説明

体組成測定装置

【課題】体組成の測定をより柔軟に行うことのできる体組成測定装置を提供する。
【解決手段】この体組成測定装置は、複数の電極42,52,62,72を有する測定ユニット20を備えている。測定ユニット20は、少なくとも1つの電極42,52,62,72を備える複数の測定ブロック40,50,60,70に分割される。そして、測定ブロック40,50,60,70は、自身とは別の測定ブロックに対する接続及び同ブロックからの分離を可能にする接続体43,53,63,73を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電流印加電極及び複数の電圧測定用電極を有する測定ユニットを備えた体組成測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記体組成測定装置として、特許文献1には、一方の電極から他方の電極までの距離を変更することのできるものが開示されている。この体組成測定装置は、各電極に共通の単一の支持体が人体等の被測定体の特定部位の表面形状に沿った形状をなし、ばねなどの柔軟性部を有して電極と体表面との距離が変更できるようにしているため、体組成の測定を柔軟に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4005095号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記体組成測定装置においては、電極の移動は測定部位の表面形状と対応した支持体に沿って行われるため、電極間の距離や位置関係は支持体の形状によって限定されたものとなる。すなわち、体組成の柔軟な測定を一応は可能にするものとはいえ、測定の柔軟性について改善の余地を残すものとなっている。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、体組成の測定をより柔軟に行うことのできる体組成測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、複数の電極を有する測定ユニットを備えた体組成測定装置において、前記測定ユニットは、少なくとも1つの電極を備える複数の測定ブロックに分割されるものであり、前記測定ブロックは、自身とは別の測定ブロックに対する接続及び同ブロックからの分離を可能にする接続体を備えるものであることを要旨としている。
【0007】
この発明では、一の測定ブロックとこれとは別の測定ブロックとの接続及びこれらブロック同士の分離を可能にする接続体を備えていることにより、電極の間隔をより高い自由度をもって設定することができるため、体組成の測定をより柔軟に行うことができる。
【0008】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の体組成測定装置において、前記測定ユニットは、1または複数の測定ブロックからなる第1ブロック体、及び1または複数の測定ブロックからなる第2ブロック体を形成した状態で体組成を測定することができるものであることを要旨としている。
【0009】
この発明では、測定ユニットが2つのブロック体に分割された状態で体組成の測定を行うことができるため、ユーザが両腕のそれぞれに1つのブロック体を持った状態で自身の体組成を測定することができるようになる。
【0010】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の体組成測定装置において、前記第1ブロック体は、1つの電流印加用電極を含むものであり、前記第2ブロック体は、1つの電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を含むものであり、前記測定ユニットは、前記第1ブロック体の電流印加用電極と前記第2ブロック体の電流印加用電極とが近傍になるように前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体を配置した状態で体組成を測定することができるものであることを要旨としている。
【0011】
測定ユニットにより測定される電圧には、主に内臓脂肪量及び皮下脂肪量が反映される。また、電圧に反映される内臓脂肪量及び皮下脂肪量の度合は、電流印加用電極の間隔に応じて変化する。すなわち、電流印加用電極の間隔が小さくなるにつれて、測定電圧に対する皮下脂肪量の反映度合が増大する。一方、電流印加用電極の間隔が大きくなるにつれて、測定電圧に対する内臓脂肪量の反映度合が増大する。
【0012】
上記発明によれば、第1ブロック体の電流印加用電極と第2ブロック体の電流印加用電極とが接近した状態での体組成の測定が可能となるため、測定ユニットによる電圧の測定を通じて、皮下脂肪量がより大きく反映された電圧を測定結果として得ることができるようになる。
【0013】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の体組成測定装置において、前記第1ブロック体は、1つの電流印加用電極を含むものであり、前記第2ブロック体は、1つの電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を含むものであり、前記測定ユニットは、前記第1ブロック体の電流印加用電極と前記第2ブロック体の電流印加用電極とが対向するように前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体を配置した状態で体組成を測定することができるものであることを要旨としている。
【0014】
上記発明によれば、第1ブロック体の電流印加用電極と第2ブロック体の電流印加用電極とが離れた状態での体組成の測定が可能となるため、測定ユニットによる電圧の測定を通じて、内臓脂肪量がより大きく反映された電圧を測定結果として得ることができるようになる。
【0015】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記測定ユニットは、前記複数の電極として一対の電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を備え、且つ4つの測定ブロックに分割されるものであり、前記4つの測定ブロックのそれぞれは、前記複数の電極のいずれか1つを備えるものであることを要旨としている。
