説明

低圧水銀放電ランプ

【課題】 点灯時に点灯回路及びその周辺温度の上昇を抑えることができる低圧水銀放電ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 電球形蛍光ランプは、フィラメントコイル131を有する電極130を放電路の両端に備える発光管110と、端壁と筒状部とを有した有底筒状をすると共にフィラメントコイル131が端壁近傍に位置する状態で発光管110を保持するホルダ220と、ホルダ220の筒状部の外面に遊嵌した状態で外面に部分的に固着されるケース250と、ケース250内に格納され発光管110を点灯させる点灯回路とを備え、ホルダ220とケース250との固着は、筒状部の外面上であって点灯時に各フィラメントコイル131から発せられた熱により最も高温となる部分以外で行われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管と、発光管を保持するホルダと、発光管を点灯させる点灯回路と、ホルダに被着されると共に前記点灯回路を収納するケースとを備える低圧水銀放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、白熱電球代替光源として、電球形蛍光ランプの普及が進められている。この電球形蛍光ランプには、例えば、白熱電球と同タイプの口金が取着されたケースと透光性のグローブとから外囲器が構成され、この外囲器内に、電極を備える発光管が筒状のホルダで保持された状態で、当該発光管を点灯するための点灯回路と共に収納されたものがある。なお、ケースとグローブとは、通常、ケース内にグローブの開口側に位置する端部(以下、単に「開口側端部」という。)を遊挿させた状態で固着剤を用いて両者が固着されている。
【0003】
発光管を保持するホルダは、筒状部とこの筒状部の一端に設けられた端壁とを備えており、この筒状部の外面が、グローブにおけるケース内に位置する部分の内面に固着剤を介して固着されている。
発光管は、その端部がホルダの端壁に形成されている挿入口から挿入された状態で固着されることによりホルダに保持されている。このとき、電極の構成部品であるフィラメントコイルは、ホルダの端壁とグローブとで囲まれた側に位置している。
【0004】
このような電球形蛍光ランプは、点灯時にフィラメントコイルから発生した熱が、グローブから固着剤を介してケースへと伝わり、その熱によりケース内に収納されている点灯回路の温度が上昇してしまうという問題があった。なお、点灯回路の温度が上昇すると、点灯回路を構成する部品に耐熱性のあるものを使用する必要が生じる他、部品の配置場所、例えば、温度の高い箇所に耐熱性部品を配するなど部品の配置が制限される等の問題がある。
【0005】
上記点灯回路の温度上昇を防ぐために、ケースとグローブとを部分的に固着してケースとグローブとの間に隙間を形成し、この隙間からケース内或いはグローブ内の熱を外部へと放出する技術を発明者は提案している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−115203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の電球形蛍光ランプは、白熱電球よりも若干大きいために白熱電球を用いた既存の照明装置に適合しない場合があり、照明装置への電球形蛍光ランプの適合率を向上させるために、近年、白熱電球に近い形状・大きさにまで小型化されている。このような小型化された電球形蛍光ランプにおいては、上記従来の対策では点灯回路の温度上昇を充分に抑えることが難しくなっている。
【0007】
つまり、従来の電球形蛍光ランプは、フィラメントコイルの位置がホルダの端壁とグローブとで囲まれた側にあり、点灯時の熱の多くがグローブ側に伝わるため上記対策で十分であった。
しかし、ランプを小型化するために、発光管内のフィラメントコイルの存在する位置がホルダとケースとで囲まれた空間内となるように、発光管の端部をホルダ内に挿入すると、フィラメントコイルからの熱が、ケースや点灯回路用の部品を実装する基板に直接伝わりやすく、上記対策では点灯回路の温度上昇を抑制できないのである。
【0008】
なお、低ワットタイプ、或いは、グローブを備えないタイプについては、従来の対策でも点灯回路の温度上昇を抑えることもできるが、点灯回路の温度は上昇しない方が好ましいことは言うまでもない。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、点灯時の点灯回路及びその周辺温度の上昇を抑えることができる低圧水銀放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る低圧水銀放電ランプは、筒状部とこの筒状部の一端に設けられた端壁とを有するホルダの前記筒状部がケースの開口部に挿入された状態で、前記ケースの内周面と前記ホルダの筒状部の外周面との隙間に設けられた固着剤によって前記ケースと前記ホルダとが固着されており、さらに前記ホルダの端壁に発光管が設けられていると共に、前記ホルダと前記ケースとで囲まれる内部空間に、前記発光管を点灯させるための点灯回路が組み込まれており、前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分を除いた箇所に設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る低圧水銀放電ランプは、筒状部とこの筒状部の一端に設けられた端壁とを有し且つ前記端壁に発光管を装着するホルダの前記筒状部がケースの開口部に挿入されていると共に、前記ケースの内周面と前記ホルダの筒状部の外周面との隙間に、前記発光管を覆うグローブの開口側の端部が挿入された状態で、前記隙間に設けられた固着剤によって前記ケースと前記ホルダと前記グローブとが固着されており、前記ホルダと前記ケースとで囲まれる内部空間に、前記発光管を点灯させるための点灯回路が組み込まれており、前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分を除いた箇所に設けられていることを特徴としている。
