説明

伸長抵抗性部材及びアンカーフィラメントを備えた閉塞デバイス

【課題】近位端部分から遠位端部分までコイルの軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定する、螺旋状に巻かれたコイルを有する、伸長抵抗性閉塞デバイス、及びそのようなデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】デバイスは、近位端、コイルの近位端部分に接続された遠位端、ヘッド部品の近位端と遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を更に含む。ヘッド部品管腔を通って延在するアンカーフィラメントは、ヘッド部品の近位端に固定された少なくとも1つの近位端と、ヘッド部品の遠位端より遠位側に配置された穴を画定する遠位部分と、を有する。伸長抵抗性部材は、コイル管腔内に配置され、穴を通って延在する近位部分を有し、コイルの遠位側に固定された少なくとも1つの遠位端を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内脈管内のインプラントに関し、より具体的には伸長抵抗性を有する塞栓コイルを含む閉塞デバイスに関する。
【関連技術の記載】
【0002】
動脈瘤及びその他の動静脈奇形などの血管の疾患及び欠陥は、重要な組織の近くにある場合、又は奇形への容易なアクセスが得られない場所の場合、治療が特に困難である。この両方の困難要因は特に、頭部静脈瘤に該当する。頭部の血管周囲には敏感な脳組織があり、かつアクセスが制限されているため、頭部脈管構造の欠陥を外科的に治療するのは非常に課題が多く、しばしば危険を伴う。
【0003】
代替治療には、カテーテル送達システムを用いて配置される塞栓コイルなどの、脈管閉塞デバイスが挙げられる。頭部動脈瘤治療のための、現行の好ましい手技において、塞栓コイル送達カテーテルの遠位端は、患者の頭部以外の脈管内(典型的には鼠経部の大腿動脈)に挿入され、頭部内の所定の送達部位までガイドされる。脈管閉塞デバイスについては、いったん適切に配置されたら液圧を利用して塞栓コイルを放出する方法を含め、数多くの送達技法が、例えば、Diazらの米国特許第6,063,100号及び同第6,179,857号などに記述されている。
【0004】
さまざまな長さ(一般的には1〜30cm)で、しばしばあらかじめ選択された剛性の複数の塞栓コイルを、頭部動脈瘤内に順に詰めていくことにより、その場所の血流を制限し、塞栓形成を促すことができる。典型的には、医師は最初に硬いコイルを利用してその動脈瘤内の枠組を定着させ、次により可撓性のコイルを選択して、その枠組内の空隙を充填する。理想的には、それぞれのコイルは、動脈瘤に対し、並びに既に埋め込まれているコイルに対し、形状がぴったり一致する。連続して埋め込まれるそれぞれのコイルはそれぞれ個別に、剛性、長さ、及び予備形成された形状(そのコイルが送達後に形成しようとする形状になる)を含む要素に基づいて選択される。
【0005】
埋め込みの際に医師は、X線透視可視化などの撮像技法によって見ながら、それぞれの塞栓コイルを操作して満足できる位置に配置した後、送達システムからコイルを離す。血管の主管腔内に突出したコイルの長さ部分は、動脈瘤外での望ましくない凝固を招くため、それぞれのコイルの両端が、送達後に動脈瘤内の配置位置に留まり続けることが強く望まれる。連続して埋め込まれるコイルそれぞれが離された後、その次のコイルは、コイルの容積が増す中で絡まる危険性が増大するため、動脈瘤内にコイルを挿入する深さが制限される。
【0006】
特に、コイルが絡まり、動脈瘤内の完全なコイル挿入が達成できなかった場合、コイルの再配置又は回収の試みの際は、塞栓コイルの伸びによる困難が生じ得る。コイルに印加される引張り力がその弾性限度を超えると、コイルはその元の形状に戻らなくなる。伸びたコイルは、押込可能性又は格納性の低減を呈し、最適な位置への操作又は除去操作が更に難しくなる。加えて、伸びたコイルは伸びていないコイルに比べて占有体積が小さくなり、これにより、静脈瘤内に完全に入って配置された丈夫な塞栓形成を促すための、静脈瘤内を十分に充填するのに必要なコイル数が増加する。
【0007】
塞栓コイルにおける伸びに関連した問題に対処するため、たくさんの試みがなされている。米国特許第5,853,418号(Kenら)には、主コイルと、この主コイルに少なくとも2か所で固定されて取り付けられている細長い伸長抵抗性部材とを有する、いくつかの伸長抵抗性デバイスが開示されている。Kenらはカテーテル管腔内を介した水力によるコイル送達の可能性に言及しているが、電解液により分離可能な接合などの、切断可能接合又は機械的接合を使用して、それぞれのコイルを制御可能に離することが望ましいことを教示している。そのような接合は特定の送達システムには適合せず、一部の医師は、送達カテーテルから塞栓コイルを離すのに電流を使用しない方法を好む。
【0008】
米国特許第6,183,491号(Lulo)に記述されている別の塞栓デバイスは、コイルの近位端に一方の端を取り付けられ、コイルの中間部分にある取り付け点にそのもう一方の端を取り付けられた、支持ワイヤを有する。この塞栓デバイスは閉じた近位端を有し、デバイスを適切に配置した後に送達システムから水力により離すのに好適である。しかしながら、コイルの近位部分のみが伸びに対して抵抗性であり、コイル中間取り付け点までのコイル遠位部分は、過剰な伸長力に対して無保護である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、脈管奇形内に挿入する際に可撓性と柔軟性を保ちつつ、引張り力を印加したときにはその全長にわたって伸長に抵抗するような、改善された伸長抵抗性閉塞デバイスを有することが望ましい。また、水力配備システムに適合するそのようなデバイスを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、伸びに対する抵抗をもたらしつつ、閉塞デバイスにおける高い可撓性及び柔軟性を維持することである。