【0016】
この発明では、電流印加用電極と電圧測定用電極とを各別に備えて体組成を測定する測定方法として端子数の最も少ない4端子法を採用することができるため、4つのブロック及び4つの電極という同測定方法においての必要最低限の構成により測定ユニットを構成することができるようになる。
【0017】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記測定ブロックは、体表面上を移動するときに体表面との接触部が回転する回転構造を備えるものであることを要旨としている。
【0018】
この発明では、測定ユニットの接触部が体表面に対して回転する回転構造を備えるようにしているため、体表面に対する測定ユニットの移動を滑らかにすることができるようになる。なおここでの回転構造には、ローラや球体のように測定ブロックに対してその本体とは別に回転体が設けられる構造はもとより、電極そのものが回転体として機能する構造も含まれる。
【0019】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記測定ブロックにより体表面の各々の位置において測定された電圧に基づいて皮下脂肪量及び内臓脂肪量を含む体脂肪量を算出する脂肪算出手段を備えることを要旨としている。
【0020】
この発明では、測定ブロックにより体表面の各々の位置において測定された電圧に基づいて体脂肪を算出することができるため、ユーザが被測定体の各部位の体組成を把握することができるようになる。
【0021】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記測定ユニットにより測定された体組成の分布を表示する表示手段を備えることを要旨としている。
【0022】
この発明では、検出された電圧に基づいて体組成の分布を表示するようにしているため、ユーザが体組成の分布を視認することができる。なお、ここで体組成の分布は、文字による表示だけでなく図による表示も含むものである。
【0023】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、前記測定ユニットにより測定された電圧に基づいて被測定体の一部分の体組成の分布を算出し、前記被測定体の一部分と軸対称の関係にある被測定体の別部分の体組成の分布を前記被測定体の一部分の体組成の分布に基づいて算出する算出手段を備えることを要旨としている。
【0024】
この発明では、測定ユニットにより測定された電圧に基づいて被測定体の一部分の体組成の分布を算出し、前記被測定体の一部分と軸対称の関係にある被測定体の別部分の体組成の分布を前記被測定体の一部分の体組成の分布に基づいて算出する算出手段を備えるため、体組成を測定するときのユーザの動作を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、体組成の測定をより柔軟に行うことのできる体組成測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の体組成測定装置を具体化した一実施形態について、体組成測定装置の構成を模式的に示す模式図。
【図2】同実施形態の体組成測定装置の使用時における、ブロック体とユーザとの関係を模式的に示した模式図。
【図3】同実施形態の体組成測定装置によって測定される被測定体としての人体腹部の体組成分布を模式的に示す模式図。
【図4】同実施形態の体組成測定装置の使用時におけるブロック体の移動を模式的に示した模式図。
【図5】同実施形態の体組成測定装置の使用時におけるブロック体の配置を模式的に示した模式図。
【図6】同実施形態の体組成測定装置の使用時におけるブロック体の配置を模式的に示した模式図。
【図7】同実施形態の体組成測定装置の使用時におけるブロック体の配置を模式的に示した模式図。
【図8】同実施形態の体組成測定装置の使用時におけるブロック体の配置を模式的に示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1に示されるように、体組成測定装置1は、体表面に電流を印加して電圧を測定する測定ユニット20と、同ユニット20の測定データに基づいて体組成を算出する本体ユニット80とを含めて構成されている。
【0028】
測定ユニット20は、それぞれ1つの電極を有する4つのブロック、すなわち第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60及び第4測定ブロック70を含めて構成されている。第1測定ブロック40〜第4測定ブロック70はそれぞれ、信号の伝達が可能な伝達線11により本体ユニット80と互いに接続されている。
【0029】
第1測定ブロック40は、その本体となるブロック本体41と、同本体41に設けられて被測定体100に電流を印可する電流印加用電極42と、同本体41に設けられて第2測定ブロック50に対する接続及び離脱が可能な接続体43と、本体41に対する回転が許容されて被測定体100の体表面上において回転可能なローラ44とを含めて構成されている。
【0030】
第2測定ブロック50は、その本体となるブロック本体51と、同本体51に設けられて被測定体100の電圧を測定する電圧測定用電極52と、同本体51に設けられて第1測定ブロック40に対する接続及び離脱が可能な接続体53と、第3測定ブロック60に対する接続及び離脱が可能な接続体53と、本体51に対する回転が許容されて被測定体100の体表面上において回転可能なローラ54とを含めて構成されている。
【0031】
第3測定ブロック60は、その本体となるブロック本体61と、同本体61に設けられて被測定体100の電圧を測定する電圧測定用電極62と、同本体61に設けられて第2測定ブロック50に対する接続及び離脱が可能な接続体63と、第4測定ブロック70に対する接続及び離脱が可能な接続体63と、本体61に対する回転が許容されて被測定体100の体表面上において回転可能なローラ64とを含めて構成されている。
【0032】
第4測定ブロック70は、その本体となるブロック本体71と、同本体71に設けられて被測定体100に電流を印可する電流印加用電極72と、同本体71に設けられて第3測定ブロック60に対する接続及び離脱が可能な接続体73と、本体71に対する回転が許容されて被測定体100の体表面上において回転可能なローラ74とを含めて構成されている。