【0011】
以上の低圧水銀放電ランプは、発光管の内面に蛍光体層が形成されていても良いし、形成されていなくても良い。つまり、蛍光体層の有無は関係ない。
さらに、以上の低圧水銀放電ランプの発光管は、一本の放電路を内部に有しておれば良く、1本のガラス管で発光管を構成したもの、或いは、複数本のガラス管を連結して発光管を構成したもの等、その構成は特に限定するものではない。さらに、電極は、ビードガラスマウント方式、ステムマウント方式等が含まれ、電極をガラス管に封着する際も各方式に対応した封着方法で行われている。
【0012】
なお、グローブは、発光管を覆うものであれば良く、その形状は、例えば、「A」型、「T」型、「G」型等あるが、その形状は特に限定するのではない。
また、前記グローブは、前記隙間に挿入されている部分が、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分に接触しないように、前記ケース及び/又は前記ホルダに固着されていることを特徴としている。
【0013】
ここでいう「接触しない」とは、グローブとホルダとが直接的及び間接的に接触しないことを指し、例えば、グローブとホルダとが固着剤を介して間接的に接触している場合は、「接触する」に該当する。つまり、ここでの「接触しない」とは、グローブとホルダとの間に隙間が形成されることになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る低圧水銀放電ランプでは、固着剤は、ホルダとケースとの間に形成された隙間であってフィラメントコイルから発せられた熱により最も高温となる部分以外に配されているので、ホルダにおける点灯時の熱により最も高温となる部分からケースへと熱の伝わるのを防止することができる。これによりケース内に配された点灯回路の温度上昇を防ぐことができる。
【0015】
また、例えば、ケース内の空気が、ホルダの高温となった部分とケースとの間から外部へと流れるように前記隙間に固着剤を配すると、最も高温となる部分の熱を固着されていない隙間からケースの外部へと放熱することができ、点灯回路側へと伝わる熱を低減することができる。
また、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分は、前記発光管の端部に設けられた電極のフィラメントコイルの近傍部分であるので、フィラメントコイルから発生した熱を効果的に放熱させることができる。これにより、ホルダからケースに伝わる熱量を少なくでき、また、ケース内の温度上昇を防ぐことができる。
【0016】
さらに、前記ホルダの端壁は、前記発光管の端部を前記ホルダ内部に挿入させるための挿入口を備え、前記発光管は、前記フィラメントコイルの位置が前記ホルダ内部に位置するまで前記発光管の端部が前記挿入口から挿入された状態で前記ホルダに設けられているので、電球形蛍光ランプの全長を短尺化ができる。
しかも、前記グローブは、前記隙間に挿入されている部分が、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分に接触しないように、前記ケース及び/又は前記ホルダに固着されているので、フィラメントコイルにより発生した熱によるグローブの温度上昇を抑えることができる。
【0017】
また、前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記筒状のホルダの外周面に沿って周方向に間隔をおいて配されているので、ケースの内部から外部へと空気の流れをスムーズに行うことができる。
一方、前記グローブの開口側に端部を前記ケースの開口に挿入して形成される前記グローブと前記ケースとが重なる重なり部分の面積をS1とし、前記グローブの前記重なり部分において、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる部分を含む領域であって前記固着剤で固着されていない領域の面積をSaとしたとき、前記領域の面積Saは、 S1/12 ≦ Sa ≦ S1/4 を満たすので、グローブとケースとの固着特性及び放熱特性の両特性を満足できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、グローブを有する(以下、「グローブ有りタイプ」という。)電球形蛍光ランプ(以下、「ランプ」という。)に本発明を適用した実施の形態について、図面を参照しながら説明する
図1は、本実施の形態におけるグローブ有りタイプのランプの全体を示す図であって、ランプの内部が分かるように、ケースとグローブを切り欠いている。
【0019】
1.全体構成について
