説明

低重量カーペットおよびカーペットタイル、並びに、製造、サイジング、および設置方法

大量輸送機関、特に旅客機の使用に好適な、正方形でない軽重量カーペットタイル。カーペットタイルは、約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)未満の重量であることが好ましい。本発明のカーペットタイルは、カーペットパイルおよび少なくとも一つの裏当て層を有し得る。裏当て層は、低重量のフィラー材料を用い得る。第2裏当て層の塑性材料は、改良されたタイル製造ラインにおける圧力ローラまたは他の圧力印加工程で、タイル構造の中に押し込まれ得る。カーペットタイルは、炎、煙、および毒性について運送業界の基準を満たす。タイルは製造中にサイジングされ、必要なタイルサイズの数を最小限にし、且つ、設置中にタイルをカットする必要性を最小限にする構成で設置され得る。係るタイルで用いられるパターンは、直交的に多義的であり得るかまたは「ランダムな」設置に好適であり得る。他の実施形態では、旅客機の機室は、その上に設置される矩形カーペットタイルを有する床を含み、カーペットは、航空機から座席を取り外すことなく、航空機内に設置されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願情報>
本願は、2008年9月2日に出願した米国仮特許出願第61/093,640号および2009年3月27日に出願した米国仮特許出願第61/163,907号の優先権を主張する。その開示を援用してここに組み入れる。
【0002】
本発明は改良されたカーペットに関し、具体的には、数ある用途の中で、特に航空機を含む大量輸送機関での使用に適した、低重量で寸法安定性のあるカーペットタイル、並びに、係る床材の形状および設置方法に関する。
【背景技術】
【0003】
旅客機、船、列車、地下鉄車両、およびバスなどの大量輸送機関は、しばしば、該輸送機関の客車(客室)にカーペットを含む。このカーペットは、激しい往来、汚れ、重い機器(例えば飲料カート)、こぼれなどの、特に厳しい環境にさらされている。旅客機では、機室の空気圧の繰り返される変化によって、カーペットは周期的な力にもさらされる。機室の空気圧の繰り返される変化によって、機室それ自体およびその床またはデッキ構造が、膨張サイクルの間に伸び且つ拡張し、圧縮サイクルの間に収縮する。これらの環境条件および他の条件は、使い古した、汚れた、または損傷したカーペットを頻繁に交換することを余議なくさせる。
【0004】
上記考慮すべき事柄を考慮すると、大量輸送機関のカーペットは、可能な限り、耐摩耗性であるように且つ取り付けおよび取り外しが容易であるように、設計されるべきである。さらに、旅客機および船舶での用途においては、カーペットは、炎、煙、および毒性について業界仕様を満たす必要がある。さらに、航空機の用途では、航空機の重量と燃料効率の関係のために、つまり運転コストのために、上述した他の機能特性並びに美的要件および目的を維持しつつ、カーペットの重量を最小化することが好ましい。
【0005】
大量輸送機関の用途では、広幅カーペットが伝統的に用いられている。該カーペットは、典型的には、適切な寸法片に切り分けられ、カーペット片の端部は、ほころびを防ぐかまたはほころびを最小限にするために、縁がかがられていなければならない(ほつれ止めが施されていなければならない“surged”)。カーペット片は、該輸送機関の床またはデッキの表面に位置付けられ、さらに必要に応じて切り分けられ、該輸送機関の床またはデッキに接着剤で貼り付けられる。これらの用途における広幅カーペットは、良好な強度および摩耗性状を示すが、床は、該輸送機関にぴったり合うようにサイジングされた特注カットのカーペット片で覆われているので、また、カーペット片の一部分のみへの損傷が、そのカーペット片全体の取り外しおよび交換を必要とすることがあるので、損傷したカーペット部分の取り外しおよび交換は困難であり、不必要に高額である。さらに航空機の用途では、広幅カーペットの設置および交換は、カーペットを航空機内でサイジングすることを必要とし、且つ、その場でのカットは航空機の外装を損傷することがあるため、カーペットをカットのために取り外すことを必要とする。
【0006】
さらに、カーペット片を取り外し且つ交換するために、該輸送機関内の座席および/または他の設備を取り外す必要がある。航空機の客室では、例えば、カーペット片の交換は、いくつかの航空機の座席を取り外すことを必要とすることがある。別の欠点は、例えばオーディオ接続およびビデオ画面などの、座席に搭載された電子機器も、取り外すかまたは接続を切る必要があるかもしれないことである。
【0007】
カーペットタイルは、大量輸送機関での用途にとって魅力的な選択になることができる。ほつれ止めを施す必要がないカーペットタイルを用いると、広幅カーペットと比較して、設置が簡単になるであろう。カーペットタイルは、広幅カーペットのカーペット片全体の代わりに、個々のタイルを交換することができるので、損傷したカーペット部分のより効率的な交換も可能にする。航空機での用途でカーペットタイルを用いる別の利点は、タイルがカットされる必要があるならば、タイルは(広幅カーペットとは違って)航空機のカット板上でカットされることができることである。
【0008】
カーペットタイルは、一般に、正方形で生産および販売されている。正方形でないカーペットタイルが必要である場合は、正方形タイルを所望のサイズにカットする。これは、大抵の商業的用途にとって好適であるが、大量輸送機関での用途においては効率の悪さを呈する。旅客機の床は、客室の大部分または全ての長さに及び、且つ、床から突出するトラックを有し、該トラックは、種々の前後の座席間隔で且つ種々の航空機の座席配置構成で、種々のサイズの乗客席の取り付けを許容する。これらのトラックは、座席の取り付けのために接触可能なままにしなければならないので、カーペットで覆うことはできない。航空機の本体または幅にわたって等間隔の長さでトラックを利用する座席配置構成を選択可能であり得るが、ほぼ全ての場合において、座席配置構成は、航空機の幅全体を覆うために、いくつかの異なる幅を有するカーペットを必要とするであろう。広幅カーペットのカーペット片が利用される場合は、カーペット片はトラック間の幅に一致するようにカットされ、カットされた縁部は通常かがられる。しかし、従来知られた正方形カーペットタイルについては、客室の幅全体を覆うために、タイルをカットすることなくトラック間の異なる間隙幅に位置付けるための多様なタイルサイズが必要になるであろう。例えば、航空機が4つの異なる広幅片のカーペット幅を必要とするならば、その時、4つの異なるサイズの正方形カーペットタイル製品を必要とするであろう。あるいは、より大きなタイルを、所望の幅にそれらをカットすることによって用いることができるが、これは時間がかかり且つ無駄が多いであろう。
【0009】
さらに、カーペットタイルは、いずれのカーペット用途において、良好な寸法安定性を必要とする。タイルは耐変形性であるべきであり、種々の温度、湿度、圧力、または他のストレスにさらされるときに、タイルの寸法を維持すべきである。とりわけ、寸法安定性を欠くカーペットタイルは、タイルの中央で歪みやすいかまたは「ドーム状に膨らみ“dome”」やすく、平坦になりにくい。良好な寸法安定性は、タイルが上述のような過酷な環境条件にさらされる大量輸送機関での用途においては、さらに重要である。旅客機で用いるカーペットタイルは、炎、煙、および毒性について適用仕様も満たす必要がある。
【0010】
現在のカーペットタイル技術は、良好な寸法安定性、並びに、火炎特性および煙特性を有するカーペットタイルを製造することができる。援用してここに組み入れる再発行米国特許第34951号には、係るカーペットタイルの一つが記載されている。他の先行技術のカーペットタイルは、米国特許第4010301号、第4010302号、第5198277号、第5204155号、および第5560972号に記載されており、それらの開示を援用してここに組み入れる。
【0011】
これらの特許それぞれは、主裏当て層(主バッキング層)に、埋め込まれているか、タフトされて(房状にされて)いるか、またはその他の方法で設置されているカーペットパイルを含むカーペットタイルを開示している。これらのカーペットタイルは、さらに、種々の材料から形成されカーペットタイルに寸法安定性および強度をもたらす追加の裏当て層を含む。一般的な裏当て層の材料は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、不織布ガラス繊維などを含む。裏当てのコストを削減するために、炭酸カルシウムなどの1つ以上の繊維が、典型的には裏当て層に組み入れられる。これらのカーペットタイルおよび他の従来知られたカーペットタイルのほとんどは、比較的重い。重量は、タイルが設置されるときにタイルが平坦になり且つ適所にとどまるという、係るタイルの性能に貢献するからであるが、比較的重いことは望ましくない特性である。
