体動測定装置
【課題】安価な構成で装置の角度検出を可能とし、装置の角度変化によらず常に鉛直方向の体動を測定する体動測定装置を提供する。
【解決手段】体動センサにおいて、重力加速度成分を含む異なる方向の体動を検出し、重力加速度成分演算手段において前記重力加速度の各検出方向成分を演算し、角度演算手段において各検出方向の鉛直方向に対する角度を演算し、体動出力演算手段において前記重力加速度の各検出方向成分を除く体動出力を演算し、鉛直方向出力演算手段において体動出力の鉛直方向成分を演算し、体動カウント手段において所定の体動をカウントする。
【解決手段】体動センサにおいて、重力加速度成分を含む異なる方向の体動を検出し、重力加速度成分演算手段において前記重力加速度の各検出方向成分を演算し、角度演算手段において各検出方向の鉛直方向に対する角度を演算し、体動出力演算手段において前記重力加速度の各検出方向成分を除く体動出力を演算し、鉛直方向出力演算手段において体動出力の鉛直方向成分を演算し、体動カウント手段において所定の体動をカウントする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる方向の体動を重力加速度の影響を含めて検出する体動センサを備えた体動測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の体動測定装置においては、異なる方向の体動の大きさを検出可能な体動センサと、前記各体動センサのセンシング角度を検出する角度検出センサとを備え、前記体動の大きさとセンシング角度とから算出される体動の合成ベクトルの鉛直方向成分を体動として検出する体動測定装置を用いて歩数を検出する歩数計があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記体動センサにより検出される異なる方向の体動の内、出力の大きな方の体動センサの出力を選択する体動測定装置により、前記選択された出力に基づいて歩数をカウントする歩数計があった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平09−223214号公報
【特許文献2】特許3543778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開平09−223214号公報に記載の体動測定装置は、前記体動センサとは別途、前記角度検出センサを備えておかなければならず、コストアップに繋がる。
【0005】
また、特許3543778号公報に記載の体動測定装置は、装置の傾きにより体動センサに感度差を生じるため、本来歩数として検出されるべき前記選択された出力であっても、歩数をカウントするのに満足な出力値が得られず、カウントされない場合があった。
【0006】
従って本発明は上述の問題点を解決し、安価な構成で装置の角度検出を可能とし、装置の角度変化によらず常に鉛直方向の体動を測定する体動測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えた体動測定装置を提供する。
【0008】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成る。
【0009】
また、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算する。
【0010】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算する。
【0011】
また、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算する。
【0012】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の体動測定装置は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えたことから、角度センサなどを別途設けることなく本装置の傾きを検出可能であり、歩数をカウントするのに最も大きい運動となる鉛直方向の振動を確実に捉えることができ、鉛直方向の体動を持って歩数を検出することが可能であり、本装置を単に水平方向に移動させただけで歩数としてカウントしてしまったり、体動センサの角度変化のため鉛直方向を検出できず歩数としてカウントされなかったり、というような測定誤差を防ぐことができ精度の高い測定が可能である。
【0014】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成り、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算することから、前記合成ベクトルから必ず鉛直方向が得られ、常に本装置の傾きを正確に検出することが可能である。
【0015】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算し、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算することから、各体動センサにより各々重力加速度の影響下で測定した体動の信号から、簡便に重力加速度と体動とを区別して出力することが可能である。
【0016】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えたことから、特定方向への運動を検出可能であり、例えば、歩行における上下方向の体動にのみ帰着していた消費エネルギーなどの算出も水平方向の動きを加味したものに応用できる可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の体動測定装置は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えて構成する。
【0018】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成り、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算するものである。
【0019】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算し、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算するものである。
【0020】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えて構成する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1は、互いに直交する2方向の体動を検出するように配した2つの体動センサを用いて歩行をカウントする体動測定装置を例とし、以下に図面を用いて説明する。
【0022】
まず、図1及び図2により実施例1の体動測定装置の構成を説明する。図1は、前記2つの体動センサを内蔵した体動測定装置を傾斜して携帯している状態を示す外観正面図であり、図2は電気ブロック図である。