ランプ100は、図1に示すように、ケース250の内部にグローブ400の開口側に位置する端部(以下、単に、「開口側端部」という。)を遊挿させて外囲器105が構成され、この外囲器105の内部には、放電路を内部に有する発光管110とこの発光管110を点灯させるための点灯回路300とが収納されている。
【0020】
つまり、ホルダ220は、筒状部220aの一端に端壁220aを有する筒状をしており、前記端壁220aに発光管110が設けられていると供に筒状部220aがケース250の内部に位置するように、ケース250内に挿設されている。このとき、ケース250の内周面とホルダ220の筒状部220aの外周面との間には隙間が形成されており、この隙間に、さらにグローブ400の開口側端部が挿入されている。
【0021】
一方、前記隙間内の複数箇所には固着剤420が設けられており、この固着剤420により、ホルダ220、ケース250及びグローブ400が一体に固着されている。固着剤420は、発光管110の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられるホルダ220の部分を除いた箇所に設けられている。なお、ホルダ220とケース250とで囲まれる内部空間には、ホルダ220に取着された点灯回路300が組み込まれている。
【0022】
(1)発光管について
図2は、発光管の全体図であり、仮想線でホルダを示している。
発光管110は、ガラス管を湾曲させてなる発光管本体115と、この発光管本体115の端部124,125に封着された電極130(図2では、端部124側の電極を示していないが、端部125に封着されている電極130と同じ構造のものが封着されている。)とを備える。
【0023】
発光管本体115の端部124,125が気密封止されることにより、発光管110の内部に1本の放電路が形成されることになる。なお、放電路の端部に相当する部分が、発光管本体の端部124,125である。
発光管本体115は、仮想軸Aを中心としてその廻りをガラス管が旋回する二重螺旋形状をしており、2つの旋回部122,123と、これらを連結する連結部121とからなる。
【0024】
この二重螺旋形状は、発光管本体115を構成する1本のガラス管のほぼ中央部を折り返し、この折り返した部分(以下、「折り返し部」という。)からガラス管の端部(124,125)までを、仮想軸Aの廻りをB方向に旋回させることにより得られる。
そして、ガラス管の折り返し部が発光管本体115の連結部121に相当し、また、折り返し部から端部までの各々の部分が発光管本体115の旋回部122,123に相当する。
【0025】
電極130は、図2に示すように、タングステン製のフィラメントコイル131と、このフィラメントコイル131を架持(架設した状態で保持)する一対のリード線132,133とからなり、一対のリード線132、133がビーズ134により保持(ビーズマウント方式)されている。
発光管本体115の端部124には、電極130を封着する際に、発光管本体115の内部を排気したり、後述の水銀や緩衝ガスを封入したりするのに利用する排気管135が併せて封着されている。
【0026】
二重螺旋形状をした発光管本体115を構成するガラス管の内面には、例えば、3波長型の蛍光体層140が形成されている。この蛍光体層140を構成する蛍光体には、例えば、希土類のものが用いられる。この蛍光体は、例えば、赤(Y23:Eu)、緑(LaPO4:Ce、Tb)及び青(BaMg2Al1627:Eu、Mn)発光の3種類である。
また、発光管本体115の内部には水銀及び緩衝ガスが上述の排気管135を介して封入されている。水銀は、発光管110の点灯時における水銀の蒸気圧が、略水銀単体で使用した場合の水銀の蒸気圧と略同じになるような形態で封入されておれば良く、例えば、錫水銀、亜鉛水銀等のアマルガム形態で封入されていても良い。
【0027】
緩衝ガスは、ここでは、アルゴンが用いられているが、例えば、アルゴンとネオンとの混合ガスであっても良い。なお、排気管135は、水銀及び緩衝ガスを封入した後、発光管本体115の外部に位置する部分で、例えば、チップオフ封止され、これにより、発光管110が完成すると共にその内部が気密状に保たれる。
発光管本体115の連結部121には、仮想軸Aの延伸する方向(以下、「仮想軸方向」ともいう。)であってその外方へと膨出する膨出部126が形成されている。これは、ランプ100を点灯させた際に、この膨出部126に、発光管110において最も温度の低い最冷点箇所を作るためである。
【0028】
ここで、発光管110は、発光管本体115の端部124,125に電極130が封着され、内部に水銀等が封入されたものを指し、上記説明で用いた発光管本体115の端部124,125、旋回部122,123、膨出部126、仮想軸A等はそのまま引き続き、発光管110の場合にも適用する。
(2)点灯回路について
点灯回路300は、図1に示すように、ケース250とホルダ220とで形成された内部空間内に格納されている。この点灯回路300は、コンデンサー310,330,340、チョークコイル320等の複数の電気・電子部品から構成されたシリーズインバータ方式であって、これらの電気・電子部品は、基板360の一の主面(基板の2つの主面のうち、発光管110が設けられる側と反対側に位置する主面)に実装されている。
【0029】
(3)ホルダについて
図3は、ホルダの平面図であり、図4は、図3のY方向からホルダを見た図である。
ホルダ220は、上述したように、有底筒状をしており、筒状部220aとこの筒状部220aの一端に設けられた端壁220bとを備える。
