位置検出装置および入力機能付き表示システム
【課題】対象物体の位置を広い範囲にわたって精度よく光学的に検出することのできる位置検出装置、および入力機能付き表示システムを提供すること。
【解決手段】位置検出装置10において、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成するにあたって、外周側面LG3に光出射面LGoutを備えて湾曲した形状のライトガイドLGと、ライトガイドLGの内周側面LG4において周方向の複数個所に設けられた光入射部LGinの各々に配置された複数の発光素子120とを備えた光源部12を用いる。複数の発光素子120から出射された検出光L2は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射し、光強度が連続して変化するとともに、光強度レベルが高い光強度分布をする。
【解決手段】位置検出装置10において、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成するにあたって、外周側面LG3に光出射面LGoutを備えて湾曲した形状のライトガイドLGと、ライトガイドLGの内周側面LG4において周方向の複数個所に設けられた光入射部LGinの各々に配置された複数の発光素子120とを備えた光源部12を用いる。複数の発光素子120から出射された検出光L2は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射し、光強度が連続して変化するとともに、光強度レベルが高い光強度分布をする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置、および該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する位置検出装置としては、例えば、複数の点光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる光学式位置検出装置では、複数の点光源のうちの一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度と、他の一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の放射角度範囲自体が狭い。このため、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。
【0006】
そこで、本願発明者等は、図15(a)に示すように、周方向に配置された複数の発光素子120での発光強度を一方側から他方側に向けて変化させることにより、検出光の光強度分布LIDを形成し、かかる光強度分布LIDを利用して対象物体の位置を検出する方式を検討している。すなわち、対象物体で反射した検出光の強度は、対象物体が位置する場所の光強度に対応するので、対象物体で反射した検出光が受光部で受光された際の強度を利用すれば、対象物体の位置を検出することができる。また、本願発明者等は、図15(b)に示すように、発光素子120から出射された検出光を湾曲した形状のライトガイドLT内部で進行させながら、ライトガイドLTの外周側面から出射させ、その際に形成される光強度分布を利用して対象物体の位置を検出する方式を検討している。
【0007】
かかる方式によれば、広い範囲にわたって検出光が出射されるという利点がある。しかしながら、図15(a)に示す構成では、発光素子120が位置する角度方向での光強度が、隣り合う発光素子120の間に相当する角度方向での光強度に比して著しく大となってしまう。従って、光強度分布LIDにおいて光強度が連続して変化する状態にならないため、位置検出精度が低いという問題点がある。また、図15(b)に示す構成では、ライトガイドLTから出射される光強度が低いため、対象物体がライトガイドLTから離間している場合の位置検出精度が低いという問題点がある。なお、図15(a)、(b)に示す構成は、本願発明に対する参考例として開示したものであり、従来技術ではない。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、対象物体の位置を広い範囲にわたって精度よく光学的に検出することのできる位置検出装置、および該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、第1期間に第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1期間とは異なる第2期間に前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する光源部と、当該光源部を駆動する光源駆動部と、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および前記第2検出光を受光する受光部と、前記第1期間における前記受光部の受光強度、および前記第2期間における前記受光部での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記光源部は、外周側面に光出射面を備えて湾曲した形状のライトガイドと、該ライトガイドの内周側面において周方向の複数個所に設けられた光入射部の各々に配置された複数の発光素子と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、発光素子から出射された検出光は、湾曲したライトガイドの内部を進行しながらライトガイドの外周側面から出射するため、光強度分布が広い範囲にわたって形成される。また、光強度分布が形成された空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した際、対象物体で反射した検出光の強度は、光強度分布において対象物体が位置する箇所での強度に比例するので、受光部での受光強度は、対象物体の位置に対応する。また、本形態では、第1期間に第1光強度分布を形成し、第1期間とは異なる第2期間に第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する。このため、位置検出部は、第1期間における受光部の受光強度、および第2期間における受光部での受光強度に基づいて対象物体の位置を検出することができる。ここで、光源部は、複数の発光素子を備えており、かかる複数の発光素子から出射された検出光は、ライトガイドの内部で進行しながらライトガイドの外周側面から出射させるため、光強度分布において光強度が連続して変化する。また、複数の発光素子から出射された検出光を利用するため、ライトガイドから出射される光強度が強い。従って、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができるので、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0011】
本発明において、前記ライトガイドの内周側面には、当該ライトガイドの周方向に向く一方の側面が前記光入射部とされた楔状の突部が周方向の複数個所に設けられ、前記複数の発光素子は各々、前記ライトガイドの周方向に出射光軸を向けていることが好ましい。かかる構成によれば、発光素子から出射された検出光は、ライトガイドの内部を効率よく周方向に進行するため、比較的少ない数の発光素子で、ライトガイドの周方向の全体にわたって光強度が連続して変化する光強度分布を形成することができる。
【0012】
本発明において、前記第1光強度分布では、前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて強度が減少し、前記第2光強度分布では、前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて強度が減少していることが好ましい。かかる構成によれば、湾曲した形状のライトガイドの周方向で光強度を単調変化させればよいので、光強度が連続して変化する光強度分布を形成しやすいとともに、比較的簡素な原理で位置検出を行うことができる。
【0013】
本発明において、前記光源部は、前記ライトガイドおよび前記複数の発光素子を備えた第1光源モジュールおよび第2光源モジュールを備え、前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールのうち、前記第1光源モジュールが前記第1検出光を出射し、前記第2光源モジュールが前記第2検出光を出射する構成を採用することができる。かかる構成によれば、点灯する発光素子を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成する際に点灯する発光素子の数が多いので、第1光強度分布および第2光強度分布における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0014】
本発明において、前記光源部では、1つの前記ライトガイドに対して、前記複数の発光素子として、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子が設けられ、前記光源部は、前記光源駆動部が前記第1発光素子を点灯させた際に前記第1検出光を出射し、前記第2発光素子を点灯させた際に前記第2検出光を出射する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、点灯する発光素子を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成するのにライトガイドが1つでよいので、位置検出装置の小型化を図ることができる。
【0015】
本発明において、前記光源部は、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて減少させたときに前記第1検出光を出射し、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて減少させたときに前記第2検出光を出射する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、複数の発光素子の各々における発光強度を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成するのにライトガイドが1つでよいので、位置検出装置の小型化を図ることができる。さらに、第1光強度分布および第2光強度分布を形成する際に点灯する発光素子の数が多いので、第1光強度分布および第2光強度分布における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0016】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間に前記光源部に供給した駆動電流値および前記第2期間に前記光源部に供給した駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、外光等の環境光の影響を排除することができる。
【0017】
本発明に係る位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。また、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像を投射する画像投射装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。さらに、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の光源駆動部に設けた駆動電流バランス調整回路の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置において対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図10】図9に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図11】図9に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図13】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図14】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【図15】参考例に係る位置検出装置の問題を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および位置検出装置を正面からみたときの説明図である。
【0021】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する位置検出装置10を有しており、かかる位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間であり、検出対象空間10Rには、後述する検出光L2の光強度分布が形成される。かかる位置検出システム1は、位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0022】
本形態の位置検出システム1において、位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0023】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0024】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0025】
後述するように、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)等の発光素子(検出用光源/点光源)を備えており、かかる発光素子は、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を発散光として出射する。受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)は各々、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子130を備えており、本形態において、受光素子130は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードである。
【0026】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なる期間において動作する。従って、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0027】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。
【0028】
図2に示すように、本形態の位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0029】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に第1受光部13Aの受光素子130が配置されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0030】
