説明

位置情報に応じたコンテンツ再生システム及び再生方法

【課題】固有の場所に出向かずとも、位置連動コンテンツを利用することができ、位置連動コンテンツによる情報提供を受けることを可能なコンテンツ再生システムの提供。
【解決手段】利用者によるコース情報の選択時に、その時点での移動情報端末の現在位置を考慮して、コース情報に含まれる動的紐付けコンテンツを、適切な提供位置に動的に紐付ける。従って、利用者が気軽に訪れることが可能な位置や、提供位置が固有の位置に紐付けられた位置固定コンテンツの提供位置へ向かう途中の位置に、動的紐付けコンテンツの提供位置を紐付けることが可能となる。このようにコース情報に含まれる位置連動コンテンツの提供位置をフレキシブルに設定できるので、利用者は、特定の施設や名所に出向かずとも、コース情報に含まれる位置連動コンテンツの情報提供を受けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を取得可能な移動情報端末を用いて、移動中や移動先において、現在の位置情報に連動して適切なコンテンツを再生するコンテンツ再生システム及びその再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に示されているように、利用者の位置に応じた情報を提供するシステムが知られている。このシステムでは、博物館等の展示会場内に複数の位置情報送信装置を設置し、各位置情報送信装置によって、各々の赤外線到達範囲内に移動してきた携帯型端末と赤外線通信を行わせ、携帯型端末に現在位置情報を提供する。携帯型端末は、現在位置情報を取得すると、その現在位置に対応する情報(画像情報あるいは音声情報)の送信を、サーバに要求する。そして、サーバから情報を受信すると、その受信情報を利用者に提供する。
【0003】
このように、位置情報を取得可能な情報端末を電子ガイドブックとして用いて、利用者の移動に合わせて、位置情報に連動したガイドコンテンツを再生するシステム及びサービスの提供が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開閉11−252121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、GPS装置などにより位置情報を取得する機能を備えた携帯電話、スマートフォン、PDAなどの情報端末が普及しているため、博物館や美術館などの展示物に関するガイドなど、屋内での利用に留まらず、観光情報や旅行ガイドとして、屋外での移動中や移動先での施設や名所などの解説情報(ガイドコンテンツ)を提供することも可能である。
【0006】
このような屋外での利用形態としては、特定の施設や名所などの位置情報に固定的に結び付けられた位置連動コンテンツを用意しておき、情報端末を携帯する利用者の位置に応じて、適宜、用意した位置連動コンテンツを再生することが考えられる。すなわち、情報端末は、自身の現在位置に応じて、予め情報端末に保存されている位置連動コンテンツを再生したり、コンテンツ配信サーバに現在位置を通知することにより、対応する位置連動コンテンツをダウンロードして再生したりする。
【0007】
このような位置連動コンテンツは、特定の位置に結び付けられるものであるため、予め利用地域ごとに位置情報とコンテンツとを関連付けるなどの編集を行っておく必要がある。また、これらの位置連動コンテンツは、特定の位置に結び付けられているため、利用者は、位置連動コンテンツに対応する位置に行かなければ、これらのコンテンツを楽しむことができない。
【0008】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、固有の場所に出向かずとも、位置連動コンテンツを利用することができ、位置連動コンテンツによる情報提供を受けることが可能な、位置情報に応じたコンテンツ再生システム及び再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載のコンテンツ再生システムは、
各種のテーマに従ってグループ化された、提供のタイミングが位置に依存する複数のコンテンツを含むコース情報を複数記憶した記憶手段と、
自身の位置情報を取得可能であるとともに、コンテンツを再生可能な移動情報端末と、
複数のコンテンツには、提供のタイミングが固有の位置に紐付けられていない提供位置未定コンテンツが含まれており、移動情報端末の利用者が所望のコース情報を選択すると、そのコース情報に含まれる複数のコンテンツの内、提供位置未定コンテンツに関して、移動情報端末の位置情報に基づいて、提供すべき位置を決定する提供位置決定手段と、を備え、
移動情報端末の位置情報から、コース情報に含まれる複数のコンテンツのいずれかを提供すべき位置に達したことが検出されたとき、移動情報端末は、該当するコンテンツの再生を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載のコンテンツ再生システムでは、上述したように、利用者によるコース情報の選択時に、その時点での移動情報端末の位置、すなわち、利用者の位置を考慮して、コース情報に含まれる提供位置未定コンテンツとその提供位置とを動的に紐付ける。従って、利用者が気軽に訪れることが可能な位置や、提供位置が固有の位置に紐付けられたコンテンツの提供位置へ向かう途中の位置に提供位置未定コンテンツを紐付けることが可能となる。このように、コース情報に含まれるコンテンツの提供位置をフレキシブルに設定できるので、利用者は、特定の施設や名所に出向かずとも、コース情報に含まれるコンテンツの情報提供を受けることができる。
【0011】