【0023】
実施例1において、体動測定装置1は、正面に入力装置2及び表示装置3を備え、内部には前記2つの体動センサ4を備え、更に増幅器5、6、A/D変換器7、8、記憶装置9、CPU10とから構成するものである。
【0024】
前記入力装置2は、各種設定、測定開始及び終了などを入力するために備えたものであり、前記表示装置は、各種ガイダンス又は測定結果などを表示する。また、前記体動センサ4は図1に図示したように、X軸方向に感度を有するX軸体動センサ4aと、Y軸方向に感度を有するY軸体動センサ4bとから成り、各軸方向にかかる重力加速度成分を含む体動信号を一定のサンプリング周期で取得するものである。ここで本実施例において、被験者は、前記体動測定装置1を鉛直方向及び水平方向に対して、図1に示すような傾きを持ってベルトに装着しているか又はポケットに入れて携帯しているものとする。
【0025】
前記記憶装置9は、前記X軸体動センサ4aの信号を格納するX軸用バッファ9aと、同じく前記Y軸体動センサ4bの信号を格納するY軸用バッファ9bとを備えてなる。
【0026】
また、前記X軸体動センサ4aは、増幅器6及びA/D変換器8を介してCPU10に接続され、前記体動センサ4bも同じく、増幅器7及びA/D変換器9を介してCPU10に接続され、前記各体動センサ4a及び4bで検出されたアナログ信号をディジタル信号としてCPU10に送られる。前記CPU10は、重力加速度成分演算手段、角度演算手段、体動出力演算手段、鉛直方向出力演算手段及び体動カウント手段とを兼ねるものである。
【0027】
前記各演算手段を各々図3乃至図9も含めて説明する。図3及び図4は各々X軸及びY軸体動センサ4a及び4bにより検出された、歩行時の体動信号の時間変化を示す波形であり、図5は各体動センサ4a及び4bにかかる重力加速度成分と鉛直方向に対する角度との関係を示す図であり、図6は実際の体動の鉛直方向出力と各体動センサ4a及び4bの体動出力との関係を示す図であり、図7及び図8は各々X軸及びY軸方向の体動出力の鉛直方向成分を示す図であり、図9は前記体動の鉛直方向出力の時間変化を示す図である。
【0028】
前記重力加速度成分演算手段は、前記X軸用及びY軸用バッファ9a及び9bに各々格納された、所定区間の体動信号に基づき、重力加速度の各検出方向成分を演算するものである。
【0029】
例えば、歩行のようにある一定のリズムの動作を検出する場合、図3に示すように前記X軸体動センサ4aにより検出される信号は、時間変化と共に図示したような信号波形を形成する。また、前記信号はX軸方向にかかる重力加速度の影響下における体動の振動を検出したものである。すなわち、体動がない場合であっても、前記X軸が水平方向より傾いた場合、X軸体動センサ4aはX軸方向に働く重力加速度を検出することになる。
【0030】
ここで、前記X軸体動センサ4aの感度方向が水平方向にあり、重力加速度成分を検出しない場合の体動信号をX0とすると、体動測定装置1は図1に示すようにX軸のマイナス検出方向に傾いており、前記X軸体動センサ4aで検出される体動は常にマイナスの重力加速度成分XGの影響下で出力されるため、図3に示したように前記X0よりもマイナス方向にXGを基線とする信号波形を形成するものである。前記XGは前記信号波形の所定区間の体動信号の平均値を取ることにより演算可能であり、これにより、重力加速度のX軸方向成分が演算される。
【0031】
また、Y軸方向においても同様である。図1においてY軸体動センサ4bはY軸方向のプラス感度方向に常に重力加速度YGが検出されるため、図4に示すように、Y軸の感度方向が水平方向のときの信号Y0に対してプラス方向の重力加速度成分YGを基線とする波形を形成し、前記YGは前記XGと同様にして、前記信号波形の所定区間の体動信号の平均値を取ることにより演算可能である。
【0032】
ここで、前記所定区間の体動信号とは、前記体動信号の極値間を一区間とした中の全サンプリングデータを示すものであり、例えば、図3及び図4中にP−P区間として示した、前記体動信号の時間変化の上限ピーク値及び下限ピーク値間を一区間とするものである。
【0033】
また、前記角度演算手段は、前記算出した重力加速度のX軸方向成分XG及びY軸方向成分YGとから、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを算出するものである。ここでは、鉛直方向に対するX軸及びY軸方向の角度を算出するものとする。すなわち、図5に示すように前記XGとYGとは重力加速度の分力であることから、XGとYGとの合成ベクトルVGは鉛直下方(重力加速度方向)にVG=(XG2+YG2)−2として表される。したがって、鉛直方向に対するX軸の角度Θx=cos−1(XG/VG)及び鉛直方向に対するY軸の角度Θy=cos−1(YG/VG)として表される。
【0034】
前記体動出力演算手段は、前記重力加速度の各検出成分XG及びYGを前記X0及びY0としたときの各信号を体動出力Xout及びYoutとして演算するものであり、これにより各サンプリングデータの重力加速度の影響を排した体動のみの出力を得ることが可能である。
【0035】
前記鉛直方向出力演算手段は、図6に示すように、前記鉛直方向に対するX軸及びY軸の角度Θx及びΘyと、前記体動出力Xout及びYoutとから、各軸の体動出力の鉛直方向成分を算出し、この合成ベクトルを、実際の体動の鉛直方向出力Mとして算出するものである。すなわち、図7及び図8に示すように、前記Xout及びYoutの各鉛直方向成分XoutcosΘx及びYoutcosΘyを合成し、M=XoutcosΘx+YoutcosΘyとして表される。
【0036】
前記体動カウント手段は、体動センサの出力値を用いて歩数をカウントする公知のカウント手段であり、例えば、図9に示すように、前記体動の鉛直方向出力Mが、予め設定された所定の閾値以上になってから再び前記閾値以下になるまで(図9中Aに示す丸囲み部)を一回としてカウントするものである。
【0037】
以下、本実施例の体動測定装置1の動作を図10乃至図12のフローチャートを用いて説明する。図10はメイン動作を示すメインフローチャートであり、図11はピーク値を検出する処理を示すサブルーチンであり、図12は歩数をカウントする処理を示すサブルーチンである。
【0038】
まず、図10のメインルーチンにおいて、入力装置2により測定開始を入力すると体動測定装置1の電源がオンされ、ステップS1において装置の初期設定がなされる。ステップS2において、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bの各々において、重力加速度を含む体動信号が検出され、各増幅器5及び6、各A/D変換器7及び8を介してCPU10にディジタルデータとしてサンプリングされる。
【0039】