図3に示すように、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGと、複数の発光素子120とを備えている。第2受発光ユニット15Bにおいても、第1受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGと、複数の発光素子120とを備えている。
【0031】
より具体的には、第1光源モジュール126は、図4に示すように、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを有しているとともに、複数の発光素子120として、複数の第1発光素子121を備えている。ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の部材であり、断面は角形形状である。本形態において、ライトガイドLGは、外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第1発光素子121が配置されている。本形態では、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の第1発光素子121は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。すなわち、突部LG0は、略直角三角形形状をもって突出しており、頂点を挟む2つの辺部分のうち、斜辺とは別の辺部分が光入射部LGinになっている。かかる構成の光入射部LGinは、概ね、第1光源モジュール126における放射中心が位置する側に面内方向を向ける平面部分である。従って、かかる光入射部LGinに発光面が向くように第1発光素子121を配置すると、複数の第1発光素子121は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けることになる。本形態では、楔状の突部LG0のいずれにおいても、2つの側面のうち、周方向においてライトガイドLGの他方の端部LG2に位置する側の側面が光入射部LGinになっている。このため、第1発光素子121は、周方向において楔状の突部LG0および光入射部LGinに対して他方の端部LG2側に位置し、周方向において一方の端部LG1が位置する側に出射光軸および発光面を向けている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周側面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周側面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。
【0032】
第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126に対して線対称に構成されている。従って、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを有しており、複数の発光素子120として、複数の第2発光素子122を備えている。第2光源モジュール127においても、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の角柱状部材であり、その外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。かかるライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第2発光素子122が配置されている。本形態では、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の第2発光素子122は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。すなわち、突部LG0は、略直角三角形形状をもって突出しており、頂点を挟む2つの辺部分のうち、斜辺とは別の辺部分が光入射部LGinになっている。かかる構成の光入射部LGinは、概ね、第2光源モジュール127における放射中心が位置する側に面内方向を向ける平面部分である。従って、かかる光入射部LGinに発光面が向くように第2発光素子122を配置すると、複数の第2発光素子122は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けることになる。本形態では、楔状の突部LG0のいずれにおいても、2つの側面のうち、周方向においてライトガイドLGの一方の端部LG1に位置する側の側面が光入射部LGinになっている。このため、第2発光素子122は、周方向において楔状の突部LG0および光入射部LGinに対して一方の端部LG1側に位置し、周方向において他方の端部LG2が位置する側に出射光軸および発光面を向けている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周側面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周側面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。
【0033】
なお、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127のいずれにおいても、ライトガイドLGの外周側面LG3には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されることがあり、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。
【0034】
かかる構成の第1光源モジュール126および第2光源モジュール127において、発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)が点灯すると、実線の矢印で示すように、複数の発光素子120から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。従って、第1期間において、第1光源モジュール126の第1発光素子121が全て点灯すると、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側からの検出光L2(第1検出光L2s)の出射強度が大で、他方の端部LG2の側からの検出光L2の出射強度が小となる。また、本形態では、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0035】
これに対して、第2期間において、第2光源モジュール127の第2発光素子122が全て点灯すると、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側からの検出光L2(第2検出光L2t)の出射強度が大で、一方の端部LG1の側からの検出光L2の出射強度が小となる。また、本形態では、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0036】
(位置検出部等の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、制御用ICの構成を示す説明図、および光源に供給される駆動信号等の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の光源駆動部51に設けた駆動電流バランス調整回路の説明図であり、図6(a)、(b)は、発光素子120に直列に抵抗を接続した例の説明図、および発光素子120に並列に抵抗を接続した例の説明図である。
【0037】
本形態の位置検出システム1に用いた位置検出装置10において、図1〜図4等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5(a)に示す制御用IC70に電気的に接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的に接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的に接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的に接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的に接続されている。
【0038】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的に接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1発光素子121および第2発光素子122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780とともに光源駆動部51を構成しており、第1制御用IC70Aは、駆動電流バランス調整回路780を介して、光源部12(第1光源部12A)の第1発光素子121および第2発光素子122に駆動電流を供給する。
【0039】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。なお、調整量算出部74は、パルス発生器75a、75bに対する制御信号を出力するアナログ−デジタル変換部等を備えている。
【0040】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、駆動電流バランス調整回路780とともに光源駆動部51を構成するパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76を有している。また、第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)に供給する第2駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0041】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0042】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0043】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0044】
このように構成した位置検出装置10において、第1光源部12Aに対して設けた光源駆動部51は、図5(b)に示すように、第1期間(第1点灯動作時)では、第1光源部12Aの第1発光素子121に駆動パルスを印加し、第2期間(第2点灯動作時)では、第1光源部12Aの第2発光素子122に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第1受光部13Aは、対象物体Obで反射してきた検出光L2a等を受光する。その後、第2光源部12Bに対して設けた光源駆動部51は、第1期間(第1点灯動作時)では、第2光源部12Bの第1発光素子121に駆動パルスを印加するとともに、第2期間(第2点灯動作時)では、第2光源部12Bの第2発光素子122に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第2受光部13Bは、対象物体Obで反射してきた検出光L2b等を受光する。
【0045】
本形態の位置検出装置10において、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては電圧振幅変調が行われる。また、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたってはパルス幅変調が行われることもある。
【0046】
(駆動電流バランス調整回路780の構成例)
図5に示すように、光源駆動部51は駆動電流バランス調整回路780を備えており、駆動電流バランス調整回路780は、複数の第1発光素子121の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の第1発光素子121の各々の発光強度のバランスを調整する。また、駆動電流バランス調整回路780は、複数の第2発光素子122の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整する。かかる駆動電流バランス調整回路780は、例えば、図6(a)に示すように、複数の発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)の各々に抵抗R1、R2・・Rnが直列に接続された抵抗回路として構成され、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の第1発光素子121および複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0047】
また、駆動電流バランス調整回路780は、図6(b)に示すように、複数の発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)の各々に抵抗R1、R2・・Rnが並列に接続された抵抗回路として構成することができ、この場合も、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の第1発光素子121および複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0048】
(座標検出原理)
本形態の位置検出装置10において、図5(a)を参照して説明した光源駆動部51は、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作(第1期間)と、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作(第2期間)とを行わせる。
【0049】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時(第1期間)には、第1光源モジュール126の第1発光素子121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第1検出光L2s)を出射させる。その際、第2発光素子122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0050】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時(第2期間)には、第2光源モジュール127の第2発光素子122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第2検出光L2t)を出射させる。その際、第1発光素子121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0051】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1発光素子121が点灯した第1点灯動作時、および第2光源モジュール127の第2発光素子122が点灯した第2点灯動作時にも、第1光源部12Aと同様、検出光L2(検出光L2b/第1検出光L2s、第2検出光L2t)が出射され、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図8参照)が固定であるので、対象物体Obの位置を検出することができる。