【0033】
上記各接続体43,53,63,73としては、少なくとも2つの測定ブロックが接続されたブロック体を体表面に接触させたときに各測定ブロックが体表面に沿うように湾曲及び伸縮する蛇腹状の要素が採用されている。また上記各接続体には、接続体同士の接続及び分離を実現するためのものとして、フック43A,53A,63A,73Aが設けられている。
【0034】
第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50の間においては、接続体43と接続体53とをフック43A,53Aを介して互いに接続することにより、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50とを互いに接続することができる。
【0035】
第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60の間においては、接続体53と接続体63とをフック53A,63Aを介して互いに接続することにより、第2測定ブロック50と第3測定ブロック60とを互いに接続することができる。
【0036】
第3測定ブロック60及び第4測定ブロック70の間においては、接続体63と接続体73とをフック63A,73Aを介して互いに接続することにより、第3測定ブロック60と第4測定ブロック70とを互いに接続することができる。
【0037】
本体ユニット80は、測定ユニット20の測定データに基づく演算、及び測定ユニット20に対する制御指令の送信を行う制御部81と、演算結果としての体組成量を表示する表示部82とを含めて構成されている。
【0038】
制御部81は、第1測定ブロック40及び第4測定ブロック70のそれぞれに対して電流印加用電極42及び72による電流印加の指令を送信する。また、第2測定ブロック50の電圧測定用電極52及び第3測定ブロック60の電圧測定用電極62により測定された電圧に基づいて、被測定体100の体脂肪量を算出する。ここで体脂肪とは、皮下脂肪及び内臓脂肪を含む被測定体100の総合的な脂肪を示すものである。算出する体脂肪量としては、具体的には体脂肪率及び体脂肪重量であり、このほか、次に挙げるものを算出することができる。すなわち皮下脂肪量として、皮下脂肪面積と皮下脂肪体積と皮下脂肪厚と皮下脂肪重量の少なくとも1つを算出することができる。また内臓脂肪量として、内臓脂肪面積と内臓脂肪体積と内臓脂肪厚と内臓脂肪重量との少なくとも1つを算出することができる。またこの他に、腹部皮下脂肪厚と腹筋厚と腹部皮下脂肪面積と内臓脂肪面積との少なくとも1つを算出することもできる。
【0039】
表示部82は、制御部81から送信される信号に基づいて、体脂肪量をはじめとする各種の情報を表示する。体組成測定装置1のユーザは、同表示部82に表示される情報を通じて体脂肪量の測定結果等を把握することができる。
【0040】
図2を参照して、測定ユニット20による体組成の測定方法の概要を説明する。
ユーザが1人で体組成の測定を行うときには、4つの測定ブロックが接続された状態、または4つの測定ブロックが2つのグループに分割された状態で測定ユニット20を使用する。図2には、第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60により構成されるブロック体30Aと、第4測定ブロック70により構成されるブロック体30Bとの2つに測定ユニット20が分割された状態が示されている。
【0041】
ユーザは、例えば立位の状態で両手のそれぞれにブロック体30Aを持ち、それぞれのブロック体30A,30Bを体表面に押し付けることにより測定ユニット20により体組成の測定が行われる。また、ブロック体30A,30Bの少なくとも一方を体表面に沿って移動させることにより、体組成の連続的な分布を測定することもできる。
【0042】
図3を参照して、体組成測定装置1の測定対象となる被測定体100の断面構造における体組織と体脂肪110との関係について説明する。被測定体100の断面において、被測定体100の表面下には皮下脂肪111が全周において層状に存在し、腹部101及び背部104において厚みのある層を形成する一方、左脇腹102及び右脇腹103においては比較的薄い層が形成されている。また、皮下脂肪111の層と筋肉120を隔てた腹腔内の臓器の間には内臓脂肪112が存在している。すなわち、体表面上の任意の2点を結ぶ線を考えたとき、2点間の距離が小さくなるほど線上において体脂肪110に対する皮下脂肪111の割合が大きくなり、逆に2点間の距離が大きくなるほど線上において体脂肪110に対する内臓脂肪112の割合が大きくなる。
【0043】
また、図3に示されるように、同断面は骨130を中心に左右対称な構造となっている。すなわち、体脂肪110の分布も左右対称であるため、ユーザが左右の一方の体組成を測定することで、他方の体組成を算出することもできる。
【0044】
図4〜図8を参照して、測定ユニット20の使用形態の例について説明する。なお、各図面において第1測定ブロック40から第4測定ブロック70に向かう矢印は、被測定体100内での電流の流れの一例を示している。また以降では、第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60を介しての第1測定ブロック40の電流印加用電極と第4測定ブロック70の電流印加用電極との間隔を「電極間隔」とする。
【0045】
図4及び図5に示される使用形態では、測定ユニット20が次の2つのブロック体に分割される。すなわち、第1測定ブロック40〜第3測定ブロック60からなる第1ブロック体30Aと、第4測定ブロック70からなる第2ブロック体30Bとの2つのブロック体に分割される。このような測定ユニット20の使用形態においては、体組成を測定するときに被測定体100に対する第1ブロック体30A及び第2ブロック体30Bのそれぞれの位置を1人のユーザにより自由に変更することができる。
【0046】
