位置確認装置
【課題】 装置をコンパクト化して取り付けスペースを小さくするとともに、組み立て作業を簡素化した位置確認装置を提供する。
【解決手段】 圧力検出ブロックBに組み込んだ圧力検出部Sと、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路1と、圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路3と、供給通路1に連通するとともに圧力検出部Sを接続した検出通路5と、検出通路5およびブロー通路3のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁Aとを備える。そして、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを、連結部材Xを介して固定し、この連結部材Xに検出通路5を形成し、圧力検出部Sが連結部材Xを介して電磁切換弁Aのポートに接続する構成にした。
【解決手段】 圧力検出ブロックBに組み込んだ圧力検出部Sと、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路1と、圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路3と、供給通路1に連通するとともに圧力検出部Sを接続した検出通路5と、検出通路5およびブロー通路3のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁Aとを備える。そして、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを、連結部材Xを介して固定し、この連結部材Xに検出通路5を形成し、圧力検出部Sが連結部材Xを介して電磁切換弁Aのポートに接続する構成にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワークなどが着座面に正確に着座しているかどうかを確認するための位置確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のものとして、図10、図11に示した装置が従来知られている。
この従来の装置は、図10に示すように、接続ポート1aをエア供給源Pに接続する供給通路1を備えている。この供給通路1には、レギュレータR1,R2を直列に接続している。上記レギュレータR1,R2は、エア供給源Pから供給通路1に供給される圧縮エアの圧力を調整するものであり、レギュレータR1の設定圧をレギュレータR2の設定圧よりも高圧にしている。したがって、レギュレータR2よりも上流側には、レギュレータR1で圧力調整された高圧の圧縮エア(圧縮ブローエア)が導かれ、レギュレータR2よりも下流側には、レギュレータR2でさらに圧力調整された圧縮エア(圧縮検出エア)が導かれることとなる。
【0003】
また、上記供給通路1には、レギュレータR2の下流側に電磁制御弁2を接続しており、この電磁制御弁2を切り換えることにより、供給通路1を開閉する。さらに、レギュレータR1,R2の連通過程には、ブロー通路3を接続するとともに、このブロー通路3を複数の電磁切換弁A1〜A5のブローポートaに接続している。
一方、上記供給通路1は、電磁制御弁2の下流側における圧力検出ブロックB1〜B5に設けた分岐ポート4a〜4eに接続するとともに、この分岐ポート4a〜4eのそれぞれに検出通路5を接続している。また、上記分岐ポート4a〜4eには、検出通路5と同様に、比較通路6を接続するとともに、この比較通路6を、ニードル弁7を介して大気に連通させている。
なお、上記比較通路6および検出通路5には、それぞれオリフィス8a,8bを設けている。
【0004】
また、上記圧力検出ブロックBには差圧検出手段9を設けるとともに、この差圧検出手段9には検出通路5および比較通路6を接続している。なお、差圧検出手段9としては、例えばダイアフラムや半導体センサが用いられ、この差圧検出手段9、比較通路6、ニードル弁7によって圧力検出部Sを構成することとなる。
そして、上記検出通路5は、上記電磁切換弁A1〜A5の検出ポートbに接続されている。この電磁切換弁A1〜A5は、上記ブローポートa,検出ポートb、および合流ポートcを有する3方弁からなり、上記合流ポートcは、配管10を介してテーブルに形成した噴出口11に接続するようにしている。
また、電磁切換弁A1〜A5は、その切り換え位置に応じて、検出通路5およびブロー通路3のいずれか一方を合流ポートcに連通させ、いずれか他方を合流ポートcから遮断する。
【0005】
以上の回路構成からなる位置確認装置は、ワークがテーブル上に載置される際、つまり、ワークがテーブルに向かって近づく過程で、電磁制御弁2を図面下側位置に維持するとともに、電磁切換弁A1〜A5を図面上側位置に切り換える。すると、レギュレータR1で圧力調整された圧縮ブローエアが、ブロー通路3→電磁切換弁A1〜A5→配管10を介して噴出口11から噴出する。
このように、噴出口11から高圧の圧縮ブローエアを噴出させることで、ワークに付着した油や切削屑等を吹き飛ばして、ワークをテーブルにしっかりと着座させるようにしている。また、油や切削屑等を吹き飛ばすことにより、配管10内に油分等が浸入して配管詰まりを生じるのを防ぐこともできる。
【0006】
そして、ワークがテーブルに載置されると同時に、今度は電磁制御弁2を図面上側位置に切り換え、電磁切換弁A1〜A5を図面下側位置に切り換える。すると、供給通路1が開くとともに、検出通路5が配管10に連通するので、レギュレータR2で圧力調整された圧縮検出エアが、供給通路1→検出通路5→電磁切換弁A1〜A5の検出ポートb→合流ポートc→配管10を介して噴出口11から噴出する。
このとき、差圧検出手段9は、検出通路5と比較通路7との圧力差を検出しているが、当該差圧検出手段9の検出値は、テーブル上に載置したワークとテーブルとの隙間量に応じて変化する。
すなわち、ワークとテーブルとの間に隙間がない場合には、噴出口11から圧縮検出エアが噴出できないため、検出通路5内の圧力が高くなる。これに対してワークとテーブルとの間に隙間がある場合には、その隙間から圧縮検出エアが噴出するので、検出通路5内の圧力が低くなる。つまり、検出通路5内の圧力は、ワークとテーブルとの間の隙間量が大きくなるにつれて、徐々に低くなる関係にある。
【0007】
これに対して、比較通路6はニードル弁7を介して大気に連通しているので、当該比較通路6内の圧力はほぼ一定に保たれている。したがって、比較通路6と検出通路5との圧力差は、ワークとテーブルとの隙間量に応じて変化することになる。
なお、ニードル弁7の開度を調整することにより、比較通路6内の設定圧力を変えることができるが、この開度は次のようにして決定される。例えば、ワークとテーブルとの間の許容隙間量を0.1mmとした場合、ワークとテーブルとの間の隙間量が0.1mmのときの、検出通路5内の圧力を検出する。そして、比較通路6内の圧力が、隙間量0.1mmのときに検出される検出通路5内の圧力と等しくなるように、ニードル弁7の開度を調整する。
このようにすれば、隙間量が0.1mmよりも大きいときには、検出通路5内の圧力が、比較通路6内の圧力よりも低くなる。逆に、隙間量が0.1mm以下のときには、検出通路5内の圧力が、比較通路6内の圧力よりも高くなる。
したがって、差圧検出手段9が検出する比較通路6と検出通路5との圧力差が、検出通路5≧比較通路6となったときには、ワークとテーブルとの間の隙間量が許容範囲内にあることとなる。このように、差圧検出手段9の検出値を見れば、ワークとテーブルとの隙間量を特定することができる。
【0008】
そして、差圧検出手段9には図示しないコントローラが接続されており、差圧検出手段9が、検出通路5≧比較通路6と検出したとき、コントローラはオン信号を出力し、ワークに対する作業を開始する。一方、差圧検出手段9が、比較通路6>検出通路5と検出したときには、隙間量が大きいと判断して、NG信号を出力するとともに作業を中断する。
以上のように、上記の位置確認装置によれば、電磁切換弁A1〜A5の切り換え制御によって、圧縮ブローエアを噴出させたり、あるいは圧縮検出エアを噴出させたりして、いわゆるブローと検出とを連続的に行っている。
【0009】
そして、上記の回路構成からなる位置確認装置の構造は、図11に示すとおりである。すなわち、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5が連接して固定されている。さらに、電磁切換弁A1にはレギュレータR1を連接して固定するとともに、電磁切換弁A5にはレギュレータR2を連接して固定している。そして、連接するレギュレータR1、電磁切換弁A1〜A5、およびレギュレータR2には、その本体内を貫通させて上記供給通路1を形成する。なお、エア供給源Pに接続する供給通路1の接続ポート1aは、レギュレータR1側に位置している。
また、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5から所定の間隔を維持した位置に、圧力検出ブロックB1〜B5を連接して固定している。この圧力検出ブロックB1〜B5は、その内部に圧力検出部Sを組み込んでいる。そして、圧力検出ブロックB1には、電磁制御弁2を連接して固定するとともに、この電磁制御弁2および圧力検出ブロックB1〜B5内に、それらを貫通する供給通路1を設けている。
【0010】
上記したように、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5およびレギュレータR1,R2を連接したユニットと、圧力検出ブロックB1〜B5および電磁制御弁2を連接したユニットとが、所定の間隔をもって配置されているが、これら両ユニットは配管13,14で接続されている。
