位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法
【課題】ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできる位置合わせ方法、及び、ハニカムフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】開口270aを有する位置合わせ用マスク270を所定位置に固定する工程と、複数の貫通孔70aを有するハニカム構造体70を、位置合わせ用マスク270と対向する位置に、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pが開口270a内の所定の位置に現れるように配置する工程と、配置後に、位置合わせ用マスク270を所定位置から除去する工程と、除去後に、所定位置に封口用マスク170を配置する工程と、を備えるハニカム構造体70と封口用マスク170との位置合わせ方法である。
【解決手段】開口270aを有する位置合わせ用マスク270を所定位置に固定する工程と、複数の貫通孔70aを有するハニカム構造体70を、位置合わせ用マスク270と対向する位置に、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pが開口270a内の所定の位置に現れるように配置する工程と、配置後に、位置合わせ用マスク270を所定位置から除去する工程と、除去後に、所定位置に封口用マスク170を配置する工程と、を備えるハニカム構造体70と封口用マスク170との位置合わせ方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカムフィルタが、DPF(Diesel particulate filter)用等として広く知られている。このハニカムフィルタは、多数の貫通孔を有するハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側を封口材で封じると共に、残りの貫通孔の他端側を封口材で封じた構造を有する。そして、特許文献1には、このようなハニカムフィルタを製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ7内に配置したハニカム構造体1の一端面に対して、封口する場所に貫通孔を有する封口用マスクを介してピストン8により封口材を貫通孔に押圧することにより、ハニカム構造体の所望の貫通孔の端部に封口材を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭63−24731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハニカム構造体の貫通孔の径は小さい。また、封口用マスクの貫通孔の径もハニカム構造体の貫通孔と同程度以下である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、マスクの貫通孔とを正しく重ね合わせた状態では、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の外壁の輪郭や貫通孔の輪郭を見ることは困難である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせが非常に困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできる位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハニカム構造体と封口用マスクとの位置合わせ方法は、開口を有する位置合わせ用マスクを所定位置に固定する工程と、複数の貫通孔を有するハニカム構造体を、位置合わせ用マスクと対向する位置に、ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が開口内の所定の位置に現れるように配置する工程と、配置後に、位置合わせ用マスクを所定位置から除去する工程と、除去後に、所定位置に封口用マスクを配置する工程とを備える。
【0007】
従来の方法では、位置合わせが完了した状態で、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の外壁の輪郭を見ることは困難である。これに対して、本発明では、封口用マスクとは異なる位置合わせ用マスクを所定位置に固定し、位置合わせ用マスクの開口内の所定の位置に、ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が現れるようにハニカム構造体を配置することにより、位置合わせ用マスクに対して、ハニカム構造体の端面を正確にかつ容易に位置合わせできる。そして、このようにして、位置を合わせた後に、所定の位置にある位置合わせマスクと、封口マスクとを交換することにより、封口用マスクの開口からハニカム構造体の端面を見ながらこれらの位置合わせ作業をすることなく、ハニカム構造体と封口用マスクとの正確な位置合わせが可能である。
【0008】
ここで、位置合わせ用マスクの開口は、ハニカム構造体の配置後の状態において、端面の外壁の輪郭の内、輪郭の中心周りに90度ずつ離れた4つの部分、または、輪郭の中心周りに120度ずつ離れた3つの部分を露出させることができる。これにより、より精度が向上できる。
【0009】
また、位置合わせ工程では、さらに、ハニカム構造体の互いに隣接する複数の貫通孔の輪郭が開口内で所定の方向に並ぶように、ハニカム構造体を配置することができる。
【0010】
従来の方法では、位置合わせが完了した状態において、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の貫通孔の輪郭を見ることは困難であり、したがって、複数の貫通孔の輪郭同士が並ぶ方向を見ることも困難であった。これに対して、本願発明では、封口用マスクとは異なる位置合わせ用マスクを使用し、位置合わせ用マスクの開口から、複数の貫通孔の輪郭が所定の方向に並ぶようにハニカム構造体を配置することにより、位置合わせ用マスクに対して、ハニカム構造体の端面をより正確にかつ容易に位置合わせすることができる。
【0011】
また、位置合わせ用マスクの開口の輪郭は直線部分を有し、方向と直線部分とは平行であることができる。
【0012】
また、位置合わせマスクは開口を3つ以上有すると共に各開口は細長く、位置合わせマスクの主面において、開口の長軸の延長線が一点で互いに等角度に交差するように開口が放射状に配置することができる。なお、本願において「細長い開口」とは、開口の重心を通り開口を跨る線分の長さで最も短いものを短径とし、当該短径に直交し開口を跨る線分の長さを長径とした場合に、短径よりも長径のものが長い開口を意味する。また、本願明細書において「開口の長軸」とは、開口の重心を通り開口を跨る線分の長さで最も短いものを短径とした場合に、当該短径に直交する直線を意味する。
【0013】
本発明に係るハニカムフィルタの製造方法は、上述の方法によりハニカム構造体と封口用マスクとを位置合わせする工程と、封口用マスクを介して一部の貫通孔に封口材を供給する工程とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできる位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る位置合わせ装置400の斜視図である。
【図2】図2の(a)は、図1の位置合わせ装置400の固定治具100の上面斜視図であり、図2の(b)は、固定治具100の下面斜視図である。
【図3】図3は、固定治具100の側面図である。
【図4】図4は、固定治具100の上面図である。
【図5】図5は、図1の位置合わせ装置にハニカム構造体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5のハニカム構造体の端面の拡大図である。
【図7】図7は、図5の位置合わせ装置に位置合わせ用マスクを固定した状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、図7の位置合わせ用マスクの拡大上面図である。
【図9】図9は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせが完了した状態である。
【図10】図10は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の位置がX方向にずれている状態である。
【図11】図11は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の位置がZ軸周りの回転方向にずれている状態である。
【図12】図12は、図9の位置合わせ装置に封口用マスクを固定した状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図12の位置合わせ装置から固定治具を除去した状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態に係る封口装置及び封口方法を示す部分断面図である。
【図15】図15は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図16】図16は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図17】図17は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図18】図18は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図19】図19の(a)は、本発明の他の実施形態に係る封口用マスクの一例を示す上面図であり、図19の(b)は、図19の(a)の封口用マスクをハニカム構造体の端面に対して位置合わせした状態を示す部分断面図である。
【図20】図20は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせ装置の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
(位置合わせ装置400)
まず、本実施形態で用いる位置合わせ装置400について説明する。本発明の一実施形態にかかる位置合わせ装置400は、図1に示すように、主として、固定治具100と、固定治具100を着脱可能に固定する架台部300とを有する。架台部300は、主として、台座302と、台座302に固定された移動機構310と、台座302に固定された台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304とを有している。
【0018】
(台座302)
台座302は、板状をなす部材であり、上面が水平面となるように配置されている。移動機構310は、この台座302の上面に固定されている。
【0019】
(移動機構310)
図1に示す、移動機構310は、移動部材320と、移動部材320を移動させる移動部310Aとを有する。移動部310Aは、回動部310θと、Y移動部310Yと、X移動部310Xとを有しており、移動部材320を、台座302に対して、水平面(XY面)と平行な方向に移動可能、かつ、水平面と垂直な軸(Z軸)周りに回動可能である。また、移動部310Aは、Z移動部310Zを有することができる。
【0020】
回動部310θは、ハンドル310θaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を鉛直軸(Z軸)周りに回動、すなわち、正逆両方向に回転する。Y移動部310Yは、ハンドル310Yaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±Y方向に移動させる。X移動部310Xは、ハンドル310Xaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±X方向に移動させる。Z移動部310Zは、ハンドル310Zaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±Z方向に移動させる。
【0021】
図13は、図1の位置合わせ装置400から、固定治具100を取り外した状態の架台部300を示すものである。移動部材320は、移動部310Aとの接続部320bと、接続部320bに接続された円板状の円板部320a、及び、円板部320aの上面中央に設けられた凸部320cとを有する。
【0022】
(固定治具100)
図1〜図4に示すように、移動部材320上に載置される固定治具100は、主として、固定治具台座10、エアピッカー30、電磁ホルダ(固定治具側マスク固定部材)20を有する。図2の(a)は本実施形態に係る固定治具100の上面斜視図、図2の(b)は固定治具100の下面斜視図、図3は固定治具100の側面図、図4は固定治具100の上面図である。
【0023】
固定治具台座10は、図2に示すように、概ね円板状をなし、上面中央部に円板状の凸部12を有する。凸部12の上面中央部には、円板状の凹部14が形成され、凹部14の上面が、ハニカム構造体の端面を載置する載置面14aとなる。凹部14の直径は、図5に示すように、ハニカム構造体70の下端部を収容できる大きさとされている。図2の(b)及び図3に示すように、固定治具台座10の底面には凹部10aが形成されている。固定治具台座10の凹部10aは、図13に示す、移動部材320の凸部320cと嵌合可能とされている。
【0024】
図2に戻って、エアピッカー30は、支持棒31の上端に取り付けられている。支持棒31は、載置面14aを取り囲むように3つ配置されている。したがって、本実施形態では、エアピッカー30を3つ備えている。3つのエアピッカー30は、図4に示すように、載置面14aの中心O周りに互いに120度離れた位置に配置されており、図5に示すように、載置面14a上に載置されるハニカム構造体の側面70sを3方から挟持可能な位置に配置されている。
【0025】
図2に戻って、エアピッカー30は、ガス出入口30cを有するベース部30aと、ガス出入口30cから供給されるガスにより膨らむことの出来るゴム中空体30bとを備える。エアピッカー30に対して、ガス出入口30cからガスを供給すると、ゴム中空体30bが膨らんでハニカム構造体の側面を3方から押圧できる一方、ガス出入口30cからガスを排出すると、ゴム中空体30bがしぼんでハニカム構造体の側面を押圧しなくなる。なお、ガスの配管は図示を省略している。
【0026】
電磁ホルダ20は、支持棒21の上端に取り付けられている。支持棒21は、載置面14aを取り囲むように3つ配置されている。したがって、本実施形態では、電磁ホルダ20を3つ備えている。3つの電磁ホルダ20は、図4に示すように、載置面14aの中心O周りに互いに120度離れた位置に配置されており、図7に示すように、ハニカム構造体70の上面に配置される位置合わせ用マスク270や封口用マスク170(図12参照)の外周部170pの下面に3方から対向する位置に配置されている。図4に示すように、電磁ホルダ20と、エアピッカー30とは、載置面14aの中心O周りに互いに60度離れた位置に配置されている。
【0027】
電磁ホルダ20は、図3に示すように、上面20aが平面とされている。図3に示すように、この電磁ホルダ20の上面20aの位置は、載置面14a上に載置されるハニカム構造体70の上端面と同一平面となるようにされている。
【0028】
