説明

位置入力装置及びビデオ信号処理装置

【課題】 単純な構成にて平面上の位置を指定する2次元情報と、この2次元情報以外の1次元情報とが得られ、使用者による位置指定の操作性が向上する。
【解決手段】 操作レバー1は、2次元上の任意の方向で操作される。2次元位置検出部2は、操作レバー1の2次元上の移動操作量から座標データを検出する。制御回路4は、ボタンスイッチ3が押圧操作されると上記座標データから2次元情報を得て出力し、ボタンスイッチ3が押圧操作されないと上記座標データから1次元情報を得て出力する。画像処理装置7は、制御回路4からの2次元情報あるいは1次元情報に基づいて、入力されるビデオ信号に所定の処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力されるビデオ信号に所定の処理を施すためのビデオ信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空間内の位置をユーザが任意に設定して画像入力装置に入力する位置入力装置、いわゆるビデオスイッチャに用いられるポジショナは、空間内の任意の位置の2軸方向の変位を入力をするのが一般的である。
【0003】また、ビデオ信号処理装置、例えば特殊効果装置に3次元の位置を指示し入力する位置入力装置に用いられるポジショナは、3軸方向の変位を一度に入力することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画像入力装置に用いられる位置入力装置において、画像を入力処理する位置を示すいわゆるパターンキーの位置(X,Y)と入力画面のサイズ、あるいはいわゆるオートクロマキーの位置(X,Y)と入力画面の範囲を操作するときに、(X,Y)の値を入力する操作レバーを操作して2次元位置を設定し、この操作レバーの移動方向とは別の方向に移動する、例えばいわゆるボリュームツマミ等のボタンで、上記入力画面のサイズや範囲を設定する必要があり、上記操作レバーと上記ボタンとの操作方向が互いに違うため、操作性が非常に悪かった。
【0005】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、単純な構成にて平面上の位置を指定する2次元情報と、この2次元情報以外の1次元情報とが得られ、使用者による位置指定の操作性が向上する位置入力装置と、この位置入力装置を用いたビデオ信号処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の位置入力装置は、操作部と、2次元位置検出手段と、スイッチと、制御手段とを有して成ることで、上述した課題を解決する。
【0007】本発明の位置入力装置によれば、操作部は、2次元上の任意の方向を操作される。2次元位置検出手段は、上記操作部の2次元上の操作位置を検出する。制御手段は、スイッチが押圧操作されると2次元位置検出手段で検出される操作位置を2次元情報として出力し、上記スイッチが押圧操作されないと上記操作位置を1次元情報として出力する。
【0008】また、本発明のビデオ信号処理装置は、操作部と、2次元位置検出手段と、スイッチと、制御手段と、画像処理手段とを有して成ることで、上述した問題を解決する。
【0009】本発明のビデオ信号処理装置によれば、操作部は、2次元上の任意の方向で操作される。2次元位置検出手段は、上記操作部の2次元上の移動操作量を示す座標データを検出する。制御手段は、スイッチが押圧操作されると2次元位置検出手段で検出される上記座標データから2次元情報を得て出力し、上記スイッチが押圧操作されないと上記座標データから1次元情報を得て出力する。画像処理手段は、制御手段からの2次元情報あるいは1次元情報に基づいて、入力されるビデオ信号に所定の処理を施す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の位置入力装置及びビデオ信号処理装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】先ず、上記ビデオ信号処理装置は、図1に示すように、使用者により任意の方向に操作される操作レバー1、この操作レバー1が操作された操作位置を検出する2次元位置検出部2、使用者により操作されるボタンスイッチ3、このスイッチの操作状態に応じて上記操作位置を2次元情報と1次元情報とに切り換える制御回路4、制御かいろ4から出力される2次元情報/1次元情報に応じて入力されるビデオ信号に所定の信号処理を施す画像処理装置7及びこの画像処理装置7にて得られる画像を表示するための表示装置8を有して成るものである。