請求項2に記載したように、提供位置未定コンテンツは、紐付けられるべき位置についての設定条件を有しており、提供位置決定手段は、設定条件を満足する位置を検索するために必要な情報を格納した位置情報データベースを有し、設定条件を満足する位置から、提供位置未定コンテンツの提供位置を決定することが好ましい。
【0012】
これにより、提供位置未定コンテンツの内容から、そのコンテンツの提供を受けるのに適した位置において、該当するコンテンツを再生することができる。例えばコース情報として、あるテーマについて学習するための学習用コンテンツをグループ化したコース情報が設けられる場合、各学習用コンテンツは、それぞれのコンテンツの内容から、紐付けられるべき位置を決定するための、施設名称や施設種別などの設定条件が与えられる。たとえば、「郵便局のしくみ」について学習するための学習用コンテンツをグループ化したコース情報について、各学習用コンテンツの設定条件としては、郵便ポストの設置場所、簡易郵便局、普通郵便局(地域区分局、起点局など)などが提供位置として紐付けられるように、各学習用コンテンツの設定条件が定められる。この場合、各学習コンテンツは、例えば、対応する施設の役割やそこで提供されているサービス、及びそのために必要な設備などを解説したものである。
【0013】
請求項3に記載したように、提供位置決定手段は、提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、いずれの候補位置を提供位置未定コンテンツの提供位置とするかを移動情報端末の利用者に選択させても良い。これにより、利用者にとって都合の良い位置をコンテンツの提供位置に定めることができる。
【0014】
あるいは、請求項4に記載したように、提供位置決定手段は、提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、移動情報端末の位置に近い候補位置を提供位置未定コンテンツの提供位置としても良い。この場合、極力、利用者に近い位置をコンテンツの提供位置に定めることができる。
【0015】
請求項5に記載したように、提供位置決定手段によって決定された提供位置未定コンテンツの提供位置を含む、コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置に基づいて、それらの提供位置を巡る巡回経路を設定する巡回経路設定手段を備え、移動情報端末は、巡回経路設定手段によって設定された巡回経路を提示するものであることが好ましい。これにより、利用者は、巡回経路に従って移動すれば、各コンテンツの提供位置に達することができるとともに、いずれかのコンテンツが提供されない事態の発生を防止することができる。
【0016】
請求項6に記載したように、コース情報において、複数のコンテンツを再生すべき順序が予め定められている場合、巡回経路設定手段は、複数のコンテンツの再生順序通りに対応する提供位置を辿るように、巡回経路を設定することが望ましい。例えば、上述した学習コンテンツなどの場合、理解を容易とするため等の理由から、コンテンツの望ましい再生順序が定められる場合が有り得るためである。
【0017】
請求項7に記載したように、コース情報において、複数のコンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合であって、移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されている場合、巡回経路設定手段は、コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間が希望時間に近づくように、巡回経路を設定することが好ましい。コンテンツの内容によっては、提供の順序が前後しても問題ないものもありえる。例えば、「各種の職業の紹介」をテーマとし、職業ごとに該当する施設をコンテンツ提供位置とする場合などが該当する。このような場合、巡回経路を巡回するための希望時間を考慮して、コンテンツ提供位置を巡回する経路を設定することにより、利用者の巡回時間に関する希望に極力応えることができる。
【0018】
一方、請求項8に記載したように、コース情報において、複数のコンテンツを再生すべき順序が定められていない場合であって、移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されていない場合には、巡回経路設定手段は、コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間、もしくは前記巡回経路の距離が最も短くなるように、巡回経路を設定することが好ましい。これにより、利用者は、極力、短い時間、または短い移動距離にて、コース情報に含まれるコンテンツの提供を受けることができる。
【0019】
請求項9に記載したように、移動情報端末は、自身の位置情報に基づいて、コンテンツの提供位置を基準として設定されるコンテンツ再生開始エリアに進入したことを検知したとき、コンテンツの再生を開始するとともに、コンテンツ再生開始エリアを含み、かつコンテンツ再生開始エリアよりも広いエリアとして設定されるコンテンツ終了エリアから退出したことを検知したとき、コンテンツの再生を終了することが好ましい。このように、コンテンツの再生開始エリアと終了エリアとにいわばヒステリシスを設けることにより、コンテンツの再生、終了が繰り返されることを抑制することができる。
【0020】
請求項10〜18はコンテンツ再生方法に係る発明であるが、それらの作用効果については、請求項1〜9のコンテンツ再生システムとほぼ同様であるため、説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態によるコンテンツ再生システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】コース情報及びそのコース情報に含まれる位置連動コンテンツの概念図である。