【0012】
係る従来知られたカーペットタイルは、多くの商業用途および住宅用途に好適であるが、それらは軽重量のタイルが望ましい用途にはあまり適さない。従来知られたカーペットタイルは比較的重いので、そのことが、特に旅客機を含む特定の大量輸送機関での使用に適さなくしている。さらに、現在大量輸送機関で用いられている広幅カーペットは、恐らく従来知られたカーペットタイルよりも軽量であるが、広幅カーペットがタイルにカットされ大量輸送機関内に設置されることを不可能にする、完全に異なる寸法安定性を有する。
【0013】
従って、大量輸送機関内のスペースのようなスペースに、カーペットタイルを設置する方法であって、係るスペース幅を覆うのに必要な異なるカーペットタイル製品の数を最小限にし、且つ、タイルのカットを必要としない方法が必要である。また、乗客席などの設備を大量輸送機関から取り外すことを必要としない、大量輸送機関内にカーペットを設置する方法も必要である。さらに、大量輸送機関で用いられる、具体的には、適用される煙、炎、および他の要件に準拠する旅客機において用いられる、軽重量で耐久性のあるカーペットタイルを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、大量輸送機関に、特に旅客機、および、製品重量、配置構成、設置、または後述のような他の考慮すべき事柄が適用可能な他の用途に用いるのに好適な、低重量カーペットおよびカーペットタイルを提供する。本発明のカーペットおよびカーペットタイルは、カーペットパイルおよび少なくとも一つの裏当て層を有し得る。裏当て層は、ガラス球のような、好ましくは中空ガラス微小球のような、低重量フィラーを使用し得る。別の実施形態において、カーペットおよびカーペットタイルは、炎、煙、および毒性について運送業界の基準を満たす。タイルは製造中にサイジングされ、必要なタイルサイズの数を最小限にし、且つ、設置中にタイルをカットする必要性を最小限にする構成で設置され得る。係るタイルで用いられるパターンは、直交的に多義的であり得るかまたは「ランダムな“random”」設置に好適であり得る。そのことは、タイルが、製造中のタイルの向きとは異なる向きでの使用で置かれ得る、タイルの設置を促進する。他の実施形態では、本明細書に記載される旅客機の機室の床材およびその設置方法は、座席または他の障害物を取り外さない、航空機または他の輸送機関または他の場所における、最初の設置および交換のための設置を促進する。係る設置は、例えば、その上に設置される矩形カーペットタイルを有する床を含んでもよい。カーペットは、航空機から座席を取り外すことなく、航空機内に設置され、取り外され、且つ交換されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従うカーペットタイルの配置構成の図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に従うカーペットタイルの配置構成の図である。
【図3】図3は、少なくとも一つの第2裏当て層を有する、本発明のカーペットの一実施形態の概略側面図である。
【図4】図4は、少なくとも二つの第2裏当て層を有する、本発明のカーペットの第二実施形態の概略側面図である。
【図5】図5は、追加の随意の裏当て層を有する、本発明のカーペットの第三実施形態の概略側面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態のカーペットタイルの製造における、カーペット製造のためのカーペット裏当て生産ラインの概略側面図である。
【図6a】図6aは、図6の裏当て生産ラインの一部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態は、大量輸送機関に、具体的には旅客機に、カーペットタイルを設置する方法である。該方法は、旅客機の客室に適用されるとして記載されるが、該方法は、列車、バス、地下鉄車両、およびボートなどの、他の大量輸送機関に適用することができる。
【0017】
該方法によると、客室は、最小数量の異なるサイズのカーペットタイルを用いて、カーペットで覆われる。上述のように、いずれの航空機における種々のあり得る座席配置構成により、航空機の客室は、典型的には、カーペットが航空機の幅全体にわたるために、多数の異なるサイズのカーペットを必要とする。例示的な配置構成を図1に示す。図示した配置構成では、航空機100の客室は、幅Wおよび長さLを有する。航空機で用いられる座席の配置構成は、カーペットが、110、120、130、140、150、および160の6つの区分に置かれることを必要とする。6つの区分はそれぞれ、幅A、B、C、D、B、およびAを有する。尚、区分110および160は同一の幅(A)を有し、区分120および150は同一の幅(B)を有する。
【0018】
本発明の一実施形態では、直交的に多義的なまたはランダムな設置による矩形カーペットタイルは、客室にカーペットを敷くのに必要な異なるカーペットタイル製品の数を最小化するように、サイジングされている。第1矩形カーペットタイル製品は、必要な幅の一つ、例えば幅Aに等しい底辺、および、別の必要な幅、例えば幅Bに等しい高さを有する。このように、第1矩形カーペットタイル製品は、第1矩形カーペットタイルの底辺Aを用いて区分110および160の幅を覆うことによって、且つ、第1矩形カーペットタイルの高さBを用いて区分120および150の幅を覆うことによって、区分110、120、150、および160をカーペットで覆うのに用いることができる。
【0019】
第2矩形カーペットタイル製品は、別の必要な幅、例えば幅Cに等しい底辺、および、最後の必要な幅、例えば幅Dに等しい高さを有する。従って、第2矩形カーペットタイルは、第2矩形カーペットタイルの底辺Cを用いて区分130の幅を覆うことによって、且つ、第2矩形カーペットタイルの高さDを用いて区分140の幅を覆うことによって、区分130および140をカーペットで覆うのに用いることができる。
【0020】
従って、航空機の客室は、2つの異なるサイズのカーペットタイル製品だけでカーペットで覆われることができる。伝統的な正方形カーペットタイル製品を用いたならば、長さA、B、C、およびDの辺を有する4つの異なるサイズの正方形カーペットタイル製品を必要としたであろう。上記のカーペット設置方法を用いることによって、本実施形態に必要な異なるカーペットタイル製品の数を半減することができる(例えば4つから2つへ)。さらに、上記のカーペット設置方法の使用を通して、端から端へカーペットタイルをカットすること(すなわち、タイルをカットして特定の区分に適合するようにその幅を調整すること)を、大抵回避することができるが、客室の前方部分および/または機尾部分などにおいては、客室がそこではより狭くなっているので、いくらかのカットが必要とされ得ることが認識されるであろう。
【0021】
当業者によって認識されるように、本発明の矩形カーペットタイルの魅力的な設置は、繊維がカーペットタイルの製造時に「向いていた“faced”」方向と比較すると異なる方向に「向いている“face”」設置で受け入れられる、米国特許第6908656号および第7083841号(援用してここに組み入れる)に記載されているようなカーペットタイルパターンを用いることによって容易になる。しかし、直交的に多義的である正方形カーペットタイルにカットされることができるカーペット織物上のパターンは、必ずしも、全て直交的に多義的であろういずれの寸法の矩形カーペットタイルにカットされることができないことは、認識されるべきである。これは、少なくともいくつかのパターンに関しては、タイルはウェブからカット箇所が選択されたときに、特定のタイルにおいて違和感のある(奇異な)形状(模様)が創出されることを避けるために、ウェブ上のパターンに十分考慮してタイルの寸法を決めてカットされなければならないためである。係る場違いに見える模様は、カーペットタイルの縁部が、そのカーペットタイル上の模様の縁部に非常に密接しているときに起こることがあり、その模様を、タイル上の他の模様と十分に相違させ、奇妙にまたは場違いに見せる。
【0022】
本発明の方法の例示的な実施形態では、航空機の座席の配置構成は、図2に図示するように、カーペットを5つの区分(210、220、230、240、および250)に置くことを必要とする。区分210および250は、同一の幅Eを有し、区分220および240は同一の幅Fを有する。区分230は幅Gを有する。
【0023】
本実施形態では、第1矩形カーペットタイル製品は、必要な幅の一つ、例えば幅Eに等しい底辺、および、別の必要な幅、例えば幅Fに等しい高さを有する。このように、第1矩形カーペットタイル製品は、第1矩形カーペットタイルの底辺Eを用いて区分210および250の幅を覆うことによって、且つ、第1矩形カーペットタイルの高さFを用いて区分220および240の幅を覆うことによって、区分210、220、240、および250をカーペットで覆うのに用いることができる。