【0052】
(対象物体Obの角度位置の検出)
図7は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図7(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。なお、図8においては、光源部12を図示するにあたって、ライトガイドLGのみを模式的に表してある。
【0053】
まず、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1検出光L2sによって第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2検出光L2tによって第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第1検出光L2s)の強度はINTsとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第2検出光L2t)の強度はINTtとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とを比較して、強度INTs、INTtの関係を求めれば、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0054】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2発光素子122との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。なお、本形態では、第1発光素子121および第2発光素子122が複数用いられているため、複数の第1発光素子121に供給する駆動電流の和が第1駆動電流値に相当し、複数の第2発光素子122に供給する駆動電流の和が第2駆動電流値に相当する。
【0055】
上記の原理を具体的に利用するには、まず、図5に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1発光素子121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2発光素子122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図5に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとを比較する。その結果、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、対象物体Obの角度位置は0°である。
【0056】
これに対して、受光強度INTs、INTtが相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、図5に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値の比や差、あるいは第1駆動電流値および第2発光素子122に対する調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。本形態では、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整した際の調整量の差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0057】
かかる検出動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図5に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図5に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0058】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の位置検出装置10において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射するとともに、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成し、受光部13は、光強度分布が形成された検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光する。ここで、対象物体Obで反射した検出光L2の強度は、光強度分布において対象物体Obが位置する箇所での強度に比例するので、受光部13での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出することができる。かかる方式によれば、光源部12から放射状に出射された検出光L2の光強度分布を利用するので、広い空間にわたって光強度分布を形成することができ、検出対象空間10Rが広い。
【0059】
また、本形態では、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を利用しており、かかる光強度分布であれば、湾曲した形状のライトガイドLGの周方向で光強度を単調変化させればよいので、光強度が連続して変化する光強度分布を形成しやすいとともに、比較的簡素な原理で位置検出を行うことができる。
【0060】
かかる検出方式を採用するにあたって、光源部12は、外周側面LG3に光出射面LGoutを備えて湾曲した形状のライトガイドLGと、ライトガイドLGの内周側面LG4において周方向の複数個所に設けられた光入射部LGinの各々に配置された複数の発光素子120とを備えている。このため、複数の発光素子120から出射された検出光L2は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射させて、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成する。また、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる等、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。
【0061】
また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の発光素子120は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。このため、発光素子120から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部において効率よく周方向に進行するため、比較的少ない数の発光素子120で、ライトガイドLGの周方向の全体にわたって光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができる。
【0062】
また、本形態において、光源部12では第1光源モジュール126が第1検出光L2sを出射して第1光強度分布LID1を形成し、第2光源モジュール127が第2検出光L2tを出射して第2光強度分布LID2を形成する。このため、点灯する発光素子120を第1発光素子121と第2発光素子122との間で切り換えるだけで、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成することができる。また、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成する際に点灯する発光素子120の数が多いので、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0063】
また、位置検出部50は、光源部12での第1点灯動作時(第1期間)および第2点灯動作時(第2期間)における受光部13での受光強度が等しくなるように第1点灯動作時に光源部12に供給する第1駆動電流値と、第2点灯動作時に光源部12に供給する第2駆動電流値との比較結果に基づいて角度位置を検出する。従って、外光等の環境光の影響を吸収することができる。
【0064】
また、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に情報が表示されている場合でも、検出光L2が情報の視認を妨げないという利点がある。
【0065】
[実施の形態2]
図9は、本発明の実施の形態2に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図10は、図9に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図11は、図9に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0066】
実施の形態1では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図9および図10に示すように、本形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを1つ有しているとともに、複数の発光素子120として、ライドガイドLGの周方向の中央とライトガイドLGの一方の端部LG1との間に配置された複数の第1発光素子121と、ライドガイドLGの周方向の中央とライトガイドLGの他方の端部LG2との間に配置された複数の第2発光素子122とを備えている。
【0067】
図10および図11に示すように、ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の角柱状部材であり、その外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第1発光素子121および第2発光素子122が配置されている。ここで、光入射部LGinのうち、第1発光素子121が配置された光入射部LGinと、第2発光素子122が配置された光入射部LGinとは線対称になっている。より具体的には、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられており、かかる突部LG0のうち、一方の端部LG1の側に位置する突部LG0は、周方向において、一方の端部LG1が位置する側に光入射部LGinを備えている。これに対して、他方の端部LG2の側に位置する突部LG0は、周方向において、他方の端部LG2が位置する側に光入射部LGinを備えている。従って、第1発光素子121は、周方向において、他方の端部LG2の側に発光面および出射光軸を向け、第2発光素子122は、周方向において、一方の端部LG1の側に発光面および出射光軸を向けることになる。
【0068】
かかる構成の光源部12では、第1期間において、第1発光素子121が点灯すると、複数の第1発光素子121から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。その際、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0069】
これに対して、第2期間において、第2発光素子122が全て点灯すると、複数の第2発光素子122から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。その際、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。
【0070】
それ故、本形態でも、実施の形態1と同様、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができるとともに、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。また、点灯する発光素子120を第1発光素子121と第2発光素子122との間で切り換えるだけで、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0071】
また、本形態では、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成するのにライトガイドLGが1つでよいので、位置検出装置10の小型化を図ることができる。なお、本形態の場合には、検出光L2の放射中心位置に受光部13を設けると、受光部13への反射光L3の入射がライトガイドLG等で妨げられるので、検出光L2の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に受光部13を設ければよい。
【0072】
[実施の形態3]
図12は、本発明の実施の形態3に係る位置検出装置10の受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0073】
図12において、本形態でも、実施の形態2と同様、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、1つの光源モジュールからなる。従って、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを1つ有しているとともに、複数の発光素子120とを有している。但し、本形態では、実施の形態2と違って、複数の発光素子120には、第1発光素子121と第2発光素子122との区別がない。光源部12の他の構成は実施の形態2と同様である。
【0074】
かかる構成の光源部12において、第1期間においては、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する発光素子120への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する発光素子120程、駆動電流が小になっている。このため、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する発光素子120の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する発光素子120程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0075】
これに対して、第2期間においては、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する発光素子120への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する発光素子120程、駆動電流が小になっている。このため、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する発光素子120の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する発光素子120程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。
