作動圧力よりかなり高い背圧に耐える破裂ディスクアセンブリ
破裂起動圧力より大幅に高い背圧を耐えることが可能である活性破裂ディスクユニットが提供される。本ユニットは、流体通路を有する管状筐体を含む。テーパ形状の壁構造は、少なくとも、流体流入口より大きい領域である流体流出口を持つ通路の一部を規定する。破裂ディスクは筐体によって担持され、通路に対して流体を遮断する関係にある中央の湾曲セクションを有する。テーパ状の自己解放むくの個体プラグは、通路のテーパ状部分に一致するよう配置される。プラグは、破裂ディスクの中央セクションに対して全体をサポートするように形成されまた配置される曲面を有する。プラグは、ディスクの起動圧力より実質的に大きい背圧下で、ディスクの中央セクションの破裂を防ぐために十分な質量を持つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破裂起動圧力より大幅に高い背圧に耐えることができる、起動破裂ディスクユニットに関する。石油探査及び回収における主要な問題は、圧力起動装置の不具合である。破裂ディスクユニットは、多数の油田ダウンホールの仕上げ及び生産装置のいずれか1つを作動させるのに、特に有用であるが、深海、宇宙空間、変圧器、及び高圧力容器を含む、高い差背圧への耐性を必要とする他の用途でも使用可能である。
【0002】
起動ディスクは、1,000から8,000psig位の起動圧力で破裂可能である一方、少なくとも約20,000psig、またはそれ以上、例えば35,000psigから約50,000psig程度までの差背圧に耐えることが可能であることが好ましい。直径1/4インチのディスクの破裂圧力は、約1,000psigであり、90%の動作比まで、より大きいサイズの破裂圧力より低い。さらに、そのユニットの破裂ディスクは、破裂圧力の90%に対して少なくとも約100サイクルのフル背圧が課される時、過度に疲労しないことが望ましく、また普通は油井のダウンホールで遭遇する40°F程度の低温から350°F程度の高温の温度範囲内で、信頼性を持って動作しなければならない。
【背景技術】
【0003】
破裂ディスクは、これまで、様々なダウンホール油井での用途に用いられてきた。US特許5、996、696では、装置が、油井ケーシングでの石油配送チュービングの完全性のテストのため提供されている。端と端がつながれた一連のパイプストリングセクションの下方に連結された管状ホルダは、ホルダの通路を通常は封鎖する破裂ディスクを備える。ホルダが所定の位置にある、パイプストリングは、隣接する一対のチュービングセクション間の連結の完全性をテストするのに十分である流体圧力に課される。一旦いずれのパイプストリングセクションの連結に漏れがないことが決定されると、チュービングストリングは、ディスクを破裂させる程度まで過圧され、これにより、ホルダを開放し、パイプストリングと連通する通路を提供する。この井戸テストでの破裂ディスクの用途において、破裂ディスクの両サイドの圧力は、差背圧を耐えるディスクの能力を決して超えない。
【0004】
もう1つのダウンホールでの破裂ディスクの用途では、破裂ディスクは、パイプストリングの下端セクションに連結される管状ホルダの側壁において、吸水ロッドや他のタイプのポンプの直上に取り付けられる。ポンプの保守や交換が必要な場合、これはダウンホールの状態によって数週間から数か月と頻度は様々であるが、チュービングストリングは、ディスクを破裂させる程度まで地表の圧力源から過圧されることが可能で、これにより、セクションが順に地表まで引っ張られ、一度に一つずつ外される時、パイプストリングの液体を、ストリングから排出させることができる。このように、井戸から引き出され、下方のパイプセクションから外される時、各セクションからの石油の漏出が回避される。ここで再び、排出弁ディスクの圧力差は、ディスクを早期に破裂させるほど大きくない。
【0005】
しかしながら、当該技術分野において、とても高い様々な差背圧を耐えることが可能であるが、同時に著しく低い起動圧力の下で、確実に選択的に開放できる、起動破裂ディスクユニットが長年にわたって求められてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでに満たされていない要求は、設計起動圧力と比較して非常に高い差背圧に耐える、また、40°F程度の低温から350°F程度の高温の温度範囲内で、破裂圧力の90%に対して少なくとも約100サイクルのフル背圧を確実に耐える起動破裂ディスクユニットに対するものであった。破裂ディスクユニットは、Oリングで密閉可能で、支持部材に容易に取付及び交換可能で、経済的に製造され、油田井孔でしばしば遭遇する腐食状態を耐えることが可能でなければならなかった。これらの困難な課題は、本発明によって満たされた。
【0007】
破裂ディスクユニットは、起動流体通路を有する筐体、及び通路に対して通常には流体遮断関係にある湾曲破裂ディスクを含む。流体通路の一部は、テーパ状部分の流入口が、流出口の領域より小さい領域であるようにある方向に細くなる。湾曲破裂ディスクは、起動流体通路のテーパ部分の流出口に対して、流れを遮断する関係でその中央セクションに配置されるように、筐体内に取り付けられる。破裂ディスクの凸面は、テーパ状起動流体通路のより大きい側の端部から離れる方向に対向する。テーパ状の、一般には円錐形の、自己解放するむくの個体プラグは、テーパ状通路にその最大端面で破裂ディスクの湾曲セクションの凹面と一致係合するように、相補的に収容される。プラグは、プラグの大きい側の面に向かう方向へ破裂ディスクに加えられる高い差背圧の下で、プラグがテーパ状通路に詰められる時、ディスクの破裂をサポートし、防止するのに十分な質量である。しかしながら、起動圧力が破裂ディスクの凹面に向かう方向にプラグに加えられる時、プラグが、テーパ状通路からすぐに解放され、それによって、ディスクの湾曲セクションの破裂を可能にする。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、プラグへの流体圧力の下、流体通路から取り外される際のプラグを捕捉するために、要素がプラグと対応して動作するように提供される。この要素は、T型器具の形状でもよく、その幹部分は、器具の横材が、流体通路の外部に位置する間、プラグに取り付けられる。器具の幹部分は、器具の横材が起動ユニットの管状筐体に接触して固定される前に、プラグが流体通路から実質的に移動されるような長さである。捕捉器具の他の形態は、プラグ及び主破裂ディスクの間に間置された第2のディスクから成ってもよく、第2のディスクは、プラグに溶接などによって取り付けられるヒンジセクションを形成するU型ラインの脆弱部を有する。流体通路からのプラグの流体圧力離脱の際、プラグに連結されたU型ヒンジセクションが第2のディスクの本体から曲げられるので、プラグは捕捉され、筐体の中に保持される。
【0009】
破裂ディスクの湾曲領域の直径は可変であるが、通常、約1/8から約4インチの範囲内であり、しかし大きいサイズが高圧に耐えさせる特定の用途に対して用いられてもよい。半球の端面を有する円錐プラグは、破裂ディスクの起動圧力の少なくとも約10倍の圧力の下で、破裂ディスクの中央セクションをサポートするサイズと質量である。起動圧力とユニットの差耐圧との比は、好ましくは約1:10から約1:50であるが、ユニットは、起動圧力と差耐圧との比が1:2のオーダである用途で使われてもよい。破裂ディスクの湾曲セクションの最大高さと湾曲セクションの直径との比は約1:2.5である。プラグの最大の軸長に対するプラグの最大直径の比はおよそ0.7である。様々な材料が起動破裂ディスクユニットの製造のために使用されてもよいが、ユニット筐体及びプラグは、ステンレススチールの棒材料から製造され、破裂ディスクはインコネルから製造されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の起動破裂ディスクユニットの1つの実施形態の一方からの斜視図、
【図2】図1に図示される起動破裂ディスクユニットの反対側からの斜視図、
【図3】図1の起動破裂ディスクユニットの上面図、
【図4】図1の起動破裂ディスクユニットの平面図、
【図5】図1の起動破裂ディスクユニットの底面図、
【図6】図1の破裂ディスクユニットの拡大分解斜視図、
【図7】図3のライン7−7に沿った、図1の起動破裂ディスクユニットの拡大縦断面図、
【図8】例えば、油井のダウンホールに使用されてもよい装置を通る概略縦断面図であり、装置のピストンスリーブの動作位置に取り付けられた図1の起動破裂ディスクユニットを図示する、
【図9】明瞭にするために一部が破断されている、図8の装置を通る概略横断面図、
【図10】本発明の起動破裂ディスクユニットの他の実施形態の一方からの斜視図、
【図11】図10に図示された起動破裂ディスクユニットの反対側の斜視図、
【図12】図10の起動破裂ディスクユニットの上面図、
【図13】図10の起動破裂ディスクユニットの平面図、
【図14】図10の起動破裂ディスクユニットの底面図、
【図15】図10の起動破裂ディスクユニットの拡大分解斜視図、
【図16】図12のライン16−16に沿った、図10の起動破裂ディスクユニットの拡大縦断面図、
【図17】プラグが流体通路から離脱する際に、筐体内のプラグを捕捉しかつ保持するように動作可能である要素を含む、起動破裂ディスクユニットの別の実施形態の一方からの斜視図、
【図18】図17の起動破裂ディスクユニットの縦断面図、
【図19】捕捉要素がユニットが起動する時にプラグがユニットの筐体から放出されることを防止する様子を示す図17に類似の縦断面図、
【図20】プラグを捕捉しかつユニットの筐体から放出されることを防止するために、起動破裂ディスクユニットの筐体に組み込まれてもよい第2のディスクの斜視図、
