説明

会議情報処理装置、会議情報処理方法およびコンピュータ・プログラム

【課題】 会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる会議情報処理装置を提供する。
【解決手段】 会議情報に対して所定の処理を行う会議情報処理装置1であって、会議情報を記憶する記憶部3と、所定の規則に基づいて会議情報の属性を分類分けして構造化する属性構造化部6と、属性構造化部6によって構造化された会議情報の属性を可視化する属性可視化部7とを具備する。属性構造化部6は、所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係になるよう会議情報の属性を分類分けして構造化する。これにより、会議情報の属性を利用者の関心のあるグループに分類分けして視覚化することで、会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議情報処理装置、会議情報処理方法およびコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の通信技術およびコンピューティング技術の発展に伴い、会議に関する情報をコンピュータに記録ないし蓄積し、ネットワークを介してオフィスなどその会議情報を利用することが可能となってきている。このようなアプリケーションの形態の一つとしていわゆるウェブ会議システムがある。
【0003】
例えば、蝶理情報システム株式会社は、アイキューブと呼ばれるいわゆる遠隔コラボレーションのシステムを構築するためのコンポーネントを提供している。そのアイキューブを利用したパナソニック・ソリューション・テクノロジー株式会社のリアルタイム・コラボレーションでは、音声と動画を利用したビデオ会議やアプリケーション共有、描画機能、テキストチャット機能などビジネス情報の管理と活用を実現している。このリアルタイム・コラボレーションでは、複数の利用者での会議機能(「ミーティング機能」)が利用可能で、会議を表現する「ミーティングルーム一覧画面」が提供されている。
【0004】
また、現在では、いくつかのビデオ・コンテンツ管理システムが提供されており、会議中の様子を撮影したビデオ・データや関連する会議資料をまとめて、それらのシステムで管理し、利用者に提供することが可能となっている。例えば、富士ゼロックス株式会社のMediaDEPO Server 3.xJは、そのようなビデオ・コンテンツ管理システムの一つである。MediaDEPOでは、利用者の要求するコンテンツを検索することが可能であり、作成者情報、タイトル、キーワード、目次などのコンテンツの属性情報を用いてコンテンツすなわちビデオ・データを検索することができる。また、MediaDEPOでは、ビデオ内の話し言葉をキーとしてシーンを検索する音声検索や、関連するスライドに対して、スライドのサムネイル表示からそのスライド資料を検索するスライド検索機能や関連する文書データに対していわゆる全文検索機能を提供している。
【0005】
さらに、株式会社リコーのMPMeisterでは、プレゼンテーションのスライド資料とビデオとを組み合わせたマルチメディア・コンテンツを自動生成し、管理することができる。このMPMeisterでは、作成日や更新日、テーマ名、発表者名、その他スライドに含まれるタイトル、本文、ノートなど各種の情報がMPEG-7形式で保存されており、それらを利用して、関連するコンテンツ(スライド・データやビデオ・データ)を検索し、閲覧することが可能となっている。
【0006】
また、これまで、会議に固有の情報で会議情報を構造化する技術についてのいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1の再生装置では、会議における発言構造を発言者チャートとして視覚化表示し、それを記録された会議情報へのアクセスのインデックスとして利用することによって、利用者は効率的に所望する情報へアクセスすることができる。また、この再生装置は、検索者(利用者)の指示操作の意図を、発言者名、発言時間、前発言者名、後発言者名などの予め意図を抽出するために定めた属性の値を抽出し、抽出された検索者の指示意図の情報を用いて、指示された発言と類似した意図を持つ類似発言候補を検出し、検出された類似発言候補を表示装置上に視覚化表示することができる。
【0007】
また、特許文献2の提示装置では、特定の会議資料に関連した議論の構造を発言構造図として視覚化することができる。また、この特許文献2の提示装置によって、利用者が会議内容へアクセスする際に、全体の文脈を捉えて絞り込むことが可能となる。そこで、参照すべき会議資料を特定する際に、資料内容からだけではなく、議論状況から、議論の活発な部分だけをアクセスするなどが可能となる。
【0008】
さらに、特許文献3の方法では、プレゼンテーションの出席者または視聴者が関心度の高い特定の時点をマーキングする入力を与え、受信されたマーキングが集計されプレゼンテーション中の様々な時点に関する全体的な関心度の値を生成し、その関心度の値に対応する図形的な表現を用いることによって利用者は、関心度の高いプレゼンテーションの特定の部分を発見、操作することが可能となる。
【特許文献1】特開平11−53385号公報
【特許文献2】特開平11−272679号公報
【特許文献3】特開2005−198303号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、上述の技術では、利用者に提供されるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(以下、「GUI」と称する)は、典型的な項目のリストないし一覧あるいは検索のためのダイアログもしくはスライド・データあるいはビデオ・データのコンテンツに対応したサムネイル(実際には、長方形の縮小画像データの並び)およびそれらの組み合わせに限られている。あるいは、GUIは、特許文献2の提示装置の発言構造チャート図のようないわゆるタイムライン形式の特定のデータないしコンテンツの表現に限定されている。
【0010】
実際の会議に関する情報を検索する場合には、会議の名称、会議の場所あるいは会議室名、会議開催日時、会議参加者あるいは会議資料名などから検索したい場合がある。しかし、そのような会議の属性および会議に関するビデオ・データあるいはスライド・データなどの資料の属性の全体像と詳細を限られたGUI上に利用者に効率的に表現ないし提示することは困難若しくは不可能である、という問題が浮上する。上述したように、従来技術を用いることによって、会議に関する情報を管理することができる。
