に収容された位置と筐体72の前方へと引き出された位置との間で移動可能である。筐体72内には、金銭収容トレイ71を前者の位置から後者の位置へと移動させる移動機構が設けられている。
【0018】
会計管理システム1は、顧客情報や商品情報、売上げ情報、在庫情報等の情報が格納されるデータベース91と通信ネットワーク92を介して接続されており、データベース91との間でこれらの情報をやり取りする。PC10と各種入出力装置は事務所や販売店ごとに設けられ、いずれのPC10も、LAN(Local Area Network)やインターネットなどから構成される通信ネットワーク92を介してデータベース91と接続されている。データベース91は、顧客情報等の情報を記憶する記憶装置を有するコンピュータから構成されており、複数の店舗におけるPC10とアクセスして情報を集中的に管理する。なお、PC10が通信ネットワークを介してデータベース91と接続されておらず、PC10内にデータベースが設けられていてもよい。
【0019】
図2は、会計管理システム1の機能的構成を示すブロック図である。PC10は、CPU(Central Processing Unit)、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)等のハードウェアを有している。ハードディスクには各種のプログラムがインストールされており、これらのプログラムはRAMへと転送される。CPUは、ハードディスクからRAMに転送された各種のプログラムに基づいて種々の処理を実行する。これにより、図2に示される各機能部が実現されている。
【0020】
PC10にはオペレーティングシステムがインストールされている。PC10が起動されるとオペレーティングシステムの処理が実行される。オペレーティングシステムの処理には、各入出力装置用のデバイスドライバの処理と協働して入出力装置との間の入出力を管理する処理、アプリケーションのプログラムをRAMに転送する処理、そのアプリケーションに基づく処理を管理する処理などが含まれる。以下、オペレーティングシステムとCPU等のハードウェアとが協働して各種処理を実行する機能部をOS部120とする。
【0021】
本会計管理システム1のデバイスドライバには、特殊キーボードドライバ(本発明におけるキーボード管理アプリケーション)、バーコードリーダドライバ(本発明におけるバーコードリーダ管理アプリケーション)、ペンタブレットドライバ及び液晶タッチパネルドライバなどの、入力デバイスに応じたドライバ(本発明における入力管理アプリケーション)が含まれている。これらは、特殊キーボード20、バーコードリーダ40、ペンタブレット30及び液晶タッチパネル61による入出力を管理するためのプログラムである。以下、これらのデバイスドライバとCPU11等のハードウェアとが協働して各種処理を実行する機能部を、特殊キーボードドライバ部111、バーコードリーダドライバ部112、ペンタブレットドライバ部113及び液晶タッチパネルドライバ部114とする。また、これらのドライバ部を総称してドライバ部110とする。ドライバ部110には、標準配列キーボード51やマウス52などのその他の外部装置からの入出力を管理する機能部も含まれている。
【0022】
また、本会計管理システム1のアプリケーションには、特殊キーボード20の設定を編集するための特殊キーボード設定アプリケーション、ペンタブレット30等からの手書き入力を液晶ディスプレイ60に表示させる手書き入力アプリケーション、会計管理処理を実行する会計管理アプリケーション、四則演算等の演算を行う電卓アプリケーション(図6参照)、及び、キャッシュドロワ70の動作を制御するドロワ制御アプリケーションが含まれている。
【0023】
これらのアプリケーションは、本実施形態のオペレーティングシステム上で実行されることを前提にプログラムされている。これらのアプリケーションは、OS部120が液晶ディスプレイ60に表示させたメニューやアイコンをマウス52による入力操作で選択することにより起動させることができる。また、本実施形態では、各アプリケーションに対応するアイコンにはキーボードショートカットを関連付けることができ、標準配列キーボード51においてショートカットキーに対応するキーを押下することで各アプリケーションを起動することも可能である。以下、これらのアプリケーションとCPU11等のハードウェアとが協働して各種処理を実行する機能部を、特殊キーボード設定部131、手書き入力部132、会計管理部133、電卓部134及びドロワ制御部135とする。また、これらのアプリケーションによる機能部を総称してアプリケーション部130とする。
【0024】
ドライバ部110には特殊キーボード20などの入力装置からの入力信号が送られる。ドライバ部110は、入力装置からの入力信号からOS部120が取り扱い可能なデータを生成する。OS部120は、ドライバ部110が生成したデータに基づいて入力管理情報を生成する。アプリケーション部130は、OS部120が生成した入力管理信号に基づいて各種処理を実行する。
【0025】
例えば、標準配列キーボード51からの入力信号は、押下されたキーに対応した信号である。ドライバ部110は、標準配列キーボード51からの入力信号に基づいて、押下されたキーを示す、OS部120が取り扱い可能なデータを生成する。OS部120は、このようなデータに基づいて、押下されたキーに対応する入力管理情報を生成する。アプリケーション部130は、OS部120が生成した入力管理情報が示すキー入力に応じた処理を実行する。
【0026】
同様に、特殊キーボードドライバ部111は、特殊キーボード20において押下されたキーを示す、OS部120が取り扱い可能なデータを生成する。ところで、本実施形態の特殊キーボード20は、キー入力の内容を自由に設定可能である。PC10のハードディスク内には特殊キーボード設定ファイル11が格納されている。特殊キーボード設定ファイル11は、表1に一例を示すような、特殊キーボード20の各キーとキー入力の内容とを関連付ける関連付け情報を含んでいる。
