説明

低減アルカリ系における使用のための脱インキ用配合物

本発明は、古紙を随意に非アルカリ性又は低アルカリ性系において脱インキするための方法及び組成物に関する。脂肪酸とアルコキシル化脂肪アルコール及び/又はアルコキシル化脂肪酸との配合物を含む脱インキ用組成物が提供される。該組成物は、第2アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第2アルコキシル化脂肪酸を更に含み得る。カチオン性ポリマーのようなカチオン性誘導体もまた、脱インキ用配合物に添加され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
先願に対する関連
本願は2003年11月12日に出願された米国特許出願第10/706,450号の一部継続出願であり、そしてその優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、古紙を脱インキする(好ましくは、非アルカリ性又は低アルカリ性系において)ための方法及び組成物に関する。
【0003】
発明の背景
製紙工業は、製紙のために使用可能なセルロース繊維を再生するために、古紙の再生利用を何十年間も実施してきた。これらのプロセスにおいて、インキは、適当な脱インキ用組成物を用いて、古紙パルプから除去される。脱インキプロセスは、さもなければ結局埋立材料になっていたかもしれない材料から新しい紙又は板紙用製品を生成する。
【0004】
増大する公共的要求の故、再生紙の使用は着実に増加してきた。古紙から製紙のために用いられる繊維を回収するために、古紙の脱インキ操作が、印刷に用いられたインキを除去しそしてかくして再使用のための適当な特性をもたらすために一般に行われねばならない。伝統的には、脱インキは、洗浄式脱インキ又はフローテーション式脱インキのどちらかにより行われてきた。
【0005】
古紙は、新聞紙、雑誌、電話帳、印刷された広告用材、段ボール容器、等の混合物を含有し得る。これらの材料を製造するのに用いられた紙繊維はクラフトパルプのような化学的にパルプ化された材料であり得、あるいは砕木パルプ又はそれらの混合物のような機械的に生成されたパルプであり得る。この古紙の多くはある様式の印刷操作を受けており、かくして紙上にインキの付着物を残している。現在まで、古紙の再生利用は、更なる印刷のために、再生古紙の再使用に先だってインキの除去に集中してきた。
【0006】
典型的な洗浄式又はフローテーション式脱インキプロセスにおける基本的段階は、リパルパーにおける古紙の再パルプ化;再パルプ化材料の粗選除塵及びスクリーニング;洗浄式及び/又はフローテーション式脱インキ;精選除塵及びスクリーニング;後漂白;並びに最後に貯蔵である。
【0007】
典型的な古新聞紙(ONP)脱インキ操作における重要な構成要素は、リパルパーにおける古紙の処理である。リパルパーにおいて、古紙は、典型的には、水中において苛性ソーダ、ケイ酸ナトリウム及び過酸化水素のような化学薬品で処理される。金属キレート化用添加剤もまた含められ得る。
【0008】
再パルプ化は、しばしば、パルプからステープル及びプラスチックのような大きい粒子を除去するために一連の粗選クリーナー及びスクリーンにより後続される。除塵パルプは、洗浄式脱インキ段階又はフローテーション式脱インキ段階のどちらかに送られる。
【0009】
慣用的に、再パルプ化後に脱インキ繊維を生成させるために、二つの異なる方法が、インキ及びインキ関連実在物を単離するために用いられる。これらの二つの方法は、フローテーション及び洗浄である。成功的に脱インキするために、基礎となっている化学的及び物理的目標は、これらの二つの方法について異なっている。
【0010】
たとえば、洗浄は、典型的には、紙料から成功的に洗い出されそしてかくして繊維系からインキの所望分離をもたらすことになるように、特質上親水性であるように改質されそしてかくしてよく分散されるインキの微細分散性を要求する。インキ及び繊維はスラリーの全体にわたって多かれ少なかれ一様に分散され、そして泡立ち又は気泡形成は、存在するとしても、特には所望されない。洗浄プロセスの目的は、繊維から水性媒質中にインキを放出及び遊離させそして次いでインキ及び関連実在物を繊維から分離することである。かくして、洗浄法は、典型的には、インキ除去用水性媒質中における二次繊維の再パルプ化(好ましくは、低泡立ち条件下で)を含み、それによりインキ(及び存在するなら他の非セルロース異物)が繊維から、プロセス目標に依存して所望されるように機械的に及び/又は化学的に除去される。再パルプ化工程は次いで、典型的には、水性媒質の少なくとも部分的変化たとえば希釈及び/又はスクリーニングにより後続される。洗浄式脱インキは、典型的には、実用的には8より低いpHにて行われる。これは、部分的には、或る界面活性剤は界面特性を低いpHにおいて成功的に改質することが知られている故であり、しかしこれらの界面活性剤はまたインキを親水性の分散状態(洗浄にとっては有利であり、しかしフローテーションにとっては非常に不利である)に改質する。
【0011】
フローテーションプロセスは、インキが繊維表面からの放出及び遊離後に集塊化される必要があり得ることにおいて、洗浄プロセスとは根本的に異なっている。インキ特性のこの変質は、空気気泡への付着を容易にしそして十分な疎水性を放出及び遊離されたインキ及びインキ関連部分に付与して空気又は他の気体の気泡への付着及び安定化を利すり得る。インキ単離のフローテーション法は、一般に、空気気泡の流れを分散セルロース繊維(すなわち、再パルプ化セルロース繊維スラリー)の水性流に通すことを伴い、しかも該セルロース繊維スラリーはその中にフローテーション用添加剤(空気気泡へのインキ粒子の付着を促進する)を有する。空気気泡は繊維スラリー内で上昇ししかもインキ粒子を連行し、それにより泡沫を発生する(該泡沫はフローテーション槽から除去され得る)。この方法は、スラリー化−フローテーション用媒質中におけるインキ及び繊維の不均等分布に頼る。空気以外の気体実在物もまた、1つ又はそれ以上のフローテーション工程を含む脱インキプロセス中のフローテーションに用いられる気泡を発生させるために用いられ得る。
【0012】
フローテーション式脱インキは洗浄に関して根本的に異なるクラスの界面活性剤を利用し、何故なら生じる表面特性はそれらのサイズ分布及び集塊化状態並びにそれらの表面疎水性及び洗浄式脱インキにとって普通である分散性及び親水性の欠如に因り、洗浄に貢献しないからである。加えて、フローテーション式脱インキは、歴史的に、繊維からインキを除去するのを助けるために高pHパルプ化液に頼ってきた(その場合にはフローテーションによって分離され得る)。この高pHはまた、繊維を膨潤する(これもまたインキ除去を容易にし得る)のを並びにインキと繊維の間の或る化学的付着点を化学的に改質する(これはより効率的なインキの遊離及び放出を可能にし得る)のを助け得る。
【0013】
洗浄プロセス及びフローテーションプロセスは両方共、界面活性剤の適正な使用に依存する。界面活性剤分子の親水性部分対疎水性部分の相対的寄与及び特性に依存して、界面活性剤は様々な態様にてインキ粒子及び他の異物粒子と相互作用し、かくしてこれらの粒子を洗浄目的のために親水性に又はフローテーションのためにより疎水性にする。洗浄用界面活性剤とフローテーション用界面活性剤の対抗する特質は、フローテーション/洗浄系の組合わせにおいて問題を引き起こし得る。洗浄についての脱インキメカニズムはフローテーション法についてのそれとは全く異なっており、そしてそれ故それらは異なる性質を有する脱インキ用組成物の使用を要求する。
【0014】
典型的には、フローテーション誘導又は洗浄誘導脱インキ化学が、所与脱インキ系において利用される。どちらのプロセスにおいてもある点にて、脱インキ再パルプ化古紙は一連の精選クリーナー及び/又はスクリーンに通され、しかしてそこで砂及び粗粒子のような小さい粒状異物が除去される。異物の粒子サイズを低減するために追加の加工段階(たとえば分散のような)、又は特定の異物を除去するように設計された特殊クリーナーでもっての特殊除塵段階が要求され得る。再パルプ化古紙はまた、パルプの白さ及び白色度を増加するために、漂白化学薬品で処理され得る。
【0015】
脱インキ古紙は、次いで、究極的に抄紙機に供給されるまで貯蔵される。かくして、脱インキ古紙はパルプの完成紙料を提供し、しかして該完成紙料は、販売され得る紙製品を究極的に製造するために他の完成紙料と一緒にされ得る。
【0016】
伝統的脱インキに関与する化学は、非常にしばしば、pHを増加するためにリパルパーにおける苛性ソーダの添加を伴う。しかしながら、pHを増加することは、しばしば、特に古紙が砕木パルプすなわちメカニカルパルプを含有する場合、古紙紙料の黄変及び黒ずみの原因となる。望ましくない黒ずみ効果を相殺するために、漂白用添加剤が添加される。
【0017】
脱インキ用助剤は室温において固体であり得、そしてかかる場合工場において用いられるまで原料から絶えず加熱されねばならない。これは、管路を閉塞しそして脱インキ操作を中止する潜在的問題を引き起こす。
【0018】
従って、脱インキ工場における再パルプ化は、伝統的には、3.5から28%のコンシステンシー(パルプ繊維の水性スラリーの濃度(w/v)を記述するために製紙工業において用いられる用語)にて、8.8から11.5のpHにおいて5から30分間しかも32℃から60℃の温度において行われる再パルプ化単位操作を含む。典型的な再パルプ化液は、1.5%程度の水酸化ナトリウム、3%のケイ酸ナトリウム及び1%の過酸化水素の添加を含み得る。リパルパーから出る処理パルプは通常暗色であり、そして引き続いてパルプからインキの分離のために洗浄式及び/又はフローテーション式脱インキ段階に供給される。
【0019】
二次繊維を脱インキするために低分子量多価電解質と共に置換オキシエチレングリコール非イオン性界面活性剤の使用が、Maloneyの米国特許第4,599,190号明細書に記載されている。米国特許第5,094,716号明細書は、砕木パルプ新聞印刷用紙を脱インキする方法において、脱泡剤及びナフタレン−ホルムアルデヒド縮合物と共に或るアニオン性界面活性剤の組合わせが用いられる方法を記載する。
【0020】
ゼログラフィー印刷古紙からの静電インキ及びトナーの除去が、たとえば、Woodの米国特許第4,561,733号明細書、Quickの米国特許第4,276,118号明細書、両方共Darlingtonの米国特許第4,820,379号明細書及び米国特許第5,102,500号明細書に記載されている。
【0021】
酵素が、製紙用パルプの処理において及び製紙工場の操業からの廃水流出物を精製するために用いられてきた。日本国特許第2160984号明細書及び日本国特許第2080684号明細書は、大豆系インキの加水分解において、リパーゼである酵素の使用を記載する。セルラーゼである別の酵素の使用が、日本国特許第2080683号明細書に記載されている。欧州特許出願公開第447672号明細書は、リグニン分解酵素を用いて古紙を脱インキすることを記載する。
【0022】
米国特許第4,518,459号明細書は、アルコールの末端ヒドロキシル基又はアルキルフェノールのエチレンオキシドアダクトの末端ヒドロキシル基に予定量のプロピレンオキシドを付加することによりあるいはアルコールの末端ヒドロキシル基又はアルキルフェノールのエチレンオキシドアダクト若しくはエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアダクトの末端ヒドロキシル基をベンジルエーテルで変性することにより得られた脱インキ用組成物を用いての脱インキ方法を開示する。
【0023】
米国特許第3,021,372号明細書、第2,856,434号明細書、第2,903,486号明細書、第3,340,309号明細書、第3,444,242号明細書及び第3,625,909号明細書は、アルキレンオキシドをアルコール又はアルキルフェノールに付加することにより製造される化合物を開示する。
【0024】
米国特許第4,162,186号明細書は、油溶性アルコールエトキシレートと水溶性アルコールエトキシレートとの組合わせを含む脱インキ用組成物を開示する。
【0025】
米国特許第5,094,716号明細書は、洗浄プロセスにおいて疎水性インキの除去に用いるための、アニオン性界面活性剤とアニオン性分散剤の組合わせの使用を記載する。
【0026】
米国特許第4,599,190号明細書は、二次繊維の洗浄式脱インキにおける非イオン性界面活性剤と組み合わせた多価電解質分散剤の使用を記載する。
【0027】
米国特許出願公開第2003/0106654号明細書は、脱インキのためのアルコキシル化脂肪アルコール及びトリグリセリドの使用を開示する。
