説明

住宅の通路構造

【課題】廊下幅等の移動経路を確保可能にする一方で、廊下幅の一部を収納等のスペースに簡易かつ有効に利用するために、住宅の通路構造を提供することを目的とする。
【解決手段】通路の壁面1と、一端部が前記壁面1に対して回動可能に設けられた棚板3と、前記棚板3の両側面にそれぞれが着脱可能に結合され、且つ、前記壁面1に対して回動可能に設けられた両側板5とを備え、前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ際に、前記棚板3および前記両側板5が前記壁面1に平行に当接または近接していることを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の通路構造に関し、特に、通路の壁面に設置される折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、折り畳んだ状態で搬入が可能であり、少ない作業工数で正確かつ迅速に組み立てることができるようにするための構造を有する組み立て式収納家具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−31009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車椅子等を必要とする要介護者がいる世帯の住宅購入者は、バリアフリーの観点に加えて、広い廊下の間取りを求める傾向がある。また、要介護者が現在いない世帯の住宅購入者であっても将来の生活を見越して、車椅子等が通行容易な廊下幅を求めることが少なくない。しかしながら、一般的な廊下幅は80〜90cm程度である。通常、居室面積を優先したり、廊下幅の変更が構造上不可能な場合も多かったりするため、これ以上幅広い廊下が作られることはまれである。
【0005】
また、大型の車椅子の使用者が住宅を選ぶ際に、希望する廊下幅よりも狭い廊下幅等の移動経路の存在によって、購入する住宅の選択枝を減少させていることも考えられる。大型の車椅子の使用者でも使いやすい廊下幅等の移動経路を確保可能にする一方で、健常者のみが居住する場合に不必要に広いと感じると思われる廊下幅の一部を収納等のスペースに簡易かつ有効に利用することが望まれる。
【0006】
本発明は、廊下幅等の移動経路を確保可能にする一方で、廊下幅の一部を収納等のスペースに簡易かつ有効に利用することができる住宅の通路構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば、図1〜図13に示すように、折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)を有する住宅の通路構造80(80a.80b)において、
通路の壁面1と、
一端部が前記壁面1に対して回動可能に設けられた棚板3と、
前記棚板3の両側面にそれぞれが着脱可能に結合され、且つ、前記壁面1に対して回動可能に設けられた両側板5と
を備え、
前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ際に、前記棚板3および前記両側板5が前記壁面1に平行に当接または近接していることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ状態で、廊下幅等の移動経路を確保可能にすることができる。その一方で、前記棚板3および前記両側板5を展開した状態で、廊下幅の一部を収納スペースとして有効に利用することが
できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば、図7〜図10に示すように、請求項1に記載の折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)を有する住宅の通路構造80(80a.80b)において、
前記棚板3は前記壁面1の上下方向に複数設けられ、前記棚板3の上面または下面を前記壁面1に平行に当接または近接させるために、前記複数の棚板3の端部は前記複数の棚板3が折りたたまれた状態で互いに離れていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、棚板3を複数設けることで、使用者の要望に応じて使用する棚板3の数を増減することにより収納スペースの高さを変えたり、収納箇所を増減したりすることができる。
また、棚板3を回動し折りたたんだ際に、複数の棚板3の端部が互いに離れて棚板3が壁面1に平行に当接または近接している状態にすることが可能なため、棚3を収納するスペースを別途用意する必要がなく、且つ、折りたたみ収納部100(100a,100b,100c,100d)を折りたたんだ際に広い通路幅を確保することができるという効果がある。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば、図2に示すように、請求項1または2に記載の折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)を有する住宅の通路構造80(80a.80b)において、