【0076】
それ故、本形態でも、実施の形態1と同様、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができるとともに、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0077】
また、本形態では、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成するのにライトガイドLGが1つでよいので、位置検出装置10の小型化を図ることができる。しかも、第1期間および第2期間に点灯する発光素子120の数が多いので、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0078】
[他の実施の形態の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。また、上記実施の形態では、検出光L2の放射中心位置に受光部13を設けたが、他の箇所に受光部13を設けてもよく、2つの光源部12に対して共通の受光部13を設けてもよい。
【0079】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図13は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図12を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0080】
上記実施の形態に係る位置検出システム1においては、図13に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図12を参照して説明した位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0081】
かかる入力機能付き表示システム100において、位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0082】
(位置検出システム1の具体例2)
図14を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図14は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図12を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0083】
図14に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0084】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0085】
なお、位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0086】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0087】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・位置検出システム、10・・位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2検出用光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・発光素子、121・・第1発光素子、122・・第2発光素子、130・・受光素子、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、LG・・ライトガイド、LG3・・ライトガイドの外周側面、LG4・・ライトガイドの内周側面、LGin・・光入射部、LGout・・光出射面、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置、および該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する位置検出装置としては、例えば、複数の点光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる光学式位置検出装置では、複数の点光源のうちの一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度と、他の一部の点光源が点灯した際の受光部での受光強度との比較結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光学式位置検出装置では、点光源から出射された検出光を利用するため、検出光の放射角度範囲自体が狭い。このため、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いという問題点がある。
【0006】
そこで、本願発明者等は、図15(a)に示すように、周方向に配置された複数の発光素子120での発光強度を一方側から他方側に向けて変化させることにより、検出光の光強度分布LIDを形成し、かかる光強度分布LIDを利用して対象物体の位置を検出する方式を検討している。すなわち、対象物体で反射した検出光の強度は、対象物体が位置する場所の光強度に対応するので、対象物体で反射した検出光が受光部で受光された際の強度を利用すれば、対象物体の位置を検出することができる。また、本願発明者等は、図15(b)に示すように、発光素子120から出射された検出光を湾曲した形状のライトガイドLT内部で進行させながら、ライトガイドLTの外周側面から出射させ、その際に形成される光強度分布を利用して対象物体の位置を検出する方式を検討している。
【0007】
かかる方式によれば、広い範囲にわたって検出光が出射されるという利点がある。しかしながら、図15(a)に示す構成では、発光素子120が位置する角度方向での光強度が、隣り合う発光素子120の間に相当する角度方向での光強度に比して著しく大となってしまう。従って、光強度分布LIDにおいて光強度が連続して変化する状態にならないため、位置検出精度が低いという問題点がある。また、図15(b)に示す構成では、ライトガイドLTから出射される光強度が低いため、対象物体がライトガイドLTから離間している場合の位置検出精度が低いという問題点がある。なお、図15(a)、(b)に示す構成は、本願発明に対する参考例として開示したものであり、従来技術ではない。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、対象物体の位置を広い範囲にわたって精度よく光学的に検出することのできる位置検出装置、および該位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、第1期間に第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1期間とは異なる第2期間に前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する光源部と、当該光源部を駆動する光源駆動部と、前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および前記第2検出光を受光する受光部と、前記第1期間における前記受光部の受光強度、および前記第2期間における前記受光部での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記光源部は、外周側面に光出射面を備えて湾曲した形状のライトガイドと、該ライトガイドの内周側面において周方向の複数個所に設けられた光入射部の各々に配置された複数の発光素子と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、発光素子から出射された検出光は、湾曲したライトガイドの内部を進行しながらライトガイドの外周側面から出射するため、光強度分布が広い範囲にわたって形成される。また、光強度分布が形成された空間(検出対象空間)に位置する対象物体で反射した際、対象物体で反射した検出光の強度は、光強度分布において対象物体が位置する箇所での強度に比例するので、受光部での受光強度は、対象物体の位置に対応する。また、本形態では、第1期間に第1光強度分布を形成し、第1期間とは異なる第2期間に第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する。このため、位置検出部は、第1期間における受光部の受光強度、および第2期間における受光部での受光強度に基づいて対象物体の位置を検出することができる。ここで、光源部は、複数の発光素子を備えており、かかる複数の発光素子から出射された検出光は、ライトガイドの内部で進行しながらライトガイドの外周側面から出射させるため、光強度分布において光強度が連続して変化する。また、複数の発光素子から出射された検出光を利用するため、ライトガイドから出射される光強度が強い。従って、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができるので、広い範囲にわたって対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0011】
本発明において、前記ライトガイドの内周側面には、当該ライトガイドの周方向に向く一方の側面が前記光入射部とされた楔状の突部が周方向の複数個所に設けられ、前記複数の発光素子は各々、前記ライトガイドの周方向に出射光軸を向けていることが好ましい。かかる構成によれば、発光素子から出射された検出光は、ライトガイドの内部を効率よく周方向に進行するため、比較的少ない数の発光素子で、ライトガイドの周方向の全体にわたって光強度が連続して変化する光強度分布を形成することができる。
【0012】
本発明において、前記第1光強度分布では、前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて強度が減少し、前記第2光強度分布では、前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて強度が減少していることが好ましい。かかる構成によれば、湾曲した形状のライトガイドの周方向で光強度を単調変化させればよいので、光強度が連続して変化する光強度分布を形成しやすいとともに、比較的簡素な原理で位置検出を行うことができる。
【0013】
本発明において、前記光源部は、前記ライトガイドおよび前記複数の発光素子を備えた第1光源モジュールおよび第2光源モジュールを備え、前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールのうち、前記第1光源モジュールが前記第1検出光を出射し、前記第2光源モジュールが前記第2検出光を出射する構成を採用することができる。かかる構成によれば、点灯する発光素子を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成する際に点灯する発光素子の数が多いので、第1光強度分布および第2光強度分布における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0014】
本発明において、前記光源部では、1つの前記ライトガイドに対して、前記複数の発光素子として、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子が設けられ、前記光源部は、前記光源駆動部が前記第1発光素子を点灯させた際に前記第1検出光を出射し、前記第2発光素子を点灯させた際に前記第2検出光を出射する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、点灯する発光素子を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成するのにライトガイドが1つでよいので、位置検出装置の小型化を図ることができる。
【0015】
本発明において、前記光源部は、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて減少させたときに前記第1検出光を出射し、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて減少させたときに前記第2検出光を出射する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、複数の発光素子の各々における発光強度を切り換えるだけで、第1光強度分布および第2光強度分布を形成することができる。また、第1光強度分布および第2光強度分布を形成するのにライトガイドが1つでよいので、位置検出装置の小型化を図ることができる。さらに、第1光強度分布および第2光強度分布を形成する際に点灯する発光素子の数が多いので、第1光強度分布および第2光強度分布における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0016】
本発明において、前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間に前記光源部に供給した駆動電流値および前記第2期間に前記光源部に供給した駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出することが好ましい。かかる構成によれば、外光等の環境光の影響を排除することができる。
【0017】
本発明に係る位置検出装置は、入力機能付き表示システム等、各種のシステムに利用することができる。例えば、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。また、本発明を適用した位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムとしては、画像を投射する画像投射装置を備え、前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられる入力機能付き表示システムを例示することができる。さらに、他のシステムとしては、電子ペーパーに対する入力システムや、入力機能付きウインドウシステムや、入力機能付きアミューズメントシステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図3】図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の電気的構成等を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の光源駆動部に設けた駆動電流バランス調整回路の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る位置検出装置において対象物体のXY座標データを取得する原理を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットの説明図である。
【図10】図9に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。