【図3】(a)は、コンテンツの提供位置が予め定められておらず、利用者の位置等から動的に提供位置を定める動的紐付けコンテンツを説明するための説明図であり、(b)は、コンテンツの提供位置が予め固有の位置に紐付けられた位置固定コンテンツを説明するための説明図である。
【図4】位置情報データベースを用いて、コース情報に含まれる動的紐付けコンテンツ1〜3が、それぞれ位置A〜位置Cに紐付けられた状態を示す図である。
【図5】各位置連動コンテンツの提供位置を巡回するように設定された巡回経路の一例を示す図である。
【図6】コンテンツ再生システムの移動情報端末において実行される、位置連動コンテンツの再生のための処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】位置連動コンテンツの再生処理において、各位置連動コンテンツの提供位置を基準として設定される、再生開始領域と再生終了領域とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態によるコンテンツ再生システムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態によるコンテンツ再生システムは、位置情報を取得可能な移動情報端末を用いて、移動中や移動先において、現在の位置情報に連動して適切なコンテンツを再生するものである。図1は、このような本実施形態によるコンテンツ再生システムの全体構成を示している。
【0023】
図1に示すように、本実施形態によるコンテンツ再生システムは、携帯情報端末や車載情報端末のような移動情報端末10、当該移動情報端末10と通信可能なコンテンツ配信サーバ20及び位置情報データサーバ30から構成される。
【0024】
移動情報端末10は、GPS装置など、自身の位置情報を取得可能な位置情報取得装置11を備えている。位置情報取得装置11によって取得された移動情報端末10の位置を示す位置情報は、後述する位置連動コンテンツ解釈実行装置14に与えられる。
【0025】
また、移動情報端末10は、上述したコンテンツ配信サーバ20及び位置情報データサーバ30と通信を行うための通信装置12を備えている。通信装置12とコンテンツ配信サーバ20との通信、及び通信装置12と位置情報データサーバ30との通信については、後に詳しく説明する。
【0026】
なお、移動情報端末10は、自身で位置情報取得手段11を備えなくとも良い。この場合、通信装置12を介して、外部の位置情報取得装置11aから移動情報端末10の現在位置を取得すれば良い。具体的には、携帯情報端末を持った利用者が車で移動する場合に、携帯情報端末の現在位置を、車に搭載されたナビゲーション装置から取得するなどの例が考えられる。
【0027】
その他に、移動情報端末10は、コンテンツ記憶媒体13、位置連動コンテンツ解釈実行装置14、入力装置15、及び表示・出力装置16を備えている。
【0028】
コンテンツ記憶媒体13は、移動情報端末10にて再生する位置連動コンテンツ、およびその位置連動コンテンツの提供位置などを記憶しておくためのものである。コンテンツ記憶媒体13に記憶される位置連動コンテンツは、コンテンツ配信サーバ20から配信され、コンテンツ記憶媒体13に格納される。ただし、移動情報端末10は、必要な位置連動コンテンツを保存したメモリカード17から位置連動コンテンツを読み込んで、コンテンツ記憶媒体13に格納するようにしても良い。
【0029】
位置連動コンテンツ解釈実行装置14は、通信装置12を介して、コンテンツ配信サーバ20及び位置情報データサーバ30などと、位置連動コンテンツを再生するために必要なデータ通信を行う。さらに、位置連動コンテンツ解釈実行装置14は、位置連動コンテンツの再生処理を実行する。具体的には、位置情報取得装置11によって取得された位置情報から、移動情報端末10の現在位置が、位置連動コンテンツを再生すべき位置に達したか否かを判定する。そして、位置連動コンテンツを再生すべき位置に達したと判定した場合、コンテンツ記憶媒体13に記憶されている位置連動コンテンツの再生を表示・出力装置16に指示する。
【0030】
表示・出力装置16は、ディスプレイやスピーカを有し、位置連動コンテンツ解釈実行装置14の指示に従い、位置連動コンテンツに含まれる動画、映像、テキストなどの再生表示を行ったり、音声や音楽などの再生を行ったりするものである。
【0031】
入力装置15は、キーやタッチパネルを有し、利用者による各種の入力に用いられるものである。例えば、移動情報端末10の利用者は、位置連動コンテンツの再生による情報提供を受けるためには、まず、コース情報を選択する必要があるが、そのコース情報の選択も入力装置15を用いて行われる。さらに、コース情報に従って位置連動コンテンツの情報提供を受けるのに要する時間について希望時間がある場合には、利用者は、入力装置15を用いて、希望時間を入力することができる。
【0032】
コンテンツ配信サーバ20は、複数のコース情報、及び各コース情報に含まれる複数の位置連動コンテンツを格納したデータベースを備えている。
【0033】
コース情報及びそのコース情報に含まれる位置連動コンテンツの概念図を図2に示す。コース情報は、各種のテーマに従ってグループ化された、提供のタイミングが位置に依存する複数の位置連動コンテンツを含むものである。位置連動コンテンツには、図3(a)に示すように、コンテンツの提供位置が定められておらず、利用者の位置等から動的に提供位置を定める動的紐付けコンテンツと、図3(b)に示すように、コンテンツの提供位置が予め固有の位置に紐付けられた位置固定コンテンツがある。ただし、コース情報は、少なくとも1つの動的紐付けコンテンツを含んでいる。
【0034】
