説明

作動器

移動のための第1および第2の手段(16、18)を含んだ作動器であり、これらの手段は、ピストンであり、作動器がトイレ蓋(106)に取り付けられるとそれぞれのピストン(16、18)が実質的に反対方向に延伸するように、第1および第2の部材内にそれぞれ配置されている。第1の移動手段(16)は、センサ上に手をかざす等である設定条件を検知したセンサによって起動され、重心が垂線を越えて移動するように便座(104)の位置を上昇位置から移動させることで便座を下降位置に移動させる。第2の移動手段(18)は、例えば1秒などの設定時間後に起動され、重心が垂線を通過するよう便座蓋(106)を上昇位置から移動させることで蓋(106)を便座(104)と実質的に同一の高さである下降位置に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のヒンジ式蓋装置に関する。例えば、便器の便座および/または便器の蓋であるが、これらに限らない。
【背景技術】
【0002】
便座または蓋が“引き上げ”位置のままになっていることがよくある。前のユーザが便座や蓋を閉めるか、または”引き下げ“位置に戻すことを忘れたか、それとも彼らは急いでいたか、便座または蓋に触れたくなかったのであろう(特に公共トイレの場合)。
便座や蓋が使用後に閉められていることが望ましいのには多くの理由がある。蓋が閉め位置にあるとき、トイレに物品が落下することを防止し、よって衛生的である。便座やカバーを閉め位置にすることは美感に優れていると感じる人もいる。
衛生および美感に加えて、男女が同じ世帯に生活している場合、男性は不注意で便座を戻さないことがある。しかしながら、この問題は、世帯に慢性または急性障害または肉体的限界がある人がいる場合はさらに深刻であり、便座を使用可能な位置(閉位置)にしておく必要がある。
【0003】
さらに、幼児の親やペットを飼う人は、幼児やペットがトイレの水に触れたり飲んだりすることを防止するようカバーを下げておくことが望ましい。
現在、従来技術では、便座が上げられているとき、便座が下げられるまで鳴り続ける可聴音を使用する場合がある。このような方法は、トイレ使用者に不快感を与え、トイレが頻繁に使用される世帯や夜遅くには不都合である。
従来技術は、トイレの使用後に手動操作を要求する装置を提供するが、便座やカバーが不注意で開いたままになっているような場合には問題を解決しない。さらに、これらはレバー装置へのペダル連結部を踏んだり、センサを起動させるための十分に大きな動作を要求するものであり、これらの動作をすることを思い出すことを必要とし、そのような装置がないトイレを単純に閉めるよりも余分に力やエネルギーを要求する。
さらに、従来の技術は、便座を下降位置に戻し、蓋を閉めるという2種類の能力を提供する能力がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明の目的は、少なくとも従来技術の問題を軽減するか、少なくとも従来技術の限定された効率性に効果的な代替手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により、ヒンジ手段の重心が垂線上または垂線を越える第1の位置と、垂線を越えていることでヒンジ手段が第2の位置で重力によって保持されている第2の位置からヒンジ手段をずらす移動手段を有する作動器が提供される。この作動器は、設定条件を検出すると移動手段を起動させる。
設定条件は、感知条件または時間設定あるいはそれらの組合せである。
作動器は、2体の実質的に同軸のヒンジ手段を互いに重なって降下させるよう、反対方向に可動な第1移動手段と第2移動手段とを含んでいる。それらによって作動器は、2つの同軸ヒンジ手段の一方に取付け可能であり、第1移動手段は、一方の同軸ヒンジ手段を他方からそらし、第2移動手段は、作動器を取り付けた同軸ヒンジ手段を直立休止位置からずらす。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、本発明は、容器を閉じさせる作動器を提供する。その容器は、開位置に配置可能なヒンジ式閉じ具を有する容器本体を含んでいる。閉じ具の重心は、垂線の片側に存在するために容器本体にアクセス可能であり、ヒンジ式の閉じ具は、重心が垂線の他方側に存在する結果として、閉じ具が重力の影響下に保持される閉じ位置に配置可能であり、その位置で容器へのアクセスを抑制する。作動器は、閉じ具への連結のための本体と、重心が垂線を通過するように閉じ具を閉位置に移動させるよう、閉じ具の位置を開位置から移動させる手段と、設定条件を検出すると移動手段を起動させるセンサとを含んでいる。
【0007】