なお、配管13は、供給通路1を構成しており、両ユニットに貫通する供給通路1を連通させている。したがって、供給通路1は、レギュレータR1→電磁切換弁A1〜A5→レギュレータR2→配管13→電磁制御弁2→圧力検出ブロックB1〜B5にわたって構成されることとなる。
また、配管14は、検出通路5を構成しており、各圧力検出ブロックB1〜B5内の圧力検出部Sと、電磁切換弁A1〜A5の各検出ポートbとを接続している。
なお、図11においては、ブロー通路3を記していないが、ブロー通路3は、電磁切換弁A1〜A5本体を貫通する供給通路1から分岐しており、電磁切換弁A1〜A5に設けた図示しないブローポートaに接続されている。
【0011】
そして、上記配管13,14は、コストや重量、あるいは取り付け時の自在性等の面から樹脂製のものを採用することが多い。このように、樹脂製の配管13,14に対して、外力が作用したり、ねじれや曲げ応力が作用したりすると、当該配管13,14の開口断面積が変わってしまい、各通路に所期の必要流量を供給することができなくなって、装置の特性が変化してしまうおそれがある。
また、外力が作用することによって配管13,14が破れたり、切断されたり、さらには、配管13,14をつなぐ継手に荷重が作用して、継手と配管13,14との間にリークが生じるおそれもある。
しかも、配管14は、図11からも明らかなように、圧力検出ブロックB(電磁切換弁A)の数だけ必要となるため、複数の配管14が、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとの間で重なり合うようにして接続されている。そのため、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とをあまり近づけすぎると、狭いスペースで配管14が互いに重なり合ったり絡まったりして、相互に外力が作用したり、あるいは配管14が曲げ応力によって変形してしまい、上記の問題が生じる可能性が高くなる。
【0012】
そこで、金属パネル12上に、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、所定の間隔をもって固定し、配管13,14が変形しないようにしたのである。
また、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、上記のようにして金属パネル12上に固定すれば、輸送の際に配管13,14に外力が作用して押しつぶされたり、あるいは圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とが相互に移動して、配管13,14が捩じれたりする恐れもなくなる。
なお、先行技術調査の結果、この発明に想到するものは見つからなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、従来の位置確認装置においては、金属パネル12上に圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、所定の間隔をもって固定しているため、装置の取り付けスペースが大きくなってしまうという問題があった。
【0014】
また、従来の位置確認装置を組み付ける際には、隣り合う電磁切換弁A1〜A5およびレギュレータR1、R2をそれぞれ連結するとともに、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5および電磁制御弁2をそれぞれ連結しなければならず、しかも、全ての圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとに配管14を取り付けなければならない。そのため、組み立て作業が非常に煩雑になるという問題があった。
【0015】
さらに、電磁切換弁A1〜A5は、それを切り換え制御する際に熱を生じるため、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを近づけすぎると、電磁切換弁A1〜A5が発する熱によって圧力検出部Sが故障したり、あるいは検出通路5内の温度上昇によって誤検出したりするという問題があった。
また、電磁切換弁A1〜A5は、磁力によって電気的に切り換え制御を行っているため、電磁切換弁A1〜A5と圧力検出ブロックB1〜B5とを近づけすぎると、電磁切換弁A1〜A5から発生する磁力が、圧力検出部Sに悪影響を及ぼすおそれがあり、特に、電磁切換弁Aの数が多い場合には、圧力検出部Sに及ぼす影響も大きくなるという問題があった。
【0016】
この発明の目的は、装置をコンパクト化して取り付けスペースを小さくするとともに、組み立て作業を簡素化した位置確認装置を提供することであり、さらには、上記コンパクト化と組み立て作業の簡素化を実現しながらも、電磁切換弁がもたらす熱や磁力によって圧力検出部が故障や誤検出することのない位置確認装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路と、上記圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路と、上記供給通路に連通するとともに上記圧力検出部を接続した検出通路と、上記検出通路およびブロー通路のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁とを備え、上記噴出口から圧縮ブローエアあるいは圧縮検出エアを噴出させる位置確認装置を前提とする。
【0018】
上記の構成を前提として、第1の発明は、上記圧力検出ブロックと上記電磁切換弁とを、連結部材を介して固定するとともに、この連結部材には上記検出通路を形成し、上記圧力検出部が上記連結部材を介して電磁切換弁のポートに接続する点に特徴を有する。
第2の発明は、連結部材を介して圧力検出ブロックと電磁切換弁とを連結したユニットを複数連接し、上記圧力検出ブロックには、隣り合う圧力検出ブロック同士を連結する接続機構を設ける一方、上記連結部材または電磁切換弁のいずれかには、少なくても上記ブロー通路を形成するとともに、このブロー通路の開口を、隣り合う連結部材または電磁切換弁の対向面に設けてなり、しかも上記接続機構によって隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士を非連結状態に維持した点に特徴を有する。
【0019】
第3の発明は、上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、隙間を維持する点に特徴を有する。
第4の発明は、上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、圧接シールからなるシール部材を設けるとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する上記接続機構の締め付け力によって、上記圧接シールをブロー通路の開口面間に圧接させる点に特徴を有する。
【0020】
第5の発明は、上記供給通路が、隣り合う圧力検出ブロックを貫通して形成するとともに、これら隣り合う圧力検出ブロック間には上記供給通路の開口接続部をシールするシール部材を設ける一方、上記隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間には、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を設け、しかも、このブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くした点に特徴を有する。
第6の発明は、上記検出通路が、圧力検出ブロックから連結部材に連続して形成するとともに、上記圧力検出ブロックおよび連結部材のいずれか一方または双方であって、上記検出通路の外周には、大気に連通する放熱部を設けた点に特徴を有する。
第7の発明は、上記連結部材が、圧力検出部を電磁切換弁が発する磁力から遮蔽する機能を有する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と電磁切換弁のポートとが、連結部材に形成した検出通路によって接続されるので、圧力検出ブロックと電磁切換弁とを接続する配管が不要となる。したがって、圧力検出ブロックと電磁切換弁とを、連結部材を介して一体的に固定することができ、装置全体をコンパクト化して、取り付けスペースを小さくすることができる。
しかも、従来のように圧力検出ブロックあるいは電磁切換弁の数だけ配管を接続する必要がなくなり、組み立て作業を簡素化することができる。
【0022】
第2の発明によれば、隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方で、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士は非連結状態に維持した。仮に全ての部材を連結してしまうと、各部材が干渉し合ってしまい、連結部分にリークが生じるおそれがある。しかし、この第2の発明によれば、隣り合う電磁切換弁同士および隣り合う電磁切換弁同士は非連結状態に維持することにより、各部材が干渉することがなくなり、連結部分にリークが生じるおそれを低減することができる。
第3の発明によれば、ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間に隙間を維持したので、各部材の寸法誤差を吸収することができる。したがって、圧力検出ブロックと連結部材との固定面、あるいは圧力検出ブロックと電磁切換弁に歪みが生じることがなく、検出通路の継ぎ目に漏れが生じることもない。
【0023】
第4の発明によれば、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を圧接シールで構成するとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する締め付け力によって、圧接シールを圧接させるので、隣り合う連結部材間あるいは電磁切換弁間に歪を生じることなく、ブロー通路をしっかりとシールすることができる。