【0027】
【表1】

【0028】
表1において、キーa〜cは、特殊キーボード20が有する3つのキーを示している。そして、表1においては、これらの各キーと標準配列キーボード51からの1又は複数のキー入力とが関連付けられている。例えば、キーaは、標準配列キーボード51においてカーソルキー”←”による入力、”2”キーによる入力、及び、”3”キーによる入力を順番に行った場合のキー入力に関連付けられている。また、キーbは、標準配列キーボード51において”CTRL+B”による入力、”ALT+D”による入力、”ESC”キーによる入力を順番に行った場合のキー入力に関連付けられている。このように、特殊キーボード20による各キーの入力には、”CTRL”キーや”ALT”キーなどの、他のキーと組み合わせて用いることが想定された特殊キーと記号キーとの組み合わせ入力が関連付けられてもよい。
【0029】
特殊キーボードドライバ部111は、特殊キーボード20からの入力信号が示すキーに対応するキー入力の内容を示すデータを特殊キーボード設定ファイル11に基づいて生成する。上記表1によると、例えば特殊キーボード20のキーaが押下された場合には、標準配列キーボード51においてカーソルキー”←”による入力、”2”キーによる入力、及び、”3”キーによる入力が順になされたときと同様のデータを生成する。OS部120は、このようなデータに基づいて、標準配列キーボード51から1又は複数のキーが順に押下された場合と同様の入力管理情報を生成する。アプリケーション部130は、OS120が生成した入力管理情報が示すキー入力に応じた処理を実行する。
【0030】
ユーザは、特殊キーボード設定部131を使用して特殊キーボード設定ファイル11の設定内容を編集することができる。特殊キーボード設定部131は、標準配列キーボード51やマウス52からの入力に基づいて、特殊キーボード20の各キーとそのキー入力の内容とを関連付ける関連付け情報の内容を変更する。変更が終了すると更新後の内容を特殊キーボード設定ファイル11に保存する。
【0031】
バーコードリーダ40からの入力信号は、読み取られたコードに対応した信号であり、各コードは数字やアルファベットなどの複数の記号からなる記号列である。バーコードリーダドライバ部112は、バーコードリーダ40からの入力信号に基づいて、読み取られたコードに対応する記号列を示す、OS部120が取り扱い可能なデータを生成する。OS部120は、このようなデータに基づいて、読み取られたコードに対応する記号列を示す入力管理情報を生成する。本実施形態では、読み取られたコードに対応する記号列が標準配列キーボード51からキー入力された場合と同様の入力管理情報を生成する。これにより、後述の入力ボックス161等には、バーコードリーダ40から読み取られたコードに対応する入力管理情報に基づいて、そのコードに対応する情報が入力される。アプリケーション部130は、OS部120が生成した入力管理情報が示すコードがキーボードによるキー入力と同様に入力されたものと取り扱う。
【0032】
以上と同様に、OS部120は、ペンタブレットドライバ部113と協働し、ペンタブレット30の入力面31上をタブレットペン32がなぞった軌跡を示す入力管理情報を生成する。手書き入力部132は、かかる入力管理情報に基づいて、タブレットペン32がなぞった軌跡や、液晶タッチパネル61を指でなぞった軌跡を画面に表示する(図7(c)参照)。また、手書き入力部132は、軌跡が示す文字、数値等を認識し、認識した文字や数値等を示すデータを生成する。
【0033】
また、OS部120は、液晶タッチパネルドライバ部114と協働し、液晶タッチパネル61における指等の接触位置を示す入力管理情報を生成する。また、液晶タッチパネルドライバ部114は、OS部120やアプリケーション部130からの出力指示情報に基づいて、液晶タッチパネル61の画面上に所定の画像を表示させる。
【0034】
さらに、ドロワ制御アプリケーションが起動されると、ドロワ制御部135はキャッシュドロワ70へと駆動信号を送信する。かかる駆動信号を受け取ると、キャッシュドロワ70は、金銭収容トレイ71を筐体71内に収容された位置から筐体71の前方に引き出された位置に移動させる。
【0035】
次に、会計管理部133が実行する会計管理処理について説明する。会計管理アプリケーションが起動されると、図3(a)のように複数のボタン画像が並んだ起動ウィンドウ151が液晶ディスプレイ60に表示される。この起動ウィンドウ151は、本会計管理アプリケーションが実行可能な各種の処理を選択するための画面である。本会計管理アプリケーションが実行可能な処理としては、例えば、会社の財務会計を管理する財務会計処理、商品情報や顧客情報、売上げ情報、在庫情報を管理する販売管理処理、商品の売上げや利益率等に基づいて販売や仕入計画を戦略的に検討する商品戦略処理、取引先の情報等を管理する取引情報処理などがある。起動ウィンドウ151にはこれらを示すボタン画像が表示され、マウス52を操作してマウスカーソル141を移動させ、所定のボタン画像上でマウスボタンをクリックすることにより、各処理を選択できる。
【0036】
なお、起動ウィンドウ151の右上角には「×」記号のボタン142が表示されている。ボタン142をマウスカーソル141で選択すると起動ウィンドウ151が閉じられる。以下に説明するその他の各ウィンドウにもボタン142が表示され、ボタン142を選択することにより、そのウィンドウが閉じられる。全ての会計管理アプリケーションに関わる全てのウィンドウが閉じられると、会計管理アプリケーションの実行プロセスが終了する。ウィンドウを閉じる機能を有するボタン142には、オペレーティングシステムによってキーボードショートカットが割り当てられており、本実施形態では、標準配列キーボード51における”ALT+F4”キーが割り当てられている。