ステップS3のピーク値検出処理においては、図11のサブルーチンを用いて詳述するが、前記各重力加速度成分XG及びYGを取得する前記P−P区間を検出するために、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bの各サンプリングデータの時間変化の上限及び下限ピーク値を検出する処理である。
【0040】
ステップS4においては、前記ピーク値が一つ以上検出されたか否かが、ステップS3においてカウントされるピーク検出カウンタによって判断される。ピーク値が検出されておらずP<1の場合にはNOに進み、ステップS2に戻り再びX軸及びY軸体動センサ4a及び4bによる体動信号のサンプリングを開始する。
【0041】
また、前記ステップS3の処理によりピーク値が検出されP≧1の場合にはYESに進み、ステップS5において、図11において詳述する、ステップS3の処理において用いた、Xbuf及びYbufの値を記憶装置9のX軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々格納し、バッファアドレスnを1カウントアップしてn=n+1として記憶する。続くステップS6において、前記ピーク検出カウンタPが予め設定してあるPmaxに達したかどうか判断される。ここで、前記PmaxはP−P区間の範囲を設定するものである。
【0042】
PがPmaxに達していない場合にはNOに進み、再びステップS2においてサンプリングデータの取得を開始し、PがPmaxに達した場合にはYESに進み、ステップS7において、前述したCPU10内の重力加速度成分演算手段により、前記X軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々バッファアドレスn=1からnまで記憶してあるP−P区間のサンプリングデータの平均値を演算し、各P−P区間の波形の基線として現れる各重力加速度成分XG及びYGを算出する。
【0043】
続くステップS8において、前記各重力加速度成分XG及びYGに基づいて、前述したCPU10内の角度演算手段により鉛直方向に対するX軸及びY軸のなす角Θx及びΘyを演算する。すなわち、記憶装置9に記憶してある、VG=(XG2+YG2)−2、Θx=cos−1(XG/VG)及びΘy=cos−1(YG/VG)なる演算式を読み込み、前記角度Θx及びΘyを算出し、記憶装置9に一時記憶する。
【0044】
ステップS9においては、X軸用及びY軸用バッファ9a及び9bの各々において、前記バッファアドレスn=1からnmaxまで記憶されたサンプリングデータを順次読み込むため、バッファアドレスをn=0まで戻し、続くステップS10において、バッファアドレスをn=n+1として順次カウントアップして、X軸及びY軸の体動信号波形の前記P−P区間を形成するサンプリングデータを一つずつ読み込んでいく。
【0045】
ステップS11において、前記X軸及びY軸各々において読み込まれた前記P−P区間内の各1つのサンプリングデータと前記重力加速度成分XG及びYGとの差分から、前述したCPU10内の体動出力演算手段により、体動出力Xout及びYoutを演算する。続くステップS12において、前記角度Θx及びΘy、体動出力Xout及びYoutに基づいて、実際の鉛直方向の体動を示す鉛直方向出力Mを演算する。これも前述したCPU10内の鉛直方向ベクトル演算手段により、記憶装置9に予め記憶してあるM=XoutcosΘx+YoutcosΘyなる式を用いて演算する。更に続くステップS13において、前記鉛直方向体動出力Mに基づいて、図12を用いて後述するが、前記CPU10内の体動カウント手段により公知の歩数カウント処理を用いて歩数を検出する。
【0046】
続くステップS14において、前記バッファアドレスがn=nmax(P=Pmax時のサンプリングデータを格納したバッファアドレス)に達したかどうか判断される。達していなければNOに進み、再びステップS10においてバッファアドレスをn=n+1としてカウントアップし、次のサンプリングデータを読み込み、上記ステップS11からステップS13までの一連の処理を繰り返し、nmaxに達したと判断されると、前記P−P区間の全サンプリングデータに対して上記処理が完了したと見なしYESに進み、ステップS15において、次のP−P区間処理へ移行するためのX軸及びY軸用バッファ9a及び9b内及びピーク回数カウンタの設定を行なう。すなわち、前記各バッファ9a及び9b内においては、バッファアドレスn=nmaxに格納してあるサンプリングデータをバッファアドレスn=1の中に上書きして格納し、更に、ピーク値を検出するために取得した最新のサンプリングデータ(すなわちバッファアドレスn=nmax+1のサンプリングデータ)をバッファアドレスn=2の中に上書きして格納して、それ以外の各バッファ9a及び9b内のサンプリングデータをクリアする。これにより、次のP−P区間の最初のサンプリングデータが前記ピーク値であることから、ピーク回数カウンタをP=1として設定し、再びステップS2からの処理を繰り返し、次のP−P区間の処理を行なうものである。
【0047】
ここで、前記ステップS3のピーク検出処理に関して、図11のサブルーチンを用いて詳述する。すなわち、X軸及びY軸体動センサ4a及び4bによりサンプリングデータが取得されると、図11のピーク検出処理に移行し、ステップS21において、前記取得したサンプリングデータをX軸及びY軸用バッファ9a及び9b各々にcalbufX及びcalbufYとして格納する。続くステップS22において、前記X軸及びY軸用バッファ9a及び9b内に前回のサンプリングデータXbuf及びYbufがあるかどうか判断される。無ければNOに進み、ステップS27において、前記calbufX及びcalbufYをXbuf及びYbufとして格納して、図10のメインルーチンに戻る。
【0048】
また、ステップS22において、前回サンプリングデータがXbuf及びYbufとして格納されている場合YESに進み、ステップS23において、前記Xbuf及びYbufとcalbufX及びcalbufYとをCPU10の制御をもって記憶装置9より読み込み、各々calbufX−Xbuf及びcalbufY−Ybufとして差分を取ることにより、X軸及びY軸各々の振動の向きが検出される。続くステップS24において、検出された振動の向きが前回検出された振動の向きと同じかどうか判断される。前回の振動が検出されていない又は前回の振動と同じ向きであると判断されるとNOに進み、ステップS26において、各振動方向をプラス方向又はマイナス方向として格納又は上書きして格納する。また、検出された振動の向きが前回と逆向きになった場合YESに進み、ステップS25において、ピーク値が検出されたと見なし、ピーク回数カウンタPをP=P+1としてカウントを進め、前記同様にステップS26において各振動方向を各バッファ9a及び9bに上書きして格納し、前述と同様にして、calbufX及びcalbufYをXbuf及びYbufとしてバッファ9a及び9bに格納して、図10のメインルーチンに戻る。
【0049】