【図11】図9に示す受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の受発光ユニットに構成した光源部の構成を模式的に示す説明図である。
【図13】本発明を適用した位置検出システムの具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。
【図14】本発明を適用した位置検出システムの具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。
【図15】参考例に係る位置検出装置の問題を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する方向をX軸方向およびY軸方向とし、X軸方向およびY軸方向に交差する方向をZ軸方向とする。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とし、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として表してある。
【0020】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置の主要部を模式的に示す説明図であり、図1(a)、(b)は、位置検出装置を検出光出射空間側の斜め方向からみたときの説明図、および位置検出装置を正面からみたときの説明図である。
【0021】
図1において、本形態の位置検出システム1は、対象物体Obの位置を検出する位置検出装置10を有しており、かかる位置検出装置10は、X軸方向およびY軸方向により規定される仮想のXY平面(仮想面)に沿うように放射状に出射した検出光L2を利用して、対象物体Obの位置を検出する。本形態において、位置検出システム1は、XY平面に沿って広がる視認面41をZ軸方向の一方側Z1に備えた視認面構成部材40を有しており、位置検出装置10は、視認面41に沿って検出光L2を出射し、視認面構成部材40に対して視認面41側(Z軸方向の一方側Z1)に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、位置検出システム1の検出対象空間10Rは、位置検出装置10において検出光L2が出射される検出光出射空間であり、検出対象空間10Rには、後述する検出光L2の光強度分布が形成される。かかる位置検出システム1は、位置検出装置10によって、後述する電子黒板等の入力機能付き表示システムや入力機能付き投射型表示システム等として用いることができる。
【0022】
本形態の位置検出システム1において、位置検出装置10は、視認面41(XY平面)に沿って検出光L2を放射状に出射する光源部12(線状光源部)と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を受光する受光部13とを備えている。
【0023】
本形態においては、光源部12として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)が用いられており、第1光源部12Aと第2光源部12Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。また、本形態においては、受光部13として、視認面構成部材40に対してY軸方向の一方側Y1に離間する位置で検出対象空間10Rに向く第1受光部13Aおよび第2受光部13Bが用いられており、第1受光部13Aと第2受光部13Bとは、X軸方向で離間し、Y軸方向では同一の位置にある。
【0024】
ここで、第1受光部13Aは、第1光源部12Aから放射状に出射される検出光L2(検出光L2a)の放射中心位置に配置されており、第1受光部13Aと第1光源部12Aとは第1受発光ユニット15Aとして一体化されている。また、第2受光部13Bは、第2光源部12Bから放射状に出射される検出光L2(検出光L2b)の放射中心位置に配置されており、第2受光部13Bと第2光源部12Bとは第2受発光ユニット15Bとして一体化されている。
【0025】
後述するように、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、LED(発光ダイオード)等の発光素子(検出用光源/点光源)を備えており、かかる発光素子は、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を発散光として出射する。受光部13(第1受光部13Aおよび第2受光部13B)は各々、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子130を備えており、本形態において、受光素子130は赤外域に感度ピークを備えたフォトダイオードである。
【0026】
第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、視認面構成部材40よりZ軸方向の一方側Z1に突出した位置にある。また、第1受発光ユニット15Aと第2受発光ユニット15Bとは異なる期間において動作する。従って、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aから検出光L2aが出射された際、第1受光部13Aは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2a(反射光L3)を受光する。かかる動作とは異なる期間において、第2受発光ユニット15Bにおいて、第2光源部12Bから検出光L2bが出射された際、第2受光部13Bは、検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2b(反射光L3)を受光する。
【0027】
(光源部12の具体的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図3は、図2に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図4は、図3に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。
【0028】
図2に示すように、本形態の位置検出装置10において、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは同一の構成を有しており、それ故、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bも同一の構成を有している。より具体的には、第1受発光ユニット15Aは、Z軸方向からみたときに扇形形状あるいは半円形状を有する光源支持部材150を有している。かかる光源支持部材150は、第1光源支持部材151と第2光源支持部材152とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1光源支持部材151および第2光源支持部材152は各々、扇形形状あるいは半円形状の鍔部156a、156bを備えている。鍔部156a、156bにより挟まれた部分は、第1光源部12Aから検出光L2が出射される出射部になっており、鍔部156a、156bは、Z軸方向における検出光L2の出射範囲を制限している。
【0029】
第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源部12Aは、検出光L2の出射部として、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている。第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とによってZ軸方向で挟まれた部分は透光性の導光部128になっており、かかる導光部128の奥に第1受光部13Aの受光素子130が配置されている。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0030】
図3に示すように、第1受発光ユニット15Aにおいて、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGと、複数の発光素子120とを備えている。第2受発光ユニット15Bにおいても、第1受発光ユニット15Aと同様、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127はいずれも、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGと、複数の発光素子120とを備えている。
【0031】
より具体的には、第1光源モジュール126は、図4に示すように、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを有しているとともに、複数の発光素子120として、複数の第1発光素子121を備えている。ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の部材であり、断面は角形形状である。本形態において、ライトガイドLGは、外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第1発光素子121が配置されている。本形態では、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の第1発光素子121は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。すなわち、突部LG0は、略直角三角形形状をもって突出しており、頂点を挟む2つの辺部分のうち、斜辺とは別の辺部分が光入射部LGinになっている。かかる構成の光入射部LGinは、概ね、第1光源モジュール126における放射中心が位置する側に面内方向を向ける平面部分である。従って、かかる光入射部LGinに発光面が向くように第1発光素子121を配置すると、複数の第1発光素子121は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けることになる。本形態では、楔状の突部LG0のいずれにおいても、2つの側面のうち、周方向においてライトガイドLGの他方の端部LG2に位置する側の側面が光入射部LGinになっている。このため、第1発光素子121は、周方向において楔状の突部LG0および光入射部LGinに対して他方の端部LG2側に位置し、周方向において一方の端部LG1が位置する側に出射光軸および発光面を向けている。また、第1光源モジュール126は、ライトガイドLGの円弧状の外周側面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周側面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。
【0032】
第2光源モジュール127は、第1光源モジュール126に対して線対称に構成されている。従って、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを有しており、複数の発光素子120として、複数の第2発光素子122を備えている。第2光源モジュール127においても、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の角柱状部材であり、その外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。かかるライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第2発光素子122が配置されている。本形態では、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の第2発光素子122は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。すなわち、突部LG0は、略直角三角形形状をもって突出しており、頂点を挟む2つの辺部分のうち、斜辺とは別の辺部分が光入射部LGinになっている。かかる構成の光入射部LGinは、概ね、第2光源モジュール127における放射中心が位置する側に面内方向を向ける平面部分である。従って、かかる光入射部LGinに発光面が向くように第2発光素子122を配置すると、複数の第2発光素子122は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けることになる。本形態では、楔状の突部LG0のいずれにおいても、2つの側面のうち、周方向においてライトガイドLGの一方の端部LG1に位置する側の側面が光入射部LGinになっている。このため、第2発光素子122は、周方向において楔状の突部LG0および光入射部LGinに対して一方の端部LG1側に位置し、周方向において他方の端部LG2が位置する側に出射光軸および発光面を向けている。また、第2光源モジュール127も、第1光源モジュール126と同様、ライトガイドLGの円弧状の外周側面LG3に沿って、光学シートPSおよびルーバーフィルムLF等を備えた円弧状の照射方向設定部LEを備え、ライトガイドLGの円弧状の内周側面LG4に沿って、円弧状の反射シートRSを備えている。
【0033】
なお、第1光源モジュール126および第2光源モジュール127のいずれにおいても、ライトガイドLGの外周側面LG3には、ライトガイドLGからの検出光L2の出射効率を調整するための加工が施されることがあり、かかる加工手法としては、例えば反射ドットを印刷する方式や、スタンパーやインジェクションにより凹凸を付す成型方式や、溝加工方式を採用することができる。
【0034】
かかる構成の第1光源モジュール126および第2光源モジュール127において、発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)が点灯すると、実線の矢印で示すように、複数の発光素子120から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。従って、第1期間において、第1光源モジュール126の第1発光素子121が全て点灯すると、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側からの検出光L2(第1検出光L2s)の出射強度が大で、他方の端部LG2の側からの検出光L2の出射強度が小となる。また、本形態では、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0035】
これに対して、第2期間において、第2光源モジュール127の第2発光素子122が全て点灯すると、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側からの検出光L2(第2検出光L2t)の出射強度が大で、一方の端部LG1の側からの検出光L2の出射強度が小となる。また、本形態では、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。第2受発光ユニット15Bも、第1受発光ユニット15Aと同様な構成を有しているため、説明を省略する。
【0036】
(位置検出部等の構成)