【0024】
第2矩形カーペットタイル製品は、別の必要な幅、例えば区分230をカーペットで覆うのに用いられることができる幅Gに等しい底辺を有する。この配置構成においてカーペットで覆われることを必要とする他の区分はないので、第2矩形カーペットタイルの高さHは重要でなく、いずれの所望の高さを選択できる。あるいは、高さHを、必要な幅EまたはFの一つに等しくなるように選択することができる。
【0025】
従って、本実施形態においては、航空機の客室は、2つの異なるサイズのカーペットタイル製品を用いて、カーペットで覆われることができる。伝統的な正方形カーペットタイル製品を用いたならば、長さE、F、およびGの辺を有する、3つの異なるサイズの正方形カーペットタイル製品を必要としたであろう。この配置構成では、奇数の必要な区分幅があるので、異なるカーペットタイル製品の数を半減することはできないが、式(n―1)/2+1(nは、客室の幅にわたる異なるカーペットの区分幅の数に等しい)によって求めることができる。図2に図示する実施形態におけるnの値は3であり、それは、異なる幅を有する区分の数を示している。覆われる必要がある5つの区分があるが、その区分のうちの2つは同一の幅を有するので、3つの異なる幅(E、F、およびG)が残る。従って、本実施形態において必要な異なるカーペットタイルの数は、(3−1)/2+1、すなわち2である。異なる幅の5つの区分を有する例示的な配置構成では、異なるカーペットタイル製品の数は、(5−1)/2+1、すなわち3に減じることができる。
【0026】
特定の航空機の配置構成が、偶数の異なる幅(図1に図示する上述の実施形態など)を有する区分に、カーペットを置くことを必要とするならば、必要な異なるカーペットタイル製品の数は、式n/2(nは上述のように定義される)によって示すことができることが、認識されるであろう。
【0027】
カーペットタイルは、伝統的な接着剤を用いて該輸送機関内に設置されることができる。係る接着剤は、ラテックス、ホットメルト(熱溶融性)接着剤、および水性接着剤を含むがこれらに限定されない。例示的な接着剤は、瀝青系ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤、ポリエチレン接着剤、熱可塑性ポリオレフィン接着剤、アクリル系感圧接着剤、およびこれらの組み合わせを含む。接着剤は、タイルを取り外すときに、例えあるとしてもわずかな残留物を航空機の床に残すような接着剤が選択されるのが好ましいが、接着剤はそれほど限定される必要はない。好ましい接着剤は、ジョージア州ドールトンのオール パーポス アドヒーシブ カンパニー(All Purpose Adhesive Company)から入手できるアクリル接着剤「APAC」である。カーペットタイルを床に貼りつけるための他の接着剤が知られている。
【0028】
接着剤は、カーペットを置くときに、床またはタイルに直接塗布することができるかまたは、紙、プラスチックなどの材料の剥離型ストリップ、フィルムまたはシートで覆われることができる剥離可能な接着層として、構成中のカーペットタイルに予め塗布することができる。剥離可能な接着剤の一つは、ロームアンドハース(Rohm and Haas)によって販売される、アクアブロック(AquaBlock)感圧接着剤である。本発明のカーペットタイルはまた、例えばニューヨーク州リバーヘッドのアドケム コーポレーション(Adchem Corporation)から入手可能な両面テープなどの、両面テープを用いて設置することができる。
【0029】
あるいは、例えばインタフェイス インコーポレイテッド(Interface, Inc.)によって開発された「タックタイル(TacTiles)」(登録商標)製品などの、接着性コネクタまたはスクエアを用いて、カーペットタイルを航空機の床に設置することができる。タックタイル(登録商標)接着コネクタは、PETポリエステル剥離ライナーを有する、ポリエチレンテレフタレート(PET)裏当てに塗布される複合アクリル接着剤から形成される、約7.6cm(約3インチ)のポリエステルフィルムコネクタである。該コネクタは、カーペットタイルの角部または縁部を共に接着するように設計されている。しかし、タックタイル(登録商標)コネクタは、カーペットタイルを互いに接着するのみであり、床には接着しない(すなわち、接着剤はタックタイル(登録商標)コネクタの片側だけである)ので、「浮床」」を創生する。一度設置されたならば、タックタイル(登録商標)コネクタは、優れた横の接着をもたらし、タイルが互いにばらばらになることを防ぐ。しかし、カーペットタイルは、カーペットタイルを垂直に引っ張ることによって、タックタイル(登録商標)コネクタから容易に外される。従って、タックタイル(登録商標)コネクタを用いると、カーペットタイルの取り付けおよび取り外しを著しく容易にする。
【0030】
輸送機関に装着されない(連結されない)「浮床“floating floor”」カーペットタイルの設置が、航空機のような輸送機関で望ましくないと考えられているならば、数ある代替物の中でとりわけ選択される装着は、両面テープ、輸送機関の床および/またはカーペットタイルの一部に直接塗布される接着剤を用いるかまたは、少なくとも一部のタックタイル(登録商標)コネクタを床に接着して装着することによって、達成されることができる。さらに別の代替の設置においては、カーペットタイルは、カーペットタイルの下側の床への装着手段またはカーペットタイルが相互に装着する手段がない「独立設置
“free laid”」であってよい。
【0031】
上述の方法に従うカーペットタイルの使用は、座席および/または他の設備を大量輸送機関から取り外すことなく、大量輸送機関の床をカーペットで覆うことを可能にする。
【0032】
実施例1
ボーイング737−700シリーズ航空機の機室内に設置されるカーペットは、図1に図示するように(本実施例の縮小率で描かれていない)6つの区分(110、120、130、140、150、および160)に置かれることを必要とする。座席トラックは、区分110と120の間、120と130の間、140と150の間、および150と160の間の機室の長さ方向に置かれる。非常用照明トラックは、区分130と140の間の機室の長さ方向に置かれる。
【0033】
本実施例の配置構成は、以下の幅を必要とする。
【表1】

【0034】
尚、これらの区分は、4つの異なる幅条件(18、19.25、32および14インチ)を有し、区分110および160は同一の幅を有し、区分120および150は同一の幅を有する。
【0035】
カーペットタイルは、一つのタイルを長さ18インチおよび幅19.25インチを有するようにサイジングして、別のタイルを長さ32インチおよび幅14インチを有するようにサイジングすることによって、2つの異なるサイズのタイルのみを用いて、この機室内の設置用にサイジングされることができる。18インチ×19.25インチのカーペットタイルは、区分110、120、150、および160に設置されることができ、32インチ×14インチのカーペットタイルは、区分130および140に設置されることができる。
【0036】
実施例2
試験的設置は、ボーイング737−700シリーズ航空機のデッキ構造の実物大模型で完了した。最初の配置構成は、実施例1で説明した配置構成と同一であった。しかし、この設置を考えるにあたって、32インチの幅を有する区分130は、14インチおよび18インチ(14+18=32)の幅を有するタイルで埋められることができることが認識された。従って、下記の幅を有するタイルが必要とされた。
【表2】

【0037】
従って、3つの異なる幅条件(18インチ(区分110、160、および区分130の一部)、19.25インチ(区分120および150)、および14インチ(区分140および区分130の一部)のみが存在した。2つの異なるサイズのカーペットタイルがやはり必要とされたが((3−1)/2)+1=2、上述の式による)、下記のカーペットタイルの寸法(18インチ×19.25インチおよび14インチ×19.25インチ)が用いられることができることが認識された。このようにカーペットタイルをサイジングすることによって、タイルの均一長(19.25インチ)が各タイルについて用いられ、そのことは、注文製造の織物からのこれらのカーペットタイルのカットを劇的に容易にし、且つ、19.25インチの均一長を有するダイを用いることができるので、カットの無駄を最小限にした。
【0038】
実施例3
ボーイング777航空機のエコノミークラスの機室内に設置されるカーペットは、下記の幅を有する9つの区分に置かれるカーペットを必要とする。
【表3】

【0039】