【図21】プラグが筐体から放出されることを防止する第2のプラグ捕捉ディスクを組み込んだ起動破裂ディスクユニットの別の実施形態の縦断面図、
【図22】ユニットの起動の際に、プラグが捕捉されかつ筐体から放出されることを防止されている様子を図示する、図21の実施形態の縦断面図、
【図23】破裂ディスクの中央セクションをサポートするプラグに小さい、軸方向に伸びる、プラグを通る流体通路が設けられている本発明の別の実施形態を図示する、図7に類似の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜6に示される本発明の実施形態の起動破裂ディスクユニットが、番号20により広く示される。破裂ディスクユニット20は、好ましくはステンレススチールの棒材料から機械加工される管状筐体22を有する。筐体22は、環状ステンレススチール製入口ボディ24及び別体の環状ステンレススチール製出口部材26を備える。インコネル製の湾曲破裂ディスク28は、図7に最も良く示されるように、ボディ24及び部材26との間に配置される平坦な周辺部分28aを有する。破裂ディスク28の製造に使用され得る他の材料は、特に、ステンレススチール、ハステロイ、及びアルミニウムである。ボディ24及び部材26の外縁は、湾曲破裂ディスク28の周辺部分28aの外側端部と共に、一体型のアセンブリを形成するように溶接などにより結合されることが好ましい。
【0012】
部材26は、中央起動流体通路30を有し、これは、通路30のテーパ状、好ましくは円錐形の通路部分34と同軸であり、かつ連通する最外円筒セグメント32を含む。部分34は、柱円筒セグメント32より軸方向に長い。起動通路30のテーパ状部分34の傾斜度は約16°から約35°の範囲であることが好ましい。
【0013】
環状入口ボディ24を通って延在する通路30の流体放出通路部分36は、通路30と同軸であり、起動通路30の通路部分34より実質的に直径が大きい。通路部分36の直径は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の直径と同じであることが好ましい。出口部材26の、内側に延在する一体型の環状リップ部分42の外面40は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の内側凹面44と相補的に係合するよう湾曲する。
【0014】
テーパ状で、略円錐で、自己解放する、むくの個体のモノリシックプラグ46は、テーパ状通路34に相補的に係合して配置される。プラグ46は、起動通路30のテーパ状部分34の軸長とほぼ等しい軸長であることが好ましい。プラグ46の半球状端面セグメント48は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の内側凹面44と相補的に係合してサポートするよう構成されている。環状出口部材26のリップ部分42の外側円状エッジは、プラグ46の半球状端面セグメント48の円周方向に延在するエッジと滑らかに一体化するように構成されるべきである。円錐プラグの軸に平行であり、かつ端面セグメント48がプラグの曲線面と一体化するエッジを通って延在する仮想線に対して、プラグ46の外側の湾曲面への接線が、25°の角度であることが好ましい。ここで使用される“自己解放プラグ”は、プラグのテーパ部及びそのための関連通路が過度に狭い場合、プラグ46はテーパ状通路に入り込む傾向があることを意味する。一方、テーパ角度が大きすぎる場合、プラグ46は、移動し、かつ高圧負荷の下で所定の位置に適切に保持されない傾向がある。プラグ46の面50は、平坦で、通路30の円筒セグメント32とテーパ状部分34との接合域と一致させて配置されることが好ましい。プラグ46もまた、ステンレススチールから製造されることが好ましい。
【0015】
環状入口ボディ24の通路部分36は、六角の取付及び取外工具の受け入れのため、断面が六角形の構造であり、また、工具に対応するため、軸方向に延在し、内側方向を向き、間隔のあいた、断面がV型の6つのキャビティ52が備えられている。環状入口ボディ24は、ユニット20が螺合可能に取り付けられる構造の決められた位置に破裂ディスクユニット20を保持するための外ネジ54を備える。
【0016】
起動破裂ディスクユニット20の最も多い用途では、環状入口ボディ24及び環状出口部材26から成る管状筐体は、直径が約1/8インチから約4インチである湾曲セクション38を有する破裂ディスクに対応するサイズである。プラグの最大の軸長に対するプラグの最大直径の比率が約0.7であるステンレススチールのプラグ46を用いることにより、プラグ46は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の起動圧力の少なくとも約10倍の大きさの差背圧の下で、破裂ディスク28の中央湾曲セクション38の破裂をサポートしかつ防止するために十分な質量であることが見出された。通路部分34のテーパ及び、円錐プラグ46の湾曲面の対応するテーパは、16°から35°の範囲内であることが好ましく、最も好ましくは約25°である。テーパ角度をこの範囲内に維持することにより、プラグ46は、約1,000psigから8,000psigの範囲内の、最も一般的には5,000から6,000psigの範囲の最も望ましい起動圧力で自己解放する。ステンレススチールが、プラグ46及び筐体20の構成のために好ましい材料であるが、起動破裂ディスクユニット20の使用中に耐えなければならない差背圧に応じて、他の同様な金属材料が使用されてもよい。筐体のための代替材料は、インコネル、ハステロイ、及びアルミニウムなどの金属を含み、一方、プラグ46は、さらに、セラミック組成物、エポキシ樹脂などの強化合成樹脂材料、グラファイトや他の同様な壊れ易い材料、グラスファイバ強化炭素質製品、または、例えば約300°Fから350°Fの範囲内の温度で溶ける、低融点の共晶または可融合金から製造されてもよい。
【0017】
1/4インチの湾曲セクション38を持つ破裂ディスクを対象とした例示的なプラグ46は、例えば、直径1/4インチで3/8インチの長さの316ステンレススチール棒材料から加工されてもよい。このプラグの湾曲面48は一般的に半径0.154インチである。端面セグメント48の円周エッジで計測されたプラグ46の全体の最大直径は、0.178インチである。プラグの全高は0.125インチである。円錐プラグ46の好ましいテーパは、25°であり、従って、面50の面積は、プラグのテーパ面の角度の関数である。
【0018】
図8及び9は石油仕上げ及び生産分野において、起動破裂ディスクユニット20の1つの有用な適用を概略的に示す。これらの図の概略的描写において、ダウンホール油井ツール58の外管56は、管56及び内管62との間に位置する可動スリーブピストン60を収容する。Oリング64は、ピストン60の外面及び管56の内面との間の密封を提供し、一方、Oリング66は、ピストン60の内面及び管62の外面との間に密封を提供する。起動破裂ディスクユニット20はピストン60の外面に螺入され、通路部分36は、ピストン60の外面及び管56の内面の間の、Oリングシール64の下方の空間と連通する。通路30の円筒セグメント32は、ピストン60の内面と管62の外面との間の、Oリング66の上方の空間に開口しているピストン60のポート68と連通する。半径方向に配置された複数の通路70は、チャンバ74とチャンバ76とを連通させる。Oリング64及び66は、共同的に、それらの片側にチャンバ72を規定し、かつ、それらの反対側にチャンバ74を規定する。管62の内側には、長いチャンバ76が設けられている。図8の概略図において、チャンバ72は、記号PF(LO)を有し、一方、記号PB(HI)はチャンバ74及び76にある。これらの記号は、ツール58の操作の間の各チャンバに存在する圧力状態を示す。
【0019】
ツール58の例示的な使用では、チャンバ72は、窒素などのガスで、地表レベルにおいて、例えば3,500psigの所定の圧力まで加圧されてもよい。チャンバ72の加圧は、チャンバ72及びチャンバ74との間に圧力差をもたらし、スリーブピストン60を、チャンバ74に向う進行路の端まで移動させる。そして、チャンバ72は、そのチャンバを閉鎖するために封止をされることが好ましい。ツール58は、その後抗井孔へ降ろされてもよい。チャンバ74及び76の静水圧は、深さに伴い増加する。ツールが降ろされるにつれ、チャンバ76及び74の圧力PB(HI)は、その圧力がチャンバ72の圧力と均等になるまで増加する。チャンバ74及び76の圧力が、チャンバ72の初期圧力を超える圧力に増加することにより、チャンバ72内のガスがさらに圧縮されて、それに伴ってスリーブピストン60を動かすことが可能となる。チャンバ72内の圧力は、チャンバ74及び76内の圧力と等しくなるまで徐々に増加する。あるタイプのツールでは、等しくなったチャンバ72及びチャンバ74、76の圧力が、例えば10,000psigのあるレベルに達した時、スリーブピストン60が最終的に適切な位置にロックされてもよい。
【0020】
チャンバ76及び従ってチャンバ74内の圧力は、井戸変動の結果として、例えばおよそ6,000psigと20,000psigとの間で劇的に変動し得る。チャンバ74及び76の圧力が、チャンバ72の圧力を上回る時、プラグ46及び環状出口部材26のリップ部分42は、破裂ディスク28の湾曲セクション38を十分にサポートし、ディスクの破裂を防ぐ。この差圧の増加は、20,000psig(チャンバ74及び76内の30,000psigマイナスチャンバ72内の10,000psig)程度まで可能である。破裂ディスク28の湾曲セクション38をサポートするプラグ46及びそれに対応するリップ42は、その非常に高い背圧を完全にサポートすることが可能である。
【0021】