電磁ホルダ20は、図2に示すように、上面20aから磁束を放出する永久磁石20bと、この磁束と逆向きの磁束を放出可能な電磁石20cと、を内部に有している。電磁石20cに電流が流れていない場合には、永久磁石20bの磁界により、上面20a上の磁性を有する金属板の下面を吸着してこれを固定できる一方、電磁石20cに電流が流れている場合には、永久磁石20bの磁界が電磁石の磁界により弱められるため、上面20a上の金属板を容易に移動させることができる。
【0029】
(台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304)
図1に戻って、台座側マスク固定板304(台座側マスク固定部材)は、移動機構310を間に挟んで台座302と対向配置されている。
【0030】
台座側マスク固定板304は、支持棒306により、台座302と所定距離離間するように台座302に固定されている。台座側マスク固定板304の上面には、位置合わせ用マスク270(図7参照)及び封口用マスク170(図12参照)を収容して固定可能な凹部304bが形成されている。凹部304bは、図7及び図12に示すように、位置合わせ用マスク270(図7参照)及び封口用マスク170(図12参照)の中央部がハニカム構造体70の上端面に対向するように、マスクを収容しXY面内での動きを固定する。また、凹部304bには、位置合わせ用マスク270のオリエンテーションフラット270of(図7参照)、及び封口用マスク170のオリエンテーションフラット170of(図12参照)に当接可能な平坦な当接部304ofが形成されており、これらのマスク170,270の固定時に、これらマスク170,270の向きが固定されると共に、マスクのZ軸周りの回転も規制される。
【0031】
さらに、図1に示すように、台座側マスク固定板304には、その側面の一端から凹部304bの中央部までに亘って延びる切欠き304aが形成されている。切欠き304aは、図5に示すように、固定治具100が移動部材320に固定された状態において、ハニカム構造体70及び電磁ホルダ20の上端部を収容する。また、切欠き304aは、移動部材320から離脱した固定治具100を外部に持ち出す際に、ハニカム構造体70や電磁ホルダ20が台座側マスク固定板304に引っかからずに容易に持ち出せるようになっている。切欠き304aのX方向の幅は、凹部304bのX方向の幅、すなわち、マスクの直径よりは小さくされている。
【0032】
また、台座側マスク固定板304の凹部304bの底面は平面とされ、その高さは、固定治具100が移動部材320上に固定された状態において、固定治具100の電磁ホルダ20の上面20aと同一面上にあるようにされる。したがって、台座側マスク固定板304の凹部304bの底面と、載置されるハニカム構造体70の上端面とは同一面上にあることとなる。なお、凹部304bの底面と、ハニカム構造体70の上端面とが同一面上でない場合には、後述する位置合わせ工程の前等に、移動部310Zのハンドル310Zaを適宜回して調節すればよい。
【0033】
(製造方法)
続いて、このような位置合わせ装置400を使用したハニカムフィルタの製造方法について説明する。
【0034】
まず、図2のように位置合わせ装置400から分離された状態の固定治具100に対して、ハニカム構造体70を、開口がある一端面(下面)が載置面14aと対向するように、固定治具100の載置面14a上に載置する。その後、エアピッカー30のガス出入口30cからガスを供給することにより、ゴム中空体30bを膨らませ、ゴム中空体30bによりハニカム構造体70の側面70sを3方から挟持する。これにより、ハニカム構造体70が、固定治具台座10に対して固定される(固定治具固定工程)。
【0035】
続いて、図5に示すように、位置合わせ装置400の移動機構310の移動部材320上に、ハニカム構造体70を固定した固定治具100を載置し、固定治具100を移動部材320に固定する。このとき、図13の移動部材320の凸部320cと、図2の(b)の固定治具100の固定治具台座10の底面の凹部10aとを嵌合させる。
【0036】
(ハニカム構造体70)
ここでハニカム構造体70について説明する。ハニカム構造体70は、図5及び図6に示すように、互いに平行に伸びる複数の貫通孔70aを有する円柱体である。
【0037】
ハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。本実施形態では、貫通孔70aの断面形状は正方形であり、例えば、貫通孔の断面のサイズは、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。貫通孔70a間の間隔である隔壁の厚みは、0.05〜0.5mmとすることができる。
【0038】
図6はハニカム構造体70の端面図である。図6に示すように、ハニカム構造体70の端面70eにおいて、多数の断面正方形の貫通孔70aはマトリクス状に配置、特に、正方形配列、すなわち、各貫通孔70aの中心が、仮想的な正方形の頂点に配置されている。また、外壁の輪郭70pは、円形である。ここで、端面における輪郭の中心をOとする。
【0039】
ハニカム構造体70は、後で焼成することにより多孔性セラミクスとなるグリーン(未焼成体)とでき、この場合、セラミクス原料を含む成形体や、セラミクス粒子の成形体であることができる。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。このようなハニカム構造体70は、セラミクス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
【0040】
例えば、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
【0041】
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。
【0042】
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
【0043】
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。
【0044】
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜10重量部とでき、0.1〜5重量部とできる。
【0045】
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜20重量部とでき、2〜8重量部とできる。
【0046】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。
【0047】
このようなハニカム構造体70は例えば以下のようにして製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切断後、公知の方法で乾燥することにより、ハニカム構造体70を得ることができる。
【0048】
なお、ハニカム構造体は、未焼成体でなくて、焼成済みのもの(例えば、多孔質セラミクス)であってもよい。
【0049】
続いて、図7に示すように、位置合わせ用マスク270を、その中央部がハニカム構造体70の上端面と対向し、かつオリエンテーションフラット270ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、台座側マスク固定板304の凹部304bに嵌め込む。これにより、位置合わせ用マスク270は、台座302に対して、水平面(XY面)の並進方向、及び、鉛直軸(Z軸)周りの回転方向の動きが規制される(台座への位置合わせ用マスク固定工程)。
【0050】
ここで、図8〜図11を参照して位置合わせ用マスク270について説明する。位置合わせ用マスク270の外径は、ハニカム構造体70の外径よりも大きくなっており、位置合わせ用マスク270は、ハニカム構造体70とは対向しない環状の外周部270pを有する。位置合わせ用マスク270の材料は特に限定されず、後述する電磁ホルダ20による吸着が可能である必要もない。例えば、材質としては、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板(SECC)、冷間圧延鋼板(SPCC)、樹脂板等が挙げられる。
【0051】
図8に示すように、位置合わせ用マスク270は、円板状の板270bと、この板270bに形成された矩形の開口270aを4つ備える。各開口270aの長軸の延長線axは板270b上の一点Pを通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角はそれぞれ90度である。一点Pは円板の中心にできる。また、位置合わせ用マスク270は、円板状の板270bの中心Pを中心とする中央開口部270hを備える。
【0052】
このような位置合わせ用マスク270によれば、図9に示すように、ハニカム構造体70の端面70eと対向したときに、位置合わせ用マスク270の各開口270aから、それぞれハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭の部分70p1、70p2,70p3,70p4を見ることができる。特に、本実施形態では、開口270aは、輪郭70pの内、図9に示すように、ハニカム構造体70の端面70eの中心Oの周りに90度ずつ離れた4つの輪郭の部分70p1、70p2,70p3,70p4を露出させることが出来る。このとき、4つの開口270aにおいて、輪郭の部分70p1〜70p4と、開口270aの外周側の短辺270asとの最短距離D1、D2、D3,D4がすべて等しくなった場合に、位置合わせ用マスク270の中心Pと、ハニカム構造体70の端面の中心Oとが合致したものとすることができる。ここで、最短距離D1〜D4は、0〜10mmとできる。また、本実施形態では、中央開口部270hからも、ハニカム構造体70の端面70eの部分70p0を見ることができる。これにより、位置合わせ用マスク270の中心Pと、ハニカム構造体70の端面の中心Oとを合致させ易くなる。
【0053】
また、この状態で、さらに、開口270aから、ハニカム構造体70の隣り合う複数の貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eを見ることができ、本実施形態の位置合わせ用マスク270は、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの内の半径方向に延びる長辺270arとが平行となりうるようにされている。開口270aの幅Wは特に限定されないが、隣り合う貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向が見えるようにすべく、貫通孔70aの径よりも広いことが必要である。特に、開口270aの短辺の幅Wは、その幅方向に2列以上の貫通孔70aの輪郭を露出させることができる距離とでき、5列以下とでき、また4列以下とできる。また、開口270aの半径方向の長さRは、貫通孔70aの輪郭が2つ以上並ぶことができる長さである必要があるが、3つ以上、また10個以上並ぶことができる長さである。本実施形態では、隣り合う複数の貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になった状態で、ハニカム構造体70のZ軸まわりの回転位置と、位置合わせ用マスク270の回転位置とが合致したこととすることができる。すなわち、本実施形態では、4つの開口270から見えるD1〜D4の距離が同じでかつ、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eが長辺270arと平行になる図9の状態が、ハニカム構造体70と、位置合わせ用マスク270との位置合わせが完了した状態である。この場合、中央開口部270hから見えるハニカム構造体70の端面70eの部分70p0において、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置するか否かによっても、位置合わせが完了したか否かを判断することができる。
【0054】
通常、位置合わせ用マスク270を、凹部304bにはめ込んだ状態では、図9のように4つの開口270から見えるD1〜D4の距離が同じでかつ、かつ、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置し、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eが長辺270arと平行になることは少ない。したがって、必要に応じて移動部310Aの各ハンドル310θa、310Xa、310Yaを回すことにより、ハニカム構造体70の貫通孔70aと、位置合わせ用マスク270の開口270aとの位置合わせを行い、これにより、ハニカム構造体70の端面のXY方向の水平位置、及び、Z軸周りの回転位置を、位置合わせ用マスク270に対して所定の正しい位置にあわせ、図9の状態にする(ハニカム構造体位置合わせ工程)。
【0055】
例えば、ハニカム構造体70の端面70eの中心位置Oと、位置合わせ用マスク270の中心位置PとがX方向にずれている場合、図10に示すように、−X側の開口270a内にハニカム構造体の外壁の輪郭70pが見えなくなって距離D2が定義できなくなったり、距離D4が、他の距離D3,D4等よりも大きくなる。中央孔部270hから見えるハニカム構造体70の端面70eの部分70p0においても、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置しなくなる。この場合には、X移動部310を駆動して、ハニカム構造体70を移動させ、D1〜D4が同じとなり、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置するように、位置を合わせればよい。
【0056】
また、ハニカム構造体の端面70e及び位置合わせ用マスク270のZ軸周りの回転位置が異なっている場合には、図11に示すように、開口における貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arの方向とが平行でなく、斜めとなる。この場合には、回動部310θを駆動して、ハニカム構造体70を時計回りに回転させ、これらが平行となるように位置を合わせればよい。
【0057】
なお、位置合わせの具体的方法は特に限定されず、距離D1〜D4、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hにおける貫通孔70aの隔壁の交差部の位置、方向E及び長辺270arの方向を目視で判断しながら、ハンドル310θa、310Xa、310Yaを手で回して合わせてもよい。また、カメラで撮影した画像に基づいて、公知の画像解析法により距離D1〜D4、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hにおける貫通孔70aの隔壁の交差部の位置、方向E及び長辺270arの方向を認識し、必要な移動量をコンピュータにより求め、移動部をコンピュータにより自動的に制御してもよい。
【0058】
この位置合わせの際に、図7に示す各電磁ホルダ20の上面20aは、位置合わせ用マスク270の外周部170pと対向している。そして。位置合わせ用マスク270が磁石に吸着する材料である場合には、電磁ホルダ20の電磁石20cに電流を流しておき、永久磁石20bの磁束をキャンセルすることにより、電磁ホルダ20の上面20aによる吸着力の発生を抑制し、位置合わせ用マスク270が電磁ホルダ20の上面20aの上で水平方向に自由に動けるようにしておく。なお、位置合わせ用マスク270が磁石に吸着しない材料の場合にはこのような工程は不要である。