また、前記ステップS13に示した歩数カウント処理を図12を用いて詳述する。この歩数カウント処理は予め歩数検出に足る前記鉛直方向出力Mを判別する閾値を設定しておき、前記閾値を越えて前記鉛直方向出力Mが検出された状態から前記閾値を下回った場合に歩数をカウントアップするものである。
【0050】
すなわち、前記鉛直方向出力Mが算出されると、図12の歩数カウント処理に移行し、ステップS31において、歩数として検出するに足る出力を判別する閾値を前記体動出力Mが越えていることを示すフラグ1がセットされているかどうか判別する。フラグ1がセットされていない場合、まだ前記閾値を超える鉛直方向出力Mが検出されていないと判断されNOに進み、ステップS32において、前記算出した鉛直方向体動出力Mが前記閾値を超えているか否かが判断される。超えていなければNOに進み、そのまま図10のメインルーチンに戻り、超えていればYESに進み、ステップS33において前記フラグ1をセットした後に図10のメインルーチンに戻る。
【0051】
また前記ステップS31において、フラグ1がセットされている、すなわち前記閾値を超える鉛直方向出力Mがすでに検出されている状態にあると判断された場合YESに進み、ステップS34において、前記鉛直方向出力Mが前記閾値を下回ったか否かが判断される。前記閾値を越えている場合にはNOに進み、そのまま図10のメインルーチンに戻り、下回った場合はYESに進み、ステップS35において、前述したように歩数をカウントアップし記憶装置9に記憶する。
【0052】
なお、本実施例においては、図10のステップS3乃至ステップS6に示したように、X軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々格納されたP−P区間内の全サンプリングデータの平均値をもって、X軸及びY軸各々の歩行の信号波形における基線となる重力加速度成分XG及びYGを求めたが、ピーク値検出時のサンプリングデータのみの平均値を求めて、前記重力加速度成分XG及びYGとしても良い。
【0053】
また、前記P−P区間を検出することなく、予め一定時間を一区間として設定しておき、前記一定時間内に取得されたサンプリングデータの平均値をもって前記波形の基線としても良い。このとき、歩行などの一定のリズムの波形に対する前記区間の取り方によって、各区間で生じる平均値のばらつきを軽減するため、前記予め設定される一定時間は、検出される信号波形の1周期に比べ十分長い時間を設定するのが好ましい。しかしながら、現実的には、歩行は上下方向に数(cm)の振幅の往復運動であり、重力加速度に比べ加速度変化は極めて小さいと言えることから、前記一区間の時間は歩行周期にとらわれることなく短い時間でも良い。
【0054】
また、図10のフローチャートのステップS8に示した鉛直方向に対するX軸及びY軸方向のなす角Θx及びΘyの演算においては、図5に示すように、XG及びYGの合成ベクトルVGに対して各々XG及びYGを算出したが、図5からも明らかなように、Θx=tan―1(YG/XG)としてΘxを求め、X軸とY軸とは直交していることから、ステップS12の鉛直方向体動出力Mの演算においては、M=XoutcosΘx+YoutsinΘxとしても良い。
【0055】
また、本実施例においては、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bを用いて、互いに直交する2方向の体動信号を検出したが、更に前記X軸及びY軸に各々直交するZ軸体動センサを加え、互いに直交する3方向の体動信号を検出する装置に用いても良い。この場合、図示しないが、装置構成は、図2に示した前記実施例の電気ブロック図を基に、Z軸体動センサ4cと共に増幅器及びA/D変換器を備え、記憶装置9内にZ軸用バッファ9cを更に備えて構成する。また、動作は図10及び図11に示した前記実施例の手順を基に、前記X軸及びY軸方向に関する各手順において、X軸及びY軸と同様にしてZ軸方向に関する検出、演算及びバッファ処理などを加えることにより前術の実施例と同様に処理可能である。
【0056】
更に、本実施例においては、鉛直方向に対するX軸及びY軸の角度Θx及びΘyを演算し、体動の鉛直方向出力Mの大きさの判定により歩数をカウントするものであったが、鉛直方向以外の特定方向を基準とし、本実施例の手順を同様に用いて、前記特定方向に対する各軸の角度を演算し、体動の特定方向出力を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施例の体動測定装置の外観及び傾きを示す図である。
【図2】本実施例の体動測定装置の電気ブロック図である。
【図3】歩行時のX軸方向の体動信号の時間変化を示すグラフである。
【図4】歩行時のY軸方向の体動信号の時間変化を示すグラフである。
【図5】各体動センサにかかる重力加速度成分と鉛直方向に対する角度との関係を示す図である。
【図6】実際の体動方向の鉛直方向成分と各軸体動センサの出力との関係を示す図である。
【図7】X軸方向の体動出力の鉛直成分を示す図である。
【図8】Y軸方向の体動出力の鉛直成分を示す図である。
【図9】体動出力の鉛直成分の時間変化を示す図である。
【図10】本実施例の体動測定装置の動作を示すメインルーチンである。
【図11】ピーク値を検出処理を示すサブルーチンである。
【図12】歩数カウント処理を示すサブルーチンである。
【符号の説明】
【0058】
1 体動測定装置
2 入力装置
3 表示装置
4 体動センサ
4a X軸体動センサ
4b Y軸体動センサ
5、6 増幅器
7、8 A/D変換器
9 記憶装置
9a X軸用バッファ
9b Y軸用バッファ
10 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる方向の体動を重力加速度の影響を含めて検出する体動センサを備えた体動測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の体動測定装置においては、異なる方向の体動の大きさを検出可能な体動センサと、前記各体動センサのセンシング角度を検出する角度検出センサとを備え、前記体動の大きさとセンシング角度とから算出される体動の合成ベクトルの鉛直方向成分を体動として検出する体動測定装置を用いて歩数を検出する歩数計があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、前記体動センサにより検出される異なる方向の体動の内、出力の大きな方の体動センサの出力を選択する体動測定装置により、前記選択された出力に基づいて歩数をカウントする歩数計があった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平09−223214号公報
【特許文献2】特許3543778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開平09−223214号公報に記載の体動測定装置は、前記体動センサとは別途、前記角度検出センサを備えておかなければならず、コストアップに繋がる。
【0005】