【0011】
本発明の別の目的は、動静脈奇形に送達した後に、予備形成された形状をなす塞栓コイルの能力を損うことなく、伸長抵抗性を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、非常に可撓性の遠位端を有する特定の既存のマイクロカテーテルシステムを使用して、新しい伸長抵抗性塞栓コイルの送達を可能にすることである。
【0013】
本発明の更なる目的は、選択されたマイクロカテーテル送達システムへのコイルの適合性を維持しつつ、伸長力を扱うための新しい追加の構成要素を有する、小径かつ可撓性の高い塞栓コイルを、制御可能かつ一貫した製造を可能にすることである。
【0014】
本発明は、ヘッド部品管腔を画定する新しい近位ヘッド部品部分を利用することと、そのヘッド部品管腔を通って遠位を通過し、可撓性の遠位伸長抵抗性部材に接合して伸長抵抗性アセンブリを形成する新しい近位アンカーフィラメントを利用することによって、塞栓コイルなどの、螺旋状に巻かれた閉塞デバイスに追加することができる、伸長抵抗性を実現することから得られる。伸長抵抗性アセンブリは、螺旋状に巻かれたコイルの軸方向内側全体にわたって延在し、埋め込み操作中及び埋め込み後にコイルの可撓性と柔軟性を損うことなく、過度のコイル伸びを最小限に抑える。
【0015】
本発明は、近位端部分から遠位端部分までコイルの軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定する螺旋状に巻かれたコイルを有する閉塞デバイスを特徴とする。このデバイスは更に、近位端を有し、コイルの近位端部分に接合された遠位端を有し、ヘッド部品の近位端と遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定するような、ヘッド部品を含む。アンカーフィラメントはヘッド部品管腔を通って延在し、少なくとも1つの近位端がヘッド部品の近位端に固定されており、かつヘッド部品の遠位端より遠位に配置された穴を画定する遠位部分を有する。伸長抵抗性部材は、コイル管腔内に配置され、穴を通って延在する近位部分を有し、かつコイルの遠位端に固定された少なくとも1つの遠位端を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、アンカーフィラメントの近位端は、構造的一体性と水力一体性の両方を備えて、ヘッド部品の近位端に固定される。別の実施形態において、アンカーフィラメントは、構造的一体性と水力一体性を備えてヘッド部品の近位端に固定される2つの近位端を有し、遠位には穴を画定する湾曲部を有する。伸長抵抗性部材は好ましくは、コイルの遠位端に固定された2つの遠位端を有する。いくつかの実施形態において、アンカーフィラメント及び伸長抵抗性部材は異なる材料で構成されており、例えば、アンカーフィラメントには金属材料画含まれ、伸長抵抗性部材にはポリマー材料のループが含まれる。
【0017】
別の一実施形態において、螺旋状に巻かれたコイルは実質的に円筒形であり、その近位端に、ある管腔直径を有するよう、コイル管腔を画定する。ヘッド部品は、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形であり、これには更に、近位平均直径と遠位平均直径の間に配置され、両方の平均直径を上回り、放射方向に外側へ突出している、少なくとも1つのストッパー要素(例えばリング部材)が含まれる。好ましくは、このリング部材はヘッド部品の平均直径よりも大きく、かつコイル管腔近位直径よりも大きい、ストッパー直径を有する。
【0018】
本発明はまた、ヘッド部品の遠位端を、螺旋状に巻かれたコイル(コイルの軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定し、コイル遠位端部分を有する)の近位端部分に取り付けることによる、例えば塞栓コイルなどの閉塞デバイスを製造する方法も特徴とする。このヘッド部品はまた近位端も有し、ヘッド部品の近位端と遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する。次に、アンカーフィラメントの遠位端(穴を画定している)が、ヘッド部品管腔内及びコイル管腔内を通って遠位方向に押し進められ、コイルの遠位端部分を越えて穴が露出する。伸長抵抗性部材がこの穴を通過して、この部材とフィラメントとを接合し、これによりコイル管腔及びヘッド部品管腔を貫通して延在する伸長抵抗性アセンブリが形成され、アンカーフィラメントが引っ込められると、近位にある穴が、ヘッド部品の遠位端方向へと移動する。アンカーフィラメントはヘッド部品の近位端に固定され、これにより穴は、ヘッド部品の遠位端より遠位に配置され、更に伸長抵抗性部材は非外傷性遠位表面でコイルの遠位端に固定され、これらにより、伸長抵抗性アセンブリの近位端と遠位端は、螺旋状に巻かれたコイルに対して患者への埋め込み操作中に印加され得る引張り力に抵抗するよう固定される。
【0019】