【0059】
続いて、台座側マスク固定板304の凹部304bから位置合わせ用マスク270を除去する(位置合わせ用マスク除去工程)。その後、図12に示すように、この凹部304bに、封口用マスク170をそのオリエンテーションフラット170ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、嵌め込む(封口用マスク配置工程)。これにより、封口用マスク170が、台座302に対して、水平面の並進方向、及び、鉛直軸周りの回転方向の動きが規制される。
【0060】
(封口用マスク170)
ここで、封口用マスク170について説明する。封口用マスク170は、図12に示すように、位置合わせ用マスク270と同一の外形形状の板状部材であり、多数の貫通孔170aを有する。すなわち、封口用マスク170の外径は、ハニカム構造体70の外径よりも大きくなっており、封口用マスク170は、ハニカム構造体70とは対向しない環状の外周部170pを有する。また、封口用マスク170には、マスクの回転方向の動きを固定すべく端面に平坦切欠部としてのオリエンテーションフラット170ofが設けられている。特に、封口用マスク170は、電磁ホルダ20による吸着を可能とすべく、磁力により吸着可能な強磁性材料、例えば、フェライト系ステンレスからなるものとできる。
【0061】
封口用マスク170の貫通孔170aの平面形状は、例えば、ハニカム構造体70の貫通孔70a(図6参照)に対応する正方形とすることができる。これらの複数の貫通孔170aは、図12に示すように、千鳥配置とされており、各貫通孔170aは、図6の正方配置されたハニカム構造体70の複数の貫通孔70aのうち、互いに上下左右に隣接しない関係にある複数の貫通孔のみに対向して配置される。特に、この封口用マスク170は、上述のようにして、ハニカム構造体70の端面70eと、位置合わせ用マスク270とが正確に位置合わせされた状態、すなわち、ハニカム構造体の端面70eと台座側マスク固定板304の凹部304bとが位置合わせされた状態で、凹部304bに嵌め込むことによって、封口すべき貫通孔70aと貫通孔170aとが連通し、かつ、封口すべきでない貫通孔70aが遮蔽されるように、予め、オリエンテーションフラット170ofに対して各貫通孔170aが配置されている。
【0062】
このような封口用マスク170を、図12に示すように、オリエンテーションフラット170ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、台座側マスク固定板304の凹部304bに嵌め込むことにより、何ら位置合わせ作業をすることなく、封口すべきハニカム構造体70の貫通孔70aと、封口用マスク170の貫通孔170aとが互いに連通し、かつ、封口したくないハニカム構造体70の貫通孔70aが封口用マスク170により遮蔽される。すなわち、封口用マスク170の貫通孔170aからハニカム構造体の端面70eを見ながらこれらの位置合わせをする必要がない。この時、嵌め込まれた封口用マスク170は、台座302に対する、水平面の並進方向、及び、鉛直軸周りの回転方向の動きが規制される(台座へのマスク固定工程)。
【0063】
続いて、ハニカム構造体70と封口用マスク170との位置があった状態で、電磁ホルダ20により封口用マスク170を固定治具台座10に対して固定する(固定治具へのマスク固定工程)。例えば、電磁ホルダ20の電磁石に電流を流している場合には、各電磁ホルダ20の電磁石20cの電流を切ることにより、永久磁石20bによる磁束により封口用マスク170の外周部170pの下面を吸着できる。なお、封口用マスク170をはめ込む前に、電流を切っていていても構わない。
【0064】
続いて、図13に示すように、固定治具100を、固定されていた移動部材320からリリースすると共に、封口用マスク170を、固定されていた台座側マスク固定板304からリリースする(固定治具の移動部材からの開放工程)。ここでは、例えば、図13の矢印Aに示すように、固定治具100の固定治具台座10を少し上方に動かした後、切欠き304aに沿って−Y方向に動かせばよい。これにより、ハニカム構造体70の貫通孔70aと、封口用マスク170の貫通孔170aとの位置があった状態で、これらを固定治具100と共に位置合わせ装置400の台座302から離れた場所の封口装置に搬送可能である。
【0065】
続いて、図14に示す封口装置200において、封口用マスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の所望の貫通孔70aに封口材を供給する(封口工程)。本実施形態に係る封口装置200は、主として、本体部210、弾性板220、ポンプ250を備える。
【0066】
本体部210は、剛性材料から形成されている。剛性材料としては、ステンレス等の金属や、繊維強化プラスチック等のポリマー材料が挙げられる。本体部210の上面210aには、円柱状の凹部210dが形成されている。凹部210dの内面には、多孔質部材210pが貼り付けられている。
【0067】
弾性板220は、凹部210dの開口面を覆うように、本体部210の上面210a上に、配置されている。弾性板220は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性板220としては、ゴム板とできる。ゴムとしては、天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが挙げられる。弾性板220の厚みは特に限定されないが、例えば、0.3〜3.0mmとすることができる。
【0068】
弾性板220は、リング部材225、及び、ボルト231により本体部210に固定されている。リング部材225は、本体部210の凹部210dに対応する位置に開口225aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材225は、弾性板220における中央部(凹部210dとの対向部)が露出するように弾性板220上に配置されている。これにより、弾性板220の外周部が、本体部210とリング部材225とにより挟まれている。リング部材225及び弾性板220には貫通孔hがそれぞれ形成され、本体部210には、これら貫通孔hに対応するねじ孔jが形成されており、ボルト231がこれらの貫通孔hを貫通して配置され、ねじ孔jにねじ込まれて固定されることにより、本体部210の上面210aにおける凹部210dのまわりの部分に、弾性板220の外周部が密着して固定されている。
【0069】
本体部210は、さらに、凹部210dの底面の多孔質部材210pに連通する連通路210eを有している。連通路210eには、接続パイプ214を介してポンプ250が接続されている。
【0070】
ポンプ250は、シリンダ251、シリンダ251内に配置されたピストン253及びピストン253に接続されたピストンロッド254を備える。ピストンロッド254には、ピストンロッド254を軸方向に往復移動させるモータ255が接続されている。
【0071】
本実施形態では、弾性板220と、ピストン253と、の間には、本体部210、接続パイプ214、及び、シリンダ251により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、気体、液体等の流体FLが充填されている。そして、ピストン53を移動させることにより、本体部210の凹部210d内から流体FLを排出して弾性板220を凹部210dの内面に密着させて弾性板220による凹部220dを形成することができ(図5の凹部210dの左側の状態)、また、凹部210d内に流体FLを供給することに弾性板220を凹部210dの底部から引き離すこと(図5の凹部210dの右側の状態)が出来る。
【0072】
そして、予め、ピストン253を下げることにより、図14の凹部210dの左側のように、弾性板220による凹部220dを形成し、この凹部220d内に封口材130を貯留しておく。
【0073】
封口材130は、ハニカム構造体70の貫通孔70aの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、液状とできる。例えば、封口材として、セラミクス材料又はセラミクス原料と、バインダと、溶媒とを含むスラリーが例示できる。
【0074】
セラミクス材料としては、上述のハニカム構造体の構成材料や、その原料が挙げられる。
【0075】
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。バインダの使用量は、セラミックス源粉末を100質量部に対して、例えば、30.2〜5000質量部とすることができる。
【0076】
潤滑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤の使用量は、セラミックス源粉末の100質量部に対して、2〜20質量部とすることができる。
【0077】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水、イオン交換水などを用いることができる。なかでも、水とでき、不純物が少ない点で、イオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、セラミックス材料を100質量部に対して、例えば、1520〜460質量部とすることができる。
【0078】
続いて、本体部210の凹部210d上に、上述した固定治具100を配置する。ここでは、固定治具100を、図13の状態から、封口用マスク170が下側になりかつ固定治具台座10が上側になるように天地をひっくり返し、封口用マスク170をリング部材225の開口225a内に配置し、封口用マスク170が弾性板220の凹部220dと対向するように配置する。
【0079】
続いて、ポンプ250のピストンを上方に移動させることにより、凹部210d内に流体FLを供給し、これによって、図14の凹部210dの右側に示すように、弾性板220を封口用マスク170に向かって移動させる。これにより、封口材130が封口用マスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部が形成する。
【0080】
続いて、ピストン53をさらに上昇させ弾性板220と本体部210との間にさらに流体FLを供給し、弾性板220を上方向に凸状に変形させ、ハニカム構造体70及びマスクを固定する固定治具100を、弾性板220から引き離す。その後、電磁ホルダ20の電磁石を駆動し、マスクを除去し、その後、エアピッカー30を収縮させることにより、ハニカム構造体70を固定治具台座10から外すことが出来る。そして、必要に応じて、同様の操作により、ハニカム構造体70の他の面のマスク固定及び封口を行うことができる。そして、封口されたハニカム構造体を乾燥、焼成することにより、ハニカムフィルタを製造することが出来る。
【0081】
続いて、本実施形態の作用を説明する。従来の方法では、図12の封口用マスク170の貫通孔170aから、ハニカム構造体70の端面を見ながらハニカム構造体やマスクを移動させて位置合わせをしていた。この場合、位置合わせが完了した状態では封口用マスク170の貫通孔170aから、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pや貫通孔70aの輪郭を見ることは困難であり、精度良く位置合わせをすることは非常に困難であった。
【0082】
これに対して、本実施形態では、封口用マスク170とは異なる位置合わせ用マスク270を台座側マスク固定板304の凹部304b(所定位置)に固定し、距離D1〜D4が同一となり、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置し、かつ、方向E及び長辺270arの方向が平行となるようにハニカム構造体70を配置することにより、位置合わせ用マスク270に対して、ハニカム構造体70の端面70eを正確にかつ容易に位置合わせできる。そして、このようにして、位置を合わせた後に、凹部304bにある位置合わせマスク270と、封口用マスク170とを交換することにより、封口用マスク170の貫通孔170aからハニカム構造体70の端面70eを見ながらこれらの位置合わせ作業をする必要なく、ハニカム構造体70と封口用マスク170との正確な位置合わせが可能である。
【0083】
特に、本実施形態では、位置合わせ用マスク270の開口270aが、ハニカム構造体70の位置合わせ後の状態において、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pの内、端面70eの中心Oの周りに90度ずつ離れた4つの輪郭の部分70p1〜70P4を露出させるので(図9参照)、特に、XY方向の位置合わせが特に高精度に行なえる。
【0084】
また、位置合わせ用マスク270の開口270aの輪郭が直線部分である長辺270arを有し、方向Eと、この長辺270aとが平行になるように位置合わせするので、Z軸周りの回転位置の位置合わせも高精度にできる。
【0085】
本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態では、位置合わせ用マスク270の開口270aは、互いに孤立しているが、図15に示すように、これが一体に十字状になっていても実施可能である。なお、孤立している方が、マスクの強度が強くなる。
【0087】
また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの配置も、正方形配置でなくてもよく、例えば、3角配置、千鳥配置等でも構わない。この場合、貫通孔70aの配置に合わせて、位置合わせ用マスク270の開口270aの数や位置も変更することができる。
【0088】
例えば、図16に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている、すなわち、貫通孔70aの中心が仮想的な正三角形の頂点にそれぞれ配置されている場合には、位置合わせ用マスク270の矩形の開口270aの数を3つとし、各開口270aの長軸の延長線axが一点P(例えば、マスク270の中心)を通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角がそれぞれ120度であることができる。この場合も、外周側の短辺270asと輪郭の部分70p1〜70p3との最短距離D1〜D3が同じとなるようにし、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pと貫通孔70aの中心とが一致し、かつ、隣り合う貫通孔70aの並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように位置合わせすればよい。
【0089】