前記壁面1に固定された背面板7を更に備え、
前記棚板3は前記背面板7に蝶着されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、搬入前に背面板7に複数の棚板3を予め取り付けることが可能となるため、搬入後に少ない作業工数で折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造を設けることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば、図2〜図6に示すように、請求項1から3のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)を有する住宅の通路構造80(80a.80b)において、
前記棚板3の前記両側面を挟むように、前記壁面1から前記棚板3の厚み以上に突出し、且つ、前記壁面1の上下方向に延びた両側縁部9を更に備え、
前記両側板5はそれぞれ前記両側縁部9に蝶着されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、棚板3および前記両側板5を折りたたんだ際に、棚板3の側面が両側縁部9により隠れるため、棚板3の側面を見せずに綺麗に収納することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば、図12〜図15に示すように、請求項1から4のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)を有する住宅の通路構造80(80a.80b)において、
前記側板5が上下に2以上に分割されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、例えば、図12〜図15に示すように、上側の側板5aと下側の側板5bとを任意に展開して使用することができるため、使用者の要望に応じて収納箇所を増減し、多彩なレイアウトにすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、例えば、図1〜図9に示すように、請求項1から5のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100
d)を有する住宅の通路構造80(80a,80b)において、
前記棚板3の自由端側に前記壁面1と平行な手摺部11が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、棚板3の自由端側に手摺部11を設けることで、歩行困難者が棚板3を手摺として使用できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、前記棚板および前記両側板を折りたたんだ状態で、廊下幅等の移動経路を確保可能にすることができ、その一方で、廊下幅の一部を収納スペースとして有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態を示すものであり、住宅の通路構造の設置状態を示す住宅の間取り図である
【図2】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の平面図である。
【図3】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の正面図である。
【図4】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の側面図である。
【図5】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の棚板の収納状態を示す側面図である。
【図6】折りたたみ式壁面収納部の展開時の平面図である。
【図7】折りたたみ式壁面収納部の展開時の正面図である。
【図8】折りたたみ式壁面収納部の展開時の側面図である。
【図9】折りたたみ式壁面収納部の展開時の棚板の状態を示す側面図である。
【図10】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の各部の具体的な構造を示す側面図である。
【図11】折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態を示す斜視図である。
【図12】折りたたみ式壁面収納部の下部を展開した状態を示す斜視図である。
【図13】折りたたみ式壁面収納部の上部および下部を展開した状態を示す斜視図である。
【図14】(a)は折りたたみ式壁面収納部の左側を展開し、右側を折りたたんだ状態を示す平面図であり、(b)はその正面図であり、(c)は展開された折りたたみ式壁面収納部の右側面図であり、(d)は折りたたまれた状態の折りたたみ式壁面収納部の右側面図である。