別の実施態様によれば、本発明は、便座を閉じるように下降させる作動器を提供する。便座は、便器にヒンジ式に連結されており、便座の重心が垂線の片側に存在するように上昇位置に配置可能であり、重心が垂線の他方側であるために下降位置に配置可能であり、ヒンジ式閉じ具は、便座が重力の影響下で実質的に便器と同一の高さに保持される。作動器は、便座蓋への連結のための本体と、重心を垂線を越えて移動させて便座の位置を上昇位置から移動させることで便座を下降位置に移動させる手段と、設定条件を検出すると移動手段を起動させるためのセンサとを含んでいる。
【0008】
別の実施態様では、作動器は、水タンクと一体となった、または水タンクに取付けられる本体を含むことができる。
【0009】
作動器は、蓋または便座と一体の本体を含むことができる。
【0010】
本発明の一実施態様では、作動器は、第1および第2移動手段を含むことができる。第1移動手段は、センサ上に手をかざす等の設定条件を検出するセンサの真上に存在する。第2移動手段は、例えば1秒などの設定時間後に起動され、重心が垂線を通過して移動するよう、便座の蓋を上昇位置から移動させることで、便座を便器と実質的に同一の高さである下降位置に移動させる。
【0011】
この実施態様では、便座と蓋は、トイレの水が流される前に閉じられ、トイレからの水はねや水蒸気をできるだけ減らし、ユーザが触れることがなく便座を下降させることで、細菌の飛び散りを防止する。さらに、この実施態様は、便座と蓋を異なるタイミングで戻すことによって騒音を減少させる。
【0012】
好適には、本体は、ヒンジによって連結されている第1および第2部材から形成されており、閉じ具の周辺部に取り付けられている。さらに好適には、作動器は、閉じ具を容器に接続するヒンジの反対側で閉じ具の周辺部に取り付けられている。有利にはこの構造は、閉じ具の重心に垂線を通過させるよう閉じ具を移動させるための手段によって発揮されるか最小としている。
【0013】
閉じ具の位置を移動させるための手段は、好適には引込み位置から延伸位置に移動可能なピストンである。好適実施態様では、ピストンは、第1本体部材に配置されており、タイマーによって起動されるとピストンは、引込み位置から延伸位置に移動して固定部を押し、閉じ具または、便座および蓋を移動させる。センサは、動作感知センサまたはタッチセンサでよい。
【0014】
特に好適な実施態様では、作動器は、移動のための第1および第2手段を含んでおり、これらの手段は、ピストンであり、作動器が閉じ具または蓋に提供されたときにそれぞれのピストンが実質的に反対方向に延伸するよう、第1および第2部材内にそれぞれ配置されている。この構造の利点は、作動器が便座と蓋に提供され、同時的に便座と蓋を作動させることである。
【0015】
あるいは、第1ピストンは、第2ピストンの前に作動できるので、蓋の前に便座を下降させる。この構造は、便座および蓋の強打を回避させ、不必要な騒音を減少させる。
【0016】
作動器は、好適には、例えば必要な回路と共に第1本体部材内に収容できる2体のAA電池または9V電池によって電力供給される。さらに好適には、センサは、作動器が便座の蓋に提供されたときにセンサが実質的にトイレの蓋に対して垂直になるよう、第2部材に取り付けられている。
【0017】
特に好適な実施態様では、第1部材は、電池交換への容易なアクセスを提供する2体の部品を含んでいる。例えば、第1部材は、第2部材にヒンジ式に取り付けられた固定部と、取り外しできる電池ハウジングとを含んでいる。
【0018】
作動器は、ピストンによって提供される力量を変えるためのスイッチの形態の手段を含むこともできる。さらに、そのスイッチは、便座は閉じられているが蓋は開いているよう、第2ピストンを機能停止させるために使用できる。
【0019】
電池の寿命を保つために、作動器を下降位置で非作動状態にすることができるため、センサは、下降位置では作動しない。便座が設定位置を越えて上昇すると作動器は、作動状態となり使用可能となる。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、容器を閉じさせるための作動器を提供する。その容器は、開位置に位置できるヒンジ式閉じ具を有する容器を含んでおり、その開位置では、閉じ具の重心は、垂線の片側にあって容器にアクセスでき、ヒンジ式閉じ具は、閉位置に位置でき、その閉位置では閉じ具は、重力の影響下に保持され、重心が垂線の他方側に存在する結果として、容器へのアクセスを抑制する。作動器は、閉じ具への連結のための本体と、重心が垂線を通過して閉じ具を閉位置に移動させるよう、閉じ具の位置を開位置から移動させるための手段と、設定時間を過ぎると移動手段を起動させるためのタイマーと、設定条件を検出するとタイマーを起動させるためのセンサとを含んでいる。
【0021】