第5の発明によれば、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くしたので、ブロー通路が開口する対向面間に隙間があったり、あるいは隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間の接続力が弱かったりしても、しっかりとブロー通路の漏れを防ぐことができる。
【0024】
第6の発明によれば、検出通路の外周には大気に連通する放熱部を設けたので、検出通路内の熱を放熱することができる。したがって、電磁切換弁が発する熱によってもたらされる、検出通路内の温度上昇を抑制することができる。このように、検出通路内の温度上昇を抑制することができるので、電磁切換弁の熱によって圧力検出部が故障したりあるいは誤検出するおそれを低減することができる。
第7の発明によれば、連結部材に磁気遮蔽機能をもたせたので、電磁切換弁が発する磁力が、圧力検出部に及ぼす影響を低減させることができる。したがって、圧力検出部が磁力の影響によって故障するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1〜図4を用いて、この発明の第1実施形態について説明する。
ただし、以下に説明する各実施形態の位置確認装置は、その回路構成を上記従来例と同じにしている。したがって、回路構成およびその作用についての詳細な説明は省略するとともに、上記従来例と同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
図1に示すように、この第1実施形態の位置確認装置は、レギュレータR1,R2、電磁制御弁2、および圧力検出ブロックB1〜B5を一直線上に連接している。これらレギュレータR1,R2、電磁制御弁2および圧力検出ブロックB1〜B5には、それら各部材を一直線に貫通する供給通路1を形成している。なお、エア供給源Pに接続する供給通路1の接続ポート1aは、レギュレータR1の一端面(図中右側端面)に開口している。
【0026】
また、各圧力検出ブロックB1〜B5の特定の一面(図面下側の面)には、プレート状の連結部材X1〜X5を固定している。そして、この連結部材X1〜X5であって、上記圧力検出ブロックB1〜B5を固定した面とは反対側の面に、電磁切換弁A1〜A5を固定している。つまり、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、連結部材X1〜X5を介して固定している。なお、上記連結部材X1〜X5は鉄等の磁性体からなり、電磁切換弁A1〜A5から発する磁力の影響が、圧力検出ブロックB1〜B5側に及ばないようにしている。
上記圧力検出ブロックB1〜B5、連結部材X1〜X5、および電磁切換弁A1〜A5の内部構造は図2に示すとおりである。図2は、図1におけるII−II線断面図であるが、この図2は、各構成要素の内部構造を概念的に示したものであり、寸法等は図1と一致するものではない。また、ここでは圧力検出ブロックB1、連結部材X1、および電磁切換弁A1を固定したユニットについて説明するが、他のユニット(例えば圧力検出ブロックB2、連結部材X2、および電磁切換弁A2)もこれと同様である。
【0027】
図2からも明らかなように、圧力検出ブロックB1は、センサ組み込みブロック15とベースブロック16とからなり、ベースブロック16には、両側面に貫通する供給通路1を設けている。また、ベースブロック16には、供給通路1を分岐する分岐ポート4aを備えている。
そして、センサ組み込みブロック15には、上記分岐ポート4aに接続する比較通路6を設けるとともに、この比較通路6が大気に連通する過程にニードル弁7を設けている。
さらに、センサ組み込みブロック15には、上記分岐ポート4aに接続する検出通路5を設けている。ただし、この検出通路5は、センサ組み込みブロック15から、ベースブロック16および連結部材X1を貫通して、電磁切換弁A1の検出ポートbに接続されている。
【0028】
また、センサ組み込みブロック15には、比較通路6と検出通路5との圧力差を検出する差圧検出手段9を組み込むとともに、ベースブロック16との固定面には、オリフィス8a,8bを形成したオリフィス構成部材8を組み込んでいる。したがって、比較通路6はオリフィス8aを介して供給通路1に連通するとともに、検出通路5はオリフィス8bを介して供給通路1に連通することとなる。
なお、差圧検出手段9、比較通路6、ニードル弁7によって、この発明の圧力検出部Sを構成している。
このように、圧力検出ブロックB1は、センサ組み込みブロック15とベースブロック16とからなり、センサ組み込みブロック15には圧力検出部Sを組み込み、ベースブロック16には供給通路1および検出通路5を形成している。
【0029】
そして、ベースブロック16には連結部材X1を固定しているが、この連結部材X1にも、その両側面に貫通するブロー通路3を形成している。なお、ブロー通路3および供給通路1は同じ側面に開口している。
なお、図1に示すように、連結部材X1の図中右側の開口面には配管17を接続し、この配管17をレギュレータR1,R2の連通過程に接続している。したがって、ブロー通路3は、配管17および連結部材X1〜X5にわたって構成されることとなる。
【0030】
さらに、上記連結部材X1には、図2に示すように、圧力検出ブロックB1を固定した面とは反対側の面(図中下側面)に電磁切換弁A1を固定している。この電磁切換弁A1は、コントローラからの信号に基づいて、ブローポートaおよび検出ポートbのいずれか一方を合流ポートcに連通させ、いずれか他方を合流ポートcから遮断する。
したがって、この電磁切換弁A1を制御することにより、ブロー通路3を合流ポートcに連通させたり、あるいは検出通路5を合流ポートcに連通させたりすることができる。
【0031】
また、上記ベースブロック16には、検出通路5の外周近傍に位置する環状凹部からなる放熱部18aを形成している。この放熱部18aは、連結部材X1との合わせ面に開口するとともに、大気開放通路18bを介して大気に連通するようにしている。したがって、電磁切換弁A1が熱を発したとしても、検出通路5内の熱が、放熱部18aおよび大気開放通路18bを介して大気に放熱される。このように、検出通路5内の熱を放熱すれば、当該検出通路5内の温度上昇にともなう温度ドリフトを低減させ、圧力検出部Sが誤検出するおそれを低減することができる。また、熱の伝達によって圧力検出部Sが故障するおそれも低減することができる。
なお、連結部材X1の外周面には、取り付け用の金属製ブラケット19を面接触状態で固定している。この金属製ブラケット19は、当該位置確認装置を壁面等に固定する部材であるが、これを金属製の装置等に固定することにより、連結部材X1をアースさせる役割をも担っている。
【0032】
そして、圧力検出ブロックB1と連結部材X1とを図示しないねじ等で固定し、さらに連結部材X1と電磁切換弁A1とをねじ等で固定してユニット化する。これと同様に、圧力検出ブロックB2〜B5、連結部材X2〜X5、および電磁切換弁A2〜A5もそれぞれユニット化する。各ユニットは、図1に示すように、横に一直線上に連接させて固定する。
ただし、隣り合う各ユニットは、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5を固定することによって連結している。つまり、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5同士をジョイナーで固定し、隣り合う連結部材X1〜X5同士は固定せずに非連結状態にしている。なお、圧力検出ブロックB1,B2の連結方法は、図3に示すとおりである。
【0033】
すなわち、圧力検出ブロックB1,B2のセンサ組み込みブロック16には、上記した通り供給通路1を設けているが、この供給通路1が開口する両側面には、対向面に向かって徐々に径を太くする突片20を形成している。
一方、上記突片20を連結するジョイナーJには、上記突片20と傾斜角を等しくする圧接面21を備えている。このジョイナーJは、圧接面21を突片20の傾斜面に当接させた状態で、ねじ22を羅合させることにより、ねじ22の軸方向の推力を両ブロックB1,B2が近づく方向の圧接力に変換する。したがって、ねじ22によってジョイナーJを締め付ければ、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5をしっかりと連結させることができる。なお、上記圧接面21の傾斜角θは、45度以上にすることが望ましい。
そして、上記突片20、ジョイナーJ、およびねじ22によって、この発明の接続機構を構成しているが、接続機構は上記の構造に限らず、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5を連結する構成であれば、特にどのような構造でも構わない。
【0034】
また、ジョイナーJによって圧力検出ブロックB1〜B5を連結すると、図4に示すように、供給通路1が一直線上に形成される。そして、各供給通路1の開口部すなわち継ぎ目には開口凹部23を形成しており、この開口凹部23にシール部材24を組み込んでいる。このように、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5の継ぎ目に、シール部材24を設けることにより、供給通路1から圧縮検出エアが漏れないようにしている。
一方、上記のようにして圧力検出ブロックB1〜B5を連結したとき、隣り合う連結部材X1〜X5の間には、僅かな隙間L1が形成される寸法関係を維持している。そして、ブロー通路3の開口部には開口凹部25を形成するとともに、この開口凹部25にシール部材26を組み込んでいる。
【0035】