【0011】
しかしながら、従来のシステムを用いて、会議に関する情報を様々な属性を用いて検索する場合、上述の従来技術のいずれを用いても、検索可能な対象ないし属性の全体像および詳細を効率的に表現ないし提示することが困難であるという問題がある。特に、従来技術では、利用者に対してスライドなどの資料データやビデオ・データのコンテンツのメタ・データと会議自身のメタ・データおよび複数の会議の関連を表現するメタ・データを含む会議情報に関する属性の全体像とその詳細を構造化し、それらをGUI上に効果的に表現できていないという問題がある。
【0012】
つまり、従来技術では、利用者の関心の無い部分もしくは利用者にとって重要で無い部分に対して不必要に利用者のアテンション(注意や関心)を引き付けてしまったり、逆に、利用者の関心のある部分もしくは利用者にとって重要である部分に対して利用者のアテンションを集中させることができない、もしくは引き付けることができない、という問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる会議情報処理装置、会議情報処理方法およびコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、会議情報に対して所定の処理を行う会議情報処理装置であって、前記会議情報を記憶する記憶手段と、所定の規則に基づいて前記会議情報の属性を分類分けして構造化する属性構造化手段と、前記属性構造化手段によって構造化された会議情報の属性を可視化する可視化手段とを具備する。本発明によれば、会議情報の属性(例えばメタデータ)を利用者の関心のあるグループに分類分けして視覚化することにより、会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる。利用者の関心の無い部分もしくは利用者にとって重要で無い部分に対して不必要に利用者のアテンションを引き付けることはなく、利用者の関心のある部分もしくは利用者にとって重要である部分に対して利用者のアテンションを集中させ、また引き付けることができる。
【0015】
前記可視化手段は、前記属性構造化手段によって構造化された会議情報の属性間の関係に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を図的に表現する。これにより、利用者は、会議情報の属性を関心のあるグループ毎に図的に閲覧することができるため、会議情報のうち関心のある部分を知ることができる。
【0016】
前記属性構造化手段は、前記所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係になるよう前記会議情報の属性を分類分けして構造化する。これにより、利用者は、会議情報の属性を、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として把握することができる。つまり、検索可能な対象ないし属性の全体像および詳細を効率的に表現ないし提示することができる。
【0017】
前記可視化手段は、前記会議情報の属性間の汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を一つ以上の層によって図的に表現する。これにより、利用者は、会議情報の属性を、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として図的に把握することができる。
【0018】
前記可視化手段は、前記会議情報の属性を表現する図形の層を重ねて表現する。これにより、利用者は、図形の層の重なりにより、会議情報の属性を抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として簡単に把握することができる。前記可視化手段は、前記会議情報の属性を表現する図形の層の透明度を変更する。これにより、利用者は、図形の層の透明度により、会議情報の属性を抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として簡単に把握することができる。
【0019】
前記可視化手段は、前記属性構造化手段によって表現された抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更する。ここで、図形な特徴とは、例えば図形の形状、色、大きさ又は位置などである。前記可視化手段は、利用者の指示を入力する利用者指示手段によって入力された利用者の指示に従って、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更する。これにより、利用者はさらに自分の興味のある図形を見ることができる。
【0020】
本発明の会議情報処理装置は、前記記憶手段に記憶された会議情報の中から対象となる会議情報を検索する会議情報検索手段をさらに具備し、前記属性構造化手段は、前記所定の規則に基づいて前記検索された会議情報の属性を分類分けして構造化する。前記可視化手段は、前記会議情報検索手段による検索結果に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更する。本発明の会議情報処理装置は、前記可視化手段によって可視化された会議情報の属性を提示する提示手段をさらに具備する。
【0021】
本発明は、会議情報に対して所定の処理を行う会議情報処理方法であって、所定の規則に基づいて記憶手段に記憶された会議情報の属性を分類分けして構造化する構造化ステップと、前記構造化された会議情報の属性を可視化する可視化ステップと、前記可視化された会議情報の属性を提示する提示ステップとを有する。本発明によれば、会議情報の属性を利用者の関心のあるグループに分類分けして視覚化することにより、会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる。
【0022】
前記可視化ステップは、前記構造化された会議情報の属性間の関係に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を図的に表現する。これにより、利用者は、会議情報の属性を関心のあるグループ毎に図的に閲覧することができるため、関心のある部分を簡単に知ることができる。
【0023】
前記構造化ステップは、前記所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係になるよう前記会議情報の属性を分類分けして構造化する。これにより、利用者は、会議情報の属性を、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として把握することができる。