図5は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の電気的構成等を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、制御用ICの構成を示す説明図、および光源に供給される駆動信号等の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10の光源駆動部51に設けた駆動電流バランス調整回路の説明図であり、図6(a)、(b)は、発光素子120に直列に抵抗を接続した例の説明図、および発光素子120に並列に抵抗を接続した例の説明図である。
【0037】
本形態の位置検出システム1に用いた位置検出装置10において、図1〜図4等を参照して説明した第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bは、図5(a)に示す制御用IC70に電気的に接続されている。ここで、制御用IC70は、第1受発光ユニット15Aに電気的に接続された第1制御用IC70Aと、第2受発光ユニット15Bに電気的に接続された第2制御用IC70Bとからなり、第1受発光ユニット15Aの第1光源部12Aおよび第1受光部13Aは、第1制御用IC70Aに電気的に接続されている。また、第2受発光ユニット15Bの第2光源部12Bおよび第2受光部13Bは、第2制御用IC70Bに電気的に接続されている。
【0038】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、同一構成を有しており、いずれも共通の制御装置60に電気的に接続されている。まず、第1制御用IC70Aは、基準クロック、A相基準パルス、B相基準パルス、タイミング制御パルス、同期クロック等を生成する複数の回路(図示せず)を有している。また、第1制御用IC70Aは、A相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75aと、B相基準パルスに基づいて所定の駆動パルスを生成するパルス発生器75bと、パルス発生器75aおよびパルス発生器75bが生成した駆動パルスを第1光源部12Aの第1発光素子121および第2発光素子122の何れに印加するかを制御するスイッチ部76とを有している。かかるパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76は、図6を参照して後述する駆動電流バランス調整回路780とともに光源駆動部51を構成しており、第1制御用IC70Aは、駆動電流バランス調整回路780を介して、光源部12(第1光源部12A)の第1発光素子121および第2発光素子122に駆動電流を供給する。
【0039】
また、第1制御用IC70Aは、第1受光部13Aでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73と、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第1光源部12Aの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)に供給する駆動パルスの駆動電流値(第1駆動電流値)を調整する調整量算出部74とを備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。なお、調整量算出部74は、パルス発生器75a、75bに対する制御信号を出力するアナログ−デジタル変換部等を備えている。
【0040】
第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、駆動電流バランス調整回路780とともに光源駆動部51を構成するパルス発生器75a、75b、およびスイッチ部76を有している。また、第2制御用IC70Bも、第1制御用IC70Aと同様、第2受光部13Bでの検出結果を増幅する増幅部等を備えた受光量測定部73や、受光量測定部73での測定結果に基づいてパルス発生器75a、75bを制御して第2光源部12Bの発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)に供給する第2駆動電流値を調整する調整量算出部74等を備えている。かかる受光量測定部73および調整量算出部74は、位置検出部50の一部の機能を担っている。
【0041】
第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70Bは、パーソナルコンピューター等の上位の制御装置60の制御部61によって制御されており、かかる制御装置60は、受光量測定部73および調整量算出部74とともに位置検出部50を構成する座標データ取得部55を有している。従って、本形態において、位置検出部50は、制御用IC70(第1制御用IC70Aおよび第2制御用IC70B)の受光量測定部73および調整量算出部74と、上位の制御装置60(パーソナルコンピューター)の座標データ取得部55とによって構成されている。
【0042】
本形態では、光源部12として、互いに離間した位置に配置された第1光源部12Aと第2光源部12Bとを有している。従って、座標データ取得部55は、第1光源部12Aに対する駆動結果に基づいて、第1光源部12Aの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第1角度位置検出部551と、第2光源部12Bに対する駆動結果に基づいて、第2光源部12Bの放射中心に対する対象物体Obの角度位置を検出する第2角度位置検出部552とを有している。また、座標データ取得部55は、第1角度位置検出部551で得られた対象物体Obの角度位置と、第2角度位置検出部552で得られた対象物体Obの角度位置とに基づいて対象物体ObのXY座標データを確定する座標データ確定部553を備えている。
【0043】
なお、本形態では、第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bに対して1対1の関係をもって2つの制御用IC70(第1制御用IC70A、第2制御用IC70B)を用いたが、制御用IC70を多チャンネル化し、1つの制御用IC70によって第1受発光ユニット15Aおよび第2受発光ユニット15Bを駆動してもよい。
【0044】
このように構成した位置検出装置10において、第1光源部12Aに対して設けた光源駆動部51は、図5(b)に示すように、第1期間(第1点灯動作時)では、第1光源部12Aの第1発光素子121に駆動パルスを印加し、第2期間(第2点灯動作時)では、第1光源部12Aの第2発光素子122に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第1受光部13Aは、対象物体Obで反射してきた検出光L2a等を受光する。その後、第2光源部12Bに対して設けた光源駆動部51は、第1期間(第1点灯動作時)では、第2光源部12Bの第1発光素子121に駆動パルスを印加するとともに、第2期間(第2点灯動作時)では、第2光源部12Bの第2発光素子122に第1発光素子121に印加する駆動パルスと逆相の駆動パルスを印加する。その間、第2受光部13Bは、対象物体Obで反射してきた検出光L2b等を受光する。
【0045】
本形態の位置検出装置10において、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたっては電圧振幅変調が行われる。また、光源部12に対する駆動電流値を制御するにあたってはパルス幅変調が行われることもある。
【0046】
(駆動電流バランス調整回路780の構成例)
図5に示すように、光源駆動部51は駆動電流バランス調整回路780を備えており、駆動電流バランス調整回路780は、複数の第1発光素子121の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の第1発光素子121の各々の発光強度のバランスを調整する。また、駆動電流バランス調整回路780は、複数の第2発光素子122の各々に供給する駆動電流のバランスを調整して、複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整する。かかる駆動電流バランス調整回路780は、例えば、図6(a)に示すように、複数の発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)の各々に抵抗R1、R2・・Rnが直列に接続された抵抗回路として構成され、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の第1発光素子121および複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0047】
また、駆動電流バランス調整回路780は、図6(b)に示すように、複数の発光素子120(第1発光素子121および第2発光素子122)の各々に抵抗R1、R2・・Rnが並列に接続された抵抗回路として構成することができ、この場合も、抵抗R1、R2・・Rnの各抵抗値を最適化することにより、複数の第1発光素子121および複数の第2発光素子122の各々の発光強度のバランスを調整することができる。
【0048】
(座標検出原理)
本形態の位置検出装置10において、図5(a)を参照して説明した光源駆動部51は、光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)のいずれにおいても、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の一方側から他方側に向かって減少する第1点灯動作(第1期間)と、検出光L2の出射強度が検出光L2の放射角度範囲の他方側から一方側に向かって減少する第2点灯動作(第2期間)とを行わせる。
【0049】
より具体的には、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第1点灯動作時(第1期間)には、第1光源モジュール126の第1発光素子121を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第1検出光L2s)を出射させる。その際、第2発光素子122は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第1光強度分布LID1が形成される。かかる第1光強度分布LID1は、図4(a)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0050】
また、光源駆動部51は、第1光源部12Aに対して、第2点灯動作時(第2期間)には、第2光源モジュール127の第2発光素子122を点灯させ、検出対象空間10Rに検出光L2(検出光L2a/第2検出光L2t)を出射させる。その際、第1発光素子121は消灯状態にある。その結果、検出対象空間10Rには第2光強度分布LID2が形成される。かかる第2光強度分布LID2は、図4(b)に矢印の長さにより出射光の強度を示すように、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する強度分布である。
【0051】
なお、第2光源部12Bにおいて、第1光源モジュール126の第1発光素子121が点灯した第1点灯動作時、および第2光源モジュール127の第2発光素子122が点灯した第2点灯動作時にも、第1光源部12Aと同様、検出光L2(検出光L2b/第1検出光L2s、第2検出光L2t)が出射され、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2が形成される。従って、後述するように、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を利用すれば、第1光源部12Aおよび第2光源部12Bの中心PEの距離DS(図8参照)が固定であるので、対象物体Obの位置を検出することができる。
【0052】
(対象物体Obの角度位置の検出)
図7は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図7(a)、(b)は光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る位置検出装置10において対象物体ObのXY座標データを取得する原理を示す説明図である。なお、図8においては、光源部12を図示するにあたって、ライトガイドLGのみを模式的に表してある。
【0053】
まず、第1光源部12Aの第1光源モジュール126において、第1検出光L2sによって第1光強度分布LID1を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部12Aの第2光源モジュール127において、第2検出光L2tによって第2光強度分布LID2を形成した際、検出光L2の照射方向と、検出光L2の強度とは、図7(a)に線E2で示す直線関係にある。ここで、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PE(第1光源モジュール126の中心/検出光L2の放射中心位置)からみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。この場合、第1光強度分布LID1を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第1検出光L2s)の強度はINTsとなる。これに対して、第2光強度分布LID2を形成したとき、対象物体Obが存在する位置での検出光L2(第2検出光L2t)の強度はINTtとなる。従って、第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とを比較して、強度INTs、INTtの関係を求めれば、図7(b)および図8に示すように、第1光源部12Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1/角度位置)を求めることができる。
【0054】
かかる原理を利用して、対象物体Obの角度位置(角度θ1)を検出するにあたって、本形態では、第1光源部12Aにおいて、第1光源モジュール126によって第1光強度分布LID1を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度と、第2光源モジュール127によって第2光強度分布LID2を形成した際の第1受光部13Aでの検出強度とが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。ここで、第1光源部12Aからの検出光L2の出射強度は、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値に比例する。従って、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整した後の第1駆動電流値と第2発光素子122との比や差、あるいは駆動電流値を調整した際の調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。なお、本形態では、第1発光素子121および第2発光素子122が複数用いられているため、複数の第1発光素子121に供給する駆動電流の和が第1駆動電流値に相当し、複数の第2発光素子122に供給する駆動電流の和が第2駆動電流値に相当する。
