説明

低流量用小滴カウンタ

【課題】単位時間当りに数滴の小滴程度の流量を記録することができる装置を提供する。
【解決手段】入口14と、第二室17と流体的に連通した出口16とを有する第一室12であって、かつ層流を形成する要素を有し、第一室の出口には、第二室に通じかつ一連の小滴を解放するように寸法決めされた小滴生成器が設けられ、小滴の各々は、小滴生成器のオリフィス中の液体から自重で形成しかつ剥離する、第一室と、二つの室の気圧を均等にするために第一室の上側領域と第二室の下側領域の間で延びている溢流導管21と、小滴生成器から出る各小滴の通過を数えるために小滴生成器の下に第二室内に位置決めされている電子手段28と、全流出量、開始時間、単位時間当りの流出量、液体の導電率、経過時間及びこれらの組み合わせからなる群から選択された情報を受け取りかつ記録する電子手段に接続されている情報処理ユニット30とを備えた低流量測定装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体の測定に関する。とりわけ、本発明は、静脈への点滴、血流の制御や尿排出量の測定などを含む研究所や医療における用途に特に有用であり、非常に低い流出量を計量することができる装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
液体用流量計は、医療用途、調査、産業的な仕事及び農業の仕事において情報を提供するなどの多くの重要な用途を有している。公知のタイプの流量計には、下向きのディスク、突出部の付いた羽根車、オリフィス流れの閉塞、テーパ状のロータメータ、タービン及び磁気タイプが含まれている。流量計の展開の技術水準は、最近のサワダ氏他の米国特許第5571964号及び同第5581026号、カーマイケル(Carmichael)氏の米国特許第5698793号に表されている。従来のタイプの流量計は、不連続な低い流量や非常に低い流量には信頼性がなくなり、得られる結果は全く意味がない。例えば、いくつかの過酷な病院患者の尿排出量を測定するためなどの用途においてこのような測定が必要である。
【0003】
多くの病院において、看護婦や係員が患者のベッドの下にある透明な目盛り付き収集バッグを検査することによって平均尿流量が単位時間ごとに決定されるということが普通である。集中治療部では、このような人々は、より緊急な仕事に悩まされ、このような測定をなおざりにしがちである。この方法は高価で、信頼できず、柔軟な収集バッグにより不正確である。
【0004】
多くの特別な装置が提案されてきた。これらの特許では、降雨量の測定用装置や、尿流量の測定に又はこのような目的に適合することができるように意図されたメータが開示されている。
【0005】
ダイ(Dye)氏他の米国特許において、壁を有する容器と、カップ形状のパンと、パンの下の室とを有する、液体の排出量の測定が開示されている。液体は区画室に蓄積され、液体の高さが測定される。
【0006】
ウースター(Wurster)氏は、米国特許第4051431号において、静電容量タイプの尿の流量の測定を提案している。電気伝導体及び誘電体として尿を使用することによって、現在の尿の体積を得るために静電容量が使用される。
【0007】
ナーバス(Nehrbass)氏は、米国特許第4099412号において、尿の排出の瞬間的な流量を測定するためにロータメータを使用することを提案している。
【0008】
ロッテンバーグ(Rottenberg)氏他は、米国特許第4484582号において、一対の電極が筒状のフローセルと面一である、電解流体の流量を測定するシステムを開示している。このシステムでは、流量に逆比例するセルのインピーダンスに作用する単極のパルスの列が電極両端にかけられている。
【0009】
ジェスパーソン(Jespersen)氏は、米国特許第4343316号において、下弁及び上弁を操作する光学センサ手段を記載している。断続的な放出の測定体積が、尿の流量を示すために使用されている。
【0010】
パリッシュ(Parrish)氏は、米国特許第4448207号において、測定システムにおいて超音波トランシーバーを開示している。このトランシーバーは、尿のコラムの高さレベルを定期的に測定するように配置されている。
【0011】
レビーン(LeVeen)氏は、米国特許第4532936号において、光学センサに基づいたメータを開示している。蠕動性ポンプは、公知の速度で測定コラムを空にするために使用されている。
【0012】
カーター(Carter)氏他は、米国特許第4554687号において、漏斗形状の装置において圧力センサを記載している。圧力変換器は、尿の蓄積の結果として生じる気圧に応答して電気信号をつくる。彼は、シールされた垂直空気コラムを使用することによる第二の振動について、米国特許第4683748号において、さらに詳細に記載している。
【0013】
プレステレ(Prestele)氏は、小さな液体の体積の流量測定が意図された装置を開示している。彼は、小さな直径の管を通して液体を流している。その管には気泡も送られる。この気泡の前進を測定することによって、流体の流量を推測することができる。