【0028】
米国特許第5,227,019号明細書及び第5,225,046号明細書は、脱インキのためのアルコキシル化脂肪アルコール及び脂肪酸の使用を開示する。
【0029】
国際公開第97/32076号パンフレットは、アルコキシル化脂肪アルコールと脂肪酸のエステル化生成物を用いての脱インキを開示する。
【0030】
国際公開第96/31646号パンフレットは、インキを遊離するためのアルコキシル化脂肪アルコールの使用を開示する。
【0031】
米国特許出願第6,312,559号明細書(No.6,312,559B1)は、フローテーション中におけるカチオン性化合物の使用を開示する。
【0032】
米国特許第5,651,861号明細書は、古紙を脱インキするためのカチオン性ポリマーの使用を開示する。
【0033】
米国特許出願公開第2002/0066880号明細書は、ポリエステルと2種の順次の界面活性剤とを含む混合物の使用を開示する。
【0034】
米国特許第5,801,135号明細書は、脂肪酸と界面活性剤(アルコキシル化脂肪アルコールのような)との液状配合物を開示する。
【0035】
米国特許第5,725,730号明細書もまた、脂肪酸及びアルコキシル化脂肪アルコールの使用を開示する。
【0036】
米国特許第6,251,220号明細書は、アルキレンオキシド、油、脂肪及びアルコールを用いての、フローテーションについての脱インキ方法を開示する。
【0037】
フローテーション式脱インキと洗浄式脱インキの異なる化学的性質の故、フローテーション及び洗浄の両方に適合し得るところの古紙を脱インキするための方法及び組成物に対するニーズがある。
【0038】
非アルカリ性又は中性条件にて古紙を脱インキするための方法及び組成物に対するニーズもある。
【0039】
室温において液体である組成物で古紙を脱インキするための方法及び組成物に対するニーズもある。
【0040】
発明の要約
アルコキシル化脂肪アルコール及び酸そしてより特定的にはエトキシル化脂肪アルコール及び酸が洗浄式脱インキプロセスにおいて脱インキ用添加剤として歴史的に用いられてきた並びに非エトキシル化脂肪酸がフローテーション式脱インキプロセスにおいて歴史的に用いられてきたけれども、これらの添加剤は多数の予期されない利点を伴ってフローテーション又は洗浄プロセスにおける使用のために配合され得るということが思いがけず発見された。驚くべきことに、配合物は伝統的アルカリ性脱インキプロセスにおいて古紙からインキを除去し得るということが発見された。驚くべきことに、配合物は非アルカリ性又は低アルカリ性スラリーにおいて古紙からインキを除去し得るということも発見された。かくして、配合物は製紙プロセスにおける脱インキ中及び脱インキ後のpH調整と関連したコスト及び努力を実質的に低減し得、並びに先に論考されたアルカリ黄変又はアルカリ黒ずみの不利益のような伝統的アルカリ性脱インキと関連した不利益な効果を低減又は排除し得る。
【0041】
アルコキシル化脂肪アルコール又は酸と脂肪酸のこれらの配合物は、個々の成分の一方又は両方が室温においてそれ自体固体であるとしても、室温において液体であり得る、ということも驚くべきことに発見された。かくして、配合物は、製紙プロセスにおける固体脱インキ用添加剤の取扱いと関連した重荷を実質的に低減するよう期待させる。本発明の配合物は無添加剤性能属性を示すということも驚くべきことに発見された。
【0042】
それ故、一つの具体的態様において、脱インキ用組成物であって、
a)アルコキシル化されていない第1脂肪酸であって、20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含む第1脂肪酸、並びに
b)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
を含む脱インキ用組成物が提供される。
【0043】
別の具体的態様において、非アルカリ性又は低アルカリ性脱インキ方法が提供される。かくして、別の具体的態様は、古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙を非アルカリ性又は低アルカリ性パルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸と第1脂肪酸とを含む脱インキ用配合物と接触させ、そして
c)洗浄及び/又はフローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離する
工程を含む方法を提供する。
【0044】
更に別の具体的態様において、脱インキのフローテーション法が提供される。かくして、更に別の具体的態様において、古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙をパルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸と第1脂肪酸とを含む脱インキ用配合物と接触させ、
c)フローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離し、しかも
d)フローテーション中又はフローテーション前に少なくとも1種のフローテーション用添加剤を添加する
工程を含む方法が提供される。
【0045】
本発明の追加の目的及び利点は以下の説明中に一部は述べられそして一部は該説明から明白であり、あるいは本発明の実施により知られ得る。本発明の目的及び利点は、特に添付の請求項に指摘された要素及び組合わせにより実現及び達成される。
【0046】
以上の一般的説明及び以下の詳細な説明は両方共例示的及び説明的にすぎず、そして請求項に記載される本発明を限定しない、ということが理解されるべきである。
【0047】
詳細な説明
古紙の再生利用のための脱インキ方法及び組成物が提供される。該組成物は、(1)アルコキシル化脂肪アルコール又はアルコキシル化脂肪酸と(2)脂肪酸との配合物を含む。
【0048】
定義
本明細書において用いられる場合の用語「アルキル」は、別段特記されていなければ、飽和の直線状、分枝状又は環状の第1級、第2級又は第3級炭化水素、たとえばC1からC20又はC6からC20を包含し、しかして特定的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル及び2,3−ジメチルブチルを包含する。アルキル基はまた、トリデシルを包含し得る。アルキル基は、随意に、ヒドロキシル、カルボキシ、カルボキサミド、カルボアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、ホスホン酸、ホスフェート又はホスホネートから成る群から選択された1個又はそれ以上の部分で置換され得、しかもこれらは保護されていないか又は必要に応じて保護されている(当業者に知られているように、たとえばGreene等,「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,第2版,1991(これによって参照することにより組み込まれる)に教示されているように)かのどちらかである。
【0049】
本明細書において、用語C(アルキル範囲)が用いられる場合はいつも、該用語は独立して、あたかも特定的に及び別々に述べられているかのようにそのクラスの各員を包含する。非制限的例として、用語「C1からC20」は独立して、その範囲内に入る各種を表し、しかしてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、4−エチルブチル、シクロヘキシル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、6−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、4−エチルペンチル、5−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−プロピルブチル、3−プロピルブチル、4−プロピルブチル、シクロヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、7−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、5−エチルヘキシル、6−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル、2−プロピルペンチル、3−プロピルペンチル、4−プロピルペンチル、5−プロピルペンチル、シクロオクチル、ノニル、シクロノニル、デシル又はシクロデシルを包含するが、しかしそれらに限定されない。
【0050】
本明細書において用いられる場合の用語「アリール」は、別段特記されていなければ、フェニル、ビフェニル又はナフチルそして好ましくはフェニルを指す。アリール基は、随意に、アルキル、ヘテロアリール、複素環式、炭素環、アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、炭水化物、アミノ酸、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、アルジトール、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、イミド、スルホン酸、サルフェート、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、カルボン酸エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、チオエステル、チオエーテル、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、リン酸、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、スルホンアミド、カルボキサミド、ヒドロキサム酸、スルホニルイミド、又は当該化合物の活性を阻害しない任意の他の所望官能基から成る群から選択された1個又はそれ以上の部分で置換され得、しかもこれらは保護されていないか又は必要に応じて保護されている(当業者に知られているように、たとえばGreene等,「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley and Sons,第2版,1991に教示されているように)かのどちらかである。その代わりに、アリール環上の隣接基は一緒になって5から7員の炭素環式、アリール、ヘテロアリール又は複素環式環を形成し得る。別の具体的態様において、アリール環は、随意に置換されたシクロアルキル(シクロペンチル又はシクロヘキシルのような)で又はアルキレンジオキシ部分(たとえばメチレンジオキシ)で置換される。
【0051】
用語「オキシエチレン」、「エチレンオキシド」又は「EO」は、酸素部分に結合されたエチル部分又は−O−CH2CH2−を指す。
【0052】
用語「オキシプロピレン」、「プロピレンオキシド」又は「PO」は、酸素部分に結合されたプロピル部分又は−O−CH2CHCH3−を指す。
【0053】
本明細書において用いられる場合の用語「HLB」は、分子の「親水性親油性バランス」を指す。HLB数は1〜40の任意範囲にて分子の極性を指摘し、しかして最も普通に用いられる乳化剤は1と20の間の値を有する。HLB数は、親水性の増加と共に増加する。HLBシステムは、分子構造がどんなタイプの界面活性剤特性を与えるかを予言するための半実験的方法である。HLBシステムは、ある分子は親水性基を有し、ある分子は親油性基を有しそしてある分子は両方を有するという概念に基づいている。界面活性剤のHLBは、Griffin WC,「「HLB」による界面活性剤の分類」,Journal of the Society of Cosmetic Chemists,1(1949),311及びGriffin WC,「非イオン性界面活性剤のHLB値の算出」,Journal of the Society of Cosmetic Chemists,5(1954),259に従って算出され得る。
【0054】
用語「カチオン性添加剤」は、正に荷電しているか又は水性媒質に添加すると正荷電イオンを生じるいかなる化合物をも指す。
【0055】
用語「脂肪酸」は、一様な分子量の脂肪酸又は分子量分布を有する脂肪酸の混合物を含む組成物を指す。
【0056】
用語「脂肪アルコール」は、一様な分子量の脂肪アルコール又は分子量分布を有する脂肪アルコールの混合物を含む組成物を指す。
【0057】
用語「#/t」は、スラリー中に存在する固形分のトン当たりのポンドを表す。1トンは、2000ポンドに等価である。
【0058】
論考