いくつかの実施形態において、この方法は、構造的一体性と水力一体性とを備えて、近位ビーズとしてヘッド部品の近位端に固定された2つの近位端を有し、穴を画定する遠位側湾曲部を備えるよう、アンカーフィラメントを形成することと、かつ非外傷性遠位表面を有する遠位ビーズによってコイルの遠位端に固定された2つの遠位端を備えた、穴を通るループ状に、伸長抵抗性部材を形成することと、を含む。アンカーフィラメント及び伸長抵抗性部材は異なる材料で構成され、好ましくは、アンカーフィラメントは金属材料を含むよう選択され、伸長抵抗性部材はポリマー材料のループを含むよう選択される。螺旋状に巻かれたコイルは、実質的に円筒形となるよう選択され、その近位端に、ある管腔直径を有するよう、コイル管腔を画定し、ヘッド部品は、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形となるよう選択され、更にその近位平均直径と遠位平均直径との間に配置され、かつ両方の平均直径を上回り、また放射方向に外側に突出している少なくとも1つのストッパー要素を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図1】本発明による改善された閉塞デバイスを備えた、脈管閉塞コイル水力配備システムの、一部切断された平面図。
【図2】閉塞デバイスのヘッド部品を分離可能に保持する、配備システムの遠位グリッパー部分を示す、一部切断された拡大図。
【図3】患者の動脈瘤内に送達されている図2の閉塞デバイスの概略見取図。
【図4】図2に示す閉塞デバイスの断面側面図。
【図5】図4の横断面図。
【図6】本発明による別の先端部品の断面図。
【図7】本発明によるアンカーフィラメントの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ヘッド部品管腔を画定する新しい近位ヘッド部品と、ヘッド部品管腔を介して遠位を通過し可撓性の遠位伸長抵抗性部材に接合されている新しい近位アンカーフィラメントとを利用することによって、本発明による塞栓コイルなどの、螺旋状に巻かれた閉塞デバイスに対し、伸長抵抗性が提供される。このアンカーフィラメントと伸長抵抗性部材とを合わせて、伸長抵抗性アセンブリとして言及することができ、これは螺旋状に巻かれたコイルの軸方向内部全体にわたって延在し、埋め込み操作中及び埋め込み後にコイルの可撓性と柔軟性を損うことなく、コイルの過度の伸びを最小限に抑える。
【0022】
図1は、脈管閉塞コイル水力配備システム10の遠位端12に分離可能に保持された、本発明による閉塞デバイス100を示す。システム10には、カテーテル16の近位端に接合された水力インジェクター又はシリンジ14が含まれる。シリンジ14には、ねじ付きピストン18が含まれ、これはハンドル20によって制御され、デバイス100を水力的に離すことが適切な場合に、カテーテル16の内部に高圧の液を注入する。ウィング付きハブ22は、カテーテル104を患者の脈管構造内に挿入するのを助ける。
【0023】
閉塞デバイス100は、この構成体においては閉塞コイルであり、カテーテル16の遠位端12を図2により詳細に示す。遠位端12には、断面図で示されているグリッパー部分30が含まれ、これがヘッド部品104の近位部分102をしっかり保持している。ヘッド部品104の膨れたリング106が、ヘッド部品104がグリッパー部分30内に挿入されるのを制限し、これが、患者に挿入される前にデバイス100がカテーテル16に分離可能に接続される際の遠位ストッパーとして作用する。リング106のもう一方の面は、下記により詳しく述べるように、近位コイル管腔109を画定し、螺旋状に巻かれたコイル110の近位部分108内にヘッド部品遠位端107を挿入する際の近位ストッパーとして作用する。この構成体において、コイル110のうち最も近位のコイル巻き112は、リング106に接触する。
【0024】
図3に示すように、カテーテル16の遠位端12は、矢印40の方向に引っ込められ、動脈瘤Aに対して塞栓コイル100を再配置することができる。その近位端と遠位端を含め、デバイス100の全長の配置に医師が満足したら、典型的には少なくとも1034.2kPa(150psi)〜約4826.3kPa(700psi)、より典型的には3447.4kPa(500psi)〜4481.6kPa(650psi)の範囲の圧力で、カテーテル16を通して水圧を印加してヘッド部品104を水力で離し、これによってデバイス100に対する制御を手放す。ヘッド部品104が離された後、この送達システムのカテーテル16は、例えば矢印40の方向に引き抜かれる。
【0025】
特に図2及び図4を参照し、高圧の液の分離圧力に耐えるのに必要なヘッド部品104の水力一体性(この一体性がないとヘッド部品管腔122によって損われ得る)が、近位ビーズ114によってこの構造体に提供され、このビーズが、ヘッド部品管腔122内を通って遠位に伸びるアンカーフィラメント120の近位脚116及び118をも、構造的に固定する。アンカーフィラメント120の遠位部分は、穴126を画定する湾曲部124を形成する。この構成体における脚116及び118は、湾曲部124を形成するよう折り曲げられている連続したワイヤの一部である。別の構成体においては、アンカーフィラメント120は、糸を通す穴を有する縫い針に似た、穴126を画定する一体型要素である。
【0026】
伸長抵抗性部材130は穴126を通って、2本の脚132及び134を備えたループとして遠位端に延在し、この末端には非外傷性の遠位表面138を有する遠位ビーズ136がある。コイル管腔109内に、ヘッド部品遠位端107、及びヘッド部品管腔122より遠位のアンカー湾曲部124を示す、近位コイル部分108の横断面図を図5に示し、この図は、伸長抵抗性部材の脚(stretch member legs)132及び134並びにコイル110が、絵の手前に向かって延在しているように描かれている。図4の遠位ビーズ136は、少なくとも、膨れたヘッド139(これは直径が遠位コイル部分140の遠位コイル管腔142よりも大きい)を有することによって、コイル110の遠位部分140に固定されている。
【0027】