一方、チャンバ76及び74の圧力が10,000psigを下回る時、スリーブピストン60が適切な位置にロックされ、チャンバ72に閉じ込められたガスをそれ以上加圧することができないため、破裂ディスク28の湾曲セクション38の圧力サイクリングが起こってもよい。チャンバ72のオフセット圧以下の、チャンバ74内の圧力の各変化は、破裂ディスク28の1サイクルである。破裂ディスクユニット20の独自の構造は、少なくとも約100サイクル以上の破裂ディスクの圧力サイクリングに対応する。
【0022】
破裂ディスク28は、必要に応じて、例えばチャンバ74及び76の圧力レベルを5,000psig上回るディスクの破裂圧力を超えるレベルまでチャンバ72の圧力を単に増加させることによって、起動及び破裂されてもよい。ディスク28の破裂をもたらすのに十分な圧力がプラグ46の面50に加えられる時、プラグ46は拘束されることなく、破裂ディスク28の湾曲セクション38へ向かってシフトし、それによって、湾曲セクション38の破裂及び開放をもたらす。
【0023】
図面の図10−16に図示される別の起動破裂ディスクユニット120は、構成および動作において、破裂ディスクユニット20と類似しており、その動作特性及び利点を全て備える。破裂ディスクユニット120は、環状で、外部ネジ式の入口ボディ124及び環状出口部材126を有する筐体122を含む。湾曲中央セクション138及び周辺フランジ128aを有する破裂ディスク128は、破裂ディスクユニット20に関して前述したのと同じ様式で、ボディ124及び部材126との間に設置される。
【0024】
ディスクユニット20及びディスクユニット120間の主な違いは、ディスク128の開放方向の反転である。破裂ディスク120も、また、好ましくは、ステンレススチールの棒材料から機械加工された管状筐体122を有する。筐体122は、環状のステンレススチール製入口ボディ124及び別体の環状ステンレススチール製出口部材126を有する。湾曲破裂ディスク128は、入口ボディ124と出口部材126との間に設置され、ボディ124、部材126及びディスク128の周辺部分128aは、溶接などによって接合されている。
【0025】
筐体122は、破裂ディスクユニット20の六角ツールを受ける通路部分36と同じ直径及び構造の通路部分136から成る中央起動通路130を有する。通路部分136は、テーパ状の通路部分134につながる小口径の通路部分137と連通する。ボディ124の、周方向に延在しかつ外側を向くリップ部分142は、湾曲した構造であり、破裂ディスクユニット20の入口ボディ24のリップ部分42と同様に、破裂ディスク128の凹面144の外周と相補的に係合する。テーパ状の通路部分134も、16°から35°の角度が好ましく、約25°が最も好ましい。
【0026】
環状出口部材126は、環状入口ボディ124の起動通路130と同軸の通路132を有する。通路132の直径は、破裂ディスク128の湾曲セクション138の直径と等しいことが好ましい。自己解放円錐プラグ146も、同様に316ステンレススチールから製造されることが好ましく、入口ボディ124のテーパ状通路部分134に相補的に収容されるよう構成される。破裂ディスクユニット120が直径1/4インチの湾曲セクション138を有する破裂ディスクと併せて使用される時、プラグ146の寸法は、プラグ46に関して記載したのと同じでよい。
【0027】
破裂ディスクユニット120も、作動圧力と比較して非常に高い背圧に耐える能力が要件である用途に使用されるよう構成される。ユニット120の作動は、加圧流体を、プラグ146の面150に対して、通路部分136及び通路部分137を通して通路130へ導入することによって制御され、この加圧流体の導入は、破裂ディスク128の湾曲セクション138を破裂させるのに十分なものである。プラグ146の自己解放特性のため、プラグはテーパ状通路部分134からの解放に対して拘束されることはない。
【0028】
破裂ディスクユニット120は、低圧力差を保つために、圧力がユニットの入口側に加えられることを必要とせずに、破裂ディスクユニットの出口側が直接の井戸圧力に晒される場合に、作動装置として、特に有効である。例えば、入口が大気圧である一方、出口が井戸圧に晒されてもよい。
【0029】
別の作動破裂ディスクユニット220が、図面の図17〜19に示され、筐体222の通路232に延在し、プラグ246に嵌め込まれかつ溶接されてもよい長い幹部分282を持つ、略T型の金属器具280を有する278で広く示される要素の追加を除いて、図1〜7に関して図示されかつ説明されたような、類似の筐体、ディスク及びプラグを含む。器具280の幹部分282は、器具280の分岐した横材284が筐体220の出口部材226の外面226aから通常時は距離を隔てるような長さである。横材284の腕284aは、図17に図示されるように、異なる方向に通路232から延在する。図19に図示されるように、プラグ246の面250に対する流体圧力によるユニット220の起動の際に、プラグ246が通路230から外れた時、ディスク228が破裂する。プラグ246は、横材284の腕284aと、出口部材226の外面226aとの係合により、筐体222内に捕捉される。
【0030】
破裂ディスクユニットの起動時のプラグを捕捉するための別の代替構造が、図20〜22に図示される。第2ディスク386がユニット320のディスク328に覆われる。ディスク386は、中央湾曲セクション386bと一体であるフランジ部分386aを有する。ディスク386は、フランジ386a内に延在し、またディスク386の湾曲セクション386bに形成された略円形の内部セクション338bとつながる脚セグメント388aを持つ脆弱部388のU型のスリットまたはラインを備える。脆弱部388のラインは、脆弱部388の脚セグメント388aの最外端の間を、ディスク386のヒンジ領域394まわりで曲げることが可能なヒンジセクション392を規定する。ドーム状中央セクション386bは、プラグ346の端面セグメント348に、点390においてスポット溶接される。
【0031】
図22に最も良く図示されるように、プラグ346の面350に対する流体圧力によってユニット320を起動させて、プラグが出口部材326から外されると、ディスク328の中央湾曲セクション338が、プラグ346により破裂される。出口部材326の通路330からのプラグ346の離脱は、ディスク386のヒンジセクション392を、ヒンジ領域394まわりで曲げる。図22に最も良く図示されるように、ディスク386のヒンジセクション392の、プラグ346の面384へのスポット溶接により、プラグ346の作動は、プラグ346を、ユニット320の筐体322内に保持させることとなる。
【0032】
図23に図示される、本発明のさらなる別の実施形態では、プラグ446が、それを通る軸方向に延在する流体通路494を備えている以外、ユニット420はユニット20と同じである。通路494は、起動流体圧力を、破裂ディスク428の湾曲セクション438の下面に当てることを可能にし、ディスク428の制御された破裂を支援する。プラグ446を通る通路494の具備により、破裂ディスクユニット420の流体起動は、特定の動作条件の下、より正確に制御されることが可能である。例えば、起動流体が比較的高粘性の場合、プラグ446の通路494の設置は、高粘性材料を破裂ディスク428へ直接接触させ、それによって、それの破裂を支援する。通路494の直径は、起動圧力に対する背圧の比に比例することが好ましい。比率が高くなるほど、通路の直径が小さくなり;この比が小さくなるほど、プラグ446の直径に対する通路494の直径が大きくなる。低い比の場合、破裂ディスク428のより速い起動が望まれ、通路494はより大口径とするべきである。高い比の場合、破裂ディスクの起動に対するより大きな制御が必要とされもしくは望まれ、プラグ446の直径に対してより小口径の通路494が設けられるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、破裂起動圧力より大幅に高い背圧に耐えることができる、起動破裂ディスクユニットに関する。石油探査及び回収における主要な問題は、圧力起動装置の不具合である。破裂ディスクユニットは、多数の油田ダウンホールの仕上げ及び生産装置のいずれか1つを作動させるのに、特に有用であるが、深海、宇宙空間、変圧器、及び高圧力容器を含む、高い差背圧への耐性を必要とする他の用途でも使用可能である。
【0002】
起動ディスクは、1,000から8,000psig位の起動圧力で破裂可能である一方、少なくとも約20,000psig、またはそれ以上、例えば35,000psigから約50,000psig程度までの差背圧に耐えることが可能であることが好ましい。直径1/4インチのディスクの破裂圧力は、約1,000psigであり、90%の動作比まで、より大きいサイズの破裂圧力より低い。さらに、そのユニットの破裂ディスクは、破裂圧力の90%に対して少なくとも約100サイクルのフル背圧が課される時、過度に疲労しないことが望ましく、また普通は油井のダウンホールで遭遇する40°F程度の低温から350°F程度の高温の温度範囲内で、信頼性を持って動作しなければならない。
【背景技術】
【0003】
破裂ディスクは、これまで、様々なダウンホール油井での用途に用いられてきた。US特許5、996、696では、装置が、油井ケーシングでの石油配送チュービングの完全性のテストのため提供されている。端と端がつながれた一連のパイプストリングセクションの下方に連結された管状ホルダは、ホルダの通路を通常は封鎖する破裂ディスクを備える。ホルダが所定の位置にある、パイプストリングは、隣接する一対のチュービングセクション間の連結の完全性をテストするのに十分である流体圧力に課される。一旦いずれのパイプストリングセクションの連結に漏れがないことが決定されると、チュービングストリングは、ディスクを破裂させる程度まで過圧され、これにより、ホルダを開放し、パイプストリングと連通する通路を提供する。この井戸テストでの破裂ディスクの用途において、破裂ディスクの両サイドの圧力は、差背圧を耐えるディスクの能力を決して超えない。