そして、提供位置が未定である動的紐付けコンテンツの場合、図2に示すように、データの一部として、提供位置を定めるための紐付け条件を有している。一方、提供位置が固有の位置に紐付けられている位置固定コンテンツの場合、データの一部として、固有位置を示す情報(緯度・軽度情報など)を有する。なお、図2に示す例では、コンテンツ1〜3は、動的紐付けコンテンツである。さらに、動的紐付けコンテンツ及び位置固定コンテンツとも、動画、映像、ナレーション、テキスト等、表示・出力装置16において再生されるデータを有している。
【0035】
また、コース情報には、複数の位置連動コンテンツを再生すべき順序が予め定められているものと、その再生順序が定められていないものがある。前者の例としては、例えば「郵便局のしくみ」を学習するコース情報が設けられる場合、郵便の収集から仕分け、配達の流れが理解しやすいように、各郵便施設を学習するための位置連動コンテンツの再生順序が予め定められたりする。一方、後者の例としては、例えば「各種の職業の紹介」をテーマとし、職業ごとに該当する施設をコンテンツ提供位置とする場合などが該当する。このような場合、紹介する職業に順序付けをする必要性に乏しいため、再生順序は定められない。なお、図2には、複数の位置連動コンテンツを再生すべき順序が定められたコース情報が示されている。
【0036】
ここで、移動情報端末10とコンテンツ配信サーバ20との間で行われる通信の手順や、通信されるデータについて説明する。なお、移動情報端末10が、コンテンツ配信サーバ20と通信を行って、位置連動コンテンツ等をダウンロードする際、コンテンツ配信サーバは、位置連動コンテンツを無料配信しても良いし、有料配信として課金処理を行っても良い。
【0037】
例えば、コンテンツ配信サーバ20は、まず、移動情報端末10のユーザからの要望に応じて、各種のコース情報を移動情報端末10に配信する。すると、移動情報端末10の利用者により、所望のコース情報が選択され、その選択結果がコンテンツ配信サーバ20に送信される。移動情報端末10の利用者が、所望のコース情報を予め決めているときには、コンテンツ配信サーバ20から各種のコース情報をダウンロードすることなく、直接、希望するコース情報をコンテンツ配信サーバ20に送信しても良い。
【0038】
コンテンツ配信サーバ20は、移動情報端末10からコース情報が送信されると、そのコース情報に含まれる位置連動コンテンツを、対象とする移動情報端末10に送信する。この場合、コンテンツ配信サーバ20は、コース情報に含まれるすべての位置連動コンテンツのデータを一括して送信しても良い。また、移動情報端末10の位置に応じて、各コンテンツの提供位置に達する前の適宜のタイミングにて、個別に位置連動コンテンツのデータを送信しても良い。
【0039】
ただし、個別に位置連動コンテンツのデータを送信する場合であっても、動的紐付けコンテンツの紐付け条件と位置固定コンテンツの提供位置を示すデータは、利用者によってコース情報の選択がなされたときに、移動情報端末10に送信する。これは、後述するように、動的紐付けコンテンツの提供位置を決定するとともに、その決定した動的紐付けコンテンツの提供位置と、位置固定コンテンツの提供位置とに基づいて、各提供位置を巡回する巡回経路を設定して、移動情報端末10の利用者に提示するためである。設定された巡回経路は、表示・出力装置16を用いて利用者に提示される。
【0040】
位置情報データサーバ30は、各種の施設や名所などに関して、名称、種別、位置情報(緯度経度や住所)などの情報を相互に関連付けて保存した位置情報データベースを有している。この位置情報データサーバ30と、移動情報端末10との間で行われる通信の手順や、通信されるデータについて、以下に説明する。
【0041】
移動情報端末10は、選択したコース情報に含まれる位置連動コンテンツのデータ(或いは、動的紐付けコンテンツの紐付け条件及び位置固定コンテンツの提供位置のデータ)を取得すると、位置情報取得装置11によって取得された位置情報、動的紐付けコンテンツの紐付け条件及び位置固定コンテンツの提供位置を位置情報データサーバ30に送信する。
【0042】
位置情報データサーバ30では、まず、受信した位置情報によって示される移動情報端末10の現在位置と、動的紐付けコンテンツの紐付け条件とに基づき、動的紐付けコンテンツを紐付けるべき位置(動的紐付けコンテンツの提供位置)を、位置情報データベースにおいて検索する。具体的には、移動情報端末10の現在位置を基準として、探索範囲を定め、その探索範囲において、動的紐付けコンテンツの紐付け条件に合致し、動的紐付けコンテンツを紐付けることが可能な位置を検索する。ただし、コース情報に、位置固定コンテンツが含まれている場合、その位置固定コンテンツの提供位置も考慮して、紐付け可能な位置を検索することが好ましい。具体的には、探索範囲を、移動情報端末10の現在位置と位置固定コンテンツの提供位置とをともに含む範囲に設定したり、移動情報端末10の現在位置と位置固定コンテンツの提供位置との間の範囲に設定したりする。また、その探索範囲は、コース情報の選択時に、利用者により所要時間に関する希望時間が入力された場合には、その希望時間に応じて、拡大したり、縮小したりしても良い。
【0043】
探索範囲において、1つの動的紐付けコンテンツに対して複数の紐付け可能な位置が探索された場合、その探索結果(複数の候補位置)を移動情報端末10に送信する。そして、移動情報端末10において、複数の候補位置を提示して、利用者にいずれかの位置を選択させる。この場合、利用者がいずれかの位置を選択すると、その選択した位置を、位置情報データサーバ30に送信する。一方、利用者が位置の選択をシステムに委ねる旨の回答を行った場合には、その回答結果を位置情報データサーバ30に送信する。なお、利用者が位置選択をシステムに委ねることを事前に設定できるようにして、複数の候補位置の移動情報端末10への送信を省略しても良い。