【0037】
図3(b)は、図3(a)の起動ウィンドウ151において販売管理処理を選択した場合に液晶ディスプレイ60に表示されるメニューウィンドウ152を示している。メニューウィンドウ152にはファイル、売上げ、仕入、入金、データ等の各種メニューをマウスカーソル141で選択するためのメニューバー153が含まれている。各メニューにはサブメニューが含まれており、マウスカーソル141で各メニューを選択した際、サブメニューの一覧が表示される。例えば、売上げメニューには、掛売上げサブメニューと現金売上げサブメニューとが含まれている。
【0038】
メニューバー153には、本会計処理アプリケーションにおいて管理される顧客情報及び商品情報を登録するデータメニューが含まれている。このデータメニューを選択すると、顧客情報又は商品情報を示す所定の表形式で生成された顧客データファイル又は商品データファイルを取り込むことができる。取り込まれたデータファイルはデータベース91内に格納される。
【0039】
表2や表3は、顧客データファイルや商品データファイルが示す表形式の一例である。表2においては、得意先(顧客)名とその頭文字、そしてその顧客に対応するコード記号とが互いに関連付けられている。表3においては、商品名とその規格値、仕入値、そしてその商品に対応するコード記号とが互いに関連付けられている。表2や表3において用いられるコードは、バーコードリーダ40によって読み取り可能なコード規格に則って設定されたものであり、顧客や商品に一対一に対応するように設定されたコードである。
【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
メニューバー153の各メニューにはキーボードショートカットが設定されており、例えば、売上メニュー、仕入メニュー及び入金メニューには、”ALT+S”、”ALT+B”及び”ALT+R”がそれぞれ設定されている。標準配列キーボード51においてショートカットキーに対応するキーを押下することにより、これらのメニューを選択できる。
【0043】
また、メニューウィンドウ152には、売上げ・仕入に関するメニューが並んだタブページ、請求書に関するメニューが並んだタブページ、及び戦略情報に関するメニューが並んだタブページをそれぞれ選択することが可能なタブコントロール154が含まれている。タブコントロール154の各タブページにおいては複数のメニューが選択できるようになっており、売上げ・仕入に関するタブページでは、掛売上げ、現金売上げ、入金及び仕入のいずれかをマウスカーソル141で選択できる。タブコントロール154により選択できるメニュー項目の一部は、メニューバー153により選択できるメニュー項目と重なっている。例えば、掛売上げ、現金売上げ、入金、仕入などのメニュー項目は、メニューバー153から選択してもよいし、タブコントロール154から選択してもよい。
【0044】
メニューウィンドウ152においてメニューを選択すると、売上げや仕入、入金に関する情報を入力するウィンドウが液晶ディスプレイ60に表示される。図4(a)は、一例として、メニューウィンドウ152において売上げメニューから掛売上げサブメニューを選択した場合に液晶ディスプレイ60に表示される、掛売上げ入力ウィンドウ155を示している。掛売上げ入力ウィンドウ155には、メニューウィンドウ152において表示されるのと同様のメニューバー153が含まれている。その下方には表が表示され、この表には掛売上げに関する情報を入力するための入力ボックス161等の複数の入力ボックスが設けられている。
【0045】
各入力ボックスは、マウスカーソル141で選択することでフォーカスされ、標準配列キーボード51から数値や文字などを入力したり、顧客情報や商品情報を検索したりする状態となる。また、各入力ボックスにはキーボードショートカットが関連付けられており、標準配列キーボード51からショートカットキーに対応するキーを押下することによっても各入力ボックスを選択することができる。各入力ボックスにおいて入出力される情報は、データベース91とのアクセスによって取得されたり保存されたりする。
【0046】
入力ボックス161は、顧客に対応する顧客コードを入力する入力ボックスである。入力ボックス161を選択し標準配列キーボード51から顧客コードを入力すると、入力したコードに対応する顧客名が、顧客データファイルに基づいて入力ボックス163に表示される。入力ボックス163は顧客名を入力する入力ボックスである。入力ボックス163を選択すると、図7(a)及び図7(b)に示されるような検索ウィンドウが表示され、表3に一例を示す顧客情報から目的の顧客を検索することが可能である。入力ボックス163において顧客を検索すると、検索結果に基づき入力ボックス161及び163に顧客コード及び顧客名が表示される。
【0047】
入力ボックス162は、店側の担当者に対応する担当者コードを入力する入力ボックスである。このように、本会計管理アプリケーションにおいては、担当者名とそのコードとを関連付ける情報に基づき、担当者の情報を管理することも可能である。入力ボックス162に担当者コードを入力すると、担当者コードに対応する担当者名が入力ボックス164に表示される。また、入力ボックス164を選択することにより、入力ボックス163と同様に担当者を検索することもできる。
【0048】