有利には、センサを、動作が検出されるとタイマーが起動されるように配置できる。タイマーは、任意の所望時間にセットできるが、好適には2分から5分の間であり、さらに好適には2分である。従って、閉じ具は自動的に下げられる。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、便座を下降させるための作動器を提供し、便座は、便器にヒンジ式に連結されており、便座の重心が垂線の片側である上昇位置に配置可能であり、重心が垂線の他方側に存在する結果として便座が実質的に便器と同一の高さである位置で重力の影響下に保持される下降位置に配置可能である。作動器は、便座に連結するための本体と、重心を垂線を越えて移動させて便座を閉位置に移動させるよう、便座の位置を開位置から移動させるための手段と、設定時間が過ぎると移動手段を起動させるためのタイマーと、設定条件を検出するとタイマーを起動させるためのセンサとを含んでいる。
【0023】
有利には、例えばセンサ上に手をかざすなどの動作が検出されるとタイマーが作動されるようにセンサを配置できる。タイマーを任意の所望の時間に設定できるが、好適には2分から5分の間であり、さらに好適には2分である。従って、ユーザがトイレの使用を終えると誰も便座や蓋に触れなくても蓋と便座は自動的に下げられる。
【0024】
好適には本体は、ヒンジによって連結されており、閉じ具の周囲に取り付けられた第1および第2部材から形成されている。さらに好適には、作動器は、閉じ具を容器に連結するヒンジの反対側の閉じ具の周囲に取り付けられている。有利にはこの構造は、垂線を通過して閉じ具の重心を移動させるには、閉じ具を移動させるための手段によって発揮される最小限の力でよいように設計されている。
【0025】
閉じ具の位置を移動させるための手段は、好適には引込み位置から延伸位置に移動可能なピストンである。好適実施態様では、ピストンは、第1本体部材に配置されており、タイマーによって起動されるとピストンは、引込み位置から延伸位置に移動して固定部を押し、閉じ具または便座および蓋を移動させる。センサは動作感知センサまたはタッチセンサでよい。
【0026】
特に好適な実施態様では、作動器は、移動のための第1および第2手段を含んでおり、これらの手段は、ピストンであり、作動器が閉じ具または蓋に提供されたときにそれぞれのピストンが実質的に反対方向に延伸するよう、第1および第2部材内にそれぞれ配置されている。この構造の利点は、作動器が便座と蓋に提供され、同時的に便座と蓋を作動させることである。
【0027】
あるいは、第1ピストンは第2ピストンの前に作動できるので、蓋の前に便座を下降させる。この構造は、便座や蓋の強打を回避させ、不必要な騒音を減少させる。
【0028】
作動器は、好適には、例えば必要な回路と共に第1本体部材内に収容できる2体のAA電池または9V電池によって電力供給される。さらに好適には、センサは、作動器が便座の蓋に提供されたときにセンサが実質的にトイレの蓋に対して垂直になるよう、第2部材に取り付けられている。
【0029】
特に好適な実施態様では、第1部材は、電池交換への容易なアクセスを提供するための2体の部品を含んでいる。例えば、第1部材は、第2部材にヒンジ式に取り付けられた固定部と、取り外しできるハウジングとを含んでいる。
【0030】
作動器は、ピストンによって提供される力量を変えるためのスイッチ形態の手段を含むこともできる。さらに、そのスイッチは、便座は閉められているが蓋は開けたままにするよう、第2ピストンを停止させるために使用できる。
【0031】
電池の寿命を保つよう、作動器を下降位置で非作動状態にできるので、センサは、下降位置では作動しないであろう。便座が設定位置を越えて上昇すると、作動器は、起動されて使用可能状態となる。
【0032】
本発明は、直立位置と下降位置との間でヒンジ要素を制御するための方法を提供することもでき、この方法は、ヒンジ要素を実質的に直立位置に維持するための手段を提供するステップと、ヒンジ要素の位置を直立位置から移動させるための手段を有する作動器を提供するステップと、作動器を始動させるためのセンサ、タイマーまたはスイッチなどの始動手段を提供するステップとを含んでおり、始動手段は、始動信号を受領して作動器を起動し、直立位置と、ヒンジ要素を直立位置に維持するための手段に打ち勝つのに十分な下降位置との間でヒンジ要素の部分的な動作を提供し、重力によって、直立位置と下降位置との間でヒンジ要素の動作を完了させる。
【0033】
ヒンジ手段を実質的に直立位置に維持するための手段は、単に直立位置と下降位置との間のヒンジ要素の必要な動作の側への垂線の反対側への寄り掛かり位置とするだけでよい。
【0034】
しかしながら、ヒンジ手段を実質的に直立位置に維持するための手段は、摩擦、磁気、またはその他の保持手段でよく、摩擦、磁気、またはその他の保持手段に勝る十分な力を有するヒンジ要素の位置を直立位置から移動させるための手段は、直立位置と下降位置との間で重力にヒンジ手段の動作を完了させる。
【0035】
直立位置と下降位置との間でのヒンジ要素の重力移動は、直立位置と下降位置との間でヒンジ要素の重力移動の効果を制御または変更させるバネ力、油圧/水圧力、摩擦力または弾性力などの制御要素を含むことができる。
【0036】
本発明は、一形態では、トイレの使用後に便座を“下降”位置に戻すか蓋を閉じるための、簡単で便利でトイレの美観を損なわない装置を提供する。