一般に、古紙パルプを脱インキする方法及び特にかかる方法を実施するのによく適応されている界面活性剤の配合物が提供される。これらの組成物及び方法は、広範な再生利用古紙及び加工条件にわたって用いられる。
【0059】
第1の主要な具体的態様は、古紙を脱インキするための組成物であって、
a)アルコキシル化されていない第1脂肪酸であって、20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含む第1脂肪酸、
b)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
c)随意に、第2アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第2アルコキシル化脂肪酸、並びに
d)随意に、水、プロピレングリコール又は別の不活性希釈剤
を含む組成物を提供する。
【0060】
この配合物は、随意に、
・約10wt%から約70wt%の第1脂肪酸、約20wt%から約60wt%の第1脂肪酸又は約25wt%から約50wt%の第1脂肪酸、
・約5wt%から約75wt%の第1アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第1アルコキシル化脂肪酸又は両方あるいは約10wt%から約50wt%の第1アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第1アルコキシル化脂肪酸又は両方、
・約0wt%から約35wt%の第2アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第2アルコキシル化脂肪酸又は両方あるいは約5wt%から約30wt%の第2アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第2アルコキシル化脂肪酸又は両方、並びに/あるいは
・約0wt%から約50wt%の水若しくは他の希釈剤又は約5wt%から約25wt%の水若しくは他の希釈剤
を含む。
【0061】
第1アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第1アルコキシル化脂肪酸又は両方は、随意に、第1脂肪酸に関して約1:99から約99:1、約15:85から約55:15、約1:3から約3:1、約1:2から約2:1又は約1.5:1から約1:1.5の重量比にて存在する。その代わりに又は加えて、総アルコキシル化脂肪アルコール及び総アルコキシル化脂肪酸は、総脂肪酸に関して約1:99から約99:1、約15:85から約55:15、約1:3から約3:1、約1:2から約2:1又は約1.5:1から約1:1.5の重量比にて存在する。
【0062】
様々な具体的態様において、第1脂肪酸は、約20wt%、30wt%、40wt%、50wt%又は60wt%から約100wt%、90wt%、80wt%又は70wt%の約16から約24個の炭素原子を有する脂肪酸を含む(下方百分率と上方百分率の任意の組合わせにて)。該脂肪酸は、好ましくは、約20wt%、30wt%、40wt%、50wt%又は60wt%から約100wt%、90wt%、80wt%又は70wt%の約16から約18個の炭素原子を有する脂肪酸を含む(下方百分率と上方百分率の任意の組合わせにて)。
【0063】
第1脂肪酸は、好ましくは、約6、12又は16個から約24、20又は18個の炭素原子を含む。加えて、第1脂肪酸成分内の脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよい。別の具体的態様において、第1脂肪酸成分内の脂肪酸の不飽和度(すなわち、脂肪酸分子の総数を基準として第1脂肪酸成分内の不飽和分子の百分率)は、約10から約95%、約20から約90%、約25から約85%、約40から約90%、又は約30から約80%である。
【0064】
第1アルコキシル化脂肪アルコールは、随意に、次式
R−O−[(CH2−CH2−O)n−(CH2−CH(CH3)−O)m]−H
〔ここで、
Rは、アリール又はアルキル、たとえば直線状又は分枝状アルキル基であり、
nは、約5から約45、約5から約40、約9から約25、約15から約23、又は約18から約23であり、
mは、約0から約30、又は約0から20であり、そして
−(CH2−CH2−O)−単位及び−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
により表される。
【0065】
随意に、RはC6〜20アルキルである。
【0066】
エチレンオキシド及びプロピレンオキシド単位は任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される故、n単位のエチレンオキシドは連続して配置されている必要はなく、そしてm単位のプロピレンオキシドにより秩序又はランダム様式にて中断され得る。更に、プロピレンオキシドはエチレンオキシドの代わりに脂肪アルコール残基に直接的に結合され得、そしてその分子はエチレンオキシドにて終端し得る。
【0067】
別の具体的態様において、Rは、約6から約24個の炭素原子、約6から約20個の炭素原子、約12から約24個の炭素原子、約16から約20個の炭素原子、又は約18個の炭素原子を含む。かくして、Rは、C6〜24アルキル、C6〜20アルキル、C12〜24アルキル、C12〜24アルキル、C16〜20アルキル、C12〜18アルキル又はC16〜18アルキルであり得る。一つの具体的態様において、nは、約5から約40、約10から約35、約10から約30、約12から約25、約15から約25、又は約21である。別の具体的態様において、mは、0又は1から約25又は20又は10である。
【0068】
第1アルコキシル化脂肪アルコールは、飽和でも不飽和でもよい。いくつかの具体的態様において、第1アルコキシル化脂肪アルコールの不飽和度(すなわち、第1アルコキシル化脂肪アルコール成分内の不飽和分子の百分率)は、約10から約95%、約20から約90%、約25から約85%、又は約30から約80%である。
【0069】
更に他の具体的態様において、第1アルコキシル化脂肪アルコールは、HLBにより特徴づけられる。別の具体的態様において、アルコキシル化脂肪アルコールは、12、13、14、15又は16より大きいHLBを有する。
【0070】
開示された処方物の第1アルコキシル化脂肪酸は、次式
2−C(O)O−[(CH2−CH2−O)p−(CH2−CH(CH3)−O)q]−H
〔ここで、
2は、アリール又はアルキル、たとえば直線状又は分枝状アルキル基であり、
pは、約5から約45、約5から約40、約9から約25、約15から約23、又は約18から約23であり、
qは、約0から約30、又は約0から20であり、そして
−(CH2−CH2−O)−単位及び−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
により表され得る。
【0071】
随意に、R2はC6〜20アルキルである。
【0072】
別の具体的態様において、R2は、約6から約24個の炭素原子、約6から約20個の炭素原子、約12から約24個の炭素原子、約16から約20個の炭素原子、又は約18個の炭素原子を含む。かくして、R2は、C6〜24アルキル、C6〜20アルキル、C12〜24アルキル、C12〜24アルキル、又はC16〜20アルキルであり得る。一つの具体的態様において、pは、約5から約40、約10から約35、約10から約30、約12から約25、約15から約25、又は約21である。別の具体的態様において、qは、0又は1から約25又は20又は10である。
【0073】
2は、たとえばC6〜24アルキル、C6〜20アルキル、C12〜18アルキル、又はC16〜18アルキルである。
【0074】
別の具体的態様において、R2は、少なくとも12、16又は18個の炭素原子を含む。同様に、pは約10から約90、約20から約80又は約25から約75の整数であり得、そしてqは約5から約30の整数であり得る。分子当たりの総平均アルコキシル化(すなわち、pプラスq)は、約15から約120又は約25から約110の整数であり得る。
【0075】
加えて、第1アルコキシル化脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよい。別の具体的態様において、第1アルコキシル化脂肪酸の不飽和度は、約10から約95%、約20から約90%、約25から約85%、又は約30から約80%である。
【0076】
更に他の具体的態様において、第1アルコキシル化脂肪酸は、HLBにより特徴づけられる。別の具体的態様において、アルコキシル化脂肪酸は、12、13、14、15又は16より大きいHLBを有する。
【0077】
第2アルコキシル化脂肪アルコールは、随意に、次式
R−O−[(CH2−CH2−O)n−(CH2−CH(CH3)−O)m]−H
〔ここで、
Rは、アリール又は直線状若しくは分枝状アルキル基であり、
nは、約10から約100であり、
mは、約0又は1から約35であり、そして
−(CH2−CH2−O)−単位及び−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
により表される。
【0078】
別の具体的態様において、Rは、約6から約24個の炭素原子、約6から約20個の炭素原子、約12から約24個の炭素原子、約16から約20個の炭素原子、又は約18個の炭素原子を含む。Rは、随意に、C10〜40アルキル、C12〜24アルキル、C16〜20アルキル又はC18アルキル(随意に、直鎖状又は分枝状である)である。同様に、別の具体的態様において、nは、約10から約100、50若しくは35、約15から約35、25、又は約2である。随意に、mは、0又は1から約35、25、20又は10である。
【0079】
第2アルコキシル化脂肪アルコールは、飽和でも不飽和でもよい。別の具体的態様において、第2アルコキシル化脂肪アルコールの不飽和度は、約10から約95%、約20から約90%、約25から約85%、又は約30から約80%である。
【0080】
第2アルコキシル化脂肪酸は、随意に、次式
2−O−O−[(CH2−CH2−O)p−(CH2−CH(CH3)−O)q]−H
〔ここで、
2は、アリール又は直線状若しくは分枝状アルキル基であり、
pは、約10から約100であり、
qは、約0又は1から約35であり、そして
−(CH2−CH2−O)−単位及び−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
により表される。
【0081】
別の具体的態様において、R2は、約6から約24個の炭素原子、約6から約20個の炭素原子、約12から約24個の炭素原子、約16から約20個の炭素原子、又は約18個の炭素原子を含む。R2は、随意に、C10〜40アルキル、C12〜24アルキル、C16〜20アルキル又はC18アルキル(随意に、直鎖状又は分枝状である)である。同様に、別の具体的態様において、pは、約10から約100、50若しくは35、約15から約35、25、又は約2である。随意に、qは、0又は1から約35、25、20又は10である。
【0082】
第2アルコキシル化脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよい。別の具体的態様において、第2アルコキシル化脂肪酸の不飽和度は、約10から約95%、約20から約90%、約25から約85%、又は約30から約80%である。
【0083】
別の側面において、第1の主要な具体的態様の組成物に限定されない非アルカリ性又は低アルカリ性系において古紙を脱インキする方法が提供される。かくして、第2の主要な具体的態様において、古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙を非アルカリ性又は低アルカリ性パルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸と第1脂肪酸とを含む脱インキ用配合物と接触させ、そして
c)洗浄及び/又はフローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離する
工程を含む方法が提供される。
【0084】
第1脂肪酸は、随意に、アルコキシル化されていない。
【0085】
第1脂肪酸は好ましくは先に記載されたとおりであり、そして随意に20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含む。第1脂肪酸は、随意に、6から20個の炭素原子を含む。
【0086】