端壁220bには、発光管110の端部124,125を挿入するための挿入口221a,221bが一対設けられており、この挿入口221a,221bから、発光管110の端部124,125を挿入させて、フィラメントコイル131の位置が端壁220bの近傍位置に達した(図2参照)ときに、例えば、シリコン等の固着剤で端部124,125がホルダ220の内面に固着される。これにより発光管110がホルダ220に保持される。
【0030】
なお、発光管110の端部124,125をホルダ220の内部へと挿入する際に、挿入口221a,221bの上流側には、発光管110の端部124,125を挿入口221a,221bへと案内する溝状の案内部222a,222bが、また、挿入口221a,221bの下流側には、ホルダ220の内部に挿入された発光管110の端部124,125を覆う隆起状のカバー部223a,223bがそれぞれ形成されている。
【0031】
筒状部220aの端壁220b側と反対側(つまり、筒状部220aの開口している側)には、図1に示すように、上述の点灯回路300を構成する電気・電子部品(310,320,330,340等)を実装する基板360が取着されている。
基板360は、電気・電子部品を実装する面(この面を表面)が外側(口金380側)となるようにして、ホルダ220の支持部224a,224b,224c,224dにより支持されると共に係止部225a,225bにより係止されることにより、ホルダ220に取り付けられている。
【0032】
筒状部220aの外面であって端壁220bと反対側の端部には、ケース250とグローブと400を固着するために、両者の隙間に充填された固着剤420の流下を防止する受け部220cが形成されている。この受け部220cは、ここでは筒状部220aの外面から径方向に突出するつば状をしている。
(4)ケース及びグローブについて
ケース250は、図1に示すように、略コーン状をしており、大径筒部251、大径筒部251より径の小さい小径筒部252、大径筒部251と小径筒部252との間にある傾斜状筒部253とからなる。なお、小径筒部252には口金380が被着している。
【0033】
グローブ400は、白熱電球の外管バルブと同様に、装飾性に優れた透光性を有するガラス材からなり、その形状がなす状、所謂A形をしている。ここでは、グローブ400の形状としてA形タイプを使用しているが、この形状に限定するものではなく、例えば、G形、T形タイプであっても良い。
このグローブ400は、ホルダ220の筒状部220aと、この筒状部220aが挿入されているケース250の大径筒部251との間の隙間に、グローブ400の開口側端部が挿入された状態で、グローブ400の挿入されている部分の内外面が、例えば、ホルダ220の筒状部220aの周方向の複数箇所においてシリコン樹脂等の固着剤420でケース250の大径筒部251の内周面及びホルダ220の筒状部220aの外周面にそれぞれ固着されることで、ケース250及びホルダ220が一体的に取着されている。なお、グローブ400の固着位置等については後述する。
【0034】
グローブ400の頂部406(図1において上端部)の内面は、発光管110の頂部(図1において上端部)に形成された膨出部126に、熱伝導性媒体410、具体的には、透光性のシリコン樹脂を介して熱的に結合されている。
このように、発光管110とグローブ400とを、熱伝導性媒体410を介して結合する理由は、ランプ100の点灯時の発光管110の温度を、ランプ100の発する光束が略最大となる温度(60℃〜65℃)と略同じになるよう調整するためである。つまり、ランプ100の点灯時に、発光管110から発生する熱を、熱伝導性媒体410を介してグローブ400から放熱させることにより、発光管110の温度を最適な温度にまで下げているのである。
【0035】
2.ケースとグローブとの固着について
図5は、図1においてグローブとケースとだけをX−X線で切断して、矢印方向から見た図である。なお、グローブ400とケース250との固着部分の説明を、電極(フィラメントコイル131)130,130の位置を基準として説明するため、発光管110内のフィラメントコイル131の位置が分かるように発光管110、ホルダ220の一部を切り欠いている。
【0036】
同図に示すように、固着剤は、ホルダ220の筒状部220aとケース250の大径筒部251との隙間内であって、ホルダ220の筒状部220aの周方向に間隔をおいて複数箇所(図5では4ヶ所)に配されている。
これにより、グローブ400とケース250とを固着する固着部分は、グローブ400の開口側端部をケース250内に挿入したときに形成されるグローブ400とケース250の大径筒部251との重なり部分において、ケース250(ホルダ220の筒状部220a)の周方向に間隔をおいた4箇所となる。
【0037】
ここで、グローブ400のケース250との重なり部分を、単に、「グローブの重なり部分」といい、符号「405」を用い、また、ケース250の大径筒部251におけるグローブ400との重なり部分を、単に、「ケースの重なり部分」といい、符号「250a」を用いる。
つまり、グローブ400の重なり部分405の外面が、ケース250の重なり部分250aの内面に固着され、また、グローブ400の重なり部分405の内面がホルダ220の筒状部220aの外面に固着されている。なお、これらの固着部分の符号に「420a,420b,420c,420d」を用いて示す(図5参照)。