【0004】
もう1つのダウンホールでの破裂ディスクの用途では、破裂ディスクは、パイプストリングの下端セクションに連結される管状ホルダの側壁において、吸水ロッドや他のタイプのポンプの直上に取り付けられる。ポンプの保守や交換が必要な場合、これはダウンホールの状態によって数週間から数か月と頻度は様々であるが、チュービングストリングは、ディスクを破裂させる程度まで地表の圧力源から過圧されることが可能で、これにより、セクションが順に地表まで引っ張られ、一度に一つずつ外される時、パイプストリングの液体を、ストリングから排出させることができる。このように、井戸から引き出され、下方のパイプセクションから外される時、各セクションからの石油の漏出が回避される。ここで再び、排出弁ディスクの圧力差は、ディスクを早期に破裂させるほど大きくない。
【0005】
しかしながら、当該技術分野において、とても高い様々な差背圧を耐えることが可能であるが、同時に著しく低い起動圧力の下で、確実に選択的に開放できる、起動破裂ディスクユニットが長年にわたって求められてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまでに満たされていない要求は、設計起動圧力と比較して非常に高い差背圧に耐える、また、40°F程度の低温から350°F程度の高温の温度範囲内で、破裂圧力の90%に対して少なくとも約100サイクルのフル背圧を確実に耐える起動破裂ディスクユニットに対するものであった。破裂ディスクユニットは、Oリングで密閉可能で、支持部材に容易に取付及び交換可能で、経済的に製造され、油田井孔でしばしば遭遇する腐食状態を耐えることが可能でなければならなかった。これらの困難な課題は、本発明によって満たされた。
【0007】
破裂ディスクユニットは、起動流体通路を有する筐体、及び通路に対して通常には流体遮断関係にある湾曲破裂ディスクを含む。流体通路の一部は、テーパ状部分の流入口が、流出口の領域より小さい領域であるようにある方向に細くなる。湾曲破裂ディスクは、起動流体通路のテーパ部分の流出口に対して、流れを遮断する関係でその中央セクションに配置されるように、筐体内に取り付けられる。破裂ディスクの凸面は、テーパ状起動流体通路のより大きい側の端部から離れる方向に対向する。テーパ状の、一般には円錐形の、自己解放するむくの個体プラグは、テーパ状通路にその最大端面で破裂ディスクの湾曲セクションの凹面と一致係合するように、相補的に収容される。プラグは、プラグの大きい側の面に向かう方向へ破裂ディスクに加えられる高い差背圧の下で、プラグがテーパ状通路に詰められる時、ディスクの破裂をサポートし、防止するのに十分な質量である。しかしながら、起動圧力が破裂ディスクの凹面に向かう方向にプラグに加えられる時、プラグが、テーパ状通路からすぐに解放され、それによって、ディスクの湾曲セクションの破裂を可能にする。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、プラグへの流体圧力の下、流体通路から取り外される際のプラグを捕捉するために、要素がプラグと対応して動作するように提供される。この要素は、T型器具の形状でもよく、その幹部分は、器具の横材が、流体通路の外部に位置する間、プラグに取り付けられる。器具の幹部分は、器具の横材が起動ユニットの管状筐体に接触して固定される前に、プラグが流体通路から実質的に移動されるような長さである。捕捉器具の他の形態は、プラグ及び主破裂ディスクの間に間置された第2のディスクから成ってもよく、第2のディスクは、プラグに溶接などによって取り付けられるヒンジセクションを形成するU型ラインの脆弱部を有する。流体通路からのプラグの流体圧力離脱の際、プラグに連結されたU型ヒンジセクションが第2のディスクの本体から曲げられるので、プラグは捕捉され、筐体の中に保持される。
【0009】
破裂ディスクの湾曲領域の直径は可変であるが、通常、約1/8から約4インチの範囲内であり、しかし大きいサイズが高圧に耐えさせる特定の用途に対して用いられてもよい。半球の端面を有する円錐プラグは、破裂ディスクの起動圧力の少なくとも約10倍の圧力の下で、破裂ディスクの中央セクションをサポートするサイズと質量である。起動圧力とユニットの差耐圧との比は、好ましくは約1:10から約1:50であるが、ユニットは、起動圧力と差耐圧との比が1:2のオーダである用途で使われてもよい。破裂ディスクの湾曲セクションの最大高さと湾曲セクションの直径との比は約1:2.5である。プラグの最大の軸長に対するプラグの最大直径の比はおよそ0.7である。様々な材料が起動破裂ディスクユニットの製造のために使用されてもよいが、ユニット筐体及びプラグは、ステンレススチールの棒材料から製造され、破裂ディスクはインコネルから製造されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の起動破裂ディスクユニットの1つの実施形態の一方からの斜視図、
【図2】図1に図示される起動破裂ディスクユニットの反対側からの斜視図、
【図3】図1の起動破裂ディスクユニットの上面図、
【図4】図1の起動破裂ディスクユニットの平面図、
【図5】図1の起動破裂ディスクユニットの底面図、
【図6】図1の破裂ディスクユニットの拡大分解斜視図、
【図7】図3のライン7−7に沿った、図1の起動破裂ディスクユニットの拡大縦断面図、
【図8】例えば、油井のダウンホールに使用されてもよい装置を通る概略縦断面図であり、装置のピストンスリーブの動作位置に取り付けられた図1の起動破裂ディスクユニットを図示する、
【図9】明瞭にするために一部が破断されている、図8の装置を通る概略横断面図、
【図10】本発明の起動破裂ディスクユニットの他の実施形態の一方からの斜視図、
【図11】図10に図示された起動破裂ディスクユニットの反対側の斜視図、
【図12】図10の起動破裂ディスクユニットの上面図、
【図13】図10の起動破裂ディスクユニットの平面図、
【図14】図10の起動破裂ディスクユニットの底面図、
【図15】図10の起動破裂ディスクユニットの拡大分解斜視図、
【図16】図12のライン16−16に沿った、図10の起動破裂ディスクユニットの拡大縦断面図、
【図17】プラグが流体通路から離脱する際に、筐体内のプラグを捕捉しかつ保持するように動作可能である要素を含む、起動破裂ディスクユニットの別の実施形態の一方からの斜視図、
【図18】図17の起動破裂ディスクユニットの縦断面図、
【図19】捕捉要素がユニットが起動する時にプラグがユニットの筐体から放出されることを防止する様子を示す図17に類似の縦断面図、
【図20】プラグを捕捉しかつユニットの筐体から放出されることを防止するために、起動破裂ディスクユニットの筐体に組み込まれてもよい第2のディスクの斜視図、
【図21】プラグが筐体から放出されることを防止する第2のプラグ捕捉ディスクを組み込んだ起動破裂ディスクユニットの別の実施形態の縦断面図、
【図22】ユニットの起動の際に、プラグが捕捉されかつ筐体から放出されることを防止されている様子を図示する、図21の実施形態の縦断面図、
【図23】破裂ディスクの中央セクションをサポートするプラグに小さい、軸方向に伸びる、プラグを通る流体通路が設けられている本発明の別の実施形態を図示する、図7に類似の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜6に示される本発明の実施形態の起動破裂ディスクユニットが、番号20により広く示される。破裂ディスクユニット20は、好ましくはステンレススチールの棒材料から機械加工される管状筐体22を有する。筐体22は、環状ステンレススチール製入口ボディ24及び別体の環状ステンレススチール製出口部材26を備える。インコネル製の湾曲破裂ディスク28は、図7に最も良く示されるように、ボディ24及び部材26との間に配置される平坦な周辺部分28aを有する。破裂ディスク28の製造に使用され得る他の材料は、特に、ステンレススチール、ハステロイ、及びアルミニウムである。ボディ24及び部材26の外縁は、湾曲破裂ディスク28の周辺部分28aの外側端部と共に、一体型のアセンブリを形成するように溶接などにより結合されることが好ましい。
【0012】
部材26は、中央起動流体通路30を有し、これは、通路30のテーパ状、好ましくは円錐形の通路部分34と同軸であり、かつ連通する最外円筒セグメント32を含む。部分34は、柱円筒セグメント32より軸方向に長い。起動通路30のテーパ状部分34の傾斜度は約16°から約35°の範囲であることが好ましい。
【0013】
環状入口ボディ24を通って延在する通路30の流体放出通路部分36は、通路30と同軸であり、起動通路30の通路部分34より実質的に直径が大きい。通路部分36の直径は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の直径と同じであることが好ましい。出口部材26の、内側に延在する一体型の環状リップ部分42の外面40は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の内側凹面44と相補的に係合するよう湾曲する。
【0014】