【0055】
上記の原理を具体的に利用するには、まず、図5に示す第1制御用IC70Aの光源駆動部51は、第1点灯動作として第1発光素子121を点灯させて第1光強度分布LID1を形成した後、第2点灯動作として第2発光素子122を点灯させて第2光強度分布LID2を形成する。この際、第1光強度分布LID1と第2光強度分布LID2とは強度変化の向きは逆向きであるが、強度レベルは同一である。そして、図5に示す位置検出部50の調整量算出部74は、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとを比較する。その結果、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、対象物体Obの角度位置は0°である。
【0056】
これに対して、受光強度INTs、INTtが相違している場合、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整する。そして、再度、第1点灯動作と第2点灯動作とを行った際に、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しければ、図5に示す第1角度位置検出部551は、かかる調整を行った後の第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値の比や差、あるいは第1駆動電流値および第2発光素子122に対する調整量の比や差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。本形態では、第1点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTsと、第2点灯動作時の第1受光部13Aの受光強度INTtとが等しくなるように、第1発光素子121に対する第1駆動電流値、および第2発光素子122に対する第2駆動電流値を調整した際の調整量の差から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求める。
【0057】
かかる検出動作を第2光源部12Bにおいても行えば、図5に示す第2角度位置検出部552は、第2光源部12Bの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2/角度位置)を求めることができる。従って、図5に示す座標データ確定部553は、第1角度位置検出部551で検出した角度位置(角度θ1の方向)と、第2角度位置検出部552で検出した角度位置(角度θ2の方向)の交点に相当する位置を対象物体Obが位置するXY座標データとして取得する。
【0058】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の位置検出装置10において、光源部12は、検出光L2を放射状に出射するとともに、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成し、受光部13は、光強度分布が形成された検出対象空間10Rに位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光する。ここで、対象物体Obで反射した検出光L2の強度は、光強度分布において対象物体Obが位置する箇所での強度に比例するので、受光部13での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する。従って、位置検出部50は、受光部13での受光強度に基づいて対象物体Obの位置を検出することができる。かかる方式によれば、光源部12から放射状に出射された検出光L2の光強度分布を利用するので、広い空間にわたって光強度分布を形成することができ、検出対象空間10Rが広い。
【0059】
また、本形態では、検出光L2の放射角度範囲において一方側から他方側に向かって強度が変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を利用しており、かかる光強度分布であれば、湾曲した形状のライトガイドLGの周方向で光強度を単調変化させればよいので、光強度が連続して変化する光強度分布を形成しやすいとともに、比較的簡素な原理で位置検出を行うことができる。
【0060】
かかる検出方式を採用するにあたって、光源部12は、外周側面LG3に光出射面LGoutを備えて湾曲した形状のライトガイドLGと、ライトガイドLGの内周側面LG4において周方向の複数個所に設けられた光入射部LGinの各々に配置された複数の発光素子120とを備えている。このため、複数の発光素子120から出射された検出光L2は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射させて、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成する。また、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる等、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。
【0061】
また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられ、複数の発光素子120は各々、ライトガイドLGの周方向に出射光軸を向けている。このため、発光素子120から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部において効率よく周方向に進行するため、比較的少ない数の発光素子120で、ライトガイドLGの周方向の全体にわたって光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができる。
【0062】
また、本形態において、光源部12では第1光源モジュール126が第1検出光L2sを出射して第1光強度分布LID1を形成し、第2光源モジュール127が第2検出光L2tを出射して第2光強度分布LID2を形成する。このため、点灯する発光素子120を第1発光素子121と第2発光素子122との間で切り換えるだけで、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成することができる。また、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成する際に点灯する発光素子120の数が多いので、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0063】
また、位置検出部50は、光源部12での第1点灯動作時(第1期間)および第2点灯動作時(第2期間)における受光部13での受光強度が等しくなるように第1点灯動作時に光源部12に供給する第1駆動電流値と、第2点灯動作時に光源部12に供給する第2駆動電流値との比較結果に基づいて角度位置を検出する。従って、外光等の環境光の影響を吸収することができる。
【0064】
また、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、視認面41に情報が表示されている場合でも、検出光L2が情報の視認を妨げないという利点がある。
【0065】
[実施の形態2]
図9は、本発明の実施の形態2に係る位置検出装置10の受発光ユニットの説明図である。図10は、図9に示す受発光ユニットの主要部の構成を示す説明図である。図11は、図9に示す受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0066】
実施の形態1では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、Z軸方向に重ねて配置された第1光源モジュール126と第2光源モジュール127とを備えている構成であったが、図9および図10に示すように、本形態では、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、1つの光源モジュールからなる。すなわち、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを1つ有しているとともに、複数の発光素子120として、ライドガイドLGの周方向の中央とライトガイドLGの一方の端部LG1との間に配置された複数の第1発光素子121と、ライドガイドLGの周方向の中央とライトガイドLGの他方の端部LG2との間に配置された複数の第2発光素子122とを備えている。
【0067】
図10および図11に示すように、ライトガイドLGは、検出対象空間10Rに向けて湾曲した透光性の角柱状部材であり、その外周側面LG3が光出射面LGoutになっている。また、ライトガイドLGの内周側面LG4には、周方向の複数個所に光入射部LGinが形成されており、かかる複数の光入射部LGinの各々に第1発光素子121および第2発光素子122が配置されている。ここで、光入射部LGinのうち、第1発光素子121が配置された光入射部LGinと、第2発光素子122が配置された光入射部LGinとは線対称になっている。より具体的には、ライトガイドLGの内周側面LG4には、ライトガイドLGの周方向に向く一方の側面が光入射部LGinとされた楔状の突部LG0が周方向の複数個所に設けられており、かかる突部LG0のうち、一方の端部LG1の側に位置する突部LG0は、周方向において、一方の端部LG1が位置する側に光入射部LGinを備えている。これに対して、他方の端部LG2の側に位置する突部LG0は、周方向において、他方の端部LG2が位置する側に光入射部LGinを備えている。従って、第1発光素子121は、周方向において、他方の端部LG2の側に発光面および出射光軸を向け、第2発光素子122は、周方向において、一方の端部LG1の側に発光面および出射光軸を向けることになる。
【0068】
かかる構成の光源部12では、第1期間において、第1発光素子121が点灯すると、複数の第1発光素子121から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。その際、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第1発光素子121のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する第1発光素子121の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する第1発光素子121程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0069】
これに対して、第2期間において、第2発光素子122が全て点灯すると、複数の第2発光素子122から出射された検出光は、ライトガイドLGの内部で進行しながらライトガイドLGの外周側面LG3から出射される。その際、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、駆動電流が小になっている。このため、複数の第2発光素子122のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する第2発光素子122の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する第2発光素子122程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。
【0070】
それ故、本形態でも、実施の形態1と同様、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができるとともに、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。また、点灯する発光素子120を第1発光素子121と第2発光素子122との間で切り換えるだけで、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0071】
また、本形態では、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成するのにライトガイドLGが1つでよいので、位置検出装置10の小型化を図ることができる。なお、本形態の場合には、検出光L2の放射中心位置に受光部13を設けると、受光部13への反射光L3の入射がライトガイドLG等で妨げられるので、検出光L2の放射中心位置に対してZ軸方向に重なる位置に受光部13を設ければよい。
【0072】
[実施の形態3]
図12は、本発明の実施の形態3に係る位置検出装置10の受発光ユニットに構成した光源部12の構成を模式的に示す説明図であり、第1期間の第1点灯動作時に検出光L2(第1検出光L2s)が出射される様子を示す説明図、および第2期間の第2点灯動作時に検出光L2(第2検出光L2t)が出射される様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0073】
図12において、本形態でも、実施の形態2と同様、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、1つの光源モジュールからなる。従って、2つの光源部12(第1光源部12Aおよび第2光源部12B)は各々、円弧状に湾曲した形状のライトガイドLGを1つ有しているとともに、複数の発光素子120とを有している。但し、本形態では、実施の形態2と違って、複数の発光素子120には、第1発光素子121と第2発光素子122との区別がない。光源部12の他の構成は実施の形態2と同様である。
【0074】
かかる構成の光源部12において、第1期間においては、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する発光素子120への駆動電流が大になっており、他方の端部LG2の側に位置する発光素子120程、駆動電流が小になっている。このため、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの一方の端部LG1の側に位置する発光素子120の発光強度が大であり、他方の端部LG2の側に位置する発光素子120程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、一方の端部LG1に対応する角度方向から他方の端部LG2に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第1光強度分布LID1が形成される。
【0075】
これに対して、第2期間においては、図6を参照して説明した駆動電流バランス調整回路780によって、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する発光素子120への駆動電流が大になっており、一方の端部LG1の側に位置する発光素子120程、駆動電流が小になっている。このため、複数の発光素子120のうち、ライトガイドLGの他方の端部LG2の側に位置する発光素子120の発光強度が大であり、一方の端部LG1の側に位置する発光素子120程、発光強度が小である。従って、検出対象空間10Rには、他方の端部LG2に対応する角度方向から一方の端部LG1に対応する角度方向に向けて強度が単調に低下する第2光強度分布LID2が形成される。