本発明の一実施形態による塞栓コイルなどの、伸長抵抗性閉塞デバイスを製造するための手順には、下記の工程の一部又は全てが含まれる。ヘッド部品の遠位端は、コイル管腔を画定してコイルの軸方向全長に沿って伸び、コイル遠位端部分を有する、螺旋状に巻かれたコイルの近位端部分に取り付けられている。ヘッド部品はまた、近位端も有し、ヘッド部品の近位端と遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する。次に、アンカーフィラメントの遠位部分(穴を画定している)がヘッド部品管腔及びコイル管腔を通して遠位方向へ進められ、コイルの遠位端部分を越えて穴が露出する。伸長抵抗性部材がこの穴を通って、この部材とフィラメントとを結合させて、コイル管腔及びヘッド部品管腔を通って延在する伸長抵抗性アセンブリを形成し、アンカーフィラメントが引っ込められると、近位にある穴が、ヘッド部品の遠位端へと移動される。アンカーフィラメントはヘッド部品の近位端に固定されており、これにより穴はヘッド部品の遠位端より遠位に配置され、伸長抵抗性部材はコイルの遠位端に(非外傷性の遠位表面で)固定され、これにより伸長抵抗性アセンブリの近位端と遠位端は、患者への埋め込み操作中に螺旋状に巻かれたコイルに印加され得る引張り力に抵抗するように固定される。
【0028】
螺旋状に巻かれたコイル材料は、最初に、細長い真っ直ぐなマンドレルの周囲に白金−タングステン合金ワイヤを巻き付けることによって形成され、中央管腔にマンドレルがある緊密かつ均一な螺旋巻きが生成される。現在、タングステンを約6%〜10%含む合金ワイヤが好ましいとされている。より硬い枠組コイルは、直径約0.076mm(0.003インチ)を有する丸ワイヤを使用することによって形成される。より可撓性の充填コイルは、直径約0.051mm(0.002インチ)を有する合金丸ワイヤを利用し、一方、更に軟らかいコイルワイヤは直径約0.038mm(0.0015インチ)である。この更に軟らかいワイヤは典型的に、少し大きいマンドレルに巻き付けて、少し大きいコイル巻き直径を形成し、これにより画定されるコイル管腔も対応して大きくなる。他の構成体において、異なる合金又は材料、あるいはテーパ形のマンドレル形状を利用して、結果として得られる螺旋状に巻かれたコイルの可撓性を変えることができる。
【0029】
マンドレルを除去した後、最初の直線状コイル材料を望ましい長さ(典型的には1.5cm〜30cm)に切り、それぞれの切片を、全体的に望ましい曲線の非線形形状になるよう熱により「固定」することができ、この形状が、埋め込み後に形成しようとする形状になる。曲線の長手方向軸を有する形状には、螺旋又はスパイラル形状、及び更に複雑な形状が含まれる。さまざまな分離可能塞栓コイル(それぞれが、頭部埋め込み操作中に水力送達チューブのポリマー製遠位グリッパー部分によって分離可能に保持されている固体の近位ヘッド部品を有する)は、現在、TRUFILL(登録商標)DCS ORBIT(登録商標)分離可能コイルシステム(Codman & Shurtleff,Inc.(Raynham,Massachusetts))の一部として市販されている。
【0030】
本発明による新しいヘッド部品はヘッド部品管腔を画定し、ヘッド部品がはんだ付け接合部、溶接、又はその他の固定結合によって外側コイルの近位端に取り付けられた後、この管腔内を新しいアンカーフィラメントが通る。アセンブリの前の、適合するヘッド部品及びアンカーフィラメント構成要素の例をそれぞれ図6及び図7に示すが、これらの図の縮尺寸法は正確ではない。図6のヘッド部品104aは、合計長さTLが1.067mm(0.042インチ)、近位部分長さPLが0.864mm(0.034インチ)、遠位部分長さDLが0.178mm(0.007インチ)である。ヘッド部品104aはヘッド部品管腔122a(点線で示されている)を画定し、直径約0.102mm(0.004インチ)を有し、遠位端107aから近位端150aまで延在する。リング106aは長手方向長さRLが0.025mm、全体の直径が0.381mm(長さ0.001インチ、全体の直径が0.015インチ)である。リング106aは、平均近位直径0.203mm(0.008インチ)を有する近位部分102aと、平均遠位直径0.229mm(0.009インチ)を有する遠位部分152aとを区分する。他の構成体において、平均の近位直径及び遠位直径は、図4に示すように実質的に同じであり、あるいは、より大きく異なっていてもよく、これはヘッド部品の異なる部分に合わせるため、送達カテーテルグリッパー部分及び近位コイル管腔の予測される管腔直径に依存する。好ましくは、近位端150a(図6)は、送達カテーテルグリッパー部分との係合を促進するため曲線であるか又は面取りされており、ヘッド部品104aは、上述のように固定接着により取り付けられる螺旋状に巻かれたコイルと実質的に同じ材料で形成される。
【0031】
アンカーフィラメント120a(図7)は、この構成体において白金−タングステン合金丸ワイヤを使用して形成され、好ましくはヘッド部品及び螺旋状に巻かれたコイルに利用されるのと実質的に同じ合金であり、直径約0.038mm(0.0015インチ)を有し、螺旋状に巻かれたコイルの長さと取り付けられた近位ヘッド部品とを合わせた長さの2倍以上の長さを有する。合金ワイヤは約半分に折り曲げられ、すなわち二重に折り重ねられて、図7に示すように、穴126aを画定する湾曲部124aと、その穴124aから平行に伸びる2本のワイヤ脚116a及び118aとを備えた、ワイヤループを形成し、この脚の有効長さは、コイル及びヘッド部品を合わせた長さよりも長い。取り付けられたヘッド部品を備えたコイルは、第1のアンカーフィラメント前進固定具内に配置され、長手方向軸が実質的に非曲線になるまで両端に力を印加する。アンカー湾曲部を、ヘッド部品管腔及び中央コイル管腔内を通して、アンカーフィラメント120aの端160a及び162aを押すか、又はワイヤ脚116a及び118aを把持して、湾曲部124aが螺旋状に巻かれたコイルの遠位端を越えるまで、遠位方向に前進させる。アンカー湾曲部124aが露出した後、伸長抵抗性部材をこの穴に通して、コイルから遠位方向に伸びるループを形成する。