【0024】
前記可視化ステップは、前記会議情報の属性間の汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を一つ以上の層によって図的に表現する。これにより、利用者は、会議情報の属性を、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化と特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係として図的に把握することができる。本発明の会議情報処理方法は、前記記憶手段に記憶された会議情報の中から対象となる会議情報を検索する検索ステップをさらに有し、前記構造化ステップは、前記所定の規則に基づいて前記検索された会議情報の属性を分類分けして構造化する。
【0025】
本発明のコンピュータ・プログラムは、上記会議情報処理方法をコンピュータに実行させるためのものである。本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、会議情報を見る利用者が興味や関心のある重要な部分を効率よく知ることができる会議情報処理装置、会議情報処理方法およびコンピュータ・プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。図1は、本発明の第1実施例に係る会議情報処理装置1の機能構成を模式的に示している。同図に示すように、会議情報処理装置1は、会議情報に対して処理の処理を行うものであり、制御部2、記憶部3、利用者指示部4、提示部5、属性構造化部6、属性可視化部7および内部バス8を備える。ここで、制御部2、記憶部3、利用者指示部4、提示部5、属性構造化部6および属性可視化部7のそれぞれは、内部バス8で相互に接続されている。
【0029】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリなどで構成され、記憶部3、利用者指示部4、提示部5、属性構造化部6および属性可視化部7の各部の回路およびデータを内部バス8を介して制御する。また、制御部2は、会議情報検索部として機能し、記憶部3に記憶された会議情報の中から対象となる会議情報の検索を行う。記憶部3は、一つ以上のメモリ、ハードディスクなどの記憶装置で構成され、会議情報を記憶する。ここで記憶には保持ないし蓄積も含む。また、会議情報には、属性種別および属性値からなる属性情報が含まれる。また、記憶部3は、後述する構造化された会議の属性情報を記憶する。さらに、記憶部3は、後述する可視化された(図的に表現された)属性を記憶する。
【0030】
利用者指示部4は、マウスなどのいわゆるポインター・デバイスおよびキーボードなどの入力装置から構成され、マウスなどを通して利用者からの指示を入力する。また、利用者指示部4は、利用者から入力された指示要求を属性可視化部7に伝送する。さらに、利用者指示部4は、利用者から入力された検索入力要求を属性可視化部7に伝送する。提示部5は、一般的なディスプレイ又はモニターなどで構成され、可視化された会議情報を利用者に提示し、いわゆるグラフィカル・ユーザ・インタフェースを利用者に提供する。また、提示部5は、後述する属性可視化部7で可視化された会議情報の属性を属性可視化部7から入力し、入力した可視化された会議情報の属性を利用者に提示する。
【0031】
属性構造化部6は、CPU及び内部メモリなどで構成され、記憶部3に記憶された会議情報を入力し、所定の規則に基づいて会議情報の属性をグループに分類分けして構造化する。具体的には、属性構造化部6は、会議情報の属性の意味内容を示す所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係等の関係になるよう会議情報の属性をグループに分類分けして構造化する。さらに、属性構造化部6は、構造化した会議の属性情報を記憶部3に出力する。
【0032】
属性可視化部7は、CPU及び内部メモリなどで構成され、属性構造化部6によって構造化された会議情報の属性を可視化する。具体的には、属性可視化部7は、属性構造化部6によって構造化され、記憶部3に記憶された会議情報の属性間の関係に基づいて、構造化された会議情報の属性を図的に表現する。例えば、属性可視化部7は、会議情報の属性間の汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係又は概要と詳細の関係によって、構造化された会議情報の属性を一つ以上の層によって図的に表現する。
【0033】
また、属性可視化部7は、図的に表現した会議情報の属性を記憶部3および提示部5に出力する。さらに、属性可視化部7は、利用者指示部4から伝送される利用者からの指示要求を受け付け、その指示要求に応じて後述する属性の可視化手続きを行う。加えて、属性可視化部7は、利用者指示部4から伝送される利用者からの検索要求を受け付け、その検索要求とその検索要求の結果に応じて会議情報の属性の可視化手続きを行う。なお、属性可視化部7は、制御部2による検索結果に基づいて、構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更することもできる。
【0034】
内部バス8は、内部の制御用バスおよびデータ用バスで構成され、制御部2、記憶部3、利用者指示部4、提示部5、属性構造化部6および属性可視化部7の制御情報およびデータを各部に伝送する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る会議情報処理手続きの処理手順をフローチャートの形式で示している。図2に示すように、会議情報処理手続きは、システム初期化手続き(ステップS1)、属性構造化手続き(ステップS2)、属性可視化手続き(ステップS3)およびシステム終了化手続き(ステップS4)の各手続きを含む。
【0036】
まず、システム初期化手続き(ステップS1)において、制御部2は、内部の内部メモリの初期化、すなわちメモリの割り当てとクリア、記憶部3、利用者指示部4、提示部5、属性構造化部6および属性可視化部7に対する初期化の命令などを行う。
【0037】