【0037】
本発明の好適実施例を添付の図面と関連させて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の第1実施例によるピストンの形態の移動手段を備えた作動器の側面図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例によるレバーの形態の移動手段を備えた作動器の側面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施例によるピストンの形態の移動手段を備えた作動器と、取り外し可能な部分としての第2部材の側面図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施例によるピストンの形態の移動手段とアームとを備えた図3の作動器の第1部材の側面図である。
【図5】図5は、図3と図4の作動器の第1部材の背面図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施例によるピストンの形態の移動手段とグリップ手段とを備えた図3の作動器の第2部材の側面図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施例による作動器の上方斜視図である。
【図8】図8は、グリップ手段とレバーの形態の移動手段とを備えた図3の作動器の第2部材の側面図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施例によるレバーの形態の移動手段とアームとを備えた作動器の第1部材の側面図である。
【図10】図10は、本発明の1実施例による、使用中の作動器の斜視図であり、移動手段が突出状態であることでトイレ便座カバーの形態のヒンジ要素の位置を直立位置から下降位置へと移動させる。
【図11】図11は、本発明の1実施例による、図10の作動器の側面図であり、第1部材の移動手段が突出状態であることで、便座の形態のヒンジ要素の位置を直立位置から下降位置へと移動させる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明の好適実施例による作動器10を示している。作動器10は、トイレ100の形態の容器を閉じさせる。容器100は、ヒンジ式の閉じ具を有する容器本体(便器)102と、閉じ具の重心は、垂線の片側にあって容器本体102にアクセス可能である開位置に配置可能なトイレ蓋106とを含んでおり、ヒンジ式閉じ具106は、その重心が垂線の他方側にあるため、容器本体102へのアクセスを防止する位置である閉位置に重力の影響下で保持される。
【0040】
作動器10は、第1部材12と第2部材14とを含んでいる。作動器は、重心が垂線を通過して移動されるよう、閉じ具の位置を開位置から閉位置に移動させるための移動手段をさらに含んでおり、閉じ具を閉位置に移動させる。そのような移動手段は、図1、図16および図18に示すようにピストンの形態や、図2、図16および図18に示すようにレバーアームの形態であり、またはそれらの組合せでよい。しかしながら、作動器は、ヒンジ式閉じ具を重心を通過して移動させることができるノブまたはスイッチまたはその他の別機構などの移動手段を含むことができる。
【0041】
好適実施態様では、本発明は、容器の閉じ具と便座などの中間構造物の閉じ具とを移動させる2つの移動手段を提供する。移動手段は、起動手段によって起動されたときに引込み位置から延伸位置に移動可能である。
【0042】
図1と図2に示す本発明の第1実施例によれば、第1のピストン16は、第1部材12上に存在し、第2のピストン18は、第2部材14上に存在する。図10と図11から理解できるように、第1のピストン16は、突出状態では、便座を便座の表面に接触させ、それを重心を通過して移動させる。第2ピストン18は、突出状態ではタンクと接触しており、トイレカバーを重心を通過して移動させる。
【0043】
作動器は、容器を閉じるだけ、または便座を下降位置に移動させるためだけの1つの移動手段を含むことができる。しかし、第2部材のこの移動手段は、容器と便座を同時的に閉じさせる。さらに、異なる容器またはヒンジ式閉じ具での作動器10の位置取りは、便座などのピストン16と18の機能をコントロールして変え、異なる機能を提供するための第2ピストンを必要とし、突出状態ではトイレカバーと接触し、重心を通過して便座を押す。
【0044】
作動器は、移動手段を起動させるための第1および第2起動手段を提供する。第1起動手段は、手をかざしたり、流しボタンを押すために前方に進むユーザを感知するなどの設定条件を検出するとタイマーを起動させるマイクロチップ20の形態のセンサを利用する。マイクロチップ20は、タイマーも含んでいる。第2起動手段は、設定時間が過ぎると移動手段を起動させるためのタイマーの信号を検知するセンサによって起動される。そのような起動手段は、ユーザが便座やカバーに触れることがなく、水はねや水蒸気、および細菌の飛び散りを防止するよう、水が流される前に便座と蓋を閉位置に戻す。