【0012】上記ビデオ信号処理装置において、操作レバー1は、例えば2次元位置検出部2に取り付けられ、使用者により表示装置8の画面を見ながら縦横斜めの任意の方向に倒される等して操作される。また、操作レバー1は、操作された角度や方向すなわち倒された角度や方向に基づいて電圧を発生し、この電圧を2次元位置検出部2に送る。なお、使用者が操作した後、操作レバー1を離すと、この操作レバー1は中央である待機位置まで自動的に戻り、この間においては電圧は出力されない。
【0013】2次元位置検出部2は、上記操作レバー1が操作された移動操作量を、例えば操作レバー1から出力される電圧と、電圧の出力が継続される時間とに基づいて得られる電圧として検出する。また、2次元位置検出部2は、検出した電圧に基づいて例えば2次元平面上で操作レバー1が操作を受けた方向(以下、操作方向という)すなわち操作レバー1が操作される前の位置(以下、初期位置という)から操作された後の位置に向かう方向を検出し、上記移動操作量と上記操作方向とから上記操作レバー1の操作位置を示す座標データを生成し制御回路4に送る。また、ボタンスイッチ3は、後述する2次元情報と1次元情報との切り換えを行う場合、使用者によって押圧操作され、押圧操作されたことを示す操作信号を制御回路4に送り、押されない場合はそのまま何も出力しない。
【0014】制御回路4は、ROM(read only memory)5及びRAM(random access memory)6を備えており、2次元位置検出部2及びボタンスイッチ3からの座標データ及び操作信号を、信号処理方法を記憶しているROM5及び一時的に処理データを蓄えておくRAM6に応じて処理し、得られたデータを画像処理装置7に送る。
【0015】例えば、ボタンスイッチ3が押圧操作されないと、2次元位置検出部2からの上記座標データがそのまま座標を表す2次元情報として送られる。また、ボタンスイッチ3が押圧操作された場合、上記操作信号が制御回路4に入力されるため、上記座標データの内、上記座標に関連する1次元情報として、例えばYの値のみを画像処理装置7に送る。
【0016】このときの動作の一例を、図2に示すフローチャートに従って説明する。
【0017】動作開始後、ステップS1では、操作レバー1が操作されたか否かが判別される。この判別結果がNO、すなわち操作レバー1が操作されていない場合、ステップS1に戻り、操作レバー1が操作されるまでこのステップを繰り返す。また、ステップS1の判別結果がYES、すなわち操作レバー1が操作された場合、ステップS2に進む。
【0018】ステップS2では、上記操作レバー1が操作された量を示す(X,Y)の値すなわち座標データが検出され、ステップS3に進む。ステップS3では、ボタンスイッチ3が押圧操作されたか否かが判別される。この判別結果がNO、すなわちボタンスイッチ3が押圧操作されていない場合、ステップS5に進んで上記座標データを2次元情報として出力し、ステップS1に戻る。また、ステップS3の判別結果がYES、すなわちボタンスイッチ3が押圧操作されている場合、ステップS4に進んで上記座標データの内、1次元情報としてYの値のみを出力し、ステップS1に戻る。
【0019】また、図1に戻って、画像処理装置7は、制御回路4より送られる2次元情報あるいは1次元情報に基づいて、フォアグランド映像入力端子9及びバックグランド映像入力端子10より入力される映像信号に、後述するようなモザイク処理等の所定の処理を施し、得られた映像情報を表示装置8に出力する。
【0020】表示装置8は、例えば液晶表示装置のような画面表示装置であって、画像処理装置7から送られる映像信号に基づく画像を表示する。
【0021】ここで、上記ビデオ信号処理装置を構成する位置入力装置について説明する。なお、上記位置入力装置は、図1における上記操作レバー1、上記2次元位置検出部2、上記ボタンスイッチ3、上記制御回路4を有して成る部分である。