本方法は、ケイ酸ナトリウム若しくは亜硫酸ナトリウム又はそれらの組合わせをパルプスラリーに添加することを更に含み得る。脱インキ用配合物は、随意に、第2アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第2アルコキシル化脂肪酸を更に含む。
【0087】
パルプスラリーからのインキの分離は、一つの具体的態様において、フローテーションにより行われる。本方法は、パルプスラリーからのインキの分離前又は分離中にフローテーション用添加剤をスラリーに添加することを更に含み得る。
【0088】
本方法は、フローテーション前又はフローテーション中に少なくとも1種のカチオン性添加剤をスラリーに添加することを更に含み得る。カチオン性添加剤は、随意に、カチオン性ポリマーたとえばカチオン性ポリアミンである。
【0089】
第1アルコキシル化脂肪アルコールは好ましくは先に定められたとおりであり、そして随意に少なくとも5モルのエトキシル化を含む。第1アルコキシル化脂肪アルコールのアルコール部分は、随意に、6から20個の炭素原子を含む。
【0090】
本方法において、工程a)におけるパルプスラリーは、随意に、約6.0から約8.8又は約6.8から約7.2のpHを有する。配合物は、一つの具体的態様において、22、25若しくは30℃又はそれ以上の温度において液体である。
【0091】
第1アルコキシル化脂肪アルコール若しくは第1アルコキシル化脂肪酸又は両方と第1脂肪酸は、随意に、重量により約1:99から約99:1、重量により約15:85から約55:15、重量により約1:3から約3:1又は重量により約1:2から約2:1の比率にて存在する。
【0092】
本方法において、一つの具体的態様において、配合物は、総アルコキシル化脂肪アルコール及びアルコキシル化脂肪酸と脂肪酸を、重量により約1:99から約99:1、重量により約15:85から約55:15又は重量により約1:2から約3:1の比率にて含む。
【0093】
配合物は、随意に、水又は他の希釈剤、たとえば約0から約25重量%の水又は他の希釈剤を含む。
【0094】
随意に、第1脂肪酸はトール油脂肪酸である。
【0095】
用語「非アルカリ性又は低アルカリ性パルプスラリー」は、酸性スラリーからアルカリ性度がスラリー中の繊維からのインキの分離に実質的に寄与しないところのアルカリ性スラリーの範囲のスラリーを包含する。操作上、本方法は、約6、6.5又は6.7から約8.8、8.0又は7.3の範囲のpHを有するスラリーでもって実施され得る。最も好ましくは、本方法は、約6.8又は7.2のpHにおいてのように実質的に中性系において実施される。
【0096】
別の側面において、1つ又はそれ以上のフローテーション段階を用いるところの古紙を脱インキする方法が提供される。かくして、第3の主要な具体的態様において、古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙をパルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸と第1脂肪酸とを含む脱インキ用配合物と接触させ、しかも第1脂肪酸はアルコキシル化されておらず、
c)フローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離し、しかも
d)フローテーション中又はフローテーション前にカチオン性添加剤のような1種のフローテーション用添加剤を添加する
工程を含む方法が提供される。
【0097】
留意すべきことに、フローテーション具体的態様と低アルカリ性具体的態様は相互に排除しない。かくして、フローテーション具体的態様は、低アルカリ性又は非アルカリ性環境において実施され得る。同様に、低アルカリ性具体的態様は、フローテーションに基づく系において実施され得る。
【0098】
カチオン性添加剤は、たとえば、カチオン性ポリアミンのようなカチオン性ポリマーである。
【0099】
一つの下位区分の具体的態様において、本方法は、次のパラメーターにより定められる脱インキ用配合物を用いて実施される。すなわち、
・第1アルコキシル化脂肪アルコール又は第1アルコキシル化脂肪酸は、少なくとも5、10又は15モルのエトキシル化且つ好ましくは70総モルより多くないエトキシル化を含み、
・第1アルコキシル化脂肪アルコール又は第1アルコキシル化脂肪酸のアルコール又は酸部分は、約6から約24個、約6から約20個、約12から約18個又は約16から約18個の炭素原子を含み、
・第1脂肪酸は、非アルコキシル化C6〜C24、C6〜C20、C12〜C18又はC16〜C18脂肪酸であり、好ましくは式R3−C(O)OH(ここで、R3は約6から約24個の炭素原子、約9から約20個の炭素原子、約12から約20個の炭素原子又は約6から約18個の炭素原子の分枝状又は直鎖状アルキルである)により表される。
【0100】
別の下位区分の具体的態様において、本方法は、第1アルコキシル化脂肪酸、第1脂肪酸、第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第2アルコキシル化脂肪アルコールが第1の主要な具体的態様について上記に定められたとおりである配合物を用いて実施される。
【0101】
脱インキ効果は本発明の方法及び組成物を独立して用いることにより得られ得るけれども、該方法及び該組成物は慣用の脱インキ用添加剤と組み合わせて用いられ得る。これらの脱インキ用添加剤のいずれも、フローテーション用添加剤又は洗浄用添加剤として用いられ得る。それらは、パルプスラリーへの古紙の変換中(すなわち、パルプ化段階中又はパルプ化段階前)、洗浄若しくはフローテーション段階中又は洗浄若しくはフローテーション段階前(好ましくは直前)に、パルプスラリーに添加され得る。
【0102】
脱インキ用添加剤の非制限的例は、アルコールサルフェート、ポリオキシアルキレンアルコールサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、脂肪酸又はそれらの塩、アルキレンオキシドとアルコール又はアルキルフェノールのアダクト、アルキレンオキシドと脂肪酸のアダクト、アルキレンオキシドとモノ、ジ又はトリグリセリドのアダクト、多価若しくは一価アルコール又はアルキレンオキシドと多価アルコール若しくは一価アルコールのアダクト、ケイ酸塩系及び亜硫酸塩系添加剤(非制限的例は、ケイ酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウム、等を包含する)を包含する。脂肪酸又はそれらの塩の非制限的例は6から24個の炭素原子を有する脂肪酸又はそれらの塩であり得、そしてカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、等、上記に挙げられた脂肪酸を含有するヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、タロー油脂肪酸、パーム油脂肪酸、魚油脂肪酸、等、並びに天然産物から得られた上記に挙げられた脂肪酸の水素化生成物の脂肪酸及び合成脂肪酸により例示され得る。脂肪酸の塩は、ナトリウム塩又はカリウム塩であり得る。他の非制限的例は、アルファ−オレフィンスルホネート、エトキシル化ラウリルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール又は他の置換グリコールを包含する。
【0103】
一価アルコールの非制限的例は、8から24個の炭素原子のアルキル又はアルケニル部分を有するもの及びアルキル部分が6から14個の炭素原子を有するアルキルフェニル部分を有するものを包含し得る。それらの特定の例は、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−エイコサノール、1−ヘンエイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、2−オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、2−ウンデカノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、2−エイコサノール、2−オクテン−1−オール、2−ドデセン−1−オール、2−ウンデセン−1−オール、2−テトラデセン−1−オール、2−ペンタデセン−1−オール、2−ヘキサデセン−1−オール、2−オクタデセン−1−オール、8−ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、リシノイルアルコール、シクロノナノール、シクロデカノール、シクロウンデカノール、シクロドデカノール、シクロトリデカノール、シクロテトラデカノール、シクロペンタデカノール、シクロヘキサデカノール、シクロヘプタデカノール、シクロオクタデカノール、シクロノナデカノール、シクロエイコサノール、オクチルフェノール及びノニルフェノールを包含する。
【0104】
多価アルコールの非制限的例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、2−エチルブタン−1,2,3−トリオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールヘキサン、テトラメチロールシクロヘキサノール、ジグリセロール、マニタン、ペンタエリトリトール、エリトリトール、アラビトール、ソルビトール、D−グリセロ−D−ガラクトヘプトース、D−グルセロ−D−グルコヘプトース、D−グリセロ−D−マンノヘプトース、D−グリセロ−L−マンノヘプトース、D−アルトロヘプツロース、D−マンノヘプツロース、D−アルトロ−3−ヘプツロース、D−グリセロ−D−ガラヘプチトール、D−エリトロ−D−ガラオクチトール、D−グリセロ−D−マンノオクツロース、D−エリトロ−L−グロノヌロース、セロブロース、マルトース、ラクトース、ゲンチアノース、セロトリオース及びスタキオースを包含する。
【0105】
別の具体的態様において、添加剤は、カチオン性フローテーション用添加剤のようなカチオン性添加剤である。カチオン性添加剤の非制限的例は、ポリマー又はモノマーを包含する。ポリマーは、当業者に知られたいかなる方法(ビニルモノマーのラジカル重合、又は縮合反応のような)によっても製造され得る。
【0106】
カチオン性添加剤の非制限的例は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、等を含めてカチオン性ポリマーを包含する。それらの例は(メト)アクリルアミドとジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジエチルアミノエチルアクリレート(DEAEA)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEM)、又はジメチルサルフェート若しくはメチルクロライドでもって作られたそれらの第4級アンモニウム形態を包含するがしかしそれらに限定されず、しかしてジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド及びそれらの第4級又は酸塩たとえばアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド及びジアリルジメチルアンモニウムクロライド、マンニッヒ反応で変性されたポリアクリルアミド、ジアリルシクロヘキシルアミン塩酸塩(DACHA・HCl)、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)、ポリエチレンイミン(PEI)、等を包含するがしかしそれらに限定されない。
【0107】
水溶性又は水分散性ポリマーは、水溶性又は水分散性であるポリマーを形成するようにエピクロロヒドリンジメチルアミンポリマー又は任意の他の段階ポリマー(エピクロロヒドリン、ジメチルアミン、エチレンジクロライド、アンモニア、メチルアミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アニリン−ホルムアルデヒド縮合物又は上記の成分の任意の混合物を含有する)のような物質と反応されたポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、カチオン性デンプン、エピクロロヒドリン−ジメチルアミン、エチレンジクロライド−アンモニア、エチレンジクロライド−メチルアミン−アンモニア、エピクロロヒドリン−ジメチルアミン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド及びアニリン−ホルムアルデヒドのように、物質の段階重合により形成され得る。
【0108】
カチオン性添加剤はまた、
【化1】