【0045】
作動器は、およそ50mmから55mmの幅であり、60mmから65mmの高さで厚みは、20mmから25mmの厚さであり、20mmの引込み可能ピストン16と18を有する。タッチパッドのサイズは変更できるが、およそ45mm幅で55mm高のタイムディレイタッチパッドである。作動器10は、トイレ100の大きさと比べると比較的小さく邪魔にならない。作動器は、不便性を減らすように作動器の設置を補助するよう、凹部と開口部をさらに含むことができる。
【0046】
作動器10は、AA電池30aと30b、または単体9V電池30cによって電力供給される。しかしながら、充電式電池などの別の電源も想定内であり、ケーブルを受領して充電手段を提供するよう、別体のアダプタが提供されて第2部材14の開口部にケーブルを介して取り付けられる。
【0047】
電池は、作動器10の取り外し可能な部分を形成する第2部材14内に収容されている。第1部材12が第1受領手段23を提供し、第2部材14は、第1部材のアーム22にスライド式に取り付けられている。受領手段23は、第2部材14のグリップ手段24と相補的であるので、グリップ手段24は、受領手段23によってスライド式に受領できる。
【0048】
グリップ手段24と受領手段23は、ジッパー形態、マジックテープ(登録商標)形態、スナップフィット形態などの多様な形態でよい。しかしながら、第2部材を望むように付け外しできるように任意の相補的な機構を利用できることも想定内である。
【0049】
本発明は、本発明のさらに2つの実施例を提供する。
【0050】
図1と図2は、第2部材14が永久的に第1部材12に取り付けられているため、取り付けアーム22を利用しない1実施例を図示している。
【0051】
他方、図3から図5に図示の第2部材は、取り外し可能な部分として第2部材14を利用しており、アーム22は、第1部材12と第2部材14との間でヒンジ部を形成している。
【0052】
作動器10の第1部材14の谷部32は、便座蓋106のリップ部110を受領するように設計されている。ヒンジ式に連結されたアーム22は、多様な厚みのリップ部を受領する。作動器10は、便座106の任意の周辺位置に取り付けることができ、作動器10は、装置の取り外しを容易にする。
【0053】
しかしながら、図10と図11に示すように、作動器10は、主便座ヒンジ108の実質的に反対側に配置されると最も有効に作用する。作動器は、トイレ蓋または、便座に永久的な装具部として固定するか、あるいは便座またはカバーの部分として製造することも想定内である。これでさらに容易に便座またはカバーをバランスよく閉位置に着座させるであろう。
【0054】
作動器10は、トイレ100を使用できるよう、便座106または便座104と蓋106が持ち上げられたときに使用可能状態となる。シート104が持ち上げられると、便座104が、例えば80°の設定角度を通過するときにマイクロチップ20が起動される。トイレ100の使用が終わると、ピストン16を起動させるためにユーザは、マイクロチップ20上に手をかざし、引込み位置(図5と図6に破線で表示)からその延伸位置に1秒後に移動するようにピストン18を起動させる。ピストン18は、タンクから1秒後に蓋106が離れるように押すべく、トイレの水タンク(図示せず)に接触するように延びており、ピストン16は、蓋106から離れるように、蓋106と便座104の両方を垂線を通過させて閉じさせる。蓋106と便座104は、実質的に水平位置ではなく、ユーザは、シート14や蓋106に触れることなくトイレの水を流すことができる。
【0055】
電力を保存し、便座104と蓋106が閉位置で間に起動するのを防止するようマイクロチップは、作動器10のスイッチを切るために、作動器10は、自動的に非作動状態となっており、蓋106または便座104が水平位置に置かれると操作不能となる。
【0056】
作動器10の第1部材12は、上昇位置から下降位置に移動させるよう、ピストン16によって便座104に適用される力量を変えるためのスイッチ34を含んでいる。同様に作動器10の第2部材14は、ピストン18によってトイレ蓋106に適用される力量を増減させるためのスイッチ36を含んでいる。便座104によって上昇されたままであるトイレ蓋106が下げられるよう、スイッチ36は、ピストン18の電源を切ることもできる。
【0057】
図9は、作動器210がマイクロチップ220の形態のセンサとタイマーを含んでいる本発明の別実施例を示している。作動器210は、作動器10と同様にトイレ蓋に取り付けられているが、次のように作動する。便座104が上昇するとマイクロチップが蓋106と接触する。マイクロチップ220が例えば2分である設定時間を計測し始め、その終わりに便座104を下降させるようピストン216が起動される。