例えば、図4(a)に示されるように、第1ブロック体30Aを被測定体100の腹部101に接触させ、第2ブロック体30Bを腹部101においての第1ブロック体30Aの近傍に配置することができる。また図4(b)に示されるように、第1ブロック体30Aを被測定体100の腹部101と左脇腹102との間に接触させ、第2ブロック体30Bを腹部101において第1ブロック体30Aから離れたところに接触させることもできる。また図5(a)に示されるように、第1ブロック体30Aを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第2ブロック体30Bを腹部101において第1ブロック体30Aから離れたところに接触させることもできる。また図5(b)に示されるように、第1ブロック体30Aを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第2ブロック体30Bを被測定体100の右脇腹103に接触させることもできる。
【0047】
図4(a)の使用形態においては、電極間隔が比較的小さいことにより、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は皮下脂肪量がより大きく反映されたものとなる。
【0048】
図4(b)の使用形態においては、電極間隔が図4(a)の使用形態よりも大きいことにより、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は図4(a)の使用形態の測定電圧と比較して内臓脂肪量が大きく反映されたものとなる。
【0049】
図5(a)の使用形態においては、電極間隔が体表面の周囲長さの4分の1よりも大きいことにより、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は内臓脂肪量がより大きく反映されたものとなる。
【0050】
図5(b)の使用形態においては、電極間隔が図5(a)の使用形態よりも大きいことにより、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は図5(a)の使用形態の測定電圧と比較して内臓脂肪量がより大きく反映されたものとなる。
【0051】
図6に示される使用形態では、測定ユニット20が次の2つのブロック体に分割される。すなわち、第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50からなる第3ブロック体30Cと、第3測定ブロック60及び第4測定ブロック70からなる第4ブロック体30Dとの2つのブロック体に分割される。このような測定ユニット20の使用形態においては、体組成を測定するときに被測定体100に対する第3ブロック体30C及び第4ブロック体30Dのそれぞれの位置を1人のユーザにより自由に変更することができる。
【0052】
例えば、図6(a)に示されるように、第3ブロック体30Cを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第4ブロック体30Dを被測定体100の腹部101において第3ブロック体30Cから離れたところに接触させることができる。また図6(b)に示されるように、第3ブロック体30Cを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第4ブロック体30Dを被測定体100の右脇腹103に接触させることもできる。
【0053】
図6(a)の使用形態においては、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このようにして、測定ユニット20の測定電圧から体組成の測定を行うこともできる。
図6(b)の使用形態においては、電極間隔が図6(a)の使用形態よりも大きいことにより、同図にて矢印により示されるように電流が流れる。このようにして、測定ユニット20の測定電圧から体組成の測定を行うこともできる。
【0054】
図7に示される使用形態では、測定ユニット20が次の1つのブロック体として構成される。すなわち、第1測定ブロック40〜第4測定ブロック70からなる単一の第5ブロック体30Eとして構成される。このような測定ユニット20の使用形態においては、体組成を測定するときに被測定体100に対する第5ブロック体30Eの位置を1人のユーザにより自由に変更することができる。
【0055】
例えば、図7(a)に示されるように、一対の電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極が臍部に対して左右対称となるように第5ブロック体30Eを被測定体100の腹部101に接触させることができる。また図6(b)に示されるように、一対の電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極が背部104の中心に対して左右対称となるように第5ブロック体30Eを被測定体100の左脇腹102に接触させることもできる。
【0056】
図7(a)の使用形態においては、電極間隔が比較的小さいことにより、同図にて矢印により示されるように被測定体100の腹部101に電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は腹部101の皮下脂肪量がより大きく反映されたものとなる。
【0057】
図7(b)の使用形態においては、電極間隔が比較的小さいことにより、同図にて矢印により示されるように被測定体100の左脇腹102に電流が流れる。このため、測定ユニット20の測定電圧は左脇腹102の皮下脂肪量がより大きく反映されたものとなる。
【0058】
図8に示される使用形態では、測定ユニット20が4つの個別の測定ブロックに分割される。すなわち、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50とが互いに分離され、且つ第2測定ブロック50と第3測定ブロック60とが互いに分離され、第3測定ブロック60と第4測定ブロック70とが互いに分離される。そして、第1測定ブロック40が第6ブロック体30Fを、第2測定ブロック50が第7ブロック体30Gを、第3測定ブロック60が第8ブロック体30Hを、第4測定ブロック70が第9ブロック体30Iをそれぞれ構成する。このような測定ユニット20の使用形態においては、体組成を測定するときに被測定体100に対するブロック体30F〜30Iのそれぞれの位置を2人のユーザにより自由に変更することができる。
【0059】