〔ここで、
・R1及びR2は独立して、10から24個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基であり、
・R3、R4及びR5は独立して、1から8個の炭素原子を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式−−(AO)v−−K(ここで、AOは2から4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を表し、Kは水素原子又はアシル基を表し、そしてvは1から50の整数である)により表される基であり、
・R6は、8から36個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基を表し、
・Zは、対イオンを表し、
・Y2は、8から36個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル若しくはβ−ヒドロキシアルキル基、式R6COOCH2−−(ここで、R6は上記に定義されたとおりである)により表される基、式R6CONHCH2−−(ここで、R6は上記に定義されたとおりである)により表される基、又は式R6OCH2−−(ここで、R6は上記に定義されたとおりである)により表される基を表し、
・R7、R8、R9は独立して、1から24個の炭素原子を有するアルキル基又は2から24個の炭素原子を有するアルケニル基であり、
・R10は、水素原子又はメチル基であり、
・Y3は、O又はNHである〕
のようなモノマー又は分子であり得る。
【0109】
本発明の方法を実施する場合に添加剤がパルプ化段階中に系に導入されるとき、添加剤は、典型的には、約0.1#/tから約30#/t(紙料中の絶乾固形分(古紙)を基準として約0.005wt%から約2wt%に換算される)の範囲にて添加される。その代わりに、添加剤は、約1#/tから約15#/t(紙料中の絶乾固形分を基準として約0.05wt%から約0.75wt%に換算される)の範囲にて添加され得る。
【0110】
本発明の方法を実施する場合に添加剤がフローテーション段階中又はフローテーション段階前に系に導入されるとき、添加剤は、典型的には、約0.05#/tから約10#/t(紙料中の絶乾固形分を基準として約0.0025wt%から約0.5wt%に換算される)の範囲にて添加される。フローテーション段階前又はフローテーション段階中に添加され得る添加剤の範囲の別の例は、約0.2#/tから約5#/t(紙料中の絶乾固形分を基準として約0.01wt%から約0.25wt%に換算される)であり得る。
【0111】
本組成物及び本方法は、古新聞印刷用紙(「ONP」)、古雑誌等級(「OMG」)及び混合オフィス古紙(「MOW」)のような再生利用古紙を脱インキするために特に有用である。界面活性剤配合物はONP、OMG及びそれらの配合物を脱インキするのに特に有用であり、そしてONP対OMGの重量比が約99:1から約1:99一層好ましくは約20:1から約3:2の範囲にあるONPとOMGの配合物を脱インキするのにとりわけ有用である。
【0112】
提供される本方法に従って再生利用され得る例示的古紙は、いかなる非バージン紙、又は1種若しくは複数種の異物(インキ、染料着色剤、蛍光増白剤及び粘着物(接着剤、バインダー、プラスチックフィルム、コーティング膜、等を含めて粘着性異物)を包含するが、しかしそれらに限定されない)を含有するいかなる紙も包含する。古紙は、木材含有等級及び木材不含等級の紙をを包含し得るが、しかしそれらに限定されない。提供される具体的態様において用いられ得る古紙の非制限的例は、分別された又は分別されていないコンピュータープリントアウト紙(インクジェット又はレーザープリンターからのような)、コピー用紙、筆記用紙、上質紙、コーテッド及び非コーテッド雑誌紙、混合オフィス古紙、新聞印刷用紙、包装用板紙、プラスチックを含有する紙及び板紙を包含し、しかしてアルミニウム箔を含むゲーブルトップ型ミルク及びジュース用カートン、無菌包装材、ポリエチレンが被覆された、ポリエステルが被覆された若しくは複合層状の被覆物若しくは積層物、又は液体用包装材の製造操作からのスクラップを包含するが、しかしそれらに限定されない。
【0113】
本発明の配合物は、インキが除去され得る操作におけるいかなる時点においても添加され得る。かくして、配合物は最も普通にはパルプ化若しくはフローテーション段階中又はパルプ化若しくはフローテーション段階前に添加されるけれども、それはまた洗浄段階又は濃縮段階への紙料導入の直前に添加され得る。
【0114】
紙を再生利用するプロセスは、当該技術において知られたいかなる方法によっても遂行され得る。再生利用繊維を加工する公知手法は、とりわけ、再パルプ化(繊維のスラッシュ化及び繊維からのインキ/異物の部分的脱離)、粗選及び精選スクリーニング(サイズ及び形状による異物からの繊維の分離)、遠心除塵(繊維に関しての密度差に基づく分離及び機械的作用によるインキ/異物のサイズ低減)、フローテーション(空気気泡上への脱離インキ/異物の優先的吸着による分離)、洗浄(繊維を通過する水の相対的流れによる繊維からの小さい連行粒子の分離)及び精砕に分類され得る。脱インキパルプについての特定の清浄度要件に依存して、典型的に遭遇する粒子サイズ範囲をカバーするには、これらのプロセスのほとんど又はすべての組合わせを必要とする。
【0115】
提供される脱インキ方法は、インキの除去を容易にし得るいかなる温度においても行われ得る。適当な温度範囲の例は、約5℃から約70℃である。適当な温度範囲の更なる例は、約25℃から約65℃である。適当な温度範囲の別の例は、30℃から約60℃である。
【0116】
提供される方法及び組成物は、慣用のパルプ化段階において用いられ得る。パルプ化工程中において、生じた繊維は本発明の組成物と接触される。この接触工程は、適当には、いかなる公知のパルプ化装置によっても、たとえば単に脱インキ剤をパルパーのスラリーに添加することにより行われ得る。これは、パルパーへの古紙の添加前又は添加後のどちらかにて行われ得る。その代わりに、接触は、パルプスラリーの掻き混ぜに備える別個の加工装置(たとえば混練機及び分散機のような)を用いて行われ得る。
【0117】
本発明において、脱インキ後のパルプの洗浄工程は、原料としての古紙からインキの主除去後にわずかなインキを除去する工程であり、そしてこの工程はフローテーション、等によるインキの除去により後続される。主要な脱インキ方法はフローテーション法及び洗浄法であり得、そしてかかる洗浄工程は各方法において行われ得る。フローテーション法において洗浄工程は通常フローテーション工程後に行われるけれども、全般脱インキ工程がパルプスラリーの洗浄工程又は濃縮工程を含む場合、脱インキ工程に含まれる洗浄工程又は濃縮工程において洗浄工程が行われ得るということは異議がない。たとえば、本発明は、パルプ化後又は混練若しくは漂白前の濃縮工程において有効である。全般脱インキ工程に複数の洗浄工程又は複数の濃縮工程がある場合において、本発明はまた、これらの複数の工程のいずれかにおいて又は洗浄工程若しくは濃縮工程のすべてにおいて有効である。本発明は、慣用の洗浄法又は洗浄若しくは濃縮工程に適用され得る。本発明において、洗浄工程は、パルプ化又はフローテーション後に適正なスクリーンメッシュを有するスクリーンを利用して水のいくらかを除去することによってパルプを濃縮することにより、あるいはパルプスラリーを洗浄するために追加の洗浄水を添加し、残存する除去されるインキをこの水中に分散しそして次いでパルプスラリーを濃縮するために上記に挙げられたのと同じやり方で洗浄水を除去することにより行われ得る。
【0118】
本脱インキ方法及び本組成物はまた、いかなる慣用のフローテーション法においても用いられ得る。原料としての古紙は離解装置中に置かれ、しかして離解するために該離解装置中に水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、過酸化水素、等のようなアルカリ性成分及び漂白成分並びに水が添加される(離解工程)。必要なら、脱水(脱水工程)又は化学薬品混合が行われ、そして熟成が行われる。その後、水が添加されてパルプの濃度を薄め、そしてフローテーション処理が行われる(フローテーション工程)。熟成工程とフローテーション工程の間において、混練工程(分散)又は精砕工程もまた行われ得る。脱インキ後のパルプの洗浄は、適正なスクリーンサイズを有するスクリーンによってフローテーション後にパルプスラリーを濃縮することにより行われる(洗浄工程)。
【0119】
別の具体的態様において、提供される組成物及び方法は、慣用のアルカリ性脱インキプロセスにおいて用いられる。たとえば、第3の主要な具体的態様の方法及び第1の主要な具体的態様の組成物は、8.0を超えるいかなるpHにおいても用いられ得る。アルカリ性pH範囲の非制限的例は、約9から約13の範囲にあり得る。アルカリ性pH範囲の更なる非制限的例は、約9から約11であり得る。
【0120】
古紙パルプと脱インキ用組成物の接触時間は、本発明の目的にとって決定的には重要でない。しかしながら、約5分より多い接触時間が、脱インキ性能の観点から好ましい。プロセス効率の目的のために、接触時間の例は、約10分から約1時間の範囲にあり得る。接触時間の更に更なる例は、約20分から約50分の範囲にある。
【0121】
本発明の他の具体的態様は、本明細書に開示された本発明の明細及び実施の考慮から当業者に明らかであろう。明細及び例は例示的にすぎないと考えられるよう意図されており、しかして本発明の真の範囲及び精神は添付の請求項により更に指摘される。
【0122】
実施例
実施例1〜34は、脂肪酸成分及び脂肪アルコール成分を約50℃まで温め、適切量を添加しそして均質になるまで激しく振とうすることにより製造された。サンプルは、次いで冷却されそして22℃における安定性について監視された。
【0123】
実施例35〜48は、インペラー型混合装置の掻き混ぜ下で室温にて諸成分を均質になるまで混合することにより製造された。サンプルは、次いで冷却されそして22℃における安定性について監視された。
【0124】
ライオンサーフ(Lionsurf)880、ライオンサーフ(Lionsurf)890及びライオンサーフ(Lionsurf)886は、Kemira Chemicals, Inc.から商業的に入手できる。
【0125】
実施例1
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0126】
実施例2
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約60wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約35wt%の不飽和脂肪酸を有する)、c)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びd)15wt%の水を含有する配合物。
【0127】
実施例3
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約66wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約45wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0128】
実施例4
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約72wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約55wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0129】
実施例5
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約77wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約65wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0130】
実施例6
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)10wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0131】
実施例7
a)50wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)17wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)17wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0132】
実施例8
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)23.5wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)23.5wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0133】
実施例9
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)17wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)30wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0134】
実施例10
a)32wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)15wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0135】
実施例11
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)10wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0136】
実施例12
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)17wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0137】
実施例13
a)37wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)25wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)22wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0138】
実施例14
a)32wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)15wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0139】
実施例15
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約60wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)10wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0140】
実施例16
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約60wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)37wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)、c)10wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)16wt%の水を含有する配合物。
【0141】
実施例17
例示的フローテーション用添加剤は、a)90wt%のアルコキシル化C18脂肪アルコール(平均して72モルのオキシエチレン及び平均して24モルのPOを有する)及びd)10wt%の水を含有する配合物である。
【0142】
実施例18
例示的フローテーション用添加剤は、a)90wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びd)10wt%の水を含有する配合物である。
【0143】
実施例19
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均10モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0144】
実施例20
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均15モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0145】
実施例21
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均30モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0146】
実施例22
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均40モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0147】
実施例23
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてC18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均10モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0148】
実施例24
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均20モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0149】
実施例25
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C16を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均20モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0150】
実施例26
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均9モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0151】
実施例27
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均12モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0152】
実施例28
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均17モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0153】
実施例29
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均22モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0154】
実施例30
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均30モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0155】
実施例31
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C12〜14を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均40モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0156】
実施例32
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化分枝状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてトリデシル単位を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均4モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0157】
実施例33
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化分枝状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてトリデシル単位を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均9モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0158】
実施例34
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化分枝状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてトリデシル単位を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均15モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0159】
実施例35
例示的フローテーション用添加剤は、a)10wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)12wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)、c)16wt%のアルコキシル化ヒマシ油(平均して60モルのオキシエチレン及び平均して20モルのオキシプロピレンを有する)及びd)62wt%の水を含有する配合物である。
【0160】
実施例36
例示的フローテーション用添加剤は、a)5wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)15wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)、c)18wt%のアルコキシル化ヒマシ油(平均して60モルのオキシエチレン及び平均して20モルのオキシプロピレンを有する)及びd)62wt%の水を含有する配合物である。
【0161】
実施例37
例示的フローテーション用添加剤は、a)15wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)12wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)、c)16wt%のアルコキシル化ヒマシ油(平均して60モルのオキシエチレン及び平均して20モルのオキシプロピレンを有する)及びd)57wt%の水を含有する配合物である。
【0162】
実施例38
例示的フローテーション用添加剤は、a)30wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのオキシプロピレンを有する)及びb)70wt%の水を含有する配合物である。
【0163】
実施例39
例示的フローテーション用添加剤は、a)38wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのオキシプロピレンを有する)及びb)62wt%の水を含有する配合物である。
【0164】
実施例40
例示的フローテーション用添加剤は、a)15wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)30wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びc)55wt%の水を含有する配合物である。
【0165】
実施例41
例示的フローテーション用添加剤は、a)25wt%のアルファ−オレフィンスルホネート、b)25wt%のエトキシル化ラウリルアルコール(平均3単位のEOを有する)、c)25wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)及びd)25wt%のプロピレングリコールを含有する配合物である。
【0166】
実施例42
例示的フローテーション用添加剤は、a)25wt%のアルファ−オレフィンスルホネート、b)25wt%のエトキシル化ラウリルアルコール(平均3単位のEOを有する)、c)25wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)及びd)25wt%のプロピレングリコールを含有する配合物である。
【0167】
実施例43
例示的フローテーション用添加剤は、a)25wt%のナトリウムラウリルサルフェート、b)25wt%のエトキシル化ラウリルアルコール(平均3単位のEOを有する)、c)25wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)及びd)25wt%のプロピレングリコールを含有する配合物である。
【0168】
実施例44
例示的フローテーション用添加剤は、a)27wt%のアルファ−オレフィンスルホネート、b)27wt%のエトキシル化ラウリルアルコール(平均3単位のEOを有する)、c)27wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)及びd)19wt%のジプロピレングリコールを含有する配合物である。
【0169】
実施例45
例示的フローテーション用添加剤は、a)31wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)12wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びc)57wt%の水を含有する配合物である。
【0170】
実施例46
例示的フローテーション用添加剤は、a)23wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)20wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びc)57wt%の水を含有する配合物である。
【0171】
実施例47
例示的フローテーション用添加剤は、a)23wt%の低分子量高カチオン電荷密度ポリマー(エピクロロヒドリンとジメチルアミンの縮合から製造された)、b)12wt%のアルコキシル化トール油脂肪酸(平均して25モルのオキシエチレン及び平均して20モルのPOを有する)及びc)65wt%の水を含有する配合物である。
【0172】
実施例48
アルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)。
【0173】
比較例としての先行技術処方物
比較例1〜4は、脂肪酸成分及び脂肪アルコール成分を約50℃まで温め、適切量を添加しそして均質になるまで激しく振とうすることにより製造された。サンプルは、次いで冷却されそして22℃における安定性について監視された。
【0174】
試験目的のために、比較例5〜7は約55℃に加熱され、そして次いで55℃の水を用いて5wt%溶液に形成された。
【0175】
比較例1
a)20wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約67wt%はC12とC14の間にありそして20wt%より少ない脂肪酸がC16又はそれ以上であり、しかも平均して約6wt%より少ない不飽和脂肪酸を有する)、b)70wt%のエトキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均40モルのオキシエチレンを有する)及びc)10wt%の水を含有する配合物。
【0176】
比較例2
a)20wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約67wt%はC12とC14の間にありそして20wt%より少ない脂肪酸がC16又はそれ以上であり、しかも平均して約6wt%より少ない不飽和脂肪酸を有する)、b)70wt%のエトキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)10wt%の水を含有する配合物。
【0177】
比較例3
a)20wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約67wt%はC12とC14の間にありそして20wt%より少ない脂肪酸がC16又はそれ以上であり、しかも平均して約6wt%より少ない不飽和脂肪酸を有する)、b)70wt%のアルコキシル化脂肪アルコール(80wt%より多いC18で構成され、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均17モルのオキシエチレン及び平均17モルのオキシプロピレンを有する)及びc)10wt%の水を含有する配合物。
【0178】
比較例4
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約60wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約35wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪アルコール(80wt%より多いC18で構成され、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均17モルのオキシエチレン及び平均17モルのオキシプロピレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0179】
比較例5
80wt%のC18又はそれ以上で構成された脂肪酸であって、しかも脂肪酸の約80wt%が飽和である脂肪酸。
【0180】
比較例6
85wt%のC18又はそれ以上で構成されしかも55wt%の不飽和脂肪酸を有する脂肪酸配合物。
【0181】
比較例7
60wt%のC18又はそれ以上で構成されしかも25wt%の不飽和脂肪酸を有する脂肪酸。
【0182】
A.安定性
これらの安定性試験の結果は1週間後に記録され、そして表1に示されている。
【表1】