【0032】
縫合糸は、許容できる伸長抵抗性部材となる。好ましい非吸収性縫合糸は、Ethicon,Inc.から入手されるPROLENE(登録商標)ポリプロピレン単繊維縫合糸であり、特に、人毛より細いサイズ10−0である。好ましい吸収性縫合糸には、これもEthicon,Inc.から入手されるVICRYL(登録商標)ポリグリコール酸単繊維又は複繊維縫合糸が挙げられる。他のポリマー又は金属の繊維又はワイヤは、本発明に従って望ましいように利用することができる。更に、伸長抵抗性部材に利用する材料、又はその材料への添加剤は、凝固を促進する血栓形成性を有するよう、選択されてよい。
【0033】
次に、図4に示すように、ヘッド部品の遠位端からコイルワイヤ直径の数倍はなれた場所に湾曲部が配置されるまで、接合された伸長抵抗性部材を備えたアンカーフィラメントを近位に引張る。この湾曲部の位置合わせ工程は、最初に、アンカーフィラメント前進固定具で、実質的に直線状の長手方向コイル軸を維持するか、又は、後続の製造ステーションで別の固定具のところで、螺旋状に巻かれたコイルをこの工程中に真っ直ぐにすることで、達成されることができる。好適な位置合わせは、本発明による一技法、すなわちヘッド部品から遠位に延在する1〜6巻きのコイル巻きを数え、このコイル巻きの範囲内に湾曲部を配置することによって、視覚的に決定される。湾曲部はヘッド部品のどの縁にも接触していないことが好ましく、これにより、湾曲部又は伸長抵抗性部材に対して起こり得る摩擦を避けることができる。本発明の1つの利点は、ヘッド部品に対する湾曲部を位置を変えるためにアンカーフィラメントを近位に引張るか、又は伸長抵抗性部材を遠位方向に引張ることによって、この製造工程中に湾曲部の軸方向の調節が、容易に達成できることである。
【0034】
湾曲部がヘッド部品の遠位端に対して適切に配置された後、余分なアンカーフィラメント材料はトリミングされる。アンカーフィラメントが金属の場合はプラズマ炎などの熱をこの残った近位フィラメント端に適用して、融解させ、ヘッド部品の近位端に近位ビーズが形成され、これが例えば図4に示すようにヘッド部品管腔内に延在しており、これにより、ビーズが固化し次第、構造的な一体性を備えてアンカーフィラメントがヘッド部品に固定される。好ましくは、この近位ビーズはヘッド部品の外径とぴったり重なるか、又はこれより小さいように見える。固化した近位ビーズは、ヘッド部品管腔を密封することにより、ヘッド部品の水力一体性を回復させる。
【0035】
コイルの遠位端を越えて伸びている余分な伸長抵抗性部材の材料は、トリミングされ、熱を加えて残った材料の端を融解させて遠位ビーズを形成し、好ましくはこれは、同心で実質的に半球形の形状であり、実質的に滑らかな非外傷性の低摩擦外表面を備え、これにより患者の奇形内に、その送達操作中の閉塞デバイスの導入と変形性が促進される。伸長抵抗性部材によって許容される螺旋状に巻かれたコイルの伸びの量は、伸長抵抗性部材材料の組成物及び厚さを含む要素に依存し、これにはその引張り特性、並びに伸長抵抗性部材の全体の長さが含まれる。例えば、コイルの長さに対する任意の望ましいゆとり分は、伸長抵抗性部材の遠位部分を溶融させて遠位ビーズを形成する前に、固定具を使用して望ましい分量だけコイルを長くすることによって、製造中に確立することができ、これにより、コイルが固定具から離されるとき、伸長抵抗性部材にゆとり分が生じる。
【0036】
アンカーフィラメントと伸長抵抗性部材は合わさって、伸長抵抗性アセンブリを形成し、これはコイル管腔及びヘッド部品管腔内を通って延在し、この閉塞デバイスに引張り力が印加されたときにコイルの伸びを最小限に抑える。この伸長抵抗性アセンブリは、コイルとヘッド部品とのはんだ付け接合部の引張り強度が約0.222N(0.05ポンド)のとき、その近位端及び遠位端で少なくとも0.089N(0.02ポンド)の引張り力を有することが望ましい。
【0037】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本発明の範囲内と同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程の全ての組み合わせが明確に意図される。ある記載された実施形態の要素を別の実施形態の要素に置換することも十分意図され、想到される。また、図面は必ずしも縮尺通りではないが、実際には単に概念的なものである。よって、添付の請求項の範囲によって示されている通りに限り限定されることが意図される。
【0038】
本明細書に引用される全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は任意の他の参照文献は、その全文が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0039】
〔実施の態様〕
(1) 軸方向全長にわたって中に延在するコイル管腔を画定し、近位端部分及び遠位端部分を有する、螺旋状に巻かれたコイルと、
ヘッド部品であって、近位端を有し、該コイルの該近位端部分に取り付けられた遠位端を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する、ヘッド部品と、
該ヘッド部品管腔を通って延在し、該ヘッド部品の該近位端に固定された少なくとも1つの近位端を有し、かつ該ヘッド部品の該遠位端よりも遠位に配置される穴を画定する遠位部分を有する、アンカーフィラメントと、
該コイル管腔内に配置され、該穴を通って延在する近位部分を有し、かつ該コイルの該遠位端に固定された少なくとも1つの遠位端を有する、伸長抵抗性部材と、を含む、伸長抵抗性閉塞デバイス。