次に、属性構造化手続き(ステップS2)において、属性構造化部6は、会議情報に関するデータ(以下、「会議データ」と呼ぶ)を記憶部3より入力し、入力した会議情報データに係る会議情報の属性を構造化し、さらに構造化した会議の属性を記憶部3に出力する。なお、この属性構造化手続き(ステップS2)については、後で詳述する。ここで、会議データは、任意の会議に関する会議を撮影したビデオ・データ、その会議で取り扱われたスライドなどの資料データなどのいわゆるコンテンツ・データとそのコンテンツ・データの属性を表現するメタ・データおよび会議自身の会議名称や会議開催場所、会議開始時刻や会議終了時刻を表現するメタ・データを含むものとする。
【0038】
さらに、属性可視化手続き(ステップS3)において、属性可視化部6は、属性構造化手続き(ステップS2)において構造化された属性情報を記憶部3より入力し、属性情報を図的に表現し、図的に表現した属性情報を記憶部3および提示部5に出力する。なお、この属性可視化手続き(ステップS3)については、後で詳述する。最後に、システム終了化手続き(ステップS4)において、制御部2は、制御部2の内部メモリを解放ないしクリアするなどの終了処理ないし終了準備処理を行う。
【0039】
図3は、ステップS2の詳細な属性構造化手続きを示したフローチャートである。図3に示すように、属性構造化手続きは、属性構造化初期化ステップS11、属性入力ステップS12、属性構造化ステップS13、構造化属性出力ステップS14および属性構造化終了化ステップS15の各ステップを含む。まず、属性構造化初期化ステップS11においては、属性構造化部6は、属性構造化部6の内部メモリのメモリ領域の割り当ておよびクリアなどを行う。次に、属性入力ステップS12においては、属性構造化部6は、記憶部3において、保持ないし蓄積、記憶されている会議データを入力し、会議データの属性を抽出し、属性構造化部6の内部メモリに出力する。ここで、会議データのメタ・データおよび会議データの属性ないし属性データは、例えばいわゆるXML(Extented Markup Language)を用いて表現されている。
【0040】
例えば、図4は、会議データおよび会議の属性データの表現例を示した図である。図4に示すように、会議データおよび会議の属性データをXMLとして表現することができる。ここで、任意の会議はmeetingタグとして表現され、ゼロまたは一つ以上の会議は、meeting-collectionタグによって表現される。一つの会議は、nameタグで表現される名前属性、dateタグで表現される日付属性、start-timeタグで表現される会議開始時間属性、end-timeタグで表現される会議終了時間属性、placeタグで表現される会議開催場所属性、organizerタグで表現される会議主催者属性、attendantsタグで表現される会議参加者属性、related-contentsタグで表現される関連コンテンツ属性の属性によって表現される。また、attentantsタグは、いわゆる子のタグ、すなわち下位のタグとして、nameタグを持ち、当該nameタグは、会議参加名を係る値とする。
【0041】
一方、related-contentsタグは、子のタグとして、agendaタグ、scheduleタグ、videosタグおよびdocumentsタグを持つ。agendaタグは、会議の議事項目を表現する。scheduleタグは、会議のスケジュールを表現する。videosタグは、会議に関連したゼロまたは一つ以上のビデオ・データを表現する。vidoesタグは、子のタグとして、video-idタグを持ち得る。video-idタグは、会議に関連するビデオ・データを表現する。documentsタグは、会議に関連したゼロまたは一つ以上の資料データを表現する。documentsタグは、子のタグとして、document-idタグを持ち得る。document-idタグは、会議に関連する資料データを表現する。
【0042】
具体的には、図4においては、名前属性が"Sales strategy"と"Research results"という会議データの集合を示している。"Sales strategy"の会議データについて言えば、日付属性が09/13/2005であり、会議開始時間属性が13:00であり、会議終了時間属性が13:30であり、会議開催場所属性がRoom Aであり、会議主催者属性がAliceである。また、会議参加者属性の名前属性がそれぞれBettyとCherrylであり、関連コンテンツ属性の議事項目属性がSales strategyで、スケジュール属性がSchedule table1であり、ビデオ属性のビデオID属性がVideo1およびVideo2であり、ドキュメント属性のドキュメントID属性がSlide1である。
【0043】
以下で、あるタグで表現される属性をそのタグの名前の属性を付けて呼ぶことがある。例えば、nameタグで表現される属性をname属性と呼ぶことがある。他のタグないし属性でも同じである。さらに、属性構造化ステップS13においては、属性構造化部6は、属性入力ステップS12において抽出した属性データを既定の定義ないし規則に基づいて構造化する。
【0044】
図5は、属性構造化手続きの構造化の規則を表す擬似コードの一例である。この擬似コードは、図4に示す会議データを入力とし、構造化した属性データを生成する規則を表現している。まず、会議データの各属性は、What属性、When属性、Where属性およびWho属性によって分類されるものとする。ここで、What属性は、事象を表現し、When属性は時間を表現し、Where属性は、場所ないし空間を表現し、Who属性は、人を表現するものとする。
【0045】
図5の擬似コードは、各会議データに対して適用される。各会議データについては、属性データが検査され、属性データがmeeting/nameタグ、agendaタグ、scheduleタグ、video-idタグまたはdocument-idタグであった場合、What属性に分類される。ここで、meeting/nameタグは、meetingタグに含まれるnameタグ、すなわちmeetingタグの子ないし下位のタグがnameタグであるタグを意味する。また、会議データの属性データがdateタグ、start-timeタグ、end-timeタグの場合、When属性に分類される。
【0046】
さらに、会議データの属性データがplace属性の場合、Where属性に分類される。加えて、会議データの属性データがorganizer属性、attendants/name属性の場合、Who属性に分類される。そこで、図4に示す会議データを入力した場合、構造化された属性データ(以下、「構造化属性データ」と呼ぶ。)として図6に示す構造化属性データを出力する。ここで、図6は、構造化した会議の属性データの一例を示した図である。図6においては、構造化された会議の集合は、restructured-meeting-collectionタグで表現される。restructred-meeting-collectionタグは、Whatタグ、Whenタグ、WhereタグとWhoタグを持ち、それぞれの属性を表現する。