テーパ状で、略円錐で、自己解放する、むくの個体のモノリシックプラグ46は、テーパ状通路34に相補的に係合して配置される。プラグ46は、起動通路30のテーパ状部分34の軸長とほぼ等しい軸長であることが好ましい。プラグ46の半球状端面セグメント48は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の内側凹面44と相補的に係合してサポートするよう構成されている。環状出口部材26のリップ部分42の外側円状エッジは、プラグ46の半球状端面セグメント48の円周方向に延在するエッジと滑らかに一体化するように構成されるべきである。円錐プラグの軸に平行であり、かつ端面セグメント48がプラグの曲線面と一体化するエッジを通って延在する仮想線に対して、プラグ46の外側の湾曲面への接線が、25°の角度であることが好ましい。ここで使用される“自己解放プラグ”は、プラグのテーパ部及びそのための関連通路が過度に狭い場合、プラグ46はテーパ状通路に入り込む傾向があることを意味する。一方、テーパ角度が大きすぎる場合、プラグ46は、移動し、かつ高圧負荷の下で所定の位置に適切に保持されない傾向がある。プラグ46の面50は、平坦で、通路30の円筒セグメント32とテーパ状部分34との接合域と一致させて配置されることが好ましい。プラグ46もまた、ステンレススチールから製造されることが好ましい。
【0015】
環状入口ボディ24の通路部分36は、六角の取付及び取外工具の受け入れのため、断面が六角形の構造であり、また、工具に対応するため、軸方向に延在し、内側方向を向き、間隔のあいた、断面がV型の6つのキャビティ52が備えられている。環状入口ボディ24は、ユニット20が螺合可能に取り付けられる構造の決められた位置に破裂ディスクユニット20を保持するための外ネジ54を備える。
【0016】
起動破裂ディスクユニット20の最も多い用途では、環状入口ボディ24及び環状出口部材26から成る管状筐体は、直径が約1/8インチから約4インチである湾曲セクション38を有する破裂ディスクに対応するサイズである。プラグの最大の軸長に対するプラグの最大直径の比率が約0.7であるステンレススチールのプラグ46を用いることにより、プラグ46は、破裂ディスク28の湾曲セクション38の起動圧力の少なくとも約10倍の大きさの差背圧の下で、破裂ディスク28の中央湾曲セクション38の破裂をサポートしかつ防止するために十分な質量であることが見出された。通路部分34のテーパ及び、円錐プラグ46の湾曲面の対応するテーパは、16°から35°の範囲内であることが好ましく、最も好ましくは約25°である。テーパ角度をこの範囲内に維持することにより、プラグ46は、約1,000psigから8,000psigの範囲内の、最も一般的には5,000から6,000psigの範囲の最も望ましい起動圧力で自己解放する。ステンレススチールが、プラグ46及び筐体20の構成のために好ましい材料であるが、起動破裂ディスクユニット20の使用中に耐えなければならない差背圧に応じて、他の同様な金属材料が使用されてもよい。筐体のための代替材料は、インコネル、ハステロイ、及びアルミニウムなどの金属を含み、一方、プラグ46は、さらに、セラミック組成物、エポキシ樹脂などの強化合成樹脂材料、グラファイトや他の同様な壊れ易い材料、グラスファイバ強化炭素質製品、または、例えば約300°Fから350°Fの範囲内の温度で溶ける、低融点の共晶または可融合金から製造されてもよい。
【0017】
1/4インチの湾曲セクション38を持つ破裂ディスクを対象とした例示的なプラグ46は、例えば、直径1/4インチで3/8インチの長さの316ステンレススチール棒材料から加工されてもよい。このプラグの湾曲面48は一般的に半径0.154インチである。端面セグメント48の円周エッジで計測されたプラグ46の全体の最大直径は、0.178インチである。プラグの全高は0.125インチである。円錐プラグ46の好ましいテーパは、25°であり、従って、面50の面積は、プラグのテーパ面の角度の関数である。
【0018】
図8及び9は石油仕上げ及び生産分野において、起動破裂ディスクユニット20の1つの有用な適用を概略的に示す。これらの図の概略的描写において、ダウンホール油井ツール58の外管56は、管56及び内管62との間に位置する可動スリーブピストン60を収容する。Oリング64は、ピストン60の外面及び管56の内面との間の密封を提供し、一方、Oリング66は、ピストン60の内面及び管62の外面との間に密封を提供する。起動破裂ディスクユニット20はピストン60の外面に螺入され、通路部分36は、ピストン60の外面及び管56の内面の間の、Oリングシール64の下方の空間と連通する。通路30の円筒セグメント32は、ピストン60の内面と管62の外面との間の、Oリング66の上方の空間に開口しているピストン60のポート68と連通する。半径方向に配置された複数の通路70は、チャンバ74とチャンバ76とを連通させる。Oリング64及び66は、共同的に、それらの片側にチャンバ72を規定し、かつ、それらの反対側にチャンバ74を規定する。管62の内側には、長いチャンバ76が設けられている。図8の概略図において、チャンバ72は、記号PF(LO)を有し、一方、記号PB(HI)はチャンバ74及び76にある。これらの記号は、ツール58の操作の間の各チャンバに存在する圧力状態を示す。
【0019】
ツール58の例示的な使用では、チャンバ72は、窒素などのガスで、地表レベルにおいて、例えば3,500psigの所定の圧力まで加圧されてもよい。チャンバ72の加圧は、チャンバ72及びチャンバ74との間に圧力差をもたらし、スリーブピストン60を、チャンバ74に向う進行路の端まで移動させる。そして、チャンバ72は、そのチャンバを閉鎖するために封止をされることが好ましい。ツール58は、その後抗井孔へ降ろされてもよい。チャンバ74及び76の静水圧は、深さに伴い増加する。ツールが降ろされるにつれ、チャンバ76及び74の圧力PB(HI)は、その圧力がチャンバ72の圧力と均等になるまで増加する。チャンバ74及び76の圧力が、チャンバ72の初期圧力を超える圧力に増加することにより、チャンバ72内のガスがさらに圧縮されて、それに伴ってスリーブピストン60を動かすことが可能となる。チャンバ72内の圧力は、チャンバ74及び76内の圧力と等しくなるまで徐々に増加する。あるタイプのツールでは、等しくなったチャンバ72及びチャンバ74、76の圧力が、例えば10,000psigのあるレベルに達した時、スリーブピストン60が最終的に適切な位置にロックされてもよい。
【0020】
チャンバ76及び従ってチャンバ74内の圧力は、井戸変動の結果として、例えばおよそ6,000psigと20,000psigとの間で劇的に変動し得る。チャンバ74及び76の圧力が、チャンバ72の圧力を上回る時、プラグ46及び環状出口部材26のリップ部分42は、破裂ディスク28の湾曲セクション38を十分にサポートし、ディスクの破裂を防ぐ。この差圧の増加は、20,000psig(チャンバ74及び76内の30,000psigマイナスチャンバ72内の10,000psig)程度まで可能である。破裂ディスク28の湾曲セクション38をサポートするプラグ46及びそれに対応するリップ42は、その非常に高い背圧を完全にサポートすることが可能である。
【0021】
一方、チャンバ76及び74の圧力が10,000psigを下回る時、スリーブピストン60が適切な位置にロックされ、チャンバ72に閉じ込められたガスをそれ以上加圧することができないため、破裂ディスク28の湾曲セクション38の圧力サイクリングが起こってもよい。チャンバ72のオフセット圧以下の、チャンバ74内の圧力の各変化は、破裂ディスク28の1サイクルである。破裂ディスクユニット20の独自の構造は、少なくとも約100サイクル以上の破裂ディスクの圧力サイクリングに対応する。
【0022】
破裂ディスク28は、必要に応じて、例えばチャンバ74及び76の圧力レベルを5,000psig上回るディスクの破裂圧力を超えるレベルまでチャンバ72の圧力を単に増加させることによって、起動及び破裂されてもよい。ディスク28の破裂をもたらすのに十分な圧力がプラグ46の面50に加えられる時、プラグ46は拘束されることなく、破裂ディスク28の湾曲セクション38へ向かってシフトし、それによって、湾曲セクション38の破裂及び開放をもたらす。
【0023】
図面の図10−16に図示される別の起動破裂ディスクユニット120は、構成および動作において、破裂ディスクユニット20と類似しており、その動作特性及び利点を全て備える。破裂ディスクユニット120は、環状で、外部ネジ式の入口ボディ124及び環状出口部材126を有する筐体122を含む。湾曲中央セクション138及び周辺フランジ128aを有する破裂ディスク128は、破裂ディスクユニット20に関して前述したのと同じ様式で、ボディ124及び部材126との間に設置される。
【0024】
ディスクユニット20及びディスクユニット120間の主な違いは、ディスク128の開放方向の反転である。破裂ディスク120も、また、好ましくは、ステンレススチールの棒材料から機械加工された管状筐体122を有する。筐体122は、環状のステンレススチール製入口ボディ124及び別体の環状ステンレススチール製出口部材126を有する。湾曲破裂ディスク128は、入口ボディ124と出口部材126との間に設置され、ボディ124、部材126及びディスク128の周辺部分128aは、溶接などによって接合されている。
【0025】
筐体122は、破裂ディスクユニット20の六角ツールを受ける通路部分36と同じ直径及び構造の通路部分136から成る中央起動通路130を有する。通路部分136は、テーパ状の通路部分134につながる小口径の通路部分137と連通する。ボディ124の、周方向に延在しかつ外側を向くリップ部分142は、湾曲した構造であり、破裂ディスクユニット20の入口ボディ24のリップ部分42と同様に、破裂ディスク128の凹面144の外周と相補的に係合する。テーパ状の通路部分134も、16°から35°の角度が好ましく、約25°が最も好ましい。
【0026】