また、図17に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている場合には、位置合わせ用マスク270の矩形の開口270aの数を6つとし、各開口270aの長軸の延長線axが一点P(例えば、マスク270の中心)を通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角がそれぞれ60度であることもできる。この場合も、最短距離D1〜D6が同じとなるようにし、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pと貫通孔70aの中心とが一致し、かつ、距離方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように位置合わせすればよい。すなわち、図16や図17のように、貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている場合には、端面の外壁の輪郭の内、輪郭の中心周りに120度ずつ離れた少なくとも3つの部分を露出させることができ、これにより隣り合う貫通孔の輪郭を露出させることも出来る。
【0090】
このように、開口の数や配置は、ハニカム構造体70の貫通孔70aが中央部から外側に向かって放射状に並ぶ方向に合わせて設定でき、位置合わせマスクの中央部から細長い開口をその長軸が放射状となるように配置することができる。特に、位置合わせ用マスク270は、3つ以上の細長い開口270aを備え、開口270aの長軸がそれぞれマスクの主面の一転、(例えば重心や中心)を通る直線に沿って配置され、これらの直線同士が等角度で交差するように開口が放射状に配置されていることができる。
【0091】
また、位置合わせの判断方法も、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pが開口270a内の所定の位置に現れるようにするものであれば上述には限定されない。例えば、上記実施形態では、外周側の短辺270asと外壁の輪郭の部分70p1〜70p4との最短距離D1〜D4の最短距離が同一であるかにより判断をしているが、例えば、図8に示すように、位置合わせ用マスク270の開口270aの周りに、ハニカム構造体70の端面70eの輪郭が配置されるべき位置を示す目盛り270Lを設け、この目盛り270Lと重なるように輪郭を移動させてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、図9に示すように、隣接する貫通孔70aが並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように回転位置を合わせているが、方向Eに基づいて位置を合わせればよく、例えば、方向Eを開口270aの長軸とあわせるほか、マスク以外のもの、例えば、台座302の輪郭等と一致するように位置を合わせてもよい。
【0093】
したがって、開口270aの形状も、外壁の輪郭や隣接する複数の貫通孔を露出させる開口であれば、矩形には限定されず、例えば、矩形の短辺を曲線としたもののほか、直線部を有さない楕円形等の種々の形態が可能である。また、全ての開口が同じ形状及び大きさである必要はない。ハニカムフィルタ70の貫通孔70aが三角形配列、四角形配列、千鳥配列等のように規則正しく配列されている場合には、細長い開口を3つ以上有し、板20bの主面において、開口270aの長軸の延長線axが一点で互いに等角度に交差するように開口270aが放射状に配置されることができる。細長い開口の長軸は、開口270aに外接する最小面積の長方形を作り、短辺の中央同士を結ぶ線により規定できる。
【0094】
また、上記実施形態の図9、図16、図17では、各開口270aは、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70p、及び、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を両方露出させているが、各開口270aが、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pを露出させる開口と、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させる開口とに分離されていても実施は可能である。
【0095】
また、上記実施形態では、開口270aは、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させているが、少なくともハニカム構造体70の外壁の輪郭70pを露出させる開口を有していれば、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させる開口を有さなくても実施は可能である。例えば、図18に示すように、ハニカム構造体70の外形形状が正方形等の多角形である場合には、多角形の各角部に対応する数、例えば、四角形(例えば、正方形)なら4つの開口270aから、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pの内の角部70cを露出させれば、例えば、輪郭70pと開口270aの辺との距離Dの距離が同じになるように移動させることにより、中心位置及び回転位置を両方位置合わせすることが出来る。
【0096】
また、上記実施形態では、正確な位置合わせのために、位置合わせ用マスク270は、複数個の開口270aを有しているが、開口270aの数は特に限定されない。例えば、図9の場合、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角が90度となる2つの開口270aのみを有していても実施可能である。この場合、2つのDの値(例えば、D1,D2)をそれぞれ予め定められた値となるようにすればよい。また、開口2701つのみの場合でも、図8のように目盛り270Lを設け、この目盛りに合致するように輪郭を移動させれば実施可能である。
【0097】
また、図18のように、輪郭70pのみでよい場合も、例えば、1つの開口270aのみを有していても実施可能である。この場合、角部70cを構成する2つの輪郭70pと、開口270の2つの辺とがそれぞれ平行になるようにし、かつ2つのDがそれぞれ予め定められた値となるようにすればよい。
【0098】
また、位置合わせ用マスク270や封口用マスク170の外形形状は、円に限定されず、任意の形状が可能である。例えば、楕円や、矩形、三角形、六角形等の多角形を取ることができる。特に、正方形、正三角形、正六角形等の正多角形とできる。また、開口270aの長軸の延長線が交差する一点Pは、主面の形状の重心とすることができ、正多角形等であれば中心とできる。また、一点Pが、主面の重心とは異なる位置に配置され、偏心していても実施は可能である。
【0099】
また、固定治具100の態様は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、3つあるエアピッカー30の配置位置を、図4のZ軸から見て、互いに120度離れた位置としているが、120度ではなくても実施可能である。例えば、互いに、80〜100度となる位置にすることができる。また、エアピッカー30は3つでなくても2つでも、4つ以上でも実施は可能である。n個ある場合の角度は、360/nとできる。強固にハニカム構造体70を固定する観点からは、エアピッカー30は、ハニカム構造体70の側面を取り囲むように3つ以上とできる。
【0100】
また、上記実施形態では、固定治具100は、ハニカム構造体70の側面を挟持すべくエアピッカー30を採用しているが、ハニカム構造体の側面を挟持できるものであれば、エアピッカーでなくても実施可能である。例えば、水平断面が楕円形状のゴムローラを用い、固定時には長軸側がハニカム構造体の側面と当接して挟持する一方、非固定時には短軸側がハニカム構造体の側面と離間しながら対向して非挟持となるように、回動可能とされたゴムローラを使用してもよい。また、ベルト状の部材によりハニカム構造体の側面を挟持してもよい。また、固定治具100は、ハニカム構造体70の側面を挟持する以外の方法でハニカム構造体を固定してもよい。例えば、固定治具台座10の表面に、ハニカム構造体の貫通孔に対応する針が多数立設されたものを用いてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、固定治具100において、3つある電磁ホルダ20の配置位置を、図4のZ軸から見て互いに120度離れた位置としているが120度ではなくても実施可能である。例えば、互いに、80〜100度となる位置にすることができる。また、電磁ホルダ20も、3つでなくても2つでも、4つ以上でも実施は可能である。n個ある場合の角度は、360/nとできる。電磁ホルダ20は、ハニカム構造体70の側面を取り囲むように3つ以上あることが好ましい。
【0102】
また、上記実施形態では、封口用マスク170の外周部170pの下面の吸着部材として、永久磁石及び電磁石を有する電磁ホルダ20を採用しているが、上記の電磁ホルダに限られない。例えば、封口用マスク170を、吸着する状態と、非吸着の状態とを切替えることが出来るものとでき、永久磁石を有さず電磁石のみを有する電磁ホルダでもよいし、真空吸着パッドを用いてもよい。また、固定治具台座10に固定され、封口用マスク170を固定可能なものであれば吸着するものに限られず、例えば、マスクの周辺部を挟むもの等でも実施は可能である。
【0103】
また、上記実施形態では、Z軸から見て、電磁ホルダ20と、エアピッカー30とが互いに60度離れているが、これに限定されず、Z軸の高さ方向の位置が異なれば、Z軸から見て互いの角度が0度すなわち重なっていても実施可能である。
【0104】
また、固定治具台座10の形状も特に限定されず、また、固定治具台座10にエアピッカー30や電磁ホルダ20を固定する方法も特に限定されない。これらを支持棒21,31で支持すると、支持棒間に間隙ができるので、ハニカム構造体70の載置や取出しが容易である。
【0105】
また、移動機構310の移動部310Aの構成や、移動部材320の形状等も、上記実施形態に限定されない。例えば、移動部材320は、図13に示すように凸部320cを備えているが、凸部320cを備えずに移動部材320の上面に凹部があり、固定治具台座10の底面に凸部があっても実施可能であり、両方が平坦であっても実施可能である。また、凸部320cは、図13のように、柱状であるが、錐状(例えば円錐状)であっても良く、この場合、固定治具100の固定治具台座10底面には、対応する錐状の凹部を形成すればよい。
【0106】
また、台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304の形態も上記実施形態のように、切欠き部を有する位置合わせ用マスク270及び封口用マスク170を嵌合する事ができる凹部と当接部とを有する板に限定されず、台座302に固定されかつハニカム構造体70の端面と対向する位置に着脱可能にこれらのマスクを固定(規制方向は、移動部310Aの3つの移動方向)できるものであればよく、例えば、これらマスクに位置決め用の貫通穴が開いており、凹部にはこの貫通穴に係合可能な凸部を有してもよい。
【0107】
さらに、上記実施形態では、移動機構310が移動する面及びマスクが配置される面及びハニカム構造体の端面が配置される面は水平面であるが、これに限定されず、例えば、鉛直面、斜面等であっても実施は可能である。また、台座302の形態も自由である。
【0108】
ハニカム構造体70の形状や構造も上述に限定されない。例えば、ハニカム構造体70の外形形状も円柱でなくてもよく、例えば、四角柱等の角柱でもよい。また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの断面形状は、正方形でなくてもよく、例えば、長方形、三角形、多角形、円形等でも構わない。
【0109】
また、封口用マスク170の形態や封口用マスク170の貫通孔70aのパターンも自由である。さらに、封口装置200の形態も特に限定は無い。また、封口用マスク170や封口用マスク170の外形形状も略円形には限定されず、楕円形、四角形等でも実施可能である。
【0110】
また、図19の(b)に示すように、封口用マスク170の貫通孔170aの断面形状は、テーパ状であることができ、これにより、ハニカム構造体70と、封口用マスク170との間に少々の位置ズレがあっても、所望の貫通孔70aに対して選択的に封口材を供給可能である。これを実現するためには、封口用マスク170の表裏を認識した上で、貫通孔70a側(図19の(b)の上側)の貫通孔170aの径が大きくなるように、封口用マスク170を凹部304bに嵌め込む必要がある。この場合、図19の(a)に示すように、封口用マスク170は、2つのオリエンテーションフラット170of1、170of2有しているものとできる。
【0111】
この場合、例えば、図19の(a)に示すように、封口用マスク170のオリエンテーションフラット170of1、170of2の円板の中心Pを通る垂線f1、f2がなす角が180度以外であり、かつ、オリエンテーションフラット170of1,of2の長さWof1、Wof2が互いに異なっているものとできる。図19の(a)では、Wof1>Wof2である。この場合、封口用マスク170を目視して、例えば、2つのオリエンテーションフラットの長さの順番等に基づいて(具体的には、例えば、短いオリエンテーションフラットから長いオリエンテーションフラットまで最短距離で向かう方向が時計回りとなる面を表面とする)ことにより、封口用マスク170の表裏を容易に正しい向きに配置することができる。また、図20に示すように、凹部304bに対して、このように形成された2つのオリエンテーションフラット170of1,170of2にそれぞれ当接することができる互いに長さの異なる当接部304of1,304of2を設けておくことにより、表裏を逆にした状態で封口用マスク170を凹部304bに配置することを規制することも出来る。図19に示す垂線f1、f2のなす角が、20〜160度とできる。また、オリエンテーションフラット170of1,of2の長さWof1、Wof2の比は、1:1.1〜3とできる。
【符号の説明】
【0112】
10…台座、10a…凹部、20…電磁ホルダ、70…ハニカム構造体、70e…端面、70p…輪郭、170…封口用マスク、170of…オリエンテーションフラット、270…位置合わせ用マスク、270a…開口、270ar…長辺(直線部)、304…台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)、304a…切欠き、304b…凹部、304of…平坦部、310…移動機構、320…移動部材、320c…凸部、100…固定治具、400…位置合わせ装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカムフィルタが、DPF(Diesel particulate filter)用等として広く知られている。このハニカムフィルタは、多数の貫通孔を有するハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側を封口材で封じると共に、残りの貫通孔の他端側を封口材で封じた構造を有する。そして、特許文献1には、このようなハニカムフィルタを製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ7内に配置したハニカム構造体1の一端面に対して、封口する場所に貫通孔を有する封口用マスクを介してピストン8により封口材を貫通孔に押圧することにより、ハニカム構造体の所望の貫通孔の端部に封口材を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭63−24731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハニカム構造体の貫通孔の径は小さい。また、封口用マスクの貫通孔の径もハニカム構造体の貫通孔と同程度以下である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、マスクの貫通孔とを正しく重ね合わせた状態では、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の外壁の輪郭や貫通孔の輪郭を見ることは困難である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせが非常に困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできる位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るハニカム構造体と封口用マスクとの位置合わせ方法は、開口を有する位置合わせ用マスクを所定位置に固定する工程と、複数の貫通孔を有するハニカム構造体を、位置合わせ用マスクと対向する位置に、ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が開口内の所定の位置に現れるように配置する工程と、配置後に、位置合わせ用マスクを所定位置から除去する工程と、除去後に、所定位置に封口用マスクを配置する工程とを備える。