【0014】
ウェストファル(Westphal)氏他は、米国特許第5769087号に記載されている装置において、収集された尿の重量を計る力変換器を提案している。
【0015】
ネルソン(Nelson)氏は、米国特許第4520667号及び同第4827766号において、電子的な小滴の計数による降雨量測定装置を提案している。同第4827766号の特許において、液体で部分的に浸されている通気管が開示されている。
【0016】
いくつかの関連したパラメータを測定して流量を推測する流量測定システムがほとんどである。しかしながら、測定されたパラメータと流量との間の関係が一定でない時には誤差がでてきてしまう。このような関係は温度変化や流体の密度変化や流体の粘性の変化によって影響を及ぼされることがある。従来技術のシステムは、単位時間当りに数滴の小滴程度の流量などの極端に低い流雨量を測定することがほとんどできない。
【発明の概要】
【0017】
それゆえ、本発明の目的の一つは、従来技術の流量計の不利な点をなくし、かつ単位時間当りに数滴の小滴程度の流量を記録することができる装置を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる目的は、カテーテルを通された患者の尿の排出量を計量する要件、及び注入速度を測定する要件を満たす流量計を提供することである。
【0019】
本発明は、0.05ml/hを超える液体の体積流量を測定する低流量測定装置において、
a)入口と、第二室と流体的に連通した出口とを有する第一室を備え、前記第一室は、層流を形成する流量制限要素を有し、第一室の出口には、第二室に通じかつ一連の小滴を解放するように寸法決めされた小滴生成器が設けられ、小滴の各々は、流量制限要素によって送られた小滴生成器のオリフィス中の液体から自重で形成しかつ剥離する、第一室と、
b)二つの室の気圧を均等にするために第一室の上側領域と第二室の下側領域の間で延びている溢流導管と、
c)小滴生成器から出る各小滴の通過を数えるために小滴生成器の下に第二室内に位置決めされている電子手段と、
d)情報を受け取りかつ記録するため、かつ連続した小滴の間の時間間隔を計測し、かつ連続した小滴の間の時間間隔の関数としての小滴寸法の変化を処理しつつ液体の流量及び全体積を計算するために、電子手段に接続されている情報処理ユニットとをさらに備えた低流量測定装置を提供することによって、前述の目的を実現する。
【0020】
本発明の好適な実施例において、電子手段が、小滴生成器のオリフィスの下に重畳した離間関係で位置決めされた一対の電極を備えている低流量測定装置が提供されている。
【0021】
本発明の最も好適な実施例において、層流を形成する要素が成形プラスチックの迷路である、低流量測定装置が提供されている。
【0022】
本発明のさらなる実施例が以下に記載されている。
【0023】
米国特許第4827766号において、小滴生成器が非常に小さな直径のフィルタを備えている雨量計が記載かつ特許請求されている。明らかに、このようなフィルタが遮断されるようになって装置が不能になる前の短い時間のみ機能する。
【0024】
これとは対照的に、本発明は、いくつかの実施例において、寸法が制限されていないフィルタ装置を使用し、別の実施例において、流量が迷路によって制限されている。小さな粒子が通過することができるほど十分大きな流路を提供する一方で流量制限用迷路を使用する技術は、農業の細流灌漑管の分野で広く立証されている。
【0025】
さらに、米国特許第4827766号とは対照的に、本発明では、上室中の液体の大部分は、小滴生成器を直接利用でき、必要ならば、速い小滴生成が可能である。
【0026】
本発明の新規な装置は小滴検出用の電極を使用することに限らないということが理解される。光電セルにおいて使用することができるビームを指向する光源などの光学センサは、例えば血などのように測定される液体が色がついている場合に特に適している。透明な液体の場合、光ビームは光電セルから偏向される。あるいは、各小滴を検出し、容量式近接センサによって計量することができる。最近、光学センサや他のセンサの物理的寸法を低減し、かつ小さな器具で使用することができる点で多くの進歩がなされてきた。近年、圧電素子は改良されてきて、コストが低減されてきており、このような素子は、落下する小滴の衝撃を吸収するために使用することができる。この素子の利点は、流出した小滴の電荷の高周波応答である。
【0027】
本発明の新規な装置は、流体の供給が不連続的である時ですら流量を測定する機能があるということが理解される。一つの小滴が電極又は光学手段によって計量される場合ですら、ある小滴と次の小滴の間の時間には実際には制限がなく、非常に低流量も確実に測定することができる。この用途には、注入、尿の排出、雨量の測定、患者の血の投入及び排出、患者に液体を送ること、農業における樹上灌漑の結果を決定することが含まれる。
【0028】