これらの9つの区分は、4つの異なる幅条件(7インチ、32.5インチ、39.5インチ、および20.5インチ)を有し、下記の区分(区分1および区分9(7インチ)、区分2および区分8(32.5インチ)、区分3および区分7(39.5インチ)、および区分4から区分6(20.5インチ))は同一の幅を有する。
【0040】
カーペットタイルは、一つのタイルを長さ7インチおよび幅32.5インチを有するようにサイジングして、別のタイルを長さ39.5インチおよび幅20.5インチを有するようにサイジングすることによって、2つの異なるサイズのタイルのみを用いて、この機室内の取り付け用にサイジングされることができる。7インチ×32.5インチのカーペットタイルは、区分1、2、8、および9に設置されることができ、39.5インチ×20.5インチのカーペットタイルは、区分3から7に設置されることができる。
【0041】
実施例4
実施例3の配置構成は、区分3および7を、下記のように幅7インチおよび幅32.5インチを有する2つの追加の区分に分けることによって、改変されることができる。
【表4】

【0042】
これらの9つの区分は、3つの異なる幅条件(7インチ、32.5インチ、および20.5インチ)のみを有し、区分1、9、並びに区分3および7の一部(7インチ)、区分2、8、並びに区分3および7の一部(32.5インチ)、および区分4から6(20.5インチ)は同一の幅を有する。
【0043】
カーペットタイルは、一つのタイルを幅7インチおよび長さ20.5インチを有するようにサイジングして、別のタイルを幅32.5インチおよび長さ20.5インチを有するようにサイジングすることによって、2つの異なるサイズのタイルのみを用いて、この機室内の設置用にサイジングされることができる。7インチ×20.5インチのカーペットタイルは、区分1、4〜6、9、並びに区分3および7の一部に設置されることができ、32.5インチ×20.5インチのカーペットタイルは、区分2、4〜6、8、並びに区分3および7の一部に設置されることができる。
【0044】
実施例2で説明した配置構成と同様に、これらのカーペットタイルのカットは、各タイルに均一長(20.5インチ)を用いることによって簡易化される。
【0045】
カーペットタイルの重量
本発明の別の実施形態は、大量輸送機関での用途に好適な低重量カーペットタイルである。カーペットタイルは、主裏当て層(主バッキング層)に、タフトされて(房状にされて)いるか、あるいは、その他の方法で埋め込まれているかまたは取り付けられているカーペットパイルを含み、図3に図示するように、随意に少なくとも一つの追加の裏当て層、および、随意により多数の裏当て層を有する。図3では、カーペット310は、タフト下地314およびプレコート層316にタフトされた表糸312を有する。タフト下地および随意にプレコート層にタフトされた糸を有する係る構造は、「フェイスクロス“face cloth”」と称されることがある。
【0046】
図4は、タフト下地414およびプレコート層416にタフトされた糸412と共に、追加の第2裏当て層418を有するカーペットタイル410としての、別の代替的な実施形態を図示している。タフト下地414およびプレコート層416は、タフト下地314およびプレコート層316をタフトするための上述の材料と同一の材料から形成されることができる。
【0047】
タフト状以外の他のカーペット構成のように、追加の裏当て層および構成要素が可能である。例えば、数ある代替物の中で、表糸構造は、織り込まれることができるかはまたは融着されることができる。
【0048】
一実施形態では、フェイスファブリック(表面の織物)は、ナイロン糸から形成され、具体的には6.6ナイロン糸または6ナイロン糸から形成される。しかし、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド(PEI)、およびポリ乳酸(PLA)からの繊維、ウール、ウールとナイロンの混紡、およびカーペットにおける用途での使用で知られる他の種類の繊維を含むがこれらに限定されない他の糸を用いて、カーペットパイルを形成することができる。
【0049】
低重量カーペットタイルのタフト下地層(314、414)の適切な材料は、不織布ポリエステルである。他のタフト下地層材料が知られており、ここに記載の安定性、耐久性、低重量特性、および他の所望の特性に貢献する(または少なくとも過度にそれらの特性を損なわない)ならば、使用可能である。
【0050】
プレコート層(316、416)は、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン化アクリル共重合体、アクリル、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン、エチレンプロピレンジエンメチレン三元共重合体(EPDM)ゴム、ウレタン、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、およびクロロプレンゴムなどの、ポリマー材料から形成される。またプレコート層(316、416)は、瀝青コーティング材料から形成されることもできる。プレコート層(316、416)は、優れた耐燃性を有し且つタフト下地層と第2裏当て層の両方との優れた適合性を有する、ニュージャージー州ニューアークのブロードビュー テクノロジーズ(Broadview Technologies)から入手可能なスチレン化アクリル共重合体であってよい。
【0051】
第2裏当て層418は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマー材料をその中に組み入れた、メッシュまたはマット強化層を含むのが好ましい。強化層は、ガラス繊維、セラミック、またはポリ塩化ビニル繊維などの難燃材料から形成されるのが好ましく、織布構造または不織布構造を有することができる。特に好ましい第2裏当て層は、不織布ガラス繊維マットに組み入れられたポリ塩化ビニルを含む。一つの使用可能なポリビニル樹脂は、ポリワン(Polyone)から入手可能なPVCアクリル共重合体ゼオン(Geon)−138樹脂である。多様な代替の市販のPVC樹脂も、それらがここに記載の所望の特性、および、カーペットタイル製造の当業者に知られた他の好適な特性を示すならば、使用可能である。
【0052】
第2裏当て層はさらに可塑剤を含み、該層の柔軟性を増加することができる。使用可能な可塑剤は、リン酸エステル、フタル酸ジイソノニル(DINP)、トリクレシルホスフェート(TCP)、イソプロピルトリフェニルホスフェート(TPP)、トウゴマ系可塑剤、およびこれらの組み合わせを含む。TPPとリン酸エステルの組み合わせは、好ましい可塑剤である。TPPはグレイト レイクス ケミカル コーポレイション(Great Lakes Chemical Corp.)から入手可能であり、リン酸エステルはPAGホールディングス(PAG Holdings)から入手可能である。他の可塑剤が知られており、必要に応じて用いられ得る。
【0053】
随意の防煙剤を第2裏当て層に組み入れることも望ましいかもしれない。使用可能な防煙剤は、コロラド州クライマックスにあるクライマックス モリブデン カンパニー(Climax Molybdenum Co.)から入手可能な三酸化モリブデンである。
【0054】
本発明のカーペットパイルは、従来知られたカーペットタイルと比較して、削減された重量を有することが好ましい。重量の削減は、低重量の表面構成を用いることによって達成されることができる。好適な表面繊維は、ナイロン、ウール、ウールとナイロンの混紡、および他の知られたカーペット繊維である。
【0055】
さらに、タフト下地層(314、414)および追加の層(例えば316、416、および418)の重量は、最も周知慣用のカーペットタイルで見られる同等の層の重量に満たないことが好ましい。これらの層での重量の削減は、知られたフィラー材料の代わりに、軽重量のフィラーを用いることによって達成され得る。上述のように、低重量は先のカーペットタイル構成では重要な考慮すべき事柄ではなかったので、カーペットタイルに関して、軽重量のフィラー材料の使用はこれまで考慮されていない。
【0056】