入力ボックス165〜168は、商品情報を入力する入力ボックスである。商品情報は複数の行に亘って表示されており、各行は1つの商品に対応している。各行には、商品に対応する商品コード、商品名、規格値、数量及び売上単価を入力する入力ボックスが含まれている。例えば、図4(a)において1行目には、商品名を入力する入力ボックス165、商品コードを入力する入力ボックス166、規格値を入力する入力ボックス169、数量を入力する入力ボックス171、及び売上単価を入力する入力ボックス172が含まれている。また、2行目には、商品名を入力する入力ボックス167、商品コードを入力する入力ボックス168、規格値を入力する入力ボックス170、数量を入力する入力ボックス173、及び売上単価を入力する入力ボックス174が含まれている。
【0049】
入力ボックス165や167を選択すると、商品を検索するための図7(a)及び図7(b)と同様の検索ウィンドウが表示され、商品を検索することができる。検索された商品に関する情報は、商品データファイルに基づいて適宜入力ボックス166、168、169、170等に表示される。入力ボックス166や168を選択すると標準配列キーボード51から商品コードを入力することができる。商品コードを入力すると、そのコードに対応する商品情報が、商品データファイルに基づいて適宜入力ボックス165、167、169、170等に表示される。入力ボックス171や173には、標準配列キーボード51から売上数量を入力でき、入力ボックス172や174には、標準配列キーボード51から売上単価を入力できる。入力される売上単価は、元値である規格値と異なるものであってもよい。
【0050】
メニューバー153やタブコントロール154から現金売上げメニューを選択した場合にも、上記と同様に顧客情報や商品情報、売上げ情報を入力する現金売上げ入力ウィンドウが表示される。そして、入力された売上げ情報はデータベース91に格納される。メニューバー153やタブコントロール154から仕入メニューを選択した場合には、新たに仕入が行われた商品を在庫情報に追加するための仕入入力ウィンドウが表示され、商品情報が入力されると、データベース91内の情報が更新される。なお、商品を仕入た場合は、新たに仕入た商品に関する商品データファイルが作成され、上述のデータファイルメニューにおいて取りこまれた後、仕入入力ウィンドウにおいて仕入商品に関する情報が入力される。
【0051】
メニューバー153やタブコントロール154から入金メニューを選択した場合には、顧客からの支払い等による入金情報や顧客情報を入力する入金入力ウィンドウが表示される。入力された入金情報は顧客情報と関連付けられてデータベース91内に格納される。入金情報は顧客に宛てた領収書の発行などの際に基本情報として使用される。現金売上げ入力ウィンドウ、仕入入力ウィンドウ及び入金入力ウィンドウには、それぞれメニューバー153が含まれている。
【0052】
以上のように本会計管理アプリケーションにおいては、マウス52やキーボードショートカットを使用して各種のメニューを選択し、標準配列キーボード51から顧客情報や商品情報、売上げ情報、在庫情報等を入力する。入力された情報は財務会計処理や販売管理処理、商品戦略処理等を実行する際に基本情報として用いられる。
【0053】
しかしながら、マウス52を用いていちいちメニューを選択したり、標準配列キーボード51でいくつもショートカットキーを入力したりするのは非常に煩雑である。特に、このような標準の入力装置を介してコンピュータを使用するのに慣れていないものにとって、本会計管理アプリケーションを使用して会計管理を行う作業は敷居が高いものとなることは容易に考えられる。
【0054】
そこで、本実施形態の会計管理システム1には、本会計管理アプリケーションを利用したシステムをより使いやすいものとするための補助システムが採用されている。本補助システムには、入力装置として標準配列キーボード51及びマウス52の他に、特殊キーボード20、ペンタブレット30、バーコードリーダ40及び液晶タッチパネル61が利用されている。以下、本補助システムにおけるこれらの入力装置の構成及び使用方法について説明する。
【0055】
液晶タッチパネル61は、マウス52による入力の代わりとして用いられる。液晶タッチパネル61の前面(入力面)に指等が接触した場合は、OS部120等によって接触位置を示す入力管理情報が生成される。会計管理部133は、この入力管理情報に基づいて、液晶タッチパネル61において指等が接触した位置のメニューや入力ボックスを選択する。これにより、マウスカーソル141でメニューや入力ボックス、ボタン等を選択する動作の代わりに、液晶タッチパネル61において各メニューや入力ボックス等が表示されている位置に指を接触させることにより、メニューや入力ボックスを選択することができる。
【0056】
バーコードリーダ40は、標準配列キーボード51により各種コードを入力する代わりとして用いられる。図4(b)及び図4(c)には、バーコードリーダ40が読み取り可能なバーコードが表示されている。図4(b)のバーコードは、表2において顧客「特許太郎」に関連付けられた顧客コード「005094」に対応している。バーコードリーダ40を用いてこのバーコードを読み取ることにより、PC10に顧客コードを入力することができる。図4(c)のバーコードは、表3において商品「カシミアカーディガン」に関連付けられた商品コード「DR2114−5」に対応している。バーコードリーダ40を用いてこのバーコードを読み取ることにより、PC10に商品コードを入力することができる。なお、バーコードリーダ40は、数字のみならず、アルファベットや、「−」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「+」(プラス)などの記号も含んだコードに対応していることを想定している。しかし、JANコードやEANコードのように、数字のみを含むコードに対応していてもよい。
【0057】