本発明は、連続した小滴の間の時間間隔を測定する手段を提供し、この時間間隔から流量を計算する。小滴の寸法はこの時間間隔に関連して変化するということが理解されている。図2a及び図2bを参照して理解されるように、小滴寸法の変化を処理する手段が設けられている。
【0029】
さらに、図7を参照すると、本発明の実施例は、溢れるほど非常に速い流入量を認識でき、このような条件を報告でき、収集バッグが充満していることを報告することができ、必要ならば、アラームを作動することができる。
【0030】
本発明は、以下の例示的な図面を参照して特定の好適な実施例と関連して記載され、より完全に理解される。
【0031】
図面を詳細に特に参照することによって、詳細事項が、例示的に、本発明の好適な実施例を例示的に説明するためだけに示され、最も有用であると考えられていることを提供するために示され、本発明の原理及び概念の態様の記載が容易に理解されるということが強調される。この点に関しては、本発明の基本的な理解に必要な説明よりも本発明の構造的な説明を詳細に示すことが意図されておらず、図面を用いた記載は、本発明のいくつかの形態が実際に実施される方法が、当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による測定装置の好適な実施例の概略図である。
【図2a】その一部分が使い捨てである実施例の略図である。
【図2b】小滴の寸法と小滴間の時間との関係を示す図である。
【図3】流量調整弁と迷路小滴生成器とを有する実施例の一部分の略図である。
【図4】供給貯蔵器を有する実施例の一部分の略図である。
【図5】収集バッグを有する実施例の一部分の略図である。
【図6】中央モニターを有するシステムのブロック線図である。
【図7】さらなる好適な実施例の立断面図である。
【図8】図7に示されている小滴生成器の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1には低流量測定装置10が示されている。一般に、検出できる流量の範囲は、およそ一つの滴の量である1時間当たり約0.05mlから1時間当たり約6lまでである。
【0034】
第一室12は、入口14と、第二室17と流体的に連通した出口16とを有する。好ましくは、出口オリフィス16の直径は、入口14の直径よりも小さい。有利的には、出口オリフィス16の直径は約3〜6mmであり、この直径の寸法は水と粘性が類似している液体20が出口オリフィス16を通過する時に小滴18を形成するのに適した寸法である。しかしながら、油等のより粘性の高い流体を処理する際には出口16はより大きい。
【0035】
第一室12は層流を形成する要素を有し、本実施例では、この要素はスクリーン要素22によって支持されている多孔性物質24を備えている。適切には、多孔性物質24は繊維状マットである。例えば砂である粒子26は、単独で、又は示されているマット24と組み合わせて使用することができる。
【0036】
第一室12の出口16は、下側の第二室17に通じている小滴生成器として機能する。出口16は、一連の小滴18を解放するように寸法が決められており、各小滴18は、小滴生成オリフィス19中の液体から自重作用で形成しかつ剥離する。
【0037】
溢流導管21は、第一室12の上側領域と第二室17の下側領域の間に延びている。この導管21の機能の一つは、二つの室12、17の間の気圧を均等にすることである。
【0038】
さらに、導管21は、意外に早く流入する場合において、上側領域が充満するのを防ぐ。
【0039】
電極28は、出口オリフィス16の下で重畳して離間した関係で第二室17内に位置決めされている。この配置により、垂直軸からわずかに離れて取り付けられた場合でも、装置10を操作することが可能である。電極28は、電極28を通過して接触する各小滴18を数え、各電極18が通過する時間を計る。本実施例では、電極28の間に電圧がかけられ、発生した電流が記録される。電流は、電極28間に小滴が存在しない時にはほとんどゼロであり、小滴18が電極28と接触して電極28を橋渡す時に流れる。
【0040】
もし流体の導電率が重要であるならば、電流の値が記録される。もし電流の値が要求されないならば、電流は単にパルスとして記録される。このパルスは電子的に数えられる。小滴の計数は、情報を受け取りかつ記録するために電極28へ電子的に接続されている情報処理ユニット30によってなされる。
【0041】
ディスプレイ32上で示される情報は、単位時間当りの流出量34を含んでいる。さらに、ディスプレイは、全流出量36、開始時間38及び経過時間40を示している。
【0042】
本実施例において、電極間の導電率42も示されている。導電率は、医局員には関心がある例えば尿を含む液体20中にある物質の指標である。
【0043】
図面の残りを参照すると、同様な参照番号は、同様な部分を識別するために使用されている。
【0044】
図2aをここで参照すると、医療目的に特に有用である低流量測定装置44が示されている。
【0045】