【0058】
作動器10は、蓋を閉じるときの衝突から生じる騒音と衝撃を減少させるよう、柔軟な皮革または粘着パッドの形態のパッド材と共に使用することができる。
【0059】
作動器10をさらに適切に便座カバーに取り付けるよう、‘T’形状の硬質プラスチック部材を便座カバー内側に配置することができる。したがって作動器は、便座の‘T’形状部上に配置され、デフレクタが‘T’形状部をスライドし、作動器が滑ったり移動したりしないよう、作動器を蓋に直接的に取り付けている。
【0060】
作動器10は、トイレの色彩または一般的なトイレの装飾に合わせて、所望の色彩および/またはユーザの好みに従って製造できる。作動器は、便座のプラスチックの材料と類似する射出成型されたプラスチックで形成できる。
【0061】
図10と図11の操作で示すように、作動器は、移動のために第1および第2手段16と18を含んでいる。これらの手段は、ピストンであり、作動器がトイレ蓋106に取り付けられたときにそれぞれのピストン16と18が実質的に反対方向に延伸するよう、第1および第2部材内にそれぞれ配置されている。第1移動手段16は、センサ上に手をかざすなどの設定条件をセンサが検出すると起動され、重心が垂線を通過して移動するよう、便座104の位置を上昇位置から移動させることによって便座を下降位置に移動させる。第2移動手段18は、例えば1秒である設定時間後に起動され、重心が垂線を通過するよう便座106を上昇位置から移動させることによって蓋106を便座104と実質的に同一の高さである下降位置に移動させる。
【0062】
前述の本発明の好適実施例には、「請求の範囲」に定義されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの変更ができる。例えば、本発明は、ゴミ箱の蓋や容器本体を有するあらゆるその他の容器や、前述の作動器の利用によるヒンジ式蓋、あるいはその別実施形態を閉じるために配置できる。しかしながら、本発明は、便座と蓋が重なったヒンジ式構造に特に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ手段に着脱式に取り付けられた、またはヒンジ手段に隣接する本体を有する作動器であって、前記ヒンジ手段を、該ヒンジ手段の重心が垂線上または垂線を越える第1の位置と、重心が垂線の反対側に存在することで前記ヒンジ手段が重力によって保持される第2の位置との間で変移させるための移動手段を含んでおり、本作動器が設定条件を検出すると前記移動手段を起動させることを特徴とする作動器。
【請求項2】
前記設定条件は、独立的に感知された条件であることを特徴とする請求項2記載の作動器。
【請求項3】
前記設定条件は、設定時間であることを特徴とする請求項2記載の作動器。
【請求項4】
前記作動器は、2つの実質的に同軸であるヒンジ手段を重なって下降させるように両側への反対方向へ可動な第1および第2の移動手段を含んでおり、本作動器は、前記2つの実質的に同軸であるヒンジ手段の片方に取り付け可能であり、前記第1移動手段は、一方の前記同軸ヒンジ手段を他方からずらし、前記第2移動手段は、搭載された本作動器を有する前記同軸ヒンジ手段を垂直休止位置からずらすことを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の作動器。
【請求項5】
容器を閉じさせる作動器であって、前記容器は、閉じ具の重心が垂線上または垂線を越えている開位置と、重心が垂線の反対側に存在することで前記閉じ具が重力によって保持され、前記容器を閉じさせる閉位置との間で位置取り可能なヒンジ式閉じ具を備えた開口部を有しており、本作動器は、
a.前記閉じ具と連結するための本体と、
b.重心が垂線を越えるよう、前記閉じ具の位置を開位置から移動させることで前記閉じ具を閉位置に移動させるための手段と、
c.設定条件を検知して、前記移動手段を起動させるためのセンサと、を含んでいることを特徴とする作動器。
【請求項6】
前記容器は、便器であり、前記ヒンジ式閉じ具は、前記便器にヒンジ式に連結された便座および/または蓋であり、前記便座/蓋の重心が垂線の片側である上昇位置に位置取り可能であり、重心が垂線の反対側に存在することで前記ヒンジ式閉じ具は、前記便座が重力の影響によって前記便器と実質的に同一の高さとなる下降位置に位置取り可能であり、本作動器は、
a.前記便座/蓋に着脱式に連結可能な本体と、
b.重心が垂線を越えて移動するように前記便座の位置を上昇位置から移動させることで、前記便座/蓋を下降位置に移動させるための手段と、
c.独立的に設定条件を検出すると前記移動手段を起動させるための独立センサと、
を含んでおり、本作動器は、自動作動式閉鎖機構を提供するよう容易に着脱式に前記便座に取り付けることができることを特徴とする請求項5記載の作動器。
【請求項7】
前記作動器の本体は、水タンクに取り付け可能であることを特徴とする請求項5または6記載の作動器。
【請求項8】