そして、ブロー通路3の外周をシールするシール部材26は、供給通路1の外周をシールするシール部材24よりも長くしている。このように、シール部材26をシール部材24よりも長くするのは、隣り合う連結部材X1〜X5の間に隙間L1を設けているためである。つまり、シール部材26の長さを、シール部材24の長さ+隙間L1以上にしており、隣り合う連結部材X1〜X5間に形成される隙間を、シール部材26がしっかりと埋めるようにしている。
なお、上記隙間L1は、次のような役割を果たしている。
【0036】
すなわち、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5との間には、製造工程でどうしても微妙な寸法誤差が生じてしまう。つまり、圧力検出ブロックB1〜B5の幅と、連結部材X1〜X5の幅とが、全て完全に一致することはない。特に、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5とを複数連接すると、全体としての寸法誤差は大きくなる。このとき、隙間L1を設けずに、隣り合う連結部材X1〜X5をぴったりと密着して連接しようとすると、寸法誤差によってひずみが生じ、供給通路1やブロー通路3、さらには検出通路5の継ぎ目に漏れが生じるおそれがある。そこで、隣り合う連結部材X1〜X5の間に隙間L1を設けるとともに、シール部材26をシール部材24よりも長くしたのである。
【0037】
なお、ブロー通路3の開口接続部をシールするシール部材26は、連結部材X1、X2間に設けたような圧接シールでもよいし、連結部材X2、X3間に設けたような外周シールでもよい。
ただし、シール部材26を圧接シールとすれば、圧力検出ブロックB1〜B5を連結するジョイナーJの締め付け力が、シール部材26の圧接力となって作用するので、ブロー通路3のシール機能を一層高めることができる。
【0038】
以上のように、上記第1実施形態の位置確認装置によれば、圧力検出ブロックBに組み込んだ圧力検出部Sと電磁切換弁Aの検出ポートbとが、連結部材Xに形成した検出通路5によって接続されるので、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを接続する配管が不要となる。したがって、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを、連結部材Xを介して一体的に固定することができ、装置全体をコンパクト化して、取り付けスペースを小さくすることができる。
しかも、従来に比べて配管数をかなり減らすことができるので、組み立て作業を簡素化することができる。
【0039】
なお、圧力検出部Sは、上記の構成に限らない。上記第1実施形態においては、差圧検出手段9が検出通路5と比較通路6との圧力差を検出するが、例えば、差圧検出手段9が単に検出通路5内の圧力を検出するようにしても構わない。また、検出通路5に絞りを形成するとともに、この絞りの前後の差圧を検出するようにしても構わない。いずれにしても、圧力検出部Sは、検出通路(供給通路と電磁切換弁との連通過程)に接続するとともに、少なくても当該検出通路の圧力を検出するものであればよい。
さらに、上記第1実施形態においては、供給通路1を圧力検出ブロックB1〜B5に設けるとともに、ブロー通路3を連結部材X1〜X5に設けたが、例えば両通路1,3を圧力検出ブロックB1〜B5に設けてもよいし、両通路1,3を連結部材X1〜X5に設けても構わない。
【0040】
そして、上記第1実施形態においては、圧力検出ブロックB1〜B5をセンサ組み込みブロック15とベースブロック16とに分割して構成しているが、特にブロックを分割する必要はなく、一体的に構成してもよい。
例えば、図5に示す第2実施形態のように、供給通路1および検出通路5を連結部材X1に形成し、ブロー通路3を電磁切換弁A1に形成してもよい。このようにすれば、連結部材X1が、第1実施形態におけるベースブロック16の機能(図2参照)を果たすので、ベースブロックが不要となり、一層コンパクト化を実現することができる。
【0041】
なお、連結部材X1〜X5の材質は特に限定されないが、強度的には金属製であることが望ましい。しかし、連結部材X1〜X5を金属製にすると、電磁切換弁A1〜A5の熱が、連結部材X1〜X5を介して圧力検出部Sに伝達しやすくなってしまう。そこで、図6に示す第3実施形態のように、連結部材X1〜X5と圧力検出ブロックB1〜B5との間に間隔27を形成し、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5との接触面積を小さくすれば、電磁切換弁A1〜A5の熱が圧力検出ブロックB1〜B5および圧力検出部Sに伝達しにくくなる。しかも、この第3実施形態においては、上記間隔27が、放熱部18aを大気に連通する役割をも果たすので、第1実施形態のように圧力検出ブロックB1〜B5に大気開放通路18bを形成する必要がない。
【0042】
また、図7に示す第4実施形態のように、連結部材X1〜X5の両面に間隔27を形成して、連結部材X1〜X5と圧力検出ブロックB1〜B5との接触面積、および連結部材X1〜X5と電磁切換弁A1〜A5との接触面積を小さくすれば、一層、電磁切換弁A1〜A5の熱が圧力検出部Sに作用しにくくなる。なお、図8に示す第5実施形態は、上記第4実施形態において、ブロー通路3を電磁切換弁A1に形成したものであり、この第5実施形態においても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、上記第1〜5実施形態においては、連結部材X1〜X5の一面に圧力検出ブロックB1〜B5を固定し、この圧力検出ブロックB1〜B5を固定した面の反対面に電磁切換弁A1〜A5を固定したが、図9に示す第6実施形態のように、圧力検出ブロックB1〜B5の固定面と、電磁切換弁A1〜A5の固定面とが、直角になるようにしても構わない。この場合でも、電磁切換弁A1〜A5と圧力検出ブロックBとの間に、検出通路5を構成する配管が不要となるので、配管作業を減らして、組み立て作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態の位置確認装置の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面を概念的に示す図である。
【図3】接続機構を概念的に示す図である。
【図4】連結部材のシール構造を示す図である。
【図5】第2実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図6】第3実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図7】第4実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図8】第5実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図9】第6実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図10】位置確認装置の回路構成を示す図である。
【図11】従来の位置確認装置の正面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 供給通路
3 ブロー通路
5 検出通路
11 噴出口
18a 放熱部
19 ブラケット
20 突片
21 圧接面
22 ねじ
26 シール部材
A1〜A5 電磁切換弁
B1〜B5 圧力検出ブロック
J ジョイナー
S 圧力検出部
P エア供給源
X1〜X5 連結部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワークなどが着座面に正確に着座しているかどうかを確認するための位置確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のものとして、図10、図11に示した装置が従来知られている。
この従来の装置は、図10に示すように、接続ポート1aをエア供給源Pに接続する供給通路1を備えている。この供給通路1には、レギュレータR1,R2を直列に接続している。上記レギュレータR1,R2は、エア供給源Pから供給通路1に供給される圧縮エアの圧力を調整するものであり、レギュレータR1の設定圧をレギュレータR2の設定圧よりも高圧にしている。したがって、レギュレータR2よりも上流側には、レギュレータR1で圧力調整された高圧の圧縮エア(圧縮ブローエア)が導かれ、レギュレータR2よりも下流側には、レギュレータR2でさらに圧力調整された圧縮エア(圧縮検出エア)が導かれることとなる。
【0003】
また、上記供給通路1には、レギュレータR2の下流側に電磁制御弁2を接続しており、この電磁制御弁2を切り換えることにより、供給通路1を開閉する。さらに、レギュレータR1,R2の連通過程には、ブロー通路3を接続するとともに、このブロー通路3を複数の電磁切換弁A1〜A5のブローポートaに接続している。
一方、上記供給通路1は、電磁制御弁2の下流側における圧力検出ブロックB1〜B5に設けた分岐ポート4a〜4eに接続するとともに、この分岐ポート4a〜4eのそれぞれに検出通路5を接続している。また、上記分岐ポート4a〜4eには、検出通路5と同様に、比較通路6を接続するとともに、この比較通路6を、ニードル弁7を介して大気に連通させている。
なお、上記比較通路6および検出通路5には、それぞれオリフィス8a,8bを設けている。
【0004】
また、上記圧力検出ブロックBには差圧検出手段9を設けるとともに、この差圧検出手段9には検出通路5および比較通路6を接続している。なお、差圧検出手段9としては、例えばダイアフラムや半導体センサが用いられ、この差圧検出手段9、比較通路6、ニードル弁7によって圧力検出部Sを構成することとなる。