上室42、下室46及び電極48は、独立した使い捨てユニット50の一部である。ソケット52及びプラグ54などの電気接続手段は、情報処理ユニット56に接続する。殺菌や再使用に関連したコストや危険が高く、殺菌手順は、主に高コストの金属製の物のために使用されるので、現在の病院の習慣は、使い捨ての物をますます幅広く使用することである。
【0046】
本実施例44において、測定の精度は、小滴寸法補正機構58を足すことによって高められる。小滴の寸法は、以前の小滴と分離した後、時間の非線形関数のように変化する。この関係は図2bに示されている。この関係は、小滴寸法補正機構58の中に含まれている電子照合テーブルに記憶されている。情報処理ユニット56は、小滴を解放した時期に関する情報を受け取る。また、情報処理ユニット56は、報告された流出量60と体積62を補正後に電子的に調節する、この関係に基づいた補正機構を有する。
【0047】
図3は、図1に示されているのと同様な低流量測定装置64の一部分を示している。
【0048】
本実施例において、層流を形成する要素は、成形プラスチック製の迷路であり、この迷路は液体の流れを遅くし、その一方で、迷路の通路の寸法以下の固体状粒子では詰まらない。
【0049】
図1に示されているのとほぼ類似した低流量測定装置68が図4に示されている。
【0050】
貯蔵バッグ70は、液体源72と小滴生成器16、24、26との間に位置決めされている。貯蔵バッグ70は、断続的に速く流入する源72と、遅く連続的に放出する流出オリフィス16との間のバッファとして機能する。尿を監視するためには、400mlのバッグが通常は適している。
【0051】
図5をここで参照すると、電極28間の通過後に小滴18を受容するように位置決めされている較正されている収集バッグ76をさらに備えた、低流量測定装置74の一部分が示されている。収集バッグ76は目盛り78を有し、図1に示されているディスプレイ32によって電子的に記録されている情報について有用に検査する。本実施例において、収集バッグ76は、1.5lの容積と、透明な正面80と、バッグ76の中に収集された液体20を観察する便宜上白く不透明な背面82とを有する。
【0052】
図6は、処理ユニット86から中央モニター88へ情報を伝達する手段をさらに備えている低流量測定装置84を示している。処理ユニット86は、時計と演算論理ユニットを備えているマイクロプロセッサであり、図2a及び2bを参照して記載されている小滴寸法補正機構58を有する。電極28は電源90から電圧を受ける。電極28から電流測定が行なわれ、インターフェイス92においてデジタルフォームへ変換される。本実施例に示されているように、ケーブル94又は赤外線信号によって、情報が送られる。中央モニター88は、看護婦が複数の患者を監視しなければならない集中治療室において特に貴重である。中央モニター88は、看護スタッフによる中間動作の必要なデータの読取りで開始されるアラーム96に接続されている。さらに、マイクロプロセッサ86に接続されているアラーム97は、流量が測定される場所に設けられている。
【0053】
図7は、三つの流路を有する低流量測定装置100の実施例を示している。
【0054】
第一流路はフィルタ要素108の上面において開始し、このフィルタ要素は入口102からの超低流量を受け入れる。フィルタ要素108は、多孔性外壁110を有する。この外壁の目的は、第二流路の記載から明らかになる。第三流路は設計範囲以上の流れに関連している。第一流路は第一要素の下面112に通じ、かつフィルタ支持カップ114に通じている。この流路は、カップ114の基部において下側穴117を通って続いている。次いで、この通路に追従する小滴は垂直管116の外面に落下し、この外面から小滴生成器104に入る。小滴の下降を促進するように、管の外面には有利的には溝118が設けられている。
【0055】
垂直管116はさらなる三つの目的に合っている。
a)垂直管116は、室の上部120と下部122の気圧を均等にし、それにより矛盾のない読取りを行なうのに有用である。
b)垂直管116はフィルタカップ114を支持する。
c)垂直管116は、装置は意図していない速い流れを装置が受ける場合において、溢流管として機能することによって上室120が充満するのを防ぐ。
【0056】
第二流路は、上面106からフィルタ要素108へ、フィルタ要素の一部分を通して、フィルタ要素の多孔性壁110を通り出る。フィルタ要素108が意図的に通過流の容積が制限されているので、壁110を通して放出される。第二流路は、上室120と小滴生成器104とに続いている。
【0057】
第三流路は過剰状態に関連している。もし上室120がほとんど満杯であるほど流入が速いならば、過剰分が管116に排出される。しかしながら、過剰な流体が電極28に対して向けられ、この電極28は異常に長い液体の接触を検出し、液体が過剰であることを報告し、及び/又は、アラームを鳴らす。
【0058】