前記作動器の本体は、蓋または便座に取り付け可能であることを特徴とする請求項5または6記載の作動器。
【請求項9】
前記移動手段は、手をセンサ上にかざす等である設定条件を前記センサが検出すると起動されることを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の作動器。

【請求項10】
移動手段は、例えば1秒などの設定時間後に起動され、重心が垂線を超えて移動されるよう便座を上昇位置から移動させることで、前記便座を該便座と実質的に同一の高さである下降位置に移動させることを特徴とする請求項5から9のいずれかに記載の作動器。
【請求項11】
反対方向に移動可能で、便座の蓋に取り付け可能な第1および第2の移動手段を含んでおり、前記第1移動手段は、センサ上に手をかざす等である設定条件を検出すると起動され、重心が垂線を越えて移動するよう前記便座の位置を上昇位置から移動させることによって便座を下降位置に移動させ、前記第2の移動手段は、例えば1秒などの設定時間後に起動され、重心が垂線を超えて移動されるよう前記便座を上昇位置から移動させることによって前記便座を該便座と実質的に同一の高さである下降位置に下降させることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の作動器。
【請求項12】
前記本体は、第1および第2の部材から形成されており、前記第1および第2部材は、ヒンジによって連結されており、閉じ具の周囲に取り付けられることを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の作動器。
【請求項13】
前記作動器は、前記閉じ具を前記容器に連結する前記ヒンジの反対側で前記閉じ具の周囲に取り付けられることを特徴とする請求項5から12のいずれかに記載の作動器。
【請求項14】
前記閉じ具の位置を移動させるための手段の少なくとも一つは、引込み位置から延伸位置に移動可能なピストンであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の作動器。
【請求項15】
前記ピストンは、第1の本体部材内に配置されており、タイマーによって起動されると、固定部を押すべく前記ピストンが引込み位置から延伸位置に移動して便座または蓋を閉じさせることを特徴とする請求項11記載の作動器。
【請求項16】
前記閉じ具の位置を移動させるための手段の少なくとも一つは、引込み位置から延伸位置に移動可能なレバーであることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の作動器。
【請求項17】
前記センサは、モーションセンサであることを特徴とする請求項5から16のいずれかに記載の作動器。
【請求項18】
前記センサは、タッチセンサであることを特徴とする請求項5から16のいずれかに記載の作動器。
【請求項19】
本作動器は、移動のための第1および第2の手段を含んでおり、これらの手段は、ピストンであり、本作動器が閉じ具またはトイレ蓋に取り付けられたときにそれぞれの前記ピストンが実質的に反対方向に延伸するよう、第1および第2の部材内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項5記載の作動器。
【請求項20】
前記第1および/または第2のピストンは、一方側でトイレ蓋に、他方側で水タンクまたは壁などと整合するよう互いに横方向に移動でき、よって反対方向への作動を可能にしていることを特徴とする請求項19記載の作動器。
【請求項21】
前記第1ピストンは、前記第2ピストンより前に作動できるため、前記便座を前記トイレ蓋より前に下降させることを特徴とする請求項19または20記載の作動器。
【請求項22】
本作動器は、電池によって電力供給されることを特徴とする請求項21記載の作動器。
【請求項23】
本作動器は、必要な回路と共に前記本体部材内に収容できる電池によって電力供給されることを特徴とする請求項22記載の作動器。
【請求項24】
前記センサは、本作動器が便座の蓋に取り付けられたとき、前記センサが実質的に前記トイレ蓋と垂直となるように前記第2の部材に搭載されていることを特徴とする請求項23記載の作動器。
【請求項25】
前記第1部材は、電池の交換を容易にさせる2部分を含んでいることを特徴とする請求項24記載の作動器。
【請求項26】
前記第1の部材は、前記第2の部材にヒンジ式に搭載された固定部を含んでいることを特徴とする請求項25記載の作動器。
【請求項27】
本作動器は、前記ピストンによって提供される作動力を変更するための手段を有することを特徴とする請求項26記載の作動器。
【請求項28】
本作動器は、下降位置にあるときに動作を停止されることを特徴とする請求項27記載の作動器。
【請求項29】