例えば、図8(a)に示されるように、第6ブロック体30Fを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第9ブロック体30Iを被測定体100の右脇腹103に接触させ、第7ブロック体30Gを被測定体100の腹部101に接触させ、第8ブロック体30Hを被測定体100の背部104において第6ブロック体30Fと対向するところに接触させることができる。また図8(b)に示されるように、第6ブロック体30Fを被測定体100の臍部に接触させ、第8ブロック体30Hを被測定体100の左脇腹102に接触させ、第9ブロック体30Iを被測定体100の背部104において第6ブロック体30Fと対向するところに接触させ、第9ブロック体30Iを被測定体100の右脇腹103に接触させることもできる。
【0060】
図8(a)の使用形態においては、同図にて矢印により示されるように被測定体100の左脇腹102から右脇腹103にわたり電流が流れる。このようにして、測定ユニット20の測定電圧から体組成の測定を行うこともできる。
【0061】
図8(b)の使用形態においては、同図にて矢印により示されるように被測定体100の腹部101から背部104にわたり電流が流れる。このようにして、測定ユニット20の測定電圧から体組成の測定を行うこともできる。
【0062】
図4〜図7を参照して、体組成の連続的な分布を測定する方法について説明する。
図4に示される使用形態のとき、測定ユニット20の初期位置として、図4(a)に示される位置に第1ブロック体30A及び第2ブロック体30Bをそれぞれ配置する。すなわち、第1ブロック体30Aを被測定体100の臍部に配置し、第2ブロック体30Bを同ブロック体30Aの近傍に配置する。
【0063】
そして、この状態から第2ブロック体30Bの位置を保持しつつ第1ブロック体30Aを体表面に沿わせて図4(b)に示される終了位置まで移動させる。このとき、各測定ブロックの電極がブロック本体に対して回転することにより、第1ブロック体30Aが体表面に対して滑らかに移動する。
【0064】
第1ブロック体30Aの移動により、測定ユニット20により初期位置から終了位置までのそれぞれの位置における被測定体100内の電圧が測定され、その結果が制御部81に送信される。なお、ここでの初期位置から終了位置までに対応する被測定体100の部位を「第1測定部位X1」とする。
【0065】
制御部81は、上記の測定電圧に基づいて第1測定部位X1の体脂肪量を算出する。また、被測定体100の中心を基準として第1測定部位X1と軸対称の関係にある部分の体脂肪量を上記第1測定部位X1の算出結果に基づいて推定する。そして、これらの算出結果に基づいて測定部の体脂肪量の分布を表示部に表示する。
【0066】
図5に示される使用形態のとき、測定ユニット20の初期位置として、図5(a)に示される位置に第1ブロック体30A及び第2ブロック体30Bをそれぞれ配置する。すなわち、第1ブロック体30Aを被測定体100の左脇腹に配置し、第2ブロック体30Bを被測定体100の臍部に配置する。
【0067】
そして、この状態から第1ブロック体30Aの位置を保持しつつ第2ブロック体30Bを体表面に沿わせて図5(b)に示される終了位置まで移動させる。このとき、各測定ブロックの電極がブロック本体に対して回転することにより、第2ブロック体30Bが体表面に対して滑らかに移動する。
【0068】
第2ブロック体30Bの移動より、測定ユニット20により初期位置から終了位置までのそれぞれの位置における被測定体100内の電圧が測定され、その結果が制御部81に送信される。なお、ここでの初期位置から終了位置までに対応する被測定体100の部位を「第2測定部位X2」とする。
【0069】
制御部81は、上記の測定電圧に基づいて第2測定部位X2の体脂肪量を算出する。また、被測定体100の中心を基準として第2測定部位X2と軸対称の関係にある部分の体脂肪量を上記第2測定部位X2の算出結果に基づいて推定する。そして、これらの算出結果に基づいて測定部の体脂肪量の分布を表示部に表示する。
【0070】
図6に示される使用形態のとき、測定ユニット20の初期位置として、図6(a)に示される位置に第3ブロック体30C及び第4ブロック体30Dをそれぞれ配置する。すなわち、第3ブロック体30Cを被測定体100の左脇腹に配置し、第4ブロック体30Dを被測定体100の臍部に配置する。
【0071】
そして、この状態から第3ブロック体30Cの位置を保持しつつ第4ブロック体30Dを体表面に沿わせて図6(b)に示される終了位置まで移動させる。このとき、各測定ブロックの電極がブロック本体に対して回転することにより、第4ブロック体30Dが体表面に対して滑らかに移動する。
【0072】
第4ブロック体30Dの移動より、測定ユニット20により初期位置から終了位置までのそれぞれの位置における被測定体100内の電圧が測定され、その結果が制御部81に送信される。なお、ここでの初期位置から終了位置までに対応する被測定体100の部位を「第3測定部位X3」とする。
【0073】
制御部81は、上記の測定電圧に基づいて第3測定部位X3の体脂肪量を算出する。また、被測定体100の中心を基準として第3測定部位X3と軸対称の関係にある部分の体脂肪量を上記第3測定部位X3の算出結果に基づいて推定する。そして、これらの算出結果に基づいて測定部の体脂肪量の分布を表示部に表示する。
【0074】
図7に示される使用形態のとき、測定ユニット20の初期位置として、図7(a)に示され位置に第5ブロック体30Eを配置する。すなわち、第5ブロック体30Eの中心を被測定体100の臍部に対応させる。
【0075】
そして、この状態から第5ブロック体30Eを体表面に沿わせて図7(b)に示される終了位置まで移動させる。このとき、各測定ブロックの電極がブロック本体に対して回転することにより、第5ブロック体30Eが体表面に対して滑らかに移動する。
【0076】
第5ブロック体30Eの移動により、測定ユニット20により初期位置から終了位置までのそれぞれの位置における被測定体100内の電圧が測定され、その結果が制御部81に送信される。なお、ここでの初期位置から終了位置までに対応する被測定体100の部位を「第4測定部位X4」とする。
【0077】