【0038】
周方向に間隔をおいた固着部分420a,420b,420c,420dの間は、グローブ400とケース250とを固着していない非固着部425a,425b,425c,425dとなっている。そして、この非固着部425a,425cが、フィラメントコイル131に最も近い位置(図5において「C1」及び「C2」で表し、点灯時にホルダ220における最も高温となる位置である。)を含んでいる。ここで、位置C1は、ホルダ220の筒状部220aの外面上を指し、位置C2は、ケース250の内面上を指している。
【0039】
位置C1,C2は、ホルダ220の中心軸(図5において「D」で表す。)と、フィラメントコイル131、131(中心又は中央部)とを結ぶ線分E上にある。
なお、線分Eは、ホルダ220の中心軸を通り且つ両フィラメントコイル131,131を通る1直線となっているが、ホルダ220の中心軸と各々のフィラメントコイル131,131とを結ぶ線分が1直線とならなくても良い。また、この位置C1及びC2は、非固着部425a,425cにおける周方向の略中央に位置する。
【0040】
3.実施例
(1)全体構成
上記1.全体構成についての欄で説明したランプ100は、一般電球60W品に相当するものである。このため、発光管110は、図1に戻って、両旋回部122、123の旋回数を合せて略4.5周となるものを用い、また、口金380としてE26型を使用している。
【0041】
ランプ100(グローブ400)の最大径が55(mm)であり、また全長が110(mm)である。これは、一般電球の最大径が60(mm)、全長が110(mm)であり、本実施の形態で説明したランプ100は一般電球よりも最大径において小型化されている。これにより本ランプ100の照明装置への適合率が向上する。
発光管110の環外径、つまり螺旋形状に旋回するガラス管の最外周の直径は36.0(mm)で、図2に示すように、ガラス管の管内径Diが7.4(mm)、ガラス管の管外径Doが9(mm)である。
【0042】
発光管110の旋回部122と、旋回部123との仮想軸方向の(最小の)隙間は、略1(mm)である。この隙間は、3mm以下が好ましい。これは、3mmより大になると、ランプが一般電球よりも大になってしまうと共に、隣り合う旋回部122,123が離れるために輝度ムラを生じるからである。
発光管110を構成するガラス管には、例えば、ストロンチウム・バリウムシリケイトガラスからなる軟質ガラスを用いている。なお、発光管110内の電極130(フィラメントコイル131)間距離は、略400(mm)であり、発光管110の全長(膨出部126の先端から電極130を封着している先端までの仮想軸方向の寸法)は65.2(mm)であった。
【0043】
ホルダ220は、筒状部220aの外径が38.5(mm)であり、筒状部220aの高さが略14.6(mm)である。
ケース250は、大径筒部251の内周径が42.7(mm)であり、ケース250とホルダ220の筒状部220aとの隙間は略2.1mmである。
一方、グローブ400の重なり部分405は、その内周径が39.6(mm)、外周径が41.6mmであり、開口縁から略7(mm)のところまでが、ケース250とホルダ220との間に挿入されて、ケース250とホルダ220との間に充填されている固着剤420により固着される。
【0044】
(2)重なり部分について
本実施の形態では、非固着部425a,425b,425c,425dと固着部420a,420b,420c,420dとは、ホルダ220の周方向に交互にそれぞれ4個ある。つまり、非固着部425a,425b,425c,425dと固着部420a,420b,420c,420dは、ホルダ220の中心軸を中心とした円周上であって約45(°)の範囲に亘ってあり、特に、フィラメントコイル131に最も近い位置C1,C2を含む非固着部425a,425cにおいては、図5に示すように、その位置C1,C2が非固着部425a,425cの周方向の略中央に位置している。
【0045】
発光管110の端部125側を使ってより具体的に説明すると、図5に示すように、非固着部425aは、線分Eに対して約±22.5(°)の角度(図5においてF1、F2で表示。)に亘って設けられ(合計で45(°)となる。)、固着部420a,420bは、非固着部425aと非固着部425b,425dとの間で約45(°)の角度(図5においてG1、G2で表示。)に亘ってある。
【0046】
この状態において、グローブ400、ケース250及びホルダ220との固着面積の関係について説明する。
先ず、グローブ400の重なり部分405の外面の面積S1が915(mm2)、内面の面積S2が871(mm2)で、グローブ400の重なり部分405の内外面の合計の面積Stは1786(mm2)となる。
【0047】
一方、グローブ400の重なり部分405の外面とケース250の内面との固着面積Sbは457(mm2)で、固着していない部分の面積Saが458(mm2)となり、グローブ400の重なり部分405の内面とホルダ220の筒状部220aの外面との固着面積Scは435(mm2)で、固着されていない部分の面積Sdは436(mm2)である。
【0048】
したがって、グローブ400の重なり部分405の外面とケース250の内面とで固着されていない面積Sa(458(mm2))は、グローブ400の重なり部分405の外面の面積S1(915(mm2)、)に対して、略1/2になっている。
(3)比較試験について