ガラス球、具体的には、中空ガラス微小球が、使用可能な軽重量フィラー材料である。係る微小球フィラー材料の一つは、ペンシルバニア州フォージ渓谷のポターズ インダストリーズ インコーポレイテッド(Potters Industries, Inc.)から入手可能な、Q−CEL(登録商標)300中空マイクロスフェア(微小球)である。他の好適なフィラー材料は、ヒュームドシリカ、エーロゲル(アスペン エーロゲル インコーポレイテッド(Aspen Aerogels, Inc.)から入手可能なシリカ発泡体)、フライアッシュ、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、三水和アルミナ、水酸化マグネシウム、およびガラス繊維人工繊維を含む。これらの材料の一部は、航空機または他の輸送機関での用途のために設計されたカーペットタイルで望ましいであろう耐燃性を示す。しかし、軽重量および耐燃性を理由に、ガラス微小球が好ましいかもしれない。例えば、Q−CEL(登録商標)中空マイクロスフェアは、ケイ酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、水、および沈降シリカから形成される。しかし、これらは高価である。他のあまり高価でない中空マイクロスフェアが入手可能であり、これらもフィラー材料として利用するのに好適であろう。中空マイクロスフェアは、例えば炭酸カルシウムなどの他のフィラー材料に匹敵する裏当て層(複数の裏当て層)へのバルク(嵩)を、実質的に削減された重量で提供する。例えば、炭酸カルシウムは約2.7g/ccの密度を有するが、Q−CEL(登録商標)300マイクロスフェアは、約0.12g/ccのみの密度を有する。
【0057】
フィラー材料を裏当て層に物理的に加えることに加えて、機械処理工程または化学処理工程を通して、重量の実質的な増加なしで、バルクを裏当て層に提供することができる。例えば、裏当て層に、空気、窒素、または他の不活性ガスを吹き付けるかまたは泡立てることによって、一つ以上の裏当て層に間隙を導入することができる。裏当て層での使用に好適なケミカル・バルキング(膨化)手段の例は、ポリマーシェルによって囲われている液体イソブタンの液滴を組み入れている発泡性マイクロスフェアである、エクスパンセル(Expancel)によってもたらされる。加熱されると、シェルは軟化し、イソブタンは気化し、マイクロスフェアの膨張を引き起こす。
【0058】
重量の削減は、カーペットパイル内の表糸(312、412)の重量を削減することによって、達成されることもできる。典型的なカーペットパイルは、4本撚りの表糸から形成され、ループ(輪)またはカットパイル構成のいずれかで構成される。表糸を3本撚りに削減することによって、カーペットパイルの重量を、約0.61kg/m〜0.68kg/m(約18〜20osy)(オンス/平方ヤード)から、約0.54kg/m(約16osy)以下に、より好ましくは約0.47kg/m(約14osy)以下に、減じることができる。あるいは、例えば、インチ当たりの縫い目の数、パイル高さ、機械のゲージ、またはこれらのいくつかの組み合わせを変えることによってなど、より軽い構成の加工糸の端部をタフトすることによって、より低重量の4本撚りの表糸を用いることができる。軽重量の表糸が用いられる場合、糸の間からタフト下地が見える「グリニング“grinning”」を減じるために、黒色(または他の暗色)タフト下地を用いることができる。カーボンブラックまたは導電性ガラス繊維などの導電性材料を組み入れることによって、加工カーペット繊維の静電気消散特性を改善することができる。
【0059】
上述のように、旅客機などの大量輸送機関で用いられるいずれのカーペットタイルは、好ましくは、炎、煙、および毒性について適用仕様を満たすべきである。従ってカーペットタイルは、下記の基準(連邦航空規則(FAR)25.853(客室内)、ボーイングBSS7239(毒ガス)、ボーイングBSS7238(光学的煙濃度)、ボーイングD6−51377(煙毒性)、およびボーイングBSS7230(航空機材料の可燃特性の決定))の一つ以上を満たすことが好ましい。これらの基準は、その開示全体を援用してここに組み入れられる。
【0060】
これらの基準の一つ以上を満たすために、タフト下地層(314、414)が、例えば、ルトラズール(Lutradur/登録商標)というブランド名で、北アメリカのフロイデンベルク ノンウーブンズ(Freudenberg Nonwovens)から入手可能なスパンレイド不織布ポリエステルであるならば、その裏当ては、リン酸塩またはアンチモンで処理されて、その難燃性を改善することができる。
【0061】
カーペットタイルは、ニュージャージー州ニューアークのブロードビュー テクノロジーズ(Broadview Technologies)から入手可能なインチュマックス(Intumax/登録商標)などの、難燃性ラテックス材料の追加の層(図で図示せず)を含むこともできる。追加の耐炎性および耐火性を所望であれば、この層を、上述の耐燃性の主裏当て層に加えて含むことができる。プレコートは、必要量を減じるために、約0.34kg/m(10オンス/平方ヤード)(osy)以下に、高度に泡立たされることができる。
【0062】
タフト下地514にタフトされた表糸512を有し、且つ、プレコート層516、第2裏当て層518、およびガラス繊維層520で裏当てされたカーペットタイル510を図示する図5に示されるように、カーペットタイルは、ガラス繊維層などの、別の随意の層を含むことができる。ガラス繊維層520は、航空機および他の大量輸送機関での用途において有用な追加の寸法安定性を、カーペットタイルにもたらす。別の随意の層は、カーペットタイルの構成中に予め塗布された接着層522として図示されている。
【0063】
第2裏当て層518と随意の追加のガラス繊維層520の両方のガラス繊維材料は、例えば、オハイオ州トレドのオーウェンス コーニング ファイバーグラス カンパニー(Owens Corning Fiberglas Company)から入手可能な、不織布マイクロデニールガラス繊維である。マイクロデニールガラス繊維は、一般に、優れた火炎特性および煙特性を有し、その繊維は伝統的なガラス繊維材料よりも小さいので、それほど皮膚刺激物にならない。マイクロデニールガラス繊維から形成された裏当て層は、航空機の機室の加圧および減圧による座屈(バックリング)の影響を受けにくい。さらに、マイクロデニールガラス繊維は、伝統的なガラス繊維よりも多孔性が劣るので、伝統的なガラス繊維よりも単位重量当たり、より固い表面を創生する。マイクロデニールガラス繊維の特性にもかかわらず、従来知られたガラス繊維の裏当て材を含む、他の材料を用いることができる。
【0064】
上述のように、ここに記載の低重量カーペットタイルは、好適な寸法安定性を示すことが好ましい。タイルの寸法安定性を測定する一つの方法は、国際標準化機構(ISO)2551に明記されており、寸法安定性のAcchenテストとしても知られている。ここに記載の低重量カーペットタイルは、好ましくは、ISO2551によって定められている寸法安定性のプラスマイナス0.2%(いずれの向きにおいても、タイル寸法の0.2%を越えない変化)の寸法安定性を有し、より好ましくは、プラスマイナス0.1%(いずれの向きにおいても、タイル寸法の0.1%を越えない変化)の寸法安定性を有する。
【0065】
静電気の消散は、本発明の一部の用途において望ましいかもしれない。例えば、コンプライアンスは、電気・電子部品、電気・電子アセンブリ、および電気・電子設備の保護のための静電気放電制御プログラム開発の静電気放電協会基準である、ANSI/ESD S20.20に従って、所望され得る。カーペットタイルが、カーペットタイルが設置されるであろう輸送機関(例えば航空機)の製造者によって公布された静電気放電基準書に従うことも望ましいかもしれない。コンプライアンスを推進するために、例えば、カーボンブラック、金属繊維、または導電性ガラス繊維などの、導電性フィラメントまたは他の構成要素を、静電気の消散のために、糸の端部それぞれに組み入れることができる。例えば、3本撚りの糸を用いると、導電性フィラメントを他の3本の糸と一緒に撚るかまたは空気絡ませを行うことができる。あるいは、これと組み合わせて、または組み合わせせずに、カーボンブラックなどの導電性材料を一つ以上の裏当て層に組み入れることができる。
【0066】
上述の材料を組み入れるカーペットタイルは、現在のカーペットタイルと比較すると、実質的に低重量で製造されることができる。典型的なカーペットタイルは、約4.07kg/m(約120オンス/平方ヤード)から約4.41kg/m(約130オンス/平方ヤード)にわたる重量を有する。対照的に、上述の材料から形成されるカーペットタイルは、約3.39kg/m(約100オンス/平方ヤード)未満の重量を有することができる。約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)〜約3.39kg/m(約100オンス/平方ヤード)の重量を有するカーペットタイルは好適ではあるが、約2.2kg/m(約66オンス/平方ヤード)〜約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)の重量を有するタイルが好ましい。さらに好ましいのは、約1.9kg/m(約56オンス/平方ヤード)〜約2.2kg/m(約66オンス/平方ヤード)の重量を有するカーペットタイルである。最も好ましいのは、約1.6kg/m(約48オンス/平方ヤード)〜約1.9kg/m(約56オンス/平方ヤード)の重量を有するカーペットタイル、あるいは、約1.4kg/m(約42オンス/平方ヤード)〜約1.6kg/m(約48オンス/平方ヤード)の重量を有するカーペットタイルである。低重量のタイルは、旅客機での用途で用いるのに好ましい。