【0183】
B.脱インキ性能
すべてのサンプルは試験のために、25℃の水中の5wt%溶液を作りそして使用前に激しく振とうすることにより作製された。
【0184】
各実験がバラツキのない古紙供給物を有することを保証するように、古紙をシュレッダーで細断しそして一様に混合する。このシュレッダー細断古紙をパルパー中に置き、そして5wt%コンシステンシーを得るように規定温度の水を添加する。適宜に、他の添加剤をパルプ化前にパルパーに添加する。これらの添加剤は、脱インキ用助剤、ケイ酸ナトリウム、キレート化剤、塩化カルシウム及び過酸化物を包含し得るが、しかしそれらに限定されない。7分のパルプ化期間が与えられ、そして次いで紙料は洗浄式脱インキ又はフローテーション式脱インキのどちらかに備えられ得る。所望コンシステンシーを得るように、規定温度における所望量の水を添加する。
【0185】
フローテーション式脱インキの場合において、ウェムコ(Wemco)槽を用い、そしてパルプを規定時間脱インキする。次いで、生じたフローテーションアクセプトを用いて、ハウスバキュームに取り付けられているところのワットマン#/t40のような濾紙を含有するブフナー濾過器を通じて濾過することにより3グラムの白色度パッドを作る。いくつかの場合において、フローテーションリジェクトを湿潤形態及び乾燥形態の両方において測定する。次いで、テクニブライト・マイクロ(Technibrite Micro)TB−1Cを用いて、乾燥白色度パッドを白色度及びERICについて評価する。
【0186】
洗浄式脱インキの場合において、規定温度の水を用いて、パルプを所望コンシステンシーに希釈する。次いで、適切量の水を除去することによりコンシステンシーを6wt%に増加し戻すように、生じたパルプを60Mのメッシュスクリーンを通じて重力排水する。必要に応じて漸進的洗浄段階をシミュレートするために、このプロセスを反復的に繰り返す。次いで、加熱水を用いて生じた洗浄アクセプトを1wt%コンシステンシーに再構成しそしてこれを用いて、ハウスバキュームに取り付けられているところのワットマン#/t40のような濾紙を含有するブフナー濾過器を通じて濾過することにより3グラムの白色度パッドを作る。次いで、テクニブライト・マイクロ(Technibrite Micro)TB−1Cを用いて、乾燥白色度パッドを白色度及びERICについて評価する。
【0187】
C.アルカリ性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、83wt%ONP及び17wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。添加剤の投与量は、完成紙料の固形分の絶乾重量当たりの物質のポンドとして与えられる。この慣用のアルカリ性パルプ化は、1.3#/tのDTPA、30#/tの過酸化物、31#/tのケイ酸塩及び9のパルプ化pHを与えるのに十分な苛性アルカリの添加後に行われた。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は110°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表2に示されている。
【表2】