上記のように、ホルダ、ケース及びグローブを固着したランプ(一般電球60W相当品)と、従来の方法でホルダ、ケース及びグローブを固着したランプとを用いて点灯試験を行い、点灯時の点灯回路の温度を比較する試験を行った。
【0049】
ここで、従来の方法を用いたランプは、上記で説明したランプ100と略同じ構成をしているが、フィラメントコイルに最も近い位置が固着部(本発明にかかるランプはこの位置が非固着部となっている。)となっている。そして、フィラメントコイルに最も近い部分にある固着部の中央位置が略2つのフィラメントコイルを結ぶ線上にある。つまり、上記説明したランプ100における非固着部425a,425b,425c,425d及び固着部部420a,420b,420c,420dの位置を45°回転させたものが、比較用のランプである。なお、点灯回路の配置・構成等は、上記説明したランプ100と同じである。
【0050】
そして、本発明に係るランプ100及び上記比較用のランプをその口金を上にした状態で、室温(25℃)内で定常点灯させたときに、比較用のランプの点灯回路の温度が116(℃)であったのに対し、本発明に係るランプ100の点灯回路300の温度が112(℃)であり、本発明に係るランプ100の方が、比較用のランプに比べて約4(℃)低くなっている。つまり、本発明に係るランプ100は、比較用のランプに対して、点灯回路の温度が4(℃)程度の温度上昇しにくくなっているのが分かる。
【0051】
これは、ケース250の重なり部分250aとグローブ400の重なり部分405とにおいて、フィラメントコイル131の熱により最も高くなる部分(図5における位置C1,C2である。)を固着剤で固着していないので、その部分が空気断熱層として機能し、さらに、その部分からケース250内で熱せられた空気が外部へ流出するため、定常点灯時における発光管110の電極130(フィラメントコイル131)から点灯回路300に伝わる熱量を低減できたと考えられる。
【0052】
4.その他
(1)ケース内の温度について
発明者は、ランプの小型化を図る際に、発光管を、従来採用していた「U」字形状のガラス管を3本結合した(このタイプを、以下、「3Uタイプ」という。)ものから、実施の形態で説明した二重螺旋形状(このタイプを、以下、「スパイラルタイプ」という)のものに変更した。
【0053】
これは、スパイラルタイプにすると隣接するガラス管の隙間を狭くでき、発光管の放電路長を、3Uタイプ及びスパイラルタイプとも同じにしたときに、スパイラルタイプの方が小さくなるからである
しかしながら、発光管の形状をスパイラルタイプにした場合、例えば、発光管を構成するガラス管の端部まで旋回させると、発光管の全長をより短くできるが、フィラメントコイルがホルダの内部に位置し、点灯中の熱がケースとホルダとで囲まれる内部空間内にこもる結果、従来に比べて点灯回路の温度が上昇するという結果を招いてしまった。
【0054】
このため、発明者は、ホルダの筒状部において定常点灯時に一番高温となる箇所を固着剤でグローブと結合して、グローブを介して放熱させようとしたが、グローブの温度が上昇してしまい、別の問題が生じた。
つまり、点灯時の発光管の温度(発光管内の水銀蒸気圧)を最適にするために、点灯時における発光管の膨張部(最冷点箇所)とグローブとを熱伝導性媒体410で結合しているが、フィラメントコイルからの熱によって、グローブの温度が上昇してしまい、発光管の温度を最適な温度にまで下げることができなかったのである。
【0055】
これに対し、「ホルダの筒状部において定常点灯時に一番高温となる箇所を固着しない」という構成の本発明の構成では、前記高温となる箇所をグローブ400に結合させずに、グローブ400とケース250との間、さらにはグローブ400とホルダ250との間に、外囲器105の内外を連通するように隙間(非固着部425a,425c)を設けているので、定常点灯時にホルダ220の筒状部220aで最も高温となる部分が空冷され、グローブ400の温度上昇をもたらすことなく、ケース内の温度上昇を抑えることができるという効果が得られたのである。
【0056】
(2)ケースとグローブとの結合について
ケース250及びグローブ400の結合については、グローブ400の重なり部分405の表面積(本発明の「グローブとケース250とが重なる重なり部分の面積」に相当する。)をS1としたときに、グローブ400が、前記重なり部分であってケース250に固着されていない部分の面積をSaとしたときに、
(S1)/12 ≦ Sa ≦ (S1)/4
であれば、ケース250及びグローブ400についての結合強度に問題なく、しかも、放熱特性に優れていることを確認している。
【0057】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例をさらに実施することができる。
<変形例>
1.ランプについて
上記実施の形態では、発光管を覆うグローブを備えたランプ100について説明したが、本発明は、グローブを備えない電球形蛍光ランプ(以下、「変形例1におけるランプ」ともいう。)についても適用できる。
【0058】
図6は、変形例1におけるランプの全体図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いている。
本変形例1におけるランプ500は、図6に示すように、二重螺旋形状の発光管510と、一端に端壁514を有する筒状をすると共に前記発光管510を保持するホルダ520と、前記発光管510を点灯させる点灯回路530と、前記ホルダ520の筒状部512に遊嵌状態で外嵌すると共に内部に点灯回路530を格納するケース540とを備える。