【0007】
従来の方法では、位置合わせが完了した状態で、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の外壁の輪郭を見ることは困難である。これに対して、本発明では、封口用マスクとは異なる位置合わせ用マスクを所定位置に固定し、位置合わせ用マスクの開口内の所定の位置に、ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が現れるようにハニカム構造体を配置することにより、位置合わせ用マスクに対して、ハニカム構造体の端面を正確にかつ容易に位置合わせできる。そして、このようにして、位置を合わせた後に、所定の位置にある位置合わせマスクと、封口マスクとを交換することにより、封口用マスクの開口からハニカム構造体の端面を見ながらこれらの位置合わせ作業をすることなく、ハニカム構造体と封口用マスクとの正確な位置合わせが可能である。
【0008】
ここで、位置合わせ用マスクの開口は、ハニカム構造体の配置後の状態において、端面の外壁の輪郭の内、輪郭の中心周りに90度ずつ離れた4つの部分、または、輪郭の中心周りに120度ずつ離れた3つの部分を露出させることができる。これにより、より精度が向上できる。
【0009】
また、位置合わせ工程では、さらに、ハニカム構造体の互いに隣接する複数の貫通孔の輪郭が開口内で所定の方向に並ぶように、ハニカム構造体を配置することができる。
【0010】
従来の方法では、位置合わせが完了した状態において、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の貫通孔の輪郭を見ることは困難であり、したがって、複数の貫通孔の輪郭同士が並ぶ方向を見ることも困難であった。これに対して、本願発明では、封口用マスクとは異なる位置合わせ用マスクを使用し、位置合わせ用マスクの開口から、複数の貫通孔の輪郭が所定の方向に並ぶようにハニカム構造体を配置することにより、位置合わせ用マスクに対して、ハニカム構造体の端面をより正確にかつ容易に位置合わせすることができる。
【0011】
また、位置合わせ用マスクの開口の輪郭は直線部分を有し、方向と直線部分とは平行であることができる。
【0012】
また、位置合わせマスクは開口を3つ以上有すると共に各開口は細長く、位置合わせマスクの主面において、開口の長軸の延長線が一点で互いに等角度に交差するように開口が放射状に配置することができる。なお、本願において「細長い開口」とは、開口の重心を通り開口を跨る線分の長さで最も短いものを短径とし、当該短径に直交し開口を跨る線分の長さを長径とした場合に、短径よりも長径のものが長い開口を意味する。また、本願明細書において「開口の長軸」とは、開口の重心を通り開口を跨る線分の長さで最も短いものを短径とした場合に、当該短径に直交する直線を意味する。
【0013】
本発明に係るハニカムフィルタの製造方法は、上述の方法によりハニカム構造体と封口用マスクとを位置合わせする工程と、封口用マスクを介して一部の貫通孔に封口材を供給する工程とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできる位置合わせ方法及びハニカムフィルタの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る位置合わせ装置400の斜視図である。
【図2】図2の(a)は、図1の位置合わせ装置400の固定治具100の上面斜視図であり、図2の(b)は、固定治具100の下面斜視図である。
【図3】図3は、固定治具100の側面図である。
【図4】図4は、固定治具100の上面図である。
【図5】図5は、図1の位置合わせ装置にハニカム構造体を固定した状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5のハニカム構造体の端面の拡大図である。
【図7】図7は、図5の位置合わせ装置に位置合わせ用マスクを固定した状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、図7の位置合わせ用マスクの拡大上面図である。
【図9】図9は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせが完了した状態である。
【図10】図10は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の位置がX方向にずれている状態である。
【図11】図11は、図7の状態の位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の拡大上面図であり、位置合わせ用マスク及びハニカム構造体の位置がZ軸周りの回転方向にずれている状態である。
【図12】図12は、図9の位置合わせ装置に封口用マスクを固定した状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、図12の位置合わせ装置から固定治具を除去した状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態に係る封口装置及び封口方法を示す部分断面図である。
【図15】図15は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図16】図16は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図17】図17は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図18】図18は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせマスクの一例を示す上面図である。
【図19】図19の(a)は、本発明の他の実施形態に係る封口用マスクの一例を示す上面図であり、図19の(b)は、図19の(a)の封口用マスクをハニカム構造体の端面に対して位置合わせした状態を示す部分断面図である。
【図20】図20は、本発明の他の実施形態に係る位置合わせ装置の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
(位置合わせ装置400)
まず、本実施形態で用いる位置合わせ装置400について説明する。本発明の一実施形態にかかる位置合わせ装置400は、図1に示すように、主として、固定治具100と、固定治具100を着脱可能に固定する架台部300とを有する。架台部300は、主として、台座302と、台座302に固定された移動機構310と、台座302に固定された台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304とを有している。
【0018】
(台座302)
台座302は、板状をなす部材であり、上面が水平面となるように配置されている。移動機構310は、この台座302の上面に固定されている。
【0019】
(移動機構310)
図1に示す、移動機構310は、移動部材320と、移動部材320を移動させる移動部310Aとを有する。移動部310Aは、回動部310θと、Y移動部310Yと、X移動部310Xとを有しており、移動部材320を、台座302に対して、水平面(XY面)と平行な方向に移動可能、かつ、水平面と垂直な軸(Z軸)周りに回動可能である。また、移動部310Aは、Z移動部310Zを有することができる。
【0020】
回動部310θは、ハンドル310θaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を鉛直軸(Z軸)周りに回動、すなわち、正逆両方向に回転する。Y移動部310Yは、ハンドル310Yaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±Y方向に移動させる。X移動部310Xは、ハンドル310Xaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±X方向に移動させる。Z移動部310Zは、ハンドル310Zaの操作に応じて、台座302に対して、移動部材320を±Z方向に移動させる。
【0021】
図13は、図1の位置合わせ装置400から、固定治具100を取り外した状態の架台部300を示すものである。移動部材320は、移動部310Aとの接続部320bと、接続部320bに接続された円板状の円板部320a、及び、円板部320aの上面中央に設けられた凸部320cとを有する。
【0022】
(固定治具100)
図1〜図4に示すように、移動部材320上に載置される固定治具100は、主として、固定治具台座10、エアピッカー30、電磁ホルダ(固定治具側マスク固定部材)20を有する。図2の(a)は本実施形態に係る固定治具100の上面斜視図、図2の(b)は固定治具100の下面斜視図、図3は固定治具100の側面図、図4は固定治具100の上面図である。
【0023】
固定治具台座10は、図2に示すように、概ね円板状をなし、上面中央部に円板状の凸部12を有する。凸部12の上面中央部には、円板状の凹部14が形成され、凹部14の上面が、ハニカム構造体の端面を載置する載置面14aとなる。凹部14の直径は、図5に示すように、ハニカム構造体70の下端部を収容できる大きさとされている。図2の(b)及び図3に示すように、固定治具台座10の底面には凹部10aが形成されている。固定治具台座10の凹部10aは、図13に示す、移動部材320の凸部320cと嵌合可能とされている。
【0024】
図2に戻って、エアピッカー30は、支持棒31の上端に取り付けられている。支持棒31は、載置面14aを取り囲むように3つ配置されている。したがって、本実施形態では、エアピッカー30を3つ備えている。3つのエアピッカー30は、図4に示すように、載置面14aの中心O周りに互いに120度離れた位置に配置されており、図5に示すように、載置面14a上に載置されるハニカム構造体の側面70sを3方から挟持可能な位置に配置されている。
【0025】
図2に戻って、エアピッカー30は、ガス出入口30cを有するベース部30aと、ガス出入口30cから供給されるガスにより膨らむことの出来るゴム中空体30bとを備える。エアピッカー30に対して、ガス出入口30cからガスを供給すると、ゴム中空体30bが膨らんでハニカム構造体の側面を3方から押圧できる一方、ガス出入口30cからガスを排出すると、ゴム中空体30bがしぼんでハニカム構造体の側面を押圧しなくなる。なお、ガスの配管は図示を省略している。
【0026】
電磁ホルダ20は、支持棒21の上端に取り付けられている。支持棒21は、載置面14aを取り囲むように3つ配置されている。したがって、本実施形態では、電磁ホルダ20を3つ備えている。3つの電磁ホルダ20は、図4に示すように、載置面14aの中心O周りに互いに120度離れた位置に配置されており、図7に示すように、ハニカム構造体70の上面に配置される位置合わせ用マスク270や封口用マスク170(図12参照)の外周部170pの下面に3方から対向する位置に配置されている。図4に示すように、電磁ホルダ20と、エアピッカー30とは、載置面14aの中心O周りに互いに60度離れた位置に配置されている。
【0027】
電磁ホルダ20は、図3に示すように、上面20aが平面とされている。図3に示すように、この電磁ホルダ20の上面20aの位置は、載置面14a上に載置されるハニカム構造体70の上端面と同一平面となるようにされている。
【0028】
電磁ホルダ20は、図2に示すように、上面20aから磁束を放出する永久磁石20bと、この磁束と逆向きの磁束を放出可能な電磁石20cと、を内部に有している。電磁石20cに電流が流れていない場合には、永久磁石20bの磁界により、上面20a上の磁性を有する金属板の下面を吸着してこれを固定できる一方、電磁石20cに電流が流れている場合には、永久磁石20bの磁界が電磁石の磁界により弱められるため、上面20a上の金属板を容易に移動させることができる。
【0029】
(台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304)
図1に戻って、台座側マスク固定板304(台座側マスク固定部材)は、移動機構310を間に挟んで台座302と対向配置されている。
【0030】
台座側マスク固定板304は、支持棒306により、台座302と所定距離離間するように台座302に固定されている。台座側マスク固定板304の上面には、位置合わせ用マスク270(図7参照)及び封口用マスク170(図12参照)を収容して固定可能な凹部304bが形成されている。凹部304bは、図7及び図12に示すように、位置合わせ用マスク270(図7参照)及び封口用マスク170(図12参照)の中央部がハニカム構造体70の上端面に対向するように、マスクを収容しXY面内での動きを固定する。また、凹部304bには、位置合わせ用マスク270のオリエンテーションフラット270of(図7参照)、及び封口用マスク170のオリエンテーションフラット170of(図12参照)に当接可能な平坦な当接部304ofが形成されており、これらのマスク170,270の固定時に、これらマスク170,270の向きが固定されると共に、マスクのZ軸周りの回転も規制される。
【0031】
さらに、図1に示すように、台座側マスク固定板304には、その側面の一端から凹部304bの中央部までに亘って延びる切欠き304aが形成されている。切欠き304aは、図5に示すように、固定治具100が移動部材320に固定された状態において、ハニカム構造体70及び電磁ホルダ20の上端部を収容する。また、切欠き304aは、移動部材320から離脱した固定治具100を外部に持ち出す際に、ハニカム構造体70や電磁ホルダ20が台座側マスク固定板304に引っかからずに容易に持ち出せるようになっている。切欠き304aのX方向の幅は、凹部304bのX方向の幅、すなわち、マスクの直径よりは小さくされている。
【0032】
また、台座側マスク固定板304の凹部304bの底面は平面とされ、その高さは、固定治具100が移動部材320上に固定された状態において、固定治具100の電磁ホルダ20の上面20aと同一面上にあるようにされる。したがって、台座側マスク固定板304の凹部304bの底面と、載置されるハニカム構造体70の上端面とは同一面上にあることとなる。なお、凹部304bの底面と、ハニカム構造体70の上端面とが同一面上でない場合には、後述する位置合わせ工程の前等に、移動部310Zのハンドル310Zaを適宜回して調節すればよい。