【0047】
Whatタグは、nameタグを子とするmeetingタグ、agendaタグ、scheduleタグ、video-idタグ、document-idタグを持つ。Whenタグは、dateタグ、start-timeタグ、end-timeタグを持つ。Whereタグは、placeタグを持つ。Whoタグは、organizerタグ、nameタグを子とするattendantsタグを持つ。このように、Whatタグは、nameタグを子とするmeetingタグ、agendaタグ、scheduleタグ、video-idタグ、document-idタグを抽象化したもの、あるいは汎用化ないし汎化したものと考えることができる。
【0048】
同様に、Whenタグは、dateタグ、start-timeタグおよびend-timeタグを抽象化したもの、あるいは汎用化ないし汎化したものと考えることができる。同様に、Whereタグは、placeタグを抽象化したもの、あるいは汎用化ないし汎化したものと考えることができる。同じく、Whoタグは、organizerタグ、nameタグを子とするattendantsタグを抽象化したもの、あるいは汎用化ないし汎化したものと考えることができる。
【0049】
つまり、Whatタグと、nameタグを子とするmeetingタグ、agendaタグ、scheduleタグ、video-idタグ、document-idタグとは、抽象と具象あるいは汎用化ないし汎化と特定化ないし特化の関係を持つと言える。また、Whenタグと、dateタグ、start-timeタグおよびend-timeタグとは、抽象と具象あるいは汎用化ないし汎化と特定化ないし特化の関係を持つと言える。同様に、Whereタグとplaceタグとは、抽象と具象あるいは汎用化ないし汎化と特定化ないし特化の関係を持つと言える。同じく、Whoタグと、organizerタグ、nameタグを子とするattendantsタグとは、抽象と具象あるいは汎用化ないし汎化と特定化ないし特化の関係を持つと言える。
【0050】
一方、attendantsタグとそのattendantsタグをいわゆる親(上位)のタグとするnameタグは、全体と部分を表現していると言える。加えて、構造化属性出力ステップS14においては、属性構造化部6は、属性構造化ステップS13において構造化属性データを記憶部3に出力する。最後に、属性構造化終了化ステップS15においては、属性構造化部6は、属性構造化部6の内部メモリのクリアおよびメモリ領域の解放などを行う。
【0051】
図7は、ステップS3の詳細な属性可視化手続きを示したフローチャートである。図7に示すように、属性可視化手続きは、属性可視化初期化ステップS21、構造化属性入力ステップS22、図化ステップS23、層化ステップS24、層多重化ステップS25、透明度変更ステップS26、図形特徴変更ステップS27、利用者指示入力ステップS28、第二の図形特徴変更ステップS29、検索入力ステップS30、第二の図化ステップS31、第二の図形特徴変更ステップS32、可視化属性出力ステップS33および属性可視化終了化ステップS34の各ステップから成る。
【0052】
まず、属性可視化初期化ステップS21においては、属性可視化部7は、属性可視化部7の内部メモリのメモリ領域の割り当ておよびクリアなどを行う。次に、構造化属性入力ステップS22においては、属性構造化部6は、記憶部3に記憶されている属性構造化手続き(ステップS2)において構造化された構造化属性データを属性可視化部7の内部メモリに入力する。
【0053】
次に、図化ステップS23においては、属性可視化部7は、構造化属性入力ステップS22において属性可視化部7の内部メモリに入力された構造化属性データを既定の定義ないし規則あるいはアルゴリズムに基づいて図化する。すなわち、構造化属性データを図形要素として表現する。例えば、属性可視化部7は、上記のWhat属性、When属性、Where属性およびWho属性を扇形で表現する。なお、それらの属性を扇形などの図形要素として図化する場合、その図形要素に属性の名前、例えば「What」などの文字を付加することができる。
【0054】
図8は、図化したWhat属性、When属性、Where属性およびWho属性の一例を示した図である。次に、層化ステップS24においては、属性可視化部7は、図化ステップS23において、図化すなわち図形要素として表現した構造化属性データ(以下、「属性図形データ」と呼ぶ。)をその属性の意味内容に応じて層として表現する。つまり、XMLのタグの階層の深さに応じて、層を表現することができる。
【0055】
具体的には、What属性、When属性、Where属性およびWho属性を一つの層とし、その層の下層の層として、name属性を子とするmeeting属性、agenda属性、schedule属性、video-id属性、document-id属性、date属性、start-time属性、end-time属性、place属性、organizer属性およびname属性を子に持つattendants属性を一つの層として表現することができる。ここで、date属性と日付属性とは同一であり、start-time属性と会議開始時間属性とは同一であり、end-time属性と会議終了時間属性とは同一であり、place属性は会議開催場所属性とは同一であり、organizer属性は会議主催者属性と同一であり、attendants属性は会議参加者属性と同一である。図8においては、扇形の属性図形データ、すなわち図形要素として表現したWhat属性、When属性、Where属性およびWho属性の全体を扇形の組み合わさった、あるいは扇形で分割された円として表現することができる。
【0056】
次に、層多重化ステップS25においては、属性可視化部7は、層化ステップS24において、会議情報の属性を表現する図形の層を重ねて表現する。つまり、属性可視化部7は、層として表現された複数の属性図形データを重なった層、すなわち多重化された、あるいは多層化された層として図的に表現する。図9は、多層化した属性図形データの一例を示した概念図である。図9のように、第一層で、What属性、When属性、Where属性およびWho属性を一つの層として表現し、第二層で、name属性を子とするmeeting属性、agenda属性ほかの属性を表現することができる。
【0057】