【0067】
実施例5
下記の構成を、上述の第2裏当て層に用いることができた。
【表5】

【0068】
製造
低重量(および他の)カーペットタイルは、以下を含む工程を用いて、図6に示す複合カーペット織物612を製造することによって、製造され得る。
・カーペット製造ラインにおける、送り出しベルトまたは他の好適な支持構造上にガラス繊維織物614を置くこと
・ガラス繊維織物614上に樹脂層618(実施例5で表すように)を塗布すること
・タフトされたフェイスクロス620を、樹脂層618上に置くこと
・複合カーペット織物612を熱して、樹脂層618の粘度を下げて、その硬化を開始すること
・複合カーペット織物612を、さらに以下で説明される、止め具を有さないかまたはかなりの圧力を印加するように構成される、少なくとも一つの型押しの、挟み式の、または同様の圧力を印加するローラ(圧力ローラ)と接触させることによって、圧力を印加すること
【0069】
図6および図6aは、送り出し下部ベルト616上にガラス繊維織物614を展開することによって本発明の複合カーペット織物612を製造するのに使用可能な、裏当て生産ライン610の概略側面図である。樹脂層618が、ガラス繊維織物614の頂部に堆積され、タフトされたフェイスクロスまたは他のフェイスクロス620が、樹脂層618に置かれる。ガラス繊維織物614および樹脂層618は、上述した第2裏当て層418を形成する。複合カーペット織物612は、例えば、加熱したプラテン622の上方を通過させることによって、加熱される。プラテン622を、熱油、蒸気、電気、または他の熱源によって、熱することができる。樹脂層618内の加熱された樹脂は硬化し始め、その粘度は下がる。複合カーペット織物は、好ましくは、少なくとも約157℃(315°F)に加熱されるべきである。追加の熱は、複合カーペット織物612が、圧力ローラ628および630の間を通過する直前に、複合カーペット織物612の第2裏当て層418に隣接して置かれる赤外線ヒータ(IR)626によって供給される。
【0070】
複合カーペット織物612は、典型的には周囲空気で冷えて、ロール(図示せず)上に蓄積される。あるいは、ロールされるのではなく、冷却された複合カーペット織物612は、すぐにカットステーション(図示せず)に進んで、所望のサイズのタイルにカットされることができる。
【0071】
製造中の熱プロファイルは重要である。複合カーペット織物612を製造サイクルの大部分を通して比較的一定の温度に保つことによって、且つ、複合カーペット織物612が、返し縫い部分またはタフト下地314、414に埋め込まれたタフト部分の内部および周囲に、溶融樹脂の一部を押し込む、圧力ローラ(628、630)の間を通過する直前に、追加のヒータ626を利用することによって、良好な結果が得られる。係る返し縫いは、例えば、タフト下地(例えば図3のタフト下地314)における(図3の)表糸312内に形成される。圧力ローラ(628、630)における裏当て材の温度の上昇は、樹脂層618の粘度を低下させ、裏当て材のタフト下地内への向上した浸透を促進する。
【0072】
圧力ローラ628および630で実質的な圧力を印加すると、より軽量で、より丈夫な複合カーペット織物612の形成が促進される。これは、典型的には圧力ローラ628および630の少なくとも一つと関連する止め具を省略することによって、従来知られた対向する圧力ローラ628および630を用いて達成され得る。止め具は、大抵のカーペット製造用途で用いられており、圧力ローラの一つまたは両方の互いに向かう移動を制限し、それによって、圧力ローラ間の最小限の分離を維持して、表糸(312、412)の圧潰を防止する。止め具を除去すると、まだ熱い裏当て材を、タフト下地(314、414)の返し縫い部分のさらに内部および周囲に押し込むことが可能になり、より少ない裏当て材を用いて、丈夫な複合カーペット織物612を形成することが可能になる。ローラによる著しい圧力は、非常に短時間で加えられるようであるので、表糸(312、412)の望ましくない圧潰は制限される。
【0073】
所望ならば、液圧手段または他の機械的な圧力手段を、圧力ローラの一つまたは両方に加えることができる。
【0074】
圧力ローラ628は、鋼製または他の同様の材料のローラであってよく、ここに記載するような裏当て材に圧力を印加することができる、従来知られた型押しローラまたは別のローラであってよい。圧力ローラ628は定置式(固定式)であるのが好ましい。すなわち、圧力ローラ628は、複合カーペット織物612の表面に垂直に動かない(しかし回転はする)。この圧力ローラは、裏当て材をフェイスクロスのタフトの内部に「固定“locking”」することを促進するために冷却されることができる。
【0075】
表糸に接触する圧力ローラ630は、熱を、圧力ローラが接触する表糸に伝導する必要がなく、典型的には、熱を圧力ローラが接触する表糸に伝導すべきではない。また、ゴムまたは他の同様の材料のローラ面を有し得る。圧力ローラ630は、定置式でないことが好ましい。すなわち、圧力ローラ630は、複合カーペット織物612の表面に垂直に(圧力ローラ628に向かって且つ圧力ローラ628から離れて)動くことができる。圧力ローラ630も冷却されることができる。
【0076】
圧力ローラ628および630は、典型的には、直径で、約28cm(約11インチ)〜約33cm(約13インチ)である。上述のように、圧力を、フェイスクロスの望ましくない圧潰が生じないような量で、圧力ローラの一つ以上に加えることができる。約33cm(13インチ)の直径を有する、長さが約2.3m(90インチ)のゴムコーティングされたローラ(628)が、約3.8cm(約1.5インチ)の直径を有する一対の空気圧式ピストンによって上方に駆動される構成において、最高約53000kg/m(75ポンド/平方インチ)のピストンへの圧力が、フェイスクロスの望ましくない圧潰をもたらすことなく加えられた。裏当て材、表糸、あるいはそれ以外のものにおける他の種類に適応させるために、他のピストンおよびローラ寸法を用いて、他の圧力を用いることができる。
【0077】
複合カーペット織物は、樹脂層618内の樹脂がフェイスクロス620を圧潰することなくフェイスクロス620内のタフトの中に押し込まれることが可能になるであろう好適な速度であって、十分な熱伝導および複合カーペット織物612内の樹脂の硬化を可能にするであろう好適な速度で、圧力ローラ(628、630)の間を通過することができる。約6.1メートル/分(20フィート/分)の生産ライン速度が好適であると見出されている。他の生産ライン速度が、複合カーペット織物612内の樹脂のための十分な硬化時間をもたらすのであれば、使用されることができる。
【0078】
この製造技術の結果として生じる利益は、以下を含む。
1)より少ない裏当て材の使用。組み合わされた熱および圧力は、樹脂をタフトされたフェイスクロス620の間隙内に押し込み、より優れたタフトの固定および耐剥離性をもたらす。
2)ガラス繊維第2裏当て層は、ガラス繊維が露出しないように、(全部ではないにしても)そのほとんどが、カーペット織物複合体の中に押し込まれる。このことは、ガラス繊維が設置業者による起こりうる接触にさらされる場合、しばしば用いられている高価な非刺激性ガラス繊維製品よりも低価格なガラス繊維の使用を可能にする。さらに、典型的には、表面により近いガラス繊維は、より優れた寸法安定性、および、より少ないガラス繊維の皺をもたらすので、タイルの性能が向上する。
3)圧力を印加することは、表面に表れ且つ一様でない摩耗を引き起こすことがある裏当ての欠陥を、実質的に修正する。フェイスクロスと裏当ての間のより直接的な接触は、製品が摩耗したときに、製品の外観を向上させる。熱および圧力は、返し縫いの形を滑らかにする。
4)樹脂組成物が、従来知られたカーペットタイル製造において粘性が高すぎるならば、ガラス繊維を樹脂の中に押し込むことは困難である。しかし、このことは、本発明に従って製造するときには、圧力を用いてガラス繊維をカーペット表面の方へ押すので、等しく重要な事ではない。このことは、より粘性が高い樹脂組成物の使用を許容するので、一部の従来知られた製造工程よりも少ない樹脂組成物の使用を許容する。
5)より少ない樹脂の使用
・裏当て生産ラインの寸法または「設置面積“foot print”」を約半分まで削減する
・裏当ての硬化時間を削減して(それによってより短いベルトを必要とする)、フェイスクロスに積層するための再加熱の必要性を避ける
・硬化をより容易にする
・よりカットし易いタイルを製造する
・重量を削減する