図5に示すように、出口140は収集バッグ76に接続されることができる。もし係員が満杯のバッグを空のバッグと交換しないことで、収集バッグ76が満杯であるならば、室122の下部の一部分は満杯になる。電極28は、流体が連続的に供給されていることを記録し、図6に示されているアラーム96を作動する。しかしながら、ハウジング出口140に入る流体と小滴生成器104の間で空気が捕えられるので、小滴生成器104が溢れることが防がれる。その結果、収集バッグ76が空のバッグと交換され、大きなエラーが生じることなく流量測定がすぐに行なわれる。
【0059】
室の上部120には空気口123が設けられている。
【0060】
三つの積層した構成要素122、124及び126を備えた小滴生成器104が図8に詳細に示されている。
【0061】
上注入漏斗127は、図7に記載されている流路のいずれか又は両方から流体を受け入れ、液体を中間部128へ、迷路入口124の中へ向ける。迷路130により、低流量が通常通過でき、別個の小滴へ直接的に変換するには速すぎる流れを遅くする。迷路出口132は、下部126へ流体を通過させるように配置されている。落下方向のピン状要素134は、出口オリフィス136の中央から下方に延びている。寸法及び重量が流体の表面張力を超えるのに十分である時にピン134上で形成している小滴は落下する。小滴138が落下して電極28と接触し、室の出口140を通して放出される。
【0062】
好ましくは、出口オリフィス136の下部126の外壁142は、フッ化エチレンプロピレンなどの疎水性材料でつくられている。これにより、小滴138が外壁142に後退して上がるのを防ぐ。
【0063】
しかしながら、出口オリフィス136の下部126の内張り144と、迷路の内側部分は、好ましくは、例えば、ポリエーテルサルホンなどの疎水性材料でつくられている。それにより、流体の流れが容易になり、伴出された気泡が解放され、ピン134が規則的に流体を受け入れる。
【0064】
示されていないが、本発明による複数の小滴生成器が同時に高い流量を監視するように配置することもできる。
【0065】
図には示されていないが、必要に応じて、通気手段は、室の中の一つ以上に設けることができる。
【0066】
本発明は以前の例示的な実施例の詳細に限定されず、本発明はその精神又は本質的な属性から逸脱することなく他の特定の形態で実施することができるということは当業者に明らかである。それゆえ、本実施例は、全ての点で例示的であり制限的でないと考えられ、本発明の範囲は、以前の記載でなく添付した請求の範囲によって示されており、それゆえ、請求の範囲の意味や均等の範囲内にある全ての変形は請求の範囲に包含されることが意図されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.05ml/hを超える液体の体積流量を測定する低流量測定装置において、
a)内部に液体を導入するための入口と、出口とを有する第一室を備え、前記第一室は、上部貯蔵器室と、下部小滴生成器室と、オリフィスとに分かれ、前記貯蔵器室と前記下部小滴生成器室とは、層流を形成する中間流量制限要素により相互に接続され、前記第一室の前記出口には、一連の小滴を放出するように寸法決めされた小滴生成器が設けられ、前記小滴の各々は、前記小滴生成器のオリフィスを介して前記小滴生成器室中の液体から自重で形成しかつ剥離し、
b)前記第一室の前記出口と前記小滴生成器とに流体的に連通する第二室と、
c)前記小滴生成器から出る各小滴の通過を数えるために前記小滴生成器の下に前記第二室内に位置決めされている電子手段と、
d)情報を受け取りかつ記録するため、かつ連続した小滴の間の時間間隔を計測し、かつ前記連続した小滴の間の前記時間間隔の関数としての小滴寸法の変化を処理しつつ液体の流量及び全体積を計算するために、前記電子手段に接続されている情報処理ユニットとをさらに備えた低流量測定装置。
【請求項2】
前記第一室と前記第二室との間の気圧を均等にするための気圧均等手段をさらに備えている請求項1に記載の低流量測定装置。
【請求項3】
任意の液体の溢流を受容するために、前記第一室と前記第二室との間に管をさらに備えている請求項1に記載の低流量測定装置。
【請求項4】
前記オリフィスの直径が前記入口の直径よりも小さくなっている請求項1に記載の低流量測定装置。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−286482(P2010−286482A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119288(P2010−119288)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【分割の表示】特願2000−593921(P2000−593921)の分割
【原出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(510141947)フローセンス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】