(2) 前記アンカーフィラメントが、構造的一体性及び水力一体性を備えて前記ヘッド部品の前記近位端に固定されている2つの近位端を有し、かつ前記穴を画定する遠位側湾曲部を有する、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(3) 前記伸長抵抗性部材が、前記コイルの前記遠位端に固定されている2つの遠位端を有する、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(4) 前記アンカーフィラメント及び前記伸長抵抗性部材が、異なる材料で構成されている、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(5) 前記アンカーフィラメントが、金属性材料を含み、前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料のループを含む、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(6) 前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されている、実施態様5に記載の閉塞デバイス。
(7) 前記アンカーフィラメント、前記ヘッド部品、及び前記螺旋状に巻かれたコイルが、すべて実質的に同じ材料で構成されている、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(8) 前記螺旋状に巻かれたコイルが、実質的に円筒形であり、かつその近位端に、ある管腔直径を有するよう、前記コイル管腔を画定する、実施態様1に記載の閉塞デバイス。
(9) 前記ヘッド部品が、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形であり、更に該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置され、かつ両方の平均直径を上回って放射方向に外側に突出している少なくとも1つのストッパー要素を含む、実施態様8に記載の閉塞デバイス。
(10) 前記ストッパー要素が、前記ヘッド部品の前記平均直径よりも大きく、かつ前記近位コイル管腔直径よりも大きいストッパー直径を有するリング部材を含む、実施態様9に記載の閉塞デバイス。
【0040】
(11) 軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定し、遠位端部分と、近位コイル管腔直径を備えた近位端部分とを有する、実質的に円筒形の螺旋状に巻かれたコイルと、
実質的に円筒形のヘッド部品であって、平均近位直径を備えた細長い近位端を有し、該コイルの該近位端部分に取り付けられた平均遠位直径を備えた遠位端を有し、該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置された少なくとも1つのストッパー要素を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する、実質的に円筒形のヘッド部品と、
該ヘッド部品管腔を通って延在し、構造的一体性及び水力一体性を備えて該ヘッド部品の該近位端に固定されている2つの近位端を有し、かつ、該ヘッド部品の該遠位端より遠位側に配置されている穴を画定する、遠位側湾曲部を有する、アンカーフィラメントと、
該コイル管腔内に配置され、該穴を通って延在する近位部分を有し、かつ該コイルの該遠位端に固定されている2つの遠位端を有する、伸長抵抗性部材と、を含む、伸長抵抗性塞栓コイル。
(12) 前記ストッパー要素が、前記ヘッド部品の前記平均直径よりも大きく、かつ前記近位コイル管腔直径よりも大きいストッパー直径を有するリング部材を含む、実施態様11に記載の塞栓コイル。
(13) 前記アンカーフィラメントが、金属性材料で構成されている、実施態様11に記載の塞栓コイル。
(14) 前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されている、実施態様13に記載の塞栓コイル。
(15) 前記アンカーフィラメント、前記ヘッド部品、及び前記螺旋状に巻かれたコイルが、すべて実質的に同じ材料で構成されている、実施態様11に記載の塞栓コイル。
(16) 前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料で構成されている、実施態様11に記載の塞栓コイル。
(17) 軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定し、コイル遠位端部分を有する螺旋状に巻かれたコイルの近位端部分に、ヘッド部品の遠位端を取り付けることであって、該ヘッド部品が、近位端を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定している、ことと、
穴を画定しているアンカーフィラメントの遠位部分を、該ヘッド部品管腔及び該コイル管腔を通過して遠位方向に押し進めることにより、該コイル遠位端部分を越えて該穴を露出させることと、
該穴に伸長抵抗性部材を通して、該部材を該フィラメントと接合させ、該コイル管腔及び該ヘッド部品管腔を通って延在する伸長抵抗性アセンブリを形成することと、
該アンカーフィラメントを引っ込めることによって、該穴を該ヘッド部品の該遠位端の近位方向に動かすことと、
該アンカーフィラメントを該ヘッド部品の該近位端に固定することにより、該穴を該ヘッド部品の該遠位端より遠位側に配置することと、
該伸長抵抗性部材を該コイルの該遠位端に固定することにより、非外傷性遠位表面を形成することと、を含む、伸長抵抗性閉塞デバイスを製造する方法。