制御部81は、上記の測定電圧に基づいて第4測定部位X4の体脂肪量を算出する。また、被測定体100の中心を基準として第4測定部位X4と軸対称の関係にある部分の体脂肪量を上記第4測定部位X4の算出結果に基づいて推定する。そして、これらの算出結果に基づいて測定部の体脂肪量の分布を表示部に表示する。
【0078】
以上詳述したように、本実施形態によれば以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の測定ユニット20は、少なくとも1つの電極42〜72を備える複数の測定ブロック40〜70に分割されるものであり、測定ブロック40〜70は、自身とは別の測定ブロックに対する接続及び同ブロックからの分離を可能にする接続体43〜73を備えるようにしていることにより、電極42〜72の間隔をより高い自由度をもって設定することができるため、体組成の測定をより柔軟に行うことができる。
【0079】
(2)本実施形態の測定ユニット20は、第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60からなる第1ブロック体30A、及び第4測定ブロック70からなる第2ブロック体30Bを形成した状態で体組成を測定することができるようにしているため、ユーザが両腕のそれぞれに1つのブロック体を持った状態で自身の体組成を測定することができるようになる。
【0080】
(3)本実施形態の第2ブロック体30Bは、1つの電流印加用電極42を含むものであり、第1ブロック体30Aは、1つの電流印加用電極72及び一対の電圧測定用電極52,62を含むものであり、測定ユニット20は、第1ブロック体30Aの電流印加用電極42と第2ブロック体30Bの電流印加用電極72とが近傍になるように第1ブロック体30A及び第2ブロック体30Bを配置した状態で体組成を測定することができるようにしている。
【0081】
測定ユニット20により測定される電圧には、主に内臓脂肪量及び皮下脂肪量が反映される。また、電圧に反映される内臓脂肪量及び皮下脂肪量の度合は、電流印加用電極42,72の間隔に応じて変化する。すなわち、電流印加用電極42,72の間隔が小さくなるにつれて、測定電圧に対する皮下脂肪量の反映度合が増大する。一方、電流印加用電極42,72の間隔が大きくなるにつれて、測定電圧に対する内臓脂肪量の反映度合が増大する。従って、本実施形態によれば、第1ブロック体30Aの電流印加用電極42と第2ブロック体30Bの電流印加用電極72とが接近した状態での体組成の測定が可能となるため、測定ユニット20による電圧の測定を通じて、皮下脂肪量がより大きく反映された電圧を測定結果として得ることができるようになる。
【0082】
(4)本実施形態の第2ブロック体30Bは、1つの電流印加用電極72を含むものであり、第1ブロック体30Aは、1つの電流印加用電極42及び一対の電圧測定用電極52,62を含むものであり、測定ユニット20は、第1ブロック体30Aの電流印加用電極42と第2ブロック体30Bの電流印加用電極72とが対向するように第1ブロック体30A及び第2ブロック体30Bを配置した状態で体組成を測定することができるようにしている。第1ブロック体30Aの電流印加用電極42と第2ブロック体30Bの電流印加用電極72とが離れた状態での体組成の測定が可能となるため、測定ユニット20による電圧の測定を通じて、内臓脂肪量がより大きく反映された電圧を測定結果として得ることができるようになる。
【0083】
(5)本実施形態の測定ユニット20は、複数の電極として一対の電流印加用電極42,72及び一対の電圧測定用電極52,62を備え、且つ4つの測定ブロック40〜70に分割される。4つの測定ブロックのそれぞれは、複数の電極42〜72のいずれか1つを備えるようにしている。このため、電流印加用電極と電圧測定用電極とを各別に備えて体組成を測定する測定方法として端子数の最も少ない4端子法を採用することができるため、4つのブロック及び4つの電極という同測定方法においての必要最低限の構成により測定ユニット20を構成することができるようになる。
【0084】
(6)本実施形態の測定ブロック40〜70は、体表面上を移動するときに体表面との接触部が回転するローラ44〜74を備えるようにしているため、体表面に対する測定ユニット20の移動を滑らかにすることができるようになる。
【0085】
(7)本実施形態の測定ブロック40〜70により体表面の各々の位置において測定された電圧に基づいて皮下脂肪量及び内臓脂肪量を含む体脂肪量を算出する脂肪算出手段を備えるようにしているため、ユーザが被測定体100の各部位の体組成を把握することができるようになる。
【0086】
(8)本実施形態では、測定ユニット20により測定された体組成の分布を表示する表示手段を備えるようにしているため、ユーザが体組成の分布を視認することができる。
(9)本実施形態の測定ユニット20により測定された電圧に基づいて被測定体100の一部分の体組成の分布を算出し、被測定体100の一部分と軸対称の関係にある被測定体100の別部分の体組成の分布を被測定体の一部分の体組成の分布に基づいて算出する算出手段を備えるようにしているため、体組成を測定するときのユーザの動作を少なくすることができる。
【0087】
(10)本実施形態の接続体43〜73は蛇腹状の要素としているため、被測定体100の体表面形状に関わらず、全ての測定ブロック40〜70と被測定体100の表面との距離に生じる差を抑制することができるようになる。
【0088】
(11)本実施形態では、4端子法を採用しているため、これよりも多い端子を備えて電圧を測定する場合と比較して、体組成測定装置1のサイズをコンパクトなものにすることができるようになる。
【0089】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示す態様をもって実施することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0090】
・上記実施形態では、測定ユニット20の使用形態として図4〜図8に示される形態を例示したが、測定ユニットの使用形態はこれに限られるものではなく、例えば以下の(A)〜(I)に示すように変更することもできる。
【0091】
(A)図4の使用形態において、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50との位置を入れ替えるとともに、第4測定ブロック70と第3測定ブロック60との位置を入れ替える。またこれに代えて、いずれか一方についてのみ位置を入れ替える。