【0044】
位置情報データサーバ30は、利用者から複数の候補位置からの選択を委ねるとの回答を得た場合、複数の候補位置から、移動情報端末10の現在位置に近い位置を選んで、動的紐付けコンテンツの提供位置として決定する。
【0045】
図4は、位置情報データベースを用いて、図2に示すコース情報に含まれる動的紐付けコンテンツ1〜3が、それぞれ位置A〜位置Cに紐付けられた状態を示すものである。
【0046】
そして、位置情報データサーバ30は、動的紐付けコンテンツの提供位置及び位置固定コンテンツの提供位置を巡回する巡回経路を設定する。この巡回経路は、位置情報データサーバ30が有する地図データを用いて設定される。このように、コース情報に含まれるすべての位置連動コンテンツの提供位置を巡る巡回経路を設定することにより、利用者は、巡回経路に従って移動すれば、各位置連動コンテンツの提供位置に達することができるとともに、いずれかの位置連動コンテンツが提供されない事態の発生を防止することができる。
【0047】
以下に、巡回経路の設定方法について、具体的に説明する。
【0048】
まず、コース情報において、複数の位置連動コンテンツを再生すべき順序が予め定められている場合、位置情報データサーバ30は、複数の位置連動コンテンツの再生順序通りに対応する提供位置を辿るように、巡回経路を設定する。
【0049】
一方、コース情報において、複数の位置連動コンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合(一部の位置連動コンテンツに関して再生順序が定められている場合を含む)、移動情報端末10の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されているか否かにより、巡回経路の設定方法は異なる。
【0050】
まず、移動情報端末10の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されている場合、位置情報データサーバ30は、コース情報に含まれる複数の位置連動コンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間が希望時間に近づくように、巡回経路を設定する。具体的には、比較的近傍に存在する2箇所の提供位置の間の経路の所要時間を、各提供位置に関して地図データに基づき算出する。そして、すべての提供位置を巡りつつ、全体の所要時間が利用者の希望時間に最も近くなる、経路の組み合わせを求め、それを巡回経路とする。これにより、利用者の巡回時間に関する希望に極力応えることができる。
【0051】
なお、一部の位置連動コンテンツに関して再生順序が定められていれば、その再生順序が定められている位置連動コンテンツの提供位置を結ぶ経路は固定し、その他の提供位置に関する経路を変更しつつ、最適な経路の組み合わせを求める。
【0052】
一方、移動情報端末10の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されていない場合には、位置情報データサーバ30は、コース情報に含まれる複数の位置連動コンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間が最も短くなる、もしくは、その巡回経路の距離が最も短くなるように、巡回経路を設定する。これにより、利用者は、極力、短い時間、または短い移動距離にて、コース情報に含まれる位置連動コンテンツの提供を受けることができるようになる。
【0053】
図5は、設定された巡回経路の一例を示すものである。このようにして巡回経路が設定されると、動的紐付けコンテンツの提供位置とともに、移動情報端末10にて巡回経路を地図データ上に表示して利用者に提示するために必要なデータを移動情報端末10に送信する。この場合、移動情報端末10が地図データを有していれば、巡回経路を示す経路データのみ送信すれば良い。一方、移動情報端末10が地図データを有していなければ、巡回経路を示す経路データ及びその経路データをカバーする地図データを送信する。
【0054】
なお、上述した実施形態では、位置情報データサーバ30において、動的紐付けコンテンツの提供位置を決定するとともに、動的紐付けコンテンツ及び位置固定コンテンツの提供位置を巡回する巡回経路を設定した。しかしながら、動的紐付けコンテンツの提供位置の決定や、巡回経路の設定は、位置情報データベースを参照しつつ、移動情報端末10にて行うようにしても良い。さらに、位置情報データベースや地図データを移動情報端末10に設けることも可能である。この場合、位置情報データサーバ30との通信を不要とすることができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、コンテンツ配信サーバ20と位置情報データサーバ30とを別個に設ける例について説明したが、1つのサーバがコンテンツ配信サーバ20及び位置情報データサーバ30の両機能を備えることも可能である。この場合、移動情報端末10が、所望のコース情報と、現在位置情報とを送信すれば、サーバ側で、動的紐付けコンテンツの提供位置の決定、及び巡回経路の設定を行うことが可能である。
【0056】
次に、本実施形態によるコンテンツ再生システムの移動情報端末10において実行される、位置連動コンテンツの再生のための処理の流れについて、図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0057】