【0022】また、上記位置入力装置の一具体例を図3及び図4に示す。なお、図3は位置入力装置の正面図であり、図4はこの位置入力装置の平面図である。なお、図4では、X軸は右方に向かう方向を正とし、Y軸は上方に向かう方向を正とする。また、軸17は、X軸を操作レバー1の初期位置を原点として−45度に回転させて得られるものである。
【0023】上記位置入力装置において、操作レバー1は、例えば上述のように、2次元位置検出部2に取り付けられており、また、ボタンスイッチ3は例えば2次元位置検出部2が配設される平面と同一平面上に配設されている。
【0024】ここで、ボタンスイッチ3が押圧操作されずに操作レバー1が操作される場合、上記制御回路4は、上記座標データを2次元情報として出力する。
【0025】次に、ボタンスイッチ3が押圧操作され、操作レバー1が操作される場合を考える。
【0026】上述のように、Y成分のみを用いてこの1次元情報が生成される。すなわち、矢印13あるいは矢印14に示す方向に操作レバー1が操作されると、制御回路4は、2次元位置検出部2からの座標データのY成分、すなわち初期位置を(y)とした場合、(y+q)を1次元情報として生成し出力する。なお、“q”はY方向の移動操作量であり、操作レバー1が矢印13に示した方向に操作されると正になり、矢印14に示す方向に操作されると負になる。
【0027】また、例えば操作レバー1が2次元平面上の任意の方向に操作された場合は、2次元位置検出部2より送られる座標データの内、Y成分のみが取り出され1次元情報として出力される。
【0028】また、ボタンスイッチ3が押圧操作されたときに、操作位置を表す座標データとしてY軸成分のみを1次元情報として位置入力装置から出力させたが、これに限定されることはなく1次元情報としてX軸成分のみを出力させてもよい。
【0029】この場合、図4に示すように、矢印11あるいは矢印12に示す方向に操作レバー1が操作されると、制御回路4は、2次元位置検出部2からの座標データのX成分、すなわち初期位置を(x)とした場合、(x+r)を1次元情報として生成し出力する。なお、“r”はX方向の移動操作量であり、操作レバー1が矢印11に示した方向に操作されると正になり、矢印12に示す方向に操作されると負になる。なお、操作レバー1が2次元平面上の任意の方向に操作された場合は、上記座標データの内、X成分のみが取り出され1次元情報として出力される。
【0030】あるいは、Y成分のみX成分のみの座標データを用いて1次元情報を生成することに限らず、上記移動操作量のX成分とY成分とを足したり、X成分とY成分との内大きい方の値をとって1次元情報としてもよい。例えば、上記移動操作量は、操作レバー1が軸17に対して矢印15で示す方向に操作されると増加し、また、矢印16に示す方向に操作されると減少する量であるとしてもよい。
【0031】なお、上記X軸、Y軸の正負の関係、あるいは上記操作方向に対する移動操作量の増減の関係を逆転させてもよい。
【0032】また、上記位置入力装置の他の具体例として、図5に示すように、ボタンスイッチ3を操作レバー1上に配設して一体化し、この操作レバー1を2次元位置検出部2に取り付けてもよい。
【0033】但し、図5に示す構成の場合、ボタンスイッチ3に対する配線が操作レバー1の可動部を通るので、構造が複雑になり、高価なものとなる。
【0034】ここで、上記ビデオ信号処理装置の具体的な信号処理動作としてモザイク処理を挙げる。
【0035】モザイク処理された画面は、図6に示すように、例えば表示画面21の中の複数のピクセル(画素)にモザイクが掛けられたものとなる。また、このモザイクを掛けようとする領域22が示されている。
【0036】また、モザイク処理を行うための動作を示すフローチャートを図7に示す。
【0037】図7において、ステップS11では、操作レバー1が操作され、ステップS12に進む。
【0038】ステップS12では、2次元位置検出部2にて操作レバー1の動きに基づいて2次元のX、Y座標軸上での値(x,y)が検出され、ステップS13に進む。ステップS13では、ボタンスイッチ3が押圧操作されたか否かが判別される。