そして、上記検出通路5は、上記電磁切換弁A1〜A5の検出ポートbに接続されている。この電磁切換弁A1〜A5は、上記ブローポートa,検出ポートb、および合流ポートcを有する3方弁からなり、上記合流ポートcは、配管10を介してテーブルに形成した噴出口11に接続するようにしている。
また、電磁切換弁A1〜A5は、その切り換え位置に応じて、検出通路5およびブロー通路3のいずれか一方を合流ポートcに連通させ、いずれか他方を合流ポートcから遮断する。
【0005】
以上の回路構成からなる位置確認装置は、ワークがテーブル上に載置される際、つまり、ワークがテーブルに向かって近づく過程で、電磁制御弁2を図面下側位置に維持するとともに、電磁切換弁A1〜A5を図面上側位置に切り換える。すると、レギュレータR1で圧力調整された圧縮ブローエアが、ブロー通路3→電磁切換弁A1〜A5→配管10を介して噴出口11から噴出する。
このように、噴出口11から高圧の圧縮ブローエアを噴出させることで、ワークに付着した油や切削屑等を吹き飛ばして、ワークをテーブルにしっかりと着座させるようにしている。また、油や切削屑等を吹き飛ばすことにより、配管10内に油分等が浸入して配管詰まりを生じるのを防ぐこともできる。
【0006】
そして、ワークがテーブルに載置されると同時に、今度は電磁制御弁2を図面上側位置に切り換え、電磁切換弁A1〜A5を図面下側位置に切り換える。すると、供給通路1が開くとともに、検出通路5が配管10に連通するので、レギュレータR2で圧力調整された圧縮検出エアが、供給通路1→検出通路5→電磁切換弁A1〜A5の検出ポートb→合流ポートc→配管10を介して噴出口11から噴出する。
このとき、差圧検出手段9は、検出通路5と比較通路7との圧力差を検出しているが、当該差圧検出手段9の検出値は、テーブル上に載置したワークとテーブルとの隙間量に応じて変化する。
すなわち、ワークとテーブルとの間に隙間がない場合には、噴出口11から圧縮検出エアが噴出できないため、検出通路5内の圧力が高くなる。これに対してワークとテーブルとの間に隙間がある場合には、その隙間から圧縮検出エアが噴出するので、検出通路5内の圧力が低くなる。つまり、検出通路5内の圧力は、ワークとテーブルとの間の隙間量が大きくなるにつれて、徐々に低くなる関係にある。
【0007】
これに対して、比較通路6はニードル弁7を介して大気に連通しているので、当該比較通路6内の圧力はほぼ一定に保たれている。したがって、比較通路6と検出通路5との圧力差は、ワークとテーブルとの隙間量に応じて変化することになる。
なお、ニードル弁7の開度を調整することにより、比較通路6内の設定圧力を変えることができるが、この開度は次のようにして決定される。例えば、ワークとテーブルとの間の許容隙間量を0.1mmとした場合、ワークとテーブルとの間の隙間量が0.1mmのときの、検出通路5内の圧力を検出する。そして、比較通路6内の圧力が、隙間量0.1mmのときに検出される検出通路5内の圧力と等しくなるように、ニードル弁7の開度を調整する。
このようにすれば、隙間量が0.1mmよりも大きいときには、検出通路5内の圧力が、比較通路6内の圧力よりも低くなる。逆に、隙間量が0.1mm以下のときには、検出通路5内の圧力が、比較通路6内の圧力よりも高くなる。
したがって、差圧検出手段9が検出する比較通路6と検出通路5との圧力差が、検出通路5≧比較通路6となったときには、ワークとテーブルとの間の隙間量が許容範囲内にあることとなる。このように、差圧検出手段9の検出値を見れば、ワークとテーブルとの隙間量を特定することができる。
【0008】
そして、差圧検出手段9には図示しないコントローラが接続されており、差圧検出手段9が、検出通路5≧比較通路6と検出したとき、コントローラはオン信号を出力し、ワークに対する作業を開始する。一方、差圧検出手段9が、比較通路6>検出通路5と検出したときには、隙間量が大きいと判断して、NG信号を出力するとともに作業を中断する。
以上のように、上記の位置確認装置によれば、電磁切換弁A1〜A5の切り換え制御によって、圧縮ブローエアを噴出させたり、あるいは圧縮検出エアを噴出させたりして、いわゆるブローと検出とを連続的に行っている。
【0009】
そして、上記の回路構成からなる位置確認装置の構造は、図11に示すとおりである。すなわち、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5が連接して固定されている。さらに、電磁切換弁A1にはレギュレータR1を連接して固定するとともに、電磁切換弁A5にはレギュレータR2を連接して固定している。そして、連接するレギュレータR1、電磁切換弁A1〜A5、およびレギュレータR2には、その本体内を貫通させて上記供給通路1を形成する。なお、エア供給源Pに接続する供給通路1の接続ポート1aは、レギュレータR1側に位置している。
また、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5から所定の間隔を維持した位置に、圧力検出ブロックB1〜B5を連接して固定している。この圧力検出ブロックB1〜B5は、その内部に圧力検出部Sを組み込んでいる。そして、圧力検出ブロックB1には、電磁制御弁2を連接して固定するとともに、この電磁制御弁2および圧力検出ブロックB1〜B5内に、それらを貫通する供給通路1を設けている。
【0010】
上記したように、金属パネル12上には、電磁切換弁A1〜A5およびレギュレータR1,R2を連接したユニットと、圧力検出ブロックB1〜B5および電磁制御弁2を連接したユニットとが、所定の間隔をもって配置されているが、これら両ユニットは配管13,14で接続されている。
なお、配管13は、供給通路1を構成しており、両ユニットに貫通する供給通路1を連通させている。したがって、供給通路1は、レギュレータR1→電磁切換弁A1〜A5→レギュレータR2→配管13→電磁制御弁2→圧力検出ブロックB1〜B5にわたって構成されることとなる。
また、配管14は、検出通路5を構成しており、各圧力検出ブロックB1〜B5内の圧力検出部Sと、電磁切換弁A1〜A5の各検出ポートbとを接続している。
なお、図11においては、ブロー通路3を記していないが、ブロー通路3は、電磁切換弁A1〜A5本体を貫通する供給通路1から分岐しており、電磁切換弁A1〜A5に設けた図示しないブローポートaに接続されている。
【0011】
そして、上記配管13,14は、コストや重量、あるいは取り付け時の自在性等の面から樹脂製のものを採用することが多い。このように、樹脂製の配管13,14に対して、外力が作用したり、ねじれや曲げ応力が作用したりすると、当該配管13,14の開口断面積が変わってしまい、各通路に所期の必要流量を供給することができなくなって、装置の特性が変化してしまうおそれがある。
また、外力が作用することによって配管13,14が破れたり、切断されたり、さらには、配管13,14をつなぐ継手に荷重が作用して、継手と配管13,14との間にリークが生じるおそれもある。
しかも、配管14は、図11からも明らかなように、圧力検出ブロックB(電磁切換弁A)の数だけ必要となるため、複数の配管14が、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとの間で重なり合うようにして接続されている。そのため、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とをあまり近づけすぎると、狭いスペースで配管14が互いに重なり合ったり絡まったりして、相互に外力が作用したり、あるいは配管14が曲げ応力によって変形してしまい、上記の問題が生じる可能性が高くなる。
【0012】
そこで、金属パネル12上に、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、所定の間隔をもって固定し、配管13,14が変形しないようにしたのである。
また、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、上記のようにして金属パネル12上に固定すれば、輸送の際に配管13,14に外力が作用して押しつぶされたり、あるいは圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とが相互に移動して、配管13,14が捩じれたりする恐れもなくなる。
なお、先行技術調査の結果、この発明に想到するものは見つからなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、従来の位置確認装置においては、金属パネル12上に圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、所定の間隔をもって固定しているため、装置の取り付けスペースが大きくなってしまうという問題があった。
【0014】
また、従来の位置確認装置を組み付ける際には、隣り合う電磁切換弁A1〜A5およびレギュレータR1、R2をそれぞれ連結するとともに、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5および電磁制御弁2をそれぞれ連結しなければならず、しかも、全ての圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとに配管14を取り付けなければならない。そのため、組み立て作業が非常に煩雑になるという問題があった。
【0015】
さらに、電磁切換弁A1〜A5は、それを切り換え制御する際に熱を生じるため、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを近づけすぎると、電磁切換弁A1〜A5が発する熱によって圧力検出部Sが故障したり、あるいは検出通路5内の温度上昇によって誤検出したりするという問題があった。
また、電磁切換弁A1〜A5は、磁力によって電気的に切り換え制御を行っているため、電磁切換弁A1〜A5と圧力検出ブロックB1〜B5とを近づけすぎると、電磁切換弁A1〜A5から発生する磁力が、圧力検出部Sに悪影響を及ぼすおそれがあり、特に、電磁切換弁Aの数が多い場合には、圧力検出部Sに及ぼす影響も大きくなるという問題があった。