次に、透明度変更ステップS26においては、属性可視化部7は、所定の定義ないし規則に基づいて、会議情報の属性を表現する図形の各層の透明度を設定ないし変更する。例えば、属性可視化部7は、図9のように多層化した属性図形データをGUIで表現する場合、上位の層の透明度を変更することにより下位の層を利用者に見えるようにする。
【0058】
次に、図形特徴変更ステップS27においては、属性可視化部7は、所定の定義ないし規則に基づいて、属性図形データの図形的な特徴を設定ないし変更する。ここで、図形特徴変更ステップS27における所定の定義ないし規則は、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係等の関係によって属性図形データの、形状、色、大きさ、位置などの図形的な特徴を変更するなど、構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更する方法を記述したものである。
【0059】
例えば、属性可視化部7は、第一層のWhen属性の属性図形データの視覚的、空間的ないし図形的に下の位置に第二層のdate属性、start-time属性およびend-time属性に対応する属性図形データを配置する。あるいは、属性可視化部7は、第一層のWho属性の属性図形データの視覚的、空間的ないし図形的に下の位置に第二層のorganizer属性およびname属性を子とするattendants属性に対応する属性図形データを配置する。属性可視化部7は、他の属性図形データに対しても同様の処理を行う。
【0060】
さらに、属性可視化部7は、date属性、start-time属性およびend-time属性などの異なる属性図形データに対して異なる色を割り当てる。加えて、属性可視化部7は、第二層のdate属性の具体的な属性図形データごとに属性の値をいわゆるラベルとして表現する。例えば、第二層のdate属性の具体的な属性図形データは、前述の例で言えば、"09/13/2005"と"09/01/2005"の値を持つ属性図形データを表現するが、それらの値、すなわち"09/13/2005"と"09/01/2005"をラベルとして表現できる。場合によっては、属性自身の名称、ここでは、"date"もラベルの一部として表現することもできる。例えば、date属性の具体的な一つの属性図形データのラベルを"date: 09/13/2005"と表現することもできる。
【0061】
次に、利用者指示入力ステップS28においては、属性可視化部7は、利用者指示部4からの利用者の指示要求を待ち、利用者の指示要求を受け付ける。次に、第二の図形特徴変更ステップS29においては、属性可視化部7は、利用者指示入力ステップS28において入力された利用者の指示要求に従って、属性図形データの形状、色、大きさ、位置などの図形的な特徴を変更するなどのように、構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更する。例えば、利用者指示入力ステップS28の利用者指示部4からの利用者の指示要求がWhere属性の属性図形データを選択した場合、具体的には、マウスなどのポインティング・デバイスで、Where属性に対応する扇形の属性図形データをクリックした場合、そのWhere属性の図形要素の透明度を0パーセントから100パーセントに上げることによって、下層の、具体的には第二層のplace属性に対応する属性図形データを利用者に提示することができる。
【0062】
図10は、Where属性が透明化された場合の一例を示した図である。このように、利用者によるある層の属性図形データの選択操作に応じて、その選択された属性図形データの透明度を変更することによって、その選択された属性図形データよりも下層に属する属性図形データを利用者に提示することができる。続いて、検索入力ステップS30においては、属性可視化部7は、利用者指示部4からの利用者の検索要求を待ち、利用者の検索要求を受け付ける。
【0063】
ここで、利用者指示部4は、利用者が属性図形データを選択した場合に、いわゆるダイアログ画面をポップ・アップすることによって利用者からの検索要求を促すようにしても良いし、あるいは、利用者が属性図形データを選択した後に、マウスなどのポインティング・デバイスで、利用者がその選択された属性図形データをいわゆる右クリックした後に、同じくダイアログ画面を表示し、利用者からの検索要求を促すようにしても良い。あるいは、検索要求の画面自体は、上記の属性図形データを表現する画面とは別画面に構成して、利用者に提示することもできる。
【0064】
また、利用者からの検索要求の検索対象として、会議に関連するビデオ・データや資料データを検索対象とすることができる。属性可視化部7は、制御部2に対して、受け付けた利用者の検索要求を伝送し、検索を行う。さらに、属性可視化部7は、制御部2から戻される検索結果を待ち、戻された検索結果に応じて後続する処理を続ける。また、第二の図化ステップS31においては、属性可視化部7は、前述の検索結果の会議データを図形として表現する。例えば、検索結果を第三層の扇形の図形データとして表現することができる。以下、当該図形データを検索結果図形データと呼ぶことがある。
【0065】
図11は、検索結果を表現する層を含む多層化した属性図形データの一例を示した概念図である。さらに、第二の図形特徴変更ステップS32においては、属性可視化部7は、入力された利用者の指示要求あるいは利用者の検索要求または検索結果に従って、属性図形データの形状、色、大きさ、位置などの図形的な特徴を変更する。例えば、検索結果対象がビデオ・データや資料データである場合、それらに対応するいわゆるアイコンを扇形の検索結果図形データに含むように表現することができる。
【0066】
そこで、例えば、第二層のplace属性の値がRoom Aである属性図形データを利用者が選択し、その属性図形データに対応するビデオ・データを利用者が検索した場合、利用者に対して、対応するビデオ・データが存在するとき、当該ビデオ・データを表すアイコンを含む第三層に表現される扇形の検索結果図形データを検索結果として提示することができる。加えて、可視化属性出力ステップS33においては、属性可視化部7は、属性図形データを記憶部3に出力する。最後に、属性可視化終了化ステップS34においては、属性可視化部7は、属性可視化部7内部メモリのクリアおよびメモリ領域の解放などを行う。
【実施例2】
【0067】
第1実施例においては、検索結果を多層化した第三の層として図形表現する場合について述べたがここでは、検索要求および検索結果のためのGUIを多層化した属性図形データの画面とは別画面として構成して、本発明を実装する場合の一例について述べる。