【0188】
D.中性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、水及び所望硬度への塩化カルシウムのみを用いて、83wt%ONP及び17wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。生じたpHは、測定して7.1であった。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は110°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表3に示されている。1番目のものは、まさに前のデータ表においてように1.3#/tのDTPA、30#/tの過酸化物、31#/tのケイ酸塩及び9のパルプ化pHを与えるのに十分な苛性アルカリの伝統的アルカリ性条件下で遂行された比較例である。
【表3】

【0189】
E.中性脱インキ
米国において集められた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、水及び所望硬度への塩化カルシウムのみを用いて、83wt%ONP及び17wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。生じたpHは、測定して7.1であった。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は110°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表4に示されている。
【表4】

【0190】
F.低アルカリ脱インキ
カナダ国の工場から受け取られた古紙を用いて、低アルカリパルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、加熱水並びに15#/tのケイ酸ナトリウム及び20#/tの亜硫酸ナトリウムを用いて、75wt%ONP及び25wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は160ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は45℃であった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1.2wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表5に示されている。アルカリ性制御は、20#/tのケイ酸ナトリウム、33#/tの過酸化水素、及び低アルカリ処理計画のために用いられたケイ酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムの代わりにパルプ化pHを10.3にもたらすのに十分な水酸化ナトリウムを用いる。すべての実験は、15#/tの比較例5がパルパーに添加される。
【表5】

【0191】
G.アルカリ性脱インキ
カナダ国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、加熱水並びに20#/tのケイ酸ナトリウム、33#/tの過酸化水素及び測定して10.3にパルプ化pHをもたらすのに十分な水酸化ナトリウムを用いて、75wt%ONP及び25wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は160ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は45℃であった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1.2wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表6に示されている。すべての実験は、15#/tの比較例5がパルパーに添加される。
【表6】

【0192】
H.アルカリ性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、加熱水並びに20#/tのケイ酸塩、20#/tの過酸化物、4#/tのDTPA及び測定して9.2のパルプ化中のpHを得るのに十分な苛性アルカリを用いて、70wt%ONP及び30wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。これらの試験中、硬度は自然に40ppmになっていた。パルプ化及びフローテーション中の温度は100°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1.3wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表7に示されている。対照実験は、パルパーに対して6#/tのライオンサーフ(Lionsurf)886を用いる。
【表7】

【0193】
I.中性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、加熱水を用いて、100wt%ONPの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。パルプ化中、塩化カルシウムを用いて硬度は100ppmに調整された。完成紙料の生じたpHは、測定して7.2であった。パルプ化及び洗浄中の温度は110°Fであった。パルプは、3回の洗浄シーケンスを用いて処理された。対照実験は、パルパーに対して7#/tのライオンサーフ(Lionsurf)890を用いる。結果は、表8に示されている。
【表8】

【0194】
J.中性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、水及び所望硬度への塩化カルシウムのみを用いて、77wt%ONP及び23wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。生じたpHは、測定して7.1であった。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は118°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表9に示されている。
【表9】

【0195】
K.中性脱インキ
米国の古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、水及び所望硬度への塩化カルシウムのみを用いて、83wt%ONP及び17wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。生じたpHは、測定して7.1であった。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は118°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表10に示されている。すべての試験は活性脱インキ用助剤の合計10#/tの総添加にて遂行され、かくして活性成分の同一添加レベルを保証するために、処方物中の水は投与量の計算について差し引かれる。
【表10】

【0196】
実施例49〜63は、非アルコキシル化脂肪酸成分並びにアルコキシル化脂肪酸及び/又は脂肪アルコール成分を約50℃まで温め、適切量を添加しそして均質になるまで激しく振とうすることにより製造された。サンプルは、次いで冷却されそして22℃における安定性について監視された。
【0197】
実施例49
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均9モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0198】
実施例50
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均8モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0199】
実施例51
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均14モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0200】
実施例52
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均14モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0201】
実施例53
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均23モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0202】
実施例54
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均23モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0203】
実施例55
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均9モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0204】
実施例56
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均8モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0205】
実施例57
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均14モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0206】
実施例58
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均14モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0207】
実施例59
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として不飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均23モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0208】
実施例60
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化脂肪酸(ベース脂肪酸は主として飽和C18を含有し、しかも脂肪酸の分子当たり平均23モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0209】
実施例61
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてC18を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均20モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0210】
実施例62
a)38wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)47wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主としてC16を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均20モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0211】
実施例63
a)55wt%の脂肪酸又は脂肪酸混合物(組成物の約85wt%はC16とC18の間にあり、しかも平均して約75wt%の不飽和脂肪酸を有する)、b)30wt%のアルコキシル化線状アルコール(ベース脂肪アルコールは主として約C18又はそれ以上を含有し、しかも脂肪アルコールの分子当たり平均21モルのオキシエチレンを有する)及びc)15wt%の水を含有する配合物。
【0212】
L.安定性
これらの安定性試験の結果は1週間後に記録され、そして表11に示されている。
【表11】