【0076】
それ故、本形態でも、実施の形態1と同様、光強度が連続して変化する光強度分布(第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2)を形成することができるとともに、複数の発光素子120から出射された検出光L2を利用するため、ライトガイドLGから出射される光強度が強い。従って、広い範囲にわたって対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる等、実施の形態1と略同様な効果を奏する。
【0077】
また、本形態では、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2を形成するのにライトガイドLGが1つでよいので、位置検出装置10の小型化を図ることができる。しかも、第1期間および第2期間に点灯する発光素子120の数が多いので、第1光強度分布LID1および第2光強度分布LID2における光強度のレベルを高めることができる。それ故、ライトガイドLGから離間するような位置でも対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0078】
[他の実施の形態の形態]
上記実施の形態では、2つの光源部12を用いたが、1つの光源部12を用いて対象物体Obの位置を検出してもよい。また、上記実施の形態では、検出光L2の放射中心位置に受光部13を設けたが、他の箇所に受光部13を設けてもよく、2つの光源部12に対して共通の受光部13を設けてもよい。
【0079】
[位置検出システムの構成例]
(位置検出システム1の具体例1)
図13は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例1(入力機能付き表示システム)の説明図である。なお、本形態の入力機能付き表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図12を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0080】
上記実施の形態に係る位置検出システム1においては、図13に示すように、視認面構成部材40として表示装置110を用い、かかる表示装置110に、図1〜図12を参照して説明した位置検出装置10を設ければ、電子黒板やデジタルサイネージ等といった入力機能付き表示システム100として用いることができる。ここで、表示装置110は、直視型表示装置や、視認面構成部材40をスクリーンとする背面型投射型表示装置である。
【0081】
かかる入力機能付き表示システム100において、位置検出装置10は、表示面110a(視認面41)に沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した検出光L2(反射光L3)を検出する。このため、表示装置110で表示された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0082】
(位置検出システム1の具体例2)
図14を参照して、視認面構成部材40としてスクリーンを用い、位置機能付き投射型表示システムを構成した例を説明する。図14は、本発明を適用した位置検出システム1の具体例2(入力機能付き表示システム/入力機能付き投射型表示システム)の説明図である。なお、本形態の位置機能付き投射型表示システムにおいて、位置検出システム1および位置検出装置10の構成は、図1〜図12を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0083】
図14に示す入力機能付き投射型表示システム200(入力機能付き表示システム)では、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)からスクリーン80(視認面構成部材40)に画像が投射される。かかる入力機能付き投射型表示システム200において、画像投射装置250は、筐体240に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。ここで、画像投射装置250は、Y軸方向に対してわずかに傾いた方向から画像表示光Piをスクリーン80に向けて投射する。従って、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面80aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0084】
かかる入力機能付き投射型表示システム200において、位置検出装置10は、画像投射装置250に付加されて一体に構成されている。このため、位置検出装置10は、投射レンズ系210とは異なる箇所から、スクリーン面80aに沿って検出光L2を出射するとともに、対象物体Obで反射した反射光L3を検出する。このため、スクリーン80に投射された画像の一部に対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を検出することができるので、対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0085】
なお、位置検出装置10とスクリーン80とを一体化させれば、入力機能付きスクリーン装置を構成することができる。
【0086】
(位置検出システム1の他の具体例)
本発明において、視認面構成部材40は、展示品を覆う透光部材である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、透光部材において展示品が配置される側とは反対側で展示品が視認される面である。かかる構成によれば、入力機能付きウインドウシステム等として構成することができる。
【0087】
また、視認面構成部材40は、移動する遊技用媒体を支持する基盤である構成を採用することができ、この場合、視認面41は、基盤において基盤と遊技用媒体との相対位置が視認される側の面である。かかる構成によれば、パチンコ台やコインゲーム等のアミューズメント機器を入力機能付きアミューズメントシステム等として構成することができる。
【符号の説明】
【0088】
1・・位置検出システム、10・・位置検出装置、10R・・検出対象空間、12・・光源部、12A・・第1光源部、12B・・第2検出用光源部、13・・受光部、13A・・第1受光部、13B・・第2受光部、40・・視認面構成部材、41・・視認面、50・・位置検出部、100・・入力機能付き表示システム、120・・発光素子、121・・第1発光素子、122・・第2発光素子、130・・受光素子、200・・入力機能付き投射型表示システム、250・・画像投射装置、LG・・ライトガイド、LG3・・ライトガイドの外周側面、LG4・・ライトガイドの内周側面、LGin・・光入射部、LGout・・光出射面、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、
第1期間に第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1期間とは異なる第2期間に前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する光源部と、
当該光源部を駆動する光源駆動部と、
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および前記第2検出光を受光する受光部と、
前記第1期間における前記受光部の受光強度、および前記第2期間における前記受光部での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、外周側面に光出射面を備えて湾曲した形状のライトガイドと、該ライトガイドの内周側面において周方向の複数個所に設けられた光入射部の各々に配置された複数の発光素子と、を備えていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記ライトガイドの内周側面には、当該ライトガイドの周方向に向く一方の側面が前記光入射部とされた楔状の突部が周方向の複数個所に設けられ、
前記複数の発光素子は各々、前記ライトガイドの周方向に出射光軸を向けていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光強度分布では、前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて強度が減少し、前記第2光強度分布では、前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて強度が減少していることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記光源部は、前記ライトガイドおよび前記複数の発光素子を備えた第1光源モジュールおよび第2光源モジュールを備え、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールのうち、前記第1光源モジュールが前記第1検出光を出射し、前記第2光源モジュールが前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部では、1つの前記ライトガイドに対して、前記複数の発光素子として、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子が設けられ、
前記光源部は、前記光源駆動部が前記第1発光素子を点灯させた際に前記第1検出光を出射し、前記第2発光素子を点灯させた際に前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記光源部は、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて減少させたときに前記第1検出光を出射し、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて減少させたときに前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間に前記光源部に供給した駆動電流値および前記第2期間に前記光源部に供給した駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像を投射する画像投射装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する位置検出装置であって、
第1期間に第1光強度分布を形成する第1検出光、および前記第1期間とは異なる第2期間に前記第1光強度分布と異なる第2光強度分布を形成する第2検出光を出射する光源部と、
当該光源部を駆動する光源駆動部と、
前記第1光強度分布および前記第2光強度分布が形成された空間に位置する前記対象物体により反射してきた前記第1検出光および前記第2検出光を受光する受光部と、
前記第1期間における前記受光部の受光強度、および前記第2期間における前記受光部での受光強度に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、外周側面に光出射面を備えて湾曲した形状のライトガイドと、該ライトガイドの内周側面において周方向の複数個所に設けられた光入射部の各々に配置された複数の発光素子と、を備えていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記ライトガイドの内周側面には、当該ライトガイドの周方向に向く一方の側面が前記光入射部とされた楔状の突部が周方向の複数個所に設けられ、
前記複数の発光素子は各々、前記ライトガイドの周方向に出射光軸を向けていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記第1光強度分布では、前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて強度が減少し、前記第2光強度分布では、前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて強度が減少していることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記光源部は、前記ライトガイドおよび前記複数の発光素子を備えた第1光源モジュールおよび第2光源モジュールを備え、
前記第1光源モジュールおよび前記第2光源モジュールのうち、前記第1光源モジュールが前記第1検出光を出射し、前記第2光源モジュールが前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記光源部では、1つの前記ライトガイドに対して、前記複数の発光素子として、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子が設けられ、
前記光源部は、前記光源駆動部が前記第1発光素子を点灯させた際に前記第1検出光を出射し、前記第2発光素子を点灯させた際に前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記光源部は、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの一方端側から他方端側に向けて減少させたときに前記第1検出光を出射し、前記光源駆動部が前記複数の発光素子の発光強度を前記ライトガイドの他方端側から一方端側に向けて減少させたときに前記第2検出光を出射することを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記位置検出部は、前記第1期間における前記受光部の受光強度と前記第2期間における前記受光部での受光強度とが等しくなったときの前記第1期間に前記光源部に供給した駆動電流値および前記第2期間に前記光源部に供給した駆動電流値に基づいて前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像が表示される表示面を備えた表示装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか一項に規定する位置検出装置を備えた入力機能付き表示システムであって、
画像を投射する画像投射装置を備え、
前記位置検出装置での前記対象物体の位置検出結果に基づいて前記画像が切り換えられることを特徴とする入力機能付き表示システム。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図13】
【図14】
【図15】
【図3】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−194131(P2012−194131A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59801(P2011−59801)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
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