【0033】
(製造方法)
続いて、このような位置合わせ装置400を使用したハニカムフィルタの製造方法について説明する。
【0034】
まず、図2のように位置合わせ装置400から分離された状態の固定治具100に対して、ハニカム構造体70を、開口がある一端面(下面)が載置面14aと対向するように、固定治具100の載置面14a上に載置する。その後、エアピッカー30のガス出入口30cからガスを供給することにより、ゴム中空体30bを膨らませ、ゴム中空体30bによりハニカム構造体70の側面70sを3方から挟持する。これにより、ハニカム構造体70が、固定治具台座10に対して固定される(固定治具固定工程)。
【0035】
続いて、図5に示すように、位置合わせ装置400の移動機構310の移動部材320上に、ハニカム構造体70を固定した固定治具100を載置し、固定治具100を移動部材320に固定する。このとき、図13の移動部材320の凸部320cと、図2の(b)の固定治具100の固定治具台座10の底面の凹部10aとを嵌合させる。
【0036】
(ハニカム構造体70)
ここでハニカム構造体70について説明する。ハニカム構造体70は、図5及び図6に示すように、互いに平行に伸びる複数の貫通孔70aを有する円柱体である。
【0037】
ハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。本実施形態では、貫通孔70aの断面形状は正方形であり、例えば、貫通孔の断面のサイズは、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。貫通孔70a間の間隔である隔壁の厚みは、0.05〜0.5mmとすることができる。
【0038】
図6はハニカム構造体70の端面図である。図6に示すように、ハニカム構造体70の端面70eにおいて、多数の断面正方形の貫通孔70aはマトリクス状に配置、特に、正方形配列、すなわち、各貫通孔70aの中心が、仮想的な正方形の頂点に配置されている。また、外壁の輪郭70pは、円形である。ここで、端面における輪郭の中心をOとする。
【0039】
ハニカム構造体70は、後で焼成することにより多孔性セラミクスとなるグリーン(未焼成体)とでき、この場合、セラミクス原料を含む成形体や、セラミクス粒子の成形体であることができる。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。このようなハニカム構造体70は、セラミクス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
【0040】
例えば、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
【0041】
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。
【0042】
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
【0043】
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。
【0044】
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜10重量部とでき、0.1〜5重量部とできる。
【0045】
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、無機化合物源粉末の100重量部に対して、0〜20重量部とでき、2〜8重量部とできる。
【0046】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。
【0047】
このようなハニカム構造体70は例えば以下のようにして製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切断後、公知の方法で乾燥することにより、ハニカム構造体70を得ることができる。
【0048】
なお、ハニカム構造体は、未焼成体でなくて、焼成済みのもの(例えば、多孔質セラミクス)であってもよい。
【0049】
続いて、図7に示すように、位置合わせ用マスク270を、その中央部がハニカム構造体70の上端面と対向し、かつオリエンテーションフラット270ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、台座側マスク固定板304の凹部304bに嵌め込む。これにより、位置合わせ用マスク270は、台座302に対して、水平面(XY面)の並進方向、及び、鉛直軸(Z軸)周りの回転方向の動きが規制される(台座への位置合わせ用マスク固定工程)。
【0050】
ここで、図8〜図11を参照して位置合わせ用マスク270について説明する。位置合わせ用マスク270の外径は、ハニカム構造体70の外径よりも大きくなっており、位置合わせ用マスク270は、ハニカム構造体70とは対向しない環状の外周部270pを有する。位置合わせ用マスク270の材料は特に限定されず、後述する電磁ホルダ20による吸着が可能である必要もない。例えば、材質としては、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板(SECC)、冷間圧延鋼板(SPCC)、樹脂板等が挙げられる。
【0051】
図8に示すように、位置合わせ用マスク270は、円板状の板270bと、この板270bに形成された矩形の開口270aを4つ備える。各開口270aの長軸の延長線axは板270b上の一点Pを通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角はそれぞれ90度である。一点Pは円板の中心にできる。また、位置合わせ用マスク270は、円板状の板270bの中心Pを中心とする中央開口部270hを備える。
【0052】
このような位置合わせ用マスク270によれば、図9に示すように、ハニカム構造体70の端面70eと対向したときに、位置合わせ用マスク270の各開口270aから、それぞれハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭の部分70p1、70p2,70p3,70p4を見ることができる。特に、本実施形態では、開口270aは、輪郭70pの内、図9に示すように、ハニカム構造体70の端面70eの中心Oの周りに90度ずつ離れた4つの輪郭の部分70p1、70p2,70p3,70p4を露出させることが出来る。このとき、4つの開口270aにおいて、輪郭の部分70p1〜70p4と、開口270aの外周側の短辺270asとの最短距離D1、D2、D3,D4がすべて等しくなった場合に、位置合わせ用マスク270の中心Pと、ハニカム構造体70の端面の中心Oとが合致したものとすることができる。ここで、最短距離D1〜D4は、0〜10mmとできる。また、本実施形態では、中央開口部270hからも、ハニカム構造体70の端面70eの部分70p0を見ることができる。これにより、位置合わせ用マスク270の中心Pと、ハニカム構造体70の端面の中心Oとを合致させ易くなる。
【0053】
また、この状態で、さらに、開口270aから、ハニカム構造体70の隣り合う複数の貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eを見ることができ、本実施形態の位置合わせ用マスク270は、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの内の半径方向に延びる長辺270arとが平行となりうるようにされている。開口270aの幅Wは特に限定されないが、隣り合う貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向が見えるようにすべく、貫通孔70aの径よりも広いことが必要である。特に、開口270aの短辺の幅Wは、その幅方向に2列以上の貫通孔70aの輪郭を露出させることができる距離とでき、5列以下とでき、また4列以下とできる。また、開口270aの半径方向の長さRは、貫通孔70aの輪郭が2つ以上並ぶことができる長さである必要があるが、3つ以上、また10個以上並ぶことができる長さである。本実施形態では、隣り合う複数の貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になった状態で、ハニカム構造体70のZ軸まわりの回転位置と、位置合わせ用マスク270の回転位置とが合致したこととすることができる。すなわち、本実施形態では、4つの開口270から見えるD1〜D4の距離が同じでかつ、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eが長辺270arと平行になる図9の状態が、ハニカム構造体70と、位置合わせ用マスク270との位置合わせが完了した状態である。この場合、中央開口部270hから見えるハニカム構造体70の端面70eの部分70p0において、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置するか否かによっても、位置合わせが完了したか否かを判断することができる。
【0054】
通常、位置合わせ用マスク270を、凹部304bにはめ込んだ状態では、図9のように4つの開口270から見えるD1〜D4の距離が同じでかつ、かつ、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置し、貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eが長辺270arと平行になることは少ない。したがって、必要に応じて移動部310Aの各ハンドル310θa、310Xa、310Yaを回すことにより、ハニカム構造体70の貫通孔70aと、位置合わせ用マスク270の開口270aとの位置合わせを行い、これにより、ハニカム構造体70の端面のXY方向の水平位置、及び、Z軸周りの回転位置を、位置合わせ用マスク270に対して所定の正しい位置にあわせ、図9の状態にする(ハニカム構造体位置合わせ工程)。
【0055】
例えば、ハニカム構造体70の端面70eの中心位置Oと、位置合わせ用マスク270の中心位置PとがX方向にずれている場合、図10に示すように、−X側の開口270a内にハニカム構造体の外壁の輪郭70pが見えなくなって距離D2が定義できなくなったり、距離D4が、他の距離D3,D4等よりも大きくなる。中央孔部270hから見えるハニカム構造体70の端面70eの部分70p0においても、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置しなくなる。この場合には、X移動部310を駆動して、ハニカム構造体70を移動させ、D1〜D4が同じとなり、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置するように、位置を合わせればよい。
【0056】
また、ハニカム構造体の端面70e及び位置合わせ用マスク270のZ軸周りの回転位置が異なっている場合には、図11に示すように、開口における貫通孔70aの輪郭が並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arの方向とが平行でなく、斜めとなる。この場合には、回動部310θを駆動して、ハニカム構造体70を時計回りに回転させ、これらが平行となるように位置を合わせればよい。
【0057】
なお、位置合わせの具体的方法は特に限定されず、距離D1〜D4、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hにおける貫通孔70aの隔壁の交差部の位置、方向E及び長辺270arの方向を目視で判断しながら、ハンドル310θa、310Xa、310Yaを手で回して合わせてもよい。また、カメラで撮影した画像に基づいて、公知の画像解析法により距離D1〜D4、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hにおける貫通孔70aの隔壁の交差部の位置、方向E及び長辺270arの方向を認識し、必要な移動量をコンピュータにより求め、移動部をコンピュータにより自動的に制御してもよい。
【0058】
この位置合わせの際に、図7に示す各電磁ホルダ20の上面20aは、位置合わせ用マスク270の外周部170pと対向している。そして。位置合わせ用マスク270が磁石に吸着する材料である場合には、電磁ホルダ20の電磁石20cに電流を流しておき、永久磁石20bの磁束をキャンセルすることにより、電磁ホルダ20の上面20aによる吸着力の発生を抑制し、位置合わせ用マスク270が電磁ホルダ20の上面20aの上で水平方向に自由に動けるようにしておく。なお、位置合わせ用マスク270が磁石に吸着しない材料の場合にはこのような工程は不要である。
【0059】
続いて、台座側マスク固定板304の凹部304bから位置合わせ用マスク270を除去する(位置合わせ用マスク除去工程)。その後、図12に示すように、この凹部304bに、封口用マスク170をそのオリエンテーションフラット170ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、嵌め込む(封口用マスク配置工程)。これにより、封口用マスク170が、台座302に対して、水平面の並進方向、及び、鉛直軸周りの回転方向の動きが規制される。
【0060】
(封口用マスク170)
ここで、封口用マスク170について説明する。封口用マスク170は、図12に示すように、位置合わせ用マスク270と同一の外形形状の板状部材であり、多数の貫通孔170aを有する。すなわち、封口用マスク170の外径は、ハニカム構造体70の外径よりも大きくなっており、封口用マスク170は、ハニカム構造体70とは対向しない環状の外周部170pを有する。また、封口用マスク170には、マスクの回転方向の動きを固定すべく端面に平坦切欠部としてのオリエンテーションフラット170ofが設けられている。特に、封口用マスク170は、電磁ホルダ20による吸着を可能とすべく、磁力により吸着可能な強磁性材料、例えば、フェライト系ステンレスからなるものとできる。
【0061】
封口用マスク170の貫通孔170aの平面形状は、例えば、ハニカム構造体70の貫通孔70a(図6参照)に対応する正方形とすることができる。これらの複数の貫通孔170aは、図12に示すように、千鳥配置とされており、各貫通孔170aは、図6の正方配置されたハニカム構造体70の複数の貫通孔70aのうち、互いに上下左右に隣接しない関係にある複数の貫通孔のみに対向して配置される。特に、この封口用マスク170は、上述のようにして、ハニカム構造体70の端面70eと、位置合わせ用マスク270とが正確に位置合わせされた状態、すなわち、ハニカム構造体の端面70eと台座側マスク固定板304の凹部304bとが位置合わせされた状態で、凹部304bに嵌め込むことによって、封口すべき貫通孔70aと貫通孔170aとが連通し、かつ、封口すべきでない貫通孔70aが遮蔽されるように、予め、オリエンテーションフラット170ofに対して各貫通孔170aが配置されている。
【0062】