【0068】
図12は、第2実施例のグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一例を示した図である。図12に示すように、第二の実施例のグラフィカル・ユーザ・インタフェース18は、多重化した属性図形データ用画面19、検索要求画面20および検索結果画面21を含む。多重化した属性図形データ用画面19は、多重化した属性図形データを利用者に提示する。また、検索要求画面20は、利用者に検索要求のためのダイアログ画面を提供することかできる。さらに、検索結果画面21は、利用者に検索結果を提示する。
【0069】
このようにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを構成した場合、第一の実施形態とは異なり、検索結果を第三層の属性図形データとして表現する必要はなく、検索結果を検索要求画面20に表現することができる。利用者による指示要求の応答を変更することも可能である。つまり、利用者指示入力ステップS28においては、属性可視化部7は、利用者指示部4からの利用者の指示要求を待ち、利用者の指示要求を受け付ける。
【0070】
さらに、第二の図形特徴変更ステップS29においては、属性可視化部7は、利用者指示入力ステップS28において入力された利用者の指示要求に従って、属性図形データの形状、色、大きさ、位置などの図形的な特徴を変更する。ここで、利用者がある属性図形データを選択した場合、その選択された属性図形データを選択されていない属性図形データに対して強調表現することができる。例えば、第一の強調表現として、選択された属性図形データをそのままにして、選択されていない他の属性図形データの明度を下げる方法がある。
【0071】
第二の強調表現として、選択された属性図形データのラベルをいわゆるボールドなどの文字スタイルとして表現できる。第三の強調表現として、選択された属性図形データの扇形の面積を、選択されていない他の属性図形データの扇形の面積に対して大きくする方法がある。
【0072】
図13は、Where属性が強調表現された場合の一例を示した図である。図13の強調表現された値がRoom Aであるplace属性を表す属性図形データ22および強調表現された値がRoom Bであるplace属性を表す属性図形データ23のように強調表現することができる。第四の強調表現として、選択された属性図形データを影を付けるなどして立体表現することができる。
【0073】
第五の強調表現として、選択された属性図形データをいわゆるブリンク(点滅)表現することができる。加えて、第一の実施例ではや上述の説明では、検索結果の応答を第三の層の属性図形データで表現したり、上述のように、検索結果画面21として表現していたが、属性図形データの選択自体を検索要求として捉えて、多重化された属性図形データを上記のような強調表現をすることで利用者に検索結果を提示することも可能である。例えば、第二層で、Room Aを値とするplace属性に対応する属性図形データを利用者が選択した場合、Room Aで開催された会議を検索し、その会議に対応する属性を持つ属性図形データを、いわゆるブリンク(点滅)表現することができる。
【0074】
このような強調表現などの処理ないし方法により、利用者の関心の無い部分もしくは利用者にとって重要で無い部分に対して不必要に利用者のアテンション(注意や関心)を引き付けてしまったり、逆に、利用者の関心のある部分もしくは利用者にとって重要である部分に対して利用者のアテンション(注意や関心)を集中させることができない、もしくは引き付けることができないという問題を解決することができる。
【0075】
上記本発明の各実施例によれば、会議に関する情報ないし属性を構造化し、表現することが可能で利用者が好適にそれらの情報を検索することができる。また、利用者によって会議に関する情報を対話的に変更し、提示できる。また、会議管理装置の対象となるコンテンツ・データとメタ・データの属性情報を好適に利用することができる。また、スライドなどの資料データやビデオ・データのコンテンツのメタ・データと会議自身のメタ・データおよび複数の会議の関連を表現するメタ・データを構造化し、GUIとして効果的に表現することができる。
【0076】
具体的には、利用者に対してスライドなどの資料データやビデオ・データのコンテンツのメタ・データと会議自身のメタ・データおよび複数の会議の関連を表現するメタ・データを含む会議情報に関する属性の全体像とその詳細を構造化し、GUI上に効果的に、つまり利用者の関心の無い部分もしくは利用者にとって重要で無い部分に対して不必要に利用者のアテンションを引き付けることなく、逆に、利用者の関心のある部分もしくは利用者にとって重要である部分に対して利用者のアテンションを集中させ、もしくは引き付け、その構造を効果的に表現することができる。
【0077】
なお、本発明による会議情報処理方法は、図1に示した会議情報処理装置1により実現され、CPUが所定のコンピュータ・プログラムを実行することにより図1に示した各機能が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る会議情報処理装置の機能構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る会議情報処理装置における会議情報処理手続きの一例を示したフローチャートである。
【図3】ステップS2の詳細な属性構造化手続きを示したフローチャートである。
【図4】会議データおよび会議の属性データの表現例を示した図である。
【図5】属性構造化手続きの構造化の規則を表す擬似コードの一例である。
【図6】構造化した会議の属性データの一例を示した図である。
【図7】ステップS3の詳細な属性可視化手続きを示したフローチャートである。
【図8】図化したWhat属性、When属性、Where属性およびWho属性の一例を示した図である。
【図9】多層化した属性図形データの一例を示した概念図である。
【図10】Where属性が透明化された場合の一例を示した図である。
【図11】検索結果を表現する層を含む多層化した属性図形データの一例を示した概念図である。
【図12】第二の実施例のグラフィカル・ユーザ・インタフェースの一例を示した図である。
【図13】Where属性が強調表現された場合の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0080】
1…会議情報処理装置
2…制御部