【0039】ステップS13での判別結果がNO、すなわちボタンスイッチ3が押圧操作されていない場合、ステップS14に進んで、図1に示した画像処理装置7にて、制御回路4からの2次元情報に基づいて、例えば図6R>6に示す領域22の位置oとなる座標を与えるキー信号が生成され、ステップS16に進む。
【0040】また、ステップS13での判別結果がYES、すなわちボタンスイッチ3が押圧操作されている場合、ステップS15に進んで、上記画像処理装置7にて、制御回路4からの1次元情報に基づいてモザイクの範囲、例えば図6に示した領域22が矢印cの方向に拡大されるよう可変されたキー信号が生成され、ステップS16に進む。
【0041】ステップS16では、上記画像処理装置7にて、フォアグランド映像入力端子9を介して入力されるフォアグランド映像信号にモザイク処理が施される。また、上記キー信号に基づいて、このモザイク処理が施されたフォアグランド映像信号と、バックグランド映像入力端子10を介して入力されるバックグランド映像信号とを切り換えることで、上記モザイク処理が施されたフォアグランド映像信号と、上記バックグランド映像信号との合成が行われ、ステップS17に進む。
【0042】ステップS17では、上記画像処理装置7にて合成された映像信号に基づく画像が表示され、ステップS18に進む。ステップS18では、使用者が画面を目視して、モザイク処理する箇所を示す領域22の位置や範囲が正しい部分であるのか否かを判別する。判別結果がNO、すなわち上記領域22の位置や範囲が正しくない場合、ステップS11に戻る。また、上記判別結果がYES、すなわち上記領域22の位置や範囲が正しい場合、モザイク処理は終了する。
【0043】また、モザイク処理を行うための上記画像処理装置7の具体的な構成を図8に示す。
【0044】上記画像処理装置7において、上記図7に示したフローチャートのステップS14、S15、S16に示した動作が実行される。なお、各ステップ番号に該当する動作を行う場合、そのステップ番号を括弧内に示す。
【0045】モザイク生成部31は、フォアグランド映像入力端子9より入力されるフォアグランド映像信号の全域にモザイク処理を施し、画像生成部33に送る。
【0046】キー信号生成部32は、制御回路4からのモザイクの位置のデータや範囲のデータに基づいて後述するようなキー信号を生成する(ステップS14、S15)。
【0047】画像合成部33は、上記キー信号に基づいてモザイク生成部31からのフォアグランド映像信号と、バックグランド映像信号とを合成し、得られた映像信号を表示装置8に出力する(ステップS16)。
【0048】表示装置8は、画像生成部33より出力される映像信号に基づいて、図6の表示画面21のような表示を行う。
【0049】上記画像処理装置7によれば、例えば、上記キー信号生成部32に上記制御回路4から2次元情報が入力されるとき、上記キー信号生成部32は、上記2次元情報に基づいて、2次元情報で示される位置が中心位置となるキー信号を生成する。なお、表示画面21では、キー信号の中心位置が移動するのに合わせて、モザイク処理された画像部分が移動する。
【0050】また、例えば、上記キー信号生成部32に上記制御回路4から1次元情報が入力されたとき、上記キー信号生成部32は、上記1次元情報の値に基づいて、定される速さで信号を大きさを変化させる。なお、表示画面21では、キー信号が拡大するのに合わせてモザイク処理された画像部分が拡大し、この拡大速度は上記1次元情報の数値、すなわち上記操作レバー1の操作に依存する。
【0051】さらに、上記ビデオ信号処理装置によれば、使用者は図3及び図4に示したボタンスイッチ3を押圧操作さずに、操作レバー1を矢印11に示した方向すなわち右方向に倒した場合図6の領域22が右方向に移動し、矢印12に示した方向すなわち左方向に倒した場合上記モザイク処理部分が左方向に移動する。また、同様に上記操作レバー1が矢印13に示した方向すなわち上方向に倒された場合、上記モザイク処理部分が上方向に移動し、矢印14に示した方向すなわち下方向に倒された場合、上記モザイク処理部分が下方向に移動する。なお、上記モザイク処理部分の縦横方向への移動は、使用者が上記操作レバー1の操作を終了するまで継続する。