特殊キーボード20は、複数のショートカットキーの入力を少ない操作で可能にする。図5は、特殊キーボード20の平面図である。本実施形態において特殊キーボード20は、5行6列の30個のキーを有している。これらのキーは4つのキー区分と1つのキーとから構成されている。そのうちの1つであるキー区分21は、本会計管理アプリケーションにおいてメニューの選択を行う4つのキー(本発明における第1のキー)からなる。キー区分21の各キーには、掛売上げ、現金売上げ、入金及び仕入に関する情報を入力するウィンドウが表示された状態にそれぞれ切り替えることができるようなキー入力の内容が関連付けられている。
【0058】
例えば、現金売上げ入力ウィンドウ等のメニューバー153が表示された各ウィンドウから、掛売上げ入力ウィンドウ155において顧客コードを入力する入力ボックス161を選択した状態に切り替えるには、標準配列キーボード51において以下のキーを順番に押下する必要がある。まず、(1)メニューバー153において売上げメニューを選択するショートカットキーである”ALT+S”、(2)次に、売上げメニューに含まれる掛売上げサブメニューを選択するショートカットキー、(3)そして、掛売上げ入力ウィンドウ155において顧客コードを入力する入力ボックス161を選択するショートカットキーである。
【0059】
標準配列キーボード51においてこれらのキーが押下されると、OS部120は、(1)〜(3)の一連のショートカットキーによる入力に対応する特定の入力管理情報(特定入力管理情報)を生成する。会計管理部133は、この特定入力管理情報の生成に応じて、掛売上げ入力ウィンドウ155において入力ボックス161を選択した状態(本発明における情報入力状態)へとアプリケーションの実行状態を切り替える。
【0060】
一方、特殊キーボード20の掛売上げキーには、(1)〜(3)のショートカットキーがこの順番で関連付けられている。このため、掛売上げキーを1回押下すると、まず上記(1)及び(2)のショートカットキーにより、どんなウィンドウが表示されている状態であっても、そのウィンドウにメニューバー153が含まれていれば、掛売上げ入力ウィンドウ155が表示された状態に切り替えられる。そして、上記(3)のショートカットキーにより、掛売上げ入力ウィンドウ155において入力ボックス161が選択される。
【0061】
したがって、メニューウィンドウ152や、現金掛け入力ウィンドウ、仕入入力ウィンドウ、又は入金入力ウィンドウが表示された状態において、掛売上げキーを1回押下するだけで掛売上げ入力ウィンドウ155が表示されると共に、入力ボックス161が選択された状態になる。
【0062】
キー区分21においてその他の3つのキーにも、現金掛け入力ウィンドウ、仕入入力ウィンドウ、又は入金入力ウィンドウに切り替えるためのショートカットキーと、各ウィンドウにおいて顧客情報や商品情報を入力する入力ボックスを選択するためのショートカットキーとが関連付けられている。
【0063】
キー区分22は、いわゆるテンキーに対応するキー(本発明における第3のキー)を含む16個のキーからなる。このうち10個のキーは、”0”キー〜”9”キーに関連付けられ、別の4つのキーは四則演算に対応する”/”キー、”*”キー、”―”キー及び”+”キーに関連付けられ、さらに別の1つのキーは”=”や”OK”、”はい”を選択するための”Enter”キーに関連付けられ、残りの1つのキーは小数点を入力するための”.”キーに関連付けられている。
【0064】
キー区分23は、各種のアプリケーションを起動する3つのキーからなる。これらのキーには、各アプリケーションのアイコンに関連付けられたショートカットキーと同じキーが関連付けられている。例えば、3つのキーのうちの1つ目(本発明における第2のキー)には会計管理アプリケーションのアイコンに関するショートカットキーと同じキーが関連付けられている。このショートカットキーによる入力が本発明における第1の関連キー入力に対応する。
【0065】
また、2つ目のキー(本発明における第4のキー)には手書き入力アプリケーションのアイコンに関するショートカットキーと同じキーが関連付けられている。このショートカットキーによる入力が本発明における第2の関連キー入力に対応する。さらに、3つ目のキー(本発明における第4のキー)には四則演算等の演算を行うための電卓アプリケーションのアイコンに関するショートカットキーと同じキーが関連付けられている。このショートカットキーによる入力も本発明における第2の関連キー入力に対応する。そして、4つ目のキーには、ドロワ制御アプリケーションのアイコンに関するショートカットキーと同じキーが関連付けられている。このように、キー区分23において各キーを1回押下することで、本会計管理アプリケーション、手書き入力アプリケーション又は電卓アプリケーションを起動することができる。このうち、ドロワ制御アプリケーション起動キーを押下するとドロワ制御アプリケーションが起動し、ドロワ制御部135によってキャッシュドロワ70が駆動され、筐体72から金銭収容トレイ71が引き出される。
【0066】
図6には、電卓アプリケーションを起動した際に液晶ディスプレイ60に表示される電卓ウィンドウ156が示されている。電卓ウィンドウ156には複数のボタン画像156aが含まれている。これらのボタン画像156aは、0〜9の数値や四則演算等に対応する画像を含んでいる。液晶タッチパネル61をタッチしてボタン画像156aを押下したり特殊キーボード20のキー区分22のテンキーを押下したりすることなどにより、数値を入力したり四則演算を指示したりできる。数値表示ボックス156bには、入力された数値や演算結果が表示される。
【0067】