【0016】
この発明の目的は、装置をコンパクト化して取り付けスペースを小さくするとともに、組み立て作業を簡素化した位置確認装置を提供することであり、さらには、上記コンパクト化と組み立て作業の簡素化を実現しながらも、電磁切換弁がもたらす熱や磁力によって圧力検出部が故障や誤検出することのない位置確認装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路と、上記圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路と、上記供給通路に連通するとともに上記圧力検出部を接続した検出通路と、上記検出通路およびブロー通路のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁とを備え、上記噴出口から圧縮ブローエアあるいは圧縮検出エアを噴出させる位置確認装置を前提とする。
【0018】
上記の構成を前提として、第1の発明は、上記圧力検出ブロックと上記電磁切換弁とを、連結部材を介して固定するとともに、この連結部材には上記検出通路を形成し、上記圧力検出部が上記連結部材を介して電磁切換弁のポートに接続する点に特徴を有する。
第2の発明は、連結部材を介して圧力検出ブロックと電磁切換弁とを連結したユニットを複数連接し、上記圧力検出ブロックには、隣り合う圧力検出ブロック同士を連結する接続機構を設ける一方、上記連結部材または電磁切換弁のいずれかには、少なくても上記ブロー通路を形成するとともに、このブロー通路の開口を、隣り合う連結部材または電磁切換弁の対向面に設けてなり、しかも上記接続機構によって隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士を非連結状態に維持した点に特徴を有する。
【0019】
第3の発明は、上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、隙間を維持する点に特徴を有する。
第4の発明は、上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、圧接シールからなるシール部材を設けるとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する上記接続機構の締め付け力によって、上記圧接シールをブロー通路の開口面間に圧接させる点に特徴を有する。
【0020】
第5の発明は、上記供給通路が、隣り合う圧力検出ブロックを貫通して形成するとともに、これら隣り合う圧力検出ブロック間には上記供給通路の開口接続部をシールするシール部材を設ける一方、上記隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間には、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を設け、しかも、このブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くした点に特徴を有する。
第6の発明は、上記検出通路が、圧力検出ブロックから連結部材に連続して形成するとともに、上記圧力検出ブロックおよび連結部材のいずれか一方または双方であって、上記検出通路の外周には、大気に連通する放熱部を設けた点に特徴を有する。
第7の発明は、上記連結部材が、圧力検出部を電磁切換弁が発する磁力から遮蔽する機能を有する点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と電磁切換弁のポートとが、連結部材に形成した検出通路によって接続されるので、圧力検出ブロックと電磁切換弁とを接続する配管が不要となる。したがって、圧力検出ブロックと電磁切換弁とを、連結部材を介して一体的に固定することができ、装置全体をコンパクト化して、取り付けスペースを小さくすることができる。
しかも、従来のように圧力検出ブロックあるいは電磁切換弁の数だけ配管を接続する必要がなくなり、組み立て作業を簡素化することができる。
【0022】
第2の発明によれば、隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方で、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士は非連結状態に維持した。仮に全ての部材を連結してしまうと、各部材が干渉し合ってしまい、連結部分にリークが生じるおそれがある。しかし、この第2の発明によれば、隣り合う電磁切換弁同士および隣り合う電磁切換弁同士は非連結状態に維持することにより、各部材が干渉することがなくなり、連結部分にリークが生じるおそれを低減することができる。
第3の発明によれば、ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間に隙間を維持したので、各部材の寸法誤差を吸収することができる。したがって、圧力検出ブロックと連結部材との固定面、あるいは圧力検出ブロックと電磁切換弁に歪みが生じることがなく、検出通路の継ぎ目に漏れが生じることもない。
【0023】
第4の発明によれば、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を圧接シールで構成するとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する締め付け力によって、圧接シールを圧接させるので、隣り合う連結部材間あるいは電磁切換弁間に歪を生じることなく、ブロー通路をしっかりとシールすることができる。
第5の発明によれば、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くしたので、ブロー通路が開口する対向面間に隙間があったり、あるいは隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間の接続力が弱かったりしても、しっかりとブロー通路の漏れを防ぐことができる。
【0024】
第6の発明によれば、検出通路の外周には大気に連通する放熱部を設けたので、検出通路内の熱を放熱することができる。したがって、電磁切換弁が発する熱によってもたらされる、検出通路内の温度上昇を抑制することができる。このように、検出通路内の温度上昇を抑制することができるので、電磁切換弁の熱によって圧力検出部が故障したりあるいは誤検出するおそれを低減することができる。
第7の発明によれば、連結部材に磁気遮蔽機能をもたせたので、電磁切換弁が発する磁力が、圧力検出部に及ぼす影響を低減させることができる。したがって、圧力検出部が磁力の影響によって故障するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1〜図4を用いて、この発明の第1実施形態について説明する。
ただし、以下に説明する各実施形態の位置確認装置は、その回路構成を上記従来例と同じにしている。したがって、回路構成およびその作用についての詳細な説明は省略するとともに、上記従来例と同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
図1に示すように、この第1実施形態の位置確認装置は、レギュレータR1,R2、電磁制御弁2、および圧力検出ブロックB1〜B5を一直線上に連接している。これらレギュレータR1,R2、電磁制御弁2および圧力検出ブロックB1〜B5には、それら各部材を一直線に貫通する供給通路1を形成している。なお、エア供給源Pに接続する供給通路1の接続ポート1aは、レギュレータR1の一端面(図中右側端面)に開口している。
【0026】
また、各圧力検出ブロックB1〜B5の特定の一面(図面下側の面)には、プレート状の連結部材X1〜X5を固定している。そして、この連結部材X1〜X5であって、上記圧力検出ブロックB1〜B5を固定した面とは反対側の面に、電磁切換弁A1〜A5を固定している。つまり、圧力検出ブロックB1〜B5と電磁切換弁A1〜A5とを、連結部材X1〜X5を介して固定している。なお、上記連結部材X1〜X5は鉄等の磁性体からなり、電磁切換弁A1〜A5から発する磁力の影響が、圧力検出ブロックB1〜B5側に及ばないようにしている。
上記圧力検出ブロックB1〜B5、連結部材X1〜X5、および電磁切換弁A1〜A5の内部構造は図2に示すとおりである。図2は、図1におけるII−II線断面図であるが、この図2は、各構成要素の内部構造を概念的に示したものであり、寸法等は図1と一致するものではない。また、ここでは圧力検出ブロックB1、連結部材X1、および電磁切換弁A1を固定したユニットについて説明するが、他のユニット(例えば圧力検出ブロックB2、連結部材X2、および電磁切換弁A2)もこれと同様である。
【0027】
図2からも明らかなように、圧力検出ブロックB1は、センサ組み込みブロック15とベースブロック16とからなり、ベースブロック16には、両側面に貫通する供給通路1を設けている。また、ベースブロック16には、供給通路1を分岐する分岐ポート4aを備えている。
そして、センサ組み込みブロック15には、上記分岐ポート4aに接続する比較通路6を設けるとともに、この比較通路6が大気に連通する過程にニードル弁7を設けている。
さらに、センサ組み込みブロック15には、上記分岐ポート4aに接続する検出通路5を設けている。ただし、この検出通路5は、センサ組み込みブロック15から、ベースブロック16および連結部材X1を貫通して、電磁切換弁A1の検出ポートbに接続されている。
【0028】
また、センサ組み込みブロック15には、比較通路6と検出通路5との圧力差を検出する差圧検出手段9を組み込むとともに、ベースブロック16との固定面には、オリフィス8a,8bを形成したオリフィス構成部材8を組み込んでいる。したがって、比較通路6はオリフィス8aを介して供給通路1に連通するとともに、検出通路5はオリフィス8bを介して供給通路1に連通することとなる。