【0092】
(B)図4の使用形態において、第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60と第4測定ブロック70とを分離する。すなわち、第2ブロック体30Bを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0093】
(C)図4の使用形態において、第2測定ブロック50と第3測定ブロック60及び第4測定ブロック70とを分離する。すなわち、第2ブロック体30Bを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0094】
(D)図5の使用形態において、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50との位置を入れ替える。また第4測定ブロック70と第3測定ブロック60との位置を入れ替える。またこれに代えて、いずれか一方についてのみ位置を入れ替える。
【0095】
(E)図5の使用形態において、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50及び第3測定ブロック60とを分離する。すなわち、第1ブロック体30Aを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0096】
(F)図5の使用形態において、第1測定ブロック40及び第2測定ブロック50と第3測定ブロック60とを分離する。すなわち、第1ブロック体30Aを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0097】
(G)図6の使用形態において、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50との位置を入れ替える。また第4測定ブロック70と第3測定ブロック60との位置を入れ替える。またこれに代えて、いずれか一方についてのみ位置を入れ替える。
【0098】
(H)図6の使用形態において、第1測定ブロック40と第2測定ブロック50とを分離する。すなわち、第3ブロック体30Cを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0099】
(I)図6の使用形態において、第3測定ブロック60と第4測定ブロック70とを分離する。すなわち、第4ブロック体30Dを2つのブロック体に分離し、測定ユニット20全体として3つのブロック体に分離する。
【0100】
・上記実施形態では、4つの電極を有する測定ユニット20を4つの測定ブロックに分離する構成を採用したが、測定ユニット20を構成する測定ブロックの数はこれに限られるものではなく、例えば以下の(A)または(B)に示される構成に変更することもできる。
【0101】
(A)測定ユニット20を第1測定ブロック40〜第3測定ブロック60に相当する3つの測定ブロックにより構成し、第4測定ブロック70の電圧測定用電極を上記3つの測定ブロックのいずれかに設ける。
【0102】
(B)測定ユニット20を第1測定ブロック40〜第3測定ブロック60に相当する3つの測定ブロックにより構成する。この場合、第4測定ブロック70の電流印加用電極を上記3つの測定ブロックのいずれかに設ける。
【0103】
・上記実施形態では、第1測定ブロック40〜第4測定ブロック70のそれぞれに1つの電極を設けるようにしたが、測定ブロック1つあたりの電極数を複数に変更することもできる。また、この場合に複数の電極を設ける測定ブロックの数としては、1または複数のいずれにも設定することができる。
【0104】
・上記実施形態では、測定ユニット20により測定された電圧に基づいて体脂肪量を算出し、これを表示部82に表示するようにしたが、測定電圧を直接的に表示部82に表示することもできる。
【0105】
・上記実施形態では、体組成の測定結果を文字または図として表示部82に示すようにしたが、ユーザに対して測定結果を伝達するための方法はこれに限らない。例えば、表示部82に加えてまたは表示部82に代えて、ユーザに対して音声により測定結果を伝達する音声部を備えることもできる。
【0106】
・上記実施形態では、一対の電流印加用電極と一対の電圧測定用電極とを有する測定ユニット20、すなわち4端子法により体組成を測定する測定ユニット20を備えるようにしたが、これに代えて2端子法により体組成を測定する測定ユニットを備えることもできる。この場合には、測定ユニットが2つの測定ブロックにより構成されるとともに、それぞれのブロックに電流印加用電極及び電圧測定用電極を兼ねた1つの電極が設けられる。すなわち、測定ユニットは2つの測定ブロック及び2つの電極により構成される。
【0107】
・また、測定ユニット20に設ける電極の数は、実施形態の「4」及び上記変形例の「2」に限られるものではなく、「3」または「5以上」に変更することもできる。
・上記実施形態では、各測定ブロック40〜70のそれぞれと本体ユニット80との間で伝達線11により信号の伝達を行うようにしたが、信号の伝達方法を無線の方法に変更することもできる。
【0108】
・上記実施形態では、各測定ブロック40〜70のそれぞれに電源を内蔵するようにしたが、各測定ブロック40〜70の電源に代えて本体ユニット80に電源を設けることもできる。
【0109】
・上記実施形態では、体表面に対する各測定ブロック40〜70の滑らかな移動を実現するための構造として、ブロック本体にローラを設ける回転構造を採用したが、これに代えてまたは加えて次の(A)〜(D)を採用することもできる。
(A)電極表面の形状として体表面との摩擦が小さくなる形状を採用する。
(B)電極表面に体表面との摩擦を小さくするコーティングを施す。
(C)ブロック本体に球体を設ける。
(D)ブロック本体に対して回転できる態様で電極を設ける。
【0110】
・上記実施形態では、各測定ブロック40〜70の接続体として、体表面に沿うように湾曲及び伸縮する蛇腹状の要素を採用したが、これに代えてゴム状の要素を採用することもできる。
【0111】
・上記実施形態では、各測定ブロック40〜70の接続体同士の接続及び分離を実現するための要素として、接続体43〜73にフック43A〜73Aを設けるようにしたが、これに代えて面ファスナまたは磁石を設けることもできる。