キー区分24は、電卓ウィンドウ156に表示された計算結果や、会計管理アプリケーションの各種の入力ウィンドウに表示された数値などをコピーペーストする6つのキーからなる。このうち、電卓コピーキーは、電卓ウィンドウ156に表示された数値をコピーするショートカットキーに関連付けられている。電卓ペーストキーは、電卓ウィンドウ156が表示される前に表示されていたウィンドウに戻るショートカットキーと、コピーされた数値をペーストするショートカットキーとが関連付けられている。これにより、電卓ペーストキーを1回押下することで、電卓ウィンドウ156に表示された数値が、例えば図6に示すように、電卓ウィンドウ156が表示される前に表示されていた売り掛け入力ウィンドウ155に戻って入力ボックス172にコピーされる。
【0068】
また、キー区分24の”→選ぶ”コピーキーは、入力ボックス等において現在のカーソル位置から右方向の範囲で数値やコード等をコピーするショートカットキーが関連付けられている。なお、キー区分24に”←選ぶ”コピーキーも含まれており、入力ボックス等において現在のカーソル位置から左方向の範囲で数値やコード等をコピーするショートカットキーが関連付けられていてもよい。ペーストキーは、コピーされた数値やコード等を現在選択されている場所にペーストするショートカットキーが関連付けられている。元値ペーストキーは、”@”キーと、コピーされた数値やコード等をペーストするショートカットキーとに関連付けられている。これは、図4(a)の入力ボックス169や170に示すように、元値であることを示すための”@”を数値の前に追加してペーストするためである。
【0069】
その他、キー25は、ウィンドウを閉じるボタン142に割り当てられたショートカットキーである”ALT+F4”キーに関連付けられている。
【0070】
ペンタブレット30は、顧客の名前に基づいて顧客情報を検索するなどの際に便利である。図7(a)は顧客情報を表から選択する顧客選択ウィンドウ157である。顧客選択ウィンドウ157に表示された顧客情報をマウスカーソル141で選択することも可能だが、顧客選択ウィンドウ157と同時に表示される図7(b)の検索条件入力ウィンドウ158に検索条件を入力して顧客情報を選択することも可能である。検索条件入力ウィンドウ158には、顧客コード、顧客氏名、顧客氏名の頭文字などを入力する入力ボックス175〜177が含まれている。これらのいずれかに検索条件を入力し、液晶タッチパネル61をタッチして検索開始ボタン178を押すことで顧客情報を検索できる。
【0071】
ここで、図7(b)において頭文字を入力する入力ボックス177が選択されている状態で、特殊キーボード20のキー区分23に含まれる手書き入力アプリケーション起動キーを押下すると、図7(c)に示す手書き入力ウィンドウ159が、手書き入力部132によって液晶ディスプレイ60に表示される。手書き入力ウィンドウ159にはタブレットペン32で入力面31をなぞったり液晶タッチパネル61の前面を指でなぞったりした軌跡が表示される。そして、図7(c)のように、軌跡が文字の形状を呈するようになぞった後に、液晶タッチパネル61をタッチして文字変換ボタン159aを押す。これにより、入力された文字が手書き入力部132によって認識され、変換ウィンドウ159bに変換後の文字列の候補が表示される。そして、液晶タッチパネル61をタッチして変換ウィンドウ159bから変換後の文字列を選択し、さらに挿入ボタン179を押すと、入力された文字を示すデータを手書き入力部132が生成する。生成されたデータに対応する文字は、入力ボックス177に挿入される。
【0072】
以上のような補助システムを会計管理システム1に採用することにより、会計アプリケーションの起動から各情報の入力までの一連の操作を、以下のとおり円滑且つ速やかに実行できる。まず、特殊キーボード20のキー区分23に含まれている会計管理アプリケーション起動キーを押下すると、液晶ディスプレイ60に起動ウィンドウ151が表示される。そこで、液晶タッチパネル61をタッチして販売管理ボタン画像を選択すると、液晶ディスプレイ60にメニューウィンドウ152が表示される。
【0073】
ここで、特殊キーボード20のキー区分21に含まれている掛売上げキーを押下すると、液晶ディスプレイ60に掛売上げ入力ウィンドウ155が表示され、顧客情報を入力する入力ボックス161が選択された状態となる。そして、バーコードリーダ40を使用して図4(b)のバーコード情報を読み取ることにより、入力ボックス161に顧客コードが入力される。
【0074】
また、液晶タッチパネル61をタッチして入力ボックス163を選択すると、顧客選択ウィンドウ157や検索条件入力ウィンドウ158が表示される。ここで、特殊キーボード20のキー区分23に含まれる手書き入力アプリケーション起動キーを押下すると、液晶ディスプレイ60に手書き入力ウィンドウ159が表示され、検索条件を入力できる。同様に、液晶タッチパネル61をタッチして入力ボックス165や167を選択すると、商品情報を検索できる。
【0075】
また、液晶タッチパネル61をタッチして入力ボックス166や168を選択し、バーコードリーダ40で図4(c)のバーコード情報を読み取ると、入力ボックス166や168に商品コードが入力される。
【0076】
また、掛売上げ入力ウィンドウ155の入力ボックス172や174が選択されている状態で、特殊キーボード20のキー区分23に含まれている電卓アプリケーション起動キーを押下すると、液晶ディスプレイ60に電卓ウィンドウ156が表示される。そして、特殊キーボード20のキー区分22に含まれているテンキーを使用することにより、電卓ウィンドウ156上で種々の演算を行うことができる。その演算結果は、キー区分24に含まれている電卓コピーキーと電卓ペーストキーとを順に押下することにより、入力ボックス172や174にコピーペーストされる。入力ボックス172や174には、特殊キーボード20のキー区分22に含まれているテンキーにより数値が直接入力されてもよい。特殊キーボード20のキー区分24に含まれている元値ペーストキーを使用すると、”@”を付けた数値が入力ボックス169や170に入力される。