なお、差圧検出手段9、比較通路6、ニードル弁7によって、この発明の圧力検出部Sを構成している。
このように、圧力検出ブロックB1は、センサ組み込みブロック15とベースブロック16とからなり、センサ組み込みブロック15には圧力検出部Sを組み込み、ベースブロック16には供給通路1および検出通路5を形成している。
【0029】
そして、ベースブロック16には連結部材X1を固定しているが、この連結部材X1にも、その両側面に貫通するブロー通路3を形成している。なお、ブロー通路3および供給通路1は同じ側面に開口している。
なお、図1に示すように、連結部材X1の図中右側の開口面には配管17を接続し、この配管17をレギュレータR1,R2の連通過程に接続している。したがって、ブロー通路3は、配管17および連結部材X1〜X5にわたって構成されることとなる。
【0030】
さらに、上記連結部材X1には、図2に示すように、圧力検出ブロックB1を固定した面とは反対側の面(図中下側面)に電磁切換弁A1を固定している。この電磁切換弁A1は、コントローラからの信号に基づいて、ブローポートaおよび検出ポートbのいずれか一方を合流ポートcに連通させ、いずれか他方を合流ポートcから遮断する。
したがって、この電磁切換弁A1を制御することにより、ブロー通路3を合流ポートcに連通させたり、あるいは検出通路5を合流ポートcに連通させたりすることができる。
【0031】
また、上記ベースブロック16には、検出通路5の外周近傍に位置する環状凹部からなる放熱部18aを形成している。この放熱部18aは、連結部材X1との合わせ面に開口するとともに、大気開放通路18bを介して大気に連通するようにしている。したがって、電磁切換弁A1が熱を発したとしても、検出通路5内の熱が、放熱部18aおよび大気開放通路18bを介して大気に放熱される。このように、検出通路5内の熱を放熱すれば、当該検出通路5内の温度上昇にともなう温度ドリフトを低減させ、圧力検出部Sが誤検出するおそれを低減することができる。また、熱の伝達によって圧力検出部Sが故障するおそれも低減することができる。
なお、連結部材X1の外周面には、取り付け用の金属製ブラケット19を面接触状態で固定している。この金属製ブラケット19は、当該位置確認装置を壁面等に固定する部材であるが、これを金属製の装置等に固定することにより、連結部材X1をアースさせる役割をも担っている。
【0032】
そして、圧力検出ブロックB1と連結部材X1とを図示しないねじ等で固定し、さらに連結部材X1と電磁切換弁A1とをねじ等で固定してユニット化する。これと同様に、圧力検出ブロックB2〜B5、連結部材X2〜X5、および電磁切換弁A2〜A5もそれぞれユニット化する。各ユニットは、図1に示すように、横に一直線上に連接させて固定する。
ただし、隣り合う各ユニットは、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5を固定することによって連結している。つまり、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5同士をジョイナーで固定し、隣り合う連結部材X1〜X5同士は固定せずに非連結状態にしている。なお、圧力検出ブロックB1,B2の連結方法は、図3に示すとおりである。
【0033】
すなわち、圧力検出ブロックB1,B2のセンサ組み込みブロック16には、上記した通り供給通路1を設けているが、この供給通路1が開口する両側面には、対向面に向かって徐々に径を太くする突片20を形成している。
一方、上記突片20を連結するジョイナーJには、上記突片20と傾斜角を等しくする圧接面21を備えている。このジョイナーJは、圧接面21を突片20の傾斜面に当接させた状態で、ねじ22を羅合させることにより、ねじ22の軸方向の推力を両ブロックB1,B2が近づく方向の圧接力に変換する。したがって、ねじ22によってジョイナーJを締め付ければ、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5をしっかりと連結させることができる。なお、上記圧接面21の傾斜角θは、45度以上にすることが望ましい。
そして、上記突片20、ジョイナーJ、およびねじ22によって、この発明の接続機構を構成しているが、接続機構は上記の構造に限らず、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5を連結する構成であれば、特にどのような構造でも構わない。
【0034】
また、ジョイナーJによって圧力検出ブロックB1〜B5を連結すると、図4に示すように、供給通路1が一直線上に形成される。そして、各供給通路1の開口部すなわち継ぎ目には開口凹部23を形成しており、この開口凹部23にシール部材24を組み込んでいる。このように、隣り合う圧力検出ブロックB1〜B5の継ぎ目に、シール部材24を設けることにより、供給通路1から圧縮検出エアが漏れないようにしている。
一方、上記のようにして圧力検出ブロックB1〜B5を連結したとき、隣り合う連結部材X1〜X5の間には、僅かな隙間L1が形成される寸法関係を維持している。そして、ブロー通路3の開口部には開口凹部25を形成するとともに、この開口凹部25にシール部材26を組み込んでいる。
【0035】
そして、ブロー通路3の外周をシールするシール部材26は、供給通路1の外周をシールするシール部材24よりも長くしている。このように、シール部材26をシール部材24よりも長くするのは、隣り合う連結部材X1〜X5の間に隙間L1を設けているためである。つまり、シール部材26の長さを、シール部材24の長さ+隙間L1以上にしており、隣り合う連結部材X1〜X5間に形成される隙間を、シール部材26がしっかりと埋めるようにしている。
なお、上記隙間L1は、次のような役割を果たしている。
【0036】
すなわち、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5との間には、製造工程でどうしても微妙な寸法誤差が生じてしまう。つまり、圧力検出ブロックB1〜B5の幅と、連結部材X1〜X5の幅とが、全て完全に一致することはない。特に、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5とを複数連接すると、全体としての寸法誤差は大きくなる。このとき、隙間L1を設けずに、隣り合う連結部材X1〜X5をぴったりと密着して連接しようとすると、寸法誤差によってひずみが生じ、供給通路1やブロー通路3、さらには検出通路5の継ぎ目に漏れが生じるおそれがある。そこで、隣り合う連結部材X1〜X5の間に隙間L1を設けるとともに、シール部材26をシール部材24よりも長くしたのである。
【0037】
なお、ブロー通路3の開口接続部をシールするシール部材26は、連結部材X1、X2間に設けたような圧接シールでもよいし、連結部材X2、X3間に設けたような外周シールでもよい。
ただし、シール部材26を圧接シールとすれば、圧力検出ブロックB1〜B5を連結するジョイナーJの締め付け力が、シール部材26の圧接力となって作用するので、ブロー通路3のシール機能を一層高めることができる。
【0038】
以上のように、上記第1実施形態の位置確認装置によれば、圧力検出ブロックBに組み込んだ圧力検出部Sと電磁切換弁Aの検出ポートbとが、連結部材Xに形成した検出通路5によって接続されるので、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを接続する配管が不要となる。したがって、圧力検出ブロックBと電磁切換弁Aとを、連結部材Xを介して一体的に固定することができ、装置全体をコンパクト化して、取り付けスペースを小さくすることができる。
しかも、従来に比べて配管数をかなり減らすことができるので、組み立て作業を簡素化することができる。
【0039】
なお、圧力検出部Sは、上記の構成に限らない。上記第1実施形態においては、差圧検出手段9が検出通路5と比較通路6との圧力差を検出するが、例えば、差圧検出手段9が単に検出通路5内の圧力を検出するようにしても構わない。また、検出通路5に絞りを形成するとともに、この絞りの前後の差圧を検出するようにしても構わない。いずれにしても、圧力検出部Sは、検出通路(供給通路と電磁切換弁との連通過程)に接続するとともに、少なくても当該検出通路の圧力を検出するものであればよい。
さらに、上記第1実施形態においては、供給通路1を圧力検出ブロックB1〜B5に設けるとともに、ブロー通路3を連結部材X1〜X5に設けたが、例えば両通路1,3を圧力検出ブロックB1〜B5に設けてもよいし、両通路1,3を連結部材X1〜X5に設けても構わない。
【0040】
そして、上記第1実施形態においては、圧力検出ブロックB1〜B5をセンサ組み込みブロック15とベースブロック16とに分割して構成しているが、特にブロックを分割する必要はなく、一体的に構成してもよい。
例えば、図5に示す第2実施形態のように、供給通路1および検出通路5を連結部材X1に形成し、ブロー通路3を電磁切換弁A1に形成してもよい。このようにすれば、連結部材X1が、第1実施形態におけるベースブロック16の機能(図2参照)を果たすので、ベースブロックが不要となり、一層コンパクト化を実現することができる。
【0041】
なお、連結部材X1〜X5の材質は特に限定されないが、強度的には金属製であることが望ましい。しかし、連結部材X1〜X5を金属製にすると、電磁切換弁A1〜A5の熱が、連結部材X1〜X5を介して圧力検出部Sに伝達しやすくなってしまう。そこで、図6に示す第3実施形態のように、連結部材X1〜X5と圧力検出ブロックB1〜B5との間に間隔27を形成し、圧力検出ブロックB1〜B5と連結部材X1〜X5との接触面積を小さくすれば、電磁切換弁A1〜A5の熱が圧力検出ブロックB1〜B5および圧力検出部Sに伝達しにくくなる。しかも、この第3実施形態においては、上記間隔27が、放熱部18aを大気に連通する役割をも果たすので、第1実施形態のように圧力検出ブロックB1〜B5に大気開放通路18bを形成する必要がない。