・第2裏当て層の中のガラス繊維を、タイルの「頂部“top”」または表面に向かってより近くへ押し込むことを容易にする(なぜなら、より少ない樹脂組成物がガラス繊維を通って移動しなければならないからである)
・より小さい空間がタイルを輸送し保管するのに必要とされ、そのことは、特定の寸法の輸送用紙器(段ボール箱)に、より多くのタイルを梱包することを可能にする。
【0079】
前述は、本発明の実施形態を図示し、説明し、記載する目的で示されている。これらの実施形態へのさらなる改変および改造が、当業者にとっては明らかであろうし、且つ、本発明の精神または特許請求の範囲から逸脱することなくなされ得る。さらに、本発明の全ての態様が、本発明の全ての実施形態で必ずしも実施される必要はない。例えば、本発明の一部の実施形態は、広幅構成において製造され且つ設置されてもよく、他の実施形態は正方形タイルを利用してもよい。他の実施形態は、軽重量フィルタを用いないかもしれないかまたは、製造物の製造において、ここに記載したような圧力ローラを用いないかもしれない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーペットパイルおよび少なくとも一つの裏当て層を含む軽重量カーペットタイルであって、前記カーペットタイルは、約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)未満の重量を有する軽重量カーペットタイル。
【請求項2】
前記少なくとも一つの裏当て層の材料は、ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラーを含む、請求項2に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項3】
前記少なくとも一つの裏当て層はタフト下地層であって、前記タフト下地層はさらに不織布ポリエステルを含む、請求項1に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項4】
さらにプレコート層を含み、前記プレコート層は、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエンゴム、スチレン化アクリル共重合体、アクリル、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、エチレンプロピレンジエンメチレン三元共重合体ゴム、ウレタン、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、瀝青材料、またはこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項5】
前記プレコート層はスチレン化アクリル共重合体を含む、請求項4に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項6】
さらに、強化層および前記強化層内に組み入れられるポリマー材料を含む第2裏当て層を含む、請求項4に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項7】
前記強化層が、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリ塩化ビニル繊維、またはこれらの組み合わせから形成され、且つ
前記ポリマー材料が、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはこれらの組み合わせである、請求項6に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項8】
前記強化層はガラス繊維から形成され、前記ガラス繊維はマイクロデニールガラス繊維である請求項7に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項9】
第2裏当て層はさらに可塑剤を含む、請求項6に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項10】
前記可塑剤は、リン酸エステル、フタル酸ジイソノニル、トリクレシルホスフェート、イソプロピルトリフェニルホスフェート、トウゴマ系可塑剤、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項11】
前記可塑剤は、イソプロピルトリフェニルホスフェートおよびリン酸エステルを含む請求項10に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項12】
第2裏当て層は、さらに、三酸化モリブデンを含む防煙剤を含む、請求項6に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項13】
前記カーペットタイルは、約1.9kg/m(約56オンス/平方ヤード)未満の重量を有する、請求項1に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項14】
前記カーペットタイルは難燃材料を含み、前記難燃材料は、スパンレイド不織布ポリエステル、難燃性ラテックス、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項15】
前記カーペットタイルは、炎、煙、または毒性について、以下の基準の一つ以上に準拠しており、該基準は、FAR25.853、BSS7239、BSS7238、D6−51377、およびBSS7230である、請求項1に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項16】
前記カーペットタイルは、ISO2551によって定められている寸法安定性のプラスまたはマイナス0.2%以下の寸法安定性を有する、請求項1に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項17】
旅客機の床を覆う航空機デッキ上の設置物であって、カーペットタイルを含み、前記カーペットタイルが、
a.炎、煙、または毒性について、以下の基準の一つ以上を満たし、該基準は、FAR25.853、BSS7239、BSS7238、D6−51377、およびBSS7230であり、
b.約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)未満の重量を有し、
c.ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される軽重量フィラーを含む、少なくとも一つの裏当て層を有し、
d.アクリル接着剤で前記航空機デッキに接着され、且つ
e.ランダムな設置に好適な表面パターンを有する
旅客機の床を覆う航空機デッキ上の設置物。
【請求項18】
低重量カーペットタイルであって、
a.中にタフトされたナイロン糸
b.接着された主裏当て、および
c.第2裏当てを含み、
第2裏当ては、
1.ガラス繊維または中に埋め込まれたスパンレイドポリエステル強化層、および
2.プラスチック混合物を含み、
前記プラスチック混合物は、
i.ポリ塩化ビニル樹脂
ii.可塑剤、および
iii.ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される軽重量フィラーを含む
低重量カーペットタイル。
【請求項19】
前記カーペットタイルは、約2.2kg/m(約66オンス/平方ヤード)未満の重量である、請求項18に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項20】
前記主裏当ては暗色材料である、請求項18に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項21】
前記主裏当ては黒色である、請求項20に記載の軽重量カーペットタイル。
【請求項22】
カーペット製造方法であって、
a.カーペット製造ラインにおける送り出しベルト上に織物を置くこと
b.前記織物に樹脂層を塗布すること
c.タフトされたフェイスクロスを前記樹脂層上に置いて、複合構造を形成すること
d.前記複合構造を、少なくとも前記樹脂層が硬化し始める温度まで加熱すること、および
e.前記複合構造の温度を、前記樹脂層が硬化し始める温度にまたはそれより上に維持しつつ、前記複合構造を少なくとも一つの圧力ローラに接触させ通過させることによって、前記複合構造に圧力を印加すること
を含むカーペット製造方法。
【請求項23】
さらに、前記複合構造を冷却させることと、前記複合構造をカーペットタイルにカットすることを含む、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項24】
前記織物はガラス繊維を含む、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項25】