【0112】
・上記実施形態では、4つの測定ブロック40〜70の全てを互いに接続したときに各ブロックが一列をなすように測定ユニット20を構成したが、各測定ブロック40〜70を接続したときの形状はこれとは異なるように測定ユニット20を構成することもできる。例えば、いずれか1つの測定ブロックについて、そのなかの互いに隣り合う3つの面のそれぞれに接続体を設けることにより、この測定ブロックに対して残りの3つの測定ブロックを接続する構成を採用することもできる。
【0113】
・上記実施形態では、測定ユニット20による測定方法の例として、被測定者が立位にある状態での測定方法を示したが、被測定者が座位または仰臥位にある状態でも同実施形態での測定方法に準じて体組成の測定を行うことができる。
【0114】
・上記実施形態では、測定ユニット20による被測定者の測定部位の例として腹部を示したが、腕や脚部をはじめとして被測定者の他の部位を測定部位とすることもできる。
・上記実施形態では、測定ユニット20による測定対象の例として人を示したが、動物を測定対象とすることもできる。
【符号の説明】
【0115】
1…体組成測定装置、11…伝達線、20…測定ユニット、30A…第1ブロック体、30B…第2ブロック体、30C…第3ブロック体、30D…第4ブロック体、30E…第5ブロック体、30F…第6ブロック体、30G…第7ブロック体、30H…第8ブロック体、30I…第9ブロック体、40…第1測定ブロック、41…ブロック本体、42…電流印加用電極、43…接続体、43A…フック、44…ローラ、50…第2測定ブロック、51…ブロック本体、52…電圧測定用電極、53…接続体、53A…フック、54…ローラ、60…第3測定ブロック、61…ブロック本体、62…電圧測定用電極、63…接続体、63A…フック、64…ローラ、70…第4測定ブロック、71…ブロック本体、72…電流印加用電極、73…接続体、73A…フック、74…ローラ、80…本体ユニット、81…制御部、82…表示部、100…被測定体、101…腹部、102…左脇腹、103…右脇腹、104…背部、110…体脂肪、111…皮下脂肪、112…内臓脂肪、120…筋肉、130…骨。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を有する測定ユニットを備えた体組成測定装置において、
前記測定ユニットは、少なくとも1つの電極を備える複数の測定ブロックに分割されるものであり、
前記測定ブロックは、自身とは別の測定ブロックに対する接続及び同ブロックからの分離を可能にする接続体を備えるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の体組成測定装置において、
前記測定ユニットは、1または複数の測定ブロックからなる第1ブロック体、及び1または複数の測定ブロックからなる第2ブロック体を形成した状態で体組成を測定することができるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の体組成測定装置において、
前記第1ブロック体は、1つの電流印加用電極を含むものであり、
前記第2ブロック体は、1つの電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を含むものであり、
前記測定ユニットは、前記第1ブロック体の電流印加用電極と前記第2ブロック体の電流印加用電極とが近傍になるように前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体を配置した状態で体組成を測定することができるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の体組成測定装置において、
前記第1ブロック体は、1つの電流印加用電極を含むものであり、
前記第2ブロック体は、1つの電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を含むものであり、
前記測定ユニットは、前記第1ブロック体の電流印加用電極と前記第2ブロック体の電流印加用電極とが対向するように前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体を配置した状態で体組成を測定することができるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記測定ユニットは、前記複数の電極として一対の電流印加用電極及び一対の電圧測定用電極を備え、且つ4つの測定ブロックに分割されるものであり、
前記4つの測定ブロックのそれぞれは、前記複数の電極のいずれか1つを備えるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記測定ブロックは、体表面上を移動するときに体表面との接触部が回転する回転構造を備えるものである
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記測定ブロックにより体表面の各々の位置において測定された電圧に基づいて皮下脂肪量及び内臓脂肪量を含む体脂肪量を算出する脂肪算出手段を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記測定ユニットにより測定された体組成の分布を表示する表示手段を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の体組成測定装置において、
前記測定ユニットにより測定された電圧に基づいて被測定体の一部分の体組成の分布を算出し、前記被測定体の一部分と軸対称の関係にある被測定体の別部分の体組成の分布を前記被測定体の一部分の体組成の分布に基づいて算出する算出手段を備える
ことを特徴とする体組成測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−67356(P2011−67356A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220466(P2009−220466)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】