環状出口部材126は、環状入口ボディ124の起動通路130と同軸の通路132を有する。通路132の直径は、破裂ディスク128の湾曲セクション138の直径と等しいことが好ましい。自己解放円錐プラグ146も、同様に316ステンレススチールから製造されることが好ましく、入口ボディ124のテーパ状通路部分134に相補的に収容されるよう構成される。破裂ディスクユニット120が直径1/4インチの湾曲セクション138を有する破裂ディスクと併せて使用される時、プラグ146の寸法は、プラグ46に関して記載したのと同じでよい。
【0027】
破裂ディスクユニット120も、作動圧力と比較して非常に高い背圧に耐える能力が要件である用途に使用されるよう構成される。ユニット120の作動は、加圧流体を、プラグ146の面150に対して、通路部分136及び通路部分137を通して通路130へ導入することによって制御され、この加圧流体の導入は、破裂ディスク128の湾曲セクション138を破裂させるのに十分なものである。プラグ146の自己解放特性のため、プラグはテーパ状通路部分134からの解放に対して拘束されることはない。
【0028】
破裂ディスクユニット120は、低圧力差を保つために、圧力がユニットの入口側に加えられることを必要とせずに、破裂ディスクユニットの出口側が直接の井戸圧力に晒される場合に、作動装置として、特に有効である。例えば、入口が大気圧である一方、出口が井戸圧に晒されてもよい。
【0029】
別の作動破裂ディスクユニット220が、図面の図17〜19に示され、筐体222の通路232に延在し、プラグ246に嵌め込まれかつ溶接されてもよい長い幹部分282を持つ、略T型の金属器具280を有する278で広く示される要素の追加を除いて、図1〜7に関して図示されかつ説明されたような、類似の筐体、ディスク及びプラグを含む。器具280の幹部分282は、器具280の分岐した横材284が筐体220の出口部材226の外面226aから通常時は距離を隔てるような長さである。横材284の腕284aは、図17に図示されるように、異なる方向に通路232から延在する。図19に図示されるように、プラグ246の面250に対する流体圧力によるユニット220の起動の際に、プラグ246が通路230から外れた時、ディスク228が破裂する。プラグ246は、横材284の腕284aと、出口部材226の外面226aとの係合により、筐体222内に捕捉される。
【0030】
破裂ディスクユニットの起動時のプラグを捕捉するための別の代替構造が、図20〜22に図示される。第2ディスク386がユニット320のディスク328に覆われる。ディスク386は、中央湾曲セクション386bと一体であるフランジ部分386aを有する。ディスク386は、フランジ386a内に延在し、またディスク386の湾曲セクション386bに形成された略円形の内部セクション338bとつながる脚セグメント388aを持つ脆弱部388のU型のスリットまたはラインを備える。脆弱部388のラインは、脆弱部388の脚セグメント388aの最外端の間を、ディスク386のヒンジ領域394まわりで曲げることが可能なヒンジセクション392を規定する。ドーム状中央セクション386bは、プラグ346の端面セグメント348に、点390においてスポット溶接される。
【0031】
図22に最も良く図示されるように、プラグ346の面350に対する流体圧力によってユニット320を起動させて、プラグが出口部材326から外されると、ディスク328の中央湾曲セクション338が、プラグ346により破裂される。出口部材326の通路330からのプラグ346の離脱は、ディスク386のヒンジセクション392を、ヒンジ領域394まわりで曲げる。図22に最も良く図示されるように、ディスク386のヒンジセクション392の、プラグ346の面384へのスポット溶接により、プラグ346の作動は、プラグ346を、ユニット320の筐体322内に保持させることとなる。
【0032】
図23に図示される、本発明のさらなる別の実施形態では、プラグ446が、それを通る軸方向に延在する流体通路494を備えている以外、ユニット420はユニット20と同じである。通路494は、起動流体圧力を、破裂ディスク428の湾曲セクション438の下面に当てることを可能にし、ディスク428の制御された破裂を支援する。プラグ446を通る通路494の具備により、破裂ディスクユニット420の流体起動は、特定の動作条件の下、より正確に制御されることが可能である。例えば、起動流体が比較的高粘性の場合、プラグ446の通路494の設置は、高粘性材料を破裂ディスク428へ直接接触させ、それによって、それの破裂を支援する。通路494の直径は、起動圧力に対する背圧の比に比例することが好ましい。比率が高くなるほど、通路の直径が小さくなり;この比が小さくなるほど、プラグ446の直径に対する通路494の直径が大きくなる。低い比の場合、破裂ディスク428のより速い起動が望まれ、通路494はより大口径とするべきである。高い比の場合、破裂ディスクの起動に対するより大きな制御が必要とされもしくは望まれ、プラグ446の直径に対してより小口径の通路494が設けられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破裂起動圧力より実質的に高い背圧を耐えることが可能である起動破裂ディスクユニットであって、
流体起動通路を有し、前記流体起動通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記起動通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい面積となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
その中央セクションが、前記起動流体通路の前記テーパ状の部分の前記出口に対して、流体を遮断する関係となるように、前記筐体内に取り付けられる破裂ディスクと、
前記破裂ディスクの前記中央セクションを支持する関係で、前記流体起動通路の前記テーパ状部分に設置され、前記壁構造の前記テーパ状部分と、前記ディスクの前記中央セクションとのそれぞれに一致する面を有するとともに、前記ディスクの前記起動圧力より実質的に大きい背圧下で、該ディスクの破裂をサポートし、かつ防止するのに十分な質量であるテーパ状の自己解放プラグとを有する起動破裂ディスクユニット。
【請求項2】
前記プラグは、むくの個体モノリシックボディである請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項3】
前記プラグは、前記起動圧力に対する前記背圧の比に比例する直径を持つ、前記プラグを通る軸方向に伸びる通路を有する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項4】
前記プラグは、略円錐形である、請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項5】
前記破裂ディスクは、前記通路の前記テーパ状部分の前記出口を横切って延在する中央湾曲セクションを有し、前記湾曲セクションは、対向する凹面及び凸面を有し、前記プラグは、前記破裂ディスクの前記基部の凹面に略一致しかつ係合する半球端面を有する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項6】
前記プラグの最大軸長に対する、前記プラグの最大直径の比が、およそ0.7である請求項5に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項7】
前記ディスクの前記湾曲セクションの直径が、約1/8インチから約4インチの範囲内である請求項4に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項8】
前記プラグは、前記ディスクの前記起動圧力の少なくとも約10倍の大きさの圧力下で、前記破裂ディスクの前記中央セクションを支持するサイズ及び質量である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項9】
前記プラグは、少なくとも約50,000psigの背圧を支持するサイズ及び質量である、請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項10】
前記プラグは、少なくとも約35,000psigの背圧を支持するサイズ及び質量である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項11】
前記破裂ディスクの前記中央セクションは、約1,000から約8,000psigの起動圧力下で破裂する請求項9に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項12】
前記破裂ディスクの前記中央セクションは、約5,000から約6,000psigの起動圧力下で破裂する請求項9に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項13】
前記ユニットの耐性圧力に対する起動圧力の比が、約1:2から約1:50psigである請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項14】
前記ユニットの耐性圧力に対する起動圧力の比が、約1:10から約1:50psigである請求項13に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項15】
前記筐体は、前記ユニットが、油井仕上げツールのネジ式開口に挿入されるようにするため、外部ネジを具備する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項16】