また、特許3543778号公報に記載の体動測定装置は、装置の傾きにより体動センサに感度差を生じるため、本来歩数として検出されるべき前記選択された出力であっても、歩数をカウントするのに満足な出力値が得られず、カウントされない場合があった。
【0006】
従って本発明は上述の問題点を解決し、安価な構成で装置の角度検出を可能とし、装置の角度変化によらず常に鉛直方向の体動を測定する体動測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えた体動測定装置を提供する。
【0008】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成る。
【0009】
また、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算する。
【0010】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算する。
【0011】
また、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算する。
【0012】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の体動測定装置は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えたことから、角度センサなどを別途設けることなく本装置の傾きを検出可能であり、歩数をカウントするのに最も大きい運動となる鉛直方向の振動を確実に捉えることができ、鉛直方向の体動を持って歩数を検出することが可能であり、本装置を単に水平方向に移動させただけで歩数としてカウントしてしまったり、体動センサの角度変化のため鉛直方向を検出できず歩数としてカウントされなかったり、というような測定誤差を防ぐことができ精度の高い測定が可能である。
【0014】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成り、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算することから、前記合成ベクトルから必ず鉛直方向が得られ、常に本装置の傾きを正確に検出することが可能である。
【0015】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算し、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算することから、各体動センサにより各々重力加速度の影響下で測定した体動の信号から、簡便に重力加速度と体動とを区別して出力することが可能である。
【0016】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えたことから、特定方向への運動を検出可能であり、例えば、歩行における上下方向の体動にのみ帰着していた消費エネルギーなどの算出も水平方向の動きを加味したものに応用できる可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の体動測定装置は、異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えて構成する。
【0018】
また、前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成り、前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算するものである。
【0019】
また、前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算し、前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算するものである。
【0020】
更に、前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えて構成する。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1は、互いに直交する2方向の体動を検出するように配した2つの体動センサを用いて歩行をカウントする体動測定装置を例とし、以下に図面を用いて説明する。
【0022】
まず、図1及び図2により実施例1の体動測定装置の構成を説明する。図1は、前記2つの体動センサを内蔵した体動測定装置を傾斜して携帯している状態を示す外観正面図であり、図2は電気ブロック図である。
【0023】
実施例1において、体動測定装置1は、正面に入力装置2及び表示装置3を備え、内部には前記2つの体動センサ4を備え、更に増幅器5、6、A/D変換器7、8、記憶装置9、CPU10とから構成するものである。
【0024】
前記入力装置2は、各種設定、測定開始及び終了などを入力するために備えたものであり、前記表示装置は、各種ガイダンス又は測定結果などを表示する。また、前記体動センサ4は図1に図示したように、X軸方向に感度を有するX軸体動センサ4aと、Y軸方向に感度を有するY軸体動センサ4bとから成り、各軸方向にかかる重力加速度成分を含む体動信号を一定のサンプリング周期で取得するものである。ここで本実施例において、被験者は、前記体動測定装置1を鉛直方向及び水平方向に対して、図1に示すような傾きを持ってベルトに装着しているか又はポケットに入れて携帯しているものとする。
【0025】
前記記憶装置9は、前記X軸体動センサ4aの信号を格納するX軸用バッファ9aと、同じく前記Y軸体動センサ4bの信号を格納するY軸用バッファ9bとを備えてなる。
【0026】
また、前記X軸体動センサ4aは、増幅器6及びA/D変換器8を介してCPU10に接続され、前記体動センサ4bも同じく、増幅器7及びA/D変換器9を介してCPU10に接続され、前記各体動センサ4a及び4bで検出されたアナログ信号をディジタル信号としてCPU10に送られる。前記CPU10は、重力加速度成分演算手段、角度演算手段、体動出力演算手段、鉛直方向出力演算手段及び体動カウント手段とを兼ねるものである。
【0027】
前記各演算手段を各々図3乃至図9も含めて説明する。図3及び図4は各々X軸及びY軸体動センサ4a及び4bにより検出された、歩行時の体動信号の時間変化を示す波形であり、図5は各体動センサ4a及び4bにかかる重力加速度成分と鉛直方向に対する角度との関係を示す図であり、図6は実際の体動の鉛直方向出力と各体動センサ4a及び4bの体動出力との関係を示す図であり、図7及び図8は各々X軸及びY軸方向の体動出力の鉛直方向成分を示す図であり、図9は前記体動の鉛直方向出力の時間変化を示す図である。
【0028】
前記重力加速度成分演算手段は、前記X軸用及びY軸用バッファ9a及び9bに各々格納された、所定区間の体動信号に基づき、重力加速度の各検出方向成分を演算するものである。
【0029】