(18) 構造的一体性及び水力一体性を備えて、前記ヘッド部品の前記近位端に、近位側ビーズによって固定された2つの近位端を有し、前記穴を画定する遠位湾曲部を備えるよう、前記アンカーフィラメントを形成することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記コイルの前記遠位端に遠位側ビーズによって固定された2つの遠位端を備え、前記穴を通ったループ状に、前記伸長抵抗性部材を形成することを含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 構造的一体性及び水力一体性を備えて、前記ヘッド部品の前記近位端に固定された2つの近位端を有し、前記穴を画定する遠位湾曲部を備えるよう、前記アンカーフィラメントを形成することと、前記非外傷性遠位表面を有する遠位側ビーズによって前記コイルの前記遠位端に固定された2つの遠位端を備えた、該穴を通るループ状に、前記伸長抵抗性部材を形成することと、を含む、実施態様17に記載の方法。
【0041】
(21) 前記アンカーフィラメント及び前記伸長抵抗性部材が、異なる材料で構成されるよう選択される、実施態様17に記載の方法。
(22) 前記アンカーフィラメントが、金属性材料を含み、前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料のループを含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されるよう選択される、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記螺旋状に巻かれたコイルが、実質的に円筒形になるよう選択され、その近位端に、ある管腔直径を有するよう、前記コイル管腔を画定する、実施態様17に記載の方法。
(25) 前記ヘッド部品が、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形となるよう選択され、更に該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置され、かつ両方の平均直径を上回り、また前記近位コイル管腔直径を上回って放射方向に外側に突出している少なくとも1つのストッパー要素を含む、実施態様24に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向全長にわたって中に延在するコイル管腔を画定し、近位端部分及び遠位端部分を有する、螺旋状に巻かれたコイルと、
ヘッド部品であって、近位端を有し、該コイルの該近位端部分に取り付けられた遠位端を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する、ヘッド部品と、
該ヘッド部品管腔を通って延在し、該ヘッド部品の該近位端に固定された少なくとも1つの近位端を有し、かつ該ヘッド部品の該遠位端よりも遠位に配置される穴を画定する遠位部分を有する、アンカーフィラメントと、
該コイル管腔内に配置され、該穴を通って延在する近位部分を有し、かつ該コイルの該遠位端に固定された少なくとも1つの遠位端を有する、伸長抵抗性部材と、を含む、伸長抵抗性閉塞デバイス。
【請求項2】
前記アンカーフィラメントが、構造的一体性及び水力一体性を備えて前記ヘッド部品の前記近位端に固定されている2つの近位端を有し、かつ前記穴を画定する遠位側湾曲部を有する、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項3】
前記伸長抵抗性部材が、前記コイルの前記遠位端に固定されている2つの遠位端を有する、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項4】
前記アンカーフィラメント及び前記伸長抵抗性部材が、異なる材料で構成されている、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項5】
前記アンカーフィラメントが、金属性材料を含み、前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料のループを含む、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項6】
前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されている、請求項5に記載の閉塞デバイス。
【請求項7】
前記アンカーフィラメント、前記ヘッド部品、及び前記螺旋状に巻かれたコイルが、すべて実質的に同じ材料で構成されている、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項8】
前記螺旋状に巻かれたコイルが、実質的に円筒形であり、かつその近位端に、ある管腔直径を有するよう、前記コイル管腔を画定する、請求項1に記載の閉塞デバイス。
【請求項9】
前記ヘッド部品が、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形であり、更に該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置され、かつ両方の平均直径を上回って放射方向に外側に突出している少なくとも1つのストッパー要素を含む、請求項8に記載の閉塞デバイス。
【請求項10】
前記ストッパー要素が、前記ヘッド部品の前記平均直径よりも大きく、かつ前記近位コイル管腔直径よりも大きいストッパー直径を有するリング部材を含む、請求項9に記載の閉塞デバイス。
【請求項11】
軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定し、遠位端部分と、近位コイル管腔直径を備えた近位端部分とを有する、実質的に円筒形の螺旋状に巻かれたコイルと、