【0077】
また、掛売上げ入力ウィンドウ155が表示されている状態で、特殊キーボード20のキー区分21に含まれている現金売上げキーや入金キー、仕入キーを押下すると、現金売上げ入力ウィンドウや入金入力ウィンドウ、仕入入力ウィンドウに切り替えることができる。
【0078】
以下、上述の実施形態と付随して用いられることが好ましい周辺構成について説明する。図8は、かかる周辺構成の一例である入力端末200の正面図である。入力端末200はPC10とUSB接続されており、図8のようにちょうど本体部を片手で握ることができる大きさを有している。あるいは、PC10にUSB接続された無線ターミナルを介して無線接続されていてもよい。
【0079】
入力端末200の上部にはバーコード読み取り部201が設けられ、正面には特殊キーボード20と同様にキー入力の内容を自由に設定可能な複数のキー203が設けられている。キー203の上方には液晶パネル202が設けられており、バーコード読み取り部201による読み取り内容やキー203による入力内容が表示される。キー203の下方にはタッチパッド204とボタン205が設けられている。なお、タッチパッド204の代わりとして、入力端末200の背面に光学マウス用の光射出部やボールマウス用のボール部が設けられ、入力端末200がマウスとして機能してもよい。
【0080】
このような入力端末200によると、特殊キーボード20、バーコードリーダ40及びポインティングデバイスの3つの入力装置を兼ね備えた一体のハンディな端末を用いて商品情報等の各種情報を入力できるので、より使いやすいシステムが実現する。
【0081】
図9は、上述の実施形態と付随して用いられることが好ましい周辺構成の他の一例である値札シート300の表面の図である。値札シート300は、商品の仕入時に、新たに仕入た商品に関する商品データファイルと共に、その商品データファイルに基づいて作成される。このような値札シート300は、裏面に粘着部が形成された粘着シートとこの粘着シートの台紙である台紙シートとの2層を有したシートの表の面に値札表を印刷することで作成される。値札表は、仕入した商品に応じた複数の値札301を仕入した数に応じて配列したものである。各値札301には、その商品に応じたバーコード、商品名、価格が含まれている。また、値札シート300には、値札301を個別に台紙シートから剥がせるように切り目300aが設けられている。値札シート300から値札301をそれぞれ剥がして値札タグなどに貼り付け、その値札タグを該当する商品に結びつけて使用する。なお、値札301には、その他の情報として、バーコードに対応する記号、仕入日、仕入先、仕入価格、部門、サイズ規格等の、会計管理アプリケーションにおいて取り扱われる情報を含む種々の情報が印刷されてもよい。
【0082】
そして、商品の仕入時には、値札シート300を作成するのと同時に、値札シート300の値札表と同様の表が、通常の印刷用紙にも印刷されるとよい。つまり、図9に示される値札表を、商品に結びつけられる値札301用の値札シート300と通常の印刷用紙との2枚に印刷するとよい。これによると、値札301を値札シート300から剥がして各商品に使用する一方で、通常の印刷用紙に印刷した方のバーコードを1つ1つバーコードリーダ40で順に読み取ることで、上述の会計管理アプリケーションにおいて仕入入力ウィンドウから仕入た商品に関する商品情報を入力することができる。この場合、仕入入力ウィンドウにおいては、商品の個数をテンキーなどで入力できるように構成されていると共に、バーコードリーダ40で同じ商品コードを読み込んだ回数によって個数を入力することもできるように構成されていることが好ましい。
【0083】
図10は、上述の実施形態と付随して用いられることが好ましい周辺構成のさらに他の一例である特殊キーボードウィンドウ220を表示した液晶ディスプレイ60の正面図である。特殊キーボードウィンドウ220は、液晶ディスプレイ60に表示されるウィンドウ画像であり、特殊キーボード20と同じキー配列のキー画像220aを含んでいる。特殊キーボードウィンドウ220は、所定の特殊キーボードアプリケーションをPC10にインストールした後、この特殊キーボードアプリケーションを起動することにより表示される。なお、特殊キーボード20のキー区分23に特殊キーボードアプリケーション起動キーが含まれていてもよい。
【0084】
特殊キーボードアプリケーションは、特殊キーボードウィンドウ220を介した入力処理や特殊キーボードウィンドウ220内の画像処理などの各種の処理をPC10に実行させる。ユーザが指でキー画像220aをタッチしたり、マウスカーソル141で選択したりすると、特殊キーボードアプリケーションは、OS部120等と協働し、特殊キーボード設定ファイルに基づいてそのキー画像220aと対応する入力管理情報をPC10に生成させる。つまり、選択されたキー画像に対応する特殊キーボード20のキーに関連付けられたのと同様のキー入力がなされる。キー入力は、特殊キーボードウィンドウ220が選択される直前に選択されていたウィンドウに対応するアプリケーションに対して行われる。
【0085】
例えば、キー区分22に対応するキー入力がなされた場合は、特殊キーボードウィンドウ220が選択される直前に選択されていたウィンドウ(例えば、掛売上げ入力ウィンドウ155)の入力ボックス等に、当該キー入力に対応する数値等が入力される。また、キー区分23に対応するキー入力がなされた場合は、そのキー入力に対応するショートカットキーに関連付けられたアプリケーションが起動される。
【0086】
このような特殊キーボードウィンドウ220を用いた入力方式は、特殊キーボード20による入力と併用されてもよいし、特殊キーボード20が用いられることなく単独で採用されてもよい。