例えば、歩行のようにある一定のリズムの動作を検出する場合、図3に示すように前記X軸体動センサ4aにより検出される信号は、時間変化と共に図示したような信号波形を形成する。また、前記信号はX軸方向にかかる重力加速度の影響下における体動の振動を検出したものである。すなわち、体動がない場合であっても、前記X軸が水平方向より傾いた場合、X軸体動センサ4aはX軸方向に働く重力加速度を検出することになる。
【0030】
ここで、前記X軸体動センサ4aの感度方向が水平方向にあり、重力加速度成分を検出しない場合の体動信号をX0とすると、体動測定装置1は図1に示すようにX軸のマイナス検出方向に傾いており、前記X軸体動センサ4aで検出される体動は常にマイナスの重力加速度成分XGの影響下で出力されるため、図3に示したように前記X0よりもマイナス方向にXGを基線とする信号波形を形成するものである。前記XGは前記信号波形の所定区間の体動信号の平均値を取ることにより演算可能であり、これにより、重力加速度のX軸方向成分が演算される。
【0031】
また、Y軸方向においても同様である。図1においてY軸体動センサ4bはY軸方向のプラス感度方向に常に重力加速度YGが検出されるため、図4に示すように、Y軸の感度方向が水平方向のときの信号Y0に対してプラス方向の重力加速度成分YGを基線とする波形を形成し、前記YGは前記XGと同様にして、前記信号波形の所定区間の体動信号の平均値を取ることにより演算可能である。
【0032】
ここで、前記所定区間の体動信号とは、前記体動信号の極値間を一区間とした中の全サンプリングデータを示すものであり、例えば、図3及び図4中にP−P区間として示した、前記体動信号の時間変化の上限ピーク値及び下限ピーク値間を一区間とするものである。
【0033】
また、前記角度演算手段は、前記算出した重力加速度のX軸方向成分XG及びY軸方向成分YGとから、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを算出するものである。ここでは、鉛直方向に対するX軸及びY軸方向の角度を算出するものとする。すなわち、図5に示すように前記XGとYGとは重力加速度の分力であることから、XGとYGとの合成ベクトルVGは鉛直下方(重力加速度方向)にVG=(XG2+YG2)−2として表される。したがって、鉛直方向に対するX軸の角度Θx=cos−1(XG/VG)及び鉛直方向に対するY軸の角度Θy=cos−1(YG/VG)として表される。
【0034】
前記体動出力演算手段は、前記重力加速度の各検出成分XG及びYGを前記X0及びY0としたときの各信号を体動出力Xout及びYoutとして演算するものであり、これにより各サンプリングデータの重力加速度の影響を排した体動のみの出力を得ることが可能である。
【0035】
前記鉛直方向出力演算手段は、図6に示すように、前記鉛直方向に対するX軸及びY軸の角度Θx及びΘyと、前記体動出力Xout及びYoutとから、各軸の体動出力の鉛直方向成分を算出し、この合成ベクトルを、実際の体動の鉛直方向出力Mとして算出するものである。すなわち、図7及び図8に示すように、前記Xout及びYoutの各鉛直方向成分XoutcosΘx及びYoutcosΘyを合成し、M=XoutcosΘx+YoutcosΘyとして表される。
【0036】
前記体動カウント手段は、体動センサの出力値を用いて歩数をカウントする公知のカウント手段であり、例えば、図9に示すように、前記体動の鉛直方向出力Mが、予め設定された所定の閾値以上になってから再び前記閾値以下になるまで(図9中Aに示す丸囲み部)を一回としてカウントするものである。
【0037】
以下、本実施例の体動測定装置1の動作を図10乃至図12のフローチャートを用いて説明する。図10はメイン動作を示すメインフローチャートであり、図11はピーク値を検出する処理を示すサブルーチンであり、図12は歩数をカウントする処理を示すサブルーチンである。
【0038】
まず、図10のメインルーチンにおいて、入力装置2により測定開始を入力すると体動測定装置1の電源がオンされ、ステップS1において装置の初期設定がなされる。ステップS2において、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bの各々において、重力加速度を含む体動信号が検出され、各増幅器5及び6、各A/D変換器7及び8を介してCPU10にディジタルデータとしてサンプリングされる。
【0039】
ステップS3のピーク値検出処理においては、図11のサブルーチンを用いて詳述するが、前記各重力加速度成分XG及びYGを取得する前記P−P区間を検出するために、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bの各サンプリングデータの時間変化の上限及び下限ピーク値を検出する処理である。
【0040】
ステップS4においては、前記ピーク値が一つ以上検出されたか否かが、ステップS3においてカウントされるピーク検出カウンタによって判断される。ピーク値が検出されておらずP<1の場合にはNOに進み、ステップS2に戻り再びX軸及びY軸体動センサ4a及び4bによる体動信号のサンプリングを開始する。
【0041】
また、前記ステップS3の処理によりピーク値が検出されP≧1の場合にはYESに進み、ステップS5において、図11において詳述する、ステップS3の処理において用いた、Xbuf及びYbufの値を記憶装置9のX軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々格納し、バッファアドレスnを1カウントアップしてn=n+1として記憶する。続くステップS6において、前記ピーク検出カウンタPが予め設定してあるPmaxに達したかどうか判断される。ここで、前記PmaxはP−P区間の範囲を設定するものである。
【0042】
PがPmaxに達していない場合にはNOに進み、再びステップS2においてサンプリングデータの取得を開始し、PがPmaxに達した場合にはYESに進み、ステップS7において、前述したCPU10内の重力加速度成分演算手段により、前記X軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々バッファアドレスn=1からnまで記憶してあるP−P区間のサンプリングデータの平均値を演算し、各P−P区間の波形の基線として現れる各重力加速度成分XG及びYGを算出する。
【0043】
続くステップS8において、前記各重力加速度成分XG及びYGに基づいて、前述したCPU10内の角度演算手段により鉛直方向に対するX軸及びY軸のなす角Θx及びΘyを演算する。すなわち、記憶装置9に記憶してある、VG=(XG2+YG2)−2、Θx=cos−1(XG/VG)及びΘy=cos−1(YG/VG)なる演算式を読み込み、前記角度Θx及びΘyを算出し、記憶装置9に一時記憶する。
【0044】
ステップS9においては、X軸用及びY軸用バッファ9a及び9bの各々において、前記バッファアドレスn=1からnmaxまで記憶されたサンプリングデータを順次読み込むため、バッファアドレスをn=0まで戻し、続くステップS10において、バッファアドレスをn=n+1として順次カウントアップして、X軸及びY軸の体動信号波形の前記P−P区間を形成するサンプリングデータを一つずつ読み込んでいく。