3…記憶部
4…利用者指示部
5…提示部
6…属性構造化部
7…属性可視化部
8…内部バス
9…What属性を表す属性図形データ
10…When属性を表す属性図形データ
11…Where属性を表す属性図形データ
12…Who属性を表す属性図形データ
13…第一層の属性図形データ
14…第二層の属性図形データ
15…値がRoom Aであるplace属性を表す属性図形データ
16…値がRoom Bであるplace属性を表す属性図形データ
17…検索結果を表す第三層の属性図形データ
18…第二の実施例のグラフィカル・ユーザ・インタフェース
19…多重化した属性図形データ用画面
20…検索要求画面
21…検索結果画面
22…強調表現された値がRoom Aであるplace属性を表す属性図形データ
23…強調表現された値がRoom Bであるplace属性を表す属性図形データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議情報に対して所定の処理を行う会議情報処理装置であって、
前記会議情報を記憶する記憶手段と、
所定の規則に基づいて前記会議情報の属性を分類分けして構造化する属性構造化手段と、
前記属性構造化手段によって構造化された会議情報の属性を可視化する可視化手段と、を具備することを特徴とする会議情報処理装置。
【請求項2】
前記可視化手段は、前記属性構造化手段によって構造化された会議情報の属性間の関係に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を図的に表現することを特徴とする請求項1に記載の会議情報処理装置。
【請求項3】
前記属性構造化手段は、前記所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係になるよう前記会議情報の属性を分類分けして構造化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の会議情報処理装置。
【請求項4】
前記可視化手段は、前記会議情報の属性間の汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を一つ以上の層によって図的に表現することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の会議情報処理装置。
【請求項5】
前記可視化手段は、前記会議情報の属性を表現する図形の層を重ねて表現することを特徴とする請求項4に記載の会議情報処理装置。
【請求項6】
前記可視化手段は、前記会議情報の属性を表現する図形の層の透明度を変更することを特徴とする請求項4に記載の会議情報処理装置。
【請求項7】
前記可視化手段は、前記属性構造化手段によって表現された抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更することを特徴とする請求項4に記載の会議情報処理装置。
【請求項8】
前記可視化手段は、利用者の指示を入力する利用者指示手段によって入力された利用者の指示に従って、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更することを特徴とする請求項4に記載の会議情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶手段に記憶された会議情報の中から対象となる会議情報を検索する会議情報検索手段をさらに具備し、
前記属性構造化手段は、前記所定の規則に基づいて前記検索された会議情報の属性を分類分けして構造化することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の会議情報処理装置。
【請求項10】
前記可視化手段は、前記会議情報検索手段による検索結果に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を表現する図形の特徴を変更することを特徴とする請求項9に記載の会議情報処理装置。
【請求項11】
前記可視化手段によって可視化された会議情報の属性を提示する提示手段をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の会議情報処理装置。
【請求項12】
会議情報に対して所定の処理を行う会議情報処理方法であって、
所定の規則に基づいて記憶手段に記憶された会議情報の属性を分類分けして構造化する構造化ステップと、
前記構造化された会議情報の属性を可視化する可視化ステップと、
前記可視化された会議情報の属性を提示する提示ステップと、を有することを特徴とする会議情報処理方法。
【請求項13】
前記可視化ステップは、前記構造化された会議情報の属性間の関係に基づいて、前記構造化された会議情報の属性を図的に表現することを特徴とする請求項12に記載の会議情報処理方法。
【請求項14】
前記構造化ステップは、前記所定の規則に基づいて、抽象と具体の関係、汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係になるよう前記会議情報の属性を分類分けして構造化することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の会議情報処理方法。
【請求項15】
前記可視化ステップは、前記会議情報の属性間の汎化ないし汎用化と特化ないし特別化の関係、全体と部分の関係、概要と詳細の関係のうちの少なくとも一つの関係によって、前記構造化された会議情報の属性を一つ以上の層によって図的に表現することを特徴とする請求項12から請求項14のいずれかに記載の会議情報処理方法。
【請求項16】
前記記憶手段に記憶された会議情報の中から対象となる会議情報を検索する検索ステップをさらに有し、
前記構造化ステップは、前記所定の規則に基づいて前記検索された会議情報の属性を分類分けして構造化することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の会議情報処理方法。
【請求項17】
請求項11から請求項16のいずれかに記載の会議情報処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−323215(P2007−323215A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150858(P2006−150858)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】