【図15】(a)は壁面に埋め込まれて設置された折りたたみ式壁面収納部の左側を展開し、右側を折りたたんだ状態を示す平面図であり、(b)はその正面図であり、(c)は展開された折りたたみ式壁面収納部の右側面図であり、(d)は折りたたまれた状態の折りたたみ式壁面収納部の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
<実施の形態>
図1は本実施の形態を示すものであり、折りたたみ式壁面収納部100(100a,100b,100c,100d)が通路の壁面に設置された状態を示す住宅の間取り図である。
【0023】
図1において、符号20は玄関を示し、符号30はリビングを示し、符号40はダイニングキッチンを示し、符号50はトイレスペースを示し、符号60は洗面スペースを示し、符号70は浴室スペースを示す。通路は、図1の上側において、トイレスペース50の
壁面および扉とこの壁面等に対向する壁面1とで挟まれた空間と、洗面スペース60の壁面および扉とこの壁面等に対向する壁面1とで挟まれた空間と、浴室スペース70の壁面とこの壁面に対向する壁面1とで挟まれた空間であり、また、図1の右側において、廊下壁面で挟まれた空間、または、ホールの壁面とリビングの扉で挟まれた空間である。図1において、通路は、リビング30の壁および扉の外側に沿って存在する壁面等に挟まれた空間であると言い換えることもできる。
【0024】
符号1は、廊下または玄関ホール等の通路の壁面を示す。符号3は、一端部が前記壁面1に対して回動可能に設けられた棚板3を示す。符号5は、前記棚板3の両側面にそれぞれが着脱可能に結合され、且つ、前記壁面1に対して回動可能に設けられた両側板5である。
【0025】
1.折りたたみ時の状態
図2は壁面1に設置された折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の平面図であり、図3は折りたたみされた状態の正面図であり、図4は折りたたみされた状態の側面図であり、図5は折りたたみされた状態の棚板3の収納状態を示す側面図である。
【0026】
(1)図2において、折りたたみ式壁面収納部100は、通路の壁面1と、一端部が前記壁面1に対して回動可能に設けられた棚板3と、前記棚板3の両側面にそれぞれが着脱可能に結合され、且つ、前記壁面1に対して回動可能に設けられた両側板5とを備え、前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ際に、前記棚板3および前記両側板5が前記壁面1に平行に当接または近接している。ここで、折りたたみ式壁面収納部100は、折りたたみ式壁面収納部収納部の最小単位である。なお、図2に示す折りたたみ式壁面収納部100を1列としたとき、図1における折りたたみ式壁面収納部100a,100b,100cは、6列、3列、2列の折りたたみ式壁面収納部100がそれぞれ設置されている例を示している。
この構造により、前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ状態で、大型の車椅子の使用者でも使いやすい廊下幅等の移動経路を確保可能にすることができる。その一方で、健常者のみが居住する場合に不必要に広いと感じると思われる廊下幅の一部を収納スペースとして有効に利用することができる。
【0027】
(2)そして、更に、図5に示すように、前記棚板3は前記壁面1の上下方向に複数設けられ、前記棚板3の上面を前記壁面1に平行に当接または近接させるために、前記複数の棚板3の端部は前記複数の棚板3が折りたたまれた状態で互いに離れている。図5では、前記棚板3の自由端が上方に移動するよう回動して、前記棚板3の上面が前記壁面1に平行に当接または近接しているが、前記棚板3の下面が前記壁面1に平行に当接または近接するように構成してもよい。
この構造により、棚板3を複数設けることで、使用者の要望に応じて使用する棚板3の数を増減することにより収納スペースの高さを変えたり、収納箇所を増減したりすることができる。また、棚板3を回動して折りたたんだ際に、複数の棚板3の端部が互いに離れて棚板3が壁面に平行に当接または近接している状態にすることが可能なため、棚3を収納するスペースを別途用意する必要がなく、且つ、折りたたみ収納部100(100a,100b,100c,100d)を折りたたんだ際に広い通路幅を確保することができるという効果がある。
【0028】
(3)そして、更に、図2、図5、図6に示すように、前記壁面1に固定された背面板7を更に備え、前記棚板3は前記背面板7に蝶着されている。
この構造により、搬入前に背面板7に複数の棚板3を予め取り付けることが可能となるため、搬入後に少ない作業工数で折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造を設けることができる。
【0029】