このような封口用マスク170を、図12に示すように、オリエンテーションフラット170ofが凹部304bの当接部304ofと当接するように、台座側マスク固定板304の凹部304bに嵌め込むことにより、何ら位置合わせ作業をすることなく、封口すべきハニカム構造体70の貫通孔70aと、封口用マスク170の貫通孔170aとが互いに連通し、かつ、封口したくないハニカム構造体70の貫通孔70aが封口用マスク170により遮蔽される。すなわち、封口用マスク170の貫通孔170aからハニカム構造体の端面70eを見ながらこれらの位置合わせをする必要がない。この時、嵌め込まれた封口用マスク170は、台座302に対する、水平面の並進方向、及び、鉛直軸周りの回転方向の動きが規制される(台座へのマスク固定工程)。
【0063】
続いて、ハニカム構造体70と封口用マスク170との位置があった状態で、電磁ホルダ20により封口用マスク170を固定治具台座10に対して固定する(固定治具へのマスク固定工程)。例えば、電磁ホルダ20の電磁石に電流を流している場合には、各電磁ホルダ20の電磁石20cの電流を切ることにより、永久磁石20bによる磁束により封口用マスク170の外周部170pの下面を吸着できる。なお、封口用マスク170をはめ込む前に、電流を切っていていても構わない。
【0064】
続いて、図13に示すように、固定治具100を、固定されていた移動部材320からリリースすると共に、封口用マスク170を、固定されていた台座側マスク固定板304からリリースする(固定治具の移動部材からの開放工程)。ここでは、例えば、図13の矢印Aに示すように、固定治具100の固定治具台座10を少し上方に動かした後、切欠き304aに沿って−Y方向に動かせばよい。これにより、ハニカム構造体70の貫通孔70aと、封口用マスク170の貫通孔170aとの位置があった状態で、これらを固定治具100と共に位置合わせ装置400の台座302から離れた場所の封口装置に搬送可能である。
【0065】
続いて、図14に示す封口装置200において、封口用マスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の所望の貫通孔70aに封口材を供給する(封口工程)。本実施形態に係る封口装置200は、主として、本体部210、弾性板220、ポンプ250を備える。
【0066】
本体部210は、剛性材料から形成されている。剛性材料としては、ステンレス等の金属や、繊維強化プラスチック等のポリマー材料が挙げられる。本体部210の上面210aには、円柱状の凹部210dが形成されている。凹部210dの内面には、多孔質部材210pが貼り付けられている。
【0067】
弾性板220は、凹部210dの開口面を覆うように、本体部210の上面210a上に、配置されている。弾性板220は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性板220としては、ゴム板とできる。ゴムとしては、天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが挙げられる。弾性板220の厚みは特に限定されないが、例えば、0.3〜3.0mmとすることができる。
【0068】
弾性板220は、リング部材225、及び、ボルト231により本体部210に固定されている。リング部材225は、本体部210の凹部210dに対応する位置に開口225aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材225は、弾性板220における中央部(凹部210dとの対向部)が露出するように弾性板220上に配置されている。これにより、弾性板220の外周部が、本体部210とリング部材225とにより挟まれている。リング部材225及び弾性板220には貫通孔hがそれぞれ形成され、本体部210には、これら貫通孔hに対応するねじ孔jが形成されており、ボルト231がこれらの貫通孔hを貫通して配置され、ねじ孔jにねじ込まれて固定されることにより、本体部210の上面210aにおける凹部210dのまわりの部分に、弾性板220の外周部が密着して固定されている。
【0069】
本体部210は、さらに、凹部210dの底面の多孔質部材210pに連通する連通路210eを有している。連通路210eには、接続パイプ214を介してポンプ250が接続されている。
【0070】
ポンプ250は、シリンダ251、シリンダ251内に配置されたピストン253及びピストン253に接続されたピストンロッド254を備える。ピストンロッド254には、ピストンロッド254を軸方向に往復移動させるモータ255が接続されている。
【0071】
本実施形態では、弾性板220と、ピストン253と、の間には、本体部210、接続パイプ214、及び、シリンダ251により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、気体、液体等の流体FLが充填されている。そして、ピストン53を移動させることにより、本体部210の凹部210d内から流体FLを排出して弾性板220を凹部210dの内面に密着させて弾性板220による凹部220dを形成することができ(図5の凹部210dの左側の状態)、また、凹部210d内に流体FLを供給することに弾性板220を凹部210dの底部から引き離すこと(図5の凹部210dの右側の状態)が出来る。
【0072】
そして、予め、ピストン253を下げることにより、図14の凹部210dの左側のように、弾性板220による凹部220dを形成し、この凹部220d内に封口材130を貯留しておく。
【0073】
封口材130は、ハニカム構造体70の貫通孔70aの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、液状とできる。例えば、封口材として、セラミクス材料又はセラミクス原料と、バインダと、溶媒とを含むスラリーが例示できる。
【0074】
セラミクス材料としては、上述のハニカム構造体の構成材料や、その原料が挙げられる。
【0075】
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。バインダの使用量は、セラミックス源粉末を100質量部に対して、例えば、30.2〜5000質量部とすることができる。
【0076】
潤滑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤の使用量は、セラミックス源粉末の100質量部に対して、2〜20質量部とすることができる。
【0077】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水、イオン交換水などを用いることができる。なかでも、水とでき、不純物が少ない点で、イオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、セラミックス材料を100質量部に対して、例えば、1520〜460質量部とすることができる。
【0078】
続いて、本体部210の凹部210d上に、上述した固定治具100を配置する。ここでは、固定治具100を、図13の状態から、封口用マスク170が下側になりかつ固定治具台座10が上側になるように天地をひっくり返し、封口用マスク170をリング部材225の開口225a内に配置し、封口用マスク170が弾性板220の凹部220dと対向するように配置する。
【0079】
続いて、ポンプ250のピストンを上方に移動させることにより、凹部210d内に流体FLを供給し、これによって、図14の凹部210dの右側に示すように、弾性板220を封口用マスク170に向かって移動させる。これにより、封口材130が封口用マスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部が形成する。
【0080】
続いて、ピストン53をさらに上昇させ弾性板220と本体部210との間にさらに流体FLを供給し、弾性板220を上方向に凸状に変形させ、ハニカム構造体70及びマスクを固定する固定治具100を、弾性板220から引き離す。その後、電磁ホルダ20の電磁石を駆動し、マスクを除去し、その後、エアピッカー30を収縮させることにより、ハニカム構造体70を固定治具台座10から外すことが出来る。そして、必要に応じて、同様の操作により、ハニカム構造体70の他の面のマスク固定及び封口を行うことができる。そして、封口されたハニカム構造体を乾燥、焼成することにより、ハニカムフィルタを製造することが出来る。
【0081】
続いて、本実施形態の作用を説明する。従来の方法では、図12の封口用マスク170の貫通孔170aから、ハニカム構造体70の端面を見ながらハニカム構造体やマスクを移動させて位置合わせをしていた。この場合、位置合わせが完了した状態では封口用マスク170の貫通孔170aから、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pや貫通孔70aの輪郭を見ることは困難であり、精度良く位置合わせをすることは非常に困難であった。
【0082】
これに対して、本実施形態では、封口用マスク170とは異なる位置合わせ用マスク270を台座側マスク固定板304の凹部304b(所定位置)に固定し、距離D1〜D4が同一となり、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pに貫通孔70aの隔壁の交差部が位置し、かつ、方向E及び長辺270arの方向が平行となるようにハニカム構造体70を配置することにより、位置合わせ用マスク270に対して、ハニカム構造体70の端面70eを正確にかつ容易に位置合わせできる。そして、このようにして、位置を合わせた後に、凹部304bにある位置合わせマスク270と、封口用マスク170とを交換することにより、封口用マスク170の貫通孔170aからハニカム構造体70の端面70eを見ながらこれらの位置合わせ作業をする必要なく、ハニカム構造体70と封口用マスク170との正確な位置合わせが可能である。
【0083】
特に、本実施形態では、位置合わせ用マスク270の開口270aが、ハニカム構造体70の位置合わせ後の状態において、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pの内、端面70eの中心Oの周りに90度ずつ離れた4つの輪郭の部分70p1〜70P4を露出させるので(図9参照)、特に、XY方向の位置合わせが特に高精度に行なえる。
【0084】
また、位置合わせ用マスク270の開口270aの輪郭が直線部分である長辺270arを有し、方向Eと、この長辺270aとが平行になるように位置合わせするので、Z軸周りの回転位置の位置合わせも高精度にできる。
【0085】
本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態では、位置合わせ用マスク270の開口270aは、互いに孤立しているが、図15に示すように、これが一体に十字状になっていても実施可能である。なお、孤立している方が、マスクの強度が強くなる。
【0087】
また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの配置も、正方形配置でなくてもよく、例えば、3角配置、千鳥配置等でも構わない。この場合、貫通孔70aの配置に合わせて、位置合わせ用マスク270の開口270aの数や位置も変更することができる。
【0088】
例えば、図16に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている、すなわち、貫通孔70aの中心が仮想的な正三角形の頂点にそれぞれ配置されている場合には、位置合わせ用マスク270の矩形の開口270aの数を3つとし、各開口270aの長軸の延長線axが一点P(例えば、マスク270の中心)を通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角がそれぞれ120度であることができる。この場合も、外周側の短辺270asと輪郭の部分70p1〜70p3との最短距離D1〜D3が同じとなるようにし、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pと貫通孔70aの中心とが一致し、かつ、隣り合う貫通孔70aの並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように位置合わせすればよい。
【0089】
また、図17に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている場合には、位置合わせ用マスク270の矩形の開口270aの数を6つとし、各開口270aの長軸の延長線axが一点P(例えば、マスク270の中心)を通り、かつ、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角がそれぞれ60度であることもできる。この場合も、最短距離D1〜D6が同じとなるようにし、位置合わせ用マスク270の中央開口部270hの中心Pと貫通孔70aの中心とが一致し、かつ、距離方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように位置合わせすればよい。すなわち、図16や図17のように、貫通孔70a(例えば、円形)が正三角形配列されている場合には、端面の外壁の輪郭の内、輪郭の中心周りに120度ずつ離れた少なくとも3つの部分を露出させることができ、これにより隣り合う貫通孔の輪郭を露出させることも出来る。
【0090】
このように、開口の数や配置は、ハニカム構造体70の貫通孔70aが中央部から外側に向かって放射状に並ぶ方向に合わせて設定でき、位置合わせマスクの中央部から細長い開口をその長軸が放射状となるように配置することができる。特に、位置合わせ用マスク270は、3つ以上の細長い開口270aを備え、開口270aの長軸がそれぞれマスクの主面の一転、(例えば重心や中心)を通る直線に沿って配置され、これらの直線同士が等角度で交差するように開口が放射状に配置されていることができる。
【0091】
また、位置合わせの判断方法も、ハニカム構造体70の端面70eの外壁の輪郭70pが開口270a内の所定の位置に現れるようにするものであれば上述には限定されない。例えば、上記実施形態では、外周側の短辺270asと外壁の輪郭の部分70p1〜70p4との最短距離D1〜D4の最短距離が同一であるかにより判断をしているが、例えば、図8に示すように、位置合わせ用マスク270の開口270aの周りに、ハニカム構造体70の端面70eの輪郭が配置されるべき位置を示す目盛り270Lを設け、この目盛り270Lと重なるように輪郭を移動させてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、図9に示すように、隣接する貫通孔70aが並ぶ方向Eと、開口270aの長辺270arとが平行になるように回転位置を合わせているが、方向Eに基づいて位置を合わせればよく、例えば、方向Eを開口270aの長軸とあわせるほか、マスク以外のもの、例えば、台座302の輪郭等と一致するように位置を合わせてもよい。
【0093】
したがって、開口270aの形状も、外壁の輪郭や隣接する複数の貫通孔を露出させる開口であれば、矩形には限定されず、例えば、矩形の短辺を曲線としたもののほか、直線部を有さない楕円形等の種々の形態が可能である。また、全ての開口が同じ形状及び大きさである必要はない。ハニカムフィルタ70の貫通孔70aが三角形配列、四角形配列、千鳥配列等のように規則正しく配列されている場合には、細長い開口を3つ以上有し、板20bの主面において、開口270aの長軸の延長線axが一点で互いに等角度に交差するように開口270aが放射状に配置されることができる。細長い開口の長軸は、開口270aに外接する最小面積の長方形を作り、短辺の中央同士を結ぶ線により規定できる。