【0059】
発光管510は、ガラス管511を湾曲させて形成され、ガラス管511の内部を利用した放電路の両端に電極を有する。電極は、実施の形態で説明したように、フィラメントコイル531を備え、本変形例1では、フィラメントコイル531の全体が、ホルダ520の内部、つまりホルダ520の端壁514とケース540とで囲まれた側に位置するように、発光管510がホルダ520に保持されている。
【0060】
ホルダ520は、実施の形態と同様に、(円)筒状部512とこの筒状部512の一端にある端壁514とからなり、この端壁514に、発光管510の端部を挿入するための一対の挿入口が形成されている。
点灯回路530は、複数の電気・電子部品からなり、これらの部品が実装されたプリント基板532がホルダ520の係止部524等により係止されている。
【0061】
ケース540は、実施の形態と同様に、ホルダ520の筒状部512に外嵌する状態で、固着剤545を利用して固着される(この固着部分を図6においてG1で示す。)。
ケース540とホルダ520との固着は、実施の形態と同様に、ホルダ520の筒状部512の内、内部に配されているフィラメントコイル531に近接する部分を除いて行われている(図6においてG2で示す。)。
【0062】
このため、ケース540とホルダ520との重なり部分のうち、フィラメントコイル531に近接する部分では、両者は固着されておらず、両者の間に隙間がある。
従って、本変形例1においても、ランプ500を点灯させたときに、ホルダ520内のフィラメントコイル531により発生した熱は、前記の隙間からランプ500の外部へと放出され、点灯回路530の温度上昇を抑制できる。
【0063】
また、ホルダ520の内面のうち、フィラメントコイル531に近い部分が定常点灯時に最も温度が上昇するが、この部分は、ケース540に固着剤545を介して接触しておらず、この部分からケース540に熱が伝わるのを防ぐことができる。
なお、変形例1におけるランプ500の場合も、ケース540とホルダ520との重なり部分に対する固着部の比率は、上記実施の形態の「4.(2)ケース、グローブ及びホルダの結合について」の欄で説明した比率よりも、グローブがない分小さくできると考えられる。
【0064】
2.発光管の形状及び発光管の保持について
(1)発光管の形状について
実施の形態における発光管110の形状は二重螺旋形状(スパイラルタイプ)であったが、この形状に限定するものではない。例えば、「U」字状に湾曲するガラス管を複数本(例えば、3本や4本)連結した形状(3Uタイプや4Uタイプ)、1本のガラス管を湾曲させたU字状をさらに屈曲させた、所謂、「くら形」にした形状、さらに、直管状のガラス管を複数本(例えば、2、4本)連結させた形状でも良く、1本のガラス管の所定位置から一端に亘る部分が仮想軸の廻りを旋回する一重螺旋形状であっても良い。
【0065】
(2)発光管の保持について
実施の形態では、発光管110は、フィラメントコイル131の位置が、略ホルダ220内であって、側面視したときに、ホルダ220の端壁220bと重なる状態でホルダ220に保持されている。
また、変形例1では、発光管510は、フィラメントコイル531の全体がホルダ520内に位置する状態(フィラメントコイル531の位置がホルダ520の端壁とケース540とで囲まれた側にある状態)でホルダ520に保持されている。この場合、フィラメントコイル531の位置が実施の形態におけるフィラメントコイル131の位置よりも基板により近づく状態となる。
【0066】
しかしながら、発光管は、例えば、フィラメントコイルがホルダの外に位置する状態で保持されていても良い。但し、フィラメントコイルの位置がホルダの外部であって端壁から離れすぎると、フィラメントコイルから端壁に伝わる熱量が少なくなり、フィラメントコイルからの熱により点灯回路の温度が過度に上昇するようなことは少なくなる。
本発明は、例えば、ランプの小型化を図るために、フィラメントコイルと点灯回路との間隔が狭まり、点灯回路の温度が上昇してしまう場合に、点灯回路の温度上昇を抑制できる。
【0067】
ここで、フィラメントコイルがホルダの外部に位置する場合に、ケース内の点灯回路の温度が上昇するような、フィラメントコイルと端壁の表面との距離について、変形例2におけるランプを用いて説明する。
図7は、フィラメントコイルと端壁の表面との位置関係を示す図である。
本変形例2におけるランプ600は、図7に示すように、実施の形態と略同じ構造をしているが、発光管605が、第1の実施の形態におけるスパイラルタイプではなく、「U」字形状のガラス管を3本結合した3Uタイプである点、そして、この電極の構成部品であるフィラメントコイル631の位置が、ホルダ610の内部に位置せず、ホルダ610の端壁612から離れている。つまり、フィラメントコイル631の位置が、ホルダ610の端壁612とグローブ640とに囲まれた側にある。
【0068】
このようなランプ600においては、定常点灯時に最も高温となるフィラメントコイル631が、ホルダ610の外部に位置するため、ホルダ610とケース620とから形成される内部空間に格納されている点灯回路の温度が上昇し難いが、フィラメントコイル631とホルダ610の端壁612との最短距離Lが、7(mm)以内であれば、定常点灯時にフィラメントコイル631により端壁612が高温となり、そこから、ケース620、さらには基板へと伝わり、点灯回路が高温となることが考えられる。