(4)そして、更に、図2〜図6に示すように、前記棚板3の前記両側面を挟むように、前記壁面1から前記棚板3の厚み以上に突出し、且つ、前記壁面1の上下方向に延びた両側縁部9を更に備え、前記両側板5はそれぞれ前記両側縁部9に蝶着されている。
この構造により、棚板3および前記両側板5を折りたたんだ際に、棚板3の側面が両側縁部9により隠れるため、棚板3の側面を見せずに綺麗に収納することができる。
【0030】
(5)そして、更に、図3、図4、図5に示すように、前記側板5が上下2つに分割されている。
この構造により、上側の側板5aと下側の側板5bとを任意に展開して使用することができるため、使用者の要望に応じて収納箇所を増減し、多彩なレイアウトにすることができる。
なお、使用者の要望に応じて前記側板5を上下3以上に分割してもよい。また、前記側板5を分割しないで、一枚で構成するようにしてもよい。
【0031】
2.展開時の状態
図6は壁面に設置された折りたたみ式壁面収納部の展開時の平面図であり、図7は展開時の正面図であり、図8は展開時の側面図であり、図9は展開時の棚板3の状態を示す側面図である。
【0032】
(6)そして、更に、図6に示すように、前記棚板の自由端側に前記壁面と平行な手摺部11が設けられている。手摺部11は、前記棚板3の自由端側の上面に前記壁面1と平行な溝部、または、前記棚板3の自由端側に前記壁面1と平行な長孔として設けることができる。
この構造により、棚板3の自由端側に手摺部11を設けることで、歩行困難者が棚板3を手摺として使用できる。
【0033】
図5に示す例では、前記側板5a,5bが前記側縁部9に蝶番4で蝶着され、前記棚板3の下端部が背面板7に蝶番14で蝶着されている。そして、前記側板5a,5bの自由端を壁面1と垂直になるように移動し、その後、前記棚板3の自由端が下方へ移動した際に、前記棚板3の自由端の下部に設けられた凹部3aに前記側板5に取り付けられたフック12の先端部が挿入され、着脱可能に結合される(図7、図9参照)。また、背面板7の壁面1への固定は、外部から見えにくいように釘やねじ等の固定部材19で行う。具体的には、折りたたみ式壁面収納部が展開された際に、棚板3の一端部の側面3bが固定部材19を覆うように壁面1に固定部材19で固定するのが望ましい(図9参照)。
【0034】
3.折りたたみされた状態の各部の具体的な構造
図10は壁面に設置された折りたたみ式壁面収納部の折りたたみされた状態の各部の具体的な構造を示す側面図である。なお、図10は図5のA部分を拡大した図である。
【0035】
前記棚板3の自由端側の上面には、固定された金属プレート13が設けれらている。そして、前記棚板3の自由端を上方に回動して折りたたんだ状態で、前記棚板3に固定された金属プレート13と対応した位置に、ネオジウム磁石などの磁石17が背面板7に埋め込まれている。そして、棚板3の自由端を上方に回動し折りたたんだ際に、金属プレート13と対応して位置する磁石17とで、前記棚板3が背面板7に固定される。
【0036】
前記側板5aの内側には、前記側板5aの上部に固定された金属プレート13が設けれらている。また、背面板7の上部には上縁部15が設けられ、上縁部15にはネオジウム磁石などの磁石17が埋め込まれている。そして、棚板3の自由端を上方に回動し折りたたんだ後、前記側板5aを前記棚板3の方向に折りたたんだ際に、金属プレート13と対
応して位置する磁石17とで、側板5aが上縁部15に固定される。なお、側板5bの上部も側板5aの上部と同様の方法により固定される。
【0037】
また、背面板7の下部には下縁部16が設けられ、下縁部16には磁石17が埋め込まれている。そして、前記側板5bを前記棚板3の方向に折りたたんだ際に、金属プレート13の位置と対応して位置する磁石17とで、側板5bが下縁部16に固定される。
【0038】
4.折りたたみ式壁面収納部の展開例1
図11から図13を参照して、壁面1に設置された折りたたみ式壁面収納部100aの折りたたみされた状態および展開された状態を説明する。
【0039】
図11は、前記側板5a,5bの上下2つに分割されている折りたたみ式壁面収納部において、上下方向に配置された複数の前記棚板3および左右方向に配置された複数の前記両側板5a,5bを折りたたんだ際に、前記棚板3および前記両側板5a,5bが前記壁面1に平行に当接または近接している状態を示す。これにより、折りたたみ式壁面収納部100aを折りたたむことにより廊下幅を広くできるため、大型の車椅子の使用者でも使いやすい廊下幅等の移動経路を確保できる。
【0040】
また、図12は、壁面に設置された折りたたみ式壁面収納部100aの下部を展開した状態において、前記棚板3の自由端側に前記壁面1と平行な手摺部11が設けられている。これにより、歩行困難者が棚板3を手摺として使用できるように展開した例である。
【0041】
また、図13は、壁面に設置された折りたたみ式壁面収納部100aの上部および下部を展開した状態である、これにより、健常者のみが居住する場合に不必要に広いと感じると思われる廊下幅を収納スペースとして有効に利用することができる。