【0094】
また、上記実施形態の図9、図16、図17では、各開口270aは、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70p、及び、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を両方露出させているが、各開口270aが、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pを露出させる開口と、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させる開口とに分離されていても実施は可能である。
【0095】
また、上記実施形態では、開口270aは、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させているが、少なくともハニカム構造体70の外壁の輪郭70pを露出させる開口を有していれば、互いに隣接する複数の貫通孔70aの輪郭を露出させる開口を有さなくても実施は可能である。例えば、図18に示すように、ハニカム構造体70の外形形状が正方形等の多角形である場合には、多角形の各角部に対応する数、例えば、四角形(例えば、正方形)なら4つの開口270aから、ハニカム構造体70の外壁の輪郭70pの内の角部70cを露出させれば、例えば、輪郭70pと開口270aの辺との距離Dの距離が同じになるように移動させることにより、中心位置及び回転位置を両方位置合わせすることが出来る。
【0096】
また、上記実施形態では、正確な位置合わせのために、位置合わせ用マスク270は、複数個の開口270aを有しているが、開口270aの数は特に限定されない。例えば、図9の場合、互いに隣り合う長軸の延長線axがなす角が90度となる2つの開口270aのみを有していても実施可能である。この場合、2つのDの値(例えば、D1,D2)をそれぞれ予め定められた値となるようにすればよい。また、開口2701つのみの場合でも、図8のように目盛り270Lを設け、この目盛りに合致するように輪郭を移動させれば実施可能である。
【0097】
また、図18のように、輪郭70pのみでよい場合も、例えば、1つの開口270aのみを有していても実施可能である。この場合、角部70cを構成する2つの輪郭70pと、開口270の2つの辺とがそれぞれ平行になるようにし、かつ2つのDがそれぞれ予め定められた値となるようにすればよい。
【0098】
また、位置合わせ用マスク270や封口用マスク170の外形形状は、円に限定されず、任意の形状が可能である。例えば、楕円や、矩形、三角形、六角形等の多角形を取ることができる。特に、正方形、正三角形、正六角形等の正多角形とできる。また、開口270aの長軸の延長線が交差する一点Pは、主面の形状の重心とすることができ、正多角形等であれば中心とできる。また、一点Pが、主面の重心とは異なる位置に配置され、偏心していても実施は可能である。
【0099】
また、固定治具100の態様は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、3つあるエアピッカー30の配置位置を、図4のZ軸から見て、互いに120度離れた位置としているが、120度ではなくても実施可能である。例えば、互いに、80〜100度となる位置にすることができる。また、エアピッカー30は3つでなくても2つでも、4つ以上でも実施は可能である。n個ある場合の角度は、360/nとできる。強固にハニカム構造体70を固定する観点からは、エアピッカー30は、ハニカム構造体70の側面を取り囲むように3つ以上とできる。
【0100】
また、上記実施形態では、固定治具100は、ハニカム構造体70の側面を挟持すべくエアピッカー30を採用しているが、ハニカム構造体の側面を挟持できるものであれば、エアピッカーでなくても実施可能である。例えば、水平断面が楕円形状のゴムローラを用い、固定時には長軸側がハニカム構造体の側面と当接して挟持する一方、非固定時には短軸側がハニカム構造体の側面と離間しながら対向して非挟持となるように、回動可能とされたゴムローラを使用してもよい。また、ベルト状の部材によりハニカム構造体の側面を挟持してもよい。また、固定治具100は、ハニカム構造体70の側面を挟持する以外の方法でハニカム構造体を固定してもよい。例えば、固定治具台座10の表面に、ハニカム構造体の貫通孔に対応する針が多数立設されたものを用いてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、固定治具100において、3つある電磁ホルダ20の配置位置を、図4のZ軸から見て互いに120度離れた位置としているが120度ではなくても実施可能である。例えば、互いに、80〜100度となる位置にすることができる。また、電磁ホルダ20も、3つでなくても2つでも、4つ以上でも実施は可能である。n個ある場合の角度は、360/nとできる。電磁ホルダ20は、ハニカム構造体70の側面を取り囲むように3つ以上あることが好ましい。
【0102】
また、上記実施形態では、封口用マスク170の外周部170pの下面の吸着部材として、永久磁石及び電磁石を有する電磁ホルダ20を採用しているが、上記の電磁ホルダに限られない。例えば、封口用マスク170を、吸着する状態と、非吸着の状態とを切替えることが出来るものとでき、永久磁石を有さず電磁石のみを有する電磁ホルダでもよいし、真空吸着パッドを用いてもよい。また、固定治具台座10に固定され、封口用マスク170を固定可能なものであれば吸着するものに限られず、例えば、マスクの周辺部を挟むもの等でも実施は可能である。
【0103】
また、上記実施形態では、Z軸から見て、電磁ホルダ20と、エアピッカー30とが互いに60度離れているが、これに限定されず、Z軸の高さ方向の位置が異なれば、Z軸から見て互いの角度が0度すなわち重なっていても実施可能である。
【0104】
また、固定治具台座10の形状も特に限定されず、また、固定治具台座10にエアピッカー30や電磁ホルダ20を固定する方法も特に限定されない。これらを支持棒21,31で支持すると、支持棒間に間隙ができるので、ハニカム構造体70の載置や取出しが容易である。
【0105】
また、移動機構310の移動部310Aの構成や、移動部材320の形状等も、上記実施形態に限定されない。例えば、移動部材320は、図13に示すように凸部320cを備えているが、凸部320cを備えずに移動部材320の上面に凹部があり、固定治具台座10の底面に凸部があっても実施可能であり、両方が平坦であっても実施可能である。また、凸部320cは、図13のように、柱状であるが、錐状(例えば円錐状)であっても良く、この場合、固定治具100の固定治具台座10底面には、対応する錐状の凹部を形成すればよい。
【0106】
また、台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)304の形態も上記実施形態のように、切欠き部を有する位置合わせ用マスク270及び封口用マスク170を嵌合する事ができる凹部と当接部とを有する板に限定されず、台座302に固定されかつハニカム構造体70の端面と対向する位置に着脱可能にこれらのマスクを固定(規制方向は、移動部310Aの3つの移動方向)できるものであればよく、例えば、これらマスクに位置決め用の貫通穴が開いており、凹部にはこの貫通穴に係合可能な凸部を有してもよい。
【0107】
さらに、上記実施形態では、移動機構310が移動する面及びマスクが配置される面及びハニカム構造体の端面が配置される面は水平面であるが、これに限定されず、例えば、鉛直面、斜面等であっても実施は可能である。また、台座302の形態も自由である。
【0108】
ハニカム構造体70の形状や構造も上述に限定されない。例えば、ハニカム構造体70の外形形状も円柱でなくてもよく、例えば、四角柱等の角柱でもよい。また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの断面形状は、正方形でなくてもよく、例えば、長方形、三角形、多角形、円形等でも構わない。
【0109】
また、封口用マスク170の形態や封口用マスク170の貫通孔70aのパターンも自由である。さらに、封口装置200の形態も特に限定は無い。また、封口用マスク170や封口用マスク170の外形形状も略円形には限定されず、楕円形、四角形等でも実施可能である。
【0110】
また、図19の(b)に示すように、封口用マスク170の貫通孔170aの断面形状は、テーパ状であることができ、これにより、ハニカム構造体70と、封口用マスク170との間に少々の位置ズレがあっても、所望の貫通孔70aに対して選択的に封口材を供給可能である。これを実現するためには、封口用マスク170の表裏を認識した上で、貫通孔70a側(図19の(b)の上側)の貫通孔170aの径が大きくなるように、封口用マスク170を凹部304bに嵌め込む必要がある。この場合、図19の(a)に示すように、封口用マスク170は、2つのオリエンテーションフラット170of1、170of2有しているものとできる。
【0111】
この場合、例えば、図19の(a)に示すように、封口用マスク170のオリエンテーションフラット170of1、170of2の円板の中心Pを通る垂線f1、f2がなす角が180度以外であり、かつ、オリエンテーションフラット170of1,of2の長さWof1、Wof2が互いに異なっているものとできる。図19の(a)では、Wof1>Wof2である。この場合、封口用マスク170を目視して、例えば、2つのオリエンテーションフラットの長さの順番等に基づいて(具体的には、例えば、短いオリエンテーションフラットから長いオリエンテーションフラットまで最短距離で向かう方向が時計回りとなる面を表面とする)ことにより、封口用マスク170の表裏を容易に正しい向きに配置することができる。また、図20に示すように、凹部304bに対して、このように形成された2つのオリエンテーションフラット170of1,170of2にそれぞれ当接することができる互いに長さの異なる当接部304of1,304of2を設けておくことにより、表裏を逆にした状態で封口用マスク170を凹部304bに配置することを規制することも出来る。図19に示す垂線f1、f2のなす角が、20〜160度とできる。また、オリエンテーションフラット170of1,of2の長さWof1、Wof2の比は、1:1.1〜3とできる。
【符号の説明】
【0112】
10…台座、10a…凹部、20…電磁ホルダ、70…ハニカム構造体、70e…端面、70p…輪郭、170…封口用マスク、170of…オリエンテーションフラット、270…位置合わせ用マスク、270a…開口、270ar…長辺(直線部)、304…台座側マスク固定板(台座側マスク固定部材)、304a…切欠き、304b…凹部、304of…平坦部、310…移動機構、320…移動部材、320c…凸部、100…固定治具、400…位置合わせ装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の開口を有する位置合わせ用マスクを所定位置に固定する工程と、
複数の貫通孔を有するハニカム構造体を、前記位置合わせ用マスクと対向する位置に、前記ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が前記開口内の所定の位置に現れるように配置する工程と、
前記配置後に、前記位置合わせ用マスクを前記所定位置から除去する工程と、
前記除去後に、前記所定位置に封口用マスクを配置する工程と、を備えるハニカム構造体と封口用マスクとの位置合わせ方法。
【請求項2】
前記位置合わせ用マスクの前記開口は、前記ハニカム構造体の配置後の状態において、
前記端面の外壁の輪郭の内、前記輪郭の中心周りに90度ずつ離れた4つの部分、または、前記輪郭の中心周りに120度ずつ離れた3つの部分を露出させる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記位置合わせ工程では、さらに、前記ハニカム構造体の互いに隣接する複数の貫通孔の輪郭が前記開口内で所定の方向に並ぶように、前記ハニカム構造体を配置する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記位置合わせ用マスクの開口の輪郭は直線部分を有し、前記方向と前記直線部分とは平行である請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記位置合わせマスクは前記開口を3つ以上有すると共に前記各開口は細長く、前記位置合わせマスクの主面において、前記開口の長軸の延長線が一点で互いに等角度に交差するように前記開口が放射状に配置された請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の方法によりハニカム構造体と封口用マスクとを位置合わせする工程と、
前記封口用マスクを介して一部の貫通孔に封口材を供給する工程と、をそなえるハニカムフィルタの製造方法。
【請求項1】
1以上の開口を有する位置合わせ用マスクを所定位置に固定する工程と、
複数の貫通孔を有するハニカム構造体を、前記位置合わせ用マスクと対向する位置に、前記ハニカム構造体の端面の外壁の輪郭が前記開口内の所定の位置に現れるように配置する工程と、
前記配置後に、前記位置合わせ用マスクを前記所定位置から除去する工程と、
前記除去後に、前記所定位置に封口用マスクを配置する工程と、を備えるハニカム構造体と封口用マスクとの位置合わせ方法。
【請求項2】
前記位置合わせ用マスクの前記開口は、前記ハニカム構造体の配置後の状態において、
前記端面の外壁の輪郭の内、前記輪郭の中心周りに90度ずつ離れた4つの部分、または、前記輪郭の中心周りに120度ずつ離れた3つの部分を露出させる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記位置合わせ工程では、さらに、前記ハニカム構造体の互いに隣接する複数の貫通孔の輪郭が前記開口内で所定の方向に並ぶように、前記ハニカム構造体を配置する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記位置合わせ用マスクの開口の輪郭は直線部分を有し、前記方向と前記直線部分とは平行である請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記位置合わせマスクは前記開口を3つ以上有すると共に前記各開口は細長く、前記位置合わせマスクの主面において、前記開口の長軸の延長線が一点で互いに等角度に交差するように前記開口が放射状に配置された請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の方法によりハニカム構造体と封口用マスクとを位置合わせする工程と、
前記封口用マスクを介して一部の貫通孔に封口材を供給する工程と、をそなえるハニカムフィルタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−40551(P2012−40551A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162111(P2011−162111)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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