前記筐体が、円筒状ボディ及び円筒状入口リングを有し、前記破裂ディスクが、前記ボディ及び前記入口リングとの間にクランプされる周辺フランジを備える請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項17】
前記起動通路を規定する前記壁構造は、約16°から約35°の角度のテーパ形状である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項18】
前記起動通路を規定する前記壁構造は、約25°の角度のテーパ形状である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項19】
前記プラグは、金属材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項20】
前記プラグは、セラミック材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項21】
前記プラグは、強化合成樹脂材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項22】
前記プラグは、グラファイト材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項23】
前記プラグは、壊れ易い材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項24】
前記プラグは、低融点の可溶材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項25】
前記筐体及び前記破裂ディスクは、異なる金属製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項26】
前記壁構造は、前記流体起動出口を規定し、かつ前記起動通路の前記テーパ状部分の内側に位置する略円筒状セグメントを含み、前記破裂ディスクは、前記流体起動通路の前記テーパ状部分及び前記円筒状セグメントとの間の、それらの接合帯域に位置する前記ディスクの前記湾曲セクションと共に配置される請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項27】
前記壁構造は、前記流体起動出口を規定し、かつ前記起動通路の前記テーパ状部分の外側に位置する略円筒状セグメントを含み、前記破裂ディスクは、前記流体起動通路の前記テーパ状部分及び前記円筒状セグメントとの間の、それらの接合帯域に位置する前記ディスクの前記湾曲セクションと共に配置される請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項28】
前記破裂ディスクは、前記破裂圧力の約90%までのフル耐性背圧の100サイクルを耐えることが可能である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項29】
前記破裂ディスクは、約40°Fから約350°Fの範囲内の温度で、選択された破裂圧力で動作することが可能である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項30】
前記破裂ディスクの前記湾曲セクションの最大の高さと、前記湾曲セクションの前記直径の比が、約1:2.5である請求項5に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項31】
高い背圧を耐えることが可能である破裂ディスクユニットであって、
流体通路を有し、前記流体通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記流体通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい領域となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
前記筐体内によって担持され、前記流体通路に対して流体を遮断する関係にある中央セクションを有する破裂ディスクと、
前記破裂ディスクに対して支持する関係で、前記流体通路に存在し、前記ディスクが、前記壁構造の前記テーパに一致するように形成され、かつ、前記ディスクの中央セクションに対して支持する関係で、前記ディスクの中央セクションに略一致する面を有するテーパ状の自己解放プラグとを有する破裂ディスクユニット。
【請求項32】
高い背圧を耐えることが可能である破裂ディスクユニットであって、
流体通路を有し、前記流体通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記流体通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい領域となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
前記筐体内によって担持され、前記流体通路に対して流体を遮断する関係にある中央セクションを有する破裂ディスクと、
前記破裂ディスクに対して支持する関係で、前記流体通路に存在し、前記ディスクが、前記壁構造の前記テーパに一致するように形成され、かつ、前記ディスクの中央セクションに対して支持する関係で、前記ディスクの中央セクションに一致する面を有するテーパ状の自己解放プラグと、
前記プラグに対する流体圧力の下で、前記流体通路から前記プラグが外れる時に、前記プラグを捕捉するための前記プラグと対応して動作可能な要素とを有する破裂ディスクユニット。
【請求項33】
前記要素が前記プラグに固定されている請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項34】
前記要素は、略T型の形状であり、前記プラグに固定された幹部分と、前記流体通路の外部に位置する長い横材とを有し、前記横材は、前記流体通路の前記入口の直径より大きい長さである請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項35】
前記横材は、分岐した形状である請求項34に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項36】
前記要素は、プラグに対する流体圧力の下で、前記流体通路から前記プラグが外れる時に、前記プラグが前記筐体から離脱することを防ぐための前記プラグに動作可能連結されたヒンジ装置を有する請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項37】
前記ヒンジ装置は、前記プラグ及び前記破裂ディスクの間に設置され、前記プラグに取り付けられる中央ヒンジセクションを有し、前記ヒンジセクションは、前記流体通路を遮断する位置から前記プラグが外れる時に開き、また前記プラグを捕捉する請求項36に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項38】
前記ヒンジ装置は、前記中央ヒンジセクションを規定する、虚弱部の略U型のスリットまたはラインを有する請求項37に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項1】
破裂起動圧力より実質的に高い背圧を耐えることが可能である起動破裂ディスクユニットであって、
流体起動通路を有し、前記流体起動通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記起動通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい面積となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
その中央セクションが、前記起動流体通路の前記テーパ状の部分の前記出口に対して、流体を遮断する関係となるように、前記筐体内に取り付けられる破裂ディスクと、
前記破裂ディスクの前記中央セクションを支持する関係で、前記流体起動通路の前記テーパ状部分に設置され、前記壁構造の前記テーパ状部分と、前記ディスクの前記中央セクションとのそれぞれに一致する面を有するとともに、前記ディスクの前記起動圧力より実質的に大きい背圧下で、該ディスクの破裂をサポートし、かつ防止するのに十分な質量であるテーパ状の自己解放プラグとを有する起動破裂ディスクユニット。
【請求項2】
前記プラグは、むくの個体モノリシックボディである請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項3】
前記プラグは、前記起動圧力に対する前記背圧の比に比例する直径を持つ、前記プラグを通る軸方向に伸びる通路を有する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項4】
前記プラグは、略円錐形である、請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項5】
前記破裂ディスクは、前記通路の前記テーパ状部分の前記出口を横切って延在する中央湾曲セクションを有し、前記湾曲セクションは、対向する凹面及び凸面を有し、前記プラグは、前記破裂ディスクの前記基部の凹面に略一致しかつ係合する半球端面を有する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項6】
前記プラグの最大軸長に対する、前記プラグの最大直径の比が、およそ0.7である請求項5に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項7】
前記ディスクの前記湾曲セクションの直径が、約1/8インチから約4インチの範囲内である請求項4に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項8】