【0042】
5.折りたたみ式壁面収納部の展開例2
図14(a)〜(d)は、折りたたみ式壁面収納部100aの左側の一部を展開した例を示す。例えば、図14(a)〜図14(d)に示すレイアウト(右側2列分の折りたたみ式壁面収納部を折りたたんだ状態)を使用すると、トイレスペース50へ車椅子に乗ったまま出入りすることができる通路幅が確保可能となる。図14(a)〜図14(d)に示すレイアウトにおいて、さらに、右側3列分の折りたたみ式壁面収納部を折りたたんだ状態にすると、洗面スペース60へ車椅子に乗ったまま出入りすることができる通路幅が確保可能となる。
【0043】
なお、図12においては、下部のすべてを展開した状態を示した。しかし、これに限らず、図14において、左側4列の下部だけを展開するようにしてもよい。このように、使用者の要望に応じて収納箇所を増減し、多彩なレイアウトにすることができる。
【0044】
6.折りたたみ式壁面収納部を埋め込んだ例
図15(a)〜(d)は壁面に折りたたみ式壁面収納部一部が埋め込まれた例を示す。
【0045】
図15(a)〜(d)に示すように折りたたみ式壁面収納部を設けることにより、前記両側板5a,5bが前記棚板3を覆っている際に露出している他の壁面1aと、前記側板5とが略同一面となるようにすることができる。即ち、前記露出している他の壁面1aに対して、前記棚板3が回動可能に設けられた壁面1が凹んでいるようにしてもよい。これにより、壁面1が凹んでいない場合に比べてより広い通路幅を確保することができる。
【0046】
以上説明したように、前記棚板3および前記両側板5を折りたたんだ状態で、大型の車椅子の使用者でも使いやすい廊下幅等の移動経路を確保可能にすることができ、その一方
で、健常者のみが居住する場合に不必要に広いと感じると思われる廊下幅の一部を収納スペースとして有効に利用することができる壁面に設置された折りたたみ式壁面収納部有する住宅の通路構造を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 壁面
1a 他の壁面
3 棚板
3a 棚板の凹部
3b 棚板の一端部の側面
4,14 蝶番
5 側板
7 背面板
9 側縁部
11 手摺部
12 フック
13 金属プレート
15 上縁部
16 下縁部
17 磁石
80a,80b 通路構造
100,100a,100b,100c,100d 折りたたみ式壁面収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路の壁面と、
一端部が前記壁面に対して回動可能に設けられた棚板と、
前記棚板の両側面にそれぞれが着脱可能に結合され、且つ、前記壁面に対して回動可能に設けられた両側板と
を備え、
前記棚板および前記両側板を折りたたんだ際に、前記棚板および前記両側板が前記壁面に平行に当接または近接していることを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。
【請求項2】
請求項1に記載の折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造において、
前記棚板は前記壁面の上下方向に複数設けられ、前記棚板の上面または下面を前記壁面に平行に当接または近接させるために、前記複数の棚板の端部は前記複数の棚板が折りたたまれた状態で互いに離れていることを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造において、
前記壁面に固定された背面板を更に備え、
前記棚板は前記背面板に蝶着されている
ことを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造において、
前記棚板の前記両側面を挟むように、前記壁面から前記棚板の厚み以上に突出し、且つ、前記壁面の上下方向に延びた両側縁部を更に備え、
前記両側板はそれぞれ前記両側縁部に蝶着されている
ことを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造において、
前記側板が上下に2以上に分割されていることを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造において、
前記棚板の自由端側に前記壁面と平行な手摺部が設けられていることを特徴とする折りたたみ式壁面収納部を有する住宅の通路構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−132147(P2012−132147A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282594(P2010−282594)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】