【0052】また、使用者が上記ボタンスイッチ3を押圧操作して、上記操作レバー1を図4において矢印13に示した方向すなわち上方向に操作した場合、図6に示すように領域22の各頂点が矢印cに示す方向すなわち位置oに対して離れる方向に移動し領域23に拡大されるため、モザイク処理部分が上記操作レバー1の操作に応じて拡大される。また、上記ボタンスイッチ3が押圧操作され、上記操作レバー1が図4において矢印14に示した方向すなわち下方向に移動された場合、図示はしないが上記領域22の各頂点は位置oに接近する方向に移動し縮小されるため、モザイク処理部分が上記操作レバー1の操作に応じて縮小される。なお、上記モザイク処理部分の拡大あるいは縮小動作は、上記縦横方向への移動と同様に、使用者が上記操作レバー1の操作を終了するまで継続する。
【0053】上記ビデオ信号処理装置の一具体例は、映像にモザイクをかける動作に応用した例であったが、他には、例えばビデオ信号処理装置で特に特殊効果装置におけるいわゆるキーフレームの操作に応用される。すなわち、操作レバーの移動操作に応じて2次元位置検出部にて座標データが出力される。ここで、ボタンスイッチが押圧操作されない場合、キー信号生成部は制御回路からの2次元情報に基づいてキー信号を生成し、上記キーフレームは縦横方向に移動する。また、上記ボタンスイッチが押圧操作されている場合、上記制御回路からの1次元情報に基づいて、上記キーフレームのZ軸方向への操作を行うためのキー信号を生成するように上記キー信号生成部を動作させればよい。
【0054】また、例えばビデオスイッチャにおけるキー信号の操作に応用される。すなわち、操作レバーの移動操作に応じて2次元位置検出部にて座標データが出力される。ここで、ボタンスイッチが押圧操作されない場合、キー信号生成部は上記2次元情報に基づいて上記キー信号の中心を縦横方向に移動させる。また、上記ボタンスイッチが押圧操作されている場合、上記キー信号生成部は、上記1次元情報に基づいて、上記キー信号の大きさを変化させれば良い。
【0055】また、例えばビデオスイッチャにおけるオートクロマキーの操作に応用される。キー信号生成部はボタンスイッチが押圧操作されていない場合上記2次元情報に基づいて上記オートクロマキーを示すキー信号を縦横方向へ移動させ、上記ボタンスイッチが押圧操作されている場合上記1次元情報に基づいて上記キー信号のサンプル範囲を決めるようにすればよい。
【0056】以上のようにビデオ信号処理装置を構成することで、使用者は、スイッチを押しながら操作レバーを移動操作させると、移動操作量に基づいてキー信号の中心を縦横方向へ移動させることができ、また、上記スイッチを押さないで上記操作レバーを移動操作させると、この移動操作量に基づいて表示画面上のキー信号の拡大/縮小を行うことができ、操作レバー1つで2次元情報と1次元情報とを得ることが可能になり、少ない部品数で操作性が向上する。
【0057】また、操作レバーにボタンスイッチを設けると、上述したような操作を片手にて容易に行うことができ、操作性がさらに向上する。
【0058】なお、本実施形態において、位置入力装置の操作部を操作レバーとしたが、これに限定されることはなく、トラックボールあるいはカーソルキーのような空間内の位置を指示できれば何でもよい。また、スイッチをボタンスイッチとしたが、こちらもこれに限定されることはなく、他のスイッチ手段を用いても同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0059】また、本実施形態において、図4に示したように、X軸については右方向、Y軸については上方向を正としたが、これに限定されることはなく、右方向をX軸の負を示す方向、上方向をY軸の負を示す方向としてもよい。
【0060】また、本実施形態において、ビデオ信号処理装置の動作例として、特殊効果装置におけるキーフレームの操作や、ビデオスイッチャのオートクロマキー操作への応用例を挙げたが、これらに限定されることはなく、直交する2方向の座標、すなわち平面上の位置を決定する2次元情報に関した操作にさらに1次元情報を必要とする操作の全てについて応用可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の位置入力装置によれば、スイッチの押圧操作に応じて、2次元位置検出手段で操作部からの移動操作量に基づいて得られる座標データが2次元情報以外の1次元情報に変換されるようにすることで、2次元情報と2次元位置以外の1次元情報とを得るのに、上記操作部を共用できるため、単純な構成にて操作性が向上する。また、上記操作量を変換するのに複雑な機構を利用しないため、廉価な位置入力装置を提供することが可能になる。