前記プラグは、前記ディスクの前記起動圧力の少なくとも約10倍の大きさの圧力下で、前記破裂ディスクの前記中央セクションを支持するサイズ及び質量である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項9】
前記プラグは、少なくとも約50,000psigの背圧を支持するサイズ及び質量である、請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項10】
前記プラグは、少なくとも約35,000psigの背圧を支持するサイズ及び質量である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項11】
前記破裂ディスクの前記中央セクションは、約1,000から約8,000psigの起動圧力下で破裂する請求項9に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項12】
前記破裂ディスクの前記中央セクションは、約5,000から約6,000psigの起動圧力下で破裂する請求項9に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項13】
前記ユニットの耐性圧力に対する起動圧力の比が、約1:2から約1:50psigである請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項14】
前記ユニットの耐性圧力に対する起動圧力の比が、約1:10から約1:50psigである請求項13に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項15】
前記筐体は、前記ユニットが、油井仕上げツールのネジ式開口に挿入されるようにするため、外部ネジを具備する請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項16】
前記筐体が、円筒状ボディ及び円筒状入口リングを有し、前記破裂ディスクが、前記ボディ及び前記入口リングとの間にクランプされる周辺フランジを備える請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項17】
前記起動通路を規定する前記壁構造は、約16°から約35°の角度のテーパ形状である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項18】
前記起動通路を規定する前記壁構造は、約25°の角度のテーパ形状である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項19】
前記プラグは、金属材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項20】
前記プラグは、セラミック材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項21】
前記プラグは、強化合成樹脂材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項22】
前記プラグは、グラファイト材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項23】
前記プラグは、壊れ易い材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項24】
前記プラグは、低融点の可溶材料製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項25】
前記筐体及び前記破裂ディスクは、異なる金属製である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項26】
前記壁構造は、前記流体起動出口を規定し、かつ前記起動通路の前記テーパ状部分の内側に位置する略円筒状セグメントを含み、前記破裂ディスクは、前記流体起動通路の前記テーパ状部分及び前記円筒状セグメントとの間の、それらの接合帯域に位置する前記ディスクの前記湾曲セクションと共に配置される請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項27】
前記壁構造は、前記流体起動出口を規定し、かつ前記起動通路の前記テーパ状部分の外側に位置する略円筒状セグメントを含み、前記破裂ディスクは、前記流体起動通路の前記テーパ状部分及び前記円筒状セグメントとの間の、それらの接合帯域に位置する前記ディスクの前記湾曲セクションと共に配置される請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項28】
前記破裂ディスクは、前記破裂圧力の約90%までのフル耐性背圧の100サイクルを耐えることが可能である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項29】
前記破裂ディスクは、約40°Fから約350°Fの範囲内の温度で、選択された破裂圧力で動作することが可能である請求項1に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項30】
前記破裂ディスクの前記湾曲セクションの最大の高さと、前記湾曲セクションの前記直径の比が、約1:2.5である請求項5に記載の起動破裂ディスクユニット。
【請求項31】
高い背圧を耐えることが可能である破裂ディスクユニットであって、
流体通路を有し、前記流体通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記流体通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい領域となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
前記筐体内によって担持され、前記流体通路に対して流体を遮断する関係にある中央セクションを有する破裂ディスクと、
前記破裂ディスクに対して支持する関係で、前記流体通路に存在し、前記ディスクが、前記壁構造の前記テーパに一致するように形成され、かつ、前記ディスクの中央セクションに対して支持する関係で、前記ディスクの中央セクションに略一致する面を有するテーパ状の自己解放プラグとを有する破裂ディスクユニット。
【請求項32】
高い背圧を耐えることが可能である破裂ディスクユニットであって、
流体通路を有し、前記流体通路の少なくとも一部を規定する壁構造を備え、前記通路の一部が、流入口と流出口とを有し、前記壁構造が、前記流体通路の一部の前記流入口が前記流出口の領域より小さい領域となるような方向にテーパ状である管状筐体と、
前記筐体内によって担持され、前記流体通路に対して流体を遮断する関係にある中央セクションを有する破裂ディスクと、
前記破裂ディスクに対して支持する関係で、前記流体通路に存在し、前記ディスクが、前記壁構造の前記テーパに一致するように形成され、かつ、前記ディスクの中央セクションに対して支持する関係で、前記ディスクの中央セクションに一致する面を有するテーパ状の自己解放プラグと、
前記プラグに対する流体圧力の下で、前記流体通路から前記プラグが外れる時に、前記プラグを捕捉するための前記プラグと対応して動作可能な要素とを有する破裂ディスクユニット。
【請求項33】
前記要素が前記プラグに固定されている請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項34】
前記要素は、略T型の形状であり、前記プラグに固定された幹部分と、前記流体通路の外部に位置する長い横材とを有し、前記横材は、前記流体通路の前記入口の直径より大きい長さである請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項35】
前記横材は、分岐した形状である請求項34に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項36】
前記要素は、プラグに対する流体圧力の下で、前記流体通路から前記プラグが外れる時に、前記プラグが前記筐体から離脱することを防ぐための前記プラグに動作可能連結されたヒンジ装置を有する請求項32に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項37】
前記ヒンジ装置は、前記プラグ及び前記破裂ディスクの間に設置され、前記プラグに取り付けられる中央ヒンジセクションを有し、前記ヒンジセクションは、前記流体通路を遮断する位置から前記プラグが外れる時に開き、また前記プラグを捕捉する請求項36に記載の破裂ディスクユニット。
【請求項38】
前記ヒンジ装置は、前記中央ヒンジセクションを規定する、虚弱部の略U型のスリットまたはラインを有する請求項37に記載の破裂ディスクユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2010−516928(P2010−516928A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548406(P2009−548406)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/052398
【国際公開番号】WO2008/094965
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/052398
【国際公開番号】WO2008/094965
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
[ Back to top ]