まず、ステップS100において、移動情報端末10においてコース情報が選択されたか否かを判定し、選択されていない場合には、コース情報が選択されるまで待機する。コース情報が選択された場合には、続くステップS110において、選択されたコース情報に含まれる位置連動コンテンツを読み込む。この場合、動的紐付けコンテンツの紐付け条件及び位置固定コンテンツの提供位置のみ読み込むようにしても良い。
【0058】
ステップS120において、位置情報取得装置11により、移動情報端末10の現在位置を示す位置情報を取得する。ステップS130では、移動情報端末10の現在位置、ステップS110において読み込んだ動的紐付けコンテンツの紐付け条件、及び位置固定コンテンツの提供位置を、位置情報データサーバに送信する。すると、位置情報データサーバにおいて、移動情報端末10の現在位置、動的紐付けコンテンツの紐付け条件、および位置固定コンテンツの提供位置に基づき、動的紐付けコンテンツを再生するのに適した位置が検索される。ただし、複数の候補位置が検索された場合には、その複数の候補位置のいずれを、動的紐付けコンテンツの提供位置とすべきか、位置情報データサーバ30から問い合わせがある。この問い合わせがあった場合には、ステップS140にて「Yes」との判断がなされ、ステップS150に進む。一方、問い合わせがなかった場合には、ステップS180の処理に進む。
【0059】
ステップS150では、利用者によって、複数の候補位置のいずれかが選択されたか否かを判定する。利用者により選択されたと判定した場合には、ステップS160において、その選択結果を、位置情報データサーバ30に送信する。一方、利用者が選択を行わず、システムにその選択を委ねた場合には、ステップS170に進んで、その旨の回答を位置情報データサーバ30に送信する。
【0060】
これにより、位置情報データサーバ30では、動的紐付けコンテンツの提供位置が定まり、動的紐付けコンテンツ及び位置固定コンテンツの提供位置を巡回する巡回経路の設定が行われる。
【0061】
ステップS180では、動的紐付けコンテンツの提供位置とともに、設定された巡回経路に関するデータが受信される。そして、ステップS190では、移動情報端末10において巡回経路を提示するとともに、位置連動コンテンツの再生処理を開始する。
【0062】
位置連動コンテンツの再生処理においては、図7に示すように、各位置連動コンテンツの提供位置を基準として、再生開始領域と再生終了領域を定める。再生終了領域は、再生開始領域を含み、かつ再生開始領域よりも広い領域として設定される。
【0063】
そして、移動情報端末10は、位置情報取得手段11によって取得した位置情報に基づいて、いずれかの位置連動コンテンツの再生開始領域に進入したことを検知すると、対応する位置連動コンテンツの再生を開始する。さらに、移動情報端末10は、再生終了領域からから退出したことを検知したとき、対応する位置連動コンテンツの再生を終了する。このように、位置連動コンテンツの再生開始領域と再生終了領域とにいわばヒステリシスを設けることにより、位置連動コンテンツの再生、終了が繰り返されることを抑制することができる。
【0064】
以上、説明したように、本実施形態によるコンテンツ再生システムによれば、利用者によるコース情報の選択時に、その時点での移動情報端末10の現在位置、すなわち、利用者の現在位置を考慮して、コース情報に含まれる動的紐付けコンテンツを、適切な提供位置に動的に紐付ける。従って、利用者が気軽に訪れることが可能な位置や、提供位置が固有の位置に紐付けられた位置固定コンテンツの提供位置へ向かう途中の位置に、動的紐付けコンテンツの提供位置を紐付けることが可能となる。このように、コース情報に含まれる位置連動コンテンツの提供位置をフレキシブルに設定できるので、利用者は、特定の施設や名所に出向かずとも、コース情報に含まれる位置連動コンテンツの情報提供を受けることができる。
【0065】
さらに、本実施形態によるコンテンツ再生システムでは、動的紐付けコンテンツが、そのデータの一部として、紐付けられるべき位置についての設定条件を有し、その設定条件を満足する位置に、動的紐付けコンテンツが紐付けられる。これにより、動的紐付けコンテンツの内容から、その動的紐付けコンテンツの提供を受けるのに適した位置において、該当する動的紐付けコンテンツを再生することができる。
【0066】
例えば、「郵便局のしくみ」について学習するための学習用コンテンツをグループ化したコース情報について、各学習用コンテンツの設定条件としては、郵便ポストの設置場所、簡易郵便局、普通郵便局(地域区分局、起点局など)などが提供位置として紐付けられるように、各学習用コンテンツの設定条件が定められる。この場合、各学習コンテンツは、対応する施設の役割やそこで提供されているサービス、及びそのために必要な設備などを解説したものである。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0068】
例えば、上述した実施形態では、コース情報として、あるテーマについて学習するための学習用コンテンツをグループ化したものを例示したが、それに限られず、観光ガイド、旅行ガイドとして適用することも可能である。この場合、本実施形態によるコンテンツ再生システムでは、予め特定の地点に紐付けられない動的紐付けコンテンツを再生することができるので、自宅から観光地までの移動中においても、その観光地にまつわるコンテンツや、娯楽用コンテンツなど、多様なコンテンツを出発場所に係らず提示することが可能となる。
【0069】
また、コース情報としては、位置連動体験ゲームコンテンツを含むコース情報を設定することができる。例えば、ドライブデートを行うときに、立ち寄りデートスポットに関する内容を動的紐付けコンテンツとして記述することにより、利用者の位置によらず、どこでも楽しめるコース情報を提供することができる。
【0070】