容器を閉じさせるための作動器であって、前記容器は、該容器がアクセス可能でヒンジ式前記閉じ具の重心が垂線の片側に存在する開位置に前記ヒンジ式閉じ具を有する容器本体を含んでおり、前記ヒンジ式閉じ具は、重心が垂線の他方側に存在することで重力の影響下に保持され、前記容器へのアクセスを不能にする位置で保持され、
本作動器は、
a.前記閉じ具を連結するための本体と、
b.重心が垂線を通過することで前記閉じ具を閉位置に移動させるよう、前記閉じ具の位置を開位置から移動させるための手段と、
c.設定時間が過ぎると前記移動手段を起動させるためのタイマーと、
d.設定条件を検出すると前記タイマーを起動させるためのセンサ、
とを含んでいることを特徴とする作動器。
【請求項30】
前記センサは、動作が検出されたときに前記タイマーが起動されるよう配置されていることを特徴とする請求項29記載の作動器。
【請求項31】
前記タイマーは、任意の所望時間に設定できるが、好適には2分から5分の間に設定され、さらに好適には2分に設定されることを特徴とする請求項29記載の作動器。
【請求項32】
a.設定時間後に移動手段を起動させるためのタイマーと、
b.設定条件を検出すると前記タイマーを起動させるためのセンサと、
を含んでいることを特徴とする請求項1から28のいずれかに記載の作動器。
【請求項33】
直立位置と下降位置との間でヒンジ要素を制御するための方法であって、
本方法は、
a.ヒンジ要素を実質的に直立位置に維持するための手段を提供するステップと、
b.前記ヒンジ要素の位置を直立位置から移動させるための手段を有する作動器を提供するステップと、
c.前記作動器を始動させるための始動手段を提供するステップと、
を含んでおり、
d.前記始動手段は、始動信号を受領して前記作動器を起動させ、
e.前記作動器は、前記始動信号を受領すると、直立位置にある前記ヒンジ要素を維持するための手段に十分に打ち克つよう、直立位置と下降位置との間で前記ヒンジ要素の部分的動作を提供するよう前記移動手段を移動させ、重力に直立位置と下降位置との間で前記ヒンジ要素の動作を完了させることを特徴とする方法。
【請求項34】
本方法は、反対方向に移動させるための複数の手段を提供し、前記センサ上に手をかざす等である設定条件を前記センサが検出すると第1の移動手段が起動されるよう、前記第1および第2の移動手段は、反対方向に移動可能で便座の蓋に取り付け可能であり、重心が垂線を越えるよう便座の位置を上昇位置から移動させることで前記便座を下降位置に移動させ、前記第2の移動手段は、例えば1秒などの設定時間後に起動され、重心が垂線をこえるよう便座を上昇位置から移動させることで便座を該便座と実質的に同一の高さである下降位置に移動させることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記始動手段は、前記タイマーであることを特徴とする請求項33または34記載の方法。
【請求項36】
前記ヒンジ要素を実質的に直立位置に維持するための手段は、直立位置と下降位置との間の前記ヒンジ要素の必要な動作の側へ移動させる垂線の反対側の傾斜位置であることを特徴とする請求項33、34または35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記ヒンジ要素を維持するための手段は、摩擦、磁気、またはその他の保持手段であって、前記ヒンジ要素を直立位置から移動させるための手段は、前記摩擦、磁気またはその他の保持手段に打ち克つに十分な作用力を有しており、あるいは重力に直立位置と下降位置との間で前記ヒンジ要素の動作を完了させることを特徴とする請求項33から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
直立位置と下降位置との間での前記ヒンジ要素の重力運動は、直立位置と下降位置との間での前記ヒンジ要素の前記重力運動の作用を制御または変更するよう、バネ力、油圧/水圧力、摩擦力または弾性力などの制御要素を含んでいることを特徴とする請求項33から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
図面と関連して実質的に前述した作動装置。
【請求項40】
図面に関連して実質的に前述した、直立位置と下降位置との間で前記ヒンジ要素を制御するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−526643(P2012−526643A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511090(P2012−511090)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/AU2010/000556
【国際公開番号】WO2010/132920
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511156405)
【出願人】(511156416)
【Fターム(参考)】