【0045】
ステップS11において、前記X軸及びY軸各々において読み込まれた前記P−P区間内の各1つのサンプリングデータと前記重力加速度成分XG及びYGとの差分から、前述したCPU10内の体動出力演算手段により、体動出力Xout及びYoutを演算する。続くステップS12において、前記角度Θx及びΘy、体動出力Xout及びYoutに基づいて、実際の鉛直方向の体動を示す鉛直方向出力Mを演算する。これも前述したCPU10内の鉛直方向ベクトル演算手段により、記憶装置9に予め記憶してあるM=XoutcosΘx+YoutcosΘyなる式を用いて演算する。更に続くステップS13において、前記鉛直方向体動出力Mに基づいて、図12を用いて後述するが、前記CPU10内の体動カウント手段により公知の歩数カウント処理を用いて歩数を検出する。
【0046】
続くステップS14において、前記バッファアドレスがn=nmax(P=Pmax時のサンプリングデータを格納したバッファアドレス)に達したかどうか判断される。達していなければNOに進み、再びステップS10においてバッファアドレスをn=n+1としてカウントアップし、次のサンプリングデータを読み込み、上記ステップS11からステップS13までの一連の処理を繰り返し、nmaxに達したと判断されると、前記P−P区間の全サンプリングデータに対して上記処理が完了したと見なしYESに進み、ステップS15において、次のP−P区間処理へ移行するためのX軸及びY軸用バッファ9a及び9b内及びピーク回数カウンタの設定を行なう。すなわち、前記各バッファ9a及び9b内においては、バッファアドレスn=nmaxに格納してあるサンプリングデータをバッファアドレスn=1の中に上書きして格納し、更に、ピーク値を検出するために取得した最新のサンプリングデータ(すなわちバッファアドレスn=nmax+1のサンプリングデータ)をバッファアドレスn=2の中に上書きして格納して、それ以外の各バッファ9a及び9b内のサンプリングデータをクリアする。これにより、次のP−P区間の最初のサンプリングデータが前記ピーク値であることから、ピーク回数カウンタをP=1として設定し、再びステップS2からの処理を繰り返し、次のP−P区間の処理を行なうものである。
【0047】
ここで、前記ステップS3のピーク検出処理に関して、図11のサブルーチンを用いて詳述する。すなわち、X軸及びY軸体動センサ4a及び4bによりサンプリングデータが取得されると、図11のピーク検出処理に移行し、ステップS21において、前記取得したサンプリングデータをX軸及びY軸用バッファ9a及び9b各々にcalbufX及びcalbufYとして格納する。続くステップS22において、前記X軸及びY軸用バッファ9a及び9b内に前回のサンプリングデータXbuf及びYbufがあるかどうか判断される。無ければNOに進み、ステップS27において、前記calbufX及びcalbufYをXbuf及びYbufとして格納して、図10のメインルーチンに戻る。
【0048】
また、ステップS22において、前回サンプリングデータがXbuf及びYbufとして格納されている場合YESに進み、ステップS23において、前記Xbuf及びYbufとcalbufX及びcalbufYとをCPU10の制御をもって記憶装置9より読み込み、各々calbufX−Xbuf及びcalbufY−Ybufとして差分を取ることにより、X軸及びY軸各々の振動の向きが検出される。続くステップS24において、検出された振動の向きが前回検出された振動の向きと同じかどうか判断される。前回の振動が検出されていない又は前回の振動と同じ向きであると判断されるとNOに進み、ステップS26において、各振動方向をプラス方向又はマイナス方向として格納又は上書きして格納する。また、検出された振動の向きが前回と逆向きになった場合YESに進み、ステップS25において、ピーク値が検出されたと見なし、ピーク回数カウンタPをP=P+1としてカウントを進め、前記同様にステップS26において各振動方向を各バッファ9a及び9bに上書きして格納し、前述と同様にして、calbufX及びcalbufYをXbuf及びYbufとしてバッファ9a及び9bに格納して、図10のメインルーチンに戻る。
【0049】
また、前記ステップS13に示した歩数カウント処理を図12を用いて詳述する。この歩数カウント処理は予め歩数検出に足る前記鉛直方向出力Mを判別する閾値を設定しておき、前記閾値を越えて前記鉛直方向出力Mが検出された状態から前記閾値を下回った場合に歩数をカウントアップするものである。
【0050】
すなわち、前記鉛直方向出力Mが算出されると、図12の歩数カウント処理に移行し、ステップS31において、歩数として検出するに足る出力を判別する閾値を前記体動出力Mが越えていることを示すフラグ1がセットされているかどうか判別する。フラグ1がセットされていない場合、まだ前記閾値を超える鉛直方向出力Mが検出されていないと判断されNOに進み、ステップS32において、前記算出した鉛直方向体動出力Mが前記閾値を超えているか否かが判断される。超えていなければNOに進み、そのまま図10のメインルーチンに戻り、超えていればYESに進み、ステップS33において前記フラグ1をセットした後に図10のメインルーチンに戻る。
【0051】
また前記ステップS31において、フラグ1がセットされている、すなわち前記閾値を超える鉛直方向出力Mがすでに検出されている状態にあると判断された場合YESに進み、ステップS34において、前記鉛直方向出力Mが前記閾値を下回ったか否かが判断される。前記閾値を越えている場合にはNOに進み、そのまま図10のメインルーチンに戻り、下回った場合はYESに進み、ステップS35において、前述したように歩数をカウントアップし記憶装置9に記憶する。
【0052】
なお、本実施例においては、図10のステップS3乃至ステップS6に示したように、X軸用バッファ9a及びY軸用バッファ9bに各々格納されたP−P区間内の全サンプリングデータの平均値をもって、X軸及びY軸各々の歩行の信号波形における基線となる重力加速度成分XG及びYGを求めたが、ピーク値検出時のサンプリングデータのみの平均値を求めて、前記重力加速度成分XG及びYGとしても良い。
【0053】
また、前記P−P区間を検出することなく、予め一定時間を一区間として設定しておき、前記一定時間内に取得されたサンプリングデータの平均値をもって前記波形の基線としても良い。このとき、歩行などの一定のリズムの波形に対する前記区間の取り方によって、各区間で生じる平均値のばらつきを軽減するため、前記予め設定される一定時間は、検出される信号波形の1周期に比べ十分長い時間を設定するのが好ましい。しかしながら、現実的には、歩行は上下方向に数(cm)の振幅の往復運動であり、重力加速度に比べ加速度変化は極めて小さいと言えることから、前記一区間の時間は歩行周期にとらわれることなく短い時間でも良い。
【0054】