【0069】
従って、本発明は、フィラメントコイル631がホルダ620の外部に位置し、フィラメントコイル631とホルダ610の端壁612との最短距離Lが7(mm)以内であれば、点灯回路の温度上昇を防止できると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、低圧水銀放電ランプにおいて、定常点灯時における点灯回路の温度上昇を抑制するのに利用でき、しかも、低圧水銀放電ランプの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施の形態に係る電球形蛍光ランプの全体図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いた図
【図2】発光管の全体図であり、仮想線でホルダを示した図
【図3】ホルダの平面図
【図4】図3のY方向からホルダを見た図
【図5】図1においてグローブとケースとだけをX−X線で切断して、矢印方向から見た図
【図6】変形例1に係るランプの全体図であり、内部の様子が分かるように一部を切り欠いた図
【図7】フィラメントコイルと端壁の表面との位置関係を示す図
【符号の説明】
【0072】
100 ランプ
110 発光管
115 発光管本体
220 ホルダ
220a 筒状部
220b 端壁
250 ケース
300 点灯回路
400 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部とこの筒状部の一端に設けられた端壁とを有するホルダの前記筒状部がケースの開口部に挿入された状態で、前記ケースの内周面と前記ホルダの筒状部の外周面との隙間に設けられた固着剤によって前記ケースと前記ホルダとが固着されており、さらに前記ホルダの端壁に発光管が設けられていると共に、前記ホルダと前記ケースとで囲まれる内部空間に、前記発光管を点灯させるための点灯回路が組み込まれている低圧水銀放電ランプであって、前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分を除いた箇所に設けられていることを特徴とする低圧水銀放電ランプ。
【請求項2】
筒状部とこの筒状部の一端に設けられた端壁とを有し且つ前記端壁に発光管を装着するホルダの前記筒状部がケースの開口部に挿入されていると共に、前記ケースの内周面と前記ホルダの筒状部の外周面との隙間に、前記発光管を覆うグローブの開口側の端部が挿入された状態で、前記隙間に設けられた固着剤によって前記ケースと前記ホルダと前記グローブとが固着されており、前記ホルダと前記ケースとで囲まれる内部空間に、前記発光管を点灯させるための点灯回路が組み込まれている低圧水銀放電ランプであって、前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分を除いた箇所に設けられていることを特徴とする低圧水銀放電ランプ。
【請求項3】
前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分は、前記発光管の端部に設けられた電極のフィラメントコイルの近傍部分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低圧水銀放電ランプ。
【請求項4】
前記ホルダの端壁は、前記発光管の端部を前記ホルダ内部に挿入させるための挿入口を備え、前記発光管は、前記フィラメントコイルの位置が前記ホルダ内部に位置するまで前記発光管の端部が前記挿入口から挿入された状態で前記ホルダに設けられていることを特徴とする請求項3に記載の低圧水銀放電ランプ。
【請求項5】
前記グローブは、前記隙間に挿入されている部分が、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる前記ホルダの部分に接触しないように、前記ケース及び/又は前記ホルダに固着されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の低圧水銀放電ランプ。
【請求項6】
前記隙間に設けられた前記固着剤は、前記筒状のホルダの外周面に沿って周方向に間隔をおいて配されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の低圧水銀放電ランプ。
【請求項7】
前記グローブの開口側に端部を前記ケースの開口に挿入して形成される前記グローブと前記ケースとが重なる重なり部分の面積をS1とし、前記グローブの前記重なり部分において、前記発光管の点灯に起因する熱によって最も高温に熱せられる部分を含む領域であって前記固着剤で固着されていない領域の面積をSaとしたとき、前記領域の面積Saは、
S1/12 ≦ Sa ≦ S1/4
を満たすことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の低圧水銀放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−107831(P2006−107831A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−290355(P2004−290355)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】