実質的に円筒形のヘッド部品であって、平均近位直径を備えた細長い近位端を有し、該コイルの該近位端部分に取り付けられた平均遠位直径を備えた遠位端を有し、該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置された少なくとも1つのストッパー要素を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定する、実質的に円筒形のヘッド部品と、
該ヘッド部品管腔を通って延在し、構造的一体性及び水力一体性を備えて該ヘッド部品の該近位端に固定されている2つの近位端を有し、かつ、該ヘッド部品の該遠位端より遠位側に配置されている穴を画定する、遠位側湾曲部を有する、アンカーフィラメントと、
該コイル管腔内に配置され、該穴を通って延在する近位部分を有し、かつ該コイルの該遠位端に固定されている2つの遠位端を有する、伸長抵抗性部材と、を含む、伸長抵抗性塞栓コイル。
【請求項12】
前記ストッパー要素が、前記ヘッド部品の前記平均直径よりも大きく、かつ前記近位コイル管腔直径よりも大きいストッパー直径を有するリング部材を含む、請求項11に記載の塞栓コイル。
【請求項13】
前記アンカーフィラメントが、金属性材料で構成されている、請求項11に記載の塞栓コイル。
【請求項14】
前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されている、請求項13に記載の塞栓コイル。
【請求項15】
前記アンカーフィラメント、前記ヘッド部品、及び前記螺旋状に巻かれたコイルが、すべて実質的に同じ材料で構成されている、請求項11に記載の塞栓コイル。
【請求項16】
前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料で構成されている、請求項11に記載の塞栓コイル。
【請求項17】
軸方向全長にわたって延在するコイル管腔を画定し、コイル遠位端部分を有する螺旋状に巻かれたコイルの近位端部分に、ヘッド部品の遠位端を取り付けることであって、該ヘッド部品が、近位端を有し、かつ該ヘッド部品の該近位端と該遠位端との間に延在するヘッド部品管腔を画定している、ことと、
穴を画定しているアンカーフィラメントの遠位部分を、該ヘッド部品管腔及び該コイル管腔を通過して遠位方向に押し進めることにより、該コイル遠位端部分を越えて該穴を露出させることと、
該穴に伸長抵抗性部材を通して、該部材を該フィラメントと接合させ、該コイル管腔及び該ヘッド部品管腔を通って延在する伸長抵抗性アセンブリを形成することと、
該アンカーフィラメントを引っ込めることによって、該穴を該ヘッド部品の該遠位端の近位方向に動かすことと、
該アンカーフィラメントを該ヘッド部品の該近位端に固定することにより、該穴を該ヘッド部品の該遠位端より遠位側に配置することと、
該伸長抵抗性部材を該コイルの該遠位端に固定することにより、非外傷性遠位表面を形成することと、を含む、伸長抵抗性閉塞デバイスを製造する方法。
【請求項18】
構造的一体性及び水力一体性を備えて、前記ヘッド部品の前記近位端に、近位側ビーズによって固定された2つの近位端を有し、前記穴を画定する遠位湾曲部を備えるよう、前記アンカーフィラメントを形成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コイルの前記遠位端に遠位側ビーズによって固定された2つの遠位端を備え、前記穴を通ったループ状に、前記伸長抵抗性部材を形成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
構造的一体性及び水力一体性を備えて、前記ヘッド部品の前記近位端に固定された2つの近位端を有し、前記穴を画定する遠位湾曲部を備えるよう、前記アンカーフィラメントを形成することと、前記非外傷性遠位表面を有する遠位側ビーズによって前記コイルの前記遠位端に固定された2つの遠位端を備えた、該穴を通るループ状に、前記伸長抵抗性部材を形成することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記アンカーフィラメント及び前記伸長抵抗性部材が、異なる材料で構成されるよう選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記アンカーフィラメントが、金属性材料を含み、前記伸長抵抗性部材が、ポリマー材料のループを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アンカーフィラメント及び前記ヘッド部品が、実質的に同じ材料で構成されるよう選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記螺旋状に巻かれたコイルが、実質的に円筒形になるよう選択され、その近位端に、ある管腔直径を有するよう、前記コイル管腔を画定する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記ヘッド部品が、ある平均遠位直径及びある平均近位直径を備えた実質的に円筒形となるよう選択され、更に該近位平均直径と該遠位平均直径との間に配置され、かつ両方の平均直径を上回り、また前記近位コイル管腔直径を上回って放射方向に外側に突出している少なくとも1つのストッパー要素を含む、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−464(P2012−464A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−133029(P2011−133029)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(509266479)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【Fターム(参考)】