【0213】
M.脱インキ性能
すべてのサンプルは試験のために、25℃の水中の5wt%溶液を作りそして使用前に激しく振とうすることにより作製された。
【0214】
各実験がバラツキのない古紙供給物を有することを保証するように、古紙をシュレッダーで細断しそして一様に混合する。このシュレッダー細断古紙をパルパー中に置き、そして5wt%コンシステンシーを得るように規定温度の水を添加する。適宜に、他の添加剤をパルプ化前にパルパーに添加する。これらの添加剤は、脱インキ用助剤、ケイ酸ナトリウム、キレート化剤、塩化カルシウム及び過酸化物を包含し得るが、しかしそれらに限定されない。7分のパルプ化期間が与えられ、そして次いで紙料は洗浄式脱インキ又はフローテーション式脱インキのどちらかに備えられ得る。所望コンシステンシーを得るように、規定温度における所望量の水を添加する。
【0215】
フローテーション式脱インキの場合において、ウェムコ(Wemco)槽を用い、そしてパルプを規定時間脱インキする。次いで、生じたフローテーションアクセプトを用いて、ハウスバキュームに取り付けられているところのワットマン#/t40のような濾紙を含有するブフナー濾過器を通じて濾過することにより3グラムの白色度パッドを作る。いくつかの場合において、フローテーションリジェクトを湿潤形態及び乾燥形態の両方において測定する。次いで、テクニブライト・マイクロ(Technibrite Micro)TB−1Cを用いて、乾燥白色度パッドを白色度及びERICについて評価する。
【0216】
N.アルカリ性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、77wt%ONP及び23wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。添加剤の投与量は、完成紙料の固形分の絶乾重量当たりの物質のポンドとして与えられる。この慣用のアルカリ性パルプ化は、2.4#/tのDTPA、12.5#/tの過酸化物、25#/tのケイ酸塩及び測定して9.2のパルプ化pHを与えるのに十分な苛性アルカリの添加後に行われた。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は120°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表12に示されている。
【表12】

【0217】
O.中性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、水及び所望硬度への塩化カルシウムのみを用いて、77wt%ONP及び23wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。生じたpHは、測定して7.4であった。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は120°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表13に示されている。
【表13】

【0218】
P.低アルカリ脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、低アルカリパルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、加熱水並びに2#/tの水酸化ナトリウム及び20#/tの亜硫酸ナトリウムを用いて、77wt%ONP及び23wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は120°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1.0wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表14に示されている。
【表14】

【0219】
Q.アルカリ性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、77wt%ONP及び23wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。添加剤の投与量は、完成紙料の固形分の絶乾重量当たりの物質のポンドとして与えられる。この慣用のアルカリ性パルプ化は、2.4#/tのDTPA、12.5#/tの過酸化物、25#/tのケイ酸塩及び測定して9.2のパルプ化pHを与えるのに十分な苛性アルカリの添加後に行われた。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は120°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表15に示されている。
【表15】

【0220】
R.アルカリ性脱インキ
米国の工場から受け取られた古紙を用いて、パルプ化を遂行した。パルプ化の詳細は、83wt%ONP及び17wt%OMGの完成紙料を作製するように先に記載されたとおりである。添加剤の投与量は、完成紙料の固形分の絶乾重量当たりの物質のポンドとして与えられる。この慣用のアルカリ性パルプ化は、1.3#/tのDTPA、30#/tの過酸化物、31#/tのケイ酸塩及び測定して9.2のパルプ化pHを与えるのに十分な苛性アルカリの添加後に行われた。パルプ化段階及びフローテーション段階の両方の前に、塩化カルシウムを用いて硬度は180ppmに調整された。パルプ化及びフローテーション中の温度は110°Fであった。フローテーションは、ウェムコ(Wemco)槽中において1wt%コンシステンシーにて2分間であった。パルプ化前又はフローテーション前の添加の探索は、この研究からのデータを含む表16に示されている。
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙を非アルカリ性又は低アルカリ性パルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、
(1)第1脂肪酸、並びに
(2)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
を含む脱インキ用配合物と接触させ、そして
c)洗浄及び/又はフローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離する
工程を含む方法。
【請求項2】
古紙が、古新聞紙及び/又は古雑誌等級古紙を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フローテーションによりパルプスラリーからインキを分離する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程a)におけるパルプスラリーが、約6.0から約8.8のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程a)におけるパルプスラリーが、約6.8から約7.2のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
脱インキ用配合物が、22℃それ以上の温度において液体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1脂肪酸が、アルコキシル化されていない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1脂肪酸が、20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1脂肪酸が、20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する脂肪酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1脂肪酸が、6から20個の炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1脂肪酸がトール油脂肪酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
配合物が、(1)及び(2)を約1:99から約99:1の重量比にて含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
配合物が、(1)及び(2)を重量により約15:85から約55:15の重量比にて含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
配合物が、(1)及び(2)を重量により約1:2から約2:1又は約3:1の重量比にて含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪アルコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪アルコールを含み、そして第1アルコキシル化脂肪アルコールが式
R−O−[(CH2−CH2−O)n−(CH2−CH(CH3)−O)m]−H
〔a)ここで、
b)Rは、直線状又は分枝状アルキル基であり、
c)nは、約5から約40であり、
d)mは、約0から約20であり、そして
e)n個の−(CH2−CH2−O)−単位及びm個の−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
Rが、C6からC20アルキルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪アルコールを含み、そして第1アルコキシル化脂肪アルコールが少なくとも5モルのエトキシル化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪アルコールを含み、そして第1アルコキシル化脂肪アルコールのアルコール部分が6から20個の炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
脱インキ用配合物が、第1アルコキシル化脂肪酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪酸を含み、そして第1アルコキシル化脂肪酸が式
2−C(O)O−[(CH2−CH2−O)p−(CH2−CH(CH3)−O)q]−H
〔ここで、
a)R2は、少なくとも6個の炭素原子を含む直線状又は分枝状アルキル基であり、
b)pは、約5から約45であり、
c)qは、約0から約30であり、そして
d)p個の−(CH2−CH2−O)−単位及びq個の−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
Rが、C6からC20アルキルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪酸を含み、そして第1アルコキシル化脂肪酸が少なくとも5モルのエトキシル化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
脱インキ用配合物が第1アルコキシル化脂肪酸を含み、そして第1アルコキシル化脂肪酸の脂肪酸部分が6から20個の炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
配合物が、水又は他の希釈剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
配合物が、約0から約25重量%の水又は他の希釈剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
脱インキ用配合物が、第2アルコキシル化脂肪アルコールを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
配合物が、第2アルコキシル化脂肪酸を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
パルプスラリーからインキを分離する前又は分離中にフローテーション用添加剤をスラリーに添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
ケイ酸ナトリウム若しくは亜硫酸ナトリウム又はそれらの組合わせをパルプスラリーに添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
フローテーション前又はフローテーション中にカチオン性添加剤をスラリーに添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
フローテーション前又はフローテーション中にカチオン性ポリマーをスラリーに添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
フローテーション前又はフローテーション中にカチオン性ポリアミンをスラリーに添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙をパルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、
i)第1脂肪酸、並びに
ii)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
を含む脱インキ用配合物と接触させ、そして
c)フローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離し、しかも
d)フローテーション中又はフローテーション前に少なくとも1種のフローテーション用添加剤を添加する
工程を含む方法。
【請求項35】
古紙を脱インキする方法であって、次の工程すなわち
a)古紙を非アルカリ性又は低アルカリ性パルプスラリーに変換し、
b)このパルプスラリーを、
i)第1脂肪酸、並びに
ii)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
を含む脱インキ用配合物と接触させ、そして
c)洗浄及び/又はフローテーションによりこのパルプスラリーからインキを分離する
工程を含み、しかも第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸が少なくとも5モルのエトキシル化を含み、そして第1脂肪酸が非アルコキシル化C6からC20脂肪酸である方法。
【請求項36】
フローテーションによりパルプスラリーからインキを分離する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
脱インキ用組成物であって、
a)アルコキシル化されていない第1脂肪酸であって、20wt%より多い少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸及び60wt%より少ない14個又はそれ以下の炭素原子を有する飽和脂肪酸を含む第1脂肪酸、並びに
b)第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸
を含む脱インキ用組成物。
【請求項38】
第1脂肪酸が、約20wt%から約90wt%の少なくとも16個の炭素原子を有する脂肪酸を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
少なくとも16個の炭素原子を有する第1脂肪酸が、約40wt%から約90wt%の不飽和である、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
第1アルコキシル化脂肪アルコール及び/又は第1アルコキシル化脂肪酸が、少なくとも13のHLB値を有する、請求項37に記載の組成物。
【請求項41】

R−O−[(CH2−CH2−O)n−(CH2−CH(CH3)−O)m]−H
〔ここで、
a)Rは、直線状又は分枝状アルキル基であり、
b)nは、約5から約40であり、
c)mは、約0から約20であり、そして
d)n個の−(CH2−CH2−O)−単位及びm個の−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
の第1アルコキシル化脂肪アルコールを含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項42】
nが10から30であり、そしてmが10より小さい、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
nが12から25であり、そしてmが0である、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
組成物が、22℃以上の温度において液体である、請求項37に記載の組成物。
【請求項45】

2−C(O)O−[(CH2−CH2−O)p−(CH2−CH(CH3)−O)q]−H
〔ここで、
a)R2は、少なくとも6個の炭素原子を含む直線状又は分枝状アルキル基であり、
b)pは、約5から約45であり、
c)qは、約0から約30であり、そして
d)p個の−(CH2−CH2−O)−単位及びq個の−(CH2−CH(CH3)−O)−単位は、任意の順序又は序列にてブロック又はランダム形態に配置される〕
のアルコキシル化脂肪酸を含む、請求項37に記載の組成物。
【請求項46】
第2アルコキシル化脂肪アルコールを更に含む、請求項37に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−510828(P2007−510828A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540003(P2006−540003)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/038399
【国際公開番号】WO2005/047594
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506159024)ケミラ ケミカルズ,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】