また、上述した実施形態において、コース情報に含まれる位置連動コンテンツに優先順位を付けておき、利用者から位置連動コンテンツの提供位置を巡回する際の希望時間が指定された場合に、すべてのコンテンツの提供位置を巡回した場合の巡回時間が希望時間よりも所定時間以上長い場合には、巡回時間が希望時間以内となるように、低優先度のコンテンツの提供を省略するようにしても良い。
【0071】
さらに、各コンテンツ自体にも、必ず再生する重要コンテンツと、必要に応じて再生するオプションコンテンツとを設けておき、巡回経路に依存して、コンテンツの提供時間間隔が短い場合には、重要コンテンツのみ再生し、提供時間間隔が長くなる場合には、オプションコンテンツも再生するようにしても良い。
【符号の説明】
【0072】
10 移動情報端末
20 コンテンツ配信サーバ
30 位置情報データサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のテーマに従ってグループ化された、提供のタイミングが位置に依存する複数のコンテンツを含むコース情報を複数記憶した記憶手段と、
自身の位置情報を取得可能であるとともに、前記コンテンツを再生可能な移動情報端末と、
前記複数のコンテンツには、提供のタイミングが固有の位置に紐付けられていない提供位置未定コンテンツが含まれており、前記移動情報端末の利用者が所望のコース情報を選択すると、そのコース情報に含まれる複数のコンテンツの内、前記提供位置未定コンテンツに関して、前記移動情報端末の位置情報に基づいて、提供すべき位置を決定する提供位置決定手段と、を備え、
前記移動情報端末の位置情報から、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツのいずれかを提供すべき位置に達したことが検出されたとき、前記移動情報端末は、該当するコンテンツの再生を行うことを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項2】
前記提供位置未定コンテンツは、紐付けられるべき位置についての設定条件を有しており、
前記提供位置決定手段は、前記設定条件を満足する位置を検索するために必要な情報を格納した位置情報データベースを有し、前記設定条件を満足する位置から、前記提供位置未定コンテンツの提供位置を決定することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記提供位置決定手段は、前記提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、いずれの候補位置を前記提供位置未定コンテンツの提供位置とするかを前記移動情報端末の利用者に選択させることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記提供位置決定手段は、前記提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、前記移動情報端末の位置に近い候補位置を前記提供位置未定コンテンツの提供位置とすることを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項5】
前記提供位置決定手段によって決定された前記提供位置未定コンテンツの提供位置を含む、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置に基づいて、それらの提供位置を巡る巡回経路を設定する巡回経路設定手段を備え、
前記移動情報端末は、前記巡回経路設定手段によって設定された巡回経路を提示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンテンツ再生システム。
【請求項6】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべき順序が予め定められている場合、前記巡回経路設定手段は、前記複数のコンテンツの再生順序通りに対応する提供位置を辿るように、巡回経路を設定することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項7】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合であって、前記移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されている場合、前記巡回経路設定手段は、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間が前記希望時間に近づくように、前記巡回経路を設定することを特徴とする請求項5に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項8】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合であって、前記移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されていない場合、前記巡回経路設定手段は、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間、もしくは前記巡回経路の距離が最も短くなるように、前記巡回経路を設定することを特徴とする請求項5又は7に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項9】
前記移動情報端末は、自身の位置情報に基づいて、前記コンテンツの提供位置を基準として設定されるコンテンツ再生開始エリアに進入したことを検知したとき、前記コンテンツの再生を開始するとともに、前記コンテンツ再生開始エリアを含み、かつ前記コンテンツ再生開始エリアよりも広いエリアとして設定されるコンテンツ終了エリアから退出したことを検知したとき、前記コンテンツの再生を終了することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のコンテンツ再生システム。