【0062】また、本発明のビデオ信号処理装置によれば、ビデオ信号を処理する際に、スイッチの押圧操作に応じて、2次元位置検出手段で操作部からの移動操作量に基づいて得られる座標データが、ビデオ信号に任意の処理を施す位置を示す2次元情報と、この2次元情報以外の1次元情報、例えば上記ビデオ信号に任意の処理を施す範囲を示す範囲情報等とを得るのに、上記操作部を共用できるため、単純な構成にて操作性が向上する。また、上記操作量を変換するのに複雑な機構を利用しないため、廉価なビデオ信号処理装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したビデオ信号処理装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記ビデオ信号処理装置を構成する位置入力装置の動作を説明するフローチャートである。
【図3】上記位置入力装置の正面図である。
【図4】上記位置入力装置の平面図である。
【図5】上記位置入力装置の他の具体例を示す図である。
【図6】上記ビデオ信号処理装置の表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図7】上記ビデオ信号処理装置の動作の一例としてビデオ信号のモザイク処理を説明するフローチャートである。
【図8】上記ビデオ信号処理装置のモザイク処理時の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操作レバー
2 2次元位置検出部
3 ボタンスイッチ
4 制御回路
5 ROM
6 RAM
7 画像処理装置
8 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 任意の方向に移動操作される操作部と、上記操作部の操作位置を検出する2次元位置検出手段と、スイッチと、上記スイッチの操作状態に応じて上記操作位置を2次元情報と1次元情報とに切り替える制御手段とを有して成ることを特徴とする位置入力装置。
【請求項2】 上記操作部は、2次元の任意方向に操作され、上記位置検出手段は、上記操作部の操作量を互いに直交する2方向の成分に分けて検出することを特徴とする請求項1記載の位置入力装置。
【請求項3】 上記スイッチは、上記位置入力手段の操作部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の位置入力装置。
【請求項4】 上記スイッチは、上記操作部に対して物理的に異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の位置入力装置。
【請求項5】 任意の方向に移動操作される操作部と、上記操作部の操作位置を検出する2次元位置検出手段と、スイッチと、上記スイッチの操作状態に応じて上記操作位置を2次元情報と1次元情報とに切り替える制御手段と、上記制御手段から出力される2次元情報/1次元情報に応じて入力されるビデオ信号に所定の信号処理を施す画像処理手段とを有して成ることを特徴とするビデオ信号処理装置。
【請求項6】 上記2次元情報は、上記ビデオ信号の2次元的な位置を示し、上記1次元情報は、上記ビデオ信号上の上記2次元情報にて示される位置における上記ビデオ信号に関連した情報であることを特徴とする請求項5記載のビデオ信号処理装置。
【請求項7】 上記1次元情報は、上記2次元情報で示される2次元的な位置における上記ビデオ信号の範囲を示す情報であることを特徴とする請求項6記載のビデオ信号処理装置。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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