前記ガラス繊維はマイクロデニールガラス繊維である、請求項24に記載のカーペット製造方法。
【請求項26】
前記樹脂層が、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、またはこれらの組み合わせを含む、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項27】
前記樹脂層がさらに可塑剤を含む、請求項26に記載のカーペット製造方法。
【請求項28】
前記可塑剤は、リン酸エステル、フタル酸ジイソノニル、トリクレシルホスフェート、イソプロピルトリフェニルホスフェート、トウゴマ系可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む、請求項26に記載のカーペット製造方法。
【請求項29】
前記可塑剤は、イソプロピルトリフェニルホスフェートおよびリン酸エステルを含む、請求項28に記載のカーペット製造方法。
【請求項30】
前記樹脂層は、さらに、ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラーを含む、請求項26に記載のカーペット製造方法。
【請求項31】
前記フィラーはガラス球を含み、前記ガラス球は中空ガラス微小球である、請求項30に記載のカーペット製造方法。
【請求項32】
前記カーペットは、約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)未満の重量を有する、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項33】
前記カーペットは、約1.9kg/m(約56オンス/平方ヤード)未満の重量を有する、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項34】
前記カーペットは、ISO2551によって定められている寸法安定性のプラスまたはマイナス0.2%以下の寸法安定性を有する、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項35】
前記樹脂層が硬化し始める温度は、少なくとも約157℃(約315°F)である、請求項22に記載のカーペット製造方法。
【請求項36】
カーペット製造方法であって、
a.カーペット製造ラインにおける送り出しベルト上に織物を置くこと
b.前記織物に樹脂層を塗布すること
c.タフトされたフェイスクロスを前記樹脂層上に置いて、複合構造を形成すること
d.前記複合構造を、少なくとも前記樹脂層が硬化し始める温度まで加熱すること、および
e.前記複合構造の温度を、前記樹脂層が硬化し始める温度にまたはそれより上に維持しつつ、前記複合構造を、第1圧力ローラと第2圧力ローラの間を通過させることによって、前記複合構造に圧力を印加することであって、第1圧力ローラは前記タフトされたフェイスクロスと接触し、第2圧力ローラは前記樹脂層と接触すること
を含むカーペット製造方法。
【請求項37】
第1圧力ローラおよび第2圧力ローラの少なくとも一つは冷却される、請求項36に記載のカーペット製造方法。
【請求項38】
第1圧力ローラはゴムまたはゴムクラッドであり、第2圧力ローラは鋼である、請求項36に記載のカーペット製造方法。
【請求項39】
端から端へタイルを切り取ることなく航空機の幅を覆うことができるようにサイジングされた矩形タイルを含む、前記航空機に設置されるカーペット。
【請求項40】
特定の幅を有する空間に設置されるカーペットタイルを製造する方法であって、
前記特定の幅をn個の幅に分割すること、および
nが偶数ならば、わずかn/2個の異なるサイズのカーペットタイルを製造し、前記カーペットタイルの各サイズは、前記n個の幅の2つの異なる寸法に等しい2つの異なる辺寸法を有すること、および
nが奇数ならば、わずか(n−1)/2+1個の異なるサイズのカーペットタイルを製造し、前記各カーペットタイルは、前記n個の幅のそれぞれに等しい少なくとも一つの辺寸法を有し、前記辺寸法の2つを除く辺寸法は互いに異なること
を含む、特定の幅を有する空間に設置されるカーペットタイルを製造する方法。
【請求項41】
(a)旅客機デッキ
(b)前記デッキに概ね互いに平行に固定される、細長い乗客席取り付けトラック、および
(c)前記デッキ上に置かれる低重量矩形カーペットタイル
を含む旅客機。
【請求項42】
さらに、少なくとも2つの前記カーペットタイルを互いに固定する接着剤を含む、請求項41に記載の旅客機。
【請求項43】
前記接着剤が前記デッキに接着されない、請求項42に記載の旅客機。
【請求項44】
前記カーペットタイルは、約0.5kg/m(約16オンス/平方ヤード)未満の重量を有する表糸を有する、請求項41に記載の旅客機。
【請求項45】
前記カーペットタイルは、ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラーを含む少なくとも一つの裏当て層を含む、請求項41に記載の旅客機。
【請求項46】
前記カーペットタイルは、前記航空機の機室の前記デッキ上にランダムに設置されることが好適である、請求項41に記載の旅客機。
【請求項47】
前記カーペットタイルは、パターンマッチングなしで直交的に多義性を示す、請求項41に記載の旅客機。
【請求項48】
少なくとも2組の前記乗客席取り付けトラックは、2つの互いに異なる距離で前記デッキに固定されており、少なくとも一部の前記矩形カーペットタイルは、前記2つの異なる距離の一つに等しい幅、および、前記2つの異なる距離の他方に等しい長さを有する、請求項41に記載の旅客機。
【請求項49】
前記カーペットタイルは、パターンマッチングなしで直交的に多義性を示す、請求項48に記載の旅客機。
【請求項50】
a.前記カーペットタイルは、少なくとも4つの異なるタイル辺寸法を有し
b.前記カーペットタイルは、少なくとも一つの裏当て層を含み、且つ
c.前記カーペットタイルは、炎、煙、または毒性について、以下の基準の一つ以上を満たし、該基準は、FAR25.853、BSS7239、BSS7238、D6−51377、およびBSS7230である
請求項41に記載の旅客機。
【請求項51】
前記少なくとも一つの裏当て層は、ガラス球、ヒュームドシリカ、シリカ発泡体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるフィラーを含む、請求項50に記載の旅客機。
【請求項52】
前記カーペットタイルは、約2.8kg/m(約82オンス/平方ヤード)未満の重量を有する、請求項41に記載の旅客機。
【請求項53】
前記カーペットタイルは、約1.9kg/m(約56オンス/平方ヤード)未満の重量を有する、請求項41に記載の旅客機。
【請求項54】
前記カーペットタイルは、ISO2551によって定められている寸法安定性のプラスまたはマイナス0.2%以下の寸法安定性を有する、請求項41に記載の旅客機。
【請求項55】
床に取り付けられる座席を有する大量輸送機関の前記床にカーペットを設置する方法であって、前記大量輸送機関から前記座席を取り外すことなく、前記床に矩形カーペットタイルを設置することを含む方法。
【請求項56】
床に取り付けられる座席を有する大量輸送機関の前記床上の床敷物を交換する方法であって、
a.前記座席を取り外すことなく交換される前記床敷物を取り外すこと
b.前記大量輸送機関の前記床に接着剤を塗布すること、および
c. 矩形カーペットタイルを前記接着剤と接触させて押し込むことによって、前記床に前記矩形カーペットタイルを設置すること
を含む方法。
【請求項57】
前記座席は、細長い平行のトラックで前記床に取り付けられ、少なくとも一部の前記矩形カーペットタイルは、2つの前記トラック間の距離に等しい辺寸法を有する正方形でない矩形である、請求項56に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6a】
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【公表番号】特表2012−501235(P2012−501235A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525292(P2011−525292)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055739
【国際公開番号】WO2010/028049
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(500174395)インターフェイス,インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】