【0087】
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0088】
例えば、上述の実施形態では、特殊キーボード20の各キーに表1のような標準配列キーボード51による1組のキー入力を関連付けることができる。これに加え、各キーに、複数組のキー入力を関連付けるような構成が採用されていてもよい。例えば、特殊キーボード20の1つのキーに2組のキー入力を関連付けた場合、そのキーを連続して押下すると、1回目の押下において1組目のキー入力に対応する入力がなされ、2回目の押下において2組目のキー入力に対応する入力がなされるような構成である。これによると、例えばキー区分21の掛売上げキーを1回押下することで掛売上げ入力ウィンドウ155において入力ボックス161が選択された状態に切り替わり、連続してもう1度掛売上げキーを押下すると今度は入力ボックス162が選択された状態に切り替わる、といった機能を採用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 会計管理システム、20 特殊キーボード、30 ペンタブレット、40 バーコードリーダ、51 標準配列キーボード、52 マウス、60 液晶ディスプレイ、110 ドライバ部、120 OS部、130 アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置からの入力を管理する入力管理アプリケーションと協働して、入力装置からの入力と対応する入力管理情報を生成するように前記コンピュータを機能させるオペレーティングシステムと、商品情報及び顧客情報に基づく商品管理、売上げ管理及び顧客管理の各処理を前記コンピュータに実行させる会計管理アプリケーションと、前記オペレーティングシステム及び会計管理アプリケーションがインストールされたコンピュータとを有する会計管理システムを補助するシステムであって、
前記コンピュータと接続されるキーボードと、
前記コンピュータと接続されるバーコードリーダと、
前記キーボードからの入力を管理する前記入力管理アプリケーションであり、前記キーボードからのキーによる入力と当該キー入力に対応する前記入力管理情報との関連付けを設定可能であるキーボード管理アプリケーションと、
前記バーコードリーダからの入力を管理する前記入力管理アプリケーションであるバーコードリーダ管理アプリケーションとを備えており、
前記商品情報及び顧客情報の少なくともいずれかと前記バーコードリーダが読み取るコードとが、前記会計管理アプリケーションにおいて関連付けられており、
前記会計管理アプリケーションが、標準配列キーボードから所定のキーによる複数の入力が所定の順序でなされた場合の前記入力管理情報である特定入力管理情報が生成された場合に、商品情報及び顧客情報の少なくともいずれかを入力する状態である情報入力状態へとアプリケーションの実行状態を切り替えるように前記コンピュータを機能させ、
前記キーボードの単独のキーである第1のキーによる入力と前記特定入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることを特徴とする会計管理補助システム。
【請求項2】
前記オペレーティングシステムが、
標準配列キーボードからのキー入力とアプリケーションとが関連付けられている場合に、当該関連付けられたキー入力に対応する前記入力管理情報が生成されたときに当該アプリケーションを起動するように前記コンピュータを機能させ、
前記会計管理アプリケーションと所定のキー入力である第1の関連キー入力とが、前記オペレーティングシステムにおいて関連付けられており、
前記キーボードの単独のキーである第2のキーによる入力と前記第1の関連キー入力に対応した前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることを特徴とする請求項1に記載の会計管理補助システム。
【請求項3】
前記会計管理アプリケーションが、
アプリケーションの実行状態を商品の価格情報を入力する状態にするように前記コンピュータを機能させ、
前記キーボード管理アプリケーションが、
前記キーボードの単独のキーである第3のキーによる入力と標準配列のキーボードにおいて数字キーの入力に対応する前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の会計管理補助システム。
【請求項4】
入力装置に関するアプリケーション及び数値計算に関するアプリケーションの少なくともいずれかをさらに備えており、
前記オペレーティングシステムが、
標準配列キーボードからのキー入力とアプリケーションとが関連付けられている場合に、当該関連付けられたキー入力に対応する前記入力管理情報が生成されたときに当該アプリケーションを起動するように前記コンピュータを機能させ、
前記入力装置に関するアプリケーション及び数値計算に関するアプリケーションの前記いずれかと所定のキー入力である第2の関連キー入力とが、前記オペレーティングシステムにおいて関連付けられており、
前記キーボードの単独のキーである第4のキーによる入力と前記第2の関連キー入力に対応した前記入力管理情報とが、前記キーボード管理アプリケーションにおいて関連付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の会計管理補助システム。
【請求項5】
前記入力装置が、物体の接触を検知する入力面を有する装置であることを特徴とする請求項4に記載の会計管理補助システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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