【請求項10】
各種のテーマに従ってグループ化された、提供のタイミングが位置に依存する複数のコンテンツを含むコース情報を複数記憶した記憶手段と、自身の位置情報を取得可能であるとともに、前記コンテンツを再生可能な移動情報端末とを備え、当該移動情報端末にて位置情報に応じたコンテンツを再生するコンテンツ再生方法であって、
前記移動情報端末の利用者により、所望のコース情報を選択させる選択ステップと、
前記複数のコンテンツには、提供のタイミングが固有の位置に紐付けられていない提供位置未定コンテンツが含まれており、前記選択ステップにて選択されたコース情報に含まれる複数のコンテンツの内、前記提供位置未定コンテンツに関して、前記移動情報端末の位置情報に基づいて、提供すべき位置を決定する提供位置決定ステップと、
前記移動情報端末の位置情報から、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツのいずれかを提供すべき位置に達したことが検出されたとき、前記移動情報端末において、該当するコンテンツを再生する再生ステップと、を有することを特徴とするコンテンツ再生方法。
【請求項11】
前記提供位置未定コンテンツは、紐付けられるべき位置についての設定条件を有しており、
前記提供位置決定ステップでは、前記設定条件を満足する位置を検索するために必要な情報を格納した位置情報データベースを用いて、前記設定条件を満足する位置を検索し、前記提供位置未定コンテンツの提供位置を決定することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項12】
前記提供位置決定ステップでは、前記提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、いずれの候補位置を前記提供位置未定コンテンツの提供位置とするかを前記移動情報端末の利用者に選択させることを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項13】
前記提供位置決定ステップでは、前記提供位置未定コンテンツを提供すべき位置として、複数の候補位置が存在する場合、前記移動情報端末の位置に近い候補位置を前記提供位置未定コンテンツの提供位置とすることを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項14】
前記提供位置決定ステップにおいて決定された前記提供位置未定コンテンツの提供位置を含む、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置に基づいて、それらの提供位置を巡る巡回経路を設定する巡回経路設定ステップと、
前記移動情報端末において、前記巡回経路設定ステップにより設定された巡回経路を提示する提示ステップと、を有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載のコンテンツ再生方法。
【請求項15】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべき順序が予め定められている場合、前記巡回経路設定ステップでは、前記複数のコンテンツの再生順序通りに対応する提供位置を辿るように、巡回経路を設定することを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項16】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合であって、前記移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されている場合、前記巡回経路設定ステップでは、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間が前記希望時間に近づくように、前記巡回経路を設定することを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項17】
前記コース情報において、前記複数のコンテンツを再生すべきすべての順序が定められていない場合であって、前記移動情報端末の利用者によって巡回経路を巡回するための希望時間が指示されていない場合、前記巡回経路設定ステップでは、前記コース情報に含まれる複数のコンテンツの提供位置を巡る巡回経路の所要時間、もしくは前記巡回経路の距離が最も短くなるように、前記巡回経路を設定することを特徴とする請求項14又は16に記載のコンテンツ再生方法。
【請求項18】
前記再生ステップでは、前記移動情報端末の位置情報に基づいて、前記コンテンツの提供位置を基準として設定されるコンテンツ再生開始エリアに進入したことを検知したとき、前記コンテンツの再生を開始するとともに、前記コンテンツ再生開始エリアを含み、かつ前記コンテンツ再生開始エリアよりも広いエリアとして設定されるコンテンツ終了エリアから退出したことを検知したとき、前記コンテンツの再生を終了することを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載のコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−8654(P2012−8654A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141802(P2010−141802)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】