また、図10のフローチャートのステップS8に示した鉛直方向に対するX軸及びY軸方向のなす角Θx及びΘyの演算においては、図5に示すように、XG及びYGの合成ベクトルVGに対して各々XG及びYGを算出したが、図5からも明らかなように、Θx=tan―1(YG/XG)としてΘxを求め、X軸とY軸とは直交していることから、ステップS12の鉛直方向体動出力Mの演算においては、M=XoutcosΘx+YoutsinΘxとしても良い。
【0055】
また、本実施例においては、X軸体動センサ4a及びY軸体動センサ4bを用いて、互いに直交する2方向の体動信号を検出したが、更に前記X軸及びY軸に各々直交するZ軸体動センサを加え、互いに直交する3方向の体動信号を検出する装置に用いても良い。この場合、図示しないが、装置構成は、図2に示した前記実施例の電気ブロック図を基に、Z軸体動センサ4cと共に増幅器及びA/D変換器を備え、記憶装置9内にZ軸用バッファ9cを更に備えて構成する。また、動作は図10及び図11に示した前記実施例の手順を基に、前記X軸及びY軸方向に関する各手順において、X軸及びY軸と同様にしてZ軸方向に関する検出、演算及びバッファ処理などを加えることにより前術の実施例と同様に処理可能である。
【0056】
更に、本実施例においては、鉛直方向に対するX軸及びY軸の角度Θx及びΘyを演算し、体動の鉛直方向出力Mの大きさの判定により歩数をカウントするものであったが、鉛直方向以外の特定方向を基準とし、本実施例の手順を同様に用いて、前記特定方向に対する各軸の角度を演算し、体動の特定方向出力を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施例の体動測定装置の外観及び傾きを示す図である。
【図2】本実施例の体動測定装置の電気ブロック図である。
【図3】歩行時のX軸方向の体動信号の時間変化を示すグラフである。
【図4】歩行時のY軸方向の体動信号の時間変化を示すグラフである。
【図5】各体動センサにかかる重力加速度成分と鉛直方向に対する角度との関係を示す図である。
【図6】実際の体動方向の鉛直方向成分と各軸体動センサの出力との関係を示す図である。
【図7】X軸方向の体動出力の鉛直成分を示す図である。
【図8】Y軸方向の体動出力の鉛直成分を示す図である。
【図9】体動出力の鉛直成分の時間変化を示す図である。
【図10】本実施例の体動測定装置の動作を示すメインルーチンである。
【図11】ピーク値を検出処理を示すサブルーチンである。
【図12】歩数カウント処理を示すサブルーチンである。
【符号の説明】
【0058】
1 体動測定装置
2 入力装置
3 表示装置
4 体動センサ
4a X軸体動センサ
4b Y軸体動センサ
5、6 増幅器
7、8 A/D変換器
9 記憶装置
9a X軸用バッファ
9b Y軸用バッファ
10 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、
前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、
前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、
前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、
前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、
前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えたことを特徴とする体動測定装置。
【請求項2】
前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成ることを特徴とする請求項1記載の体動測定装置。
【請求項3】
前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算することを特徴とする請求項1又は2記載の体動測定装置。
【請求項4】
前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の体動測定装置。
【請求項5】
前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算することを特徴とする請求項1乃至4記載の体動測定装置。
【請求項6】
前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5記載の体動測定装置。
【請求項1】
異なる方向の体動を検出するように配され、各検出方向の重力加速度成分を含む体動信号を一度に検出する体動センサと、
前記各体動信号の所定区間の変化に基づいて、前記各検出方向の重力加速度成分を演算する重力加速度成分演算手段と、
前記各重力加速度成分に基づいて、鉛直方向に対する各検出方向の角度の内少なくとも1つを演算する角度演算手段と、
前記各体動信号から重力加速度成分を除く体動出力を演算する体動出力演算手段と、
前記演算した各検出方向の体動出力と角度とに基づいて、体動の鉛直方向出力を演算する鉛直方向出力演算手段と、
前記鉛直方向出力に基づいて、所定の体動をカウントする体動カウント手段とを備えたことを特徴とする体動測定装置。
【請求項2】
前記体動センサは、互いに直交する2方向または3方向の体動を検出するよう配されて成ることを特徴とする請求項1記載の体動測定装置。
【請求項3】
前記角度演算手段は、前記各検出方向の重力加速度成分の合成ベクトルを算出し、前記合成ベクトル方向に対する各検出方向の角度を演算することを特徴とする請求項1又は2記載の体動測定装置。
【請求項4】
前記重力加速度成分演算手段は、予め設定した一定時間または前記各体動信号の極値間を前記所定区間とし、前記所定区間内の各体動信号の平均値を演算することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の体動測定装置。
【請求項5】
前記体動出力演算手段は、前記体動センサの各検出方向が水平方向のときの信号を各々基準値として、前記基準値と前記各体動信号との差を演算することを特徴とする請求項1乃至4記載の体動測定装置。
【請求項6】
前記鉛直方向出力演算手段は、前記鉛直方向出力に基づいて鉛直方向以外の特定方向の体動出力を演算する特定方向出力演算手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5記載の体動測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−81600(P2006−81600A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266865(P2004−266865)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】
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