【0042】
また、図7に示す第4実施形態のように、連結部材X1〜X5の両面に間隔27を形成して、連結部材X1〜X5と圧力検出ブロックB1〜B5との接触面積、および連結部材X1〜X5と電磁切換弁A1〜A5との接触面積を小さくすれば、一層、電磁切換弁A1〜A5の熱が圧力検出部Sに作用しにくくなる。なお、図8に示す第5実施形態は、上記第4実施形態において、ブロー通路3を電磁切換弁A1に形成したものであり、この第5実施形態においても上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、上記第1〜5実施形態においては、連結部材X1〜X5の一面に圧力検出ブロックB1〜B5を固定し、この圧力検出ブロックB1〜B5を固定した面の反対面に電磁切換弁A1〜A5を固定したが、図9に示す第6実施形態のように、圧力検出ブロックB1〜B5の固定面と、電磁切換弁A1〜A5の固定面とが、直角になるようにしても構わない。この場合でも、電磁切換弁A1〜A5と圧力検出ブロックBとの間に、検出通路5を構成する配管が不要となるので、配管作業を減らして、組み立て作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1実施形態の位置確認装置の正面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面を概念的に示す図である。
【図3】接続機構を概念的に示す図である。
【図4】連結部材のシール構造を示す図である。
【図5】第2実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図6】第3実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図7】第4実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図8】第5実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図9】第6実施形態の位置確認装置を概念的に示す図である。
【図10】位置確認装置の回路構成を示す図である。
【図11】従来の位置確認装置の正面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 供給通路
3 ブロー通路
5 検出通路
11 噴出口
18a 放熱部
19 ブラケット
20 突片
21 圧接面
22 ねじ
26 シール部材
A1〜A5 電磁切換弁
B1〜B5 圧力検出ブロック
J ジョイナー
S 圧力検出部
P エア供給源
X1〜X5 連結部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路と、上記圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路と、上記供給通路に連通するとともに上記圧力検出部を接続した検出通路と、上記検出通路およびブロー通路のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁とを備え、上記噴出口から圧縮ブローエアあるいは圧縮検出エアを噴出させる位置確認装置において、上記圧力検出ブロックと上記電磁切換弁とを、連結部材を介して固定するとともに、この連結部材には上記検出通路を形成し、上記圧力検出部が上記連結部材を介して電磁切換弁のポートに接続する構成にした位置確認装置。
【請求項2】
連結部材を介して圧力検出ブロックと電磁切換弁とを連結したユニットを複数連接し、上記圧力検出ブロックには、隣り合う圧力検出ブロック同士を連結する接続機構を設ける一方、上記連結部材または電磁切換弁のいずれかには、少なくても上記ブロー通路を形成するとともに、このブロー通路の開口を、隣り合う連結部材または電磁切換弁の対向面に設けてなり、しかも上記接続機構によって隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士を非連結状態に維持した上記請求項1記載の位置確認装置。
【請求項3】
上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、隙間を維持する構成にした上記請求項2に記載の位置確認装置。
【請求項4】
上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、圧接シールからなるシール部材を設けるとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する上記接続機構の締め付け力によって、上記圧接シールをブロー通路の開口面間に圧接させる構成にした上記請求項2または3に記載の位置確認装置。
【請求項5】
上記供給通路は、隣り合う圧力検出ブロックを貫通して形成するとともに、これら隣り合う圧力検出ブロック間には上記供給通路の開口接続部をシールするシール部材を設ける一方、上記隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間には、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を設け、しかも、このブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くした上記請求項2〜4のいずれかに記載の位置確認装置。
【請求項6】
上記検出通路は、圧力検出ブロックから連結部材に連続して形成するとともに、上記圧力検出ブロックおよび連結部材のいずれか一方または双方であって、上記検出通路の外周には、大気に連通する放熱部を設けた上記請求項1〜5のいずれかに記載の位置確認装置。
【請求項7】
上記連結部材は、圧力検出部を電磁切換弁が発する磁力から遮蔽する機能を有する上記請求項1〜6のいずれかに記載の位置確認装置。
【請求項1】
圧力検出ブロックに組み込んだ圧力検出部と、エア供給源に接続して圧縮検出エアを導く供給通路と、上記圧縮検出エアよりも高圧の圧縮ブローエアを導くブロー通路と、上記供給通路に連通するとともに上記圧力検出部を接続した検出通路と、上記検出通路およびブロー通路のいずれか一方をテーブルに形成した噴出口に連通し、いずれか他方を上記噴出口から遮断する電磁切換弁とを備え、上記噴出口から圧縮ブローエアあるいは圧縮検出エアを噴出させる位置確認装置において、上記圧力検出ブロックと上記電磁切換弁とを、連結部材を介して固定するとともに、この連結部材には上記検出通路を形成し、上記圧力検出部が上記連結部材を介して電磁切換弁のポートに接続する構成にした位置確認装置。
【請求項2】
連結部材を介して圧力検出ブロックと電磁切換弁とを連結したユニットを複数連接し、上記圧力検出ブロックには、隣り合う圧力検出ブロック同士を連結する接続機構を設ける一方、上記連結部材または電磁切換弁のいずれかには、少なくても上記ブロー通路を形成するとともに、このブロー通路の開口を、隣り合う連結部材または電磁切換弁の対向面に設けてなり、しかも上記接続機構によって隣り合う圧力検出ブロックを固定する一方、隣り合う連結部材同士および隣り合う電磁切換弁同士を非連結状態に維持した上記請求項1記載の位置確認装置。
【請求項3】
上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、隙間を維持する構成にした上記請求項2に記載の位置確認装置。
【請求項4】
上記ブロー通路を形成した連結部材あるいは電磁切換弁の対向面間には、圧接シールからなるシール部材を設けるとともに、隣り合う圧力検出ブロックを連結する上記接続機構の締め付け力によって、上記圧接シールをブロー通路の開口面間に圧接させる構成にした上記請求項2または3に記載の位置確認装置。
【請求項5】
上記供給通路は、隣り合う圧力検出ブロックを貫通して形成するとともに、これら隣り合う圧力検出ブロック間には上記供給通路の開口接続部をシールするシール部材を設ける一方、上記隣り合う連結部材あるいは電磁切換弁間には、ブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を設け、しかも、このブロー通路の開口接続部をシールするシール部材を、供給通路の開口接続部をシールするシール部材よりも長くした上記請求項2〜4のいずれかに記載の位置確認装置。
【請求項6】
上記検出通路は、圧力検出ブロックから連結部材に連続して形成するとともに、上記圧力検出ブロックおよび連結部材のいずれか一方または双方であって、上記検出通路の外周には、大気に連通する放熱部を設けた上記請求項1〜5のいずれかに記載の位置確認装置。
【請求項7】
上記連結部材は、圧力検出部を電磁切換弁が発する磁力から遮蔽する機能を有する上記請求項1〜6のいずれかに記載の位置確認装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−56514(P2009−56514A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223227(P2007−223227)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(592189701)日本空圧システム株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(592189701)日本空圧システム株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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